JPH0899109A - 圧延機の形状制御装置 - Google Patents

圧延機の形状制御装置

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JPH0899109A
JPH0899109A JP6237216A JP23721694A JPH0899109A JP H0899109 A JPH0899109 A JP H0899109A JP 6237216 A JP6237216 A JP 6237216A JP 23721694 A JP23721694 A JP 23721694A JP H0899109 A JPH0899109 A JP H0899109A
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shape
rolling mill
metal strip
control
plate thickness
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JP6237216A
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Masatsugu Mori
賢嗣 森
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延プロセスにおける形状制御に対する精度
を高め、板厚および形状に代表される寸法品質の高い圧
延を行う圧延機の形状制御装置を得る. 【構成】 金属ストリップ1の幅方向中心からの形状を
1次から4次までの4つのべき級数からなる関数で近似
して、その4つの関数のそれぞれの係数をパラメータと
して、形状制御を行う圧延機の形状制御装置において、
各操作端13の操作量から板厚補正値を計算し、その値
を板厚制御を行う圧下制御装置17のプリセット値18
に出力することにより、形状制御に伴う板厚制御への影
響をなくすAGC非干渉ロジック15および16を備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属ストリップを圧
延する圧延機において、圧延機の各種操作端を操作する
ことにより圧延後の金属ストリップの形状を目標形状に
制御する圧延機の形状制御装置、例えば冷間圧延におけ
る圧延鋼板の形状を、圧延機の圧下装置のレベリング差
やロールベンディング力を操作することにより目標形状
に制御する圧延機の形状制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧延プロセス、特に冷間圧延では、製品
の薄板化、高強度化に加えて高品質化への要求がますま
す厳しくなっており、板厚および形状に代表される寸法
品質の制御精度の向上が必要となってきている。
【0003】図7は、例えば特公昭58ー15201号
公報に示された従来の圧延機の形状制御装置を示すブロ
ック図であり、図において、1は金属ストリップ、2は
圧延後の金属ストリップ1の幅方向の形状を検出する形
状検出装置、3は形状検出装置2からの信号により、圧
延後の金属ストリップの幅方向の形状パターンを、スト
リップ幅方向の中心からの距離xの4次のべき級数によ
る関数近似を行って、形状パターンを関数表示により認
識する認識装置、4はストリップの種類によって異なる
理想的な目標パターンを入力する入力装置、5は検出さ
れた形状パターンと目標形状パターンの比較演算を行い
対称成分と非対称成分に分離して各々の偏差値を計算す
る偏差計算装置、6は非対称成分の操作端を選択し、そ
の操作量を計算する計算装置、7は非対称成分の操作量
の上限および下限をチェックするリミット装置、8は非
対称成分操作による対称成分への影響を補償するための
ゲイン調整装置、9は偏差計算装置5からの対称成分偏
差出力と非対称成分の影響補償量を加算する加算装置、
10は対称成分の操作端を選択し、その操作量を計算す
る計算装置、11は対称成分の操作量の上限および下限
をチェックするリミット装置、12は計算装置6並びに
10からの出力をうけて、各種操作端13の設定値を指
令する指令装置、14は各種操作端の動作に応じて制御
され金属ストリップ1を圧延するワークローラ(WR)
である。
【0004】次に動作について説明する。形状検出装置
2は、金属ストリップ1の幅方向に固定的に配置された
