JPH089577Y2 - 薄型蒸発器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、冷媒を供給、回収する冷媒入・出口部を補
強板、又は、冷媒流通部と一体的に形成する薄型蒸発器
に関するものである。

［従来の技術］ 自動車用空気調和系統の通常的な蒸発器は、２個のス
タンピングにより成された平坦中空胴体が大多数である
薄板であるとか、重畳構造によりなされるのである。各
胴体は、両端部タンク形成部と中間通路部により構成さ
れる。周縁が結合された２個のスタンピング板は両端部
にタンク形成部、通路形成部と中間通路により構成され
る。

通常、襞形状であるフィン、中空胴体とフィン等が相
互に対して交替に重畳され、一対の端部板が両側面上の
中空胴体の最外側に固定される。タンクと端部板との間
に挿入される冷媒入・出口部パイプは、炉内の半田付け
により他の部分と一体となる。通常的に、このような入
出口パイプは長方形断面の冷却鍛造により成され、既に
使用中である半田付けでは熔接性が劣り、製作費用が高
くなる。

従って、スタンピング板と端部板がパイプを、元の位
置に固定すべく堅固でなければならないので、厚さが厚
くなり、高い製作費用を誘発させるのである。

他方、米国特許第4,487,038号は、通常のプレス作業
で入・出口部を形成する典型的な技術である。

米国特許第4,487,038号は、端部板と最外側中空胴体
との間に冷媒入・出口部が挿入されるようにする中空胴
体に向かう固定突起がある中空胴体の最外側に固定され
る端部板と、外郭を相接させる一対の半管形状パイプを
上記の固定突起により元の位置に固定させ、炉内の半田
付けにより結合されるように成されている。これは、ア
ルミニウム半田付け板をプレス加工した冷媒入・出口部
により冷媒入・出口流通部を形成する技術である。

［考案が解決しようとする課題］ このような従来の技術において、冷媒入・出口流通部
に他の部品を組み立てる際に、冷媒入・出口流通部を固
定する装置が、蒸発器の両終端の補強板になければなら
ない。従って、冷媒入・出口部の製作と補強板に突起を
形成させるパンチの工数が増加され、製作費用が高くな
り、工程が増加され、常に、不良の要因を伴うため、工
程過程において、細心な注意が必要となっていた。

本考案の目的は、上記の課題を解決すべく、補強板と
一体に形成される入出口パイプ装置により成される薄型
蒸発器を提供することにある。

本考案の他の目的は、補強板と一体に形成される入出口
パイプ装置の組立技術を提供することにある。

本考案の更に他の目的は、補強板と一体に形成される
入出口パイプの新たな構造を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き観点に鑑みてなされたものであ
って、半円管状に形成された一対の冷媒入・出口部材に
より構成される冷媒入・出口部と、一対の冷媒板により
並行に配列された複数の流路に放熱フィンが介在された
冷媒流通部と、該冷媒流通部中最外側に位置する補強板
により構成される薄型蒸発器において、前記冷媒入・出
口部を構成する冷媒入・出口部材の一方は前記補強板を
一体に形成し、他方は前記補強板の内側に位置される冷
媒板上部の冷媒入・出口通路に具備された固定手段によ
り結合されてなる薄型蒸発器を提供しようとするもので
ある。

［作用及び実施例］ 以下、本考案一実施例の構成を図面を参照しながら作
用と共に説明する。

第１図に示されるように、薄板型蒸発器１は一対の冷
媒板３、３′により構成された冷媒流通部３″で大部分
が構成され、その上下は両端にタンク構成部４、４′、
５、５′を各々結合して冷媒相互流通する上部タンク９
と下部タンク10を設置する。

襞形状である放熱フィン６が一対の冷媒板３、３′に
より並行に配列された複数の流路に挿入される。

冷媒流通部３″両側の最外側に補強板７が各々固定さ
れる。

従って、補強板７と冷媒板３、３′間に冷媒入・出口
部８が形成される。

第２図は冷媒入・出口部８の分解図である。冷媒入・
出口部８は半円管形状の冷媒入・出口部材11と、補強板
７と、更に他の半円管形状の冷媒入・出口部材12と冷媒
板13とタンク構成部４により構成されている。

