JPH09101408A - 液晶ディスプレイ用カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents
液晶ディスプレイ用カラーフィルタおよびその製造方法Info
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- JPH09101408A JPH09101408A JP25960595A JP25960595A JPH09101408A JP H09101408 A JPH09101408 A JP H09101408A JP 25960595 A JP25960595 A JP 25960595A JP 25960595 A JP25960595 A JP 25960595A JP H09101408 A JPH09101408 A JP H09101408A
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Abstract
は、着色層(マイクロカラーフィルタ)および液晶の保
護を図るうえから、着色層上に透明保護膜を設ける必要
があるが、可能な限りその製造工程を簡略化して液晶デ
ィスプレイ用カラーフィルタを量産化しようとする動き
があり、上述した透明保護層を必要としない液晶ディス
プレイ用カラーフィルタの出現が強く望まれている。 【解決手段】 主要カチオン元素としてインジウム元素
および亜鉛元素を含有し、表面の凹凸が10nm以内で
ある非晶質酸化物膜からなる液晶駆動用透明電極を、当
該液晶駆動用透明電極が平面視上着色層を覆うようにし
て、着色層上に設ける。
Description
カラーフィルタおよびその製造方法に係り、特に、着色
層(マイクロカラーフィルタ。以下同じ。)の他に液晶
駆動用透明電極をも備えた液晶ディスプレイ用カラーフ
ィルタおよびその製造方法に関する。
学的性質、光学部品、あるいは外部光源等を利用してカ
ラー表示を行っており、カラー表示を行うための光学部
品の一つとしてカラーフィルタが利用されている。この
カラーフィルタは、液晶パネル形成用の基板としても利
用する電気絶縁性透明基板上に直接、または液晶駆動用
透明電極を介して複数種の着色層を所定のパターンに配
置したものであり、電気絶縁性透明基板上に直接着色層
を配置した場合には、当該着色層上に液晶駆動用透明電
極が設けられる。本明細書では、前記の電気絶縁性透明
基板と、前記の着色層(マイクロカラーフィルタ)と、
前記の液晶駆動用透明電極とを少なくとも備えているも
のを液晶ディスプレイ用カラーフィルタという。
TO膜が多用されている。その理由は、ITO膜は透明
性や導電性が高いからである。また、本願出願人は、液
晶駆動用透明電極としてITO膜を用いた液晶ディスプ
レイ用カラーフィルタよりも製造過程で液晶駆動用透明
電極にクラックや剥離が生じにくく、かつ製造後におい
ても経時的に液晶駆動用透明電極にクラックや剥離が生
じることが起きにくい液晶ディスプレイ用カラーフィル
タとして、液晶駆動用透明電極に特定の非晶質酸化物
膜、すなわち、主要カチオン元素としてインジウム元素
および亜鉛元素を含有する非晶質酸化物膜を用いたもの
を既に提案している(特開平7−120612号公報参
照。)。
気絶縁性透明基板上または着色層上に設けられるわけで
あるが、当該液晶駆動用透明電極を着色層上に設ける場
合、着色層と液晶駆動用透明電極との間には、透明保護
層を介在させることが多い。この透明保護層は、液晶駆
動用透明電極の平坦性の向上や、着色層および液晶の保
護を目的として設けられるものである。着色層および液
晶の保護とは、具体的には、次のものである。
に設けた場合、この液晶駆動用透明電極上には最終的に
樹脂製の配向膜が設けられることが多く、当該配向膜の
基となる樹脂層を形成するにあたっては塗布法、スピン
コート法等の方法が適用される。そして、樹脂層を塗布
法,スピンコート法等の方法によって形成する際に使用
するコーティング液の溶剤が上記の着色層に浸透する
と、マイクロカラーフィルタとしての着色層の機能に重
大な欠陥を与える。また、上記の着色層の成分が液晶駆
動用透明電極を透過して液晶層に浸出すると、液晶や電
気回路に悪影響を及ぼす。上記の「着色層および液晶層
の保護」とは、上述した溶剤の浸透を防止して着色層の
機能に重大な欠陥が生じないようにすること、および、
上述した着色層の成分の浸出を防止して液晶や電気回路
に悪影響が生じないにようにすることを意味する。
イ用カラーフィルタの量産化に伴って、可能な限りその
製造工程を簡略化しようとする動きがあり、上述した透
明保護層を必要としない液晶ディスプレイ用カラーフィ
ルタの出現が強く望まれている。
い液晶ディスプレイ用カラーフィルタおよびその製造方
法を提供することにある。
い液晶ディスプレイ用カラーフィルタを得るためには、
着色層上に溶剤遮断性、すなわち、配向膜の基となる樹
脂層を塗布法,スピンコート法等の方法によって形成す
る際に使用するコーティング液の溶剤として用いられる
NMP(N−メチルピロリドン)等の溶剤を透過させな
い能力を有している液晶駆動用透明電極を設ければよ
く、そのためには、粒界を有している結晶性物質によっ
て液晶駆動用透明電極を形成するよりも粒界を実質的に
有していない非晶質物質によって液晶駆動用透明電極を
形成することが望ましい。本願発明者らは鋭意研究を重
ねた結果、非晶質物質膜であれば必ず上記の溶剤遮断性
を有しているというものではなく、特定のIn−Zn系
非晶質酸化物膜が上述した溶剤遮断性を有していること
を見出し、本発明を完成するに至った。
プレイ用カラーフィルタは、電気絶縁性透明基板と、こ
の電気絶縁性透明基板の上に所定のパターンで配置され
た複数種の着色層と、これらの着色層を平面視上覆うよ
うにして該着色層上に設けられた液晶駆動用透明電極と
