JPH089635B2 - 新規ペプチド化合物 - Google Patents

新規ペプチド化合物

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JPH089635B2
JPH089635B2 JP5159380A JP15938093A JPH089635B2 JP H089635 B2 JPH089635 B2 JP H089635B2 JP 5159380 A JP5159380 A JP 5159380A JP 15938093 A JP15938093 A JP 15938093A JP H089635 B2 JPH089635 B2 JP H089635B2
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stereoisomers
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ダウン モリ アンジラ
ツリオ クリストフ
ヴェルビュラン トニー
シモネ セルジ
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アディール エ コンパニー
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/10Tetrapeptides
    • C07K5/1019Tetrapeptides with the first amino acid being basic
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/745Blood coagulation or fibrinolysis factors
    • C07K14/75Fibrinogen

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ペプチド化合物、
その製造方法、およびこれらの化合物を含有する製薬組
成物に関する。本発明の化合物は、血小板凝集阻止薬と
して有用な薬理学的用途を有する。
【0002】
【従来の技術】血栓症およびアテローム硬化症の予防が
血小板凝集の抑制および調整に関連することは知られて
いる。血栓もしくは血餅の形成は、フィブリノーゲンの
存在に関係しており、フィブリノーゲンはその特異レセ
プターとの相互作用の結果として、細胞接着を生じさ
せ、血小板凝集による沈澱に関与する。このメカニズム
は、全てのインデューサーに関して一般的であり、従っ
てフィブリノーゲン依存凝集の調整または防止方法を見
出だすことは特に価値のあることである。
【0003】抗凝集性を有するペプチド化合物はすでに
公知である。一例として、下記のペプチド化合物を挙げ
ることができる:特許EP−A−319506、ここに
は下記のペプチド鎖が見出だされる: −Arg−Gly−Asp−O−メチルチロシンアミド 特許US−A−4578079、ここには下記式を有す
るペプチドが記載されている: −Arg−Gly−Asp−Thr−、−Arg−Gl
y−Asp−Cys−または−Arg−Gly−Asp
−Ser− そして特許EP−A−220957、ここには下記式を
有するペプチドが記載されている: −Lys−Arg−Gly−Asp−または−Arg−
Arg−Gly−Asp− 特許EP−A−275748およびEP−A−3419
15は、式 X1 −Arg−Gly−Asp−Trp−X2 (式中X1 およびX2 は天然アミノ酸の残基であること
ができる)を有するテトラペプチドを提案している。
【0004】
【発明の開示】本発明は、従来技術で開示された化合物
に対して新規な化合物であるペプチド化合物に関するも
のである。本発明の化合物の薬理学的性質の強度は、こ
のテトラペプチドのN−末端置換基の長さおよび種類を
変えることによって最適にされている。
【0005】さらに特に、本発明は、下記の一般式
(I): R1 −A−Gly−Asp−Trp−R2 (I) (式中、Aはアルギニン(Arg)またはリジン(Ly
s)残基を表わし、R1 は直鎖状、分枝鎖状または環状
のアミノ酸残基を表わし、そのアミン基はカルボニル基
に対して、α−位置には存在しないものとし、そしてR
2 は−NH2 または−OH基を表わす)に相当するペプ
チド化合物、それらの立体異性体、および製薬上許容さ
れる酸または塩基による、それらの付加塩に関するもの
である。この式において、ペプチド配列の各アミノ酸は
光学的に純粋であり、D配置またはL配置を有すること
ができるものとする。
【0006】そのアミン基がカルボニル基に対してα−
