JPH10263650A - クラスター圧延機の形状制御方法 - Google Patents

クラスター圧延機の形状制御方法

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JPH10263650A
JPH10263650A JP9067041A JP6704197A JPH10263650A JP H10263650 A JPH10263650 A JP H10263650A JP 9067041 A JP9067041 A JP 9067041A JP 6704197 A JP6704197 A JP 6704197A JP H10263650 A JPH10263650 A JP H10263650A
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Shigemasa Nakagawa
繁政 中川
Yuji Kaga
祐司 加賀
Shigeaki Sugimoto
重明 杉本
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板形状における1次及び3次の非対称形状
成分を共に改善可能な形状制御を行う。 【解決手段】 被圧延材1の幅方向の複数個所から伸び
率を示す板形状を検出し、検出した形状信号を、伸び率
に対応して予め定めてある1次〜4次の正規化直交関数
である(1)〜(4)式の未知数xに代入し、(5)式
に従って形状モード係数A1 〜A4 を算出し、これらと
予め定めてある目標値A01〜A04との偏差ΔA1 (低次
奇数次成分)とΔA3 (高次奇数次成分)とを抽出分離
し、これらに基づいて圧下レベリング制御量と非対称中
間ロールベンダー制御量とを求め、これらに従って圧下
レベリング制御と非対称中間ロールベンダー制御を同時
に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラスター圧延機
を用いた被圧延材の形状制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来におけるクラスター圧延機
の形状制御方法を実施するための装置の構成を示すブロ
ック図であり、図中1は被圧延材、10はクラスター圧
延機を示している。
【0003】クラスター圧延機10は、上,下1対のワ
ークロール11、上,下各1対の中間ロール12及び軸
方向に複数区分に分割されたバックアップロール13を
備えており、これらロールを用いた圧下レベリング制
御、中間ロールベンダー制御及び分割バックアップロー
ルクラウン制御等による形状制御が可能となっている。
【0004】被圧延材1はクラスター圧延機10の出側
において、分割バックアップロール13の分割域夫々に
合わせて被圧延材1の幅方向に配設した複数の形状検出
器SE(SE1 〜SEn )にて板形状を検出される。各
形状検出器SEからの形状検出信号は形状検出部2へ取
り込まれ、ここで被圧延材1の幅方向における各区分毎
の板形状が伸び率を表す形状信号として求められ、形状
制御部3へ与えられる。
【0005】形状検出部2から被圧延材1の幅方向にお
ける各区分i毎の形状信号が形状制御部3へ入力される
と、形状制御部3は予め記憶してある1次から4次の下
記(1)〜(4)式で示す正規化直交関数φ1 (i)〜
φ4 (i)のxに前記形状信号を代入し、板形状を関数
で近似する。
【0006】 φ1 (i)=b・x(i) …(1) φ2 (i)=c・x2 (i)+d …(2) φ3 (i)=e・x3 (i)+f・x(i) …(3) φ4 (i)=g・x4 (i)+h・x2 (i)+k …(4) 但し、b〜h,k: 直交関数係数 i: 形状検出器の番号(チャンネル番号)
【0007】次に下記(5)式に従って形状モード係数
1 〜A4 を演算する。
【0008】
【数1】
【0009】各形状モード係数には予め実験的、経験的
に各目標値A01〜A04が設定されて形状制御部3の記憶
部に格納されており、(5)式に従って形状モード係数
1〜A4 が算出されると、これらと各目標値A01〜A
04との偏差ΔA1 〜ΔA4 を算出し、この偏差ΔA1
ΔA4 の正,負の符号及びその値に基づき前述した圧下
レベレング制御、中間ロールベンダー制御、分割バック
アップロールクラウン制御夫々の制御量を求め、夫々の
アクチュエータを動作させる。
【0010】a)圧下レベレング制御 圧下レベリング制御は、図5に示す圧下レベリング制御