数十点の検出器から伸び率を検出し、板幅方向の伸び率
差を示す形状分布信号を出力する。この形状分布信号を
受けて、パターン認識装置3は、金属ストリップ1の幅
方向の形状パターンβを、ストリップ幅方向の中心から
の距離xの1次から4次までのべき級数からなる予め定
められた4つの関数(φ1〜φ4)の線形結合により関数
近似を行い、この関数近似によるそれぞれの関数の4つ
の係数(A1〜A4)を示すパラメータを偏差計算装置5
に出力する。
【0005】この関係を図8に示す。φ1およびφ3はそ
れぞれ1次および3次の関数であり、金属ストリップ1
の幅方向中央に対して非対称な関数、φ2およびφ4はそ
れぞれ2次および4次の関数であり、対称な関数であ
る。これらの関数は、金属ストリップ1の中央からの距
離xの関数として、β(x),φ1(x)〜φ4(x)と
記述される場合もあるし、形状検出器からの検出値は幅
方向に離散的に計測されるので、この検出器の配置に合
わせた幅方向の位置符号i(i=−N,−N+1,…,
−1,0,1,…,N−1,N)の関数として、β
(i),φ1(i)〜φ4(i)と離散的に記述される場
合もある。偏差計算装置5は、この認識装置3から入力
されたパラメータと予め入力装置4から入力された目標
形状を示すパラメータ(A1O〜A4O)との偏差を計算
し、これらのパラメータの非対称成分を示す1次と3次
の関数のパラメータ偏差値(ΔA1およびΔA3)を計算
装置6に出力し、パラメータの対称成分を示す2次と4
次の関数のパラメータ偏差値(ΔA2およびΔA4)を加
算装置9に出力する。
【0006】計算装置6は、偏差計算装置5から入力さ
れた非対称成分を示すパラメータから影響係数を乗じ
て、この圧延機の各種操作端(アクチュエータ)のう
ち、非対称成分の形状を制御する操作量を算出し、この
値をリミット装置7に出力する。リミット装置7は、そ
の操作量を操作端13が形状制御可能な範囲に制限し
て、指令装置12に出力し、この指令装置12を介し
て、対応する操作端13を制御する。さらに、リミット
装置7の出力は、非対称成分の操作によって発生する対
称成分への影響を補償するためにゲイン調整装置8に送
られ、ゲイン調整装置8は、この非対称成分に対する操
作量から影響係数を乗じて対称成分のパラメータに対す
る補償値を計算し、加算装置9に出力する。
【0007】加算装置9は、偏差計算装置5から入力さ
れた対称成分を示すパラメータと、非対称成分の補償値
として、ゲイン調整装置8から入力された補償値とを加
算し、この値を対称成分のパラメータ偏差値として計算
装置10に出力する。計算装置10は、入力された対称
成分を示すパラメータ偏差値から影響係数を乗じて、こ
の圧延機の各操作端のうち、対称成分の形状を制御する
操作量を算出し、この値をリミット装置11に出力す
る。リミット装置11は、その操作量を操作端13が形
状制御可能な範囲に制限して、指令装置12に出力し、
この指令装置12を介して、対応する操作端13を制御
する。操作端13は、具体的には圧延機によって異なる
が、例えば、非対称成分を制御するものとしては、圧下
レベリング、非対称ベンダなどを使用し、対称成分を制
御するものとしては、WRベンダ、IMRベンダなどを
使用する。このようにして、目標とする金属ストリップ
1の目標形状を4つのパラメータで与えて、金属ストリ
ップ1を任意の形状に形状制御することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の圧延機の形状制
御装置は、以上のように構成されており、金属ストリッ
プの形状パターンを目標パターンに形状制御するのに、
圧延機の操作端を操作するので、圧延後の金属ストリッ
プの板厚に対しても影響を及ぼしてしまう。すなわち、
形状制御による影響が、板厚制御(AGC)を行う装置
に対して外乱として働き、μm単位で制御されている板
厚の寸法品質を低下させてしまうという問題があった。
また、金属ストリップの形状品質を1次から4次までの
4次のべき級数からなる関数で近似して制御するため、
4次の形状を越える偏差は制御できず、特に6次の形状
偏差が残ってしまうという問題点があった。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、圧延プロセスにおける形状制
御に対する精度を高め、板厚および形状に代表される寸
