JP3470684B2 - フランジとウェブを有する形材のユニバーサル圧延における圧延速度の設定方法および装置 - Google Patents

フランジとウェブを有する形材のユニバーサル圧延における圧延速度の設定方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フランジとウェブを有
する形材のユニバーサル圧延に関するものであり、特
に、その圧延速度を決定若しくは修正する圧延速度の設
定方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】H形鋼等のフランジとウェブを有する形
鋼の圧延設備は、図1又は図2に示すように、ブレーク
ダウン圧延機10、粗ユニバーサル圧延機(図1は20
aと20bの2台、図2は20の1台)、エッジング圧
延機30、及び仕上げユニバーサル圧延機40の組み合
わせからなるのが普通であって、スラブやブルーム、あ
るいはビームブランク等の素材(圧延材料と称する)を
順次に圧延することによって、所定の断面寸法になる形
鋼が製造されている。
【0003】H形鋼の圧延方法を例にとると、上記の設
備に配置されるブレークダウン圧延機10は、ロール胴
に沿って開孔型または閉孔型を複数個設けた上下ロール
が配置された二重式の圧延機であって、ここではH形鋼
の粗形鋼片が圧延される。
【0004】又、上下一対の水平ロールと左右一対の垂
直ロールとを備えた粗ユニバーサル圧延機20では、ブ
レークダウン圧延によって得られた粗形鋼片の圧延が更
に進められ、図3に示すように、上下一対の水平ロール
22により形成されるロール隙によって、圧延材料8の
ウェブが、その厚さ方向に圧下されると共に、左右それ
ぞれの垂直ロール24と上下水平ロール22の側面で形
成される4つのロール隙によって、上下左右4つのフラ
ンジが、その厚さ方向に圧下される。
【0005】フランジ幅については、図4に示すよう
に、粗ユニバーサル圧延機20と対で用いられるエッジ
ング圧延機30のエッジャーロール32によって、所定
の寸法にまで圧下される。
【0006】上記の粗圧延は、素材が所定の断面寸法に
なるまで複数回繰り返され、その後、図5に示すよう
に、上下水平ロール42と垂直ロール44を備えた仕上
げユニバーサル圧延機40により、フランジ、ウェブの
厚み圧下に加え、フランジの角度おこしを行う仕上げユ
ニバーサル圧延によって、最終製品寸法に仕上げられ
る。
【0007】以前は、このようなユニバーサル圧延に対
して、圧延速度の設定をオペレータが手動で行っていた
が、近年では、生産性の向上やオペレータの負荷の軽減
の観点から、自動化が指向されるようになってきた。
【0008】圧延速度の設定を自動で行う場合には、圧
延ロールを回転させるモータ(以下、ミルモータ)やス
ピンドル等、圧延機の駆動系に作用する負荷が過大にな
らないように留意する必要がある。駆動系の負荷(特に
ミルモータへの負荷)が過大なときは、圧延を途中で断
念し素材が製品とならない、いわゆる「ミスロール」の
発生や、最悪の場合には設備破損に至る危険がある。
【0009】圧延機の駆動系の負荷に影響を与える因子
として、材料の厚みを圧下し塑性変形させる「圧延トル
ク」が挙げられる。又、材料の圧延速度や加速度も駆動
系の負荷に影響を及ぼす。このため、圧延トルクが大き
くなる場合には、圧延速度や加速度を小さく設定してや
る必要がある。そこで圧延トルクを予測して圧延速度や
加速度を設定することが肝要となる。
【0010】H形鋼の圧延トルクの予測式としては、昭
和47年度塑性加工春季講演会資料137頁〜140頁
(以下、文献1)がある。これは式(1)のように圧延
トルクGを表している。
【0011】 G=2Ph・φ・Ldw+2Pv・φ'・(Rh/Rv)・Ldf‥‥(1) Ph:水平ロール荷重 Pv:垂直ロール荷重 Ldw:ウェブとロールとの接触弧長 Ldf:フランジとロールとの接触弧長 Rh:水平ロール半径 Rv:垂直ロール半径 φ:板圧延トルクアーム係数 φ':竪ロールトルクアーム係数
