JPH0899159A - 遠心力鋳造方法 - Google Patents
遠心力鋳造方法Info
- Publication number
- JPH0899159A JPH0899159A JP23458394A JP23458394A JPH0899159A JP H0899159 A JPH0899159 A JP H0899159A JP 23458394 A JP23458394 A JP 23458394A JP 23458394 A JP23458394 A JP 23458394A JP H0899159 A JPH0899159 A JP H0899159A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- molten metal
- bodies
- weir
- casting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来法における複数の問題、即ち、管内面の
不健全層除去のための切削加工費の問題や製品歩留りの
問題を一挙に解消し得る手段を提供する。 【構成】 鋳型1の両端開口部夫々に装着した両堰体
5,6に対し、予め、鋳型1軸方向で鋳型1中央側へ離
間する位置に、溶湯を堰き止め且つ溶湯の一部がオーバ
ーフロー可能な環状の第2堰体8,9を装着して、鋳型
1両端部における前記堰体5,6と前記第2堰体8,9
との間に、夫々、オーバーフローする前記溶湯を貯留す
る貯留部A1,A2を形成しておく。そして、回転中の
鋳型1における前記両第2堰体8,9間へ溶湯を鋳込ん
だ時点から一定時間だけ時間経過させた後、鋳型1の回
転速度を加速させて、前記溶湯の一部を、前記両第2堰
体8,9経由で前記両貯留部A1,A2へオーバーフロ
ーさせる。
不健全層除去のための切削加工費の問題や製品歩留りの
問題を一挙に解消し得る手段を提供する。 【構成】 鋳型1の両端開口部夫々に装着した両堰体
5,6に対し、予め、鋳型1軸方向で鋳型1中央側へ離
間する位置に、溶湯を堰き止め且つ溶湯の一部がオーバ
ーフロー可能な環状の第2堰体8,9を装着して、鋳型
1両端部における前記堰体5,6と前記第2堰体8,9
との間に、夫々、オーバーフローする前記溶湯を貯留す
る貯留部A1,A2を形成しておく。そして、回転中の
鋳型1における前記両第2堰体8,9間へ溶湯を鋳込ん
だ時点から一定時間だけ時間経過させた後、鋳型1の回
転速度を加速させて、前記溶湯の一部を、前記両第2堰
体8,9経由で前記両貯留部A1,A2へオーバーフロ
ーさせる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心力鋳造方法に関
し、更に詳しくは、溶湯の飛散防止のために溶湯を堰き
止める環状の堰体を両端開口部夫々に装着してある遠心
力鋳造用の鋳型を回転させつつ、その回転中の鋳型内へ
溶湯を鋳込んで、遠心力鋳造品を製造する遠心力鋳造方
法に関する。
し、更に詳しくは、溶湯の飛散防止のために溶湯を堰き
止める環状の堰体を両端開口部夫々に装着してある遠心
力鋳造用の鋳型を回転させつつ、その回転中の鋳型内へ
溶湯を鋳込んで、遠心力鋳造品を製造する遠心力鋳造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の遠心力鋳造方法においては、図6
に示すように、駆動装置(図外)の駆動力に基づいて回
転駆動される鋳型1の両端開口部夫々に、遠心力鋳造用
樋4経由で鋳込まれる溶湯の飛散防止用の環状の堰体
5,6を装着した装置が使用されていた。そして、その
装置を用いて前記遠心力鋳造方法を実施する場合は、遠
心力鋳造が可能な回転数の範囲内から適宜選択された一
定の回転数に鋳型1の回転数を設定しつつ、その条件で
鋳型1を回転させておき、その回転中の鋳型1内へ溶湯
を鋳込んで、前記鋳造を行うという方法(以下、従来法
という)が採用されていた。
に示すように、駆動装置(図外)の駆動力に基づいて回
転駆動される鋳型1の両端開口部夫々に、遠心力鋳造用
樋4経由で鋳込まれる溶湯の飛散防止用の環状の堰体
5,6を装着した装置が使用されていた。そして、その