位置には存在していない、直鎖状、分枝鎖状または環状
のアミノ酸残基は、これらに制限されないものとして、
好ましくは3−アミノプロパン酸、3−アミノ−2−メ
チルプロパン酸、4−アミノブタン酸、5−アミノペン
タン酸、6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン
酸、ピロリジン−3−カルボン酸、ピペリジン−4−カ
ルボン酸、ピリジン−4−カルボン酸およびキノリン−
4−カルボン酸から選ばれるアミノ酸の残基である。
【0007】本発明はまた、式(I)で表わされる化合
物の製造方法を包含する。式(I)で表わされる化合物
は、種々の方法、例えば遂次固相合成法、溶液中におけ
るフラグメントの合成およびそれらのカップリングによ
る合成法、酵素による合成法、形質転換したバクテリア
における遺伝子のクローニングと発現とによる遺伝子学
的合成法、またはこれらの方法の種々の組み合わせによ
って得ることができる。本発明のペプチドは、一般に
B.W.ERICKSONおよびR.B.MERRIF
IELDにより開示された方法に従い、固相合成法によ
って得られる(“The Proteins”、sol
id−phase peptide synthesi
s,第3版、257−527頁、1976年)。
【0008】さらに詳細に言えば、本発明の化合物の製
造方法は、固相におけるフラグメントの合成およびカッ
プリングの方法に従う。この固相には、通常用いられる
ポリマー樹脂のいずれかでよく、例えばp−アルコキシ
ベンジルアルコールまたはベンズヒドリルアミンのよう
なリンカーが固定されるジビニルベンゼン(1−2%)
によって架橋されたポリスチレンでよく、アミノ酸のカ
ップリング過程において、ペプチドがこのリンカーに付
着し、この合成の終了時に、酸、アミド、アルコールま
たはその他のC−末端官能基の脱離が可能になる。
【0009】下記の合成方法で使用した略語は、以下で
一覧表により示す。本発明の化合物の製造方法は、その
合成の各段階が二つの操作からなる、すなわち 1) 適当な塩基、例えばピペリジンなどによる基質の脱
保護、 2) ペプチド合成に通常用いられるカップリング剤、例
えば一対のDCC/HOBT、TBTU/DIEA、B
OP/DIEAまたはDPPAなどの存在の下における
保護アミノ酸のカップリング。 これらのカップリング剤および各工程で得られる基質を
下表に示す:
【0010】
【表1】
【0011】式(II)−(XII)の化合物において、R
1 およびAは上記定義のとおりであり、
【外1】 は樹脂支持体を表わし、P1 は保護基、例えばFmoc
またはBocなどであり、P2 はアスパラギン酸保護
基、例えばOtBuまたはBzlなどであり、P3 は保
護基、例えばアルギニンの場合にはPmcであり、また
はリジンの場合にはBoc、である。
【0012】次いで、式(XII)で示される化合物を樹
脂支持体から切り離し、またアミノ酸保護基をTFA、
エタン−1,2−ジチオール、アニソールおよび場合に
よりDCMの混合物により、そしてアスパラギン酸保護
基がBzlである場合には、メタノール中の炭酸水素ア
ンモニウムおよびパラジウムによる処理により、脱離
し、最終的に式(I)で表わされる粗ペプチド化合物を
得る。この生成物を通常用いられる精製技術により精製
し、そしてまた適当な場合には、製薬上許容される酸ま
たは塩基によりそれらの付加塩に変換する。
【0013】本発明の化合物は、抗凝集性を有し、血栓
塞栓症の場合の血餅の溶解に、あるいはこれらの化合物
を直接的で、迅速な作用を有する抗凝血薬として使用す
ることによる血栓形成の蔓延を防止する薬剤として、ま
たは細胞接着プロセスを含む病的状態に、使用すること
ができる。従って、本発明の化合物は、血栓症、肺動脈
塞栓症、末梢動脈塞栓症、アテローム硬化症および血栓
塞栓症症候群、および心筋梗塞の処置に、血管形成後の
再狭窄症の処置に、および血液恒常性の維持、特に体外
循環における血液恒常性の維持に、および血栓崩壊処置
の補助治療に有効であることがわかる。
【0014】本発明はまた、活性成分として、一般式
(I)で表わされる少なくとも一種の化合物またはその
製薬上許容される酸または塩基による、付加塩の一種を
単独で、または一種以上の製薬上許容される、無毒性
の、不活性担体あるいは賦形剤と組み合わせて含有する
製薬組成物に関するものである。本発明の製薬組成物の
中で、特に経口投与、非経口投与または鼻経路による投
与に適するもの、錠剤、糖衣錠、舌下錠、サシエ剤(s
achets)、包装剤(packets)、ゼラチン
カプセル剤、トローチ剤(glossettes)、舐