【0012】従来は、上記の方法や過去の圧延実績か
ら、実績圧延トルクやミルモータの電流値を調査してお
き、これらが過大にならないように、圧延パススケジュ
ールや各圧延パスの圧延速度を予め設定しておき、圧延
を行うのが普通であった。
【0013】この他、圧延機の駆動系の負荷に影響を与
える因子として、複数スタンドでの圧延速度のアンバラ
ンス(スタンド間張力の影響)があり、これに関して
は、特開平3−146210号公報(特開平3−146
209号公報も類似)で、以下の技術が開示されてい
る。
【0014】タンデムに配置された粗ユニバーサル圧延
機(原文では単にユニバーサルスタンド、またエッジャ
ースタンドの記述もある)及び仕上げユニバーサル圧延
機でH形鋼を圧延するに際し、材料が粗ユニバーサル圧
延機に噛み込んだときの荷重及び圧延反力に基づいて圧
延トルクを演算し、材料寸法と温度から仕上げユニバー
サル圧延でのフランジの変形抵抗比率を演算し、この2
つの演算結果に基づいて、スタンド間の材料に作用する
張力が所定の値となるトルク偏差を演算し、該トルク偏
差の演算に基づき、仕上げユニバーサル圧延機のロール
の回転速度を修正する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−146210号公報に開示された技術は、H形鋼の
タンデム圧延での張力を制御する方法であり、材料先端
が噛み込まれたときの実測の圧延荷重から実測圧延トル
クを算出し、これに基づいて、スタンド間張力が目標値
になるように圧延速度を修正するものである。即ち、特
開平3−146210号公報の技術では、圧延前に圧延
トルクを予測し、これに基づいて圧延速度や加速度を設
定することはできない。
【0016】一方、文献1は、材料とロールとの接触弧
長と圧延荷重との積にトルクアーム係数を乗じて圧延ト
ルクを予測する方法であり、板圧延の場合をはじめとし
て良く用いられている方法である。しかしながら、特に
H形鋼などのフランジとウェブを有する形材の圧延で
は、フランジとウェブとの相互作用の影響もあり、トル
クアーム係数の推定誤差が大きくなることが多い。又、
圧延トルク予測のために圧延荷重も予測する必要がある
が、圧延荷重の予測誤差が、そのまま圧延トルクの予測
誤差につながる。即ち、トルクアーム係数の誤差と圧延
荷重の予測誤差が重畳し、広い圧延条件の範囲で精度良
く圧延トルクを予測することができなかった。
【0017】又、過去の圧延実績から、実績の圧延トル
ク等を調査し、圧延速度を予め設定する方法では、圧延
のパススケジュールを変更した時は勿論、日々の圧延操
業条件の細かな変化にも対応できないという問題を有し
ていた。
【0018】本発明の目的は、これらの問題点を解消
し、各ロールの基準位置を精度良く設定できる方法を提
供するところにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、フランジを有
する形材をユニバーサル圧延するにあたり、フランジの
断面積寸法、フランジの変形抵抗、フランジの厚み圧下
率、ウェブの断面積寸法、ウェブの変形抵抗、ウェブの
厚み圧下率、及びフランジ・ウェブの厚み圧下率の差を
パラメータとする関数から、圧延に必要なトルクを予測
し、この必要トルクに応じて、ユニバーサル圧延におけ
る圧延速度を決定もしくは修正するようにして、前記課
題を解決したものである。
【0020】又、圧延に必要なトルクの予測に際して、
フランジの断面積寸法とフランジの変形抵抗との積、及
びウェブの断面積寸法とウェブの変形抵抗との積と、フ
ランジ、ウェブそれぞれの厚み圧下率及びフランジとウ
ェブの厚み圧下率の差をパラメータとする関数との積か
ら、圧延に必要なトルクを予測するようにしたものであ
る。
【0021】本発明は、又、フランジとウェブとを有す
る形材を圧延するユニバーサル圧延機の圧延速度を設定
する装置であって、ユニバーサル圧延機の水平ロールを
