JPH09102562A - 高熱伝導性基板及びその製造方法 - Google Patents

高熱伝導性基板及びその製造方法

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JPH09102562A
JPH09102562A JP7260396A JP26039695A JPH09102562A JP H09102562 A JPH09102562 A JP H09102562A JP 7260396 A JP7260396 A JP 7260396A JP 26039695 A JP26039695 A JP 26039695A JP H09102562 A JPH09102562 A JP H09102562A
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JP
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diamond
powder
high thermal
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JP7260396A
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English (en)
Inventor
Kazuo Muramatsu
一生 村松
Setsu Nishizawa
節 西澤
Tetsuo Suzuki
哲雄 鈴木
Koji Kobashi
宏司 小橋
Akihiro Kawai
明博 河合
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱伝導性を有すると共に、表面を容
易に鏡面研磨することができ、また良好な熱膨張の特性
を有し、製造コストを低減することができる高熱伝導性
基板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】主成分が硬質炭素材料4からなり、ダイヤ
モンド粒5及び黒鉛粒6を分散させた炭素基板2の下面
(第2面)にダイヤモンド膜を気相合成させる。そし
て、炭素基板4の上面(第1面)には鏡面研磨を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高集積及び高速LSI
等の電子部品を搭載するパッケージ基板に関し、特に放
熱効果が優れた高熱伝導性基板及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のダウンサイジング化に
伴い、半導体装置の集積度は益々高められており、半導
体素子を実装したパッケージには高密度化及び高信頼性
が要求されている。
【0003】例えば、アルミナ基板を使用したパッケー
ジ及び多層基板は、樹脂基板を使用した場合に比べて、
高密度化及び高信頼性の点において優れているため、従
来、最も多く使用されている。特に、アルミナ基板上に
導体配線及び誘電体層を形成し、ハイブリッド化するこ
とによって、回路が小型化されたハイブリッド集積回路
(HIC)は、民生用の半導体パッケージとして広く使
用されている。
【0004】また、超大型コンピュータに使用されてい
る超LSI、多ピンPGA、マイクロ波高出力トランジ
スタ及び光機能素子等については、高集積化及び高出力
化の要求が高まっている。このため、半導体を実装する
基板の材料には、優れた表面平滑性、半導体ベアチップ
を構成するシリコン材料に近い熱膨張係数、高い熱伝導
性及び高精度の寸法精度等が要求されている。特に、高
集積回路を実装する基板の場合には、半導体の温度が上
昇すると、素子の寿命が短縮し特性が低下してしまうた
め、十分に放熱できるものであることが必要である。
【0005】このような要求に対して、アルミナ基板よ
りも熱伝導率が高い窒化アルミニウム(AlN)を基板
に使用したパッケージ、又はアルミナの放熱フィンを設
けたパッケージ等が開発されている。このようなパッケ
ージの基本的な構造は、アルミナ及びAlN等のセラミ
ックス基板上にスクリーン印刷又は写真製版等により回
路導体と誘電体とを積層させた膜多層タイプと、アルミ
ナ等のグリーンシートに回路を印刷し積層させたグリー
ンシート積層タイプとがある。
【0006】また、LSIの実装方法としては、多ピン
LSIに使用されるピングリッドアレイ(PGA)パッ
ケージ、超高速集積回路に使用されるフラットパッケー
ジ及び低温デバイスに使用されるリードレスチップキャ
リア等がある。
【0007】前述の窒化アルミニウムは、熱伝導性及び
加工性が優れており、高集積及び高速のLSI用パッケ
ージの基板材料として好適であるが、原料粉末のコスト
が高く、加えて製造工程が複雑であるため、LSIパッ
ケージの製造コストを低減することが困難である。な
お、還元窒化法によって製造された窒化アルミニウムの
原料粉末の価格は、従来使用されているアルミナ粉末の
価格の約100倍である。
【0008】また、一般に窒化アルミニウムの熱伝導率
は、結晶の格子振動に依存するため、酸素、鉄、ニッケ