法品質の高い圧延を行う圧延機の形状制御装置を得るこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る圧延機の形状制御装置は、形状制御によって生じる圧
延後の金属ストリップの板厚への影響を、形状制御に使
用する変量から板厚補正値として求め、圧延後の金属ス
トリップの板厚を制御する板厚制御装置に対して、上記
板厚補正値を出力する非干渉化装置を設けたものであ
る。
【0011】この発明の請求項2に係る圧延機の形状制
御装置は、板厚補正値を、形状制御によって圧延機の複
数の操作端に加えられる操作量の関数として求める手段
を設けたものである。
【0012】この発明の請求項3に係る圧延機の形状制
御装置は、板厚補正値を、形状制御に使用する圧延機の
複数の操作端から検出される各操作端の変位量の関数と
して求める手段を設けたものである。
【0013】この発明の請求項4に係る圧延機の形状制
御装置は、金属ストリップの幅方向中央に関し対称な成
分を持つ5つ目の関数を設け、この5つ目の関数に対応
するパラメータの目標値を0とし、圧延後の金属ストリ
ップの形状パターンを、形状検出器の出力から導出され
る5つのパラメータとして検出し、検出されたこれら5
つのパラメータと各パラメータの目標値との偏差値のう
ち、5つ目の関数に対応するパラメータの偏差値Aと他
の4つのパラメータのうち、対称な成分を持つパラメー
タの偏差値Bとの正負の組合せケースにより、A,B両
方の偏差値がともに0に漸近するよう制御ロジックを切
り替える手段を設けたものである。
【0014】
【作用】この発明の請求項1に係る圧延機の形状制御装
置は、非干渉化装置が、形状制御によって生じる圧延後
の金属ストリップの板厚への影響を、形状制御に使用す
る変量から板厚補正値として求め、圧延後の金属ストリ
ップの板厚を制御する板厚制御装置に対して、上記板厚
補正値を出力する。
【0015】この発明の請求項2に係る圧延機の形状制
御装置は、非干渉化装置が、板厚補正値を、形状制御に
よって圧延機の複数の操作端に加えられる操作量の関数
として求め、圧延後の金属ストリップの板厚を制御する
板厚制御装置に対して、上記板厚補正値を出力する。
【0016】この発明の請求項3に係る圧延機の形状制
御装置は、非干渉化装置が、板厚補正値を、形状制御に
使用する圧延機の複数の操作端から検出される各操作端
の変位量の関数として求め、圧延後の金属ストリップの
板厚を制御する板厚制御装置に対して、上記板厚補正値
を出力する。
【0017】この発明の請求項4に係る圧延機の形状制
御装置は、金属ストリップの幅方向中央に関し対称な成
分を持つ5つ目の関数を設け、この5つ目の関数に対応
するパラメータの目標値を0とし、圧延後の金属ストリ
ップの形状パターンを、形状検出器の出力から導出され
る5つのパラメータとして検出し、検出されたこれら5
つのパラメータと各パラメータの目標値との偏差値のう
ち、5つ目の関数に対応するパラメータの偏差値Aと他
の4つのパラメータのうち、対称な成分を持つパラメー
タの偏差値Bとの正負の組合せケースにより、A,B両
方の偏差値がともに0に漸近するよう制御ロジックを切
り替える。
【0018】
【実施例】
実施例1.以下この発明の実施例1を図1に基づいて説
明する。図1はこの実施例1の圧延機の形状制御装置を
示すブロック図であり、図において、15はリミット装
置7の出力である非対称成分に係わる操作端への操作量
を入力とし、AGC非干渉化を行うAGC非干渉ロジッ
ク(非対称分)、16はリミット装置11の出力である
対称成分に係わる操作端への操作量を入力し、AGC非
干渉化を行うAGC非干渉ロジック(対称分)、17は
AGCを行う圧下制御装置、18は圧下位置を設定する
圧下プリセット値、19は圧下定位制御を行う制御回
路、20は圧下装置を操作する操作端、21は圧下位置
を検出する圧下位置検出装置であり、他の符号1〜14
は、従来の圧延機の形状制御装置と同じでる。
【0019】次に動作について説明する。従来の圧延機
の形状制御装置と同様の形状制御により、入力装置4か
ら目標とする金属ストリップ1の目標形状を4つのパラ
メータで与えて、金属ストリップを任意の形状に保つよ
う操作端を制御する。AGC非干渉ロジック15および
16は、この形状制御による板厚寸法への影響をなくす
ため、形状制御を行う操作端に加えられる操作量から影