回転させるモータと、該モータの回転を水平ロールに伝
達する伝達部と、圧延する形材をユニバーサル圧延機の
入側、出側それぞれで搬送するテーブルローラと、前記
形材のフランジ、ウェブそれぞれの変形抵抗、断面積、
厚み圧下率条件から、圧延トルクを計算する演算装置
と、該演算装置の計算結果に基づき、前記モータの回転
速度とテーブルローラの搬送速度を設定もしくは修正す
る指令装置とを備え、前記の方法で圧延速度を決定もし
くは修正するようにして、前記課題を解決したものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】H形鋼を例に、本発明に従うユニ
バーサル圧延での圧延トルクの予測方法について説明す
る。
【0023】最初に、文献1に記載される方法に従い、
圧延トルクを予測し、その精度を調査した。この結果を
図6に示す。文献1の方法では、圧延荷重も予測する必
要があるが、圧延荷重の予測も、同じく文献1に記載さ
れる方法に従った。多種・多様の寸法のH形鋼を、多種
・多様の条件で圧延している実機については、実測圧延
トルクに対する予測圧延トルクのばらつきが非常に大き
く、この理由として、トルクアーム係数の予測誤差以外
に、圧延荷重の予測誤差も重畳していることがわかっ
た。
【0024】結論として、文献1に記載される方法で圧
延トルクを予測し、圧延速度を設定することは危険であ
ると判断した。
【0025】そこで、本発明者らは、多種多様の素材寸
法・圧延条件から、圧延荷重の予測を介さずに直接、圧
延トルクを予測する方法を検討することにした。
【0026】このためにまず、H形鋼のモデル圧延実験
により、圧延トルクに及ぼす材料の寸法形状の影響や厚
み圧下率条件の影響の調査を行った。
【0027】その結果、まず、同じ寸法・形状の材料
を、同じ厚み圧下率条件で圧延した場合には、圧延トル
クは、その材料の変形抵抗Kに概略比例することを確認
した。なお、ここでは、Kを従来と同様に、材料の温度
T、化学成分C、Mn‥‥により定まる 関数fと、歪み
ε、歪み速度εdに依存するものとして、式(2)のよ
うに表した 。
【0028】 K=f(T,C,Mn,‥‥)・εn・εdm‥‥(2) ここで、n、mは係数である。
【0029】次に、材料の変形抵抗が同じで、フランジ
の厚み圧下率、ウェブの厚み圧下率が、それぞれほぼ同
じ圧延条件の場合について、圧延トルクは、図7に示す
ように、材料の断面積寸法に概略比例することを見出し
た。なお、図7で用いた断面積寸法は圧延前の寸法であ
るが、圧延後の寸法でも、ほぼ同様の結果が得られる。
【0030】又、材料の変形抵抗及び材料の寸法が同じ
場合について、種々の厚み圧下率条件で圧延を行った場
合、圧延トルクは、フランジ、ウェブの厚み圧下率の差
が一定の場合には、フランジ、ウェブの平均厚み圧下率
にほぼ比例すること(図8)、更には、フランジとウェ
ブとの厚み圧下率の差に依存して圧延トルクが増減する
こと(図9)を見出した。
【0031】なお、ここで厚み圧下率rは、圧延前の厚
みをh0、圧延後の厚みをh1として、式(3)のように対
数圧下率で定義したが、これは分数圧下率を用いても大
きな差はない。
【0032】 r=ln(h0/h1) ‥‥(3) (lnは自然対数を表す)
【0033】これらの結果に加えて、更に理論解析や実
機での圧延実績調査等の種々の検討を進めていき、結果
として式(4)に示すパラメータPを考案した。
【0034】 P=Kw・Aw・rw+Kf・Af・rf +α・(Kw・Aw+Kf・Af)・|rf−rw−β| …(4) ここで、Kは変形抵抗、Aは断面積、rは圧下率、α、
βは係数、添字w、fは、それぞれウェブ、フランジを
表している。
【0035】このパラメータPと圧延トルクTとの関係
を図10に示す。本発明のパラメータPで、圧延トルク
を精度良く表せることがわかる。
【0036】この結果より、パラメータPと圧延トルク
Tとの関係を、例えば式(5)のように表すことができ
る。