ル又はシリコン等のコンタミネーション(汚染)に影響
を受ける。このため、高純度の原料粉末を使用したり、
製造中において雰囲気管理を厳密に行うことが必要であ
り、製造設備に多くの費用を要し、製造コストが増大し
てしまう。
【0009】ところで、ダイヤモンドの熱伝導率は種々
の物質の中で最も大きく(2400W/mK)、本来、
高熱伝導性基板には最適の材料であるといえる。しか
し、天然又は高温高圧合成によるダイヤモンドは、その
大きさがせいぜい数ミリ角と小さく、加えて高価であ
る。そこで、気相合成によって直径数インチの基板上に
ダイヤモンド膜を合成することは技術的に可能となった
ため、最近では気相合成法によりダイヤモンドの厚膜を
合成して、これを高熱伝導性基板として使用することが
試みられている。
【0010】なお、ダイヤモンドの気相合成法として
は、マイクロ波化学気相蒸着(CVD)法(特公昭59
−27754号、特公昭61−3320号等)、高周波
プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、直流プラ
ズマCVD法、プラズマジェット法、燃焼法及び熱CV
D法等が知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、気相合
成で熱伝導性が優れた高品質のダイヤモンド膜を合成す
る場合には、ダイヤモンドの成長速度を1μm/時間以
下にする必要があり、0.5mm程度の厚さのダイヤモ
ンド板を合成するには500時間もの長時間を要し、他
の材料に比べて製造コストが高くなってしまう。また、
ダイヤモンドは、その硬さが物質中最も硬いものである
ため、表面を鏡面研削する場合にも長時間を要し、ダイ
ヤモンド板の製造コストが高くなってしまう。
【0012】また、ダイヤモンド板を鏡面研磨できる面
積も1cm角程度の大きさまでであるため、最低でも数
センチ角の面積が必要とされるLSI用の高熱伝導性基
板には、ダイヤモンドは適さない。
【0013】加えて、ダイヤモンド等の材料は、熱膨張
率がLSI素子を構成するシリコンと大きく異なるた
め、ダイヤモンド基板にLSI素子を実装すると、温度
変化によってLSI素子が剥離したり、断線が生じたり
する。なお、ダイヤモンド、アルミナ、窒化アルミニウ
ム及びシリコンの熱膨張係数は、夫々1.2×10-6
8×10-6、5×10-6及び3×10-6/℃である。
【0014】これに対して、ガラス状炭素及び黒鉛/ガ
ラス状炭素複合材料に代表される硬質炭素材料は、熱膨
張係数がシリコンに近く、また研磨によって容易に鏡面
を得ることができる。具体的に、ガラス状炭素及び黒鉛
/ガラス状炭素複合材の熱膨張係数は、夫々3×10-6
及び3.2×10-6/℃である。しかし、硬質炭素材料
は、窒化アルミニウム等の高熱伝導性材料に比べると、
熱伝導性が劣っている。具体的に、ガラス状炭素、黒鉛
/ガラス状炭素複合材及び窒化アルミニウムの熱伝導率
は、夫々5、22及び220W/mKである。
【0015】黒鉛結晶自体の同一面上の熱伝導率は、1
600〜2000W/mKと極めて高いが、面に垂直な
方向の熱伝導性は低い。このため、結晶に配向性がない
ガラス状炭素では、材料の熱伝導率は10〜20W/m
K程度に過ぎない。また、ガラス状炭素に黒鉛粉末を混
ぜて複合化した黒鉛/ガラス状炭素複合材料でも、材料
の熱伝導率は20〜30W/mK程度である。
【0016】また、一般の黒鉛材料の中には、100W
/mK程度の比較的高い熱伝導率を有するものもある
が、これらはいずれも柔らかく、また発塵するため、L
SI用パッケージ等の用途に使用することができない。
【0017】従って、従来材料には、熱伝導性、表面の
鏡面性及び熱膨張性の特性並びに製造コストに関して全
てを満足するものがなく、特にLSI、マイクロ波集積
回路及びレーザ素子集積回路等の高集積化による発熱に
よる影響の回避が、半導体産業において大きな課題であ
った。
【0018】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、優れた熱伝導性を有すると共に、表面を容
易に鏡面研磨することができ、また良好な熱膨張の特性
を有し、製造コストを低減することができる高熱伝導性
基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高熱伝導性
基板は、主成分が硬質炭素からなり鏡面研磨された第1
面及びこの第1面の反対側の第2面を有する第1層と、
ダイヤモンドからなり前記第2面の一部又は全部に被着
された第2層とを有することを特徴とする。また、前記
第2層は気相合成により形成されていることが好まし
く、また前記第1層にはダイヤモンド粉末及び/又は黒
鉛粉末が分散されていることが好ましい。
【0020】本発明に係る高熱伝導性基板の製造方法
は、ダイヤモンド粉末及び/又は黒鉛粉末が混合された
熱硬化性樹脂粉末に加圧加熱成形を施して得られた成形
体を、不活性ガス雰囲気中で焼成することにより第1面
及び第2面を有する第1層を作製する工程と、その後少
なくとも前記第1層の第1面を鏡面研磨する工程と、前
