JPH0899150A - 鋳型用粘結剤組成物、鋳型組成物および鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型用粘結剤組成物、鋳型組成物および鋳型の製造方法

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JPH0899150A
JPH0899150A JP23703894A JP23703894A JPH0899150A JP H0899150 A JPH0899150 A JP H0899150A JP 23703894 A JP23703894 A JP 23703894A JP 23703894 A JP23703894 A JP 23703894A JP H0899150 A JPH0899150 A JP H0899150A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール・アルデヒド変性樹脂と、フェノ
ール化合物単量体の1種以上とを必須成分とすることを
特徴とする鋳型用粘結剤組成物、この粘結剤組成物を配
合した鋳型組成物、およびこの粘結剤組成物を使用して
鋳型を製造する方法。 【効果】 従来の製造方法によって得られる鋳型に比べ
可使時間が長く、かつ高強度の鋳型が得られ、その結
果、これまで以上の可使時間が必要な場合、鋳型強度を
低下させることなく鋳型を造型することが可能となる。
更に、粘結剤の使用量の低減が可能となるため、鋳物砂
の回収が容易となり、また、鋳込時の鋳型から発生する
ガス量を減少し得るので、ガス欠陥の発生を抑制し健全
な鋳物が製造でき、実用上有益なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳型を製造する際に使用
する粘結剤組成物に関するものである。又、この粘結剤
組成物を配合した鋳型組成物、およびこの粘結剤組成物
を使用して、鋳型を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機粘結剤を用いて主型や中子のような
鋳型を製造する造型法として、自硬性鋳型法、コールド
ボックス鋳型法、クローニング法(シェル法)は公知で
ある。特に有機自硬性鋳型造型法は機械鋳物分野を中心
に生産性、鋳物品質、安全衛生上の観点から無機系に代
わって既に汎用的な造型法となっている。
【0003】一方、従来、中、高速で鋳型を製造するに
はフェノール樹脂を粒状耐火物に被覆した、いわゆるコ
ーテッドサンドを加熱硬化して鋳型を製造するクローニ
ング法が幅広く使用されている。
【0004】しかし、鋳型製造時の省エネルギー、鋳型
生産速度、更に鋳型、鋳物の品質を改善するために、ガ
ス状又はエロゾル状物質で常温硬化させるコールドボッ
クス鋳型法がクローニング法を代替する鋳型の製造法と
して鋳物業界で真剣に導入が試みられてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機自硬性鋳型造型法
及びガス硬化性鋳型造型法に用いられる粘結剤組成物と
して、水溶性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂水溶液
を粘結剤とし、これを有機エステルで硬化せしめる鋳物
砂用粘結剤組成物が、特開昭50-130627 号公報、特開昭
58-154433 号公報や特開昭58-154434 号公報により公知
である。また、ビスフェノールとホルムアルデヒドとを
縮重合させたフェノール系樹脂を粘結剤として使用する
こと (特開昭62-40948号公報、特開昭63-40636号公報)
や、カリウムアルカリ性ビスフェノール・フェノール共
重合型レゾール樹脂を粘結剤として使用すること (特開
平5-123818号公報) も公知である。
【0006】また、最近ではガス硬化の鋳型造型法とし
て二酸化炭素を用いるプロセスが提案されている(特公
平1-224263号公報)。これは、有機エステルのガスに比
べ人体への悪影響が少ない二酸化炭素のガスを使用する
ため、安全衛生上の観点から特に注目されている。
【0007】これらの粘結剤を用いた鋳型造型法は粘結
剤中に硫黄原子を含まないため酸硬化性樹脂を用いた鋳
型造型法に比較して浸硫の傾向が小さい等の長所を有す
るが、反面酸硬化性鋳型造型法に比較して、鋳型強度が
低い、可使時間が短い、砂再生性が劣るなどの欠点を有
