JPH09103254A - 電気炊飯器による炊飯方法 - Google Patents
電気炊飯器による炊飯方法Info
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- JPH09103254A JPH09103254A JP8287032A JP28703296A JPH09103254A JP H09103254 A JPH09103254 A JP H09103254A JP 8287032 A JP8287032 A JP 8287032A JP 28703296 A JP28703296 A JP 28703296A JP H09103254 A JPH09103254 A JP H09103254A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 炊飯の所要時間を短縮し、飯の炊き上がり状
態を良好にするとともに圧力上昇に伴う安全性が確保さ
れ、使い勝手のよいものである。 【解決手段】 電気加熱源(6)により鍋(5)内に収
容した被炊飯物を加熱し、且つ圧力装置により前記鍋内
を密閉して圧力状態で炊飯工程を実行し、炊飯工程の終
了後に保温工程へ移行するものにおいて、炊飯工程の進
行中は、前記鍋内の圧力値を1.1kgf/cm2〜1.
2kgf/cm2の範囲に設定して炊飯を実行すること
により、短時間でおいしい飯を炊き上げると共に本体の
重量が軽く使い勝手がよく、特に圧力を必要以上に高く
しない安全性の高いものとなる。
態を良好にするとともに圧力上昇に伴う安全性が確保さ
れ、使い勝手のよいものである。 【解決手段】 電気加熱源(6)により鍋(5)内に収
容した被炊飯物を加熱し、且つ圧力装置により前記鍋内
を密閉して圧力状態で炊飯工程を実行し、炊飯工程の終
了後に保温工程へ移行するものにおいて、炊飯工程の進
行中は、前記鍋内の圧力値を1.1kgf/cm2〜1.
2kgf/cm2の範囲に設定して炊飯を実行すること
により、短時間でおいしい飯を炊き上げると共に本体の
重量が軽く使い勝手がよく、特に圧力を必要以上に高く
しない安全性の高いものとなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予熱工程、炊き上
げ工程、沸騰工程よりなる一連の炊飯工程と、この炊飯
工程の終了後に保温工程を実行する電気炊飯器の炊飯方
法に関する。
げ工程、沸騰工程よりなる一連の炊飯工程と、この炊飯
工程の終了後に保温工程を実行する電気炊飯器の炊飯方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】芯がなく適当なやわらかさのある飯を炊
き上げるために、炊飯開始前の数時間の間、米を水に浸
し十分に米に吸水させた後で炊飯を行っていた。
き上げるために、炊飯開始前の数時間の間、米を水に浸
し十分に米に吸水させた後で炊飯を行っていた。
【0003】ところが、この方法では炊飯開始前に前述
の様な吸水の準備をする必要があり、面倒であるばかり
か、急に飯を炊く必要が生じた場合には十分な吸水がな
されずに炊飯工程が実行されるため、炊き上がり後には
飯に芯が残りまずいものであった。
の様な吸水の準備をする必要があり、面倒であるばかり
か、急に飯を炊く必要が生じた場合には十分な吸水がな
されずに炊飯工程が実行されるため、炊き上がり後には
飯に芯が残りまずいものであった。
【0004】この欠点を改良するために、炊飯開始直後
に鍋を幾分か加熱して温度(40度前後)を高めて一定
時間(10分前後)、水と米を加熱して吸水を早める予
熱工程を設け、以前の吸水効果とほぼ同程度の効果が得
られるようにしたものがある。(特開平3−14011
0号公報) また、この先行技術では予熱工程を設けることにより、
炊飯に要する時間が一定時間(予熱時間)分だけ長くな
ることから、特に、急いで炊飯を行う場合には選択ボタ
ンによって予熱工程を省略する所謂早炊き炊飯が行なえ
るようにしたが、前述の様に予熱工程を行う場合には十
分な吸水により粘りやツヤのあるおいしい炊き上げ状態
となるものの米内に十分な吸水や熱伝導ができず、炊飯
時間が長くなる。反対に早炊き炊飯を行うと炊飯時間が
短くなるものの炊き上がり状態の悪いものとなる欠点が