記第1層の第2面にダイヤモンドからなる第2層を気相
合成する工程と、その後再度前記第1層の第1面を鏡面
研磨する工程とを有することを特徴とする。
【0021】本発明に係る他の高熱伝導性基板の製造方
法は、熱硬化性樹脂粉末、又はダイヤモンド粉末及び/
又は黒鉛粉末が混合された熱硬化性樹脂粉末を、ダイヤ
モンド粉末が敷かれた型枠内に充填した後、加圧加熱成
形を施して得られた成形体を、不活性ガス雰囲気中で焼
成することにより第1面及び第2面を有する第1層を作
製する工程と、この第1層の第2面にダイヤモンドから
なる第2層を気相合成する工程と、前記第1層の第1面
を鏡面研磨する工程とを有することを特徴とする。
【0022】本発明に係る他の高熱伝導性基板の製造方
法は、ダイヤモンド粉末及び/又は黒鉛粉末が混合され
た熱硬化性樹脂に加圧加熱成形を施して得られた第1成
形体を、ダイヤモンド粉末が敷かれた型枠内に装填した
後、不活性ガス雰囲気中で加圧加熱成形してダイヤモン
ド粉末が埋め込まれた第2成形体を得、得られた第2成
形体を不活性ガス雰囲気中で焼成することにより第1面
及び第2面を有する第1層を作製する工程と、この第1
層の第2面にダイヤモンドからなる第2層を気相合成す
る工程と、前記第1層の第1面を鏡面研磨する工程とを
有することを特徴とする。
【0023】本発明に係る他の高熱伝導性基板の製造方
法は、ダイヤモンド粉末及び/又は黒鉛粉末が混合され
た熱硬化性樹脂粉末に加圧加熱成形を施して得られた成
形体を、不活性ガス雰囲気中で焼成した後、この成形体
の両面を鏡面研磨することにより第1面及び第2面を有
する第1層を作製する工程と、その後前記第1層の第2
面に自立性のダイヤモンドからなる第2層を接着して加
熱処理する工程とを有することを特徴とする。
【0024】
【作用】本願発明者等は優れた熱伝導性を有すると共
に、表面を容易に鏡面研磨することができ、また良好な
熱膨張の特性を有し、製造コストを低減することができ
る高熱伝導性基板を開発すべく、種々の実験研究を行っ
た。その結果、主成分が硬質炭素からなり鏡面研磨され
た第1面及びこの第1面の反対側の第2面を有する第1
層において、その第2面に熱伝導率が黒鉛/ガラス状炭
素複合材料に比べて2400W/mKと極めて大きなダ
イヤモンドからなる第2層を被着させることにより、本
発明の目的を達成し得ることを見い出した。
【0025】ところで、従来、通常の炭素材料を基板と
して使用し、この基板上にダイヤモンドを気相合成して
も、基板上にダイヤモンド粒子が分散して成長するだけ
であって、連続的なダイヤモンド膜は形成できないとさ
れてきた。加えて、ダイヤモンドの気相合成の過程にお
いて発生する水素プラズマによって、炭素材料がエッチ
ングされ、炭素材料の基板上での連続的なダイヤモンド
膜の形成は困難であるとされていた。
【0026】しかし、本願発明者等は、通常の炭素材料
がポーラス状であるため、表面積が大きく、水素プラズ
マのエッチングを受けやすいことが、連続的なダイヤモ
ンド膜の形成を困難にしている原因であることを知見
し、密度が高く、表面の鏡面研磨によって表面積を縮小
できる硬質炭素の基板上であれば、連続したダイヤモン
ド膜を形成できることを見い出した。
【0027】この硬質炭素の材料には、種々のものがあ
り、例えばガラス状炭素、ビトリアスカーボン、グラッ
シーカーボン、高密度アモルファスカーボン又はフルオ
ロカーボン等を使用することができる。これらの硬質炭
素材料は、フェノールホルムアルデヒド樹脂、フルフリ
ルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ビスマレイミ
ドトリアジン又はメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を炭化
焼成することにより得ることができる。具体的には、熱
硬化性樹脂原料粉末を型枠内に充填し、加圧加熱するこ
とによって、重合反応と炭化反応とを進行させる。
【0028】また、高密度アモルファスカーボンは、炭
化焼成後のガラス状炭素を2500℃の温度、2000
気圧の圧力で、熱間静水圧加圧処理することによって得
ることができる。
【0029】硬質炭素材料のうち、特に代表的なガラス
状炭素は、高硬度であり、欠陥がなく耐熱性及び耐薬品
性が優れており、また表面研磨すると、シリコンウェハ
と同程度の極めて良好な鏡面を得ることができる。従っ
て、硬質炭素を主成分とする第1層において、その1面
に鏡面研磨を施すことによって、その面は電子部品を実
装するのに好適な面となる。
【0030】このように、本発明の硬質炭素及びダイヤ
モンドの積層体からなる基板は、従来の基板に比して熱
膨張率が極めて高い。
【0031】次に、第1層の第2面に被着される第2層
及びその被着方法について説明する。
【0032】第2層の厚さ:5μm以上 硬質炭素からなる第1層における第2面の一部又は全部
に、ダイヤモンドからなる第2層を被着して構成される
高熱伝導性基板において、第2層の厚さは、この基板の
熱伝導性に大きな影響を与える。即ち、第2層の厚さが
5μmより薄いと、前記高熱伝導性基板の熱伝導性を十