装置を用いて前記遠心力鋳造方法を実施する場合は、遠
心力鋳造が可能な回転数の範囲内から適宜選択された一
定の回転数に鋳型1の回転数を設定しつつ、その条件で
鋳型1を回転させておき、その回転中の鋳型1内へ溶湯
を鋳込んで、前記鋳造を行うという方法(以下、従来法
という)が採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来法によ
れば、溶湯の凝固過程において、溶湯の主成分から酸化
物や硫化物等、軽量の非金属介在物が、遠心力の作用に
よって鋳造品の内周部へ浮上分離するようになり、最終
的に得られる鋳造品の内周部には、前記非金属介在物が
豊富に存在する凝固層が形成される。この凝固層は、不
健全な層であるため、前記鋳造品の内周部に切削加工を
施して、前記凝固層を除去するということが行われてい
た。しかしながら、前記鋳造品の内周部に切削加工を施
す場合は、高い加工費用がかかる上、歩留りも悪い、と
いう問題があった。本発明は、このような実情に着目し
てなされたものであり、上述した、切削加工の費用の問
題や歩留りの問題を一挙に解消し得る手段を提供するこ
とを目的としている。
れば、溶湯の凝固過程において、溶湯の主成分から酸化
物や硫化物等、軽量の非金属介在物が、遠心力の作用に
よって鋳造品の内周部へ浮上分離するようになり、最終
的に得られる鋳造品の内周部には、前記非金属介在物が
豊富に存在する凝固層が形成される。この凝固層は、不
健全な層であるため、前記鋳造品の内周部に切削加工を
施して、前記凝固層を除去するということが行われてい
た。しかしながら、前記鋳造品の内周部に切削加工を施
す場合は、高い加工費用がかかる上、歩留りも悪い、と
いう問題があった。本発明は、このような実情に着目し
てなされたものであり、上述した、切削加工の費用の問
題や歩留りの問題を一挙に解消し得る手段を提供するこ
とを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る遠心力鋳造
方法(以下、本発明方法という)は、溶湯の飛散防止の
ために溶湯を堰き止める環状の堰体を両端開口部夫々に
装着してある遠心力鋳造用の鋳型を回転させつつ、その
回転中の鋳型内へ溶湯を鋳込んで、遠心力鋳造品を製造
する遠心力鋳造方法であって、前記両堰体の夫々に対
し、予め、鋳型軸方向で鋳型中央側へ離間する位置に、
溶湯を堰き止め且つ溶湯の一部がオーバーフロー可能な
環状の第2堰体を装着して、鋳型両端部における前記堰
体と前記第2堰体との間に、夫々、オーバーフローする
前記溶湯を貯留する貯留部を形成しておき、回転中の鋳
型における前記両第2堰体間へ溶湯を鋳込んだ時点から
一定時間だけ時間経過させた後、鋳型の回転速度を加速
させて、前記溶湯の一部を、前記両第2堰体経由で前記
両貯留部へオーバーフローさせる点に特徴を有してい
る。
方法(以下、本発明方法という)は、溶湯の飛散防止の
ために溶湯を堰き止める環状の堰体を両端開口部夫々に
装着してある遠心力鋳造用の鋳型を回転させつつ、その
回転中の鋳型内へ溶湯を鋳込んで、遠心力鋳造品を製造
する遠心力鋳造方法であって、前記両堰体の夫々に対
し、予め、鋳型軸方向で鋳型中央側へ離間する位置に、
溶湯を堰き止め且つ溶湯の一部がオーバーフロー可能な
環状の第2堰体を装着して、鋳型両端部における前記堰
体と前記第2堰体との間に、夫々、オーバーフローする
前記溶湯を貯留する貯留部を形成しておき、回転中の鋳
型における前記両第2堰体間へ溶湯を鋳込んだ時点から
一定時間だけ時間経過させた後、鋳型の回転速度を加速
させて、前記溶湯の一部を、前記両第2堰体経由で前記
両貯留部へオーバーフローさせる点に特徴を有してい
る。
【0005】
【作用】上述の本発明方法においては、先ず、回転中の
鋳型における前記両第2堰体間へ溶湯を鋳込んだ時点か
ら一定時間だけ時間経過させることが行われるが、その
時間経過後の状態では、前記非金属介在物が遠心力の作
用によって、溶湯の内周部へ浮上分離するようになる。
更に、上述の本発明方法においては、前記一定時間の経
過後に、前記鋳型の回転速度の加速が行われるが、その
鋳型の加速回転に基づいて、前記溶湯の内周部が鋳型の