剤(lozenges)、座薬、クリーム、軟膏、皮膚
用ゲルおよびエアゾルを挙げることができる。投与量
は、患者の年齢および体重、障害の種類および重篤度、
および投与方式によって変わる。投与方式は、経口、
鼻、直腸、非経口であることができる。一般に、24時
間の間で、1回または数回の投与の処置で、0.2−1
00mgの範囲である。
【0015】本明細書で使用されている略語を以下にま
とめて示す: Boc:tert−ブトキシカルボニル BOP:ベンジルオキシトリアゾール−1−オキシトリ
スジメチルアミノホスホニウム ヘキサフルオロホスフ
ェート Bzl:ベンジル DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド DCM:ジクロロメタン DIEA:ジイソプロピルエチルアミン DMF:ジメチルホルムアミド DPPA:ジフェニルホスホリルアジド Fmoc:9−フルオレニルメチルカルボニル HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール Pmc:2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−
6−スルホニル OtBu:β−tert−ブチル エステル TFA:三フッ化酢酸
【0016】
【実施例】下記の例は、本発明を説明するものであり、
本発明をいかなる点でも制限するものではない。 例1
【化4】 p−アルコキシベンジルアルコール基によりエステル樹
脂に固定されている、Fmoc−Trp 2.0gを、
ジメチルホルムアミド中のピペリジンの20容量%溶液
30mlとともに、30分間攪拌して、トリプトファンか
らその保護基を脱離する。この混合物を濾過し、次いで
この樹脂を溶媒のDMFおよびDCMにより洗浄する。
この脱保護したフラグメントを、DDC 997mgおよ
びHOBT 743mgの存在の下に、DMF30ml中の
Fmoc−Asp(OtBu)−OH 1.81gに、
3時間さらす。濾過し、次いでDMF、イソプロピルア
ルコールおよびDCMにより洗浄した後に、この混合物
を上記のとおりにして、DMF中のピペリジンの20容
量%溶液により処理する。
【0017】次いでこの基質を同一の方法で、Fmoc
−Gly−OH 1.308gにより、次いでFmoc
−Arg(Pmc)−OH 2.916gにより、最後
にFmoc−(イソニペコチン酸)(isonipec
otic acid)1.492g〔Carpinoお
よびHanにより開示された方法(J.Org.Che
m.,1972,37,3404)に従い製造されるシ
ンソン(synthon)〕により処理する。
【0018】このペプチドを次いで、樹脂担体から切り
離し、次いで周囲温度において、2時間、三フッ化酢酸
16ml、アニソール2ml、エタンジチオール2ml、およ
びDCM4mlの混合物により処理することによって、保
護基を脱離する。濾過し、この濾液を濃縮した後に、残
留物をジエチルエーテルとすり混ぜ、次いで濾過して、
所望の粗ペプチドを得る。この粗生成物を逆相液体クロ
マトグラフィ(カラム:c18、勾配:CH3 CNの1
0−35%、25分間)により精製し、次いで凍結乾燥
させた後に、対応するジトリフルオロアセテートを得
る。 質量スペクトル(FAB):〔M+H〕+ :m/z=6
44(分子量:643).
【0019】以下の例の化合物を、例1に記載の方法と
同様の方法により製造した、ただし以下の点に変更を加
えた:アルギニンの変わりにリジンを使用する場合に
は、反応剤として、Fmoc−Arg(Pmc)−OH
の代わりに、Fmoc−Lys(Boc)−OHを使用
する。トリプトファンの「アミド」末端基は、2,4−
ジメトキシ−4′−(カルボキシメトキシ)ベンズヒド
リルアミン形の樹脂を使用し、合成の終了時に、三フッ
化酢酸を使用して、この樹脂からペプチド−アミドを切
り離すことによって得る。Fmoc−(イソニペコチン
酸)の代わりに、Fmocにより依然として保護されて
いる、対応するアミノ残基を使用する。
【0020】例2
【化5】
【0021】例3
【化6】
【0022】例4
【化7】
【0023】例5
【化8】
【0024】例6
【化9】
【0025】例7
【化10】
【0026】実施例8
【化11】
【0027】実施例9
【化12】
【0028】例102 N−(CH2 2 −CO−Lys−Gly−Asp
−Trp−OH例112 N−(CH2 3 −CO−Arg−Gly−Asp
−Trp−OH質量スペクトル :(FAB):〔M+H〕+ :m/z=
618(分子量:617).
