JPH0899896A - ウイルス感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、その用途及びその製造法 - Google Patents

ウイルス感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、その用途及びその製造法

Info

Publication number
JPH0899896A
JPH0899896A JP6259268A JP25926894A JPH0899896A JP H0899896 A JPH0899896 A JP H0899896A JP 6259268 A JP6259268 A JP 6259268A JP 25926894 A JP25926894 A JP 25926894A JP H0899896 A JPH0899896 A JP H0899896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
daltons
mixture
high molecular
glycoproteins
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6259268A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3794722B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Kanamaru
義敬 金丸
Toshi Nagaoka
利 長岡
Noriyuki Minamoto
宣之 源
Koukou Sou
項光 宋
Takasaburou Ebina
卓三郎 海老名
Seiichi Shimamura
誠一 島村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Morinaga Milk Industry Co Ltd filed Critical Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority to JP25926894A priority Critical patent/JP3794722B2/ja
Publication of JPH0899896A publication Critical patent/JPH0899896A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3794722B2 publication Critical patent/JP3794722B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 78〜82%(重量)の蛋白質成分及び18
〜22%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾過法によ
り測定した分子量が20〜50万ダルトンである、18
〜20万ダルトン(PAS−I)と8万ダルトン(80
K)の少なくとも2種類の糖蛋白質からなるウイルス
(ヒトロタウイルス)感染防御作用を有するウシ乳清由
来の高分子糖蛋白質混合物、該高分子糖蛋白質混合物を
有効成分として含有するウイルス感染防御組成物、及び
該高分子糖蛋白質混合物の製造法。 【効果】 本発明の高分子糖蛋白質混合物は、ウイルス
の増殖を阻害する活性を有するので、ウイルスの感染を
防御する目的で、飲食品及び医薬品の素材として用いる
ことができる。また、ウイルスの感染によって生じる下
痢症を抑制する飲食品及び医薬品の素材として利用する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウイルス感染防御作用
を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、その用
途及びその製造法に関する。詳しくは、本発明は、特定
の理化学的性状を有し、かつ抗ウイルス活性を有するウ
シ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、該高分子糖蛋白質
混合物を有効成分として含有するウイルス感染防御組成
物、及び特定の理化学的性状を有し、かつ抗ウイルス活
性を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物の製造
法に関する。本明細書において百分率の表示は、特に断
りのない限り重量による値である。
【0002】
【従来の技術】乳児期、特に新生児は免疫機能が未熟で
あるため、感染症罹患率が高く、細菌、ウイルス等の感
染による下痢発症率が高いといわれている。例えば、ロ
タウイルス下痢症は、冬季に流行を反復する乳幼児嘔吐
下痢症であり、患者は激しい水様性の下痢、発熱、嘔吐
の症状を呈する。特に衛生状態の劣悪な地域において
は、これらの感染症による乳幼児の死亡率が高く、発展
途上地域でのロタウイルス下痢症による死者数は年間8
7万人にのぼる等社会的にも大きな問題となっており、
その対策が急務となっている〔アドバンシイズ イン
エクスペリメンタルメディシン アンド バイオロジ−
(Adv.Exp.Med.Biol. )第310巻、第255〜264
頁、1991年〕。しかしながら、この疾病に罹患した
乳幼児に対する有効な能動ワクチンは、未だに開発され
ていないのが現状である。
【0003】そこで、最近では、受動免疫による予防が
検討され、その一例として、ヒトロタウイルスで過免疫
したウシの初乳(ロタミルク)が乳児の下痢症に予防効
果を示すことが報告されている〔ジャ−ナル オブ メ
ディカル ウィオロジ−(Journal of Medical Virolog
y )第38巻、第117〜123頁、1992年〕。し
かしながら、このロタミルクも、正常なウシをヒトロタ
ウイルスを用いて免疫する必要があり、ヒトロタウイル