を少なくとも備え、前記液晶駆動用透明電極が主要カチ
オン元素としてインジウム元素および亜鉛元素を含有す
る非晶質酸化物膜からなり、該液晶駆動用透明電極の表
面の凹凸が10nm以内であることを特徴とするもので
ある。
ディスプレイ用カラーフィルタの製造方法は、電気絶縁
性透明基板の片面に所定のパターンで複数種の着色層を
形成する工程と、酸化インジウムと酸化亜鉛とを含有す
る組成物からなる焼結体ターゲットを用いたスパッタリ
ング法により、主要カチオン元素としてインジウム元素
および亜鉛元素を含有し、表面の凹凸が10nm以内で
ある非晶質酸化物膜からなる液晶駆動用透明電極を前記
着色層上に該着色層を平面視上覆うようにして形成する
工程とを含むことを特徴とするものである。
て詳細に説明する。まず、本発明の液晶ディスプレイ用
カラーフィルタについて説明すると、このカラーフィル
ターは、前述したように、電気絶縁性透明基板と、この
電気絶縁性透明基板の上に所定のパターンで配置された
複数種の着色層と、これらの着色層を平面視上覆うよう
にして当該着色層上に上に設けられた液晶駆動用透明電
極とを少なくとも備えている。
と同様であり、電気絶縁性透明基板としては液晶ディス
プレイ用カラーフィルタの基板としての利用が従来より
図られている種々の材質の基板を用いることができる。
電気絶縁性透明基板の具体例としては、青板ガラス,白
板ガラス,無アルカリガラス,石英ガラス,ホウ硅酸ガ
ラス等の各種電気絶縁性透明ガラスや、ポリカーボネー
ト,ポリエーテルスルホン,ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリアリレート,非晶質ポリオレフィン,アクリル
樹脂,ポリエーテル等の各種電気絶縁性ポリマー、ある
いは、前述の電気絶縁性透明ガラス等に前述の電気絶縁
性透明ポリマーをコーティングしたもの等が挙げられ
る。電気絶縁性透明基板は、従来と同様に必ずしも板状
である必要性はなく、シート状やフィルム状であっても
よい。
は、従来と同様に、目的とする液晶ディスプレイ用カラ
ーフィルタがマルチカラー表示用のものであるかフルカ
ラー表示用のものであるか等に応じて、また、目的とす
る液晶ディスプレイ用カラーフィルタがどのような種類
のバックライトを装備した液晶ディスプレイに使用され
るのか等に応じて、分光透過率が異なる複数種の着色層
が適宜組合わされて用いられる。これら複数種の着色層
の各々の材料は、目的とする着色層の分光透過率特性に
応じて適宜選択される他、着色層の形成方法等に応じて
も適宜選択される。
はなく、目的とする液晶ディスプレイ用カラーフィルタ
に要求される精度等に応じて、染色法,印刷法,分散
法,電着法,ミセル電解法等、従来より利用されている
種々の方法の中から適宜選択される。染色法により着色
層を形成する場合、その材料としては、例えば、ゼラチ
ン,カゼイン,ポリビニルアルコール,ポリアクリルア
ミド等に感光剤を添加したものと酸性染料または反応性
染料が用いられ、印刷法により着色層を形成する場合に
は、例えば、プレポリマーに顔料および分散助剤を添加
したものやインクが用いられる。また、分散法により着
色層を形成する場合には、例えば、透明感光性樹脂また
は透明樹脂に染料,有機顔料,無機顔料等の着色剤を分
散させたカラーレジン液が用いられ、電着法により着色
層を形成する場合には、例えば、顔料等の着色剤とポリ
マーとを所望の溶媒に分散させて得た電着液が用いられ
る。そして、ミセル電解法により着色層を形成する場合
には、例えば、所望の電気伝導度を有する水性媒体にミ
セル化剤と疎水性色素とを分散させたものが用いられ
る。なお、電着法およびミセル電解法により着色層を形
成する場合には電着または電解を行うための透明電極が
必要であり、これらの方法では、着色層は前記透明電極
の表面に形成される。
のではなく、従来と同様に、目的とする液晶ディスプレ
イ用カラーフィルタをどのようなサイズあるいは性能の
液晶ディスプレイに利用するのか等に応じて、ストライ
プ型,モザイク型,トライアングル型等に適宜配置され
る。
タでは、上述した複数種の着色層を平面視上覆うように
して、当該着色層上に液晶駆動用透明電極が設けられて
いる。この液晶駆動用透明電極は、主要カチオン元素と
してインジウム元素および亜鉛元素を含有する非晶質酸
化物膜からなり、その表面の凹凸は10nm以内であ
る。
は、触針式の表面粗さ計で液晶駆動用透明電極表面の任
意の位置を20mgの荷重下に1mmに亘って掃引して
最大凸部と最大凹部との高低の差を求めるという操作を
計5回繰り返すことによって得たデータから算出した、
最大凸部と最大凹部との高低の差の平均値を意味する。
また、本発明において上記の非晶質酸化物膜からなる液
晶駆動用透明電極の表面の凹凸を10nm以内に限定す
る理由は、当該液晶駆動用透明電極の表面の凹凸が10
nmを超えると前述した溶剤遮断性が得られなくなり、
着色層および液晶層の保護を図るためには従来と同様に
透明保護膜を設ける必要性が生じるからである。前記表
面の凹凸は小さければ小さいほど好ましい。
透明電極の表面の凹凸を10nm以内にすることによ
り、配向膜の基となる樹脂層を塗布法,スピンコート法
等の方法によって形成する際に使用するコーティング液
の溶剤として用いられるNMP(N−メチルピロリド
ン)等の溶剤を透過させない能力を有している液晶駆動
用透明電極を得ることが可能になる。その理由は、上記
の非晶質酸化物膜の表面の平滑性を当該表面の凹凸が1
0nm以内になるまで高めることによって、前記の溶剤
が接触した場合の接触面積が当該溶剤の浸透を防ぐこと
が可能な程度まで小さくなるからであると推察される。
他、液晶セル組み工程前に行われる受入れ洗浄で用いら
れる純水や精密洗浄用溶剤として用いられるIPA(イ
ソプロピルアルコール)等、20℃における粘度が1.
