JPH09103670A - 反応蒸留方法を用いた化学反応熱ポンプ装置 - Google Patents

反応蒸留方法を用いた化学反応熱ポンプ装置

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JPH09103670A JP8184342A JP18434296A JPH09103670A JP H09103670 A JPH09103670 A JP H09103670A JP 8184342 A JP8184342 A JP 8184342A JP 18434296 A JP18434296 A JP 18434296A JP H09103670 A JPH09103670 A JP H09103670A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学反応熱ポンプに使用できる可逆反応系、
即ち、2−プロパノール/アセトン/水素反応系を利用
し、閉鎖回路を成している一つの装置において吸熱反応
と発熱反応を同時に行うことは勿論、高純度の反応生成
物を分離供給することにより化学反応熱ポンプの効率を
極大化させ、また反応物の再供給なしで半永久的に使用
が可能な装置を提供する。 【解決手段】 それぞれ触媒が充填された、吸熱反応部
Aとその制御部C及び発熱反応部Bとその制御部Dから
なり、低温における吸熱反応と高温における発熱反応を
連続的に行うことができる反応系を含む化学反応熱ポン
プ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃熱を効果的に利
用することができる化学反応熱ポンプ装置に関する。具
体的に言えば、本発明は、低温における吸熱反応と高温
における発熱反応を連続的に行って、熱を低温から高温
に移動させることができ、また反応安定性を有し、生成
物と反応物との分離が容易な化学反応系を利用すること
により、特に操作上の危険が少なく、かつ商業的に利用
可能性が非常に高い化学反応熱ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱ポンプは、低温の熱を高温に替える装
置であって、1852年にカルビンにより構成された熱
ポンプがその始まりであると知られている。しかし、実
際にはジェイコブ・パーキンスによる蒸気圧縮式冷凍機
の設計が、カルビンのそれより18年も先立っている。
空気圧縮式冷凍機を利用した最初の製氷工場が、185
0年頃オーストラリアのジェムス・ヘリソンにより建て
られている。
【0003】現代的な意味の熱ポンプは、ハルデインが
1930年に製作した装置をその初めと見なすのが一般
的であるが、ハルデインは大気を熱源として利用し、気
象の条件が良くないときに備えて水が兼用できるように
考案した。1935年には空気の調節と冷房を目的とし
て、水と臭化リチウムを利用した吸水サイクル熱ポンプ
が米国で設けられた。この装置は燃焼物質と爆発性がな
く、人体に対しても無害であるため商業的に利用されて
きた〔D.V. Paranjape, et al., "Characteristics of
Water-Calcium Chloride and Water-Lithium Bromide A
bsorption HeatPumps," AICHE J. 32 (1986), 1924-192
7〕。
【0004】従来の機械的な熱ポンプは、潜熱を利用し
て機械的エネルギーを熱エネルギーに変換して貯蔵した
後、より高い温度の熱に替える反面、化学反応熱ポンプ
は化学反応の反応熱を利用して熱を吸収した後、より高
温で熱を放出するので、機械的な熱ポンプより多量の熱
を更に高い温度まで移動させることができる長所があ
る。また、化学反応熱ポンプは、機械的熱ポンプのよう
に流体を圧縮し、膨張させる必要がないので、更に効率