あった。
に鍋を幾分か加熱して温度(40度前後)を高めて一定
時間(10分前後)、水と米を加熱して吸水を早める予
熱工程を設け、以前の吸水効果とほぼ同程度の効果が得
られるようにしたものがある。(特開平3−14011
0号公報) また、この先行技術では予熱工程を設けることにより、
炊飯に要する時間が一定時間(予熱時間)分だけ長くな
ることから、特に、急いで炊飯を行う場合には選択ボタ
ンによって予熱工程を省略する所謂早炊き炊飯が行なえ
るようにしたが、前述の様に予熱工程を行う場合には十
分な吸水により粘りやツヤのあるおいしい炊き上げ状態
となるものの米内に十分な吸水や熱伝導ができず、炊飯
時間が長くなる。反対に早炊き炊飯を行うと炊飯時間が
短くなるものの炊き上がり状態の悪いものとなる欠点が
あった。
【0005】因みに、炊飯の基本一連工程は、前述の予
熱工程と、大発熱量にて一気に加熱する炊き上げ工程
と、吹きこぼれのない程度の低い発熱量により、さらに
水を米内に吸収させてドライアップに達するまで加熱す
る沸騰工程によって構成され、これらの各工程が経時的
に移行して炊飯が実行される。
熱工程と、大発熱量にて一気に加熱する炊き上げ工程
と、吹きこぼれのない程度の低い発熱量により、さらに
水を米内に吸収させてドライアップに達するまで加熱す
る沸騰工程によって構成され、これらの各工程が経時的
に移行して炊飯が実行される。
【0006】そして、前記沸騰工程における発熱量を低
くして加熱する理由は、前述のように吹きこぼれを防止
することが殆どであるが、低い発熱量では鍋内の温度が
上昇しないため、米内への吸水速度が遅く、十分な吸水
ができず、結果としてドライアップに達するまでの時間
が長く、味のまずい飯となった。反対に沸騰工程中の発
熱量を高くして加熱した場合は、鍋内の温度が高くな
り、吸水速度が早くなるものの吹きこぼれが激しくな
り、炊飯動作を行うことができない欠点がある。
くして加熱する理由は、前述のように吹きこぼれを防止
することが殆どであるが、低い発熱量では鍋内の温度が
上昇しないため、米内への吸水速度が遅く、十分な吸水
ができず、結果としてドライアップに達するまでの時間
が長く、味のまずい飯となった。反対に沸騰工程中の発
熱量を高くして加熱した場合は、鍋内の温度が高くな
り、吸水速度が早くなるものの吹きこぼれが激しくな
り、炊飯動作を行うことができない欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加圧状態で
炊飯工程を実行することにより、炊飯時間を短くし、炊
き上げ状態の良好な飯を得ると共に圧力装置や鍋には高
圧容器のような特殊な耐圧構造を施すことを必要としな
い安全性の高い炊飯方法を提供するものである。
炊飯工程を実行することにより、炊飯時間を短くし、炊
き上げ状態の良好な飯を得ると共に圧力装置や鍋には高
圧容器のような特殊な耐圧構造を施すことを必要としな
い安全性の高い炊飯方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被炊飯物を収
容する鍋と、この鍋の下方に設けた電気加熱源と、前記
鍋内を密閉して圧力状態に維持する圧力装置とを備え、
前記電気加熱源により前記鍋を加熱して炊飯工程を実行
し、炊飯工程の終了後に保温工程へ移行するものにおい
て、炊飯工程の進行中は、前記鍋内の圧力値を1.1k
gf/cm2〜1.2kgf/cm2の範囲に設定して炊
飯を実行するものである。
容する鍋と、この鍋の下方に設けた電気加熱源と、前記
鍋内を密閉して圧力状態に維持する圧力装置とを備え、
前記電気加熱源により前記鍋を加熱して炊飯工程を実行
し、炊飯工程の終了後に保温工程へ移行するものにおい
て、炊飯工程の進行中は、前記鍋内の圧力値を1.1k
gf/cm2〜1.2kgf/cm2の範囲に設定して炊
飯を実行するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に基いて説
明する。(1)は鍋本体で、合成樹脂製のフレーム
(2)と、金属製の外枠(3)と、該外枠の下方に設け
た鉄製の底板(4)と、前記外枠(3)と底板(4)の
内側に収納自在に設けた磁性体(鉄又はステンレス)よ
りなる鍋(5)を有している。(6)は前記底板(4)
