JPH09100564A

JPH09100564A - 真空弁付き汚水桝

Info

Publication number: JPH09100564A
Application number: JP26148995A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Seki; 裕之関; Yasuo Yamabe; 泰男山部
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1995-10-09
Filing date: 1995-10-09
Publication date: 1997-04-15

Abstract

(57)【要約】【課題】家庭のトラップ等を破壊することなく、真空排
水処理を行うことができる真空弁付き汚水桝を提供す
る。【解決手段】通気管１５と汚水流入管１４とが接続さ
れ、汚水流入管１４からの汚水を一時溜める汚水桝部１
３と、汚水桝部１３から汚水の量を検知する検知管１６
と、汚水桝部１３から汚水を吸入する汚水吸入管１７
と、この汚水吸入管１７と内部が負圧の真空汚水管１９
との間に設けられた真空弁１２とを備えた真空弁付き汚
水桝である。汚水流入管１４の流出口の前にスイング式
の蓋１４２が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、家庭のトラップ等を破損するこ
とのない真空弁付き汚水桝に関するものである。

【０００２】

【発明の属する技術分野】真空式下水道施設は、家庭の
便所、洗面所、流し台等から排出される汚水を真空弁付
き汚水桝に一時的に蓄え、この真空弁付き汚水桝に流入
した汚水を内部が負圧の真空汚水管を経て真空ポンプ場
に集め、ここから排水処理場に送り込むものである。

【０００３】この際使用される真空弁付き汚水桝は、汚
水の量が一定量（上位水準）以上になると真空弁を開け
て、自動的に内部が負圧の真空汚水管に汚水を吸引・排
出させ、一定量（下位水準）以下になると真空弁を閉
め、再び真空弁付き汚水桝の中に汚水を集めるようにな
っている。

【０００４】このような従来の真空弁付き汚水桝は、特
開平３─２４７８２８号公報に記載されているから、こ
の公報に記載されている真空弁付き排水桝を図６を参照
しながら、更に詳細に説明する。

【０００５】従来の真空弁付き汚水桝は、汚水桝本体Ａ
の本体下部ａ₂には家庭や施設から排出された汚水を流
入するための流入管ｂが接続されるとともに、本体上部
ａ₁内には真空汚水管ｃを開閉する真空弁ｄが配設され
ている。そして、流入管ｂから流入する汚水が本体下部
ａ₂内に所定量溜ると、これを汚水量検知管ｅが検知し
て真空弁ｄが開となり、これによって内部を負圧とされ
た真空汚水管ｃ内に汚水が吸い込まれる。そして、真空
汚水管ｃに吸い込まれた汚水は、真空ポンプ場の集水タ
ンクに集められるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如き従
来の真空弁付き汚水桝では、汚水桝本体内を負圧となし
たときに、接続されている流入管ｂから空気を引き込
み、家庭のトラップ等を破壊してしまい、悪臭が家庭内
に漂うことになるという問題点がある。

【０００７】この際、本体下部ａ₂に、先端が地上に開
口していて、真空弁ｄが開弁後に空気を導入する通気管
を接続し、この通気管を通じて空気の補填を行うように
することも通常行われてるが、条件によっては、流入管
ｂの方からも空気を引き込み、上記と同様の不都合を引
き起こすという問題点がある。

【０００８】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、家庭のトラップ等を破壊することなく、真空排水処
理を行うことができる真空弁付き汚水桝を提供すること
を目的としてなされたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、通気管と汚水
流入管とが接続され、汚水流入管からの汚水を一時溜め
る汚水桝部と、汚水桝部から汚水の量を検知する検知管
と、汚水桝部から汚水を吸入する汚水吸入管と、この汚
水吸入管と内部が負圧の真空汚水管との間に設けられた
真空弁とを備えた真空弁付き汚水桝であって、汚水流入
管の流出口の前にスイング式の蓋が設けられている真空
弁付き汚水桝である。