しており、更にその改良が望まれている。
【0008】特開平4-118144号公報及び特開平5-200481
号公報には、水溶性フェノール樹脂及びフェノール化合
物単量体を必須成分とする鋳物用砂型の製造方法が開示
されているが、得られる鋳型の強度が低いという問題点
があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決すべく鋭意研究の結果、フェノール・アルデヒド
変性樹脂を粘結剤とし、これを有機エステル及び/又は
炭酸ガスで硬化せしめる鋳型用粘結剤組成物において、
フェノール・アルデヒド変性樹脂に特定割合のフェノー
ル化合物単量体を使用することにより、鋳型強度が大幅
に向上し、更に可使時間を大幅に延長させ得ることを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0010】即ち本発明は、フェノール・アルデヒド変
性樹脂と、フェノール化合物単量体の1種以上とを必須
成分とすることを特徴とする鋳型用粘結剤組成物に関す
る。
【0011】また、本発明は、耐火性骨材 100重量部に
対して、前記の鋳型用粘結剤組成物0.1〜15重量部から
なる混合物を混練して得られることを特徴とする鋳型組
成物に関する。
【0012】更に、本発明は、前記の鋳型用粘結剤組成
物を用い、かつ硬化剤として有機エステル及び/又は炭
酸ガスを用いることを特徴とする鋳型の製造方法に関す
る。
【0013】本発明に使用されるフェノール化合物単量
体としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノ
ール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ブチルフ
ェノール、フェニルフェノール、エチルフェノール、オ
クチルフェノール、アミルフェノール、ナフトール、レ
ゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールC、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロ
ール、フロログリシン、レゾルシン残渣、クレゾール残
渣、ビスフェノールA残渣、クロロフェノール、ジクロ
ロフェノール、その他の置換フェノールを含めたフェノ
ール類化合物を挙げることができる。
【0014】本発明の粘結剤組成物を用いることによ
り、鋳型強度を大幅に向上させ、更に可使時間を大幅に
延長させ得る理由は、次の如く推定される。即ち、特定
割合のフェノール化合物単量体を有機エステル中に存在
させることにより、エステルの加水分解によるフェノー
ル・アルデヒド変性樹脂の活性化及び高分子化が遅延さ
れ可使時間が延び、又活性化されたフェノール化合物単
量体がフェノール・アルデヒド変性樹脂中に組込まれる
ことから、鋳型強度が向上するものと考えられる。又、
この遅延効果及び樹脂中への組込まれ易さには、フェノ
ール性水酸基が深く関与しているものと考えられ、1分
子中に1個のフェノール性水酸基を有するものより、2
個以上のフェノール性水酸基を有するもののほうが効果
が大きい。
【0015】フェノール・アルデヒド変性樹脂とフェノ
ール化合物単量体とを併用する形態としては、フェノー
ル・アルデヒド変性樹脂又は水溶液中に含有させてもよ
いし、有機エステル中に攪拌混合せしめてもよいし、或
いはそれらと別途に耐火性粒状材料に添加してもよい。
またこの際、周知の溶媒に希釈して混練性を高めて添加
することもできる。
【0016】本発明の鋳型用粘結剤組成物を製造するに
は、フェノール・アルデヒド変性樹脂に対し、本発明に
係るフェノール化合物単量体をフェノール・アルデヒド
変性樹脂の固形分に対し通常2〜40重量%、好ましくは
3〜30重量%使用する。また、フェノール化合物単量体
としては、種々のフェノール化合物単量体を用いること
ができるが、好ましくは1分子中に2個又は3個のフェ
ノール性水酸基を有することが好ましい。本発明によれ
ば、上記特定のフェノール化合物単量体を含有させるこ
とにより可使時間を延長させることができるのであっ
て、フェノール化合物単量体が2重量%未満では可使時
間延長の効果は充分でなく、逆に40重量%を超えると鋳
型の最終強度が低下し、実用的でない。
【0017】また、有機エステル中に混合する場合は、
フェノール化合物単量体の含有量は、有機エステル中に
