JPH09100893A - 回転式アクチュエータ - Google Patents

回転式アクチュエータ

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JPH09100893A
JPH09100893A JP25973795A JP25973795A JPH09100893A JP H09100893 A JPH09100893 A JP H09100893A JP 25973795 A JP25973795 A JP 25973795A JP 25973795 A JP25973795 A JP 25973795A JP H09100893 A JPH09100893 A JP H09100893A
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screw
thrust
diameter
shaft
lead screw
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JP25973795A
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Tsutomu Murata
勉 村田
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TEC CORP
Original Assignee
TEC CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、推力のバラツキをなくした推理を出
力できる回転式アクチュエータの提供にある。 【解決手段】回転子(アクチュエータ)の回転力を回転
子に形成したねじとリードスクリュー軸40(出力軸)
に形成したねじからなるねじ機構によって直線方向の推
力に変化してリードスクリュー軸40を介して出力する
回転式アクチュエータにおいて、前記ねじ機構をそれぞ
れ異なるフランク角度α1、α2を有する雄ねじ33a
と雌ねじ41とで構成し前記両ねじの接点径d2 の接点
位置を略一定にした回転式アクチュエータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ステッピングモ
ーター等からなる回転式アクチュエータのアクチュエー
タとしての回転子の回転力つまり回転トルクを出力軸で
あるリードスクリューと呼ばれるねじ機構によって直線
方向の推力に変化してリードスクリュー軸を介して出力
する回転式アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステッピングモーター等からなる
回転式アクチュエータのアクチュエータとしての回転子
の回転トルクをねじ機構によって直線方向の推力に変化
してリードスクリュー軸を介して出力する回転式アクチ
ュエータは、種々の開閉弁の駆動手段やフロッピーデイ
スクドライブ装置のヘッド駆動手段等に広く使用されて
いる。
【0003】ところで、図7に示すようにこの種の回転
式アクチュエータにおけるアクチュエータの回転トルク
を直線運動に変換するためのねじ機構に用いられている
雄ねじ100および雌ねじ101のフランク角度α1、
α2は同一に設定されている。しかし、前記両ねじ10
0および101のねじ山の形状は製造上の誤差等により
必ずしも同じにならずバラツキが生じてしまうため、こ
れら両ねじ100および101のフランク角度にはわず
かな相違が生じる。このフランク角度の相違は通常の単
に締付け用あるいは固定用として用いられるねじ等にお
いては問題となることはないが、上述のような回転式ア
クチュエータに用いられるねじ機構においては、このフ
ランク角度の相違は図8(A)に示すように両ねじ10
0と101との接点径が例えば雄ねじ100の山側、あ
るいは同図(B)に示すように谷側に移動して変動すこ
とになり、その結果アクチュエータの回転力をリードス
クリューの直線方向の推力に変換する伝達係数が変化す
ることになる。
【0004】すなわち、アクチュエータの回転力つまり
回転トルクTfとリードスクリュー軸つまの出力軸の推