0cP以上の液体を透過させない能力を有している。以
下、本発明の液晶ディスプレイ用カラーフィルタについ
て「溶剤遮断性」というときは、「20℃における粘度
が1.0cP以上の液体を透過させない能力」について
いうものとする。
る粘度が1.0cP未満の液体は、上記の非晶質酸化物
膜からなる液晶駆動用透明電極の表面の凹凸を10nm
以内にしても当該液晶駆動用透明電極を透過してしまう
ことがある。しかしながら、液晶セルの組み立て工程に
おいては、前記の粘度が1.0cP未満である液体を液
晶駆動用透明電極に接触させる必要はない。
ム元素と亜鉛元素との原子比In/(In+Zn)が
0.8以上0.9未満であるものが好ましい。前記の原
子比が0.8未満になると導電性が低下し、液晶駆動用
透明電極として所望の面抵抗を有すものを得るためには
その膜厚を厚くしなければならず、その結果として光透
過性が低下する。一方、前記の原子比が0.9以上にな
ると結晶質になり易くなり、結晶質となった場合には結
晶粒界を通じて溶剤が当該結晶質膜を透過するようにな
る。
および亜鉛元素以外のカチオン元素として、正三価以上
の原子価を有する第3の元素を1種以上含んでいてもよ
い。この第3の元素の種類は正三価以上の原子価を有す
るものであれば特に限定されないが、例えば錫,アルミ
ニウム,アンチモン,ガリウム,ゲルマニウム,チタン
が挙げられる。第3の元素を含有させることにより、非
晶質酸化物膜の導電性を向上させることができるが、カ
チオン元素の総量に占める第3の元素の合量の割合が2
0at%を超えると導電性が低下し易くなる。このため、
第3の元素の合量の割合はカチオン元素の総量に対して
20at%以下とすることが好ましい。
透明電極の比抵抗は低ければ低いほどよく、少なくとも
2.0×10-4Ω・cm以下であることが好ましい。上
記の非晶質酸化物膜におけるインジウム元素と亜鉛元素
との原子比In/(In+Zn)が0.8以上0.9未
満である場合、比抵抗が2.0×10-4Ω・cm以下の
液晶駆動用透明電極を得るためには、その膜厚を概ね3
0オングストローム〜1μmとすればよい。当該液晶駆
動用透明電極の膜厚の好ましい値は200〜3000オ
ングストロームであり、300〜800オングストロー
ムが特に好ましい。比抵抗が2.0×10-4Ω・cmを
超えると、前述したように、液晶駆動用透明電極として
所望の面抵抗を有すものを得るためにはその膜厚を厚く
する必要が生じ、その結果として光透過性が低下する。
透明電極は、前述したように、着色層を平面視上覆うよ
うにして設けられている。そして、この液晶駆動用透明
電極は溶剤遮断性を有している。したがって、本発明の
液晶ディスプレイ用カラーフィルタにおいては着色層と
液晶駆動用透明電極との間に透明保護層を設ける必要性
が無く、その結果として、工程の簡略化とコスト削減を
図ることが可能になる。当該液晶ディスプレイ用カラー
フィルタは、液晶駆動用透明電極として共通電極(全面
電極)を有するタイプの液晶ディスプレイ用カラーフィ
ルタ、例えば薄膜トランジスタ方式等の電界効果トラン
ジスタ駆動方式の液晶ディスプレイ等に使用される液晶
ディスプレイ用カラーフィルタとして好適である。
フィルタの製造方法について説明する。本発明の液晶デ
ィスプレイ用カラーフィルタの製造方法は、前述したよ
うに、電気絶縁性透明基板の片面に所定のパターンで複
数種の着色層を形成する工程と、酸化インジウムと酸化
亜鉛とを含有する組成物からなる焼結体ターゲットを用
いたスパッタリング法により、主要カチオン元素として
インジウム元素および亜鉛元素を含有し、表面の凹凸が
10nm以内である非晶質酸化物膜からなる液晶駆動用
透明電極を前記着色層上に該着色層を平面視上覆うよう
にして形成する工程とを含むことを特徴とするものであ
る。
のではなく、前述したように、染色法,印刷法,分散
法,電着法,ミセル電解法等、従来より利用されている
種々の方法の中から適宜選択される。
よび亜鉛元素を含有する非晶質酸化物膜は、種々の方法
により形成することが可能である。しかしながら、当該
非晶質酸化物膜の表面の凹凸を10nm以内にするため
には、酸化インジウムと酸化亜鉛とを含有する組成物か
らなる焼結体ターゲットを用いたスパッタリング法を適
用することが好ましい。当該スパッタリング法によれ
ば、表面の凹凸が10nm以内である非晶質酸化物膜を
形成することが可能であるとともに、緻密性に優れ、か
つ、着色層との密着性に優れた非晶質酸化物膜を形成す
ることが可能である。
用カラーフィルタにおける液晶駆動用透明電極であるの
で、実用上十分な導電性を有する液晶駆動用透明電極を
得るうえからは、前述しように、上記の非晶質酸化物膜
におけるインジウム元素と亜鉛元素の原子比In/(I
n+Zn)は0.8以上0.9未満であることが好まし
い。そして、このような非晶質酸化物膜をスパッタリン
グ法により形成する場合、スパッタリング法によって得
られる非晶質酸化物膜における前記の原子比と焼結体タ
ーゲットにおける前記の原子比との間に若干のずれが生
じることから、上記の焼結体ターゲットにおけるインジ
ウム元素と亜鉛元素の原子比In/(In+Zn)は
0.82以上0.92未満であることが好ましい。この
値は、実験的、経験的に得られたものである。
は、酸化インジウムと酸化亜鉛とを含有する組成物から
なるわけであるが、この焼結体ターゲットとしては、I
n2O3(ZnO)m (m=2〜20。好ましくはm=2
〜8。さらに好ましくはm=2〜6。)で表される六方
晶層状化合物を含有するものが好ましい。当該焼結体タ
ーゲットは、前記の六方晶層状化合物のみから実質的に
なっていていもよし、この六方晶層状化合物の他に酸化
インジウムまたは酸化亜鉛を含有していてもよい。これ
らの酸化物の純度はできるだけ高いほうが好ましく、9