【００１０】本発明において、汚水流入管の口径は、１
００〜２００ｍｍが好ましく、汚水流入管の流出口の前
に設けられる蓋の厚さは、２〜５ｍｍが好ましい。本発
明において、汚水流入管（蓋を含む）及び汚水吸入管の
材質は、耐久性のよいものであればいかなるものでもよ
く、例えば、コンクリートや、ステンレス鋼、鉄等の金
属や、セラミック等の無機物や、ガラス繊維強化ポリエ
ステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の合成樹
脂などが挙げられるが、特に、ポリ塩化ビニルが好まし
い。

【００１１】

【作用】本発明の真空弁付き汚水桝は、汚水流入管の流
出口の前にスイング式の蓋が設けられていることによ
り、汚水桝部の中の汚水の量が少なくなり、汚水の水面
が下位水準以下になって、汚水吸引管の下端から汚水と
空気とが同時に吸引される際に、空気の吸引は、蓋の自
重に抗して空気を引き込むよりは自由に空気の引き込み
ができる吸気管を通して行われるので、汚水の自然流下
力により蓋の自重に抗して蓋を押し上げてその分だけわ
ずかに開いた状態となっている流入口を通して汚水流入
管の方からも空気を引き込むことは殆どなく、トラップ
等を破壊することがない。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により図面
を参照して説明する。図１は、本発明の真空弁付き汚水
桝の一例を示す断面図である。この真空弁付き汚水桝
は、汚水桝本体１１を備えている。汚水桝本体１１は、
中央部がやや膨らんだ形状をしていて、内部は仕切り板
１１１によって上下に仕切られ、上部は真空弁１２が設
置されている真空弁室１１２とされ、下部には、汚水を
一時溜める汚水桝部１３とされている。

【００１３】汚水桝部１３には、汚水流入管１４と通気
管１５とが接続され、家庭の便所、洗面所、流し台等の
汚水排出箇所から排出される汚水を汚水流入管１４から
自然流下して流れ込んでくるとともに、地上からの空気
を通気管１５から引き込むようになっている。

【００１４】汚水流入管１４の管本体１４１の流出口の
前にスイング式の蓋１４２が設けられている。即ち、管
本体１４１の流出口近傍の頂部に金具１４３により板状
の蓋１４２の一縁部が金具１４３を中心としてスイング
自在に懸垂されるようにして、流出口の前に蓋１４２が
設けられている。

【００１５】スイング式の蓋１４２の流出口に対する止
水性は悪くてもよい。即ち、流出口の開閉の程度は、管
本体１４１内を汚水が自然流下しないときに、図２
（ａ）に示すように、流出口の端面に対する蓋１４２の
傾斜角度が２〜５°傾斜して流出口がわずかに開いた状
態となっていてもよい。このとき、管本体１４１内を汚
水が自然流下したときには、図２（ｂ）に示すように、
汚水の自然流下力により蓋１４２の自重に抗して蓋１４
２を押し上げてその分だけ開いた状態となる。

【００１６】尚、汚水を自然流下し易くするために、図
４（ｂ）に示すように、蓋１４２を部分カバー型となし
て、流出口が若干開口するようにしてもよいし、図５
（ａ）に示すように、蓋１４２を外側に凹弧をなすよう
な凹弧型となして、蓋１４２の下縁部と管本体１４１間
に若干間隙が形成されるようにしてもよい。

【００１７】但し、図３に示すように、流出口の端面と
蓋１４２の周縁部間にスチレン─ブタジエンゴム等の弾
性体を介するようにして、管本体１４１内を汚水が自然
流下しないときの気密性の向上を図るようにしてもよ
い。この場合には、図４（ａ）に示すように、蓋１４２
の形状は全面カバー型となるが、図５（ｂ）に示すよう
に、蓋１４２を外側に凸弧をなす凸弧型としてもよい。

【００１８】１６は検知管であって、汚水桝部１３の中
に垂下され、汚水が溜まるとこの検知管１６内の圧力が
上がり、この圧力の変化により汚水の高さを検知し、上
位水準以上になると真空弁１２を開け、下位水準以下に
なると真空弁１２を閉じるようになっている。