2〜50重量%、好ましくは3〜40重量%であり、また、
フェノール化合物単量体としては、1分子中に2個又は
3個のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましい。
本発明によれば、フェノール化合物単量体を有機エステ
ルに含有させることにより可使時間を延長させることが
できるのであって、フェノール化合物単量体の有機エス
テル中の含有量が2〜50重量%の範囲にあると、可使時
間の延長に十分な効果が得られる。フェノール化合物単
量体の含有量が2重量%未満では可使時間延長の効果は
十分でなく、一方50重量%を超えると鋳型の最終強度が
低下し、実用的でない。
【0018】本発明の鋳型用粘結剤組成物を用いて鋳型
を自硬性鋳型造型法によって製造するには、耐火性粒状
材料 100重量部に、本発明の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜
15重量部、好ましくは 0.3〜5重量部及び硬化剤である
有機エステル0.05〜9重量部、好ましくは 0.1〜5重量
部を周知の方法で混練し、従来の自硬性鋳型製造プロセ
スをそのまま利用して鋳型を製造することができる。
【0019】また、本発明において、鋳型をガス硬化性
鋳型造型法によって製造するには、まず耐火性粒状材料
100重量部に、本発明の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜15重
量部、好ましくは 0.3〜5重量部を加えた混練砂を手込
め、もしくは加圧空気でのブローイングにより模型中に
充填し、次いでガス状もしくはエロゾル状の有機エステ
ル0.05〜9重量部を吹き込んでフェノール・アルデヒド
変性樹脂混合物を硬化させることにより、鋳型を製造す
る。
【0020】本発明に用いられる有機エステルとして
は、ラクトン類或いは炭素数1〜10の一価又は多価アル
コールと炭素数1〜10の有機カルボン酸より誘導される
有機エステルの単独もしくは混合物が用いられるが、自
硬性鋳型造型法ではγ−ブチロラクトン、プロピオンラ
クトン、ε−カプロラクトン、ギ酸エチル、エチレング
リコールジアセテート、エチレングリコールモノアセテ
ート、トリアセチン、グルタル酸ジメチル等を用いるの
が好ましく、ガス硬化性鋳型造型法ではギ酸メチルを用
いるのが好ましい。更に、ガス状等の有機エステルに代
えて、炭酸ガスを使用して鋳型用粘結剤組成物を硬化さ
せる場合には、粘結剤組成物中に適正量の硼酸、硼酸
塩、アルミン酸塩等のオキシアニオンを有する化合物を
添加し、このオキシアニオンを有する化合物と炭酸ガス
の共働作用によって、フェノール・アルデヒド変性樹脂
を硬化させることができる (特開平1-224263号公報) 。
本発明の鋳型用粘結剤組成物については自硬性鋳型造型
法でもガス硬化性鋳型造型法でも、特に制限されるもの
ではない。
【0021】本発明で用いられるフェノール・アルデヒ
ド変性樹脂は、下記の一般式(1) で表されるビスフェノ
ール類から選ばれる1種以上の化合物と、アルデヒド化
合物とを共縮合して得られるもの、もしくは、フェノー
ル類から選ばれる1種以上の化合物及び上記の一般式
(1) で表されるビスフェノール類から選ばれる1種以上
の化合物と、アルデヒド化合物とを共縮合して得られる
ものである。
【0022】
【化3】
【0023】一般式(1) で表されるビスフェノール類の
具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノ
ールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビス
フェノールAP、ジ− sec−ブチル−ビスフェノール
A、ジ−イソプロピル−ビスフェノールA、 1,1−エチ
リデン−ビスフェノール、メチル−エチル−メチレン−
ビスフェノールA、メチルイソブチル−メチレン−ビス
フェノール、メチル−ヘキシル−メチレン−ビスフェノ
ール、メチル−フェニル−メチレン−ビスフェノール、
4,4'−チオジフェノール等が挙げられ、それらが単独で
又は混合して使用される。
【0024】フェノール類としては、下記の一般式 (2)
〜(4) で表される化合物の中から選ばれる1種以上が使
用される。
【0025】
【化4】
【0026】(式中、R5及びR6は、水素原子又は炭素数
2以下の炭化水素基を表わす。)
【0027】