力Pfとの関係は、 Pf=推力 Tf=回転トルク(締付けトルク) k= トルク係数 d= ねじの呼び径 d2 =接点径 θ =ねじ面の摩擦角 α =フランク角度 β =ねじのリード角 μ =ねじの摩擦係数 L =ねじのリード とすると、 Pf=(1/k・d)×Tf……………………………(1) k=2d/d2 ×1/tan(θ+β)………………(2) tanθ=μ/cosα…………………………………(3) tanβ=L/π・d2 …………………………………(4) で表され、これら(1)ないし(4)式より回転トルク
Tfは、 Pf=K・Tf (5) で表せる。ここでKはつぎの式で表されるものである。
【0005】 2/d2 (πd2 cosα−Lμ/Lcosθ+μπd2 )Tf…(6) 上記(5)および(6)式から解るように雄ねじ100
と雌ねじ101のフランク角度α1、α2が相違すると
本来設定されている両ねじ100と101との所定の接
点径が雄ねじ100の谷径側あるいは山径つまり外径
(呼び径)側(雌ねじ101においては雌ねじの山径側
あるいは谷径側)に移動し、前記接点径d2 の値が変動
して伝達係数Kが変化することになる。その結果回転ト
ルクTfつまりアクチュエータの回転トルクが一定であ
ったとしても、推力Pfつまりリードスクリュー軸の推
力は変動することになる。
【0006】前記接点径d2 の変化とこの接点径d2
変化に応じて変化する推力の関係は(6)式から解るよ
うに、接点径d2 が雄ねじ100の谷側に移動して小さ
くなると伝達係数Kは大きくなり、逆に山側に移動して
大きくなると伝達係数Kは小さくなるものである。
【0007】一般に、回転式アクチュエータのねじ機構
においては両ねじのフランク角度を同一に設定し、この
フランク角度によって定まる所定の接点径に応じて所定
の推力をリードスクリュー軸から得るようにアクチュエ
ータの回転トルクを設定しているものであるが、上述の
ように製造上の誤差等によりねじ機構を構成する両ねじ
100および101のフランク角度に相違が生じると、
前記所定の回転トルクに設定したアクチュエータの回転
によってリードスクリュー軸に所定の推力が伝達されな
いことになる。つまり接点径d2 が雄ねじ100の谷側
に移動して小さくなると伝達係数Kは大きくなりリード
スクリュー軸の推力が大きくなり、逆に山側に移動して
大きくなると伝達係数Kは小さくなりリードスクリュー
軸の推力が小さくなることになる。
【0008】このことは製造上の誤差等により両ねじ1
00、101のフランク角度α1、α2に相違生じて、
例えば接点径d2 が小さくなると所定の設定値を超えた
推力Pfがリードスクリュー軸に伝達され、この推力オ
ーバーによる無駄な推力は騒音あるいは振動等の発生を
引き起こすことになりり、また、接点径d2 が大きくな
ると所定の推力が得られなくなり推力不足により動作不
良等が生じることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
回転式アクチュエータにおいては、ねじ機構の雄ねじ1
00と雌ねじ101のフランク角度α1、α2が製造上
の誤差等により相違が生じ、その結果伝達係数に変動し
アクチュエータの回転トルクが一定であっても、リード
スクリュー軸に伝達される推力が変動してバラツキが生
じ、騒音あるいは振動の発生原因となり、また、推力不
足による動作不良の発生原因となる等の問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、請求項1記載の発明は、アクチ
ュエータの回転力をねじ機構によって直線方向の推力に
変化して出力軸に伝達する回転式アクチュエータにおい
て、前記ねじ機構をそれぞれ異なるフランク角度を有す
る雄ねじと雌ねじとで構成し前記両ねじの接点径を定め
る接点位置を略一定にした回転式アクチュエータとした
ものであり、また、請求項2記載の発明は、上記請求項
1記載の発明における構成である前記ねじ機構の圧力側
の接点径を遊び側の接点径より小とするように前記両ね
じのフランク角度を異ならせた回転式アクチュエータと
したものであり、また、請求項3記載の発明は、前記請
求項1および請求項2記載の発明における前記ねじ機構
においてねじの谷径または外径の少なくとも一方の圧力
側フランクと遊び側フランクの形状を異ならせた回転式
アクチュエータとしたものである。