8%以上、特に99%以上が望ましい。また、この焼結
体ターゲットには正三価以上の原子価を有する第3の元
素またはその化合物が1種以上ドープされていてもよ
く、このような焼結体ターゲットを用いた場合には、よ
り導電性の高い非晶質酸化物膜を得ることができる。た
だし、最終的に得られる非晶質酸化物膜におけるドープ
元素(前述した第3の元素)の割合がカチオン元素の総
量に対して20at%を超えると、かえって導電性が低下
し易くなるので、そのドープ量は、最終的に得られる非
晶質酸化物膜におけるドープ元素の割合がカチオン元素
の総量に対して20at%を超えないように調整する。ド
ープ元素の具体例としては、錫,アルミニウム,アンチ
モン,ガリウム,ゲルマニウム,チタンが挙げられる。
ようにして得ることができる。まず、酸化インジウムま
たは焼成により酸化インジウムとなる化合物(例えば塩
化インジウム,硝酸インジウム,酢酸インジウム,水酸
化インジウム,インジウムアルコキシド)と、酸化亜鉛
または焼成により酸化亜鉛となる化合物(例えば塩化亜
鉛,硝酸亜鉛,酢酸亜鉛,水酸化亜鉛,亜鉛アルコキシ
ド)とを混合する。このとき、必要に応じて正三価以上
の原子価を有する第3の元素(インジウムを除く。)か
らなる単体(気体を除く。)や前記第3の元素の塩等を
添加してもよい。次に、得られた混合物を500〜12
00℃で仮焼する。次いで、得られた仮焼物をボールミ
ル,ロールミル,パールミル,ジェットミル等で粉砕し
て、粒子径が0.01〜1.0μmの範囲内でかつ粒径
の揃った粉末を得る。なお、粉砕に先だって100〜8
00℃で還元処理を施してもよい。また、必要に応じて
前記粉末の仮焼、粉砕を所望回数繰り返してもよい。こ
の後、得られた粉末を所望形状に加圧成形し、成形物を
800〜1700℃で焼結する。このとき、必要に応じ
てポリビニルアルコール,メチルセルロース,ポリワッ
クス,オレイン酸等を焼結助剤として用いてもよい。こ
のようにして焼結体を得ることにより、目的とする焼結
体ターゲットが得られる。
ーゲットとして用いてのスパッタリング法によって、表
面の凹凸が10nm以内である上述の非晶質酸化物膜を
形成するにあたっては、ターゲット印加電圧を200V
未満としたDCまたはRFマグネトロンスパッタリング
法等を適用することができるが、生産性や得られる膜の
膜特性等の観点から、工業的には、ターゲット印加電圧
を200V未満としたDCマグネトロンスパッタリング
法が好ましい。
て目的とする非晶質酸化物膜を形成する場合のスパッタ
条件の一例を挙げるとすれば次のようになる。すなわ
ち、スパッタリング雰囲気はアルゴンガス等の不活性ガ
ス、または不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスとし、ス
パッタ時の雰囲気圧(真空度)は1×10-4〜5×10
-2Torr程度、ターゲット印加電圧は前述のように200
V未満とする。基板温度は、電気絶縁性透明基板や着色
層が変色、変質、分解等を起こさないように適宜設定さ
れる。
ではプラズマの安定性が悪く、5×10-2Torrを超える
と、得られる非晶質酸化物膜の着色層への付着性が悪く
なる。また、ターゲット印加電圧を200V以上にする
と非晶質酸化物膜がプラズマによるダメージを受け、電
気伝導度および緻密性の低下をまねき易く、緻密性が低
下した場合には、着色層および液晶の保護を図るために
従来と同様に透明保護膜が必要になる。ターゲット印加
電圧は180V未満であることが好ましく、150V未
満であることが更に好ましい。
メージを防ぐためには、ターゲット印加電圧はできる限
り低い方がよいが、ターゲット印加電圧を低くすること
に伴って生産性が低下する。したがって、最適のターゲ
ット印加電圧は、目的とする非晶質酸化物膜に要求され
る導電性,溶剤遮断性および生産性を総合的に考慮した
うえで適宜選択される。また、ターゲット印加電圧を2
00V未満にして成膜を行うためには、焼結体ターゲッ
トの中央部における平行磁場強度を400ガウス以上に
することが好ましく、特に500ガウス以上にすること
が好ましい。焼結体ターゲットの中央部における平行磁
場強度が400ガウス未満では、低電圧で安定した放電
を行うことが困難であるため、200V未満のターゲッ
ト印加電圧で成膜,生産を行うことが実質的に不可能に
なる。
膜からなる液晶駆動用透明電極の膜厚は、当該非晶質酸
化物膜におけるインジウム元素と亜鉛元素の原子比In
/(In+Zn)が0.8以上0.9未満である場合に
は、本発明の液晶ディスプレイ用カラーフィルタの説明
の中で述べたように、概ね30オングストローム〜1μ
mである。そして、非晶質酸化物膜におけるインジウム
元素と亜鉛元素の原子比In/(In+Zn)が0.8
以上0.9未満である場合、当該非晶質酸化物膜からな
る液晶駆動用透明電極の膜厚の好ましい値は200〜3
000オングストロームであり、300〜800オング
ストロームが特に好ましい。
からなる液晶駆動用透明電極を形成するにあたって、当
該液晶駆動用透明電極が前述した着色層を平面視上覆う
ようにする。そして、上記の非晶質酸化物膜は、前述し
た溶剤遮断性を有している。したがって、本発明の方法
においては、着色層および液晶の保護を図るために着色
層と液晶駆動用透明電極との間に透明保護層を設ける必
要性が無く、その結果として、工程の簡略化とコスト削
減を図ることが可能になる。
る本発明の液晶ディスプレイ用カラーフィルタは、従来
と同様に、漏れ光によるコントラストや色純度の低下を
防止するために、1つの着色層と他の着色層との間等
に、金属クロムや着色フォトレジスト等からなる遮光層
を備えていてもよい。この遮光層は、カラーフィルタを
装備したカラー液晶ディスプレイを平面視したときに当