【化5】
【0028】(式中、R7は、水素原子、水酸基又は炭素
数2以下の炭化水素基を表わす。)
【0029】
【化6】
【0030】(式中、R8は、炭素数3以上の脂肪族炭化
水素基又は芳香族炭化水素基を表わす。) 。
【0031】フェノール類のうち、一般式(2) で表され
る化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、
3,5−キシレノール等が挙げられる。一般式(3) で表さ
れる化合物は多価フェノールであって、具体例として
は、レゾルシノールやカテコール等が挙げられる。ま
た、一般式(4) で表される化合物は、主としてパラ位に
炭素数3以上のアルキル基やフェニル基が結合したもの
であり、具体例としては、ノニルフェノール、p−tert
−ブチルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェ
ニルフェノール等が挙げられる。また、カシューナッツ
殻液のような各種のフェノール類の混合物等も使用でき
る。特に、フェノール類としては、フェノールとクレゾ
ールの混合物が好ましい。
【0032】また、アルデヒド化合物としては、ホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、グ
リオキザール等が、単独で又は混合して使用される。
【0033】ビスフェノール類、もしくはフェノール類
及びビスフェノール類と、アルデヒド化合物とを共縮合
する際、各化合物のモル比は、以下の通りであるのが好
ましい。即ち、ビスフェノール類のモル数、もしくはフ
ェノール類のモル数とビスフェノール類のモル数との合
計モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比が1.
0〜5.0 〔 (ビスフェノール類のモル数、もしくはフェ
ノール類のモル数+ビスフェノール類のモル数) :アル
デヒド化合物のモル数=1: 1.0〜5.0 〕であるのが好
ましい。特に、アルデヒド化合物のモル数の比が 1.5〜
3.0 であるのが、より好ましい。アルデヒド化合物のモ
ル数の比が 1.0未満になると、得られたフェノール・ア
ルデヒド変性樹脂を使用して造型しても、鋳型の強度が
充分に向上しない傾向が生じる。逆に、アルデヒド化合
物のモル数の比が 5.0を超えると、得られたフェノール
・アルデヒド変性樹脂のアルデヒド臭が強く、作業環境
が悪くなる恐れがある。また、フェノール類とビスフェ
ノール類を併用する場合、フェノール類のモル数に対す
る、ビスフェノール類のモル数の比は、 0.001〜1000程
度 (フェノール類のモル数:ビスフェノール類のモル数
=1: 0.001〜1000) が好ましい。特に、ビスフェノー
ル類のモル数の比が0.01〜90であるのがより好ましい。
ビスフェノール類のモル数が 0.001未満であったり、或
いは1000を超えると、得られる鋳型の強度が充分に向上
しない傾向が生じる。
【0034】ビスフェノール類、もしくはフェノール類
及びビスフェノール類と、アルデヒド化合物との共縮重
合は、一般的に水溶液中で行われ、フェノール・アルデ
ヒド変性樹脂が得られる。例えば、所定量のビスフェノ
ール類もしくはフェノール類及びビスフェノール類を溶
解させた水溶液中に、所定量のアルデヒド化合物を徐々
に添加しながら、共縮重合させて得るのが好ましい。こ
の際、反応触媒としては、水酸化カリウム(KOH) 、水酸
化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカ
リ触媒が使用されるが、特に、水酸化カリウム(KOH) を
使用するのが好ましい。本発明におけるフェノール・ア
ルデヒド変性樹脂は、アルカリ性水溶液に調整されるた
め、共縮重合の際に所定量の水酸化カリウムを使用して
も良いし、また反応触媒として最小限の水酸化カリウム
を使用し、共縮重合を終えた後、所定量の水酸化カリウ
ムを添加してもよい。また、共縮重合を終えた後におい
て、水酸化カリウムと共に水酸化ナトリウム(NaOH)や水
酸化リチウム(LiOH)を併用して、所定のアルカリ性にな
るようにしてもよい。更に、酸触媒を使用して共縮重合
させた後、次いで水酸化カリウム等のアルカリ触媒を使
用して共縮重合を進行させてもよい。フェノール・アル
デヒド変性樹脂のアルカリ水溶液において、ビスフェノ
ール類の水酸基のモル数、もしくはフェノール類の水酸