装置14を用いて上,下のワークロール11間のロール
ギャップを、その軸心線方向において片側で広く、他側
で狭くする制御であり、被圧延材1に片伸びが存在する
場合にこれを修正するのに有効な制御方法である。具体
的には、前述した偏差ΔA1 、ΔA3 が共に正の値の場
合は被圧延材1のオペレータサイド側を、また共に負の
値の場合はドライブサイド側を夫々制御量ΔA1 、ΔA
3 に対応してアクチュエータを操作し、左右のロールギ
ャップを調節する。
【0011】b)中間ロールベンダー制御 中間ロールベンダー制御には、上,下各1対の中間ロー
ル12夫々の軸間隔を均等に変更する、所謂対称ロール
ベンダー制御と、不均等に変更する非対称ロールベンダ
ー制御とがあり、被圧延材1が左, 右対称形ではある
が、中伸び、又は耳伸びが発生している場合にこれを修
正するのに有効な制御である。対象ベンダー制御におい
ては、偏差ΔA2 、ΔA4 が共に正の値の場合は、被圧
延材のエッジ部を延ばすべく、偏差ΔA2 ,ΔA4 を制
御量としてアクチュエータを操作し、軸間隔を調節す
る。
【0012】また偏差ΔA2 ,ΔA4 が負の値の場合
は、被圧延材1のセンタ部を延ばすべく、偏差ΔA2
ΔA4 を制御量としてアクチュエータを操作し、軸間隔
を調節する。一方、非対称ベンダー制御は、特開平4−
91809号公報に開示の技術では、前述した形状モー
ド係数A1 の補正値A1 ′を下記(6)式に従って演算
し、これを制御量としてアクチュエータを操作し、軸間
隔の調節を行う。
【0013】
【数2】
【0014】c)分割バックアップロールクラウン制御 分割バックアップロールクラウン制御は、軸心線方向の
複数個所で分割されているバックアップロール13にお
ける、各分割バックアップロール毎に、その軸心線位置
を上,下方向に変更することで、ロールクラウンを調節
する制御であり、被圧延材1が左, 右対称形を保ってい
る状態において中伸び,端伸び、クオータ伸びを修正す
るのに有効な制御方法であり、具体的には形状モード係
数A4 と目標値A04との偏差ΔA4 を制御量としてアク
チュエータを操作し、ロールクラウンを調節する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した如き
従来の形状制御方法では、鋼板の形状に高次非対称成分
が存在する場合、圧下レベレング制御の適用により形状
の1次成分が改善されても、逆に高次、例えば3次成分
が悪化し、良好な板形状が得られないという問題があっ
た。本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、
その目的とするところは、被圧延材の非対称形状成分を
低次と高次とに分離し、夫々の形状モード係数の偏差に
基づき制御量を算出し、これに従って圧下レベリング制
御と非対称中間ロールベンダー制御とを同時に行うこと
で非対称成分を効果的に抑制可能としたクラスター圧延
機による形状制御方法を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るクラスター
圧延機の形状制御方法は、圧延後の被圧延材の板形状
を、伸び率として検出し、検出した伸び率と、予め定め
てある板形状の伸歪分布に対応する低次から高次にわた
る複数の正規化直交関数とに基づき形状制御のための制
御量を算出する形状モード係数を求め、これら形状モー
ド係数夫々について予め設定してある目標値との偏差を
求め、この偏差に基づいて被圧延材の形状制御を行うク
ラスター圧延機の形状制御方法において、前記偏差とし
て前記正規化直交関数の低次奇数次成分の形状モード係
数の偏差及びこれよりも高い高次奇数次成分の形状モー
ド係数の偏差を求め、これらに基づいて前記圧下レベリ
ング制御及び中間ロールベンダーの非対称制御の制御量
を求めることを特徴とする。
【0017】本発明にあっては、低次奇数次成分の形状
モード係数の偏差と、高次奇数次成分の形状モード係数
の偏差を夫々求め、これから圧下レベレング制御、非対
称中間ロールベンダー制御夫々の制御量を求めて、圧下
レベレング制御,非対称中間ロールベンダー制御のアク
チュエータを操作して、これら両制御を同時的に行うこ
とで高次非対称成分の形状制御が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その実施の形態を
示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に