【0029】例122 N−(CH2 3 −CO−Lys−Gly−Asp
−Trp−OH質量スペクトル :(FAB):〔M+H〕+ :m/z=
590(分子量:589).例132 N−(CH2 4 −CO−Arg−Gly−Asp
−Trp−OH質量スペクトル :(FAB):〔M+H〕+ :m/z=
632(分子量:631).
【0030】例142 N−(CH2 5 −CO−Arg−Gly−Asp
−Trp−OH質量スペクトル :(FAB):〔M+H〕+ :m/z=
646(分子量:645).例152 N−(CH2 5 −CO−Lys−Gly−Asp
−Trp−OH
【0031】例162 N−(CH2 5 −CO−Lys−Gly−Asp
−Trp−NH2 質量スペクトル :(FAB):〔M+H〕+ :m/z=
617(分子量:616.7).例172 N−(CH2 6 −CO−Arg−Gly−Asp
−Trp−OH質量スペクトル :(FAB):〔M+H〕+ :m/z=
660(分子量:659).
【0032】例182 N−(CH2 6 −CO−Lys−Gly−Asp
−Trp−NH2 例192 N−(CH2 7 −CO−Arg−Gly−Asp
−Trp−NH2 例202 N−CH2 −CH(CH3 )−CO−Arg−Gl
y−Asp−Trp−OH
【0033】
【発明の効果】
薬理学試験 例21 血小板凝集 この試験は、イヌの血小板を使用して行う。動物をペン
トバルビトン ナトリウム(30mg/kg;i.v.)に
より麻酔した後に、動脈血液をクエン酸ナトリウム
(0.109M)(クエン酸塩11容量/血液9容量)
上に採取する。200gで、10分間の遠心分離(20
℃)の後に、血小板に富む血漿(PRP)が得られる。
このPRP中の血小板の数は、平均して300,000
pl/mm3 である。このPRPを試験時まで、室温に保
持し、採取後の4時間以内に使用する。
【0034】被験化合物の抗凝集効果は、アデノシン
ジホスフェート(ADP)(10uM)により活性化し
た血小板において評価する。血小板凝集は、シリコーン
ガラス製管内でアグレゴメーター(Coultroni
cs)を使用して、37℃で行う。PRPは1000rp
m で攪拌する。アンタゴニストの作用を試験するため
に、PRPを被験化合物とともに、攪拌することなく、
9分間インキュベートし、次いで攪拌しながら1分間イ
ンキュベートする。次いで、ADP(10μM)を加え
る。このアンタゴニストの効果を測定し、ADPによる
凝集応答の50%の抑制を生じさせるのに要するアンタ
ゴニストの濃度として、IC50を決定する。得られた結
果を下記の表1に示す:
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】例22 ラットの腸間膜動脈における実験的血栓症 この試験は、雄のラット(250−400g)で行っ
た。動物はペントバルビトン(50mg/kg;i.p.)