的に高温の熱を作りうる長所がある。特に、化学反応熱
ポンプはエネルギー密度が潜熱や顕熱より更に大きい化
学反応の反応熱を利用しているので、貯蔵容器などの付
帯施設を備えなくても、長期間熱の損失なしで高温の熱
を貯蔵できる長所がある。しかし、前記のような機械的
熱ポンプに比べて優れた長所を有する化学反応熱ポンプ
は、反応の可逆性、触媒、反応速度などの物理化学的な
問題のみならず、反応器、ポンプ、熱交換器、分離器な
どの装置上の問題点のために、今まで実用化されなかっ
た。
【0005】以上の理由により、商業的に利用可能な化
学反応熱ポンプ装置の開発は行われていないが、下記の
表1に示したような、使用可能な反応系及び触媒につい
ては相当多くの研究が進められている。
【0006】
【表1】
【0007】前記表1で示された反応系中、実用化の可
能性が非常に高い反応系は、2−プロパノール/アセト
ン/水素反応系である。一般に、この反応系は比較的低
温で(100℃以下)熱を吸収し、高温で(200℃以
上)熱を放出することができ、また反応が安定で生成物
と反応物との分離が容易であり、特に操作上の危険が少
ないため商業的な利用可能性が非常に高い。前記2−プ
ロパノール/アセトン/水素の反応機構は下記式(1)
で示される。 C37 OH+熱=C36 O+H2 ………(1)
【0008】この反応系は、前述のように表1の反応系
に比べて低い温度で熱を吸収することができ、反応安全
性が高いので、日本、フランスなどにおいて多くの研究
者が実用化のための研究用として利用している。この反
応系では80℃付近で2−プロパノールがアセトンと水
素に分解しながら、2−プロパノール1モル当り24Kc
alの熱を吸収する(以下、「吸熱反応」という)。ま
た、熱を吸収したアセトンと水素は、200℃付近で熱
を放出しながら2−プロパノールに転換し(以下、「発
熱反応」という)、転換された2−プロパノールは再び
吸熱反応段階に流入されて更にアセトンと水素に分解し
て熱を吸収する。以上のとおり、前記反応系は連続的に
吸熱反応と発熱反応とを行って、熱を低温から高温に移
動することができる化学反応系である。
【0009】しかし、化学反応熱ポンプ装置を構成する
には、この反応系の吸熱反応において、2−プロパノー
ルがアセトンと水素とに完全に分解するか、あるいは発
熱反応を起こすことができる最少濃度以上の転化率を有
しなければならないことは勿論、発熱反応においても同
様に十分な転化率を有しなければならない。しかし、前
記反応系は他の一般的な全ての反応と同様に、吸熱反応
は濃度が高いほど、また発熱反応は温度が低いほど平衡
転化率が高いため、低い温度で吸熱して更に高い温度で
発熱しなければならない化学反応熱ポンプを構成するに
は困難性がある。
【0010】前記反応系中、吸熱反応の温度に対する理
論平衡転化率は、700℃以上で99モル%以上の高い
値を有するが、温度が低下することによりその値が次第
に減少して、化学反応熱ポンプで利用することができる
温度の60〜100℃(以下、「吸熱温度」という)で
は2〜11モル%となる。また、発熱反応温度に対する
理論平衡転化率は、80℃以下で95モル%以上の値を
有するが、温度が増加するに従いその値が次第に減少し
て、化学反応熱ポンプで利用できる温度の200℃程度
(以下、「発熱温度」という)では約20モル%にな
る。
【0011】以上の結果から、前記反応系(表1で示し
た他の反応系全てを含む)を利用して低温で吸熱反応を
行い、高温で発熱反応を行うためには、吸熱反応におい
て反応物として使用される発熱反応の生成物中の2−プ
ロパノール濃度が、少なくとも11モル%以上にならな
ければならない。逆に発熱反応で反応物として使用され
る吸熱反応生成物中のアセトンと水素の濃度が、少なく
とも20モル%以上にならなければならないことが分か
る。また、吸熱反応の場合、反応物の濃度が平衡転化率