係るクラスター圧延機の形状制御方法を実施するための
装置の構成を示すブロック図であり、図中1は被圧延
材、10はクラスター圧延機を夫々示している。
【0019】クラスター圧延機10は、上,下1対のワ
ークロール11、上,下各1対の中間ロール12、同じ
く上,下各1対の分割バックアップロール13を備えて
おり、上,下のワークロール11,11間のロールギャ
ップを被圧延材1の幅方向において変化させる圧下レベ
レング制御装置14による圧下レベレング制御、上,下
各一対の中間ロール間距離を均等、又は不均等に変化さ
せることで対称又は非対称中間ロールベンダー制御、及
び軸心方向において複数に分割されたバックアップロー
ル13の軸心線を夫々個別に上,下方向に変位させてロ
ールクラウンを形成して制御する分割バックアップロー
ルクラウン制御による形状制御が可能となっている。
【0020】クラスター圧延機10の出側には、前記各
分割バックアップロールの夫々に対応させて、被圧延材
1の幅方向に複数の形状検出器SE(SE1 〜SEn
が設置されており、各形状検出器SEにて被圧延材1の
幅方向における各区分i毎の伸び率を含む形状が検出さ
れる。各形状検出器SE(SE1 〜SEn )からの形状
検出信号は、夫々形状検出部2に取り込まれる。形状検
出部2は各形状検出器SEから入力された形状検出信号
を処理して各区分i夫々における伸び率に対応した形状
信号を求め、形状制御部3へ与える。
【0021】形状制御部3には被圧延材1の寸法諸元、
寸法目標値、圧延スケジュール及びこれを達成するため
の被圧延材1の各パス毎の圧延条件等が予め記憶させて
あり、圧延条件を満たすための被圧延材1の初期温度、
及び各パス毎の形状制御量等を演算し、圧下レベレング
制御の圧下レベレング制御装置14、中間ロールベンダ
ー制御及び分割バックアップロールクラウン制御用のア
クチュエータ(いずれも図示せず)へ各制御量に対応し
た制御指令を発し、形状制御を実行させる。形状制御部
3において、入力された形状信号から各アクチュエータ
への制御指令を求める過程を図2に示すフローチャート
と共に説明する。
【0022】形状検出部2から被圧延材1の幅方向にお
ける各区分(1,2,3…n:一般化してiで示す)毎
の形状信号が形状制御部3へ入力されると (ステップS
1 )、形状制御部3は予め定めてある板形状の伸歪分布
に対応する低次から高次にわたる複数の前述した(1)
〜(4)式で示される正規化直交関数φ1 (i)〜φ 4
(i)(1次から4次又は5次)のxに前記形状信号を
代入し、次に前述した(5)式に従って形状モード係数
1 〜A4 を演算する (ステップS2 )。
【0023】各形状モード係数には予め実験的、又は経
験的に各目標値A01〜A04が設定されて、形状制御部3
の記憶部に格納されており、(5)式に従って形状モー
ド係数A1 〜A4 が算出されると、夫々の目標値A01
04との偏差ΔA1 〜ΔA4を算出する。そして、この
偏差ΔA1 〜ΔA4 のうち、低次奇数次(例えば1次)
成分である形状モード係数の偏差ΔA1 ,高次奇数次
(例えば3次又は5次)成分である形状モード係数の偏
差ΔA3 を用いて、下記(7)式に従って圧下レベリン
グ指令ΔSL 、非対称中間ロールベンダー指令ΔF
0 (差圧指令)を算出し (ステップS3 )、圧下レベリ
ング指令ΔSL は、圧下レベリング制御装置14へ、ま
た非対称中間ロールベンダー指令ΔF0 は非対称中間ロ
ールベンダーへ夫々出力し、夫々のアクチュエータを操
作して圧下レベリング制御及び非対称中間ロールベンダ
ー制御を行う (ステップS4 )。なお、他の偏差ΔA4
については、これを用いて分割バックアップロールクラ
ウン制御を上述した制御と並行的に行ってもよい。
【0024】
【数3】
【0025】(7)式では形状制御部3において、比例
積分コントローラを使用した場合を示しているが、これ
に限らず、比例積分微分コントローラを使用してもよ
い。図3は、被圧延材に対する各パス毎の制御内容の推
移を示す説明図であり、図3(a)は被圧延材の圧延速
度(mpm)、図3(b)はオペレーティングサイド
(O/S)の中間ロールベンダー圧力(kg/c
2 )、図3(c)は非対称ベンダー制御におけるオペ
レーティングサイドとドライブサイドとのベンダー差圧
(kg/cm2 )、図3(d),(e),(f)は偏差
ΔA1 ,ΔA2 ,ΔA 3 を示している。
