JPH089783A

JPH089783A - 育苗方法

Info

Publication number: JPH089783A
Application number: JP15129094A
Authority: JP
Inventors: Hidehiro Okada; 英博岡田; Shin Watabe; 伸渡部; Masakatsu Araki; 正勝荒木; Yoshikatsu Aoki; 義勝青木; Norihiro Yano; 典弘矢野; Masahiro Takemoto; 竹本　　雅浩; Yoshihisa Ishiyama; 佳寿石山; Tamaki Kubo; 環久保; Masami Muranami; 村並　　昌実; Hiroshi Suzuki; 宏鈴木
Original assignee: Iseki and Co Ltd; Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Current assignee: Iseki and Co Ltd; Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Priority date: 1994-07-01
Filing date: 1994-07-01
Publication date: 1996-01-16

Abstract

(57)【要約】【目的】育苗箱からの苗の取り出しが容易にでき、且
つ、移植機械に載せても植付に支障を来すことがない苗
を育成することができる。【構成】左右前後に配列した複数のポットの開口部側
が連結し孔が開いた底部側が独立した育苗器を、ポット
底部側が上側になるように育苗箱内に収容して用い、各
ポットごとに苗を一株づつ育成させる育苗方法であっ
て、ポット間の谷部に目土を詰め、育苗器の少なくとも
一端部側の目土に、栽培する作物より根張りのよい植物
の種子を播種して育苗する育苗方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、左右前後に配列した
複数のポットの開口部側が連結し孔が開いた底部側が独
立した育苗器を、ポット底部側が上側になるように育苗
箱内に収容して用い、各ポットごとに苗を一株づつ育成
させる育苗方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、左右前後に配列した複数のポット
の開口部側が連結し孔が開いた底部側が独立した育苗器
を、ポット底部側が上側になるように育苗箱内に収容し
て用い、各ポットごとに苗を一株づつ育成させる育苗方
法は公知である。この育苗方法により育成された苗を育
苗箱から板状の苗取り板等を用いて全体をすくい取る場
合、苗取り板を育苗箱の一端側から苗の底面と育苗箱内
側底面との間にさし込んですくい取るのであるが、この
とき苗の一端側を持ち上げにくいため、苗取り板を差し
込みにくくうまくすくい取れないことがある。このた
め、実開昭６２−１４９９４６号公報に示されるような
育苗器の考案がなされていた。この考案は、苗取り板を
差し込む側の育苗器の端部を上側に折り曲げたものであ
って、その折り曲げた端部を持ち上げて苗取り板を差し
込むものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記考案の育
苗器は、それにより苗取り板は差し込みやすくなったも
のの、移植機械に載せて端側から一ポットづつ分離して
植付る場合には、育苗器端部に設けた折り曲げ部が一ポ
ットづつの分離を阻害し良好な植付ができなくなる問題
があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、左右前後に配列した複数のポットの開口部側が連
結し孔が開いた底部側が独立した育苗器を、ポット底部
側が上側になるように育苗箱内に収容して用い、各ポッ
トごとに苗を一株づつ育成させる育苗方法であって、ポ
ット間の谷部に目土を詰め、育苗器の少なくとも一端部
側の目土に、栽培する作物より根張りのよい植物の種子
を播種して育苗する育苗方法とした。

【０００５】

【発明の作用及び効果】上記の育苗方法により、育苗器
の少なくとも一端部側の目土に、栽培する作物より根張
りのよい植物の種子を播種して育苗すると、根張りのよ
い植物の根は育苗器端部に張り付いた状態となる。よっ
て、育苗箱から苗を苗取り板ですくい取る場合、育苗器
端部側に育成した植物を手でつかんで苗の一端側を持ち
上げ、そこから苗取り板を容易に差し込むことができて
苗のすくい取りが非常に容易できる。すくい取った後に
は、育苗器端部側に育成した植物は不要となるので手で
はぎ取れる。そして、移植機械に苗を載せれば、その苗
の端側から一ポットづつ問題なく分離されて植付けられ
ていく。

【０００６】よって、この育苗方法は、左右前後に配列
した複数のポットの開口部側が連結し孔が開いた底部側
が独立した育苗器を、ポット底部側が上側になるように
育苗箱内に収容して用い、各ポットごとに苗を一株づつ
育成させるよう育苗する苗にあって、育苗箱からの苗の
取り出しが容易にでき、且つ、移植機械に載せても植付
に支障を来すことがない苗を育成することができる。