の下面に密着され前記鍋(5)と共に電気加熱源を構成
する誘導加熱コイル、(7)は前記外枠(3)の外側壁
に装着した側面ヒータ、(8)は前記底板(4)の中央
部を貫通して鍋底に密着する温度センサー、(9)は前
記誘導加熱コイル(6)を支持するコイル台、(10)
は該コイル台の下面に設けたシールド用のフェライト、
(11)は前記フレーム(2)の底壁とフェライト(1
0)の下方の空間(12)内に配置した電源基板で、チ
ョークコイル(13)や放熱板(14)を取り付けてい
る。(15)は該放熱板を冷却するファン、(16)は
フレーム(2)の側壁と外枠(3)との空間(17)内
に配置した制御基板、(18)はフレーム(2)と外枠
(3)のそれぞれの上部を固定するフレームカバーであ
る。
明する。(1)は鍋本体で、合成樹脂製のフレーム
(2)と、金属製の外枠(3)と、該外枠の下方に設け
た鉄製の底板(4)と、前記外枠(3)と底板(4)の
内側に収納自在に設けた磁性体(鉄又はステンレス)よ
りなる鍋(5)を有している。(6)は前記底板(4)
の下面に密着され前記鍋(5)と共に電気加熱源を構成
する誘導加熱コイル、(7)は前記外枠(3)の外側壁
に装着した側面ヒータ、(8)は前記底板(4)の中央
部を貫通して鍋底に密着する温度センサー、(9)は前
記誘導加熱コイル(6)を支持するコイル台、(10)
は該コイル台の下面に設けたシールド用のフェライト、
(11)は前記フレーム(2)の底壁とフェライト(1
0)の下方の空間(12)内に配置した電源基板で、チ
ョークコイル(13)や放熱板(14)を取り付けてい
る。(15)は該放熱板を冷却するファン、(16)は
フレーム(2)の側壁と外枠(3)との空間(17)内
に配置した制御基板、(18)はフレーム(2)と外枠
(3)のそれぞれの上部を固定するフレームカバーであ
る。
【0010】(19)は一側を前記鍋本体(1)に枢支
し、他側を該鍋本体に係合自在とした蓋本体で、上板
(20)と金属製の下板(21)と該下板の下方に設け
た内蓋(22)とから構成している。(23)は前記下
板(21)の上面に装着した蓋ヒータ、(24)は上板
(20)と下板(21)間に配置した補強板で、一側を
前記鍋本体(1)に枢着し他側を鍋本体(1)に掛止自
在にしている。(25)は前記下板(21)の外周縁に
嵌合固定した外パッキング、(26)は前記内蓋(2
2)の外周縁に嵌合固定した内パッキング、(27)は
前記上板(20)と下板(21)を開口して外気に連通
した流出孔、(28)は前述の流出孔(27)と同様に
開口して外気に連通した操作口、(29)は前記内蓋
(22)の中央部に設けた調圧装置で、下部に複数個の
圧力逃し孔(30)(30)を有した中空の弁筐(3
1)と該弁筐の下部に設けた圧力孔(32)を有する弁
座(33)と、この弁座の上部に載置され常時前記圧力
孔(32)を閉塞する調圧弁(34)とから構成する。
この調圧弁(34)の重量は、前記圧力孔(32)の開
口面積を考慮して、例えば実施例では、鍋(5)内の圧
力が常時1.1kgf/cm2となるように設定してお
り、この時の圧力孔(32)の開口面積は12mm2で
あり、調圧弁(34)の重量を12gに設定している。
し、他側を該鍋本体に係合自在とした蓋本体で、上板
(20)と金属製の下板(21)と該下板の下方に設け
た内蓋(22)とから構成している。(23)は前記下
板(21)の上面に装着した蓋ヒータ、(24)は上板
(20)と下板(21)間に配置した補強板で、一側を
前記鍋本体(1)に枢着し他側を鍋本体(1)に掛止自
在にしている。(25)は前記下板(21)の外周縁に
嵌合固定した外パッキング、(26)は前記内蓋(2
2)の外周縁に嵌合固定した内パッキング、(27)は
前記上板(20)と下板(21)を開口して外気に連通
した流出孔、(28)は前述の流出孔(27)と同様に
開口して外気に連通した操作口、(29)は前記内蓋
(22)の中央部に設けた調圧装置で、下部に複数個の
圧力逃し孔(30)(30)を有した中空の弁筐(3
1)と該弁筐の下部に設けた圧力孔(32)を有する弁
座(33)と、この弁座の上部に載置され常時前記圧力
孔(32)を閉塞する調圧弁(34)とから構成する。
この調圧弁(34)の重量は、前記圧力孔(32)の開