【0011】上記のように構成した請求項1記載の発明
は、ねじ機構の雄ねじと雌ねじのフランク角度を意図的
に異ならせて、接点位置を所定の方向に意図的に移動さ
せることにより、製造上の誤差等による接点径の変動を
少なくして伝達係数の変動を少なくすることがてき、し
たがってアクチュエータから伝達される出力軸の推力の
変動を少なくできるという作用を有するものでものであ
り、また、請求項2記載の記載の発明は、前記請求項1
記載の発明の作用に加えて、往復動方向の推力が異なる
場合における出力軸の往復方向の推力の差を小さくでき
るという作用を有するものである。
【0012】また、請求項3記載の発明は、それぞれ請
求項1の発明および請求項2記載の発明の作用に加え
て、広範囲に亘り接点径を設定ができるという作用を有
するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を
図1ないし図6に基づいて説明する。
【0014】まず、第一の実施の形態を図1ないし図3
を参照して説明する。図1は回転式アクチュエータとし
てのステッピングモーターを用いた場合示すものであ
り、同図はその断面図である。同図に示すようにステッ
ピングモーター1は、筐体10、この筐体10内に設け
られた固定子20、前記筐体10内に回転自在に配設さ
れたアクチュエータとしての回転子30、この回転子3
0の回転力つまり回転トルクを直線方向つまり往復動方
向の推力として出力する出力軸としてのリードスクリュ
ー軸40等から構成されている。
【0015】そして、前記筐体10は一端側を開口した
有底筒状に形成された筒状フレーム11と、この筒状フ
レーム11の前記開口に嵌合して取り付けられる蓋状フ
レーム12とから構成されている。前記筒状フレーム1
1の底部には軸受収納部11aが設けられ、また、蓋状
フレーム12にはその中心部に軸受取付孔12aが形成
され、この軸受取付孔12aには摺動軸受13が圧入し
て取り付けられている。この摺動軸受13の中心部には
断面D字状の軸孔13aが形成され、前記リードスクリ
ュー軸40が回転方向への回動を規制されて軸方向に移
動可能に挿通されるようになっている。また、蓋状フレ
ーム12には前記軸孔13aと同一軸心を有する環状の
軸受収納部12bが形成されている。
【0016】そして、前記固定子20は中央部に環状壁
によって形成された回転子30が回転自在に位置する環
状空間21a、22aが形成されたヨーク21と22
と、これら各ヨーク21、22に収納された巻線21
b、22bとから構成されるとともに、各ヨーク21、
22の外周縁を前記筒状フレーム11内に圧入してこの
筒状フレーム11内に取り付けられている。
【0017】つぎに、前記アクチュエータとしての回転
子30は、合成樹脂からなる芯体31とこの芯体31の
外周にこの芯体31と一体成型により取り付けられた円
筒状の永久磁石32とから構成されている。そして、こ
の芯体31の中心部には一端側を開口し、内周面にねじ
機構の一部を構成する雌ねじ33aを形成した軸穴33
が設けられ、また、この芯体31の一側つまり軸穴33
の開口側にはこの軸穴33よりも径大に形成した環状壁
からなる嵌合軸34aが形成されている。また、前記一
側と対向する他側つまり軸穴33の底部側には外方に突
出させて嵌合軸34bが一体的に形成されている。そし
て、前記嵌合軸34aおよび34bにはそれぞれボール
ベアリング36aおよび36bが取り付けられており、
これらボールベアリング36aおよび36bを前記蓋状
フレーム12の軸受収納部12bおよび筒状フレーム1
1の軸受収納部11aに嵌合することにより、回転子3
0は筐体10内に回転自在に配設されているものであ
る。
【0018】つぎに、リードスクリュー軸40は、その
一端側には前記回転子30の芯体31に設けられた雌ね
じ33aに螺合するねじ機構の一部を構成し前記雌ねじ
33aとでねじ機構を構成する雄ねじ41が形成され、
また、他端側には前記摺動軸受13のD字状の軸孔13
aと同一形状とした断面D字状に形成されるとともにこ
の軸孔13a内を摺動できる摺動軸部40aが形成され
ている。そして、前記雄ねじ41が形成されたリードス
クリュー軸40は、前記回転子30が正逆回転すること