以上になるとしても、反応における濃度の差異は、その
反応の主な推進力になるため、濃度差が大きいほど生成
物の生産速度は大きくなる。故に、前記反応系の可逆過
程を円滑に循環させるためには、反応物の濃度を高める
ための分離装置が必要となる。特に、反応効率を高める
には、主反応器より更に大きい分離装置が必要となり、
これに伴う熱の伝達、移送、断熱などの問題点が生じ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上の条件を満たす装
置を作るためには、蒸留塔及び移送ポンプなどの装置の
大型化が不可避になり、かつ、分離装置の運転に過度の
エネルギーが必要となるため、現実的に産業化は困難で
ある。
【0013】したがって、本発明の目的は、前記式
(1)の反応系を導入した化学反応熱ポンプ装置を実用
化するに際して、制約となる前記の問題点を解決する装
置を開発して、実用可能な化学反応熱ポンプ装置を提供
することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、本発明においては、蒸留塔中に設ける蒸留段又
は充填物の代わりに特殊製作した触媒を充填し、化学反
応と同時に蒸留工程を行って、吸熱反応と分離工程を同
時に遂行する装置(以下、「吸熱反応器」という)を構
成して、反応蒸留工程を利用することである。
【0015】かかる反応蒸留工程において、吸熱反応器
内に存在する触媒と下向流として存在する液相との境面
では反応平衡が保持され、この液相と上向流として存在
する気相との境面では相平衡が存在する。ここで、液相
では2−プロパノールとアセトンのみが存在し、気相で
は2−プロパノールとアセトン並びに水素が存在するこ
とになる。液相において水素が存在しない理由は、水素
の蒸気圧が他の二つの物質のそれに比べて非常に大きい
からである。ここで、もし液相に存在する物質のモル分
率が、吸熱反応が進行できる領域のモル分率を有すると
すれば、液相に存在する2−プロパノールは触媒と反応
してアセトンと水素とに分解する。分解された水素は反
応と同時に気相に移動して発熱反応に参与し、アセトン
は、液相で先に移動した液相の2−プロパノールと相平
衡を保持しながら気相としても移動する。ここで一つ留
意すべき点は、液相のモル分率が、発熱反応が進行でき
る領域のモル分率を有するとしても、気相に存在する水
素と触媒とが接触する機会がないから、発熱反応は起こ
らないことになり、吸熱反応器内で本反応系は非可逆反
応になる。
【0016】したがって、前記のような化学反応系を使
用すれば、他の付随的な操作なしで、連続的に高純度の
アセトンと水素を発熱反応器に連続供給することがで
き、発熱反応器から吸熱反応器に供給される低濃度の2
−プロパノールを吸熱反応器の適当な位置に供給して、
熱を連続的に低い温度から高い温度へ移動できる化学反
応熱ポンプ装置を構成することができる。
【0017】以上、2−プロパノール/アセトン/水素
反応を通じて、本発明装置のメカニズムを説明したが、
本発明の装置はこの反応系のみに限定されることなく、
サイクロヘキサン/ベンゼン/水素反応系にも適用する
ことができる。
【0018】更に具体的に言えば、本発明は、可逆的化
学反応が可能な反応系を使用して、低温における吸熱反
応と高温における発熱反応とを連続的に行うことができ
るようになり、それぞれ触媒を充填した吸熱反応部と発
熱反応部、熱を装置の外部に伝達する手段、そして制御
手段並びに断熱手段、からなることを特徴とする化学反
応熱ポンプ装置を提供する。
【0019】ここで、吸熱反応部は、吸熱反応器の主反
応部と反応蒸留部とが同じ一つの経路で連結され、反応
と蒸留が同時に起こる反応蒸留装置であって、発熱反応
部には、導入される原料の自体加熱(self heating)が
円滑に起こるように、発熱反応器の内径の0.1〜0.