スに対する抗体(IgG )を取得するまでに数週間を必要
とする等、操作が繁雑で長期間を要し、さらには、ヒト
ロタウイルスを用いることに伴う環境汚染等の危険性を
も伴うというのが現状である。
【0004】一方、哺乳動物の乳には、種々の微量成分
が含まれており、それらの成分の生理学的作用が、次第
に解明されている。近年、糖蛋白質、糖脂質等の複合糖
質が生体に重要な役割を演ずることが明らかにされてき
た〔アクタ ペディアトリカスカンジナビカ(Acta Pae
diatr.Scand.)第75巻、第689〜695頁、198
6年、及びイムノロジカル アスペクツ オブ インフ
ェクション インザ フィ−タス アンド ニュ−ボ−
ン(Immunological aspects of infectionin the fetus
and newborn )第155〜192頁、アカデミック
プレス社(Academic Press)、1981年〕。
【0005】例えば、一般にムチンと称される糖蛋白質
又はムコ多糖蛋白質の高分子混合物は、多様な分子種を
含有し、呼吸器官、胃、腸管等の粘膜に多く存在し、管
腔内面の潤滑性の保持、腸管細胞への細菌の付着阻害、
腸内でのビフィズス菌増殖促進等の多様な機能を有する
物質であることが知られている〔ニュ− パ−スペクテ
ィブス イン インファント ニュ−トリション(New
Perspectives in Infant Nutrition)第32〜38頁、
シ−ム メディカル 出版社(Thieme MedicalPublishe
rs )、1992年、及びザ ジャ−ナル オブ バイ
オケミストリ−(J.Biol.Chem.)第181巻、第879
頁、1949年〕。
【0006】従来、ムチンは、ブタ等の動物由来のもの
が多く利用されているが、同様の高分子糖蛋白質が乳の
脂肪球皮膜及び乳清にも含まれているにもかかわらず、
これら乳由来のものは、今まで充分有効に利用されてい
なかった。副作用が少なく、安全、かつ安価な生理活性
物質が求められている中で、工業的に利用可能なこれら
乳由来の有用成分を、機能性食品などの食品及び医薬品
素材として利用することが望まれるようになってきた。
【0007】一般に、母乳中には免疫グロブリン、ラク
トフェリン、リゾチ−ム等の感染防御物質が含まれてお
り、これらが乳児の感染防御に有効に作用することは広
く知られている(乳技協資料、第42巻、第1頁、19
92年)。その他にも、乳中に含まれる感染防御作用を
有する成分として、カゼイン又はグリコマクロペプチド
(特開昭63−284133号公報)、ガングリオシド
(特開平5−276894号公報)、脂肪球皮膜又はグ
リコマクロペプチド(特開平5−339161号公
報)、霊長類の乳由来の高分子糖蛋白質(特公平6−5
3760号公報)が開示されている。
【0008】さらに、本願発明者の一部による報告(日
本農芸化学会誌、第68巻、第3号、第340頁、19
94年3月)には、最小阻害濃度約40μg/mlとい
う比較的弱い抗ヒトロタウイルス活性を有する人乳の乳
清中のミルクムチンを含む画分F1、及び画分F1の抗
ヒトロタウイルス活性に匹敵する活性をもつ牛乳の乳清
タンパク質由来の高分子量画分が開示されている。しか
しながら、カゼイン、糖脂質、乳糖等を除去した、牛乳
の乳清に含まれる残余の高分子成分について、前記ロタ
ミルクに匹敵する強い抗ウイルス活性(抗ヒトロタウイ
ルス活性)を有する高分子成分に関する報告は皆無であ
り、その生理学的作用が充分検討されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、乳に含ま
れている高分子成分の生理作用について研究を行った結
果、牛乳の乳清から分離、精製し、特定の理化学的性状
を有する乳分画が、ウイルス(ヒトロタウイルス)の増
殖阻害活性を持つことを発見し、本発明を完成した。
【0010】本発明の目的は、抗ウイルス活性(抗ヒト
ロタウイルス活性)を有し、かつ特定の理化学的性状を
有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物を提供する
ことにある。
【0011】本発明の他の目的は、抗ウイルス活性(抗
ヒトロタウイルス活性)を有し、かつ特定の理化学的性
状を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物を有効
成分として含有するウイルス感染防御組成物を提供する
ことにある。
【0012】更に本発明の他の目的は、抗ウイルス活性
(抗ヒトロタウイルス活性)を有し、かつ特定の理化学
的性状を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物を
製造する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第一の発明は、78〜82%(重量)の蛋白質成分
及び18〜22%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾
過法により測定した分子量が20〜50万ダルトンであ
る、少なくとも2種類の糖蛋白質からなるウイルス感染
防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合
物、である。
【0014】前記課題を解決する本発明の第二の発明
は、78〜82%(重量)の蛋白質成分及び18〜22
%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾過法により測定
した分子量が20〜50万ダルトンである、少なくとも
2種類の糖蛋白質からなるヒトロタウイルス感染防御作
用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、であ
る。
【0015】前記課題を解決する本発明の第三の発明
は、78〜82%(重量)の蛋白質成分及び18〜22