によって前記摺動軸受13の軸孔13aによって回転が
規制されて軸方向に沿って前進(図1の矢印a方向)ま
たは後進(図1の矢印b方向)するように動作し、前記
回転子30の回転トルクを直線方向の推力として出力す
るものである。
【0019】そして、図2に示すように前記ねじ機構を
構成するリードスクリュー軸40に形成した雄ねじ41
のフランク角度α1を回転体の芯体31に形成した雌ね
じ33aのフランク角度α2よりも小さく設定して、両
ねじ41と33aのフランク角度を意図的に異ならせた
場合は、接点径d2 の値は雄ねじ41の山側に移動して
大きくなるとともに、この接点径d2 は雄ねじ100の
ねじ山の角部41aとこの角部41aに当接する雌ねじ
33aの谷部の面つまりフランクの面との接点で定ま
り、この接点径d2 によって定まる伝達係数Kによっ
て、回転子30の回転トルクはリードスクリュー軸40
に伝達される。また、図3に示すように雄ねじ41のフ
ランク角度α1を雌ねじ33aのフランク角度α2より
も大きく設定して、両ねじ41と33aのフランク角度
を意図的に異ならせた場合は、接点を雄ねじ100の谷
側に移動させて、接点径d2 の値を小さくできるととも
に、この接点径d2 は雌ねじのねじ山の角部33bとこ
の角部33bに当接する雄ねじ41の谷部の面つまりフ
ランクの面との接点で定まり、この接点径d2 によって
定まる伝達係数Kによって、回転子30の回転トルクは
リードスクリュー軸40に伝達される。
【0020】そして、上記のように両ねじ41、33a
のそれぞれフランク角度を意図的に異ならせることによ
って、接点径d2 を定めるようにした場合は両ねじ4
1、33aの製造上の誤差等が生じたとしてもフランク
角度を同一にした場合のように誤差の程度によって、両
ねじ33a、41との接点がフランクの面に沿って移動
することにより生じる接点径d2 のバラツキを防止で
き、接点径d2 を略一定にできるものである。
【0021】因みに、図2において、α1=13度、α
2=15度、接点径d2 =ねじの呼び径=0.4cm、
回転トルク=5.00Kg−cmとし、その他のパラメ
ーターを同一とした場合の計算結果は、伝達係数Kは
0.294となり、また、推力Pfは4.253Kgと
なる。
【0022】また、図3において、α1=17度、α2
=15度、接点径d2 =ねじの谷径=0.255、回転
トルク=5.00Kgとしその他のパラメーターを同一
とした場合の伝達係数Kは0.276となり、また、推
力Pfは4.530Kgとなる。
【0023】この結果から明らかなように、雌ねじ33
aのフランク角度=15度と一定にし、回転トルクを
5.00Kg−cmと一定とした場合であっても、雄ね
じ41のフランク角度α1をそれぞれ13度および17
度と意図的に異ならせ、接点径d2 を大きくした場合と
逆に小さくした場合とでは、大きくした場合の推力Pf
は4.253Kgであり、小さくした場合の推力Pfは
4.530Kgとなり、両者間には約7%の差異が生じ
る。
【0024】このことは、従来の回転子アクチュエータ
のねじ機構のように、両ねじのフランク角度を同一に設
定した場合、製造上の誤差等により仮に接点径d2 が雄
ねじの谷径側から山径側まで亘って変化するようなバラ
ツキが生じると回転トルクが一定であったとしてもリー
ドスクリュー軸40に伝達される推力は約7%のバラツ
キが生じることになり、この推力のバラツキは上述した
ように振動、騒音あるいは動作不良の発生原因となるも
のである。
【0025】しかし、この実施の形態のように両ねじ3
3a、41のフランク角度α1、α2を所望の接点径と
なるように意図的に異ならせ前記接点径を雄ねじ(雌ね
じ)の谷側(山側)あるいは山側(谷側)に位置するよ
うに設定することによって、上述したようなねじの製造
上の誤差等に起因する接点径のバラツキを少なくするこ
とができ、リードスクリュー軸40からバラツキの少な
い安定した推力を得ることができるものである。
【0026】つぎに、第二の実施の形態を図4ないし図
5を参照して説明する。なお、回転式アクチュエータと
してのステッピングモーターは、ねじ機構の構成を除い
て上記第一の実施の形態と同一構成であるので、同一部
分に同一符号を付してその説明は省略する。