該遮光層が画素間に位置するように設けられ、その全体
形状は一般にマトリックス状あるいはストライプ状を呈
する。また、液晶駆動用透明電極上に配向膜を有してい
てもよい。
タを用いたカラー液晶パネルは、例えば、当該カラーフ
ィルタの他に、所定形状の透明電極等を備えた電気絶縁
性透明基板(以下、駆動用基板という)を用意し、互い
に対向させて配置した前記カラーフィルタと前記駆動用
基板との間に所望の液晶を封入することで得られる。こ
のときのカラーフィルタと駆動用基板とは、それぞれ電
気絶縁性透明基板が外側に位置するように配置され、こ
れらの間には液晶の他にガラスビーズやポリマー粒子等
からなるスペーサーが分散配置される。
タは、カラーフィルタを使用するタイプのカラー液晶デ
ィスプレイであれば直視型、前面投射型、背面投射型の
いずれのタイプのカラー液晶ディスプレイにも利用する
ことができる。カラー液晶ディスプレイの具体例として
は、コンピュータ用やワードプロセッサ用あるいは機器
モニター用のカラー液晶ディスプレイ、液晶カラープロ
ジェクター、液晶カラーテレビ、液晶カラーオーバーヘ
ッドプロジェクター、カラー車搭載インストルメントパ
ネル、カラーオーロラビジョン(商品名)のような大画
面カラー液晶ディスプレイが挙げられる。
Ω/□のITO膜(厚さ120nm)を成膜したもの
(ジオマテック社製。ガラス基板はコーニング社製の#
7059。以下「ITO膜付ガラス基板」という。)を
用意し、下記(a)〜(d)の要領で、当該ITO膜付
ガラス基板の片面にミセル電解法によって着色層を形成
した(以下、着色層まで形成したITO膜付ガラス基板
を「着色層付ガラス基板」という。)。
ル電解用ITO電極の形成 上記のITO膜付ガラス基板を1000rpm の回転速度
で回転させながら、当該ITO膜付ガラス基板のITO
膜上に紫外線硬化型レジスト剤(富士ハントエレクトロ
ニクステクノロジー社製のFH22130)をスピンコ
ートする。スピンコート後、80℃で15分間プリベー
クを行う。その後、レジスト膜が形成されたITO膜付
ガラス基板を露光機にセットする。マスクは、線幅10
0μm、ギャップ20μm、線長230mm、1920
本のストライプ縦パターンとする。光源としては2kW
の高圧水銀灯を用いる。プロキシミティギャップ70μ
mをとり、レジスト膜を120mJ/cm2 露光した
後、現像液(富士ハントエレクトロニクステクノロジー
社製のFHD−5)で現像して、前記レジスト膜を所定
形状にパターニングする。現像後、純水でリンスし、リ
ンス後に180℃でポストベークする。
・6N HCl・0.1N HNO3・0.1N Ce(N
O3)4 水溶液を準備し、所定形状にパターニングされ
た前記のレジスト膜をマスクとして用いて、前記のエッ
チング液によりITO膜を約20分間エッチングする。
エッチングの終点は電気抵抗により測定する。エッチン
グ終了後、純水でリンスし、リンス後に1NのNaOH
でレジスト膜を剥離する。このようにして、ストライプ
状のミセル電解用ITO電極をガラス基板上に形成する
(以下、ミセル電解用ITO電極を備えたガラス基板を
「ITOパターニングガラス基板」という。)。
ニクステクノロジー社製のカラーモザイクCK、同C
R、同CGおよび同CBを3:1:1:1の割合(重量
比)で混合したものを用いる。上記(a)の要領で作製
したITOパターニングガラス基板を10rpm の回転速
度で回転させ、このガラス基板の片面(ミセル電解用I
TO電極を形成した側の面)上に前記の遮光層形成用レ
ジスト剤30ccを噴霧する。次に、ITOパターニン
グガラス基板の回転速度を500rpm にして、当該IT
Oパターニングガラス基板の前記の片面上に前記の遮光
層形成用レジスト剤を均一にスピンコートする。スピン
コート後、80℃で15分間プリベークを行う。その
後、アライメント機能のある露光機を用いて、所定の位
置合せをしながら、所定のデザイン(90×310μm
角−20μm線幅)のマスクを用いてレジスト膜を露光
する。光源としては2kWの高圧水銀灯を用いる。プロ
キシミティギャップ70μmをとり、レジスト膜を10
0mJ/cm2 露光した後、現像液(富士ハントエレク
トロニクステクノロジー社製の富士ハントCDを純水で
4倍に希釈したもの)で30秒間現像して、前記のレジ
スト膜を所定形状にパターニングする。現像後、純水で
リンスし、リンス後に200℃で100分間ポストベー
クする。このようにして、前記のレジスト膜からなる所
定形状の遮光層(厚さ1.0μm)を得る(以下、遮光
層まで形成したものを「遮光層付ガラス基板」とい
う。)。
層」という。)形成用の分散液としては、クロモフター
ルレッドA2B(チバガイギー社製)の分散液(分散
媒;純水)を用いる。また、緑色波長域の分光透過率が
高い着色層(以下「G着色層」という。)形成用の分散
液は、ヘリオゲングリーンL9361(BASF社製)
の分散液(分散媒;純水)とイルガジンエロ−2RLT
(チバガイギー社製)の分散液(分散媒;純水)とをそ
れぞれ20℃に保ったまま70:30の割合(重量比)
で混合し、さらに、混合液を超音波ホモジナイザーで3
0分間分散させることで調製する。そして、青色波長域
の分光透過率が高い着色層(以下「B着色層」とい
う。)形成用の分散液は、ファストゲンブルーTGR
(大日本インキ社製)の分散液(分散媒;純水)とファ
ストゲンスーパーバイオレット2RN(大日本インキ社
製)とをそれぞれ20℃に保ったまま80:20の割合
(重量比)で混合することで調製する。
付ガラス基板を、上記(c)の要領で調製したR着色層
形成用の分散液(液温20℃)に浸漬し、R着色層を形
成しようとする箇所のミセル電解用ITO電極にポテン
ショスタットを接続する。そして、0.5Vvs.SC
E、25分間の定電位電解を行ってR着色層を得る。電