により麻酔する。静脈注入ができるように、頸静脈にカ
テーテルを付ける。腸間膜動脈の調整および血栓の誘発
は、Bourgain等の方法に従い行う(Adv.E
xp.Med.Biol,180,635−649頁、
1984年)。腹部の縦方向切開を行い、腸の一部を露
出する。両眼式拡大装置を使用し、直径200−500
μmの腸間膜動脈の血管試料を調整する。隣接する静脈
を分離し、脂肪組織を取り除く。このようにして、動脈
2mmの試料を調整する。次いで、動物を顕微鏡の下にお
き、上記腸間膜動脈試料に、生理溶液(37℃)を5ml
/分で灌流させる。この試料は数時間観察することがで
きる。像を、ビデオカメラおよび磁気検出機を使用して
記録する。
【0038】試料を取り付けそして安定化した後に、顕
微操作器により細動脈壁の両側に、白金電極を設置す
る。次いで、40μAの電流を60秒間適用することに
よって、皮内病変を誘発させる。この電流は5秒毎に反
転させる。この病変は僅かであり、そして血流または血
管直径にいかなる変化ももたらさない。正常では、電流
を適用しても血栓形成は見出だされない。次いで、血餅
の形成をADP(アデノシン ジホスフェート)を2分
間、灌流させることにより誘発させる。ADPは300
μMの最終モル濃度で使用する。血餅が形成され、次い
で2−5分の後に、血栓崩壊によって消失する。この血
管は引き続いて、正常状態を取り戻す。血餅の自発的形
成は見られない。ADP灌流は、15分毎に反復するこ
とができ、形成された血餅は比較できる大きさを有す
る。
【0039】動物に対する5分間の静脈注入による、血
栓形成に対する被験化合物の効果を試験する。この注入
は、ADPの灌流の一分前に開始する。記録した像を分
析し、血餅の大きさを、任意の面積値(arbitra
rysurface values)で表わす。この測
定はADPの灌流中および灌流後の一定の時点で行う。
従って、対照状態における血餅の大きさと被験化合物注
入後の血餅の大きさとを比較する。この結果を下記の表
IIに示す:
【0040】
【表4】
【0041】例23 マウスにおける血栓塞栓症 体重28−32gの雄マウス(CD−1)をこれらの試
験に使用する。動物は、試験の前の30分間、26−2
8℃に保持する。コラーゲン(150μg/ml)とアド
レナリン(100μmol/l)との組み合わせは、麻
痺によりマウスを死亡させる。マウスにはそれぞれ、こ
の組み合わせた物を0.1mlの量で与える。この量はマ
ウス1匹当たり、アドレナリン1.8μgおよびコラー
ゲン15μgの投与に相当する。死亡または麻痺の発生
を、上記組み合わせた物(アドレナリン+コラーゲン)
の尾静脈中への静脈注射(i.v.)の後の15分間に
わたり観察する。
【0042】被験ペプチド化合物は、上記アゴニスト組
み合わせと同時に注射する。作用の持続時間に係わる試
験の場合には、マウスを被験ペプチド化合物0.1mlの
i.v.投与により予備処置する。肺の組織学的検査を
行い、微循環の血管における微小血栓の存在が判るよう
にする。微小血栓の存在は、アドレナリン+コラーゲン
組み合わせ物に起因するものである。この試験の終了時
点で、肺を迅速に取り出し、ホルマリンに固定し、次い
でパラフィンで封入する。5μmの試料を取り、ヘマト
キシリン/エオシンにより着色する。これらの試料を検
査し、微小血栓の存在または不存在を記録する。X2
スト(Fischer)を使用して、被験ペプチド化合
物が投与されたマウスにおける効果と被験ペプチド化合
物が投与されなかったマウスにおける効果との間の有意
の差異が存在するか否かを決定する。
【0043】この試験において、本発明の化合物は活性
であり、アドレナリンおよびコラーゲンの作用に対し
て、マウスを防護する;例えば例11の化合物は0.0
3mg/マウスの投与量でマウスの半分を防護し、その
活性は、0.3mg/マウスの投与量でマウスの半分を
防護する対照物質(RGDW=H−Arg−Gly−A
sp−Trp−OH(EP−A−275748))に比
較して、10倍である。さらにまた、RGDWの作用持
続時間は、1mgの投与量で5分以下であるのに対し
て、本発明の化合物、例えば例1の化合物の場合は、1
時間以上である。本発明の化合物により、肺における微
小血栓の形成はRGDWに比較して大きい程度で阻止さ
れる。例えば、例11の化合物が0.03mg/マウス
の投与量で、血栓の形成を有意に阻止するのに対して、
RGDWは1mg/マウスの投与量からのみ活性であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トニー ヴェルビュラン フランス国ヴェルヌイレ,リュ アリスチ ド ブリアン,60 ビ (72)発明者 セルジ シモネ フランス国コンフラン − サン − オ ノラン,リュ デシレ クレマン,43