%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾過法により測定
した分子量が20〜50万ダルトンであり、少なくとも
2種類の糖蛋白質からなるウシ乳清由来の高分子糖蛋白
質混合物を有効成分として含有するウイルス感染防御組
成物、である。
【0016】前記課題を解決する本発明の第四の発明
は、78〜82%(重量)の蛋白質成分及び18〜22
%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾過法により測定
した分子量が20〜50万ダルトンであり、少なくとも
2種類の糖蛋白質からなるウシ乳清由来の高分子糖蛋白
質混合物を有効成分として含有するヒトロタウイルス感
染防御組成物、である。
【0017】前記課題を解決する本発明の第五の発明
は、ウシ乳清タンパク質濃縮物をアガロ−スの重合体か
らなり球状蛋白質の分画分子量が105 〜2×107
ルトンであるゲル濾過カラムクロマトグラフィ−により
分離し、106 〜107 ダルトンなる分画を採取し、採
取した分画をアガロ−スの重合体からなり球状蛋白質の
分画分子量が104 〜4×106 ダルトンであるゲル濾
過カラムクロマトグラフィ−で、界面活性剤を添加した
溶離液にて、分離し、分子量が20〜50万ダルトンで
あって少なくとも2種類の糖蛋白質を含む分画を採取す
ることを特徴とするウイルス感染防御作用を有するウシ
乳清由来の高分子糖蛋白質混合物の製造法、である。
【0018】更に、前記課題を解決する本発明の第六の
発明は、ウシ乳清タンパク質濃縮物をセファロ−スCL
−2Bを充填したゲル濾過カラムクロマトグラフィ−に
より分離し、106 〜107 ダルトンなる分画を採取
し、採取した分画をセファロ−ス6Bを充填したゲル濾
過カラムクロマトグラフィ−で、0.1%SDSを添加
した緩衝液にて、分離し、分子量が20〜50万ダルト
ンであって少なくとも2種類の糖蛋白質を含む分画を採
取することを特徴とするヒトロタウイルス感染防御作用
を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物の製造
法、である。
【0019】次に本発明について詳述する。本発明の抗
ウイルス活性(抗ヒトロタウイルス活性)を有する高分
子糖蛋白質混合物の製造法の出発原料となるウシ乳清タ
ンパク質濃縮物(WPC)は、ウシの各泌乳期の乳、若
しくはこれらの濃縮物又は乾燥物(以下これらをまとめ
て乳と記載することがある)を原料として、常法により
得られる。濃縮物又は乾燥物を原料として使用する場合
は、脱脂乳と同濃度に水で希釈して使用することができ
る。
【0020】一般に、乳清タンパク質濃縮物(WPC)
は、乳清を、乳を遠心分離等により脱脂し、この脱脂乳
のpHを4.6に調節してカゼインを沈殿させ濾別し、
乳清画分を採取することにより得た後、該乳清のpHを
6.0に調整し、限外濾過膜を用いて脱塩濃縮を行い、
分子量10,000ダルトン以上の分画を採取するか又
は、ダイアフィルトレ−ションで濃縮分画することによ
り得られる。限外濾過は、市販の限外濾過膜〔例えば、
SLP−0053(旭化成社製)等〕を用いて常法によ
り実施できる。
【0021】次いで、採取された乳清タンパク質濃縮物
(WPC)をアガロ−スの重合体からなり球状蛋白質の
分画分子量が105 〜2×107 ダルトンであるゲル濾
過カラムクロマトグラフィ−〔例えばセファロ−スCL
−2B(商標。ファルマシア社製)等を吸着剤として用
いる〕により分画し、106 〜107 ダルトンなる分画
を採取する。溶離液は、例えばリン酸塩やトリス塩酸塩
などpH7〜8の公知の緩衝液を使用できる。またこれ
に、生理的濃度のNaCl、EDTA及び防腐剤などを
添加しても良い。
【0022】更に、採取された106 〜107 ダルトン
なる分画をアガロ−スの重合体からなり球状蛋白質の分
画分子量が104 〜4×106 ダルトンであるゲル濾過
カラムクロマトグラフィ−〔例えばセファロ−ス6B
(商標。ファルマシア社製)等を吸着剤として用いる〕
により分画し、20〜50万ダルトンなる分画を採取す
る。溶離液には、0.1〜0.5%の界面活性剤を添加
したものを用いる。界面活性剤としては、SDS、デオ
キシコ−ル酸ナトリウム、Triton X−100な
どが使用できる。
【0023】採取された分画を、蒸留水に対して充分に
透析して界面活性剤を除去した後、常法により凍結乾燥
し、粉末状の高分子糖蛋白質混合物を得ることができ
る。後記する試験例及び実施例から明らかなように、牛
乳を用いた場合、通常1lから約7mgの抗ウイルス活
性(抗ヒトロタウイルス活性)を有する高分子糖蛋白質
混合物が得られる。
【0024】以上、本発明のウイルス(ヒトロタウイル
ス)感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白
質混合物の製造法において、最も特徴的な点は、溶離液
としてpH7前後の緩衝液にNaClを添加したものを
用いる従来のゲル濾過カラムクロマトグラフィ−を用い
たウシ乳清蛋白質の分画法〔ジャ−ナル オブ デイリ
− サイエンス(J.Dairy Sci.)第73巻、第2292
〜2298頁、1990年等に記載の方法〕では分画で
きなかった、ウイルス(ヒトロタウイルス)感染防御作
用を有する高分子の糖蛋白質の分画法の問題点を、溶離
液に界面活性剤を添加することにより、解決した点にあ
る。
【0025】次に、本発明のウイルス(ヒトロタウイル
ス)感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白
質混合物は、次のような理化学的性状を有している。本
発明の抗ウイルス活性(抗ヒトロタウイルス活性)を有
する高分子糖蛋白質混合物は、BCA法〔アナリティカ
ル バイオケミストリ−(Anal.Biochem. )第150
巻、第76〜85頁、1985年〕により測定した結