9倍の大きさの内部経路を一つ以上有する。
【0020】かかる本発明の反応系において、触媒とし
ては、ルテニウム、白金、亜クロム酸銅、Cu−Zn及
びラネーニッケルよりなる群から選択される少なくとも
一種類を、アルミナ、活性炭又はゼオライトに担持させ
たものが用いられる。
【0021】以上、図面を参照して本発明を更に詳しく
説明する。
【0022】図1に示したとおり、本発明の装置は、吸
熱反応部A、発熱反応物B、吸熱反応部制御部C及び発
熱反応部制御部Dから構成される。吸熱反応部Aの主反
応部(11)、反応蒸留部(12及び13)及び発熱反
応部Bの発熱反応器(26)に触媒を充填して、80〜
100℃の廃熱を含む熱媒体を熱媒体入口(41)に供
給し、吸熱反応器再沸器(31)、吸熱反応部Aの熱媒
体経路(42)、熱媒体経路(43)を順に通過しなが
ら、熱を前記主反応部(11)に供給する。
【0023】装置に熱を供給した熱媒体は、チェックバ
ルブ(34)を経て反応物予熱器(32)より発熱生成
物出口(27)に供給される発熱反応生成物から一次的
に熱を吸収する。
【0024】反応物予熱器(32)を通過した熱媒体は
熱媒体経路(44)を経て発熱反応部Bの熱媒体経路
(45)を通過しながら発熱反応器(26)から二次的
に熱を吸収する。このように、装置から熱を吸収した熱
媒体は発熱反応部Bの制御部D、即ち、温度制御器(5
4)、温度感知器(55)、制御バルブ(56)により
望みの温度(120〜300℃)を保持しながら熱媒体
出口(46)を通じて一定に排出される。吸熱反応物は
熱媒体から熱の供給を受けた吸熱反応部Aの再沸器(3
1)にて沸騰され、吸熱反応器の再沸器出口(15)を
通じて主反応部(11)へ一定に供給される。主反応部
(11)へ供給された吸熱反応物は、一定の反応速度で
吸熱反応を起こし、吸熱反応物の一部は生成物に転換さ
れた後、未反応混合物は再び吸熱反応部Aの反応蒸留部
(12及び13)へ供給されて未反応の吸熱反応物が完
全に転換される。吸熱反応物を完全に転換するために吸
熱反応部Aの反応蒸留部(13)上部の温度は吸熱反応
部Cの制御部、即ち、温度制御器(51)、制御バルブ
(52)及び温度感知器(53)を用いて一定に保持
し、反応生成物中の一定量を還流させて前記反応蒸留部
(12及び13)における未反応反応物が完全に転換さ
れるようにする。
【0025】ここで、吸熱反応部Aで生成した吸熱反応
生成物は、すぐ発熱反応で用いられる反応物になる。吸
熱反応部Aで生じた発熱反応物は冷却器(37)により
冷却された後、一定圧力(0.1〜5気圧)下で気体と
液体とが存在することになる。次いで、これらはそれぞ
れ気体ポンプ(35)と液体ポンプ(36)を使用して
発熱反応物経路(22)を経て反応物予熱器(32)で
60℃以上に予熱された後、発熱反応物経路(23)を
通じて混合器(33)で均一に混合され、次いで発熱反
応部Bの入口(24)に供給される。このとき、吸熱反
応部Aで生成した発熱反応物中の液体で存在する反応物
は、装置の円滑な運転のために液体貯蔵槽(21)に一
時貯蔵した後供給する。発熱反応部Bの入口(24)に
供給した発熱反応物は、発熱反応器(26)の内部経路
(25)を通過しながら、発熱反応器(26)の反応熱
により70〜200℃に自動加熱されて発熱反応器(2
6)に流入される。発熱反応器(26)に流入された発
熱反応物は、一定の反応速度で発熱反応を起こして前記
内部経路(25)の反応物と一緒に熱媒体経路(45)
の流体に高温(120〜300℃)の熱を伝達した後、
発熱生成物の出口(27)を通じて反応物予熱器(3
2)に伝達される。ここで、反応物は熱媒体及び発熱反
応物と熱交換を行う。熱交換が終った発熱反応生成物
は、一定の温度と流速で吸熱反応物の入口(16)を経
て吸熱反応器に流入される。
【0026】以上のように、本発明では、化学反応熱ポ