解後、純水でリンスし、リンス後に100℃で15分間
ベークする。次に、この基板を上記(c)の要領で調製
したG着色層形成用の分散液(液温20℃)に浸漬し、
G着色層を形成しようとする箇所のミセル電解用ITO
電極にポテンショスタットを接続する。そして、0.5
Vvs.SCE、20分間の定電位電解を行ってG着色
層を得る。電解後、純水でリンスし、リンス後に100
℃で15分間ベークする。最後に、この基板を上記
(c)の要領で調製したB着色層形成用の分散液(液温
20℃)に浸漬し、B着色層を形成しようとする箇所の
ミセル電解用ITO電極にポテンショスタットを接続す
る。そして、0.5Vvs.SCE、15分間の定電位
電解を行ってB着色層を得る。電解後、純水でリンス
し、リンス後に100℃で15分間ベークする。なお、
R着色層、G着色層およびB着色層の最終的な厚さ(ミ
セル電解用ITO電極上の厚さ)は、0.9μmであ
る。
ンスパッタ装置に装着し、真空槽内を1×10-6Torr以
下まで減圧した後、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガ
ス(Ar:O2 =97:3(体積比))を真空槽内の圧
力が3×10-3Torrになるまで導入した。そして、In
2O3(ZnO)5 で表される六方晶層状化合物と酸化イ
ンジウム(In2O3)とからなる焼結体ターゲット(原
子比In/(In+Zn)=0.85)を用いて、ター
ゲット印加電圧150V、ターゲット中央部における平
行磁場強度500ガウス、基板温度200℃の条件で所
定時間、スパッタリングを行った。このスパッタリング
により、主要カチオン元素としてインジウム元素および
亜鉛元素を含有する非晶質酸化物膜からなる厚さ800
オングストローム程度の液晶駆動用透明電極が着色層上
に形成され、目的とする液晶ディスプレイ用カラーフィ
ルタが得られた。なお、ターゲット中央部における平行
磁場強度は、電磁石をターゲットの裏面に設置し、この
電磁石へ流す電流を制御することにより調整した。
イ用カラーフィルタ1は、ガラス基板からなる電気絶縁
性透明基板2と、この電気絶縁性透明基板2の片面に所
定間隔で交互に並列配置されたストライプ状のR着色層
3R,G着色層3GおよびB着色層3Bと、これらのR
着色層3R,G着色層3GおよびB着色層3Bの各々の
幅方向(長手方向と直交する方向)の側方に各着色層と
隣接するようにして形成された遮光層4と、R着色層3
R,G着色層3GおよびB着色層3Bの各々ならびに全
ての遮光層4を平面視上覆うようにしてこれらの層上に
設けられた液晶駆動用透明電極5とを備えている。な
お、R着色層3R,G着色層3GおよびB着色層3Bの
各々は、電気絶縁性透明基板2の片面に所定間隔のスト
ライプ状に形成されたミセル電解用ITO電極6上に形
成されている。
1の液晶駆動用透明電極5におけるインジウム元素と亜
鉛元素の原子比In/(In+Zn)は、ICP分析
(誘導プラズマ発光分光分析。使用機種はセイコー電子
社製のSPS−1500VR。)の結果、0.83であ
った。また、この液晶駆動用透明電極5の面抵抗を三菱
油化社製のロレスタFPにより測定したところ15Ω/
□であり、この値と、スローン(SLOAN)社製のD
EKTAK3030を用いて測定した液晶駆動用透明電
極5の膜厚から求めた比抵抗は1.2×10-4Ω・cm
であった。そして、当該液晶駆動用透明電極5の表面の
凹凸を前記のDEKTAK3030を用いて測定したと
ころ、9オングストロームであった。
MP(20℃における粘度:1.65cP)、IPA
(20℃における粘度:2.43cP)および純水(2
0℃における粘度:1.002cP)の透過性試験を行
い、その溶剤遮断性を評価した。なお、透過性試験は、
試験に使用する液体を液晶駆動用透明電極5上にミリリ
ットル滴下することによって行い、溶剤遮断性の評価
は、試験に使用する液体の滴下から5分後に液晶駆動用
透明電極5を目視観察し、その観察結果を基に行った。
これらの結果を表1に示す。
を180Vとした以外は実施例1と同様にして、液晶デ
ィスプレイ用カラーフィルタを得た。この液晶ディスプ
レイ用カラーフィルタの液晶駆動用透明電極について、
実施例1と同様の測定、評価を行った。これらの結果を
表1に示す。
ク)の形成 電気絶縁性透明基板としてガラス基板(コーニング社製
の#7059)を用意し、遮光層形成用レジスト剤とし
て新日鉄化学(株)製の耐熱ネガ型ブラックレジストV
−259BKを用いて、次のようにして遮光層を形成し
た。先ず、上記のガラス基板を10rpm の回転速度で回
転させ、この上に前記の遮光層形成用レジスト剤25c
cを噴霧した。次に、ガラス基板の回転速度を1000
rpm にして、このガラス基板上に前記の遮光層形成用レ
ジスト剤を均一にスピンコートした。スピンコート後、
80℃で6分間プリベークを行った。その後、アライメ
ント機能のある露光機を用いて、所定の位置合せをしな
がら、所定のデザイン(90×310μm角−20μm
線幅)のマスクを用いてレジスト膜を露光した。光源と
しては2kWの高圧水銀灯を用いた。プロキシミティギ
ャップ70μmをとり、レジスト膜を500mJ/cm
2 露光した後、現像液(新日鉄化学(株)製の専用現像
液:V−259ID)で1分間現像して、前記のレジス
ト膜を所定形状にパターニングした。現像後、純水をス
プレーしながらブラシによるスクラブリンスを行い、リ
ンス後に200℃で60分間ポストベークした。このよ
うにして、前記のレジスト膜からなる所定形状の遮光層
(厚さ1.0μm)を得た(以下、遮光層を形成したガ
ラス基板を「遮光層付ガラス基板」という。)。
設けた側の面)に、下記(a)〜(c)の要領で、スト
ライプ状を呈する厚さ1.0μmの着色層を顔料分散法