響係数を乗じて、AGCに対する板厚補正値を計算し、
圧下制御装置17の圧下プリセット値18に加算する。
制御回路19は、この加算値と圧下位置検出装置21か
らの検出値の偏差を求め、この偏差に従って、圧下装置
の操作端20を動作させる。
【0020】AGC非干渉ロジック15の出力Aおよび
AGC非干渉ロジック16の出力Bを加えたAGC非干
渉出力は、次の(1)式によって、演算される。
【0021】
【0022】ただし、iは形状制御の操作端の番号を示
す数(全部でn個)、ui は各形状制御の操作端の操作
量、αiは各形状制御の操作端の操作量に対する板厚へ
の影響係数である。この影響係数αiは、この操作端の
操作量uiを単位微小量変化させたときの金属ストリッ
プ1の板厚の変化量を試験的に計測することにより、
(1)式から逆算して求められる。
【0023】以上のように、この実施例1によれば、形
状制御による操作端の操作量の変動による板厚への影響
量を、板厚補正値として圧下制御装置の板厚制御に非干
渉となるようフィードフォワードに与えるようにしたの
で、圧延機の形状制御による金属ストリップの板厚への
影響を取り除くことができ、形状制御の精度を高めると
ともに、板厚精度をも向上することができるという効果
がある。
【0024】実施例2.図2は、この発明の実施例2で
ある圧延機の形状制御装置を示すブロック図であり、図
において、22は手動にて形状制御の操作端を指令装置
12を介して操作するための手動スイッチ、23は形状
制御の各操作端ごとにに設けられ、操作端の変位量を検
出する検出装置、24は検出装置23の出力である操作
端の変位量を示す信号から圧下制御装置17に対して、
AGC非干渉化を行うAGC非干渉ロジックであり、他
の符号は、実施例1の圧延機の形状制御装置(図1参
照)と同じである。この発明の実施例2の圧延機の形状
制御装置は、実施例1のAGC非干渉装置15及び16
(図1参照)の代わりに、操作端13の変位量を検出装
置23にて検出し、この検出された変位量を元にAGC
非干渉のための板厚補正値を演算するAGC非干渉ロジ
ック24を設けたものである。
【0025】次に動作について説明する。実施例1の場
合と同様、入力装置4から目標とする金属ストリップ1
の目標形状を4つのパラメータで与えて、金属ストリッ
プを任意の形状に保つよう操作端を形状制御する。AG
C非干渉ロジック24は、この形状制御による板厚寸法
への影響をなくすため、形状制御を行う操作端の変位量
を検出装置23にて検出し、この検出された変位量から
影響係数を乗じて、AGCに対する板厚補正値を計算
し、圧下制御装置17の圧下プリセット値18に加算す
る。制御回路19は、この加算値と圧下位置検出装置2
1からの検出値の偏差を求め、この偏差に従って、圧下
装置の操作端20を動作させる。手動で形状制御の操作
端を動作させる場合は、手動スイッチ22を操作して、
指令装置12を介して形状制御の操作端を動作させるこ
とになる。この場合の操作端の変位量は、上記と同様に
検出装置23によって検出され、AGC非干渉ロジック
24に出力される。
【0026】AGC非干渉ロジック24の出力であるA
GC非干渉出力は、次の(2)式によって、演算され
る。
【0027】
【0028】ただし、iは形状制御の操作端の番号を示
す数(全部でn個)、Ji は各形状制御の操作端の形状
制御入り時にロックオンした値からの各操作端の変位
量、βiは各形状制御の操作端の変位量に対する板厚へ
の影響係数である。この影響係数βiは、この操作端の
変位量Jiを単位微小量変化させたときの金属ストリッ
プ1の板厚の変化量を試験的に計測することにより、
(2)式から逆算して求められる。
【0029】以上のように、この実施例2によれば、形
状制御による操作端の変位量の変動による板厚への影響
量を、板厚補正値として圧下制御装置の板厚制御に非干
渉となるようフィードフォワードに与えるようにしたの
で、圧延機の形状制御による金属ストリップの板厚への
影響を取り除くことができ、形状制御の精度を高めると
ともに、板厚精度をも向上することができるという効果
がある。また、非干渉ロジックの入力として形状制御の
操作端の変位量の検出値を使用するので、オペレータが
手動で形状制御の操作端を操作したものも含めて、AG
C非干渉化を図ることができるという効果がある。