果、78〜82%(重量)の蛋白質成分から成り、及
び、中性糖、アミノ糖、シアル酸のそれぞれについて、
高速液体クロマトグラフィ−法〔分析化学(Bunseki Kag
aku ) 第32巻、第E207頁、1983年等〕により測定
した結果、18〜22%(重量)の糖成分とから成って
いる。
【0026】またゲル濾過法により測定した本発明の抗
ウイルス活性(抗ヒトロタウイルス活性)を有する高分
子糖蛋白質混合物の分子量は、20〜50万ダルトンで
ある。還元条件下、SDS−PAGE電気泳動で分析し
たところ、18〜20万ダルトン(PAS−I)と8万
ダルトン(80K)の少なくとも2種類の糖蛋白質を含
んでいた。これは、ゲル濾過クロマトグラフィ−法のよ
うな温和な条件のもとで分離される天然型の本発明高分
子糖蛋白質混合物が、いくつかの低分子糖蛋白質の会合
体であることを示している。
【0027】本発明の抗ウイルス活性(抗ヒトロタウイ
ルス活性)を有する高分子糖蛋白質混合物は、乳成分で
あることから、一般に毒性は極めて低く、マウスについ
て測定した経口投与における急性毒性(LD50)の値
は、体重1kg当り3000mg以上であり、ラットに
対して、体重1kg当て、1日に、50mg、100m
g及び250mgの投与量で3か月間経口投与したが、
何らの異常も、副作用も認められなかった。
【0028】次に、本発明のウシ乳清由来の高分子糖蛋
白質混合物を有効成分として含有するウイルス(ヒトロ
タウイルス)感染防御組成物とは、次のようなものであ
る。各種のヒト及び動物用飲食品、例えば、加工乳、育
児用ミルク、治療用ミルク、飼料用ミルク、経腸又は経
管栄養剤等、及び各種のヒト及び動物用医薬品、例え
ば、ウイルス感染防御剤等である。
【0029】前記本発明の抗ウイルス活性(抗ヒトロタ
ウイルス活性)を有する高分子糖蛋白質混合物を有効成
分として含有する医薬品は、薬学的に許容される他の成
分又は賦形剤等とともに、シロップ剤等に常法により加
工することにより得ることができる。
【0030】前記本発明の抗ウイルス活性(抗ヒトロタ
ウイルス活性)を有する高分子糖蛋白質混合物を有効成
分として含有する医薬品は、ヒトロタウイルス等の感染
による下痢症の予防に使用することができる。
【0031】本発明のウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混
合物を有効成分として含有するウイルス(ヒトロタウイ
ルス)感染防御組成物、特に医薬品は、経口的にヒト及
び動物に投与することができる。有効投与量は、予防、
治療の目的、対象となるウイルスの種類等によって異な
るが、経口投与の場合、望ましい投与量は、投与対象体
重1kg当て、1日に有効成分10〜100mgであ
る。
【0032】以上のごとく、本発明のウイルス(ヒトロ
タウイルス)感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分
子糖蛋白質混合物は、安全性において優れており、比較
的高い抗ウイルス活性(抗ヒトロタウイルス活性)を有
していることから、組成物として、各種の飲食品及び医
薬に利用できる。
【0033】次に試験例を示して本発明を詳述する。 (試験例1)この試験は、本発明のウイルス(ヒトロタ
ウイルス)感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子
糖蛋白質混合物の理化学的性状を調べるために行った。
後記する実施例1を反復し、本発明のウイルス(ヒトロ
タウイルス)感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分
子糖蛋白質混合物を製造した。ここで、セファロ−スC
L−2B(ファルマシア社製)を充填したカラム(5×
80cm)に通液し、150mM NaCl、1mM
EDTA2Na、0.02% NaN3を含む、50m
M トリス塩酸緩衝液(pH8.0)で溶出した。後記
する(2)と同様の方法により各画分の分子量を測定
し、また、後記する試験例2と同一の方法によりヒトロ
タウイルス増殖阻害活性を測定した結果、106 〜10
7 ダルトンの画分(F2画分)に抗ウイルス活性(抗ヒ
トロタウイルス活性)が認められた。従って、この分画
を次の分離工程に用いた。
【0034】前記分画をセファロ−ス6B(ファルマシ
ア社製)を充填したカラム(2.5×35cm)に通液
し、0.1%SDSを含む100mM リン酸緩衝液
(pH7.8)を溶離液として溶出した。後記する
(2)と同様の方法により各画分の分子量を測定し、ま
た、後記する試験例2と同一の方法によりヒトロタウイ
ルス増殖阻害活性を測定した結果、20〜50万ダルト
ンの画分(F6B−2画分)に抗ウイルス活性(抗ヒト
ロタウイルス活性)が認められた。従って、この分画
が、本発明のウイルス(ヒトロタウイルス)感染防御作
用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物であ
る。
【0035】次に、この分画を、透析した後、常法によ
り凍結乾燥し、粉末状の高分子糖蛋白質混合物を得て、
これを試料として以下の試験を行った。 (1)蛋白質成分及びの糖成分の比率を求める試験 試料の蛋白質成分を、BCA法〔アナリティカル バイ
オケミストリ−(Anal.Biochem. )第150巻、第76
〜85頁、1985年〕に従って、マイクロBCA プ
ロテイン アッセイ リ−ジェント〔(Micro BCA Prot
ein Assay Reagent )ピアス社製〕を用いて測定するこ
とにより、求めた。その結果、試料の蛋白質成分は、試
料の全固形分の79.9%(重量)であった。
【0036】試料の糖成分を、下記の方法により、それ
ぞれ測定することにより、求めた。中性糖については、
2.5M トリフルオロ酢酸中で100℃、4時間加水
分解後、三上及び石田(H.Mikami and Y.Ishida )の方