中央部から前記第2堰体の方向へ向かう流れが生じる
上、その流れに乗って前記第2堰体の部分に達した前記
溶湯は、前記第2堰体との接触による抵抗を受け、それ
らの相乗効果によって、前記第2堰体の部分に達した溶
湯の湯面が上昇し、前記溶湯の一部、即ち、前記非金属
介在物が浮上分離した内層部が、前記両第2堰体の内周
部を乗り越えて前記両貯留部へオーバーフローするよう
になり、前記非金属介在物の大半は、前記両貯留部へ流
れ込むようになる。従って、前記溶湯の凝固後において
は、前記両貯留部へ流れ込んだ溶湯の凝固物内に、前記
非金属介在物の大半が存在するようになり、前記両第2
堰体間での前記溶湯の凝固物には、前記非金属介在物が
殆ど存在しない状態となる。
鋳型における前記両第2堰体間へ溶湯を鋳込んだ時点か
ら一定時間だけ時間経過させることが行われるが、その
時間経過後の状態では、前記非金属介在物が遠心力の作
用によって、溶湯の内周部へ浮上分離するようになる。
更に、上述の本発明方法においては、前記一定時間の経
過後に、前記鋳型の回転速度の加速が行われるが、その
鋳型の加速回転に基づいて、前記溶湯の内周部が鋳型の
中央部から前記第2堰体の方向へ向かう流れが生じる
上、その流れに乗って前記第2堰体の部分に達した前記
溶湯は、前記第2堰体との接触による抵抗を受け、それ
らの相乗効果によって、前記第2堰体の部分に達した溶
湯の湯面が上昇し、前記溶湯の一部、即ち、前記非金属
介在物が浮上分離した内層部が、前記両第2堰体の内周
部を乗り越えて前記両貯留部へオーバーフローするよう
になり、前記非金属介在物の大半は、前記両貯留部へ流
れ込むようになる。従って、前記溶湯の凝固後において
は、前記両貯留部へ流れ込んだ溶湯の凝固物内に、前記
非金属介在物の大半が存在するようになり、前記両第2
堰体間での前記溶湯の凝固物には、前記非金属介在物が
殆ど存在しない状態となる。
【0006】
【発明の効果】そこで、前記両貯留部での溶湯凝固物
を、前記両第2堰体間での溶湯凝固物から、単に切り離
すという極めて低費用(即ち、従来の切削加工にかかる
費用と比べて極めて低廉な費用)の処理を施して、前記
両第2堰体間での溶湯凝固物を取り出すだけで、前記非
金属介在物が除去された健全な鋳造品が得られるように
なる。しかも、前記両第2堰体間での溶湯凝固物は、内
周部を切削等によって除去することなく健全な製品とな
り、且つ、前記両貯留部での溶湯凝固物は、前記両貯留
部の大きさを小さく設計することで、極めて少量にする
ことができるため、本発明方法で得られる鋳造品は、従
来法で得られる鋳造品と比べて、歩留りの高いものとな
る。従って、上述の本発明方法によれば、従来法におけ
る切削加工の費用の問題や歩留りの問題が一挙に解消さ
れるようになり、もって、本発明の目的が達成されるよ
うになる。
を、前記両第2堰体間での溶湯凝固物から、単に切り離
すという極めて低費用(即ち、従来の切削加工にかかる
費用と比べて極めて低廉な費用)の処理を施して、前記
両第2堰体間での溶湯凝固物を取り出すだけで、前記非
金属介在物が除去された健全な鋳造品が得られるように
なる。しかも、前記両第2堰体間での溶湯凝固物は、内
周部を切削等によって除去することなく健全な製品とな
り、且つ、前記両貯留部での溶湯凝固物は、前記両貯留
部の大きさを小さく設計することで、極めて少量にする
ことができるため、本発明方法で得られる鋳造品は、従
来法で得られる鋳造品と比べて、歩留りの高いものとな
る。従って、上述の本発明方法によれば、従来法におけ
る切削加工の費用の問題や歩留りの問題が一挙に解消さ
れるようになり、もって、本発明の目的が達成されるよ
うになる。
【0007】尚、上記特徴を備える本発明方法におい
て、前記両第2堰体における鋳型中央側の面を、摩擦力
が大きい面に形成しておく場合は、その大きな摩擦力に
基づいて、前記第2堰体の部分に達した溶湯が受ける前
記第2堰体との接触抵抗が一層大きくなり、その接触抵
抗の増大によって、前記第2堰体の部分に達した溶湯の
湯面上昇が一層確実に実現されるようになり、上述した
作用・効果が一層確実なものとなる。