【0030】実施例3.図3は、この実施例3の圧延機
の形状制御装置を示すブロック図であり、図において、
25は、形状検出装置2から検出した形状分布信号か
ら、1次から4次までのべき級数(φ1〜φ4)に加え6
次のべき級数(φ6)も扱えるようにした認識装置、2
6はこれら5つの関数の近似によって得られる5つのパ
ラメータ(A1〜A4およびA6)と入力装置4の目標形
状を表すパラメータ(A1O〜A4OおよびA6O、ただしA
6O=0固定)との偏差を計算する偏差計算装置、27は
これらのパラメータの偏差値の内、4次と6次の偏差値
を入力し、その偏差の組合せによって制御方向を判定す
る4次/6次偏差判定装置、28は4次/6次偏差判定
装置27の判定した制御ロジックからその操作端への操
作量を演算する4次/6次制御装置、29は4次/6次
制御装置の出力の上限および下限をチェックするリミッ
ト装置、30は4次/6次の形状制御において動作する
操作端であり、他の符号は、実施例1の圧延機の形状制
御装置(図1参照)と同じである。
【0031】次に動作について説明する。1次〜4次ま
でのうち4次を除く次数を有する形状パターンに対する
形状制御の動作は、実施例1の場合と同じである。即
ち、便宜上4次のパラメータ偏差値を0とした時の実施
例1の動作と同じとなる。また、4次および6次の形状
パターンに対する制御の方法は以下の通りである。ま
ず、形状検出装置2から検出された形状分布信号は、認
識装置で1次〜4次および6次のべき級数からなる関数
(φ1〜φ4およびφ6)の線形結合によって近似され
る。このときの各関数の係数であるパラメータ(A1〜
A4およびA6)と入力装置4のパラメータとの偏差が偏
差計算装置26で計算される。入力装置4から入力され
た目標形状を示すパラメータ(A1O〜A4O)は4つであ
るので、偏差計算装置26は、6次のパラメータの目標
値を0(A6O=0)として、偏差値(ΔA1〜ΔA4およ
びΔA6)を計算する。4次のパラメータの偏差値ΔA4
は、ゲイン調整装置8の補正値を加えた値に補正され
て、加算装置9から4次/6次偏差判定装置27に入力
される。6次のパラメータの偏差値ΔA6は、そのまま
4次/6次偏差判定装置27に入力される。4次/6次
偏差判定装置27は、図4の制御方向の領域を示す図に
おいて、4次と6次の偏差値の組合せによる領域(A,
B,C,D,E,a,b,c,d)を判定し、4次/6
次制御装置28は、図の制御方向を示す矢印に従ってそ
の制御ロジックを切り替え、リミット装置29および指
令装置12を介して操作端30を制御し、4次と6次の
偏差を両方とも0に漸近させる。
【0032】図5に圧延機の4次/6次形状制御の操作
端30の構造の例を示す。図において、31は分割ロー
ル(中央断面を図示)、32はこの7つの分割ロールの
中央を支える支持軸、33はこの分割ロール31に接す
る中間ロール(IMR)であり、分割ロール31を図中
の記号と矢印で示す方向に偏心させることにより、中間
ロール33およびワークロール14を介して金属ストリ
ップ1の形状を変化させることができる。図6は分割ロ
ール31の偏心と形状変化の関係を示した図であり、図
の(a)は分割ロール31にQIおよびQOの偏心を同時
に与えることにより、4次の関数φ4に沿った形状変化
を操作端30に発生させ、図の(b)は分割ロール31
にQIおよびEの偏心を同時に与えることにより、6次
の関数φ6に沿った形状変化を操作端30に発生させる
ことを示している。従って、分割ロール31の偏心量Q
I:QO:Eを一定の比率Gqi:Gqo:Geにして動作さ
せるとすると、次の(3)式の比率で4次の形状制御を
行い、
【0033】 QI:QO:E = Gqi:Gqo:0 …(3)
【0034】次の(4)式の比率で6次の形状制御を行
うことができる。
【0035】 QI:QO:E = Gqi: 0 :Ge …(4)
【0036】4次/6次制御装置は、これらの分割ロー
ル31の偏心量QI、QO、Eを操作し、図6の(a)お
よび(b)のように変形させて、上記の組合せで図4に
示す制御方向に形状を制御する。この操作量を伝達関数
で数式表示すると次のようになる。
【0037】 QI =(V4・Tc・1/s・y4 + V6・Tc・1/s・y6)・Gqi …(5) QO =(V4・Tc・1/s・y4)・Gqo …(6) E =(V6・Tc・1/s・y6)・Ge …(7)