【0037】 T=Rh・[a・P+b・[1−exp(−c・P)]] ‥‥(5) ここで、Rhは水平ロール半径、a、b、cは係数であ
る。
【0038】式(5)を用いて予測した圧延トルクと実
際の圧延トルクとの関係を図11に示す。本方法によ
り、圧延トルクを精度良く予測できることがわかる。
【0039】次に、予測した圧延トルクから圧延速度お
よび加速度を設定する方法について説明する。なお、速
度の時間による変化率が加速度であるが、本願では、加
速度を含めて圧延速度と称している。
【0040】圧延速度のパターンは通常、図12に示す
ように、噛み込み前のベース速度域、噛み込み後での加
速域、定常速度域、圧延終了時の減速域というようにな
っている。なお、噛み込み前において、材料はテーブル
ローラによって搬送されており、テーブルローラの回転
速度は、圧延ロールの回転速度にあわせて設定されてい
る。
【0041】この加速域の加速の上限や定常域の速度の
上限は、ミルモータ等の駆動系設備の仕様により定まっ
ている。そこで、駆動系設備の仕様の上限を超えない範
囲でトップ(定常速度域の速度)が異なる数種の圧延速
度パターンを予め用意しておく。この場合、加速・減速
レートは、設備仕様から加速・減速時間が最短になるよ
うに定めることができる。
【0042】次いで、圧延トルクを(5)式で予測す
る。
【0043】そして、予測した圧延トルクをもとに、適
合する速度パターンを選択する。具体的には、例えば先
に示した予測圧延トルクが大きい場合には、加速度や定
常圧延速度が小さいパターンを選択し、予測圧延トルク
が小さい場合には、加速度や定常圧延速度が大きいパタ
ーンを選択する。
【0044】最後に、選択された速度パターンに基づ
き、加減速レートやトップ速度を決定する。
【0045】又、この他に、ミルモータ等の駆動系の負
荷は圧延トルクと圧延速度・加速度により定まるのであ
るから、駆動系の負荷を圧延トルクと速度・加速度との
関数として定めておき、これが設備仕様を超えない範囲
になるように速度・加速度を決定することもできる。
【0046】又、圧延速度の修正に際しては、まず、設
定された速度パターンに基づいて圧延を実施する。この
際、例えばミルモータに流れる電流値が、許容値の所定
割合(例えば90%)を超えるかどうかを監視する。
【0047】超えない場合には、次パスも設定通りの圧
延を継続する。超えた場合には、次パスの速度パターン
を、1段階負荷の少ない速度パターンに変更することが
できる。
【0048】次に、図面を参照して、本発明を実施する
のに用いて好適な装置を説明する。図13において、8
は圧延される材料、42はユニバーサル圧延機の水平ロ
ール(ユニバーサル圧延機では水平ロールのみが駆動
し、垂直ロールは通常無駆動である)、46は該水平ロ
ール42を駆動させるミルモータ(M)、43は該ミル
モータ46の回転をロール42に伝える伝達部、41
a、41bはユニバーサル圧延機の入側、出側それぞれ
で材料を搬送するテーブルローラである。又、48は演
算装置であり、測定装置50により測定された材料の温
度や、圧延前の実績寸法、及び当該パスでの目標寸法等
から、本発明の方法に従い圧延トルクを予測し、予測し
た圧延トルクから、適合する圧延速度パターンを選択す
る。52は指令装置であり、前記演算装置48で決定し
た速度パターンに基づき、前記ミルモータ46、テーブ
ルローラ41a、41bへ回転速度の指令を与える。
又、圧延中は、ミルモータ46の電流値iを監視し、許
容値の例えば90%を超えた場合には、次パスの速度パ
ターンを1ランク下げる。
【0049】なお、前記測定装置50で温度や寸法を測
定する代わりに、演算装置48内に材料温度や材料寸法
を計算する数式モデルを導入しておき、材料の温度や圧
延前の寸法を計算し、この温度・寸法を用いて圧延トル
クを計算しても良い。
【0050】
【実施例】図2に示したミル配列の工場において、図1
3に示した圧延速度設定装置を粗ユニバーサル圧延機に
組み込み、粗ユニバーサル圧延での圧延速度の設定を、
