JPH089803Y2 - 硬貨出金筒における硬貨脱落防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、硬貨払い出し機における硬貨出金筒の下部
繰出し口から硬貨の繰出しを必要とする時は確実に出る
が自然脱落するのを防止できるようにした硬貨出金筒の
硬貨脱落防止装置に関する。

〔従来の技術〕

従来は、硬貨を重積装填して下部の繰出し口から押出
し片により硬貨を１枚ずつ外方へ繰り出すことができる
ように立設した硬貨出金筒において、実開昭59−138973
号公報に見られるように、スプリングにより弾圧される
ボール等のストッパーを繰出し口にのぞませて、硬貨の
自然落下を防止するような構造になつていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、ストッパーがスプリングにより常時弾
圧されているので、繰り出される硬貨に対し抵抗が大き
くなつて、繰り出しの障害となつたり、また、繰り出さ
れる硬貨が繰出し口の入口側に引つかかつて出金不能と
なつたり、しかも、出金動作が不良の際には、繰出し口
の近傍で硬貨が停滞したままになつてしまい大切な金銭
取引に重大な影響を生じ兼ねないといつた不都合を生じ
る恐れがあつた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、そのような不都合を解決し、確実に硬貨を
繰り出すことができるとともに硬貨が自然脱落するのを
良好に防止できるようにしたものであり、そのために、
繰り出し口の上方側に凹部を形成し、この凹部に水平方
向の支軸を設け、この支軸に繰り出し口を開閉自在とす
るシャッターを揺動自在に垂下させるとともに、支軸と
繰り出し口の間の凹部には磁石を取り付けるように構成
したものである。

〔作用〕

したがつて、非出金時には、磁石の吸着力によりシャ
ッターが繰出し口を閉じることになつて、硬貨の自然滑
落を防止できることになり、出金時には、繰り出される
硬貨によりシャッターは押し開かれるが、この一旦開か
れた状態にあっては、シャッターが磁石から離れてしま
うことで、シャッターには非常に弱い吸引力しか作用し
ないことになり、硬貨は円滑に放出され又例え出金動作
が不良となつても硬貨は残留しないように確実に繰り出
されることを得るのである。

〔実施例〕

次に、図面に示す実施例について説明する。（３）は
内部に硬貨を重積装填できる円筒形の硬貨出金筒で、硬
貨払い出し機に固設した４角筒状の出金筒（3a）の上方
に前記硬貨出金筒（３）を固着して立設し、前記出金筒
（3a）の底面には、押出し片（２）が通過できる中央の
隙間を挾んで底板（６）を張設し、該底板（６）の一端
側となる前記出金筒（3a）の下部一端側には、硬貨１枚
を繰り出すことができる繰出し口（１）を形成し、該繰
出し口（１）の上方側となる出金筒（3a）の外側面に形
成した凹部（７）の内方上部には支軸（８）を横架し、
該支軸（８）には、垂下すると下端が前記繰出し口
（１）内にのぞむことができる正面視コ状の薄板製シャ
ッター（５）の上部を回動可能に枢着し、前記凹部
（７）の内面には両磁石（４）（４）を装着し、該磁石
（４）（４）にシャッター（５）が吸着されると繰出し
口（１）を閉じることができるとともに、繰出し口
（１）から繰り出される硬貨によりシャッター（５）が
押し開かれるようにして構成する。

また、引張りばね（９）により下方に引張り付勢され
るとともに選択ソレノイド（10）により上方に吸引され
るホルダ（11）には横方向の長いガイド溝（12）を形成
し、前記した底板（６）上の硬貨を押出すことができる
押出し片（２）の横側方に突出した両ピン（13）（13）
を前記ガイド溝（12）に摺動自在に嵌合するとともに、
一方の前記ピン（13）には引張りばね（14）を連繋し、
駆動軸（15）を中心に回動する回転板（16）より突設し
たピン（17）に衝合できるよう、前記押出し片（２）の
下部には受動片（2a）を垂設して構成する。

なお図中、（18）は通孔である。

したがつて、非出金時には、第１図および第２図に示
すように、シャッター（５）が磁石（４）（４）に吸着
されて繰出し口（１）を閉じることになり、硬貨が繰出
し口（１）から自然脱落するのを防止できることにな
る。

出金時には、選択ソレノイド（10）に吸引されて、ホ
ルダー（11）の上縁が底板（６）の下面に当接するとと
もに押出し片（２）が底板（６）間の上方にのぞむこと
ができるように上動することになり、矢印（イ）方向に
回動するピン（17）が受動片（2a）に衝合して、そのま
ま離れるまでに受動片（2a）を矢印（ロ）方向に押す状
態で、押出し片（２）は底板（６）より硬貨を矢印
（ハ）方向に押し出すことになり、硬貨はシシャッター
（５）を押し開いて繰出し口（１）から繰り出されるこ
とになる。

そのようにして繰り出されるとともに、ピン（17）が
受動片（2a）から離れると、シャッター（５）は垂下状
態となつて磁石（４）（４）に吸着されながら繰出し口
（１）を閉じることになり、引張りばね（９）により底
板（６）の下方に下動させられる押出し片（２）は引張
りばね（14）により引張されながら繰り出しの始動位置
まで復帰させられることになる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、非出金時には、磁石（４）の吸
着力によりシャッター（５）が繰出し口（１）を閉じる
ことができることになつて、硬貨の自然脱落を確実に防
止できることになり、また、出金時には、繰り出される
硬貨によりシャッター（５）がスムーズに押し開かれる
が、この一旦押し開かれた状態にあっては、シャッター
が磁石から離れてしまうことで、シャッターには非常に
弱い吸引力しか作用しないことになり、硬貨の出金動作
が仮に不良となつても硬貨は残留しないように確実に繰
り出されることになり、従来形の欠点を解決するととも
に簡単な構造にして好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の側断面図、第２図
はその一部の外側面図を示す。 （１）…繰出し口、（２）…押出し片、（３）…硬貨出
金筒、（４）…磁石、（５）…シャッター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】硬貨を重積装填して下部の繰り出し口１か
   ら押し出し片２により硬貨を１枚ずつ外方へ繰り出すこ
   とができるように立設された硬貨出金筒において、 前記繰り出し口１の上方側に凹部７を形成し、この凹部
   ７に水平方向の支軸８を設け、この支軸８に前記繰り出
   し口１を開閉自在とするシャッター５を揺動自在に垂下
   させるとともに、前記支軸８と前記繰り出し口１の間の
   前記凹部７には磁石を取り付けたことを特徴とする硬貨
   出金筒における硬貨脱落防止装置。