法〔分析化学(Bunseki Kagaku ) 第32巻、第E207頁、
1983年〕に準じて、高速液体クロマトグラフィ−
〔島津高速液体クロマトグラフLC−4A型(島津製作
所社製)〕により、日立 3013Nカラム(日立製作所社
製)を使用して、アルギニンによるポストラベルを行う
蛍光検出法で分析した。その結果、試料中の中性糖の含
量は、試料の全固形分の7.0%(重量)であった。
【0037】なお、アミノ糖については、4N HCl
で100℃、4時間加水分解後、50℃にて、高速液体
クロマトグラフィ−〔島津高速液体クロマトグラフLC
−4A型(島津製作所社製)〕により、TSK-GEL SCX(Na
+)カラム(東ソ−社製)を使用して、0.16Mホウ酸
バッファ−(pH7.5)を溶離液として、アルギニンによる
ポストラベルを行う蛍光検出法で分析した。その結果、
試料中のアミノ糖の含量は、試料の全固形分の6.8%
(重量)であった。
【0038】また、シアル酸については、0.05N
2 SO4 で80℃、1時間加水分解後、本田らの方法
〔日本薬学会第106年会講演要旨集1、第111頁
(1986)〕に基づいて、60℃にて、高速液体クロ
マトグラフィ−〔島津高速液体クロマトグラフLC−4
A型(島津製作所社製)〕により、Gelpak C-620-10-カ
ラム(日立化成社製)を使用して、0.3%リン酸を溶
離液としてマロノニトリルによるポストラベルを行う蛍
光検出法で分析した。その結果、試料中のシアル酸の含
量は、試料の全固形分の6.3%(重量)であった。従
って、各糖成分の合計値である試料の糖成分は、試料の
全固形分の20.1%(重量)であった。以上より、試
料は、試料の全固形分の79.9%(重量)の蛋白質成
分及び試料の全固形分の20.1%(重量)の糖成分と
からなる。
【0039】(2)分子量を求める試験 ゲル濾過法〔セファロ−ス6B(ファルマシア社製)を
充填したカラム(2.5×35cm〕を使用し、0.1
%SDSを含む100mM リン酸緩衝液(pH7.
8)を溶離液として用いた。)により、アルドラ−ゼ
(分子量158000ダルトン、ナカライテスク社製)、フェ
リチン(分子量440000ダルトン、ナカライテスク社
製)、チログロブリン(分子量669000ダルトン、ナカラ
イテスク社製)、ブル−デキストラン〔分子量200 万ダ
ルトン、シグマ(Sigma) 社製〕の4種を分子量標品とし
て用い、該カラムにおける溶出容量と分子量との相関を
表す検量線を作成し、該検量線を用いて、試料の分子量
を測定した。その結果、試料は、分子量20〜50万ダ
ルトンの物質であった。
【0040】(3)試料の構成を求める試験 試料を0.2M 2−メルカプトエタノ−ルによる還元
条件で、レムリ(Laemmli )の方法〔ネイチャ−(Natur
e )第227巻、第680〜685頁、1970年) 〕
に従って、SDS−PAGE電気泳動を行うことによ
り、分析した。なお、オボアルブミン〔分子量45000ダ
ルトン、バイオラド(Bio-Rad) 社製〕、ウシ血清アルブ
ミン〔分子量66200ダルトン、バイオラド(Bio-Rad) 社
製〕、ホスホリラ−ゼb〔分子量97400ダルトン、バイ
オラド(Bio-Rad) 社製〕、β−ガラクトシダ−ゼ〔分子
量116250ダルトン、バイオラド(Bio-Rad) 社製〕、ミオ
シン〔分子量200000ダルトン、バイオラド(Bio-Rad) 社
製〕の5種を分子量標品として用い、試料に平行して電
気泳動させることにより、試料中の糖蛋白質の分子量を
求めた。電気泳動後の試料中の糖蛋白質の検出は、電気
泳動ゲルをPAS染色法〔アナリティカル ケミストリ
−(Anal.Chem.)第30巻、第148頁、1969年〕
で染色することにより検出した。この電気泳動の結果を
図1に示す。
【0041】この結果から、試料は、18〜20万ダル
トン(PAS−I)と8万ダルトン(80K)の少なく
とも2種類の糖蛋白質を含んでいることが確認された。
なお、これらの低分子糖蛋白質が、ゲル濾過クロマトグ
ラフィ−法のような温和な条件のもとでは、分離されな
いことから、天然型の本発明高分子糖蛋白質混合物は、
これらの低分子糖蛋白質がサブユニットとして強固に結
合してできた糖蛋白質会合体であるものと考えられる。
【0042】(試験例2)この試験は、in vitr
oにおける本発明のウイルス(ヒトロタウイルス)感染
防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物
の抗ウイルス活性(抗ヒトロタウイルス活性)を調べる
ために行った。牛乳を用いて後記する実施例1と同一の
方法により製造した高分子糖蛋白質混合物を試料とし
て、ヒトロタウイルスMO株の増殖阻害活性を以下のよ
うに測定した。106 FCFU(Fluorescent Cell Focus Fo
rming Unit)/mlのヒトロタウイルスMO株[ジャ−ナル
オブ クリニカル マイクロバイオロジ−(J.Clin.M
icrobiol. )第16巻、第727〜730頁、1982
年] 0.3mlと20μg/mlのトリプシン 0.3mlを30分間混
合後、10%ウシ胎児血清を含むイ−グル培地(極東製
薬社製)で25倍に希釈し、これを96穴マイクロプレ
−トに、1穴(ウェル)当り100μlずつ分注した。
ここに予め無菌蒸留水にて各種濃度に希釈調製された試
料100μlを加えて30℃で1時間培養した。
【0043】なお、空試験用としては、前記試料100
μlに代えて、無菌蒸留水100μlを用いた。この培
養液を別の96穴マイクロプレ−トに、対応する各穴に
100μlずつ移し、ここにそれぞれ2×105 /ml の
アカゲザル腎臓由来MA−104細胞を1穴当り100
μl添加し、混合後、各混合液の20μlをそれぞれ対
応するスライドグラスに移し、37℃で2日間培養し
た。これをアセトンで固定し、ヒトロタウイルス感染細
胞数を、一次抗体としてウサギ抗ヒトロタウイルス抗