【0038】ただし、(5)〜(7)式において、y4
およびy6は、図4に示されたそれぞれ4次および6次
の偏差に対する制御方向を示す係数であり、その領域に
よって表1のように変化する。また、V4およびV6は、
それぞれ4次および6次の偏差に対する修正速度、Tc
は制御装置の制御周期、sはラプラス変換のsを示す。
さらにまた、Gqi,GqoおよびGeは、それぞれ分割ロ
ール31の偏心量QI、QO、Eに対応する影響係数であ
り、金属ストリップ1の幅寸法によって実験的に定まる
値である。なお、図4の領域Eはデッドバンド領域とし
て、この内側の範囲に4次/6次の偏差が入れば、上記
動作を停止させる。
【0039】
【表1】
【0040】以上のように、実施例3の圧延機の形状制
御装置によれば、圧延後の金属ストリップの4次の形状
を制御するとともに、最短の形状変化ルートで、即ち図
4の矢印方向で、6次の偏差をも0にするように形状制
御することができるので、6次の形状偏差が残らず、精
度の高い形状制御が可能となる。
【0041】なお、上記実施例では、金属ストリップの
形状を金属ストリップの幅方向中心からの距離の1次〜
4次および6次のべき級数で関数を表したが、三角関数
等の関数を用いてもよい。
【0042】
【発明の効果】この発明は以上に説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0043】この発明の請求項1に係る圧延機の形状制
御装置は、形状制御によって生じる圧延後の金属ストリ
ップの板厚への影響を、形状制御に使用する変量から板
厚補正値として求め、圧延後の金属ストリップの板厚を
制御する板厚制御装置に対して、上記板厚補正値を出力
するよう構成したので、圧延機の形状制御による金属ス
トリップの板厚への影響を取り除くことができ、形状制
御の精度を高めるとともに、板厚精度をも向上すること
ができるという効果がある。
【0044】この発明の請求項2に係る圧延機の形状制
御装置は、形状制御によって生じる圧延後の金属ストリ
ップの板厚への影響を、形状制御によって圧延機の複数
の操作端に加えられる操作量から板厚補正値として求
め、圧延後の金属ストリップの板厚を制御する板厚制御
装置に対して、上記板厚補正値を出力するよう構成した
ので、圧延機の形状制御による金属ストリップの板厚へ
の影響を取り除くことができ、形状制御の精度を高める
とともに、板厚精度をも向上することができるという効
果がある。
【0045】この発明の請求項3に係る圧延機の形状制
御装置は、形状制御によって生じる圧延後の金属ストリ
ップの板厚への影響を、形状制御に使用する圧延機の複
数の操作端から検出される各操作端の変位量から板厚補
正値として求め、圧延後の金属ストリップの板厚を制御
する板厚制御装置に対して、上記板厚補正値を出力する
よう構成したので、圧延機の形状制御による金属ストリ
ップの板厚への影響を取り除くことができ、形状制御の
精度を高めるとともに、板厚精度をも向上することがで
きるという効果がある。また、非干渉ロジックの入力と
して形状制御の操作端の変位量の検出値を使用するの
で、オペレータが手動で形状制御の操作端を操作したも
のも含めて、板厚制御への非干渉化を図ることができる
という効果がある。
【0046】この発明の請求項4に係る圧延機の形状制
御装置は、金属ストリップの幅方向中央に関し対称な成
分を持つ5つ目の関数を設け、この5つ目の関数に対応
するパラメータの目標値を0とし、圧延後の金属ストリ
ップの形状パターンを、形状検出器の出力から導出され
る5つのパラメータとして検出し、検出されたこれら5
つのパラメータと各パラメータの目標値との偏差値のう
ち、5つ目の関数に対応するパラメータの偏差値Aと他
の4つのパラメータのうち、対称な成分を持つパラメー
タの偏差値Bとの正負の組合せケースにより、A,B両
方の偏差値がともに0に漸近するよう制御ロジックを切
り替えるように構成したので、圧延後の金属ストリップ
の4つ関数で表される形状を制御するとともに、5つめ
の関数の偏差をも0にするように形状制御することがで
きるので、より精度の高い形状制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1を示す圧延機の形状制御
装置のブロック図である。
【図2】 この発明の実施例2を示す圧延機の形状制御