本発明に従い自動で行った。演算装置48内に粗ユニバ
ーサル圧延での各パスの材料温度や寸法等を計算する数
式モデルを導入しておき、粗ユニバーサル圧延開始前に
圧延トルクを予測した。そして、この予測圧延トルクに
従い、予め用意した数種類の圧延速度パターンから適正
な速度パターンを選択した(適合例1)。また比較のた
め、文献1に示される方法で、適合例と同様に圧延トル
クを予測し、この予測圧延トルクに従い圧延速度を設定
した場合(比較例1)、粗ユニバーサル圧延各パスの圧
延速度パターンを予め設定しておき、これに従い圧延速
度を設定した場合(比較例2)についても調査を行っ
た。
【0051】それぞれの場合について、5種類の製品寸
法となる素材を30本ずつ用意し、圧延を行った。この
ときの圧延状況を図14にまとめて示す。適合例1の場
合、全ての製品寸法に対し、駆動系の負荷が過大となる
こともなく(ミスロールの発生なく)、順調に圧延する
ことができた。これに対し、比較例1では、製品寸法B
(ウェブ高さ400mm、フランジ幅400mm、ウェ
ブ厚13mm、フランジ厚21mm、鋼種SM490
A)で、駆動系の負荷が過大となることによりミスロー
ルが5本発生し、比較例2では、製品寸法Cで、同様に
ミスロールが3本発生した。又、それぞれ圧延に要した
時間を比較しても、適合例1が短く(適合例1では適正
に圧延速度を設定できているため)、能率的に圧延を行
えることがわかった。
【0052】鋼種Bについて、本発明の効果を更に詳し
く示すため、適合例1、比較例1、2それぞれの代表素
材の、各パス毎に駆動系に作用した最大負荷の設備仕様
上限に対する割合(%)、ならびに定常域の圧延速度の
設備仕様上限に対する割合(%)を図15に示す。
【0053】図15より、本発明に従った場合には、駆
動系に働く負荷が過大になるという問題もなく、適正に
圧延が行えたことがわかる。又、粗ユニバーサル圧延に
所要した時間は166秒であった。これに対し、比較例
1では、4パス目の圧延トルクを実際よりかなり小さく
予測したため、圧延速度を大きく設定しすぎ、駆動系に
働く負荷が過大(100%超え)となって、ロールの回
転が止まり、ミスロールとなった。又、比較例2では、
4パス目の負荷が大きく、かなり危険であり、更には5
パス、7パス目などの速度の設定が遅すぎ、粗ユニバー
サル圧延に所要した時間は185秒と、適合例1に比較
して長時間を要した。
【0054】なお、本実施例では、図2の設備列による
H形鋼の圧延について示したが、図1の設備例を用いる
場合や、I形鋼や溝形鋼をユニバーサル圧延により製造
する場合についても、同様の効果が得られることを確認
している。又、本実施例では、圧延トルクの予測に基づ
き、圧延速度を速度パターンから選択・決定したが、予
め設定しておいた圧延基準速度を、予測圧延トルクに応
じて修正する場合についても、同様の効果が得られるの
は勿論のことである。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ユニバーサル圧延機の
圧延速度を、設備破損やミスロールの心配なく、自動で
設定することができる。又、圧延各パス毎に最適な圧延
速度を設定できるので、生産効率を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フランジとウェブを有する形鋼の圧延設備配列
の一例を示す模式図
【図2】同じく他の例を示す模式図
【図3】粗ユニバーサル圧延におけるH形鋼の圧下を示
す模式図
【図4】エッジング圧延におけるH形鋼の圧下を示す模
式図
【図5】仕上げユニバーサル圧延におけるH形鋼の圧下
を示す模式図
【図6】実測の圧延トルクと従来のトルク予測式による
予測圧延トルクとを比較する線図
【図7】圧延材料の断面積と圧延トルクとの関係を表す
線図
【図8】圧延材料のフランジ・ウェブの平均厚み圧下率
と圧延トルクとの関係を表す線図
【図9】圧延材料のフランジとウェブの厚み圧下率の差