体、及び二次抗体として蛍光標識したヤギ抗ウサギIg
Gを用いた間接蛍光抗体法で検出した。
【0044】なお、増殖阻害活性の評価は、下記の式か
ら求められる値(阻害率)が50%以上の時、増殖阻害
活性ありと判断した。 100×〔1−(試料添加時の感染細胞数)/(空試験
の感染細胞数)〕 また、増殖阻害活性がある最も高い希釈率で、試料原液
の蛋白質濃度を除した値を最小阻害濃度とした。なお、
試料原液の蛋白質濃度は、予めロ−リ−法〔Lowry 法:
ザ ジャ−ナル オブ バイオロジカル ケミストリ−
(J.Biol.Chem.)第193巻、第265頁、1951
年〕によって求めた。
【0045】その結果、本高分子糖蛋白質混合物の最小
阻害濃度は、5μg/mlであった。この結果から、本
高分子糖蛋白質混合物は、充分に強い抗ウイルス活性
(抗ヒトロタウイルス活性)を持っていることが判明し
た。なお、他の出発原料及び方法により製造した本発明
の高分子糖蛋白質混合物についても、ほぼ同様の結果が
得られた。
【0046】(試験例3)この試験は、in vivo
(経口投与)における本発明のウイルス(ヒトロタウイ
ルス)感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋
白質混合物の抗ウイルス活性(抗ヒトロタウイルス活
性)を調べるために行った。牛乳を用いて後記する実施
例1と同一の方法により製造した高分子糖蛋白質混合物
を試料として、抗ウイルス活性(抗ヒトロタウイルス活
性)を次のように試験した。
【0047】BALB/C系雌5日齢マウス(一群9
匹)に、試料1mgまたは2mgを蒸留水1mlに溶解
した液とヒトロタウイルスMO株(106 FCFU)とを予
め混合し、37℃、30分間インキュベ−トしたものの
0.1mlを経口投与して、3日後の下痢症の程度を評
価した。なお、試料無添加を対照群とした。この試験の
結果を、表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1から明らかなように、対照群では、ほ
とんどのマウスに下痢が認められたのに対して、両試験
群では下痢が顕著に抑制されることが認められた。従っ
て、経口投与された本発明の高分子糖蛋白質混合物が、
生体内において優れた抗ウイルス活性(抗ヒトロタウイ
ルス活性)を有することが判明した。なお、他の出発原
料及び方法により製造した本発明の高分子糖蛋白質混合
物についても、ほぼ同様の結果が得られた。
【0050】次に実施例を示して本発明を更に詳述する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
実施例1 精製当日に搾乳した牛乳1000mlを4℃に冷却し、
遠心分離処理(15400×g,20分)することによ
って乳脂肪を除去し、脱脂牛乳850mlを調製した。
この画分のpHを4.6に調整し、カゼインを沈殿、濾
別して乳清画分を得た。得られた乳清のpHを6.0に
調整し、ダイアフィルトレ−ション〔ダイアフィルトレ
−ションに使用した膜:アミコンYM−10(商標。ア
ミコン社製)〕で濃縮分画し、分子量10,000以上
の乳清タンパク質濃縮物(WPC)約70mlを採取
し、常法により凍結乾燥し、約0.8gの粉末を得た。
【0051】この粉末を150mM NaCl、1mM
EDTA2Na、0.02% NaN3 を含む、50
mM トリス塩酸緩衝液(pH8.0)32mlに溶解
し、その20mlをセファロ−スCL−2B(ファルマ
シア社製)を充填したカラム(5×80cm)に通液
し、上記トリス塩酸緩衝液で溶出し、前記する試験例2
と同一の方法によりヒトロタウイルス増殖阻害活性が認
められた106 〜107ダルトンの分画を回収し、常法
により凍結乾燥し、約63mgの粉末を得た。
【0052】続いてこの粉末の50mgを0.1%SD
Sを含む100mM リン酸緩衝液(pH7.8)5m
lに溶解し、これをセファロ−ス6B(ファルマシア社
製)を充填したカラム(2.5×35cm)に通液し、
上記リン酸緩衝液で溶出して更に分離し、前記する試験
例2と同一の方法によりヒトロタウイルス増殖阻害活性
が認められた20〜50万ダルトンの分画を回収した。
これを蒸留水に対して充分に透析後、常法により凍結乾
燥し、高分子糖蛋白質混合物約3mgを得た。
【0053】得られた高分子糖蛋白質混合物は、前記試
験例1〜3に記載されるとおりの78〜82%(重量)
の蛋白質成分及び18〜22%(重量)の糖成分とから
なり、ゲル濾過法により測定した分子量が20〜50万
ダルトンである、少なくとも2種類の糖蛋白質からなる
ウイルス(ヒトロタウイルス)感染防御作用を有する高
分子糖蛋白質混合物であった。
【0054】実施例2 常法により次の組成の抗ヒトロタウイルス剤(錠剤)を
製造した。 乳糖 18.8 (%) トウモロコシ澱粉 23.5 ステアリン酸マグネシウム 1.4 カルボキシメチルセルロ−スカルシウム 9.4 実施例1の高分子糖蛋白質混合物 46.9 上記組成物を打錠機により打錠し、錠剤とする。
【0055】実施例3 常法により次の組成の抗ヒトロタウイルスシロップを製
造した。 パラオキシ安息香酸メチル 0.03(%) パラオキシ安息香酸エチル 0.01 カルボキシメチルセルロ−スカルシウム 0.20 クエン酸ナトリウム 0.18 クエン酸 0.22 果糖ブドウ糖液糖 19.83 精製水 79.33 実施例1の高分子糖蛋白質混合物 0.20
【0056】実施例4 常法により次の組成の抗ヒトロタウイルス活性果汁飲料
を製造した。 果糖ブドウ糖液糖 11.60(%) 濃縮オレンジ果汁 5.25 クエン酸 0.20 香料 0.10 精製水 82.75 実施例1の高分子糖蛋白質混合物 0.10
【0057】
【発明の効果】本発明の高分子糖蛋白質混合物は、ウイ
ルス(ヒトロタウイルス)の増殖を阻害する活性を有す
るので、ウイルス(ヒトロタウイルス)の感染を防御す
る目的で、飲食品及び医薬品の素材として用いることが