ンプに使用できる可逆反応系を用いて、閉鎖回路を成し
ている一つの装置において、吸熱反応と発熱反応を同時
に行うことは勿論、高純度の反応生成物を分離供給する
ことにより、化学反応熱ポンプの効率を極大化すること
ができ、また反応物の再供給なしで半永久的に使用が可
能な装置を開発するに至った。特に、熱が移動する過程
において熱の損失を極小化し、反応と分離を一つの装置
で処理することにより、運転費及び装置費を低減するこ
とができた。
【0027】図2は、今まで実用化された化学反応熱ポ
ンプがなかったから、一般的な反応と蒸留工程をそれぞ
れ別に行い、吸熱反応を行ったときと、本発明による装
置を用いて吸熱反応を行ったときの生成物の生成速度
を、吸熱反応の温度により比較したグラフである。
【0028】図2において、本発明の装置を使用したと
きに得た生成物の生成速度を円(○)で示し、反応と蒸
留を別に行ったときに得た生成物の生成速度は逆三角
(▽)で示した。本発明による装置を使用したときは、
一般的な方法を使用したときと比べて、20%以上生成
速度が向上していることが分かる。
【0029】図3は、本発明の装置と既存の一般的な装
置との熱ポンプの性能差異を、装置内部の大きさに対し
て比較して示したグラフであって、ここで本発明による
装置を使用して得た熱ポンプの性能を円(○)で示し、
一般の装置を用いて得た熱ポンプの性能を逆三角(▽)
で示した。本発明の装置を使用したときは一般の装置を
使用したときと比較して、熱ポンプの性能が2.5倍以
上向上していることが分かる。
【0030】以上のように、本発明の化学反応熱ポンプ
装置は、反応平衡を移動させることにより、生成物の生
成速度を20%以上向上させることができ、かつ装置の
大きさを最小化して吸熱反応器、分離装置、発熱反応器
を適切に配列し、熱ポンプの性能を既存の方法に比べて
2.5倍以上向上させることにより、廃熱を効率的に利
用することができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明の装置を実施例に基づいてより
詳しく説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0032】〔実施例1〕20〜50メッシュに選別し
た活性炭を用いてルテニウムと白金とを1:1に担持さ
せた後、これを吸熱反応部Aの主反応部(11)及び反
応蒸留部(12及び13)に充填し、10〜30メッシ
ュの亜クロム酸銅を発熱反応器(26)に充填した。8
0℃の水を熱媒体の入口(41)に供給して再沸器(3
1)→吸熱反応器の熱媒体経路(42)→熱媒体経路
(43)→チェックバルブ(34)→反応物予熱器(3
2)→熱媒体経路(44)→発熱反応器の熱媒体経路
(45)→熱媒体出口(46)の順で一定に供給した。
2−プロパノールは、供給バルブ(17)を通じて20
リットル/hr 供給し、冷却器(37)に常温の冷却水を
200リットル/hr 供給した。吸熱反応部Aの反応蒸留
部(13)上部の温度が上昇し始めると、その温度を5
6℃に保持できるように吸熱反応部Aの制御部C、即ち
温度制御器(51)、制御バルブ(52)及び温度感知
器(53)を用いて一定量を還流させた。圧力調節バル
ブ(38)を開けて吸熱反応部Aの内部圧力を常圧に調
節した。アセトンが液体貯蔵庫(21)に溜まり始める
と、気体ポンプ(35)と液体ポンプ(36)を作動し
て水素とアセトンを発熱反応物経路(22)を経て反応
物予熱器(32)で70℃に予熱した後、発熱反応物経
路(23)→混合器(33)→発熱反応器入口(24)
→発熱反応器の内部経路(25)→発熱反応器(26)
の順に供給した。
【0033】発熱反応器(26)の温度が上昇し始める
と、圧力調節バルブ(39)を調節して発熱反応器(2
6)の圧力が2.5気圧になるようにした。発熱反応器