補強板７は冷媒入・出口部材11と一体になるようにプ
レス加工により製作される。更に他の冷媒入・出口部材
12は、冷媒入・出口通路14、15があるべくプレス加工さ
れる。

冷媒板13は、冷媒入・出口通路16、17において、前記
冷媒入・出口通路14、15を通じて、冷媒入・出口通路16
に形成された固定手段14′を利用し上部方向に固定さ
せ、冷媒入・出口部材12と結合させる。これはプレス加
工により完成される。タンク構成部４はプレス加工によ
り形成された冷媒入・出口通路19、20と冷媒分配室18に
より構成され、半田付けで冷媒板13と連結される。冷媒
通路、つまり、中間通路21はタンク構成部４と冷媒板13
間に存在するようになる。

考案の形状に従って蒸発器が組み立てられる時、タン
ク構成部４、４′、５、５′等は相互に対し交替に重畳
される。

タンク構成部４と冷媒板13はその周辺の回りのフラン
ジに沿って炉内の半田付けにより連結される。

冷媒入・出口部材12を固定させた後、補強板７の上部
にある冷媒入・出口部材11を冷媒入・出口部材12と結合
させる。

これと反対に、補強板７が冷媒入・出口部材11と一体
となり、分離された冷媒入・出口部材12と結合させるこ
とができる。

一方、冷媒入・出口部材11に一体に加工された補強板
７を分離させて他の冷媒入・出口部材12に一体に形成せ
しめることもできる。

第３図の冷媒入・出口部組立体の断面図に示されるよ
うに、冷媒入・出口部８は冷媒入・出口部材11と一体と
される補強板７と共に唯一つの冷媒入・出口部材12のみ
があり、冷媒入・出口部材12が冷媒板13と共にプレスさ
れる固定手段14′により結合されるため、工数のみなら
ず要求部品数も減少されるし、冷媒入・出口部を固定す
る別途の手段が不必要である。

第４図の冷媒入・出口部材12は冷媒板13の固定手段1
4′を冷媒入・出口通路14に挿入して外側へ曲げて固定
させる。

［考案の効果］ 以上の説明により明らかなように、本考案によれば、
一対の冷媒入・出口部材11、12の各々の外周縁を面接触
せしめて高圧にも耐えることができる緊密な接合をなす
ことができる。そして、冷媒板13をそれに具備された固
定手段14′により一対の冷媒入・出口部材11、12に固定
させることができるので、別途、特別な治具を必要とし
ない。

そして、製造費が鍛造品の鋳型費に比べて相対的に低
廉になる。

また、冷媒入・出口部を固定する別途の手数が省か
れ、予め定められた位置に容易に固定することができて
部品の半田付け不良を減少させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の薄型蒸発器の全体構成正面
図、第２図は同冷媒入・出口部の要部の分解斜視図、第
３図は同冷媒入・出口部の要部の組立断面図、第４図は
第３図のＡ−Ａ線断面図である。 １……薄型蒸発器 ３……冷媒板 ３′……冷媒板 ３″……冷媒流通部 ６……放熱フィン ７……補強板 ８……冷媒入・出口部 11……冷媒入・出口部材 12……冷媒入・出口部材 13……冷媒板 14′……固定手段 16……冷媒入・出口通路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】半円管状に形成された一対の冷媒入・出口
   部材11、12により構成される冷媒入・出口部８と、一対
   の冷媒板３、３′により並行に配列された複数の流路に
   放熱フィン６が介在された冷媒流通部３″と、該冷媒流
   通部３″中最外側に位置する補強板７により構成される
   薄型蒸発器１において、 前記冷媒入・出口部８を構成する冷媒入・出口部材11、
   12の一方は前記補強板７を一体に形成し、他方は前記補
   強板７の内側に位置される冷媒板13上部の冷媒入・出口
   通路16に具備された固定手段14′により結合されてなる
   ことを特徴とする薄型蒸発器。