できる。また、ウイルス(ヒトロタウイルス)の感染に
よって生じる下痢症を抑制する飲食品及び医薬品の素材
として利用することができる。また、本発明の高分子糖
蛋白質混合物は牛乳由来のものであるため、安全性に問
題がなく、人乳に比較して、産業上、大量に原料牛乳を
入手し、高分子糖蛋白質混合物を大量生産することが容
易であることから、低価格で提供できる。さらに、あま
り利用されていない牛乳の高分子画分から比較的多量に
調製できるので、資源の有効利用の点でも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子糖蛋白質混合物の還元条件下に
おけるSDS−PAGE電気泳動図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/30 A (72)発明者 海老名 卓三郎 宮城県仙台市青葉区広瀬町2−12 (72)発明者 島村 誠一 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社栄養科学研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 78〜82%(重量)の蛋白質成分及び
    18〜22%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾過法
    により測定した分子量が20〜50万ダルトンである、
    少なくとも2種類の糖蛋白質からなるウイルス感染防御
    作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物。
  2. 【請求項2】 78〜82%(重量)の蛋白質成分及び
    18〜22%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾過法
    により測定した分子量が20〜50万ダルトンである、
    少なくとも2種類の糖蛋白質からなるヒトロタウイルス
    感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混
    合物。
  3. 【請求項3】 78〜82%(重量)の蛋白質成分及び
    18〜22%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾過法
    により測定した分子量が20〜50万ダルトンであり、
    少なくとも2種類の糖蛋白質からなるウシ乳清由来の高
    分子糖蛋白質混合物を有効成分として含有するウイルス
    感染防御組成物。
  4. 【請求項4】 78〜82%(重量)の蛋白質成分及び
    18〜22%(重量)の糖成分とからなり、ゲル濾過法
    により測定した分子量が20〜50万ダルトンであり、
    少なくとも2種類の糖蛋白質からなるウシ乳清由来の高
    分子糖蛋白質混合物を有効成分として含有するヒトロタ
    ウイルス感染防御組成物。
  5. 【請求項5】 ウシ乳清タンパク質濃縮物をアガロ−ス
    の重合体からなり球状蛋白質の分画分子量が105 〜2
    ×107 ダルトンであるゲル濾過カラムクロマトグラフ
    ィ−により分離し、106 〜107 ダルトンなる分画を
    採取し、採取した分画をアガロ−スの重合体からなり球
    状蛋白質の分画分子量が104 〜4×106 ダルトンで
    あるゲル濾過カラムクロマトグラフィ−で、界面活性剤
    を添加した溶離液にて、分離し、分子量が20〜50万
    ダルトンであって少なくとも2種類の糖蛋白質を含む分
    画を採取することを特徴とするウイルス感染防御作用を
    有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物の製造法。
  6. 【請求項6】 ウシ乳清タンパク質濃縮物をセファロ−
    スCL−2Bを充填したゲル濾過カラムクロマトグラフ
    ィ−により分離し、106 〜107 ダルトンなる分画を
    採取し、採取した分画をセファロ−ス6Bを充填したゲ
    ル濾過カラムクロマトグラフィ−で、0.1%SDSを
    添加した緩衝液にて、分離し、分子量が20〜50万ダ
    ルトンであって少なくとも2種類の糖蛋白質を含む分画
    を採取することを特徴とするヒトロタウイルス感染防御
    作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物の製
    造法。
JP25926894A 1994-09-29 1994-09-29 ウイルス感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、その用途及びその製造法 Expired - Fee Related JP3794722B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25926894A JP3794722B2 (ja) 1994-09-29 1994-09-29 ウイルス感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、その用途及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25926894A JP3794722B2 (ja) 1994-09-29 1994-09-29 ウイルス感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、その用途及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0899896A true JPH0899896A (ja) 1996-04-16
JP3794722B2 JP3794722B2 (ja) 2006-07-12