(26)の圧力を2.5気圧に保持すると、2−プロパ
ノールの供給を徐々に減らし、透視鏡(18)から見て
吸熱反応部Aの主反応部(11)内部の液位が一定にな
ると、2−プロパノールの供給を中断した。同時に熱媒
体を温度制御器(54)、温度感知器(55)及び制御
バルブ(56)を用いて熱媒体出口(46)から一定に
排出して、200℃、16気圧の高圧蒸気を900リッ
トル/hr で得ることができた。
【0034】〔実施例2〕アルミナを50〜80メッシ
ュに選別して白金を担持させた後、吸熱反応部Aの主反
応部(11)と反応蒸留部(12及び13)及び発熱反
応部Bの発熱反応器(26)に充填した。100℃の水
を実施例1と同様の方法で供給した。サイクロヘキサン
を供給バルブ(17)で18リットル/hr 供給した。冷
却器(37)に常温の冷却水を200リットル/hr 供給
した。吸熱反応器の反応蒸留部(13)上部の温度が上
昇し始めると、その温度が80℃に保持できるように吸
熱反応部Aの制御部C、即ち温度制御器(51)、制御
バルブ(52)及び温度感知器(53)を用いてその一
定量を還流させた。圧力調節バルブ(38)を開けて吸
熱反応器の内部圧力を300Torrに調節した。ベンゼン
が液体貯蔵槽(21)に溜まり始めると、実施例1と同
様に気体ポンプ(35)と液体ポンプ(36)を作動し
て水素とベンゼンを発熱反応器(26)に供給した。発
熱反応器(26)の温度が上昇し始めると、圧力調節バ
ルブ(39)を調節して発熱反応器(26)の圧力が4
気圧になるようにした。発熱反応器(26)の圧力を5
気圧に一定に保持すると、サイクロヘキサンの供給を徐
々に減らし、透視鏡(18)から見て吸熱反応部Aの主
反応部(11)内部の液位が一定になると、サイクロヘ
キサンの供給を中断した。同時に熱媒体を発熱反応部B
の制御部D、即ち温度制御器(54)、温度感知器(5
5)及び制御バルブ(56)を用いて熱媒体出口(4
6)から一定に排出して、250℃、39気圧の高圧蒸
気を400リットル/hr 得ることができた。
【0035】〔実施例3〕50〜80メッシュのラネー
ニッケルを吸熱反応部Aの主反応部(11)に充填し、
Cu−Znを吸熱反応器の反応蒸留部(12及び13)
及び発熱反応器(26)に充填した。90℃の水を実施
例1と同様な方法で供給した。2−プロパノールは供給
バルブ(17)を通じて25リットル/hr 供給した。冷
却器(37)に常温の冷却水を200リットル/hr 供給
した。吸熱反応器の反応蒸留部(13)上部の温度が上
昇し始めると、その温度を56℃に保持できるように吸
熱反応部Aの制御部C、即ち温度制御器(51)、制御
バルブ(52)及び温度感知器(53)を用いてその一
定量を還流させた。圧力調節バルブ(38)を開けて吸
熱反応部Aの内部圧力を600Torrに調節した。アセト
ンが液体貯蔵槽(21)に溜まり始めると、実施例1と
同様に気体ポンプ(35)と液体ポンプ(36)を作動
してアセトンと水素を発熱反応器(26)に供給した。
発熱反応器(26)の温度が上昇し始めると、圧力調節
バルブ(39)を調節して発熱反応器(26)の圧力が
1.5気圧になるようにした。発熱反応器(26)の圧
力を1.5気圧に一定に保持すると、2−プロパノール
の供給を徐々に減らし、透視鏡(18)から見て吸熱反
応部Aの主反応部(11)内部の液位が一定になると、
2−プロパノールの供給を中断した。同時に熱媒体を発
熱反応部Bの制御部D、即ち温度制御器(54)、温度
感知器(55)及び制御バルブ(56)を用いて熱媒体
出口(46)から一定に排出して、210℃、19気圧
の高圧蒸気を720リットル/hr 得ることができた。
【0036】
【発明の効果】本発明による化学反応熱ポンプ装置は、
熱が移動する過程において熱の損失が極少化され、反応
と分離を一つの装置で処理することにより、運転費及び