口面積を考慮して、例えば実施例では、鍋(5)内の圧
力が常時1.1kgf/cm2となるように設定してお
り、この時の圧力孔(32)の開口面積は12mm2で
あり、調圧弁(34)の重量を12gに設定している。
【0011】前記調圧装置(29)による鍋内の圧力を
1.1kgf/cm2とした理由を以下に詳記する。
1.1kgf/cm2とした理由を以下に詳記する。
【0012】図2に示す関係図は、炊飯時における鍋内
圧力の値と、おいしさ、使い勝手、炊飯の所要時間との
関係を示すもので、それぞれの項目について詳記する。
圧力の値と、おいしさ、使い勝手、炊飯の所要時間との
関係を示すもので、それぞれの項目について詳記する。
【0013】「圧力値(kgf/cm2)」は、鍋内に
かける圧力が鍋に対して何らかの影響(例えば厚みを厚
くする限界値、あるいは鍋を形成する材料の変更)を与
える1.0kgf/cm2を最低値として実用的範囲(炊
飯器としての炊飯動作が可能な圧力範囲)である1.5
kgf/cm2の範囲を表わしているが、1.2kgf/
cm2以上になると法的な規制があって機構部品の強
度、材質が特定される。
かける圧力が鍋に対して何らかの影響(例えば厚みを厚
くする限界値、あるいは鍋を形成する材料の変更)を与
える1.0kgf/cm2を最低値として実用的範囲(炊
飯器としての炊飯動作が可能な圧力範囲)である1.5
kgf/cm2の範囲を表わしているが、1.2kgf/
cm2以上になると法的な規制があって機構部品の強
度、材質が特定される。
【0014】「おいしさ」は、米内に十分に水分が浸透
し、ねばりや光沢や甘みの程度による要素と、炊飯終了
後の乾燥度合や内部の老化の具合による要素によって決
定されるものであり、一般的に圧力状態で炊飯すると前
述の様な良好な炊き上がりが得られるとされている。こ
れは炊飯中に適当な圧力にて鍋内を加圧することにより
米の外層を形成するデンプン層が溶けて米の外側にやわ
らかなデンプン層を形成するために、このデンプン層に
ねばり、光沢、甘みが出るためである。このデンプン層
の溶解により水が米内にも侵入し、さらにデンプン層の
溶解によるあらたな膜が形成され乾燥しにくくなった
り、内部の老化が防止されおいしい飯となる。ところ
が、圧力が1.0〜1.1kgf/cm2程度の場合は、
圧力が低いことから米の外層のデンプン層の膜が溶解で
きず浸水が悪くなり、反対に圧力が1.3kgf/cm2
以上になるとデンプン層の溶解が激しくなり、ねばりが
強すぎて餅状のクセのある飯になり、デンプン層の溶解
によるあらたな膜が形成されず光沢がなく、且米内の水
分が放出して乾燥時間が早く内部の老化の進行が早くな
る。
し、ねばりや光沢や甘みの程度による要素と、炊飯終了
後の乾燥度合や内部の老化の具合による要素によって決
定されるものであり、一般的に圧力状態で炊飯すると前
述の様な良好な炊き上がりが得られるとされている。こ
れは炊飯中に適当な圧力にて鍋内を加圧することにより
米の外層を形成するデンプン層が溶けて米の外側にやわ
らかなデンプン層を形成するために、このデンプン層に
ねばり、光沢、甘みが出るためである。このデンプン層
の溶解により水が米内にも侵入し、さらにデンプン層の
溶解によるあらたな膜が形成され乾燥しにくくなった
り、内部の老化が防止されおいしい飯となる。ところ
が、圧力が1.0〜1.1kgf/cm2程度の場合は、
圧力が低いことから米の外層のデンプン層の膜が溶解で
きず浸水が悪くなり、反対に圧力が1.3kgf/cm2
以上になるとデンプン層の溶解が激しくなり、ねばりが
強すぎて餅状のクセのある飯になり、デンプン層の溶解
によるあらたな膜が形成されず光沢がなく、且米内の水
分が放出して乾燥時間が早く内部の老化の進行が早くな
る。
【0015】「使い勝手」は、一般的に圧力が低い程、
圧力装置を構成する機構やその部品及び鍋(5)の耐圧
を考慮する必要がなく、機構的にも強度を必要としない
と共に鍋の厚みも比較的薄く重量の軽いものとなり、使
い勝手のよいものとなるが、反対に圧力が高い程、圧力
装置の機構やその部品、鍋の耐圧は余裕をもって設定す
る必要があり、機構が複雑となったり、部品の重量が増
加し使い勝手の悪いものとなる。
圧力装置を構成する機構やその部品及び鍋(5)の耐圧