分に向上させることができない。従って、前記第1層の
第2面に被着させる第2層の厚さは5μm以上とする。
【0033】このように、第2層の厚さは、少なくとも
5μm以上であればよいため、ダイヤモンドからなる第
2層の形成コストを抑制することができる。なお、第2
層の表面にはLSI等を実装しないため、基板の製造コ
スト上昇の原因となる研磨作業は不要となる。
【0034】また、第2層にボロン(B)をドーピング
すると、ダイヤモンド結晶の欠陥密度を低減することが
でき、前記高熱伝導性基板の熱伝導率をより一層向上さ
せることができる。
【0035】上述したように、通常の炭素材料では、そ
の表面にダイヤモンド膜を気相合成することはできない
が、硬質炭素からなる第1層の表面に、ダイヤモンド粉
末又はダイヤモンドペーストを使用して、その第2面に
機械研磨又は超音波処理によってキズ付け処理を施し、
その面に気相合成によって連続的なダイヤモンド膜を良
好な密着性で被着することができる。
【0036】また、機械研磨又は超音波処理によるキズ
付け処理の代わりに、ダイヤモンド粉末を前記第1層の
第2面に予め塗布しておき、その面にダイヤモンド膜を
被着することもできる。
【0037】更に、本願発明者等は予めダイヤモンド粉
末及び/又は黒鉛粉末を第1層の第2面に埋め込んで焼
成し、その面に前記ダイヤモンド粉末及び/又は黒鉛粉
末を核として気相合成させることによって連続的なダイ
ヤモンド膜の第2層を被着できることを見い出した。こ
の場合、前記第1層と前記第2層との密着性は前述した
方法によって被着をする場合に比べて優れている。ま
た、第2層が短時間で連続的な膜となり、第1層の表面
を覆うため、気相合成時の水素プラズマによって第1層
がエッチングされることを防止することができる。
【0038】更にまた、第1層の第2面に直接ダイヤモ
ンド膜を気相合成するのではなく、予め気相合成によっ
て自立性のダイヤモンド膜を作製しておき、これをカー
ボンペースト又は有機接着剤等によって第1層に接着し
てもよい。
【0039】なお、このようにしてダイヤモンド膜が形
成された高熱伝導性基板の使用時に発生する発熱によっ
て、前記基板の温度が上昇した場合には、ダイヤモンド
膜を空気又は冷媒で強制的に冷却することによって前記
基板の温度を容易に低下させることができる。これは、
気相合成によって形成されたダイヤモンド膜の表面はダ
イヤモンド結晶面がランダムに配向し、約1μmの凹凸
があるため、表面積が大きく、強制冷却の効果が極めて
大きいからである。
【0040】次に、第1層にダイヤモンド粉末を分散す
る場合について説明する。
【0041】本願発明者等は、ダイヤモンド粉末を分散
させた第1層の第2面に第2層のダイヤモンド膜を気相
合成させると、前記第1層と前記第2層との密着性を、
より一層向上させることができることを見い出した。こ
れは、前記第1層の第2面に露出したダイヤモンド粉末
を核にして、ダイヤモンド膜を成長させて第2層を形成
することができるからである。
【0042】第1層の第2面側の表層部におけるダイヤ
モンド粉末の分散量:50体積% また、第1層の第2面側の表層部において、ダイヤモン
ド粉末が50体積%以上分散されていると、ダイヤモン
ドからなる第2層はこのダイヤモンド粉末を核として速
やかに連続膜となるため、気相合成時の水素プラズマに
よって前記第1層がエッチングされることを防止するこ
とができる。従って、第1層における第2面側の表層部
におけるダイヤモンド粉末は50体積%以上であること
が好ましい。なお、このときのダイヤモンド粉末の平均
粒径は0.1〜10μmであることが好ましい。
【0043】更に、本願発明者等はダイヤモンド粉末及
び黒鉛粉末の分散量と前記第1層の熱伝導率との関係に
ついて試験したところ、以下のような結果を得ることが
できた。図2は縦軸に熱伝導率をとり、横軸に熱硬化樹
脂におけるダイヤモンド又は黒鉛の混合比、即ち第1層
におけるダイヤモンド又は黒鉛の分散量の割合をとっ
て、第1層の熱伝導率とダイヤモンド等の混合比との関
係を示すグラフ図である。この図2に示すように、第1
層におけるダイヤモンド粉末等の分散量を調整すること
によって、第1層の熱伝導率を制御することができ、分
散量を増加させることにより、熱伝導率をより一層向上
させることができる。
【0044】更にまた、このときダイヤモンド粉末等の
分散濃度を、第2層を被着させる第2面ほど高くする
と、第1層と第2層との熱膨張率の差による界面のスト
レスを低減することができる。
【0045】本願発明者等は、ダイヤモンド粉末及び黒
鉛粉末の平均粒径と熱伝導率との関係についても試験し
たところ、以下のような結果を得ることができた。
【0046】ダイヤモンド粉末の平均粒径:0.1乃至
50μm 図3は、縦軸に熱伝導率をとり、横軸にダイヤモンド粉
末の平均粒径をとって、第1層におけるダイヤモンド粉
末の混合比が30重量%である場合の第1層の熱伝導率
とダイヤモンド粉末の平均粒径との関係を示すグラフ図
である。この図3に示すように、第1層に分散されたダ
イヤモンド粉末の平均粒径が大きいほど、第1層の熱伝