によって形成した(以下、着色層まで形成したガラス基
板を「着色層付ガラス基板」という。)。
色層の形成 R着色層(赤色波長域の分光透過率が高い着色層)形成
用レジスト剤として、新日鉄化学(株)製の耐熱ネガ型
カラーレジストV−259Rを用いる。まず、上記の遮
光層付ガラス基板を10rpm の回転速度で回転させ、こ
の遮光層付ガラス基板の片面(遮光層を形成した側の
面)上に前記のR着色層形成用レジスト剤25ccを噴
霧する。次に、遮光層付ガラス基板の回転速度を700
rpm にして、この遮光膜付ガラス基板上に前記のR着色
層形成用レジスト剤を均一にスピンコートする。スピン
コート後、80℃で6分間プリベークを行う。その後、
アライメント機能のある露光機を用いて、所定の位置合
せをしながら、所定のデザイン(90×310μm角−
20μm線幅)のマスクを用いてレジスト膜を露光す
る。光源としては2kWの高圧水銀灯を用いる。プロキ
シミティギャップ70μmをとり、レジスト膜を500
mJ/cm2 露光した後、現像液(新日鉄化学(株)製
の専用現像液:V−259ID)で1分間現像して、前
記のレジスト膜を所定形状にパターニングする。現像
後、純水をスプレーしながらブラシによるスクラブリン
スを行い、リンス後に200℃で60分間ポストベーク
する。このようにして、前記のレジスト膜からなる所定
形状のR着色層を得る(以下、R着色層まで形成したも
のを「R着色層付ガラス基板」という。)。
色層の形成 G着色層(緑色波長域の分光透過率が高い着色層)形成
用レジスト剤として新日鉄化学(株)製の耐熱ネガ型カ
ラーレジストV−259Gを用い、スピンコート時の回
転速度を800rpm にする以外は上記(a)と同様にし
て、所定形状のG着色層を得る。
色層の形成 B着色層(青色波長域の分光透過率が高い着色層)形成
用レジスト剤として新日鉄化学(株)製の耐熱ネガ型カ
ラーレジストV−259Bを用い、スピンコートの回転
数を1000rpm にする以外は上記(b)と同様にし
て、所定形状のB着色層を得る。
ンスパッタ装置に装着し、実施例1と同様にして着色層
上に液晶駆動用透明電極を形成して、目的とする液晶デ
ィスプレイ用カラーフィルタを得た。この液晶ディスプ
レイ用カラーフィルタの断面形状は、ミセル電解用IT
O電極がない点を除いて、実施例1で得た液晶ディスプ
レイ用カラーフィルタと同様である。上記の液晶ディス
プレイ用カラーフィルタの液晶駆動用透明電極につい
て、実施例1と同様の測定、評価を行った。これらの結
果を表1に示す。
を180Vとした以外は実施例3と同様にして、液晶デ
ィスプレイ用カラーフィルタを得た。この液晶ディスプ
レイ用カラーフィルタの液晶駆動用透明電極について、
実施例1と同様の測定、評価を行った。これらの結果を
表1に示す。
してITO(In2O3:SnO2 =95:5(重量
比))を用いた以外は実施例1と同様にして、液晶ディ
スプレイ用カラーフィルタを得た。この液晶ディスプレ
イ用カラーフィルタにおける液晶駆動用透明電極は、本
発明における限定範囲外の物質であるITOからなる。
上記の液晶ディスプレイ用カラーフィルタの液晶駆動用
透明電極について、実施例1と同様の測定、評価を行っ
た。これらの結果を表1に示す。
を400Vとした以外は実施例1と同様にして、液晶デ
ィスプレイ用カラーフィルタを得た。この液晶ディスプ
レイ用カラーフィルタにおける液晶駆動用透明電極の表
面の凹凸は23nmであり、本発明の限定範囲外であっ
た。上記の液晶ディスプレイ用カラーフィルタの液晶駆
動用透明電極について、実施例1と同様の測定、評価を
行った。これらの結果を表1に示す。
を300Vとし、かつ、ターゲット中央部の平行磁場強
度を250ガウスとした以外は実施例1と同様にして、
液晶ディスプレイ用カラーフィルタを得た。この液晶デ
ィスプレイ用カラーフィルタにおける液晶駆動用透明電
極の表面の凹凸は16nmであり、本発明の限定範囲外
であった。上記の液晶ディスプレイ用カラーフィルタの
液晶駆動用透明電極について、実施例1と同様の測定、
評価を行った。これらの結果を表1に示す。
晶駆動用透明電極について、実施例1と同様にしてn−
ヘキサン(20℃における粘度:0.31cP)の透過
性試験を行い、その溶剤遮断性を評価した。この結果を
表1に示す。
例4で得られた各液晶ディスプレイ用カラーフィルタで
は、透過性試験によっても液晶駆動用透明電極にヒビ割
れ、白濁は生じず、各々の液晶駆動用透明電極はNM
P、IPAおよび純水に対して耐性を有している。この
試験結果と参考例1の透過性試験の結果から、実施例1
〜実施例4で得られた各々の液晶ディスプレイ用カラー
フィルタにおける液晶駆動用透明電極は、溶剤遮断性を
有している。したがって、これらの液晶ディスプレイ用
カラーフィルタにおいては、透明保護層を設けずとも着
色層および液晶の保護を図ることが可能である。
晶ディスプレイ用カラーフィルタでは、透過性試験によ
って液晶駆動用透明電極にヒビ割れ、白濁が生じた。こ
のことから、各々の液晶ディスプレイ用カラーフィルタ
における液晶駆動用透明電極はNMP、IPAおよび純
水に対して耐性を有していない。すなわち、溶剤遮断性
を有していない。したがって、着色層および液晶の保護
を図るためには着色層上に透明保護層を設ける必要があ
る。
スプレイ用カラーフィルタは、透明保護層を有してない
にも拘わらず着色層および液晶の保護を図ることが可能
である。したがって、本発明によれば製造工程の簡略化
とコストの低減を実現した液晶ディスプレイ用カラーフ
ィルタの提供が可能となる。
ルタの断面の概略図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 電気絶縁性透明基板と、この電気絶縁性
透明基板の上に所定のパターンで配置された複数種の着