を考慮する必要がなく、機構的にも強度を必要としない
と共に鍋の厚みも比較的薄く重量の軽いものとなり、使
い勝手のよいものとなるが、反対に圧力が高い程、圧力
装置の機構やその部品、鍋の耐圧は余裕をもって設定す
る必要があり、機構が複雑となったり、部品の重量が増
加し使い勝手の悪いものとなる。
【0016】「炊飯時間」は、圧力が低い場合には長く
なり、圧力が高い場合には短くなるが、約1.2kgf
/cm2以上の圧力の場合にはそれ以上短くならない。
このことは、出願人が一般家庭で使用される種々の炊飯
容量(0.3リットル〜1.8リットル)を基にして炊飯
を実行した場合の実験結果により得られたものである。
なり、圧力が高い場合には短くなるが、約1.2kgf
/cm2以上の圧力の場合にはそれ以上短くならない。
このことは、出願人が一般家庭で使用される種々の炊飯
容量(0.3リットル〜1.8リットル)を基にして炊飯
を実行した場合の実験結果により得られたものである。
【0017】上述の様に本発明ではそれぞれの項目の最
良点を考慮して、飯がおいしく炊けて、使い勝手が良
く、炊飯時間の短い圧力値の範囲を1.1kgf/cm2
〜1.2kgf/cm2に設定した。
良点を考慮して、飯がおいしく炊けて、使い勝手が良
く、炊飯時間の短い圧力値の範囲を1.1kgf/cm2
〜1.2kgf/cm2に設定した。
【0018】即ち、この圧力値の範囲(1.1kgf/
cm2〜1.2kgf/cm2)は、米内に十分に水分
が浸透し、ねばりや光沢や甘みが得られ、デンプン層の
溶解によるあらたな膜が形成されて乾燥しにくくなり、
内部の老化が防止されおいしい飯となる「おいしさ」の
要素と、圧力を必要以上に高くしないことから、圧力
装置を構成する機構やその部品及び鍋の耐圧を考慮する
必要がなく、機構的にも強度を必要としないと共に鍋の
厚みも比較的薄く重量の軽いものとなる「使い勝手」の
要素と、温度と圧力によって、熱と水分を強制的に、
且つ急速に米内に浸透させて炊飯完了までの時間を短縮
する「炊飯時間」の要素を満足するものである。
cm2〜1.2kgf/cm2)は、米内に十分に水分
が浸透し、ねばりや光沢や甘みが得られ、デンプン層の
溶解によるあらたな膜が形成されて乾燥しにくくなり、
内部の老化が防止されおいしい飯となる「おいしさ」の
要素と、圧力を必要以上に高くしないことから、圧力
装置を構成する機構やその部品及び鍋の耐圧を考慮する
必要がなく、機構的にも強度を必要としないと共に鍋の
厚みも比較的薄く重量の軽いものとなる「使い勝手」の
要素と、温度と圧力によって、熱と水分を強制的に、
且つ急速に米内に浸透させて炊飯完了までの時間を短縮
する「炊飯時間」の要素を満足するものである。
【0019】(35)は前記内蓋(22)の一部に設け
た圧力切替装置で、操作口(28)より突出した圧力切
替ボタン(36)の操作により内蓋(22)に設けた流
出孔(37)を常時閉塞状態或は常時操作口(36)を
介して外気と常時連通状態の何れかに選択して、その選
択位置を保持するものである。
た圧力切替装置で、操作口(28)より突出した圧力切
替ボタン(36)の操作により内蓋(22)に設けた流
出孔(37)を常時閉塞状態或は常時操作口(36)を
介して外気と常時連通状態の何れかに選択して、その選
択位置を保持するものである。
【0020】(38)は前記内蓋(22)の一部に設け
た安全弁装置で、逃し孔(39)と該逃し孔を常時閉塞
し鍋内が前述の1.1kgf/cm2よりも高い一定圧力
に達すると押し上げられて前記逃し孔(39)を開放し
て鍋内と外気とを連通状態とする安全弁(40)を有し
ている。
た安全弁装置で、逃し孔(39)と該逃し孔を常時閉塞
し鍋内が前述の1.1kgf/cm2よりも高い一定圧力
に達すると押し上げられて前記逃し孔(39)を開放し
て鍋内と外気とを連通状態とする安全弁(40)を有し
ている。
【0021】前記補強板(24)と外パッキング(2
5)及び内パッキング(26)と調圧装置(29)と圧
力切替装置(35)とは、鍋内を所定圧力(1.1kg
f/cm2)を維持する圧力装置を構成する。
5)及び内パッキング(26)と調圧装置(29)と圧
力切替装置(35)とは、鍋内を所定圧力(1.1kg