導率を向上させることができる。平均粒径が0.1μm
未満では第1層の熱伝導率が小さく、また平均粒径が大
きいほど製造コストが高くなってしまうため、その上限
値は50μmとすることが好ましい。
【0047】黒鉛粉末の平均粒径:0.5乃至50μm 第1層に黒鉛粉末を分散する場合も、前述のダイヤモン
ド粉末を分散させる場合と同様に、平均粒径が大きいほ
ど第1層の熱伝導率を向上させることができ、その平均
粒径は0.5乃至50μmであることが好ましく、この
範囲内であれば、より一層分散性を向上させることがで
きる。
【0048】なお、第1層にダイヤモンド粉末等を分散
させずに、第1層の第2面にダイヤモンド粉末を塗布す
ることにより、ダイヤモンド膜を成長させて第2層を形
成することもできる。具体的には、ダイヤモンド粉末を
有機溶媒、低粘性樹脂又は感光樹脂に分散させて、この
有機溶媒等を前記第1層の第2面に塗布する。そして、
ダイヤモンドを前記第1層の第2面に気相合成すると、
塗布されたダイヤモンド粉末を核としてダイヤモンドが
成長し、連続的なダイヤモンド膜である第2層を形成す
ることができる。また、このときのダイヤモンド粉末の
平均粒径は0.1乃至5μmであることが好ましい。こ
れは、ダイヤモンド粉末が0.1μm未満では熱伝導率
を十分に向上させることができず、また5μmを超える
と、ダイヤモンド粉末が前記第1層の第2面に付着しに
くくなり、更に気相合成したダイヤモンドと第1層の密
着性も失われてしまうからである。
【0049】このように、第1層の第2面にダイヤモン
ド粉末等を塗布して、この面上にダイヤモンドからなる
第2層を気相合成する場合には、使用するダイヤモンド
粉末等の量が少なくてもよいため、基板の製造コストを
低減することができる。
【0050】次に、本発明に係る高熱伝導性基板の製造
方法について、製造方法A、B、C及びDの4種の製造
方法を説明する。
【0051】製造方法Aでは、先ず、ダイヤモンド粉末
及び/又は黒鉛粉末が混合された熱硬化性樹脂粉末に加
圧加熱成形を施して成形体を得る。この成形体を不活性
ガス雰囲気中で焼成することによって、第1層を作製す
る。そして、少なくともこの第1層の第1面に鏡面研磨
を施しておく。次に、前記第1層の第2面にダイヤモン
ド膜を気相合成させる。そして、再度前記第1面に鏡面
研磨を施す。
【0052】製造方法Bでは、先ず、熱硬化性樹脂粉
末、又はダイヤモンド粉末及び/又は黒鉛粉末が混合さ
れた熱硬化性樹脂粉末を、ダイヤモンド粉末が敷かれた
型枠内に充填する。その後、この充填粉末に加圧加熱成
形を施して得られた成形体を、不活性ガス雰囲気中で焼
成することによって、第1層を作製する。次に、この第
1層の第2面にダイヤモンドからなる第2層を気相合成
させる。そして、前記第1層の第1面に鏡面研磨を施
す。
【0053】製造方法Cでは、先ず、ダイヤモンド粉末
及び/又は黒鉛粉末が混合された熱硬化性樹脂に加圧加
熱成形を施して得られた第1成形体を、ダイヤモンド粉
末が敷かれた型枠内に装填する。その後、不活性ガス雰
囲気中で加圧加熱成形してダイヤモンド粉末が埋め込ま
れた第2成形体を得る。この第2成形体を不活性ガス雰
囲気中で焼成することにより第1層を作製する。次に、
この第1層の第2面にダイヤモンドからなる第2層を気
相合成させる。そして、前記第1層の第1面に鏡面研磨
を施す。
【0054】製造方法Dでは、先ず、ダイヤモンド粉末
及び/又は黒鉛粉末が混合された熱硬化性樹脂粉末に加
圧加熱成形を施して成形体を得る。この成形体を不活性
ガス雰囲気中で焼成した後、この成形体の両面に鏡面研
磨を施して第1層を作製する。次に、この第1層の第2
面に自立性のダイヤモンドからなる第2層を接着して加
熱処理を施す。
【0055】以上のようにして、本発明に係る高熱伝導
性基板を製造することができるが、上述の製造方法A〜
Dの方法によって第1層を作製した後、次のようにして
第2層を形成してもよい。即ち、第1面に鏡面研磨が施
された前記第1層の第2面に、ダイヤモンド粉末が分散
された有機溶媒、低粘性樹脂又は感光樹脂を塗布する。
次いで、前記ダイヤモンド粉末を核としてダイヤモンド
からなる第2層を気相合成させる。そして、前記第1層
の第1面に再度鏡面を施して、高熱伝導性基板を製造す
る。
【0056】また、第2層を気相合成する場合におい
て、ダイヤモンド結晶の欠陥密度を低減させるために、
ボロン(B)をドーピングして気相合成することが好ま
しい。
【0057】次に、本発明に係る高熱伝導性基板の製造
方法における熱処理の温度について説明する。
【0058】加圧加熱成形処理、焼成処理及び加熱処理
の処理温度:600乃至1500℃ 本発明に係る高熱伝導性基板を製造する場合に、種々の
熱処理を行う。例えば、ダイヤモンド粉末等が分散され
た熱硬化性樹脂粉末に施す加圧加熱成形処理、この処理
によって得られた成形体に施す焼成処理、それに焼成処
理によって得られた第1層に第2層として自立性のダイ
ヤモンド膜を接着させる加熱処理である。
【0059】これらの熱処理はいずれも600乃至15
00℃の温度で行うことが好ましい。これは、処理温度