て、前記両第2堰体における鋳型中央側の面を、摩擦力
が大きい面に形成しておく場合は、その大きな摩擦力に
基づいて、前記第2堰体の部分に達した溶湯が受ける前
記第2堰体との接触抵抗が一層大きくなり、その接触抵
抗の増大によって、前記第2堰体の部分に達した溶湯の
湯面上昇が一層確実に実現されるようになり、上述した
作用・効果が一層確実なものとなる。
【0008】また、溶湯が鋳込まれる前記両第2堰体間
の鋳型内面に、砂型を設けておく場合は、金型よりも溶
湯冷却能が小さい砂型の作用によって、前記両第2堰体
間での溶湯の凝固速度が遅くなり、その遅い凝固速度に
基づいて、前記両第2堰体間での溶湯内における前記非
金属介在物の浮上分離が一層確実に行われるようにな
る、というメリットが生じる。
の鋳型内面に、砂型を設けておく場合は、金型よりも溶
湯冷却能が小さい砂型の作用によって、前記両第2堰体
間での溶湯の凝固速度が遅くなり、その遅い凝固速度に
基づいて、前記両第2堰体間での溶湯内における前記非
金属介在物の浮上分離が一層確実に行われるようにな
る、というメリットが生じる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した
部分は同一又は相当の部分を示している。
する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した
部分は同一又は相当の部分を示している。
【0010】図1には、本発明方法の実施に使用される
装置が示されており、図中、1は、筒状金型よりなる横
型遠心力鋳造用の鋳型である。その鋳型1は、駆動力の
経時制御可能な駆動装置(図外)によって回転数制御が
行われつつ回転駆動される支持ローラー2,3に係合凹
部1a,1bが係止されつつ担持され、その支持ローラ
ー2,3の回転に従動して、回転数制御が行われつつ回
転するようになっている。前記鋳型1の両端開口部夫々
には、前記鋳型1内へ鋳込まれる溶湯の飛散を防止する
ために前記溶湯を堰き止める環状の堰体5,6が装着さ
れている。更に、前記両堰体5,6の夫々に対し、鋳型
1軸方向で鋳型1中央側へ離間する位置には、溶湯を堰
き止め且つ溶湯の一部がオーバーフロー可能な環状の第
2堰体8,9が装着され、その装着によって、鋳型1両
端部における前記堰体5,6と前記第2堰体8,9との
間に、夫々、オーバーフローする前記溶湯を貯留する貯
留部A1,A2が形成されている。前記鋳型1の一端開
口部には、取鍋7からの溶湯を受け且つその溶湯を前記
鋳型1内へ鋳込むための遠心力鋳造用樋4が、先端を前
記鋳型1内に臨ませた状態に、更に詳しくは、前記鋳型
1内における前記第2堰体8,9間の適宜位置に臨ませ
た状態に設けられている。更に、前記両第2堰体8,9
における鋳型1中央側の面は、摩擦力が大きい面に形成
してある。その摩擦力の大きさを変化させるのは、例え
ば、前記両第2堰体8,9に塗型を塗るとき、その塗型
のボーメ度を変化させることで実現することができる。
また、溶湯が鋳込まれる前記両第2堰体8,9間の鋳型
1内面には、砂型10を内嵌状態に設けてある。尚、前
記砂型10、前記第2堰体8,9、前記環状の堰体5,
6の装着は、具体的には、前記砂型10を前記鋳型1内
に内嵌した後、その両側に前記第2堰体8,9を嵌め込
んで、その第2堰体8,9固定用の固定リング11を前
記鋳型1内に内嵌装着し、更に、その外側に、前記環状
の堰体5,6を嵌め込んで、その環状の堰体5,6固定
用の固定ピン12を前記鋳型1に取り付けることによっ
て行われる。
装置が示されており、図中、1は、筒状金型よりなる横
型遠心力鋳造用の鋳型である。その鋳型1は、駆動力の
経時制御可能な駆動装置(図外)によって回転数制御が
行われつつ回転駆動される支持ローラー2,3に係合凹
部1a,1bが係止されつつ担持され、その支持ローラ
ー2,3の回転に従動して、回転数制御が行われつつ回
転するようになっている。前記鋳型1の両端開口部夫々
には、前記鋳型1内へ鋳込まれる溶湯の飛散を防止する
ために前記溶湯を堰き止める環状の堰体5,6が装着さ
れている。更に、前記両堰体5,6の夫々に対し、鋳型
1軸方向で鋳型1中央側へ離間する位置には、溶湯を堰