f/cm2)を維持する圧力装置を構成する。
【0022】次に炊飯動作について述べる。図3の
(イ)に示す様に鍋内に圧力をかけない通常の炊飯を行
う場合は、鍋(5)内に米と水を収容した後、蓋本体
(19)を閉め圧力切替ボタン(36)を押し下げて、
その押し下げ状態を保持し流出孔(37)を連通状態と
し、操作口(28)を介して鍋(5)内と外気とを連通
する。
(イ)に示す様に鍋内に圧力をかけない通常の炊飯を行
う場合は、鍋(5)内に米と水を収容した後、蓋本体
(19)を閉め圧力切替ボタン(36)を押し下げて、
その押し下げ状態を保持し流出孔(37)を連通状態と
し、操作口(28)を介して鍋(5)内と外気とを連通
する。
【0023】この状態で蓋本体(19)を閉じて補強板
(24)の他側を鍋本体(1)のフレームカバー(1
8)に掛止し、内パッキング(26)を鍋(5)の上部
内周縁に密着させ、外パッキング(25)を鍋(5)の
上部外周縁に密着させる。
(24)の他側を鍋本体(1)のフレームカバー(1
8)に掛止し、内パッキング(26)を鍋(5)の上部
内周縁に密着させ、外パッキング(25)を鍋(5)の
上部外周縁に密着させる。
【0024】そして、25KHZ〜40KHZの周波数
の電源を誘導加熱コイル(以下コイルとする)(6)に
印加すると、うず電流が発生し鍋(5)の全周が発熱す
る。
の電源を誘導加熱コイル(以下コイルとする)(6)に
印加すると、うず電流が発生し鍋(5)の全周が発熱す
る。
【0025】予熱工程開始後、一定時間が経過すると、
制御基板(16)のマイコン(図示せず)の出力によっ
て前記コイル(6)への電圧印加を所定時間だけ停止し
て予熱工程を実行する。
制御基板(16)のマイコン(図示せず)の出力によっ
て前記コイル(6)への電圧印加を所定時間だけ停止し
て予熱工程を実行する。
【0026】この場合の所定時間は、図3に示すように
予熱工程の開始時点からカウントした約8分間である。
予熱工程の開始時点からカウントした約8分間である。
【0027】予熱開始後、上述の約8分が経過すると、
マイコンの出力にてコイル(6)に電圧印加を行い急激
に鍋(5)を加熱する炊き上げ工程に移行する。
マイコンの出力にてコイル(6)に電圧印加を行い急激
に鍋(5)を加熱する炊き上げ工程に移行する。
【0028】そして、鍋温度が約100度の沸騰温度に
達すると、コイル(6)へ印加する電圧の周波数を鍋
(5)の発熱量を吹きこぼれが生じない程度に設定し沸
騰状態を維持する沸騰工程に移行する。
達すると、コイル(6)へ印加する電圧の周波数を鍋
(5)の発熱量を吹きこぼれが生じない程度に設定し沸
騰状態を維持する沸騰工程に移行する。
【0029】その後、鍋(5)内の水分がなくなり急激
に温度上昇するドライアップ状態になると、この温度を
感知した温度センサー(8)はマイコンにその変化を入
力してコイル(6)への通電を停止しむらし工程に移行
し、やがて鍋温度が保温温度(約70度付近)に達する
と保温工程に移行する。
に温度上昇するドライアップ状態になると、この温度を
感知した温度センサー(8)はマイコンにその変化を入
力してコイル(6)への通電を停止しむらし工程に移行
し、やがて鍋温度が保温温度(約70度付近)に達する
と保温工程に移行する。
【0030】つづいて、図3の(ロ)に示す様に鍋内に
圧力をかけて圧力炊飯を行う場合は、鍋(5)内に米と
水を収容した後、蓋本体(19)を閉めて再度圧力切替
ボタン(36)を押し下げると、流出孔(28)が閉塞
し鍋内と外気とが遮断されて鍋を密閉状態にする。
圧力をかけて圧力炊飯を行う場合は、鍋(5)内に米と
水を収容した後、蓋本体(19)を閉めて再度圧力切替
ボタン(36)を押し下げると、流出孔(28)が閉塞
し鍋内と外気とが遮断されて鍋を密閉状態にする。
【0031】コイル(6)への通電に伴い前述と同様に
鍋(5)内の水温が上昇して予熱工程を実行するわけで
あるが、鍋内は予熱工程の開始時点から徐々ではあるが
加圧状態にあるため、温度上昇に伴う鍋内の圧力上昇に
よって水が急激に米内に吸収される。予熱工程開始後、
所定時間(約8分)経過すると予熱工程を終了し、炊き
上げ工程に移行する。この炊き上げ工程においても圧力
によって米内への熱伝導が早くなり短時間で鍋温度が均
