JPH089734B2 - 延性の優れた超高張力鋼線の製造方法 - Google Patents

延性の優れた超高張力鋼線の製造方法

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JPH089734B2
JPH089734B2 JP62009978A JP997887A JPH089734B2 JP H089734 B2 JPH089734 B2 JP H089734B2 JP 62009978 A JP62009978 A JP 62009978A JP 997887 A JP997887 A JP 997887A JP H089734 B2 JPH089734 B2 JP H089734B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は延性の優れた超高張力鋼線の製造方法に関す
る。
(従来の技術とその問題点) ピアノ線およびこれに準じる鋼線は、PWSワイヤ、ば
ね、ホースワイヤ、タイヤコード等広い分野で使用され
ているが、近年、JIS以上の強度レベルを有する鋼線の
開発に対する要望が高まっている。
通常、高張力鋼線という場合、JIS G 3522ピアノ線相
当の強度を有する鋼線を指すのが通例であるため、以
下、本発明においては、それ以上の強度を有する鋼線を
「超高張力鋼線」と称することとする。JIS G 3522で
は、直径6mmから0.08mm迄の鋼線の引っ張り強さを規定
しているが、引張強さは線径に依存し、線径の細いほど
容易に高強度を達成しうるため、JISにおいてもこれに
準じた体系をなしており、引張強さの上限は±10kgf/mm
2以内の誤差で次式で表わせる。
TS=250−100log d(kg/mm2) (1) 但し、dは鋼線の直径(mm)である。
(1)式は、6〜0.08mmの鋼線について求めたもので
あるが、凡そ10〜0.05mmの範囲で妥当なものである。鋼
線の断面形状は、円形が多く用いられるが、角形、梯
形、台形等であっても良い。この場合、dとしては同じ
断面積を有する円の直径を用いる。
ピアノ線およびこれに準じる鋼線は、ピアノ線材相当
の線材を用い、これにパテンティング処理を施したの
ち、常温で伸線して、製造されるのが一般的である。
従来の伸線法で、(1)式以上の強度レベルの超高張
力鋼線を製造しようとした場合以下のような問題を生じ
る。
即ち強度を高めるためには、パテンティング処理時の
強度を高める方法と、伸線減面率を大きくする方法があ
るが、いずれの方法においても、通常の伸線方法で製造
するかぎり、強度を高めることは可能であっても、超高
張力鋼線にとって重要な特性である延性、特に捻り特性
および絞りの低下が著しく、撚り線やコイリング等の工
程で、割れや断線などのトラブルが発生しやすくなる。
またピアノ線は、めっきあるいはブルーイング処理を
して用いることが多いが、これらの処理により、時効が
生じ延性が低下し、超高張力レベルを達成することは困
難である。
また、伸線加工の代りに冷間圧延が行なわれる場合も
あり、鋼線材の冷間圧延については、WireJ.16(198
3),7,64に例が示されているが、例示されているよう
な、通常の炭素鋼では、超高張力レベルを達成すること
は困難である。
それは冷間圧延およびローラーダイス引抜きにおいて
は、後に述べる理由により、加工限界は通常伸線より大
きいが、加工硬化率は、通常伸線より小さいため、通常
のピアノ線材の組成では、超高張力レベルを達成するに
は著しく加工度を大きくする必要があり、そのために延
性の低下がもたらされるためである。
また、特公昭59−33175号公報等に、中炭素鋼をマル
テンサイト化、ローラーダイス伸線する事例があるが、
これは焼戻しマルテンサイト系の高張力線材に関するも
のである。
更に、特開昭61−186118に孔ダイス伸線後ローラーダ
イス伸線する方法が示されているが、孔ダイス伸線によ
る減面率が15〜65%、総減面率が91%以上と規定されて
いる。これはローラーダイス伸線減面率は74%以上に相
当するものであり、本発明の構成(伸線減面率50%以
上、圧延又はローラーダイスによる減面率35%以下)と
は明らかに相違する。
本発明は、このような延性の低下を来たすことなく、