が600℃未満では炭化が進まず、また1500℃を超
えるとダイヤモンドの炭素化が急速に進み過ぎてしまう
からである。なお、より好ましくは800乃至1200
℃である。
【0060】なお、ダイヤモンド膜は水素雰囲気中で気
相合成されるため、気相合成後、熱処理等によって炭素
基板に吸収された水素の除去を要する場合もあり、その
場合も上記範囲の処理温度で熱処理することが好まし
い。
【0061】以上の種々の製造方法によって、優れた熱
伝導性を有すると共に、表面を容易に鏡面研磨すること
ができ、良好な熱膨張の特性を有する高熱伝導性基板を
得ることができる。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例について、具体的に説
明する。先ず、本発明の実施例の説明に先立ち、第2層
としてのダイヤモンド膜の有無の影響を比較するため
に、第1層としての炭素基板にダイヤモンド膜を被着さ
せないで作製した基板について説明する。
【0063】第1比較例 先ず、本比較例では、フェノールフォルムアルデヒド樹
脂粉末65重量%、平均粒径5μmの黒鉛粉末25重量
%を均一に混合し、この混合粉を水に分散させて、適量
の界面活性剤を添加した後、スプレー・ドライヤによっ
て平均粒径30μmの造粒粉を作製した。
【0064】次に、この造粒粉を金型に装填し、温度:
160〜180℃、圧力:100kgf/cm2で、ホ
ットプレス成形して、縦横100mm、厚さ2mmの成
形体を作製した。
【0065】そして、この成形体を高純度の黒鉛板に挟
み、窒素気流中において1150℃の温度で焼成して基
板を製造した。このときの焼成パターンは、200℃の
温度で5時間保持した後、450℃まで5℃/時間、8
50℃まで10℃/時間、1150℃まで20℃/時間
の速度で昇温し、最後に1150℃の温度で5時間保持
した。
【0066】その後、基板の上面を粒径#1000のS
iC砥粒でラッピングした後、粒径#8000のアルミ
ナ砥粒で研磨した。研磨後の表面粗さは、平均粗度R
a:20Å、最大粗度Rmax:150Åであった。
【0067】以上のようにして炭素基板を作製し、この
炭素基板の熱膨張係数及び熱伝導率を測定した結果、夫
々3.2×10-6/℃及び20W/mKであった。
【0068】第2比較例 先ず、本比較例では、フェノールフォルムアルデヒド樹
脂粉末55重量%、平均粒径5μmの黒鉛粉末25重量
%及びダイヤモンド粉末20重量%を均一に混合して、
この混合粉を水に分散させ、この溶液に適量の界面活性
剤を添加した。その後、スプレードライヤーによって平
均粒径30μmの造粒粉を作製した。
【0069】その後、上述の第1比較例と同様にして、
硬質炭素基板を作製した。このときの研磨後の表面粗さ
は、平均粗度Ra:10Å、最大粗度Rmax:120Å
であった。
【0070】この第2比較例の炭素基板の熱膨張係数及
び熱伝導率は、ダイヤモンドを分散したものであるの
で、夫々2.7×10-6/℃及び42W/mKと第1比
較例より熱伝導率が高かった。
【0071】次に、主成分が硬質炭素からなる炭素基板
にダイヤモンド膜を被着させた本発明に係る高熱伝導性
基板の実施例について説明する。
【0072】第1実施例 先ず、本実施例では、フェノールフォルムアルデヒド樹
脂粉末75重量%、平均粒径5μmの黒鉛粉末25重量
%を均一に混合し、これを金型に装填して、温度:14
0℃、圧力:100kgf/cm2で加熱成形した。次
いで、金型の内面にダイヤモンド粉末を均一に分散さ
せ、このダイヤモンド粉末上に前記加熱成形によって得
られた成形体を置いて、再度、温度:160℃、圧力:
150kgf/cm2で加熱成形した。
【0073】この再度の加熱成形によって得られた成形
体には、その片面の厚さ方向に約0.5mmの厚さのダ
イヤモンド粉末分散層が形成された。なお、この成形体
を電子顕微鏡で観察した結果、成形体の表面においてダ
イヤモンドが占める面積は約65%であった。
【0074】そして、この成形体を高純度の黒鉛板に挟
み、窒素気流中において1150℃の温度で焼成した。
このときの焼成パターンは、上述の第1比較例における
焼成パターンと同様である。
【0075】次に、成形体のダイヤモンド粉末が固定さ
れた面をバフ研磨し、清浄なダイヤモンド面を露出させ
て、この面にマイクロ波CVD装置によってダイヤモン
ド膜を合成した。なお、原料ガスとしては、メタン:1
〜5%を水素希釈したもの(全流量:100sccm)
を使用し、基板温度:800〜850℃、反応室のガス
圧:30〜60Torrで一定に保持して、20時間気
相合成した。その結果、厚さが20μmのダイヤモンド
膜が成長した。そして、最後に、炭素基板の上面に上述
の第1比較例と同様の方法で鏡面研磨を施した。
【0076】以上のようにして作製した高熱伝導性基板
を図1に示す。この図1に示すように、高熱伝導性基板
1は、主成分が硬質炭素材料4からなり、これにダイヤ
モンド粒5及び黒鉛粒6が分散した炭素基板2の下面
(第2面)にダイヤモンド膜3を気相合成したものであ
る。特に、炭素基板2の下面(第2面)にはダイヤモン
ド粒を多く含む層が形成されているため、炭素基板2の