き止め且つ溶湯の一部がオーバーフロー可能な環状の第
2堰体8,9が装着され、その装着によって、鋳型1両
端部における前記堰体5,6と前記第2堰体8,9との
間に、夫々、オーバーフローする前記溶湯を貯留する貯
留部A1,A2が形成されている。前記鋳型1の一端開
口部には、取鍋7からの溶湯を受け且つその溶湯を前記
鋳型1内へ鋳込むための遠心力鋳造用樋4が、先端を前
記鋳型1内に臨ませた状態に、更に詳しくは、前記鋳型
1内における前記第2堰体8,9間の適宜位置に臨ませ
た状態に設けられている。更に、前記両第2堰体8,9
における鋳型1中央側の面は、摩擦力が大きい面に形成
してある。その摩擦力の大きさを変化させるのは、例え
ば、前記両第2堰体8,9に塗型を塗るとき、その塗型
のボーメ度を変化させることで実現することができる。
また、溶湯が鋳込まれる前記両第2堰体8,9間の鋳型
1内面には、砂型10を内嵌状態に設けてある。尚、前
記砂型10、前記第2堰体8,9、前記環状の堰体5,
6の装着は、具体的には、前記砂型10を前記鋳型1内
に内嵌した後、その両側に前記第2堰体8,9を嵌め込
んで、その第2堰体8,9固定用の固定リング11を前
記鋳型1内に内嵌装着し、更に、その外側に、前記環状
の堰体5,6を嵌め込んで、その環状の堰体5,6固定
用の固定ピン12を前記鋳型1に取り付けることによっ
て行われる。
【0011】このように構成された鋳造装置を用いて本
発明方法を実施する場合、前記鋳型1を、前記駆動装置
にて所定の回転数に設定しつつ回転させ、その回転中の
鋳型1における前記両第2堰体8,9間へ図2に示すよ
うに溶湯を鋳込み、その鋳込み時点から一定時間だけ、
図3に示すように時間経過させた後、前記鋳型1を、図
4に示すように、前記駆動装置による回転数制御を行っ
て回転速度を加速させつつ回転させるようにする。この
ようにして、前記溶湯を鋳込んだ後、その溶湯の凝固を
行わせると、前記一定時間の経過後の状態では、前記溶
湯中に含まれる非金属介在物Bが、遠心力の作用によっ
て、前記溶湯の内周部へ、図3中の矢符に示すように浮
上分離するようになる。そして、その後の鋳型1の加速
回転に基づいて、前記溶湯の内周部が鋳型1の中央部か
ら前記第2堰体8,9の方向へ向かう流れが図4中の矢
符に示すように生じる上、その流れに乗って前記第2堰
体8,9の部分に達した前記溶湯は、前記第2堰体8,
9との接触による抵抗を受け、それらの相乗効果によっ
て、前記第2堰体8,9の部分に達した溶湯の湯面が上
昇し、前記溶湯の一部、即ち、前記非金属介在物Bが浮
上分離した内層部が、図4に示すように、前記両第2堰
体8,9の内周部を乗り越えて前記両貯留部A1,A2
へオーバーフローするようになり、前記非金属介在物B
の大半は、前記両貯留部A1,A2へ流れ込むようにな
る。従って、前記溶湯の凝固後においては、前記両貯留
部A1,A2へ流れ込んで図5に示すように凝固した前
記溶湯の凝固物内に、前記非金属介在物Bの大半が存在
するようになり、前記両第2堰体8,9間での前記溶湯
の凝固物には、前記非金属介在物Bが殆ど存在しない状
態となる。また、前記両第2堰体8,9における鋳型1
中央側の面が、摩擦力が大きい面に形成されているの
で、その大きな摩擦力に基づいて、前記第2堰体8,9
の部分に達した溶湯が受ける前記第2堰体8,9との接
触抵抗が一層大きくなり、その接触抵抗の増大によっ
て、前記第2堰体8,9の部分に達した溶湯の湯面上昇
が一層確実に実現されるようになる。また、前記両第2
堰体8,9間の鋳型1内面には金型よりも溶湯冷却能が
小さい砂型10が設けられているので、その砂型10の
存在によって、前記両第2堰体8,9間での溶湯の凝固
速度が遅くなり、その遅い凝固速度に基づいて、前記両
第2堰体8,9間での溶湯内における前記非金属介在物
Bの浮上分離が一層確実に行われるようになる。
発明方法を実施する場合、前記鋳型1を、前記駆動装置
にて所定の回転数に設定しつつ回転させ、その回転中の
鋳型1における前記両第2堰体8,9間へ図2に示すよ
うに溶湯を鋳込み、その鋳込み時点から一定時間だけ、
図3に示すように時間経過させた後、前記鋳型1を、図