超高張力を達成するための鋼線の製造方法を提供するこ
とにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、(1)C:0.60〜1.0%,Si:0.1〜2.0%,Mn:
0.1〜2.0%を基本成分とする高炭素鋼線材を、減面率50
%以上の伸線加工の途中、又は、伸線加工の最終段にお
いて、35%以下の冷間圧延又はローラーダイス引抜加工
をすることにより、250−100logd(kg/mm2)以上の引張
り強さとなすことを特徴とする延性の優れた超高張力鋼
線の製造方法であり、(ただし、dは鋼線の直径(mm)
を表す)、又は(2)C:0.60〜1.0%,Si:0.1〜2.0%,M
n:0.1〜2.0%を含み、さらに、Cr:0.1〜1.0%,V:0.002
〜0.5%,Ti:0.002〜0.2%,Nb:0.002〜0.2%,の1種以
上を含み、残部鉄および不可避的不純物からなる高炭素
鋼線材を、減面率50%以上の伸線加工の途中、又は、伸
線加工の最終段において、35%以下の冷間圧延又はロー
ラーダイス引抜加工をすることにより、250−100logd
(kg/mm2)以上の引張り強さとなすことを特徴とする延
性の優れた超高張力鋼線の製造方法である。(ただし、
dは鋼線の直径(mm)を表す)(作用) 本発明の鋼組成の限定理由は下記による。
Cは経済的かつ有効な強化元素であるが、(1)式以
上の強度を達成するには、0.6%以上必要である。
又、1.0%以上では、パテンティング時に初折セメン
タイトを生成し、冷間加工に適さない。但し、(1)式
以上の強度において、より優れた延性を得るためには、
後述のような合金元素を含有させることが望ましい。
Siは脱酸のために0.1%以上必要である、Siは固溶硬
化元素として強化にも効果があるが、0.35%以下ではそ
の効果は小さく,2%以上では延性が劣化するため適当で
ない。
鋼線の絞りはパーライトラメラー間隔と密接な関係が
あり、約280Åで最大となるが、Siは素材のパーライト
ラメラー間隔をほとんど変えずに、フェライト層を強化
するため、延性の低下はほとんどなしに、鋼線の強度を
あげえることに有効である。
Mnは脱酸およびSの害を除くために0.1%以上必要で
ある。Mnは焼入性向上元素として、特に太いサイズの線
材のパテンティング強度を上げるのに有効であるが2%
を超える延性が劣化するため適当でない。
Crはパーライトラメラー間隔の微細化に有効な元素で
あり、細いサイズから太いサイズ迄、線材の強化に効果
があるが、1%を超えるとその効果を十分に発揮させる
ことは困難である。
Vは焼入性向上元素として、特に太いサイズの線材の
パテンティング強度を上げるのに有効である。またオー
ステナイト結晶粒度を微細化し、延性の向上に有効であ
る。0.002%以下では効果がなく、0.5%を超えるとかえ
って延性が劣化するため適当でない。
NbおよびTiはオーステナイト結晶粒度を微細化し、延
性の向上に有効であるが、0.002%以下では効果がな
く、0.2%を超えると、かえって延性が劣化するため適
当でない。
なおAlについては、細粒鋼が望ましい場合には0.01〜
0.1%程度を加え、粗粒鋼あるいは介在物の軟質化が必
要な場合には、0.01%以下とする。これらのいずれの場
合もあるため、Alの含有量は特に規定しない。
以上の鋼組成を有する鋼を50%以上の伸線加工するこ
とにより延性の優れた超高張力鋼線を製造することが可
能であるが、通常の伸線加工では、超高張力レベルまで
強度を高めた場合、延性の低下が大きく、何らかの対策
が必要である。
延性の低下は、伸線中の発熱、或いは伸線後のブルー
イング処理により可動転位が固定される場合に顕著に現
われる。これに対し、発明者らが種々の調査を行なった
結果材料の破壊に至らないような軽微な加工を加えた場
合、新たに可動転位が導入される結果、延性の回復が起
ることが観察された。特に伸線後の加工法として冷間圧
延又はローラーダイス引抜きを行なう場合には、5%以
下の軽圧下において、上記のように可動転位の導入によ
る延性の回復が得られるばかりでなく、5%以上の圧下
においても以下に述べるように、圧延に固有の変形様式
の故に、伸線加工だけで製造する場合に比べ優れた延性