装置費を低減すると同時に、操作上の危険が少なくかつ
商業的な利用可能性が非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置に対する概略図である。
【図2】反応と蒸留を別に行い、吸熱反応を行った場合
と、本発明の装置を使用して反応と蒸留を同時に行い、
吸熱反応を行った場合における生成物の生成速度を比較
して示したグラフである。
【図3】既存の一般的な装置を用いた場合と、本発明に
よる装置を用いた熱ポンプ性能の差異を内部装置の大き
さに対して比較したグラフである。
【符号の説明】
A:吸熱反応部 B:発熱反応部 C:吸熱反応部の制御部 D:発熱反応部の制御部 11:主反応部 12、13:反応蒸留部 14:吸熱反応器の生成物出口 15:吸熱反応器の再沸器出口 16:吸熱反応物入口 17:供給バルブ 18:透視鏡 21:液体貯蔵槽 22、23:発熱反応物経路 24:発熱反応器入口 25:発熱反応器の内部経路 26:発熱反応器 27:発熱生成物出口 31:再沸器 32:予熱器 33:混合器 34:チェックバルブ 35、36:ポンプ 37:冷却器 38、39:圧力調節バルブ 41、46:熱媒体出入口 42、43、44、45:熱媒体経路 51、54:温度制御器 53、55:温度感知器 52、56:制御バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楊 基 碩 大韓民国ソウル特別市蘆原区上溪6洞740 番地 住公アパート204棟107号 (72)発明者 李 華 雄 大韓民国ソウル特別市麻浦区城山洞450番 地 市営アパート8棟501号 (72)発明者 鄭 然 秀 大韓民国ソウル特別市城北区下月谷洞39番 地1号 KISTアパート9811 (72)発明者 洪 勝 基 大韓民国京畿道龍仁群器興邑新葛里116番 地2号 ドリームランドアパート101棟 1008号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ触媒が充填された、吸熱反応部
    Aとその制御部C及び発熱反応部Bとその制御部Dより
    なり、低温における吸熱反応と高温における発熱反応を
    連続的に行うことができる反応系を含むことを特徴とす
    る化学反応熱ポンプ装置。
  2. 【請求項2】 反応系は、可逆的化学反応が可能な系で
    あって、2−プロパノール/アセトン/水素又はサイク
    ロヘキサン/ベンゼン/水素であることを特徴とする請
    求項1に記載の化学反応熱ポンプ装置。
  3. 【請求項3】 触媒が、ルテニウム、白金、亜クロム酸
    銅、Cu−Zn及びラネーニッケルよりなる群から選択
    される少なくとも1種を、アルミナ、活性炭又はゼオラ
    イトに担持させたものであることを特徴とする請求項1
    に記載の化学反応熱ポンプ装置。
  4. 【請求項4】 吸熱反応部Aは、吸熱反応器の主反応部
    (11)と反応蒸留部(12及び13)とが同じ一つの
    経路に連結され、反応と蒸留を同時に行える反応蒸留装
    置であることを特徴とする請求項1に記載の化学反応熱
    ポンプ装置。
  5. 【請求項5】 発熱反応部Bに、発熱反応器(26)内
    径の0.1〜0.9倍の大きさの内部経路(25)を少
    なくとも一つ有することを特徴とする請求項1に記載の
    化学反応熱ポンプ装置。
  6. 【請求項6】 低温が、60〜150℃であることを特
    徴とする請求項1に記載の化学反応熱ポンプ装置。
  7. 【請求項7】 高温が、150〜300℃であることを
    特徴とする請求項1に記載の化学反応熱ポンプ装置。
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