【0026】図3(d),(e),(f)から明らか如
く、低次奇数次(1次)成分の形状モード係数の偏差Δ
1 、高次奇数次(3次)成分の形状モード係数の偏差
ΔA 3 がいずれもパス回数が増すに従って減少され、形
状の改善が図られていることが解る。
【0027】図4は本発明方法を適用した場合の被圧延
材の形状制御結果を示すグラフであり、図4(a)は偏
差ΔA1 ,ΔA3 が正の同符号の場合の制御結果を、ま
た図4(b)は偏差ΔA1 ,ΔA3 が異符号(ΔA1
正,ΔA3 :負)の場合の制御結果を示している。図6
は、同じ条件で本発明方法を適用しなかった(圧下レベ
レング制御のみを適用した)場合の形状制御結果を示す
グラフであり、図4(a)と図6(a),または図4
(b)と図6(b)とを対比すれば明らかな如く、図6
では左, 右の対称性が乱れているのに対し、本発明方法
では左,右の対称性が著しく改善されていることが解
る。
【0028】なお、上述の実施の形態にあっては、低次
奇数次成分を1次、高次奇数次成分を3次としたが、高
次奇数次成分については5次又はそれ以上であってもよ
い。
【0029】
【発明の効果】以上の如く本発明方法にあっては、被圧
延材に生じた形状の非対称成分を低次成分と高次成分と
に分割し、夫々の形状モード係数の偏差に基づき圧下レ
ベレング制御量と非対称中間ロールベンダー制御量とを
求め、これに従って圧下レベレング制御と非対称中間ロ
ールベンダー制御を行っているから、被圧延材に生じた
複合伸びに対し高精度の形状制御が可能となり、被圧延
材の対称性が向上する優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の構成を示す
ブロック図である。
【図2】形状制御のための制御指令の算出過程を示すフ
ローチャートである。
【図3】各圧延パス毎の制御内容の推移を示す説明図で
ある。
【図4】本発明方法を適用した場合の被圧延材の形状制
御結果を示すグラフである。
【図5】従来方法を実施するための装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】従来方法を適用した場合の被圧延材の形状制御
結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 被圧延材 2 形状検出部 3 形状制御部 10 クラスター圧延機 11 ワークロール 12 中間ロール 13 分割バックアップロール 14 圧下レベレング制御装置 SE1 〜SEn 形状検出器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延後の被圧延材の板形状を、伸び率と
    して検出し、検出した伸び率と、予め定めてある板形状
    の伸歪分布に対応する低次から高次にわたる複数の正規
    化直交関数とに基づき形状制御のための制御量を算出す
    る形状モード係数を求め、これら形状モード係数夫々に
    ついて予め設定してある目標値との偏差を求め、この偏
    差に基づいて被圧延材の形状制御を行うクラスター圧延
    機の形状制御方法において、 前記偏差として前記正規化直交関数の低次奇数次成分の
    形状モード係数の偏差及びこれよりも高い高次奇数次成
    分の形状モード係数の偏差を求め、これらに基づいて前
    記圧下レベリング制御及び中間ロールベンダーの非対称
    制御の制御量を求めることを特徴とするクラスター圧延
    機の形状制御方法。
JP09067041A 1997-03-19 1997-03-19 クラスター圧延機の形状制御方法 Expired - Lifetime JP3116853B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000218314A (ja) * 1999-01-27 2000-08-08 Sumitomo Metal Ind Ltd クラスタ圧延機および板形状制御法
JP2008307586A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Kobe Steel Ltd 圧延材の形状検出方法
CN102284507A (zh) * 2011-08-26 2011-12-21 秦皇岛首秦金属材料有限公司 一种针对高强度薄规格钢板的轧机板型控制方法

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