一となって約100度に達し、その後の沸騰工程に移行
する。
鍋(5)内の水温が上昇して予熱工程を実行するわけで
あるが、鍋内は予熱工程の開始時点から徐々ではあるが
加圧状態にあるため、温度上昇に伴う鍋内の圧力上昇に
よって水が急激に米内に吸収される。予熱工程開始後、
所定時間(約8分)経過すると予熱工程を終了し、炊き
上げ工程に移行する。この炊き上げ工程においても圧力
によって米内への熱伝導が早くなり短時間で鍋温度が均
一となって約100度に達し、その後の沸騰工程に移行
する。
【0032】この沸騰工程においては、前述と同様にコ
イル(6)へ印加する電圧の周波数を下げて鍋(5)の
発熱量を吹きこぼれが生じない程度に設定して沸騰状態
を継続するが、本工程に移行するまでの予熱工程や炊き
上げ工程の実行に伴って鍋内の圧力が上昇しているため
に若干の温度上昇を生じ、よって米内への熱伝導と吸水
が早くなってドライアップに達するのが早くなって沸騰
工程を終了する。
イル(6)へ印加する電圧の周波数を下げて鍋(5)の
発熱量を吹きこぼれが生じない程度に設定して沸騰状態
を継続するが、本工程に移行するまでの予熱工程や炊き
上げ工程の実行に伴って鍋内の圧力が上昇しているため
に若干の温度上昇を生じ、よって米内への熱伝導と吸水
が早くなってドライアップに達するのが早くなって沸騰
工程を終了する。
【0033】その後、むらし工程から保温工程に移行
し、保温工程を続行する。圧力炊飯時において、前述の
予熱工程の所定時間の約8分は、前述の様に鍋に圧力を
かけることから通常の炊飯器に装置された予熱工程の所
定時間(約12分)よりも短い時間に設定することがで
きる。
し、保温工程を続行する。圧力炊飯時において、前述の
予熱工程の所定時間の約8分は、前述の様に鍋に圧力を
かけることから通常の炊飯器に装置された予熱工程の所
定時間(約12分)よりも短い時間に設定することがで
きる。
【0034】すなわち、圧力炊飯では予熱工程の開始時
点から鍋内を密閉しており、その結果、特に予熱工程に
おける吸水が早くなることから、通常の炊飯器の予熱工
程に要する時間よりも短くできる。
点から鍋内を密閉しており、その結果、特に予熱工程に
おける吸水が早くなることから、通常の炊飯器の予熱工
程に要する時間よりも短くできる。
【0035】
【発明の効果】以上の様に本発明は、被炊飯物を収容す
る鍋内を圧力装置により、炊飯工程の進行中において
は、前記鍋内の圧力値を1.1kgf/cm2〜1.2k
gf/cm2の範囲に設定して炊飯を実行することによ
り、水への加圧作用を生じ米内に十分に熱と水分が浸透
して、ねばりや光沢や甘みが得られ、乾燥しにくくな
り、内部の老化が防止されて炊きムラのないおいしい飯
になる「おいしさ」の要素と、圧力を必要以上に高くし
ないことから、圧力装置を構成する機構やその部品及び
鍋の耐圧を考慮する必要もなく安全性が確保され、機構
的にも強度を必要としないと共に鍋の厚みも比較的薄く
重量の軽いものとなる「使い勝手」の要素と、温度と圧
力によって、熱と水分を強制的に、且つ急速に米内に浸
透させて炊飯完了までの時間を短縮する「炊飯時間」の
要素のそれぞれを十分に満足するものである。
る鍋内を圧力装置により、炊飯工程の進行中において
は、前記鍋内の圧力値を1.1kgf/cm2〜1.2k
gf/cm2の範囲に設定して炊飯を実行することによ
り、水への加圧作用を生じ米内に十分に熱と水分が浸透
して、ねばりや光沢や甘みが得られ、乾燥しにくくな
り、内部の老化が防止されて炊きムラのないおいしい飯
になる「おいしさ」の要素と、圧力を必要以上に高くし
ないことから、圧力装置を構成する機構やその部品及び
鍋の耐圧を考慮する必要もなく安全性が確保され、機構
的にも強度を必要としないと共に鍋の厚みも比較的薄く
重量の軽いものとなる「使い勝手」の要素と、温度と圧
力によって、熱と水分を強制的に、且つ急速に米内に浸
透させて炊飯完了までの時間を短縮する「炊飯時間」の
要素のそれぞれを十分に満足するものである。
【図1】本発明の炊飯方法による電気炊飯器の部分断面
図である。
図である。
【図2】同じく鍋内の圧力値と、おいしさ、使い勝手、
炊飯の所要時間の関係図である。
炊飯の所要時間の関係図である。
【図3】同じく炊飯特性図である。