【0027】図4において50はステッピングモーター
1が取り付けられる例えば内燃機関のアイドリング回転
速度制御装置あるいは自動車用エンジンの排気ガス再循
環システム装置等の装置の取付部であり、この取付部5
0に図示しない固定手段によって前記ステッピングモー
ター1は取り付けられている。この取付部50には前記
リードスクリュー軸40と軸心を一致させた軸孔51が
形成されており、この軸孔51には軸受52が取り付け
られている。また、取付部50には前記軸孔51を囲ん
でこの軸孔51よりも径大な環状壁53によって形成さ
れたばね収納部54が形成されている。そして、前記軸
受52は作動軸55が軸方向に摺動自在に挿入されてお
り、この作動軸55の一端側の先端部には弁56が設け
られており、また、他端側の先端部には円盤状のばね受
板57が取り付けられている。そして、このばね受板5
7と前記ばね収納部54の底壁54aとの間にはコイル
ばねからなるばね58が配設され、このばね58は作動
軸55の前記他端側先端を前記リードスクリュー軸40
の先端に当接させて、前記リードスクリュー軸40を常
に図4において右方向(図4に矢印aで示す方向)に付
勢するものであり、その結果リードスクリュー軸40に
形成した雄ねじ45は回転子30に形成した雌ねじ37
に対して圧力を加えるように作用している。
【0028】また、前記弁56は流体通路の通路壁60
に形成した流路口61を開閉するようになっている。こ
の弁56は装置が停止しているときは開いた状態になっ
ているものであり、動作状態では弁56にによって開閉
量が制御れるものである。そして、前記ばね58は前記
ステッピングモーター1が装置の動作中に故障等して停
止したときに前記リードスクリュー軸40を強制的に右
方向に移動させて弁56を流路口61から離間させて流
路口61を開放状態に維持させるものである。
【0029】そして、前記回転子30に形成された雌ね
じ37とリードスクリュー軸40に形成された雄ねじ4
5から構成されるねじ機構は、図5に示すように回転子
30の芯体31に形成された雌ねじ37のフランク角度
α3を一定としてリードスクリュー軸40に形成された
雄ねじ45のフランク角度のうち前記雄ねじ45の圧力
側つまり前記ばね58の付勢力に抗して前進する方向
(図5における矢印b方向)に移動する際に、雌ねじ3
7のねじ山の角部37aが接触する側のフランク45a
のフランク角度α4を遊び側つまり前記ばね58の付勢
力が加わる方向(図における矢印a方向)に移動する際
に雌ねじ37から力が加えられる側のフランク45bの
フランク角度α5より大きく設定して構成したものであ
る。
【0030】このように構成することによって、前記圧
力側の両ねじ37、45の接点径の値を小さくして伝達
係数Kを大きくでき、また、逆に遊び側の接点径の値を
大きくして伝達係数を小さくでき、このことによって前
記ばね58の付勢力が加えられていたとしても、この影
響をそのまま受けることなくリードスクリュー軸40の
往復方向の推力の差を小さくすることができ、この結果
回転子30の回転トルクが一定であっても、リードスク
リュー軸40の前進方向および後進方向に関係なくリー
ドスクリュー軸40からは差の少ない推力を得ることが
できるものである。つまり前進および後進のリードスク
リュー軸40の推力差を小さくすることができ、回転ト
ルクが一定であってもリードスクリュー軸40に伝達さ
れる推力は超過することもなく、また、不足することも
なくしたがって推力の過不足による振動、騒音あるいは
動作不良を生じることを防止できるものである。
【0031】上述の前進および後進方向のリードスクリ
ュー軸40の推力差を小さくすることができることの理
解を助けるために数値的に表すと、いま例えば、ステッ
ピングモーター1の回転子30の回転トルクTfを1K
g−cm、圧力側の伝達係数Kを1.1(K=1.1と
なるように両ねじのフランク角度を設定する)、遊び側
の伝達係数Kを0.9(K=0.9となるように両ねじ
のフランク角度を設定する)、また、ばね58の推力つ
まり付勢力を0.2Kgと仮定して、これらの値を前記
(5)式に代入して、推力Pfを求めると、リードスク
リュー軸40の前進方向の推力Pfは、Pf=K・Tf
=1.1×1=1.1となり、この値からばね58の推