4に示すように、前記駆動装置による回転数制御を行っ
て回転速度を加速させつつ回転させるようにする。この
ようにして、前記溶湯を鋳込んだ後、その溶湯の凝固を
行わせると、前記一定時間の経過後の状態では、前記溶
湯中に含まれる非金属介在物Bが、遠心力の作用によっ
て、前記溶湯の内周部へ、図3中の矢符に示すように浮
上分離するようになる。そして、その後の鋳型1の加速
回転に基づいて、前記溶湯の内周部が鋳型1の中央部か
ら前記第2堰体8,9の方向へ向かう流れが図4中の矢
符に示すように生じる上、その流れに乗って前記第2堰
体8,9の部分に達した前記溶湯は、前記第2堰体8,
9との接触による抵抗を受け、それらの相乗効果によっ
て、前記第2堰体8,9の部分に達した溶湯の湯面が上
昇し、前記溶湯の一部、即ち、前記非金属介在物Bが浮
上分離した内層部が、図4に示すように、前記両第2堰
体8,9の内周部を乗り越えて前記両貯留部A1,A2
へオーバーフローするようになり、前記非金属介在物B
の大半は、前記両貯留部A1,A2へ流れ込むようにな
る。従って、前記溶湯の凝固後においては、前記両貯留
部A1,A2へ流れ込んで図5に示すように凝固した前
記溶湯の凝固物内に、前記非金属介在物Bの大半が存在
するようになり、前記両第2堰体8,9間での前記溶湯
の凝固物には、前記非金属介在物Bが殆ど存在しない状
態となる。また、前記両第2堰体8,9における鋳型1
中央側の面が、摩擦力が大きい面に形成されているの
で、その大きな摩擦力に基づいて、前記第2堰体8,9
の部分に達した溶湯が受ける前記第2堰体8,9との接
触抵抗が一層大きくなり、その接触抵抗の増大によっ
て、前記第2堰体8,9の部分に達した溶湯の湯面上昇
が一層確実に実現されるようになる。また、前記両第2
堰体8,9間の鋳型1内面には金型よりも溶湯冷却能が
小さい砂型10が設けられているので、その砂型10の
存在によって、前記両第2堰体8,9間での溶湯の凝固
速度が遅くなり、その遅い凝固速度に基づいて、前記両
第2堰体8,9間での溶湯内における前記非金属介在物
Bの浮上分離が一層確実に行われるようになる。
【0012】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に使用する装置を示す縦断面
図
図
【図2】本発明方法の実施状態(鋳込終了時)を示す模
式的説明図
式的説明図
【図3】本発明方法の実施状態(定速回転時)を示す模
式的説明図
式的説明図
【図4】本発明方法の実施状態(加速回転時)を示す模
式的説明図
式的説明図
【図5】本発明方法の実施状態(鋳造完了時)を示す模
式的説明図
式的説明図
【図6】従来方法で使用する装置を示す縦断面図
1 鋳型 5,6 堰体 8,9 第2堰体 10 砂型 A1,A2 貯留部
Claims (3)
- 【請求項1】 溶湯の飛散防止のために溶湯を堰き止め
る環状の堰体(5),(6)を両端開口部夫々に装着して
ある遠心力鋳造用の鋳型(1)を回転させつつ、その回
転中の鋳型(1)内へ溶湯を鋳込んで、遠心力鋳造品を
製造する遠心力鋳造方法であって、 前記両堰体(5),(6)の夫々に対し、予め、鋳型
(1)軸方向で鋳型(1)中央側へ離間する位置に、溶
湯を堰き止め且つ溶湯の一部がオーバーフロー可能な環
状の第2堰体(8),(9)を装着して、鋳型(1)両端
部における前記堰体(5),(6)と前記第2堰体(8),
(9)との間に、夫々、オーバーフローする前記溶湯を
貯留する貯留部(A1),(A2)を形成しておき、回転
中の鋳型(1)における前記両第2堰体(8),(9)間
へ溶湯を鋳込んだ時点から一定時間だけ時間経過させた
後、鋳型(1)の回転速度を加速させて、前記溶湯の一
部を、前記両第2堰体(8),(9)経由で前記両貯留部
(A1),(A2)へオーバーフローさせる遠心力鋳造方
法。 - 【請求項2】 前記両第2堰体(8),(9)における鋳
型(1)中央側の面を、摩擦力が大きい面に形成してお
く請求項1記載の遠心力鋳造方法。 - 【請求項3】 溶湯が鋳込まれる前記両第2堰体(8),
(9)間の鋳型(1)内面に、砂型(10)を設けてお