を得ることができる。
通常の伸線加工は、(以下単に伸線加工と略す)孔ダ
イスに鋼線材を通し、引抜き加工を行うため、ダイスと
鋼線材との摩擦力、ダイスからの圧縮力、および引抜力
の組合せによる、複雑な応力場における加工であるた
め、鋼線材の長手方向に直角な断面内の歪は不均一であ
る。
特に、引抜力の割合が圧縮力に比べ大きいため、材料
内の非金属介在物等の周辺に微少な割れを生じやすく、
延性を低下させる原因となっている。
また、摩擦仕事が大きいため、表面の発熱が大きく、
表層部近傍の温度上昇による時効脆化が大きい。表面部
の脆化は、特に捻り特性に対して有害である。
冷間圧延およびローラーダイス引抜きにおいては、ロ
ールと鋼線材の間の摩擦仕事は、孔ダイスに比べて小さ
いこと、引抜力が圧延法ではほぼ零であり、ローラーダ
イスにおいても、孔ダイスに比べて小さいこと、従って
主要な変形応力は、ロールからの圧縮応力であることか
ら変形が均一であり、非金属介在物周辺の微細な割れを
生じにくく、また、時効による脆化も起りにくいため
に、延性の低下を防止しうるのである。
但し、通常、冷間圧延装置あるいは、ローラーダイス
装置は伸線機に比べ構造が複雑で、かつサイズの変更が
困難である。従って冷間圧延又はローラーダイスによる
工程は少ない程望ましいため、1組のロール対で、成形
可能な35%以下の加工率、又は、延べ性回復効果だけを
狙った5%以下の加工率とすることが実際的である。従
って強化のために必要な加工は、主として伸線加工で行
なうのが適当であり、伸線加工率は十分なファイバー組
織を発達させるために50%以上とすることが望ましい。
(実施例) 鋼線材を鉛パテンティング後酸洗し、スケールを除去
した後、りん酸亜鉛被膜処理を施した。伸線時には伸線
潤滑剤を用いて、伸線した。
50%以上の伸線後、又は、伸線最終ダイスの入側で、
冷間圧延又はローラーダイス引抜加工を行った。
加工後の鋼線は、加工ままの状態または450℃で、45
秒間のブルーイング処理を施して、引張試験と捻回試験
により材質評価を行った。
第1表に各種鋼成分により製造した結果を示す。
従来法の伸線まま、あるいは、伸線後ブルーイング処
理を行ったものは、「超高張力」レベルを達成しようと
すると、捻回値が低下し、十分な性能が得られないが、
冷間圧延又はローラーダイス引抜加工を施した本発明法
によれば、捻回値および絞りが高く、優れた延性が得ら
れた。
(発明の効果) 本発明は以上のように特定の成分を有する鋼線材を、
伸線加工の途中、又は伸線加工後、冷延圧延又はローラ
ーダイス引抜加工をすることにより延性の劣化なしに、
超高張力鋼線を製造することを可能とした。本発明によ
り伸線および撚り線時の断線、成形時の加工割れ、使用
時の破壊を著しく減少せしめることができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.60〜1.0%, Si:0.1〜2.0%, Mn:0.1〜2.0% を基本成分とする高炭素鋼線材を、減面率50%以上の伸
    線加工の途中、又は、伸線加工の最終段において、35%
    以下の冷間圧延又はローラーダイス引抜加工をすること
    により、250−100 log d(kg/mm2)以上の引張り強さと
    なすことを特徴とする、延性の優れた超高張力鋼線の製
    造方法。 ただし、dは鋼線の直径(mm)を表す。
  2. 【請求項2】C:0.60〜1.0%, Si:0.1〜2.0%, Mn:0.1〜2.0% を含み、さらに、 Cr:0.1〜1.0%,V:0.002〜0.5%, Ti:0.002〜0.2%,Nb:0.002〜0.2%, の1種以上を含み、残部鉄および不可避的不純物からな
    る高炭素鋼線材を、減面率50%以上の伸線加工の途中、
    又は、伸線加工の最終段において、35%以下の冷間圧延
    又はローラーダイス引抜加工をすることにより、 250−100 log d(kg/mm2)以上の引張り強さとなすこと
    を特徴とする、延性の優れた超高張力鋼線の製造方法。 ただし、dは鋼線の直径(mm)を表す。
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