【０００７】

【実施例】この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。１は育苗器で、図７、図８に示すように、壁
部２ｄ…と孔２ｃ…が開けられた底部２ｂ…からなる多
数のポット２…のそれぞれが、底部２ｂ…側で互いに独
立し、開口部２ａ…側で縦横に互いに連結して、全体が
四角形状に整列し連結した形状に成型されている。全体
の大きさは、横幅２８０ｍｍ、縦幅２９０ｍｍ、上下高
２０〜２５ｍｍで、一般的な育苗箱３（内側寸法：
（横）２８０ｍｍ×（縦）５８０ｍｍ×（深）３０ｍ
ｍ）に育苗器１を２枚並べてはめ込める大きさになって
いる。

【０００８】育苗器１の各ポット２…は、４面の壁部２
ｄ…と孔２ｃが開いた底部２ｂからなり、開口部２ａ…
及び底部２ｂの平面視形状が四角形で側面視が台形とな
った断頭角錐形状となっている。また、開口部２ａは、
縦横２５ｍｍの大きさで正方形に近い四角形となってい
る。底部２ｂ…は、互いに独立しているので開口部２ａ
…より小さく、縦横約２０ｍｍの大きさの四角形状とな
っていて、直径１５ｍｍの丸孔２ｃが一つ開けられてい
る。開口部２ａの上端面から底部２ｂまでの深さが２８
ｍｍになっている。尚、ポット２…の形状は断頭円錐形
状でもよく、底部２ｂの形状は円形、或は半球状の曲面
形状であってもよい。また、孔２ｃは角孔であったり、
底部２ｂ…がなくポット２が筒状になったものでもよ
い。

【０００９】育苗器１の成形は、以下のように成形す
る。即ち、雑誌や広告チラシが混じってない新聞紙のみ
の古紙を採用し、それを水で溶解して古紙溶液をつく
り、金網型枠の外側面側をその古紙溶液に浸らせて型枠
に所定の厚さに付着させる。そして、水きりしたのちに
付着した古紙を型枠から外し、乾燥させて、所定の形状
の育苗器１が成型される。金網型枠は育苗器１の内面形
状と同じ形状になっていて、ポット２…の底部２ｂ…に
当る部分には下方に向けて突起が一体的に設けられ、古
紙溶液に浸してもこの突起に溶液は付着せず、これによ
りポット２の底部２ｂ…の孔２ｃ…が成形される。以上
のようにこの育苗器１は紙製なので、苗をこの育苗器１
から分離することなく共に圃場へ移植でき、移植後に圃
場の土中にて育苗器１は腐食していく。尚、この育苗器
１は、紙に替えて生分解性プラスチックを素材としても
よく、即ち、土中で腐食するものを素材とすればよいの
である。

【００１０】さて、以上のように構成した育苗器１…を
使用して、以下のようにして苗を育成し、圃場に移植し
て栽培する。即ち、育苗箱３内に底部２ｂ…が上に開口
部２ａ…が下になるようにして育苗器１を収容して、そ
の上から培土４を投入する。培土４は、底部２ｂ…の孔
２ｃ…から各ポット２…内に一杯になるよう詰められ、
また、ポット２…間の谷部２ｅ…にも目土５として詰め
られる。そして、栽培する作物Ａの種子Ｓ…、例えばレ
タスやキャベツ等の野菜の種子Ｓ…を孔２ｃ…中央に１
粒づつ播種する。それから、育苗箱３の長手方向一端
側、即ち短手方向に平行する内壁面に沿って目土５上に
端から端まで横一列に連続して、前記栽培する作物Ａよ
り根張りのよい植物Ｂの種子Ｓ’…、例えばイネやムギ
等のイネ科植物等の単子葉植物の種子Ｓ’…を播種する
（図３）。そして、覆土６を投入して育苗箱３の上端付
近まで詰める（図２）。こうして苗床を作ったら、適切
な灌水や温度管理等により育苗する。すると、栽培する
作物Ａの種子Ｓ…から芽及び根が出て苗Ｎ…が成長して
いく。また、それと共に、前記植物Ｂの種子Ｓ’…から
も芽及び根が出て成長していく（図１）。植物Ｂの根Ｒ
は育苗箱３の内壁面をつたっていきながら育苗箱３の底
面に達し、更に、育苗器１の開口部２ａ側と育苗箱３内
の底面との隙間に入り込んで更に伸びていって、植物Ｂ
の根Ｒは育苗器１の端部に張り付いた状態となる（図
４）。栽培する作物Ａの苗Ｎ…が移植に適する状態まで
成長したら、育苗箱３の底面と略同幅の板状の苗取り板
７で育苗箱３内の苗全体をすくい取る。このとき、一端
側の植物Ｂの葉や稈を手で持って上げると、育苗箱３内
の苗の一端部側が持ち上がり、それによって生じた隙間
から苗取り板７を差し込むことで簡単にすくい取ること
ができる（図５）。すくい取った後には、育苗器１の両
端部側に育成した植物Ｂは不要となるので手ではぎ取
る。そして、移植機械に苗を載せれば、その苗の端側か
ら一ポットづつ問題なく分離されて植付けられていく。
尚、植物Ｂの種子Ｓ…は、育苗箱３の長手方向の一端部
側にのみ播種してもよく、また、図６に示すように、育
苗箱３の長手方向一端側、即ち短手方向に平行する内壁
面に沿う目土５上と、それより一列内側のポット谷部２
ｅの目土５上とに、中央側へ部分的に一列づつ播種して
もよい。