Family

ID=17331745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25926894A Expired - Fee Related JP3794722B2 (ja) 1994-09-29 1994-09-29 ウイルス感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、その用途及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3794722B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004080475A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 Meiji Dairies Corporation 抗ロタウィルス感染組成物、およびその製法
JP2007084523A (ja) * 2005-03-02 2007-04-05 Meiji Milk Prod Co Ltd ロタウイルス感染阻害活性を有する新規糖タンパク質
JP2011254838A (ja) * 2005-03-02 2011-12-22 Meiji Co Ltd ロタウイルス感染阻害活性を有する新規糖タンパク質

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004080475A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 Meiji Dairies Corporation 抗ロタウィルス感染組成物、およびその製法
EP1623717A1 (en) * 2003-03-14 2006-02-08 Meiji Dairies Corporation Composition against infection with rotavirus and process for producing the same
JPWO2004080475A1 (ja) * 2003-03-14 2006-06-08 明治乳業株式会社 抗ロタウィルス感染組成物、およびその製法
EP1623717A4 (en) * 2003-03-14 2010-07-28 Meiji Dairies Corp COMPOSITION AGAINST INFECTIONS WITH THE ROTAVIRUS AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF
AU2004218981B2 (en) * 2003-03-14 2010-09-16 Meiji Dairies Corporation Compositions against rotavirus infection and processes for producing the same
JP2012012391A (ja) * 2003-03-14 2012-01-19 Meiji Co Ltd 抗ロタウィルス感染組成物、およびその製法
US8211476B2 (en) 2003-03-14 2012-07-03 Meiji Co., Ltd. Compositions against rotavirus infection and processes for producing the same
US8440233B2 (en) 2003-03-14 2013-05-14 Meiji Co., Ltd Compositions against rotavirus infection and processes for producing the same
JP2007084523A (ja) * 2005-03-02 2007-04-05 Meiji Milk Prod Co Ltd ロタウイルス感染阻害活性を有する新規糖タンパク質
JP2011254838A (ja) * 2005-03-02 2011-12-22 Meiji Co Ltd ロタウイルス感染阻害活性を有する新規糖タンパク質

Also Published As

Publication number Publication date
JP3794722B2 (ja) 2006-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Floris et al. Antibacterial and antiviral effects of milk proteins and derivatives thereof
Manso et al. κ-Casein macropeptides from cheese whey: Physicochemical, biological, nutritional, and technological features for possible uses
Newburg et al. A human milk factor inhibits binding of human immunodeficiency virus to the CD4 receptor
US5725864A (en) Composition for suppressing infection and growth of human immunodeficiency virus
US8440233B2 (en) Compositions against rotavirus infection and processes for producing the same
US5505955A (en) Anti-diarrheic product and method of treating rotavirus-associated infection
JP3195631B2 (ja) 特異的鶏卵抗体の製造方法
US6649590B2 (en) Method of producing fractions containing a high concentration of milk basic cystatin and decomposition products thereof
RU2035913C1 (ru) Средство, ингибирующее связывание s.pneumoniae и/или h. influenzae, и композиция, содержащая это средство
US7144855B2 (en) Protein complex from ion-exchange chromatography for treatment of bacterial infections
JP2001294600A (ja) ヘリコバクター・ピロリ定着阻害作用を有する糖タンパク質
JP3794722B2 (ja) ウイルス感染防御作用を有するウシ乳清由来の高分子糖蛋白質混合物、その用途及びその製造法
AU5185301A (en) Method of producing fractions containing a high concentration of milk basic cystatin and decomposition products thereof
JPH04275232A (ja) 胃炎,胃または十二指腸潰瘍予防食品
JP4330088B2 (ja) タイトジャンクション透過抑制剤
JP4836598B2 (ja) ロタウイルス感染阻害活性を有する新規糖タンパク質
JP7462321B2 (ja) 炎症性サイトカイン産生抑制剤
JP2000229865A (ja) ヘリコバクター・ピロリ定着阻害剤
JPH11263731A (ja) 感染防御剤
JPH1171301A (ja) 抗動物感染性ウイルス剤及び飼料
JP2002128797A (ja) バターミルク由来抗ウイルス性ペプチド及びそれを含有する機能性食品
JP4767382B2 (ja) IgE産生抑制剤
JP2023135295A (ja) IgA産生促進用組成物
JPH08291198A (ja) 生体内で感染防御作用を有するペプチド混合物と、 このペプチド混合物を含有する組成物
Kehoe Separation and purification of mucins and tenascin-C in breast milk of patients and the investigation of the role of mucins and tenascin-C in the inhibition of HIV-1

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100421

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110421

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120421

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130421

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130421

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140421

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees