JPH0895265A - 電子写真感光体の製造法 - Google Patents
電子写真感光体の製造法Info
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- JPH0895265A JPH0895265A JP23356294A JP23356294A JPH0895265A JP H0895265 A JPH0895265 A JP H0895265A JP 23356294 A JP23356294 A JP 23356294A JP 23356294 A JP23356294 A JP 23356294A JP H0895265 A JPH0895265 A JP H0895265A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 感光層塗布時の塗工槽雰囲気の温度と感光液
の温度の差を一定の範囲とすることにより、感光体製造
所の環境湿度を低く抑えなくとも感光層の白化を防止で
きる電子写真感光体の製造法を提供する。 【構成】 感光層材料を溶剤に溶解及び/又は分散した
感光液を導電性基体上に塗布することにより感光層を形
成する工程を少なくとも一工程行う電子写真感光体の製
造法で、導電性基体上に感光液を塗布する工程におい
て、塗工槽雰囲気の温度と感光液の温度の差を(塗工槽
雰囲気の温度−感光液の温度)−7.5〜0.5℃の範
囲とすることを特徴とする電子写真感光体の製造法。
の温度の差を一定の範囲とすることにより、感光体製造
所の環境湿度を低く抑えなくとも感光層の白化を防止で
きる電子写真感光体の製造法を提供する。 【構成】 感光層材料を溶剤に溶解及び/又は分散した
感光液を導電性基体上に塗布することにより感光層を形
成する工程を少なくとも一工程行う電子写真感光体の製
造法で、導電性基体上に感光液を塗布する工程におい
て、塗工槽雰囲気の温度と感光液の温度の差を(塗工槽
雰囲気の温度−感光液の温度)−7.5〜0.5℃の範
囲とすることを特徴とする電子写真感光体の製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体の製造
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術】カールソン法による電子写真装置(プリ
ンター、複写機等)に搭載されて使用される電子写真感
光体において、有機光導電性化合物を使用した有機電子
写真感光体は、可とう性、軽量性、表面平滑性、価格等
の点において従来の無機電子写真感光体と比べて有利で
あることから、最近、広く研究、製造されている。特
に、円筒状の導電性基体上に感光層を形成した有機感光
体ドラムや導電性を付与したポリエステルフィルム等の
フレキシブルフィルム上に有機感光層を形成した有機感
光体フィルムは形状や寸法を自由に変えられるため電子
写真装置の設計上有利であり、また取扱いが簡単である
ため、数多く生産されている。これらの有機感光体をカ
ールソン法による電子写真装置に適用した場合には、ま
ず、感光体表面を均一に帯電させた後、必要に応じて露
光することにより静電潜像を形成する。次に、同符号あ
るいは異符号に帯電した一般にトナーと称する現像剤に
より現像し、トナー画像を他の基体、例えば紙等に転
写、定着し、コピーを得ることができる。
ンター、複写機等)に搭載されて使用される電子写真感
光体において、有機光導電性化合物を使用した有機電子
写真感光体は、可とう性、軽量性、表面平滑性、価格等
の点において従来の無機電子写真感光体と比べて有利で
あることから、最近、広く研究、製造されている。特
に、円筒状の導電性基体上に感光層を形成した有機感光
体ドラムや導電性を付与したポリエステルフィルム等の
フレキシブルフィルム上に有機感光層を形成した有機感
光体フィルムは形状や寸法を自由に変えられるため電子
写真装置の設計上有利であり、また取扱いが簡単である
ため、数多く生産されている。これらの有機感光体をカ
ールソン法による電子写真装置に適用した場合には、ま
ず、感光体表面を均一に帯電させた後、必要に応じて露
光することにより静電潜像を形成する。次に、同符号あ
るいは異符号に帯電した一般にトナーと称する現像剤に
より現像し、トナー画像を他の基体、例えば紙等に転
写、定着し、コピーを得ることができる。
【0003】これらの有機電子写真感光体は導電性基体
上に有機光導電性物質を含む感光層を形成してなるが、
感光層の構造及び組成は様々である。構造については、
導電性基体上に有機光導電性物質および結合剤よりなる
感光層を形成した単層型感光体、また、導電性基体上に
電荷を発生する光導電性物質と結合剤よりなる電荷発生
層と電荷を輸送する電荷輸送物質と結合剤よりなる電荷
輸送層を積層した積層型感光体などがある。加えて、導
電性基体と感光層との間に設ける下引き層、感光層の上
に設ける保護層、前記積層型感光体の電荷発生層と電荷
輸送層との間に設ける中間層など必要に応じて前記単層
および積層型感光体に様々な層を設けた感光体がある。
また、組成については様々な感光層用の材料が研究、開
発されており、前記各層に用いる有機光導電性物質、電
荷発生物質、電荷輸送物質、結合剤の他にも必要に応じ
て様々な添加剤等がある。一方、感光液の塗布方法とし
ては浸せき塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、ア
プリケータ塗工法、ワイヤーバー塗工法等があり、これ
らの塗工法は様々な改良が加えられている。
上に有機光導電性物質を含む感光層を形成してなるが、
感光層の構造及び組成は様々である。構造については、
導電性基体上に有機光導電性物質および結合剤よりなる
感光層を形成した単層型感光体、また、導電性基体上に
電荷を発生する光導電性物質と結合剤よりなる電荷発生
層と電荷を輸送する電荷輸送物質と結合剤よりなる電荷
輸送層を積層した積層型感光体などがある。加えて、導
電性基体と感光層との間に設ける下引き層、感光層の上
に設ける保護層、前記積層型感光体の電荷発生層と電荷
輸送層との間に設ける中間層など必要に応じて前記単層
および積層型感光体に様々な層を設けた感光体がある。
また、組成については様々な感光層用の材料が研究、開
発されており、前記各層に用いる有機光導電性物質、電
荷発生物質、電荷輸送物質、結合剤の他にも必要に応じ
て様々な添加剤等がある。一方、感光液の塗布方法とし
ては浸せき塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、ア
プリケータ塗工法、ワイヤーバー塗工法等があり、これ
らの塗工法は様々な改良が加えられている。
【0004】以上のように有機感光体には様々な構造や
組成があるが、その製造法の基本は感光層材料を溶剤に
溶解及び/又は分散した感光液を基体上に塗布した後、
乾燥及び/又は硬化することにより感光液中の溶剤を除
去すること及び/又は加熱により感光液を硬化すること
により形成されるという点ではほぼ同じである。感光体
が複数の層構成であれば各層ごとに各層の材料を溶剤に
溶解した感光液を作製し、1層ずつ塗布−乾燥及び/又
は硬化の工程を繰り返して積層して感光体を形成する。
また、積層型感光体の製造法によっては、電荷発生層を
光導電性物質を真空状着などで積層する、感光液を塗布
する以外の工程を含むものもあるが、全ての層を塗布法
以外の工程で積層することはきわめて希であり、いずれ
かの層を塗布法で形成するのが一般的である。
組成があるが、その製造法の基本は感光層材料を溶剤に
溶解及び/又は分散した感光液を基体上に塗布した後、
乾燥及び/又は硬化することにより感光液中の溶剤を除
去すること及び/又は加熱により感光液を硬化すること
により形成されるという点ではほぼ同じである。感光体
が複数の層構成であれば各層ごとに各層の材料を溶剤に
溶解した感光液を作製し、1層ずつ塗布−乾燥及び/又
は硬化の工程を繰り返して積層して感光体を形成する。
また、積層型感光体の製造法によっては、電荷発生層を
光導電性物質を真空状着などで積層する、感光液を塗布
する以外の工程を含むものもあるが、全ての層を塗布法
以外の工程で積層することはきわめて希であり、いずれ
かの層を塗布法で形成するのが一般的である。
【0005】最近のオフィスオートメーション化にとも
ない、従来、大型であった電子写真装置は小型化、軽量
化が進み、机の上に置けるほどになってきている。これ
にともない、電子写真感光体も小型化、軽量化が要求さ
れるようになってきた。例えば、ドラムの場合、基体で
ある円筒状の導電性基体の口径が100mm以下と寸法が
小さく、肉厚が2mm以下と薄くなっている。前述の通
り、有機感光体は導電性基体上に感光材料を溶剤に溶解
した感光液を導電性基体に塗布、乾燥及び/又は硬化す
ることにより形成する。感光液を塗布する導電性基体の
肉厚が薄くなると基体上に感光液を塗布した直後から乾
燥及び/又は硬化までの過程で感光層が白く曇る、いわ
ゆる白化という現象が発生し、均一な感光層が得られな
いという問題点が生じる、白化は感光液塗布直後の感光
層中の溶剤が盛んに蒸発している間に最も発生し易い。
感光層に白化が生じた感光体を電子写真装置に適用した
場合、感光体表面を帯電させた電位及び必要に応じて露
光した時の電位が不均一となり、結果として、画像にム
ラが発生する。
ない、従来、大型であった電子写真装置は小型化、軽量
化が進み、机の上に置けるほどになってきている。これ
にともない、電子写真感光体も小型化、軽量化が要求さ
れるようになってきた。例えば、ドラムの場合、基体で
ある円筒状の導電性基体の口径が100mm以下と寸法が
小さく、肉厚が2mm以下と薄くなっている。前述の通
り、有機感光体は導電性基体上に感光材料を溶剤に溶解
した感光液を導電性基体に塗布、乾燥及び/又は硬化す
ることにより形成する。感光液を塗布する導電性基体の
肉厚が薄くなると基体上に感光液を塗布した直後から乾
燥及び/又は硬化までの過程で感光層が白く曇る、いわ
ゆる白化という現象が発生し、均一な感光層が得られな
いという問題点が生じる、白化は感光液塗布直後の感光
層中の溶剤が盛んに蒸発している間に最も発生し易い。
感光層に白化が生じた感光体を電子写真装置に適用した
場合、感光体表面を帯電させた電位及び必要に応じて露
光した時の電位が不均一となり、結果として、画像にム
ラが発生する。
【0006】感光層は有機光導電物質、結合剤および各
種の添加剤を感光層の構成や各層の必要に応じて選択し
て構成されている。感光液に用いられる溶剤はこれらの
感光層材料を均一に溶解するまたは均一に分散すること
および感光液を導電性基体上に塗布した場合に速やかに
感光層から蒸発することが必要である。溶剤の蒸発速度
が遅いと、感光液がたれ落ちてしまい感光層全体の膜厚
を均一に形成できないなどという感光層成膜上の問題が
生じる。これらのことから、感光層に用いる溶剤は低沸
点、高蒸発速度のものを選定せざるを得ない。
種の添加剤を感光層の構成や各層の必要に応じて選択し
て構成されている。感光液に用いられる溶剤はこれらの
感光層材料を均一に溶解するまたは均一に分散すること
および感光液を導電性基体上に塗布した場合に速やかに
感光層から蒸発することが必要である。溶剤の蒸発速度
が遅いと、感光液がたれ落ちてしまい感光層全体の膜厚
を均一に形成できないなどという感光層成膜上の問題が
生じる。これらのことから、感光層に用いる溶剤は低沸
点、高蒸発速度のものを選定せざるを得ない。
【0007】これらの点から選ばれる溶剤としては、例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチ
ル、塩化メチレン、トルエン、キシレン、セロソルブ、
1,1,2−トリクロロエタン、メタノール、イソプロ
ピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルア
ルコール、1,2−ジクロロエタン、ジオキサン、シク
ロヘキサン、シクロヘキサノン等がある。
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチ
ル、塩化メチレン、トルエン、キシレン、セロソルブ、
1,1,2−トリクロロエタン、メタノール、イソプロ
ピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルア
ルコール、1,2−ジクロロエタン、ジオキサン、シク
ロヘキサン、シクロヘキサノン等がある。
【0008】このような溶剤を用いた感光液を導電性基
体上に塗布した場合、溶剤が急速に蒸発することによ
り、導電性基体から熱が奪われ、導電性基体の温度が低
下する。導電性基体の肉厚が薄くなると、導電性基体の
熱容量が小さくなり、塗布した感光液中の溶剤が蒸発す
ることによる導電性基体の温度低下が大きくなり、感光
体製造所の環境温度と感光体の温度差が大きくなるため
に、空気中の水分が感光層表面に結露することにより感
光層の白化が発生すると考えられる。このような感光層
の白化を防止するためには、感光液に用いる溶剤を低沸
点、低蒸発速度のものに置き換える、または、感光体製
造所の環境湿度を低く抑えることが考えられる。溶剤を
置き換えることは前述のように感光層の成膜上の問題か
ら限界がある。したがって、感光体製造所の環境湿度を
低く抑える必要がでてくる。しかし、梅雨時期のような
多湿の季節においても常に湿度を低く抑えるためには大
規模な空調システムを導入することが必要であり、導入
費用、電力などの運転費用などがかかる点、および運転
により大量の熱を放出する点など、現在の省エネルギ
ー、環境問題に対してもマイナス面が多い。
体上に塗布した場合、溶剤が急速に蒸発することによ
り、導電性基体から熱が奪われ、導電性基体の温度が低
下する。導電性基体の肉厚が薄くなると、導電性基体の
熱容量が小さくなり、塗布した感光液中の溶剤が蒸発す
ることによる導電性基体の温度低下が大きくなり、感光
体製造所の環境温度と感光体の温度差が大きくなるため
に、空気中の水分が感光層表面に結露することにより感
光層の白化が発生すると考えられる。このような感光層
の白化を防止するためには、感光液に用いる溶剤を低沸
点、低蒸発速度のものに置き換える、または、感光体製
造所の環境湿度を低く抑えることが考えられる。溶剤を
置き換えることは前述のように感光層の成膜上の問題か
ら限界がある。したがって、感光体製造所の環境湿度を
低く抑える必要がでてくる。しかし、梅雨時期のような
多湿の季節においても常に湿度を低く抑えるためには大
規模な空調システムを導入することが必要であり、導入
費用、電力などの運転費用などがかかる点、および運転
により大量の熱を放出する点など、現在の省エネルギ
ー、環境問題に対してもマイナス面が多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みてなされたものであり、感光層塗布時の塗工槽雰囲気
の温度と感光液の温度の差を一定の範囲とすることによ
り、感光体製造所の環境湿度を低く抑えなくとも感光層
の白化を防止できる電子写真感光体の製造法を提供する
ものである。
みてなされたものであり、感光層塗布時の塗工槽雰囲気
の温度と感光液の温度の差を一定の範囲とすることによ
り、感光体製造所の環境湿度を低く抑えなくとも感光層
の白化を防止できる電子写真感光体の製造法を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光層材料を
溶剤に溶解及び/又は分散した感光液を導電性基体上に
塗布することにより感光層を形成する工程を少なくとも
一工程行う電子写真感光体の製造法において、導電性基
体上に感光液を塗布する工程で、塗工槽雰囲気の温度と
感光液の温度の差(塗工槽雰囲気の温度−感光液の温
度)を−7.5〜0.5℃の範囲とすることを特徴とす
る電子写真感光体の製造法に関する。
溶剤に溶解及び/又は分散した感光液を導電性基体上に
塗布することにより感光層を形成する工程を少なくとも
一工程行う電子写真感光体の製造法において、導電性基
体上に感光液を塗布する工程で、塗工槽雰囲気の温度と
感光液の温度の差(塗工槽雰囲気の温度−感光液の温
度)を−7.5〜0.5℃の範囲とすることを特徴とす
る電子写真感光体の製造法に関する。
【0011】本発明において導電性基体としては、紙、
プラスチックフィルム等にアルミニウム等の金属箔を積
層したプラスチックフィルム、金属板、金属ドラム等の
導電体などが使用できる。
プラスチックフィルム等にアルミニウム等の金属箔を積
層したプラスチックフィルム、金属板、金属ドラム等の
導電体などが使用できる。
【0012】このような、導電性基体上に単層型、積層
型などの感光層が設けられる。感光層は、感光層の材料
を溶剤に溶解した感光液を導電性基体上に塗布、乾燥及
び/又は硬化して形成する。感光層の塗工法としては、
浸せき塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、アプリ
ケータ塗工法、ワイヤーバー塗工法等があり、これらの
塗工法は様々な改良が加えられているが、本発明の製造
法はいずれの塗布方法においても有効である。また、本
発明は、積層型感光体で、一部の層を真空状着で形成す
る工程を含むものであっても、その以外の層を上記のよ
うな塗工法を用いて形成する場合、その塗布法により形
成する工程において有効である。
型などの感光層が設けられる。感光層は、感光層の材料
を溶剤に溶解した感光液を導電性基体上に塗布、乾燥及
び/又は硬化して形成する。感光層の塗工法としては、
浸せき塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、アプリ
ケータ塗工法、ワイヤーバー塗工法等があり、これらの
塗工法は様々な改良が加えられているが、本発明の製造
法はいずれの塗布方法においても有効である。また、本
発明は、積層型感光体で、一部の層を真空状着で形成す
る工程を含むものであっても、その以外の層を上記のよ
うな塗工法を用いて形成する場合、その塗布法により形
成する工程において有効である。
【0013】塗工槽雰囲気及び感光液の温度コントロー
ルは、常法により行えるが、例えば、感光液については
導電性基体が円筒状のドラムである場合、図1に示すよ
うに感光液の入った塗工タンクをヒータ、温水等で保温
する等の方法がある。
ルは、常法により行えるが、例えば、感光液については
導電性基体が円筒状のドラムである場合、図1に示すよ
うに感光液の入った塗工タンクをヒータ、温水等で保温
する等の方法がある。
【0014】塗工槽雰囲気の温度と感光液の温度の差
(塗工槽雰囲気の温度−感光液の温度)は、−7.5〜
0.5℃とされ、−3.0〜0.0℃が好ましい。0.