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): R1 −A−Gly−Asp−Trp−R2 (I) 〔式中、Aはアルギニン(Arg)またはリジン(Ly
    s)残基を表わし、R1 は直鎖状、分枝鎖状または環状
    のアミノ酸残基を表わし、そのアミン基はカルボニル基
    に対して、α−位置には存在しないものとし、そしてR
    2 は−NH2 または−OH基を表わす〕で示されるペプ
    チド化合物、それらの立体異性体、および製薬上許容さ
    れる酸または塩基による、それらの付加塩。
  2. 【請求項2】 上記R1 が、3−アミノプロパン酸、3
    −アミノ−2−メチルプロパン酸、4−アミノブタン
    酸、5−アミノペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、7
    −アミノヘプタン酸、ピロリジン−3−カルボン酸、ピ
    ペリジン−4−カルボン酸、ピリジン−4−カルボン酸
    およびキノリン−4−カルボン酸から選ばれるアミノ酸
    の残基である請求項1記載のペプチド化合物、それらの
    立体異性体、および製薬上許容される酸または塩基によ
    る、それらの付加塩。
  3. 【請求項3】 上記Aがアルギニン残基(Arg)を表
    わす請求項1記載のペプチド化合物、それらの立体異性
    体、および製薬上許容される酸または塩基による、それ
    らの付加塩。
  4. 【請求項4】 上記Aが、リジン残基(Lys)を表わ
    す請求項1記載のペプチド化合物、それらの立体異性
    体、および製薬上許容される酸または塩基による、それ
    らの付加塩。
  5. 【請求項5】 上記R2 が、−OH基を表わす請求項1
    記載のペプチド化合物、それらの立体異性体、および製
    薬上許容される酸または塩基による、それらの付加塩。
  6. 【請求項6】 上記R2 が、−NH2 基を表わす請求項
    1記載のペプチド化合物、それらの立体異性体、および
    製薬上許容される酸または塩基による、それらの付加
    塩。
  7. 【請求項7】 上記R1 が、−CO−(CH2 5 −N
    2 基を表わす請求項1記載のペプチド化合物、それら
    の立体異性体、および製薬上許容される酸または塩基に
    よる、それらの付加塩。
  8. 【請求項8】 上記R1 が基: 【化1】 を表わす、請求項1記載のペプチド化合物、それらの立
    体異性体、および製薬上許容される酸または塩基によ
    る、それらの付加塩。
  9. 【請求項9】 下記式: 【化2】 で表わされる請求項1記載のペプチド化合物、それらの
    立体異性体、および製薬上許容される酸または塩基によ
    る、それらの付加塩。
  10. 【請求項10】 下記式: 【化3】 で表わされる請求項1記載のペプチド化合物、それらの
    立体異性体、および製薬上許容される酸または塩基によ
    る、それらの付加塩。
  11. 【請求項11】 式(I)で表わされるペプチド化合物
    の製造方法であって、保護アミノ酸を使用する遂次固相
    合成法、酵素による合成法、形質転換したバクテリアに
    おける遺伝子のクローニングと発現とによる遺伝子学的
    合成法、またはこれらの方法の組み合わせによって、式
    (I)で表わされるペプチド化合物を得、このようにし
    て得られた式(I)で表わされるペプチド化合物を、通
    常の精製方法により精製し、そしてまた適当な場合に、
    製薬的に許容される酸または塩基によるそれらの付加塩
    に変換する、ことを特徴とする製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1−10のいづれかに記載の少
    なくとも一種の化合物を単独で、または一種以上の製薬
    上許容される、無毒性の、不活性担体あるいは賦形剤と
    組み合わせて含有する、血栓症、肺動脈塞栓症、末梢動
    脈塞栓症、心筋梗塞、アテローム硬化症および血栓塞栓
    症症候群、および血管形成後の再狭窄症の処置用の、お
    よび血液恒常性の維持、特に体外循環における血液恒常
    性の維持用の、および血栓崩壊処置の補助治療用の、製
    薬組成物。
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