【００１１】よって、以上のように、この育苗方法は、
左右前後に配列した複数のポットの開口部側が連結し孔
が開いた底部側が独立した育苗器を、ポット底部側が上
側になるように育苗箱内に収容して用い、各ポットごと
に苗を一株づつ育成させる育苗方法であって、ポット間
の谷部に目土を詰め、育苗器の少なくとも一端部側の目
土に、栽培する作物より根張りのよい植物の種子を播種
して育苗する方法とした。

【００１２】上記の育苗方法により、育苗器の少なくと
も一端部側の目土に、栽培する作物より根張りのよい植
物の種子を播種して育苗すると、根張りのよい植物の根
は育苗器端部に張り付いた状態となる。よって、育苗箱
から苗を苗取り板ですくい取る場合、育苗器端部側に育
成した植物を手でつかんで苗の一端側を持ち上げ、そこ
から苗取り板を容易に差し込むことができて苗のすくい
取りが非常に容易できる。すくい取った後には、育苗器
端部側に育成した植物は不要となるので手ではぎ取れ
る。そして、移植機械に苗を載せれば、その苗の端側か
ら一ポットづつ問題なく分離されて植付けられていく。

【００１３】よって、この育苗方法は、左右前後に配列
した複数のポットの開口部側が連結し孔が開いた底部側
が独立した育苗器を、ポット底部側が上側になるように
育苗箱内に収容して用い、各ポットごとに苗を一株づつ
育成させるよう育苗する苗にあって、育苗箱からの苗の
取り出しが容易にでき、且つ、移植機械に載せても植付
に支障を来すことがない苗を育成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】育苗状態を示す斜視図。

【図２】播種状態を示す断面側面図。

【図３】播種状態を示す平面図。

【図４】育苗状態を示す断面側面図。

【図５】苗取り時の状態を示す断面側面図。

【図６】別の播種状態を示す平面図。

【図７】育苗器（開口部が上側）の斜視図。

【図８】育苗器（底部が上側）の斜視図。

【符号の説明】

１：育苗器２：ポット２ａ：開口部２ｂ：底部２ｃ：孔２ｅ：谷部３：育苗箱４：培土５：目土Ａ：栽培する作物Ｂ：栽培する作物より根張りのよい植物Ｓ：栽培する作物の種子Ｓ’：根張りのよい植物の種子

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者青木義勝愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内 (72)発明者矢野典弘愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内 (72)発明者竹本雅浩愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内 (72)発明者石山佳寿愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内 (72)発明者久保環愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内 (72)発明者村並昌実愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内 (72)発明者鈴木宏愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】左右前後に配列した複数のポットの開口
部側が連結し孔が開いた底部側が独立した育苗器を、ポ
ット底部側が上側になるように育苗箱内に収容して用
い、各ポットごとに苗を一株づつ育成させる育苗方法で
あって、ポット間の谷部に目土を詰め、育苗器の少なく
とも一端部側の目土に、栽培する作物より根張りのよい
植物の種子を播種して育苗する育苗方法。