力0.2Kgを減じると、リードスクリュー軸40が作
動軸55に与える推力は0.9Kgとなる。
【0032】また、リードスクリュー軸40の後進方向
の推力Pfは、Pf=K・Tf=1×0.9=0.9K
gとなり、この値にばね58の推力0.2Kgを加える
と、リードスクリュー軸40が作動軸55に与える推力
は1.1Kgとなる。したがって、前進および後進方向
の推力の差は0.2Kgとなる。
【0033】これに対して、図1に示すようにつまり従
来のように両ねじのフランク角度を同一とするとともに
圧力側のフランク角度と遊び側のフランク角度を同一と
するとし、そして、ステッピングモーターの回転子の回
転トルクTfを1Kg−cm、圧力側および遊び側の伝
達係数Kをそれぞれ1、また、ばね58の推力つまり付
勢力を0.2Kgと仮定して、これらの値を前記(5)
式に代入して、推力Pfを求めると、リードスクリュー
軸40の前進方向の推力Pfは、Pf=K・Tf=1×
1=1となり、この値からばね58の推力0.2Kgを
減じると、リードスクリュー軸40が作動軸55に与え
る推力は0.8Kgとなる。
【0034】また、リードスクリュー軸40の後進方向
の推力Pfは、Pf=K・Tf=1×1=1Kgとな
り、この値にばね58の推力0.2Kgを加えると、リ
ードスクリュー軸40が作動軸55に与える推力は1.
2Kgとなる。したがって、前後方向の推力の差は0.
4Kgとなり、上記のように圧力側と遊び側のフランク
角度を変えてた場合に比べてそのリードスクリュー軸4
0の前進および後進方向の推力の差が大きくなることが
理解でる。この差は上述したように振動、騒音あるいは
推力不足等による動作不良等の発生原因となるものであ
る。
【0035】なお、この第二の実施の形態においても両
ねじのフランク角度を意図的に異ならせていることから
両ねじの製造上の誤差等が生じる接点径のバラツキを少
なくすることができることは、前記第一の実施の形態の
場合と同様である。
【0036】なお、ねじ機構におけるねじの形状を図6
に示すように雄ねじ60および雌ねじ70のそれぞれの
圧力側のフランク61、71および遊び側のフランク6
2、72の形状をそれぞれ異なる階段状とすること、つ
まり雄ねじ60ねじ(雌ねじ70)の外径(谷径)と谷
径(外径)における圧力側と遊び側のフランクの形状を
異ならせることにより、ねじの外径と谷径との差を大き
くできることから、両接点径の差を大きくでき、したが
って、伝達係数の差を大きくきるものである。このこと
は、第二の実施の形態の場合のようにリードスクリュー
軸40を一方方向にばね等により付勢されている場合の
ように移動方向によって異なる推力が要求されている回
転式アクチュエータに特に有効である。
【0037】このようにねじの外径および谷径の圧力側
および遊び側のフランクの形状を階段形状とするととも
に両フランク形状を異ならせるようにした場合は、図6
に二点鎖線で示す第一の実施の形態または第二の実施の
形態の場合のねじ機構のにおけるねじ山の外径r1より
も大きな外径R1とすることができ、両ねじ60、70
の遊び側のそれぞれのフランク角度α6、α8が同じで
あっても接点径を大きくして伝達係数を小さくでき、ま
た、谷径r2よりも小さな谷径R2とすることができる
ことから、両ねじ60、70の圧力側のそれぞれのフラ
ンク角度α7、α9が同じであっても接点径を小さくし
て伝達係数を大きくできるものである。したがって、例
えば第二の実施の形態における圧力側の伝達係数より大
きな伝達係数とすることができ、また、遊び側の伝達係
数より小さな伝達係数とすることがでるものであり、こ
れを仮に前記第二の実施の形態における圧力側の伝達係
数1.1に対して1.2とし、また、前記第二の実施の
形態における遊び側の伝達係数0.9に対して0.8と
して、そして、上記第二の実施の形態における場合と同
様に、ステッピングモーター1の回転子30の回転トル
クTfを1Kg−cm、また、ばね58の推力つまり付
勢力を0.2Kgと仮定して、これらの値を前記(5)
式に代入して、前後方向の推力Pfを求めると、リード
スクリュー軸の前進方向の推力Pfは、Pf=K・Tf
=1.2×1=1.2となり、この値からばね58の推