基のモル数とビスフェノール類の水酸基のモル数との合
計モル数に対する、全アルカリのモル数の比は、 0.2〜
1.2 であるのが好ましい。また、アルカリ水溶液中にお
ける、フェノール・アルデヒド変性樹脂の濃度は、30〜
75重量%であるのが好ましい。
【0035】また、フェノール・アルデヒド変性樹脂
は、更にアルコール類を共縮合することにより、耐火性
粒状材料と混練した場合における、混練砂の流動性及び
模型への充填性に優れるものとなる。アルコール類とし
ては、炭素数2〜10の1価アルコールが好ましく、例え
ば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、 sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘ
キシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアル
コール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール等が挙げられる。特に、1価アルコールと
して、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール、イソブチルアルコール、 sec−ブチ
ルアルコール又はtert−ブチルアルコールを使用するの
が最も好ましい。配合割合としては、ビスフェノール類
のモル数、もしくはフェノール類のモル数とビスフェノ
ール類のモル数との合計モル数に対して0.0001〜0.5 倍
モルが好ましい。特に、アルコール類が0.01〜0.2 倍モ
ルであるのがより好ましい。アルコール類のモル数が0.
0001倍モル未満になると、アルコール類を添加する効果
がなく、 0.5倍モルを超えると鋳型の強度が充分に向上
しない傾向が生じる。
【0036】耐火性粒状材料としては、石英質を主成分
とする珪砂の他、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン
砂、アルミナサンド等の無機耐火性粒状材料が使用され
るが、特に限定されるものではない。
【0037】また、更に鋳型強度を向上させる目的でシ
ランカップリング剤を加えても差し支えない。好ましい
シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルト
リエトキシシランやγ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等が挙げられる。
【0038】本発明における水溶性フェノール樹脂水溶
液の固形分量は、空気循環式炉内で、秤量試料 (2.0±
0.1g) を3時間 100℃に加熱することによって測定し
た。
【0039】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0040】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液1の調整〕50
%水酸化カリウム水溶液に、表1に示したモル比で定め
られる量のフェノール類とビスフェノール類とアルコー
ル類とを加え、攪拌し溶解させた。この溶液を80℃に保
持しながら、表1に示したモル比で定められる量のアル
デヒド化合物を徐々に加えた。そして、反応溶液中にお
けるフェノール・アルデヒド変性樹脂の重量平均分子量
が2500に達する時点まで80℃で反応を続けた。重量平均
分子量が2500に達する時点の判定は、反応溶液の粘度を
測定することによって行った。反応終了後、室温まで冷
却した後、フェノール類のモル数とビスフェノール類の
モル数の合計モル数に対する、水酸化カリウムのモル数
の比が0.85となるように、50%水酸化カリウム水溶液を
加えた。以上のようにして、フェノール・アルデヒド変
性樹脂のアルカリ水溶液である鋳型用粘結剤組成物水溶
液1を調整した。なお、粘結剤組成物水溶液中の粘結剤
組成物 (フェノール・アルデヒド変性樹脂、脂肪族化合
物や界面活性剤) の含有量は50重量%であった。
【0041】なお、表1中のAなる項目は、フェノール
類のモル数、ビスフェノール類のモル数、もしくはフェ
ノール類のモル数とビスフェノール類のモル数との合計
モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比であ