下面(第2面)にはダイヤモンド膜3を良好に被着させ
ることができた。また、高熱伝導性基板1の上面(第1
面)は鏡面研磨を施し、このときの研磨後の表面粗さ
は、平均粗度Ra:10Å、最大粗度Rmax:120Å
であった。
【0077】以上のようにして高熱伝導性基板1を作製
し、この基板の熱膨張係数及び熱伝導率を測定した結
果、夫々2.8×10-6/℃及び48W/mKであっ
た。
【0078】以上の製造条件のうち気相合成における時
間等を変えてダイヤモンド膜の厚さが異なる各種の高熱
伝導性基板を作製した。そのときのダイヤモンド膜の厚
さと基板の熱伝導率との関係を図4のグラフ図で示す。
なお、このときの炭素基板の厚さはいずれも1.5mm
である。
【0079】この図4に示すように、ダイヤモンド膜の
厚さが厚いほど熱伝導率が高くなることがわかる。
【0080】第2実施例 本実施例では、上述の第1比較例と同様の方法によって
硬質炭素からなる炭素基板を作製した。この炭素基板の
下面に厚さが30μmのダイヤモンド膜を形成し、最後
に前記炭素基板の上面(第1面)に鏡面研磨を施して、
高熱伝導性基板を作製した。
【0081】この高熱伝導性基板の熱伝導率を測定した
ところ、上述の第1実施例と略同様の値であった。
【0082】なお、炭素基板上にダイヤモンド膜を形成
するための表面処理として、ダイヤモンド・ペースト
によるバフ研磨、ダイヤモンド粉末による超音波キズ
付け処理、平均粒径0.2μmのダイヤモンド粉末を
分散させた感光樹脂の塗布、を行ったが、いずれの表面
処理を施した場合も熱伝導率には相違がなかった。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アモルファス材料に類似した微結晶構造を有する硬質炭
素からなる第1層の第2面に、ダイヤモンドからなる第
2層を被着させて基板を構成するので、基板の熱伝導性
を著しく向上させることができる。また、第1層の第1
面は容易に鏡面研磨することができるため、電子部品を
実装するのに好適の極めて優れた表面精度を得ることが
できる。加えて、硬質炭素材料は熱膨張係数がシリコン
ウェハの値に略等しいため、前記基板に実装される電子
部品において、両者が熱膨張する際であっても断線等が
発生することがなく、極めて微細な回路を形成すること
ができる。
【0084】更に、本発明に係る高熱伝導性基板を使用
することにより、極めて放熱特性が優れ、小型化した高
密度の高集積回路のパッケージを安価に製造することが
できる。更にまた、硬質炭素材料の比重は1.5〜1.
8と小さいため、パッケージの軽量化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る高熱伝導性基板を示す模
式的断面図である。
【図2】縦軸に熱伝導率をとり、横軸に熱硬化樹脂にお
けるダイヤモンド又は黒鉛の混合比をとって、炭素基板
の熱伝導率とダイヤモンド等の混合比との関係を示すグ
ラフ図である。
【図3】縦軸に熱伝導率をとり、横軸にダイヤモンド粉
末の平均粒径をとって、炭素基板におけるダイヤモンド
粉末の混合比が30重量%である場合の炭素基板の熱伝
導率とダイヤモンド粉末の平均粒径との関係を示すグラ
フ図である。
【図4】縦軸に熱伝導率をとり、横軸にダイヤモンド膜
の厚さをとって、炭素基板の厚さが1.5mmである場
合の高熱伝導性基板の熱伝導率とダイヤモンド膜の厚さ
との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1;高熱伝導性基板 2;炭素基板 3;ダイヤモンド膜 4;硬質炭素材料 5;ダイヤモンド粒 6;黒鉛粒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小橋 宏司 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 河合 明博 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分が硬質炭素からなり鏡面研磨され
    た第1面及びこの第1面の反対側の第2面を有する第1
    層と、ダイヤモンドからなり前記第2面の一部又は全部
    に被着された第2層とを有することを特徴とする高熱伝
    導性基板。
  2. 【請求項2】 前記第2層は気相合成により形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の高熱伝導性基
    板。
  3. 【請求項3】 前記第1層には、ダイヤモンド粉末及び
    /又は黒鉛粉末が分散されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の高熱伝導性基板。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤモンド粉末は、前記第1層の
    第1面側よりも第2面側で濃度が高くなることを特徴と
    する請求項3に記載の高熱伝導性基板。
  5. 【請求項5】 前記ダイヤモンド粉末の平均粒径は0.