と圧延トルクとの関係を表す線図
【図10】本発明のパラメータPと圧延トルクとの関係
を表す線図
【図11】実測の圧延トルクと本発明に従い予測した圧
延トルクとを比較する線図
【図12】ユニバーサル圧延における圧延速度の加減速
パターンの例を表す線図
【図13】本発明を実施するのに用いて好適な圧延速度
の設定装置の構成を表す模式図
【図14】本発明の適合例と比較例の圧延状況を比較し
て記す図表
【図15】同じく代表素材の、最大負荷の設備仕様上
限、及び、定常域の圧延速度の設備仕様上限に対する割
合を比較して示す図表
【符号の説明】
8…圧延素材 10…ブレークダウン圧延機 20、20a、20b…粗ユニバーサル圧延機 22、42…水平ロール 24、44…垂直ロール 30…エッジング圧延機 32…エッジャーロール 40…仕上げユニバーサル圧延機 41a、41b…テーブルローラ 43…伝達部 46…ミルモータ 48…演算装置 50…指令装置 52…測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 勇 岡山県倉敷市水島川崎通一丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平5−329522(JP,A) 特開 平4−143010(JP,A) 特開 平11−57830(JP,A) 特開 昭55−94704(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/08 B21B 37/00 - 37/78 B21C 51/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フランジとウェブを有する形材のユニバー
    サル圧延を行うにあたり、 フランジの断面積寸法、フランジの変形抵抗、フランジ
    の厚み圧下率、ウェブの断面積寸法、ウェブの変形抵
    抗、ウェブの厚み圧下率、及びフランジ・ウェブの厚み
    圧下率の差をパラメータとする関数から、圧延に必要な
    トルクを予測し、 この必要トルクに応じて、ユニバーサル圧延における圧
    延速度を決定もしくは修正することを特徴とする圧延速
    度の設定方法。
  2. 【請求項2】フランジの断面積寸法とフランジの変形抵
    抗との積、及びウェブの断面積寸法とウェブの変形抵抗
    との積と、フランジ、ウェブそれぞれの厚み圧下率及び
    フランジとウェブの厚み圧下率の差をパラメータとする
    関数との積から、圧延に必要なトルクを予測することを
    特徴とする、請求項1に記載の圧延速度の設定方法。
  3. 【請求項3】フランジとウェブとを有する形材を圧延す
    るユニバーサル圧延機の圧延速度を設定する装置であっ
    て、 ユニバーサル圧延機の水平ロールを回転させるモータ
    と、 該モータの回転を水平ロールに伝達する伝達部と、 圧延する形材をユニバーサル圧延機の入側、出側それぞ
    れで搬送するテーブルローラと、 前記形材のフランジ、ウェブそれぞれの変形抵抗、断面
    積、厚み圧下率条件から、圧延トルクを計算する演算装
    置と、 該演算装置の計算結果に基づき、前記モータの回転速度
    とテーブルローラの搬送速度を設定もしくは修正する指
    令装置とを備え、 請求項1又は請求項2に記載の方法で圧延速度を決定も
    しくは修正することを特徴とするユニバーサル圧延機の
    圧延速度の設定装置。
  4. 【請求項4】フランジの断面積寸法とフランジの変形抵
    抗との積、及びウェブの断面積寸法とウェブの変形抵抗
    との積と、フランジ、ウェブそれぞれの厚み圧下率及び
    フランジとウェブの厚み圧下率の差をパラメータとする
    関数との積から、圧延に必要なトルクを予測することを
    特徴とする圧延トルクの予測方法。
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