る。即ち、〔アルデヒド化合物のモル数/ (フェノール
類のモル数+ビスフェノール類のモル数) 〕である。ま
た、Bなる項目は、フェノール類とビスフェノール類を
併用した場合、フェノール類のモル数に対する、ビスフ
ェノール類のモル数の比である。即ち、〔ビスフェノー
ル類のモル数/フェノール類のモル数〕である。さら
に、Cなる項目は、フェノール類のモル数、ビスフェノ
ール類のモル数、もしくはフェノール類のモル数とビス
フェノール類のモル数との合計のモル数に対する、アル
コール類のモル数の比である。即ち、〔アルコール類の
モル数/ (フェノール類のモル数+ビスフェノール類の
モル数) 〕である。
【0042】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液2の調整〕50
%水酸化カリウム水溶液に、表1の実施例6に示したモ
ル比で定められる量のフェノール類とビスフェノール類
とアルコール類とを加え、攪拌し溶解させた。この溶液
を80℃に保持しながら、表1の実施例6に示したモル比
で定められる量の50%ホルムアルデヒド水溶液を徐々に
加えた。そして、反応溶液中におけるフェノール・アル
デヒド変性樹脂の重量平均分子量が1800に達する時点ま
で80℃で反応を続けた。重量平均分子量が1800に達する
時点の判定は、反応溶液の粘度を測定することによって
行った。反応終了後、室温まで冷却した後、フェノール
類の水酸基のモル数とビスフェノール類の水酸基のモル
数の合計モル数に対する、水酸化カリウムのモル数の比
が0.85となるように、50%水酸化カリウム水溶液を加え
た。そして、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランを、水溶液 100重量部に対して、 0.5重量部水溶液
中に添加した。以上のようにして調整した粘結剤組成物
水溶液中の粘結剤組成物 (フェノール・アルデヒド変性
樹脂及びシランカップリング剤) の含有量は50重量%で
あった。
【0043】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液3の調整〕鋳
型用粘結剤組成物水溶液2の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール・アルデヒド変成樹脂の水溶液90重
量部と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、95%
水酸化カリウム5重量部とを混合して、鋳型用粘結剤組
成物水溶液を調整した。
【0044】実施例1〜15及び比較例1〜3 自硬性鋳型造型法において鋳型強度の可使時間を評価し
た。即ち、珪砂 100重量部に対し、グルタル酸ジメチル
を0.38重量部、実施例1〜12では表1に示す各種フェノ
ール化合物単量体をグルタル酸ジメチルに対し表1に示
した重量%添加したものと、鋳型用粘結剤組成物水溶液
1を 1.5重量部添加混練してなる混合物を、50mmφ×50
mmhのテストピース用模型に充填し、混練直後及び30分
放置後に成形したものの圧縮強度(温度35℃、湿度60%
RH条件下) を測定した。また、同時に混練砂の流動性・
充填性を測定した。即ち、内径50mm、内部有効長 100mm
の試験筒の底部に受台を取り付け、3mm 目の篩を通し
て、試験筒に混練砂を粗充填する。次に、上部の余分な
混練砂をかき落として、「ジョージ・フィシャー社製の
コンパクタビリティ・テスター」にかけ、10kg/cm2のス
クイズ圧で加圧した。この後における混練砂の高さの減
少を測定し、この減少高さXmm〔=C.B.(コンパク
タビリティー)〕を混練砂の流動性・充填性の指標とし
た。Xが小さい程、混練砂の流動性及び充填性が良いこ
とを示している。実施例13〜15ではフェノール化合物単
量体を鋳型用粘結剤組成物水溶液1に固形分に対して5
重量%添加して実施した。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】* 評価結果:◎=可使時間が非常に長
く、最終圧縮強度が低下しない。 ○=可使時間が長く、最終圧縮強度が低下しない。 ×=可使時間が短い。
【0047】表1の結果より、本発明に用いる粘結剤組
成物を混練して成る混合物による成形品は、鋳型強度が
高く、また、比較品に比べて混練直後の成形品と30分後
放置後の成形品とで圧縮強度の差が殆どなく、可使時間