装置のブロック図である。
【図3】 この発明の実施例3を示す圧延機の形状制御
装置のブロック図である。
【図4】 この発明の実施例3を示す圧延機の形状制御
装置の4次/6次偏差による制御方向の領域を示す図で
ある。
【図5】 この発明の実施例3を示す圧延機の形状制御
装置の4次/6次制御の操作端の構造を示す図である。
【図6】 この発明の実施例3を示す圧延機の形状制御
装置の分割ロールの偏心と形状変化の関係を示した図で
ある。
【図7】 従来の圧延機の形状制御装置を示すブロック
図である。
【図8】 従来の圧延機の形状制御装置の関数近似を示
す概念図である。
【符号の説明】
1 金属ストリップ 2 形状検出装
置 4 入力装置 5 偏差計算装
置 6,10 計算装置 13 操作
端 15,16,24 AGC非干渉ロジック 17 圧
下制御装置 27 4次/6次偏差判定装置 28 4次/6
次制御装置 30 操作端

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機の複数の操作端を操作することに
    より、圧延後の金属ストリップの幅方向の形状を制御す
    る圧延機の形状制御装置において、上記形状制御によっ
    て生じる圧延後の金属ストリップの板厚への影響を、上
    記形状制御に使用する変量から板厚補正値として求め、
    圧延後の金属ストリップの板厚を制御する板厚制御装置
    に対して、上記板厚補正値を出力する非干渉化装置を備
    えたことを特徴とする圧延機の形状制御装置。
  2. 【請求項2】 板厚補正値を、形状制御によって圧延機
    の複数の操作端に加えられる操作量の関数として求める
    ことを特徴とする請求項1記載の圧延機の形状制御装
    置。
  3. 【請求項3】 板厚補正値を、形状制御に使用する圧延
    機の複数の操作端から検出される各操作端の変位量の関
    数として求めることを特徴とする請求項1記載の圧延機
    の形状制御装置。
  4. 【請求項4】 金属ストリップの圧延後の形状パターン
    を、上記金属ストリップの幅方向中央に関し、対称な成
    分と非対称な成分のいずれか一方に関係する4つの関数
    の線形結合によって表現し、圧延後の金属ストリップに
    所望される形状パターンを、上記関数の4つの係数を示
    すパラメータによって形状目標値として与え、圧延後の
    金属ストリップの形状パターンを、形状検出器の出力か
    ら導出される4つのパラメータとして検出し、これらの
    パラメータの偏差値により、圧延機の各操作端の操作量
    を求め、各操作端を操作することにより金属ストリップ
    の圧延後の形状を任意の目標形状に制御する圧延機の形
    状制御装置において、上記4つの関数に加えて、上記金
    属ストリップの幅方向中央に関し対称な成分を持つ5つ
    目の関数を設け、この5つ目の関数に対応するパラメー
    タの目標値を0とし、圧延後の金属ストリップの形状パ
    ターンを、形状検出器の出力から導出される5つのパラ
    メータとして検出し、検出されたこれら5つのパラメー
    タと各パラメータの目標値との偏差値のうち、5つ目の
    関数に対応するパラメータの偏差値Aと他の4つのパラ
    メータのうち、対称な成分を持つパラメータの偏差値B
    との正負の組合せケースにより、A,B両方の偏差値が
    ともに0に漸近するよう制御ロジックを切り替えること
    を特徴とする圧延機の形状制御装置。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58138508A (ja) * 1982-02-15 1983-08-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 圧延機の板厚、形状制御装置
JPS61132213A (ja) * 1984-12-03 1986-06-19 Hitachi Ltd 圧延材の形状制御方法
JPS63212007A (ja) * 1987-02-26 1988-09-05 Kobe Steel Ltd 多段圧延機における板厚と形状の非干渉制御法

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