力0.2を減じると、リードスクリュー軸40が作動軸
55に与える推力は1.0Kgとなる。
【0038】また、リードスクリュー軸の後進方向の推
力Pfは、Pf=K・Tf=1×0.8=0.8Kgと
なり、この値にばね58の推力0.2Kgを加えると、
リードスクリュー軸40が作動軸55に与える推力は
1.0Kgとなり、前後方向の推力は同一となり両者の
差をなくすることができるものである。
【0039】この前後方向の推力を同一にすることによ
り振動、騒音あるいは推力不足等による動作不良をなく
し回転式アクチュエータの動作を安定させることができ
るものてある。
【0040】なお、図6ではねじの外径と谷径の両方の
フランクの形状を異ならせるようにしたが、これはいず
れか一方のフランクの形状を異ならせるようにしても、
接点径の差は両方を異ならせる場合に比べて大きくする
ことができないものの、フランクの形状を異ならせない
ものに比べて接点径の差を大きくできるものである。
【0041】
【発明の効果】上記のように構成した請求項1記載の発
明は、ねじ機構の雄ねじと雌ねじのフランク角度を意図
的に異ならせて、接点位置を所定の方向に意図的に移動
させるこてにより、製造上の誤差等による接点径の変動
を少なくすることがてき、したがって伝達係数の変動を
少なくし、アクチュエータから伝達されるリードスクリ
ュー軸の推力の変動を少なくできるという効果を奏する
ものである。また、請求項2記載の記載の発明は、前記
請求項1記載の発明の効果に加えて、往復動方向の推力
が異なる場合におけるリードスクリュー軸においてもリ
ードスクリュー軸の往復方向の推力の差を小さくでき、
振動、騒音あるいは動作不良の発生とを防止できるとい
う効果を奏するものである。また、請求項3記載の発明
は、それぞれ請求項1の発明および請求項2記載の発明
の効果に加えて、広範囲に亘り接点径を設定ができると
いう効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の回転式アクチュエ
ータの断面図。
【図2】上記実施の形態のねじ機構の作用示す要部断面
図。
【図3】上記実施の形態のねじ機構の作用を示す要部断
面図。
【図4】本発明の第二の実施の形態の回転式アクチュエ
ータの断面図。
【図5】上記実施の形態のねじ機構の作用を示す要部断
面図。
【図6】上記各実施の形態におけるねじ機構の他の実施
の形態を示す要部断面図。
【図7】従来の回転式アクチュエータのねじ機構の要部
断面図。
【図8】上記従来のねじ機構の作用を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 回転式アクチュエータ 30 回転子(アクチュエータ) 33a、37 回転子に形成した雌ねじ(ねじ機構の
一部) 40 リードスクリュー軸(出力軸) 41、45 リードスクリュー軸に形成した雄ねじ
(ねじ機構の一部) α1、α2 フランク角度 d2 接点径

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクチュエータの回転力をねじ機構によっ
    て直線方向の推力に変化して出力軸に伝達する回転式ア
    クチュエータにおいて、前記ねじ機構をそれぞれ異なる
    フランク角度を有する雄ねじと雌ねじとで構成し前記両
    ねじの接点径を定める接点位置を略一定にしたことを特
    徴とする回転式アクチュエータ。
  2. 【請求項2】前記ねじ機構の圧力側の接点径を遊び側の
    接点径より小とするように前記両ねじのフランク角度を
    異ならせたことを特徴とする請求項1記載の回転式アク
    チュエータ。
  3. 【請求項3】前記ねじ機構においてねじの谷径または外
    径の少なくとも一方の圧力側フランクと遊び側フランク
    の形状を異ならせたことを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の回転式アクチュエータ。
JP25973795A 1995-10-06 1995-10-06 回転式アクチュエータ Pending JPH09100893A (ja)

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