の評価も良好であることが判る。
【0048】実施例16〜27及び比較例4 ガス硬化性鋳型造型法における鋳型強度の経時変化を評
価した。即ち、珪砂 100重量部に対し、鋳型用粘結剤組
成物水溶液2を 2.0重量部、表2に示す各種フェノール
化合物単量体を添加混練してなる混合物を、50mmφ×50
mmhのガス硬化用テストピース用模型に充填した。この
模型中に 1.5重量部のガス状のギ酸メチルを注入し、24
時間後の圧縮強度を測定した。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】実施例28〜39及び比較例5 耐火性粒状材料である珪砂 100重量部に対し、表3に示
す濃度のフェノール化合物単量体を含有する鋳型用粘結
剤組成物水溶液3を 3.5重量部添加混練した混合物を50
mmφ×50mmhのガス用テストピース枠に充填し、炭酸ガ
スを10リットル/分の流速で2分間通気させ、ガス硬化
性鋳型製造法で鋳型を造型した。この時の24時間後の圧
縮強度を測定した。その結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】上記の実施例で明白なように、本発明の
製造方法によれば、従来の製造方法によって得られる鋳
型に比べ可使時間が長く、かつ高強度の鋳型が得られ
る。その結果、夏場や砂温が高い時、また大きな鋳型や
複雑な鋳型を造型する時など、これまで以上の可使時間
が必要な場合、鋳型強度を低下させることなく鋳型を造
型することが可能となる。更に、粘結剤の使用量の低減
が可能となるため、鋳物砂の回収が容易となり、また、
鋳込時の鋳型から発生するガス量を減少し得るので、ガ
ス欠陥の発生を抑制し健全な鋳物が製造でき、実用上有
益なものとなる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) で表されるビスフェノ
    ール類から選ばれる1種以上の化合物と、アルデヒド化
    合物とを共縮合して得られたフェノール・アルデヒド変
    性樹脂(A) と、フェノール化合物単量体の1種以上(B)
    とを必須成分とすることを特徴とする鋳型用粘結剤組成
    物。 【化1】
  2. 【請求項2】 フェノール類から選ばれる1種以上の化
    合物及び下記の一般式(1) で表されるビスフェノール類
    から選ばれる1種以上の化合物と、アルデヒド化合物と
    を共縮合して得られたフェノール・アルデヒド変性樹脂
    (a) と、フェノール化合物単量体の1種以上(b) とを必
    須成分とすることを特徴とする鋳型用粘結剤組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】 ビスフェノール類としてビスフェノール
    A又はビスフェノールFを使用する請求項1又は2記載
    の鋳型用粘結剤組成物。
  4. 【請求項4】 フェノール類としてフェノールとクレゾ
    ールとの混合物を使用する請求項2又は3記載の鋳型用
    粘結剤組成物。
  5. 【請求項5】 フェノール・アルデヒド変性樹脂が、さ
    らにアルコール類を共縮合して得られたものである請求
    項1〜4の何れか1項に記載の鋳型用粘結剤組成物。
  6. 【請求項6】 耐火性骨材 100重量部に対して、請求項
    1〜5の何れか1項に記載の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜
    15重量部からなる混合物を混練して得られることを特徴
    とする鋳型組成物。
  7. 【請求項7】 耐火性骨材 100重量部に対して、有機エ
    ステル硬化剤0.05〜9重量部、請求項1〜5の何れか1
    項に記載の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜15重量部からなる
    混合物を混練して得られることを特徴とする鋳型組成
    物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5の何れか1項に記載の鋳型
    用粘結剤組成物を用い、かつ硬化剤として有機エステル
    及び/又は炭酸ガスを用いることを特徴とする鋳型の製
    造方法。
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