    1乃至50μmであり、前記黒鉛粉末の平均粒径は0.
    5乃至50μmであることを特徴とする請求項3又は4
    に記載の高熱伝導性基板。
  6. 【請求項6】 前記第2層は、前記ダイヤモンド粉末を
    核として気相成長したダイヤモンド膜であることを特徴
    とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の高熱伝導
    性基板。
  7. 【請求項7】 前記第1層の第2面は、ダイヤモンド粉
    末又はダイヤモンドペーストを使用して機械研磨及び超
    音波処理によるキズ付け処理が施されていることを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の高熱伝導
    性基板。
  8. 【請求項8】 前記第2層は、前記第1層の第2面にダ
    イヤモンド粉末を塗布し、これを核として気相成長させ
    たものであることを特徴とする請求項1に記載の高熱伝
    導性基板。
  9. 【請求項9】 前記ダイヤモンド粉末の平均粒径が0.
    1乃至5μmであることを特徴とする請求項8に記載の
    高熱伝導性基板。
  10. 【請求項10】 前記第1層における第2面側の表層部
    には、前記ダイヤモンド粉末が50体積%以上分散され
    ていることを特徴とする請求項9に記載の高熱伝導性基
    板。
  11. 【請求項11】 前記第2層の厚さは、少なくとも5μ
    m以上であることを特徴とする請求項1乃至10のいず
    れか1項に記載の高熱伝導性基板。
  12. 【請求項12】 前記第2層は、別途気相合成によって
    形成された自立性のダイヤモンド膜であることを特徴と
    する請求項1に記載の高熱伝導性基板。
  13. 【請求項13】 前記第2層は、強制冷却が可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記
    載の高熱伝導性基板。
  14. 【請求項14】 前記第2層には、ボロンがドーピング
    されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれ
    か1項に記載の高熱伝導性基板。
  15. 【請求項15】 ダイヤモンド粉末及び/又は黒鉛粉末
    が混合された熱硬化性樹脂粉末に加圧加熱成形を施して
    得られた成形体を、不活性ガス雰囲気中で焼成すること
    により第1面及び第2面を有する第1層を作製する工程
    と、その後少なくとも前記第1層の第1面を鏡面研磨す
    る工程と、前記第1層の第2面にダイヤモンドからなる
    第2層を気相合成する工程と、その後再度前記第1層の
    第1面を鏡面研磨する工程とを有することを特徴とする
    高熱伝導性基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 熱硬化性樹脂粉末、又はダイヤモンド
    粉末及び/又は黒鉛粉末が混合された熱硬化性樹脂粉末
    を、ダイヤモンド粉末が敷かれた型枠内に充填した後、
    加圧加熱成形を施して得られた成形体を、不活性ガス雰
    囲気中で焼成することにより第1面及び第2面を有する
    第1層を作製する工程と、この第1層の第2面にダイヤ
    モンドからなる第2層を気相合成する工程と、前記第1
    層の第1面を鏡面研磨する工程とを有することを特徴と
    する高熱伝導性基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 ダイヤモンド粉末及び/又は黒鉛粉末
    が混合された熱硬化性樹脂に加圧加熱成形を施して得ら
    れた第1成形体を、ダイヤモンド粉末が敷かれた型枠内
    に装填した後、不活性ガス雰囲気中で加圧加熱成形して
    ダイヤモンド粉末が埋め込まれた第2成形体を得、得ら
    れた第2成形体を不活性ガス雰囲気中で焼成することに
    より第1面及び第2面を有する第1層を作製する工程
    と、この第1層の第2面にダイヤモンドからなる第2層
    を気相合成する工程と、前記第1層の第1面を鏡面研磨
    する工程とを有することを特徴とする高熱伝導性基板の
    製造方法。
  18. 【請求項18】 ダイヤモンド粉末及び/又は黒鉛粉末
    が混合された熱硬化性樹脂粉末に加圧加熱成形を施して
    得られた成形体を、不活性ガス雰囲気中で焼成した後、
    この成形体の両面を鏡面研磨することにより第1面及び
    第2面を有する第1層を作製する工程と、その後前記第
    1層の第2面に自立性のダイヤモンドからなる第2層を
    接着して加熱処理する工程とを有することを特徴とする
    高熱伝導性基板の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記加圧加熱成形処理、前記焼成処理
    及び前記加熱処理の処理温度はいずれも600乃至15
    00℃であることを特徴とする請求項15乃至18のい
    ずれか1項に記載の高熱伝導性基板の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記工程により得られた第1層の第1
    面を鏡面研磨する工程と、ダイヤモンド粉末が分散され
    た有機溶媒、低粘性樹脂又は感光樹脂を前記第1層の第
    2面に塗布する工程と、前記ダイヤモンド粉末を核とし
    てダイヤモンドからなる第2層を成長させる工程と、前
    記第1層の第1面を再度鏡面研磨する工程とを有するこ
    とを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記
    載の高熱伝導性基板の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第2層には、ボロンがドーピング
    されていることを特徴とする請求項15乃至20のいず
    れか1項に記載の高熱伝導性基板の製造方法。
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