1 鍋本体 5 鍋 6 誘導加熱コイル(鍋とともに電気加熱源を構成) 19 蓋本体 24 補強板 25 外パッキング 26 内パッキング 29 調圧装置 35 圧力切替装置 24、25、26、29、35 圧力装置
フロントページの続き (72)発明者 山崎 勇 鳥取県鳥取市南吉方3丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 山根 規男 鳥取県鳥取市南吉方3丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 坂口 富士男 鳥取県鳥取市南吉方3丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 被炊飯物を収容する鍋と、この鍋の下方
に設けた電気加熱源と、前記鍋内を密閉して圧力状態に
維持する圧力装置とを備え、前記電気加熱源により前記
鍋を加熱して炊飯工程を実行し、炊飯工程の終了後に保
温工程へ移行するものにおいて、炊飯工程の進行中は、
前記鍋内の圧力値を1.1kgf/cm2〜1.2kgf
/cm2の範囲に設定して炊飯を実行することを特徴と
する電気炊飯器の炊飯方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8287032A JPH09103254A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 電気炊飯器による炊飯方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8287032A JPH09103254A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 電気炊飯器による炊飯方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4182544A Division JPH0622710A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 電気炊飯器による炊飯方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09103254A true JPH09103254A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17712169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8287032A Pending JPH09103254A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 電気炊飯器による炊飯方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09103254A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013066392A (ja) * | 2011-09-21 | 2013-04-18 | J-Oil Mills Inc | 米飯類の製造方法 |
CN112719858A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-04-30 | 铜陵兢强电子科技股份有限公司 | 一种球釜线圈盘装配结构 |
-
1996
- 1996-10-29 JP JP8287032A patent/JPH09103254A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013066392A (ja) * | 2011-09-21 | 2013-04-18 | J-Oil Mills Inc | 米飯類の製造方法 |
CN112719858A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-04-30 | 铜陵兢强电子科技股份有限公司 | 一种球釜线圈盘装配结构 |
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