色層と、これらの着色層を平面視上覆うようにして該着
色層上に設けられた液晶駆動用透明電極とを少なくとも
備え、前記液晶駆動用透明電極が主要カチオン元素とし
てインジウム元素および亜鉛元素を含有する非晶質酸化
物膜からなり、該液晶駆動用透明電極の表面の凹凸が1
0nm以内であることを特徴とする液晶ディスプレイ用
カラーフィルタ。 - 【請求項2】 液晶駆動用透明電極が、20℃における
粘度が1.0cP以上の溶剤に対して遮断性を有する、
請求項1に記載の液晶ディスプレイ用カラーフィルタ。 - 【請求項3】 液晶駆動用透明電極におけるインジウム
元素と亜鉛元素の原子比In/(In+Zn)が0.8
以上0.9未満である、請求項1または請求項2に記載
の液晶ディスプレイ用カラーフィルタ。 - 【請求項4】 電気絶縁性透明基板の片面に所定のパタ
ーンで複数種の着色層を形成する工程と、酸化インジウ
ムと酸化亜鉛とを含有する組成物からなる焼結体ターゲ
ットを用いたスパッタリング法により、主要カチオン元
素としてインジウム元素および亜鉛元素を含有し、表面
の凹凸が10nm以内である非晶質酸化物膜からなる液
晶駆動用透明電極を前記着色層上に該着色層を平面視上
覆うようにして形成する工程とを含むことを特徴とする
液晶ディスプレイ用カラーフィルタの製造方法。 - 【請求項5】 焼結体ターゲットとして、インジウム元
素と亜鉛元素の原子比In/(In+Zn)が0.82
以上0.92未満のものを用いて、インジウム元素と亜
鉛元素の原子比In/(In+Zn)が0.8以上0.
9未満の非晶質酸化物膜からなる液晶駆動用透明電極を
形成する、請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 ターゲット印加電圧を200V未満とし
たマグネトロンスパッタリング法により液晶駆動用透明
電極を形成する、請求項4または請求項5に記載の方
法。 - 【請求項7】 焼結体ターゲットの中央部における平行
磁場強度を400ガウス以上とする、請求項6に記載の
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25960595A JP3872529B2 (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 液晶ディスプレイ用カラーフィルタおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25960595A JP3872529B2 (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 液晶ディスプレイ用カラーフィルタおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09101408A true JPH09101408A (ja) | 1997-04-15 |
JP3872529B2 JP3872529B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
ID=17336418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25960595A Expired - Lifetime JP3872529B2 (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 液晶ディスプレイ用カラーフィルタおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3872529B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000171627A (ja) * | 1998-12-07 | 2000-06-23 | Toshiba Corp | 液晶表示装置 |
WO2015097588A1 (en) * | 2013-12-27 | 2015-07-02 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Manufacturing method of oxide semiconductor |
-
1995
- 1995-10-06 JP JP25960595A patent/JP3872529B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000171627A (ja) * | 1998-12-07 | 2000-06-23 | Toshiba Corp | 液晶表示装置 |
WO2015097588A1 (en) * | 2013-12-27 | 2015-07-02 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Manufacturing method of oxide semiconductor |
JP2015143396A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-08-06 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 酸化物半導体の作製方法 |
US10388520B2 (en) | 2013-12-27 | 2019-08-20 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Manufacturing method of oxide semiconductor |
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