【００１９】１７は汚水吸入管であって、一方の端部が
汚水桝部１３の下位水準近傍まで垂下され、他方の端部
が真空弁１２に接続されている。この真空吸入管１７が
接続されている真空弁１２の先は内部が負圧の真空汚水
管１９に通じている。従って、真空弁１２を開けると、
汚水吸入管１７内は内部が負圧の真空汚水管１９につな
がり、汚水吸入管１７内が真空になり、汚水桝部１３か
ら汚水を吸入するようになっている。

【００２０】１８はブリーザー管であり、真空弁１２の
作動のために必要な大気圧を導入する配管であり、その
先端は地上に開口している。

【００２１】次に、図１に示す真空弁付き汚水桝の使用
態様を、同じ図１を参照して説明する。まず、家庭の便
所、洗面所、流し台等の汚水排出箇所から排出される汚
水が、汚水流入管１３からその自然流下力により蓋１４
２の自重に抗して蓋１４２を押し上げてその分だけ開
き、汚水桝部１３に流れ込んでくる。

【００２２】この汚水桝部１３の中に溜められる汚水の
量が増えて上位水準以上になると、検知管１６が検知し
て真空弁１２が開く。すると、汚水吸引管１７内が内部
が負圧の真空汚水管１９とつながるから真空になり、汚
水桝部１３の中の汚水を吸引し、自動的に汚水が真空汚
水管１９へと流れていく。

【００２３】汚水桝部１３の中の汚水の量が少なくな
り、汚水の水面が下位水準以下になると、汚水吸引管１
７の下端から汚水と空気とが同時に吸引される。このと
き、汚水桝部１３には通気管１５と汚水流入管１４とが
接続されているが、汚水流入管１４の流入口の前には蓋
１４２が設けられているので、空気の吸引は、蓋１４２
の自重に抗して空気を引き込むよりは自由に空気の引き
込みができる吸気管１５を通して行われる。従って、汚
水の自然流下力により蓋１４２の自重に抗して蓋１４２
を押し上げてその分だけわずかに開いた状態となってい
る流入口を通して汚水流入管１４の方からも空気を引き
込むことは殆どないので、トラップ等を破壊することが
ない。

【００２４】

【発明の効果】本発明の真空弁付き汚水桝は、上記の如
き構成とされていることにより、汚水桝部の中の汚水の
量が少なくなり、汚水の水面が下位水準以下になって、
汚水吸引管の下端から汚水と空気とが同時に吸引される
際に、汚水流入管の方からも空気を引き込むことは殆ど
なく、トラップ等を破壊することがない。

【００２５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の真空弁付き汚水桝の一例を示す一部断
面図である。

【図２】本発明における、流入口の前に蓋が設けたられ
た状態の一例の説明図であり、（ａ）は汚水の自然流下
がないときの止水性が悪い状態でもよい例を示す一部断
面図、（ｂ）は汚水の自然流下がある状態を示す一部断
面図である。

【図３】本発明における、流入口の前に蓋が設けたら
れ、汚水が自然流下しないときに気密性を向上した例を
示す一部断面図である。

【図４】本発明における、流入口の前に蓋が設けたられ
た状態の別の例の説明図であり、（ａ）は全面被覆型の
例を示す正面図、（ｂ）は一部被覆型の例を示す正面図
である。

【図５】本発明における、流入口の前に蓋が設けたられ
た状態の更に別の例の説明図であり、（ａ）は凹弧型の
蓋を用いた例を示す一部断面図であり、（ｂ）は凸弧型
の蓋を用いた例を示す一部断面図である。

【図６】従来の真空弁付き汚水桝の例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１１汚水桝本体１２真空弁１３汚水桝部１４汚水流入管１５吸気管１６検知管１７汚水吸入管１９真空汚水管１４２蓋

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】通気管と汚水流入管とが接続され、汚水
流入管からの汚水を一時溜める汚水桝部と、汚水桝部か
ら汚水の量を検知する検知管と、汚水桝部から汚水を吸
入する汚水吸入管と、この汚水吸入管と内部が負圧の真
空汚水管との間に設けられた真空弁とを備えた真空弁付
き汚水桝であって、汚水流入管の流出口の前にスイング
式の蓋が設けられていることを特徴とする真空弁付き汚
水桝。