く請求項1記載の遠心力鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23458394A JPH0899159A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 遠心力鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23458394A JPH0899159A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 遠心力鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0899159A true JPH0899159A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=16973301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23458394A Pending JPH0899159A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | 遠心力鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0899159A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020022996A (ja) * | 2018-08-01 | 2020-02-13 | 花王株式会社 | 鋳型造型用粘結剤組成物 |
-
1994
- 1994-09-29 JP JP23458394A patent/JPH0899159A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020022996A (ja) * | 2018-08-01 | 2020-02-13 | 花王株式会社 | 鋳型造型用粘結剤組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0899159A (ja) | 遠心力鋳造方法 | |
JPS6211049B2 (ja) | ||
JP2839068B2 (ja) | 遠心力鋳造方法 | |
JPS58112641A (ja) | 連続鋳造における非金属介在物低減法 | |
JP3241319B2 (ja) | ドラム式ストリップキャスタ | |
JPH0675750B2 (ja) | 金属薄帯連続鋳造装置用注湯ノズル | |
JP2824380B2 (ja) | 遠心力鋳造方法 | |
JPH07276022A (ja) | 遠心力鋳造方法 | |
JPS63749Y2 (ja) | ||
JPH07185766A (ja) | 遠心力鋳造方法 | |
JPH0687056A (ja) | 遠心鋳造法 | |
JP2006192496A (ja) | 鋳鉄管鋳造用中子の塗型剤塗布方法 | |
JP4160775B2 (ja) | 遠心鋳造設備における鋳鉄管の製造方法 | |
JPH07276023A (ja) | 遠心力鋳造装置 | |
JP2731496B2 (ja) | 遠心鋳造方法及びその装置 | |
JPH0747454A (ja) | 遠心力鋳造方法 | |
JPH0679425A (ja) | 遠心鋳造用鋳型 | |
JP7451126B2 (ja) | 基板処理装置及び基板処理方法 | |
JPH11285799A (ja) | 遠心力鋳造方法及び金型 | |
JPH07155911A (ja) | 連続鋳造用取鍋ノズル | |
JPH06262326A (ja) | 遠心鋳造の注湯装置 | |
JP2731487B2 (ja) | 遠心鋳造用鋳型 | |
SU1409409A1 (ru) | Устройство дл заливки металла в изложницы на конвейере | |
JP2886045B2 (ja) | 遠心力鋳造方法 | |
KR200167188Y1 (ko) | 턴디쉬내 불활성 가스 취입장치 |