5℃を超えると温度が高い場合には感光層が白化しやす
い傾向にあり、−7.5℃未満であると感光液の固形分
濃度が変化しやすく、連続的に感光層を形成する場合に
電子写真感光体の感光層膜厚のバラツキが大きくなる。
(塗工槽雰囲気の温度−感光液の温度)は、−7.5〜
0.5℃とされ、−3.0〜0.0℃が好ましい。0.
5℃を超えると温度が高い場合には感光層が白化しやす
い傾向にあり、−7.5℃未満であると感光液の固形分
濃度が変化しやすく、連続的に感光層を形成する場合に
電子写真感光体の感光層膜厚のバラツキが大きくなる。
【0015】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例で
は、感光層の成膜状態を調べ易くするため積層型感光体
の下引き層又は電荷輸送層を各々別々に直接導電性基体
に塗布した例を示した。実際の感光体においては前述の
通り、これらの感光層のほか電荷発生層等を必要に応じ
て順次積層して電子写真感光体を製造する。以下の例中
に使用した材料と感光液は材料とその感光液調製法を列
記する。括弧内には略号を示す。
発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例で
は、感光層の成膜状態を調べ易くするため積層型感光体
の下引き層又は電荷輸送層を各々別々に直接導電性基体
に塗布した例を示した。実際の感光体においては前述の
通り、これらの感光層のほか電荷発生層等を必要に応じ
て順次積層して電子写真感光体を製造する。以下の例中
に使用した材料と感光液は材料とその感光液調製法を列
記する。括弧内には略号を示す。
【0016】(1)用いた感光液 (A)下引き層用材料 ポリアミド樹脂:M995、固形分100重量% 日本
リルサン(株)製 下引き層用の塗工液はM995を50gを溶剤に950
gに溶解して調製した。 (B)電荷輸送層(CTL)用材料 ポリカーボネート樹脂:ポリカーボネートZ(PC−
Z)、固形分100重量% 帝人化成製 電荷輸送物質:1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−4,4−ジフェニル1,3−ブタジエン(PB
D) CTL用感光液は75gのPC−Zと75gのPBDを
850gの溶剤に溶解して調製した。 (C)溶剤 ジクロロメタン(DCM):試薬特級 和光純薬製 エタノール(EtOH):試薬特級 和光純薬製 テトラヒドラフラン(THF):試薬1級 和光純薬製
リルサン(株)製 下引き層用の塗工液はM995を50gを溶剤に950
gに溶解して調製した。 (B)電荷輸送層(CTL)用材料 ポリカーボネート樹脂:ポリカーボネートZ(PC−
Z)、固形分100重量% 帝人化成製 電荷輸送物質:1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−4,4−ジフェニル1,3−ブタジエン(PB
D) CTL用感光液は75gのPC−Zと75gのPBDを
850gの溶剤に溶解して調製した。 (C)溶剤 ジクロロメタン(DCM):試薬特級 和光純薬製 エタノール(EtOH):試薬特級 和光純薬製 テトラヒドラフラン(THF):試薬1級 和光純薬製
【0017】(2)導電性基体 (a)円筒状ドラム 材質:アルミニウム合金(JIS A3003)、外径
80mm、内径75mm、管長400mm、肉厚2.5mm (3)塗工装置 図1に示す装置に、ドラムを塗工治具に取り付けた後、
塗工液又は感光液を入れた塗工タンク中に浸せきし、そ
の後ドラムを一定速度で引き上げて塗工液又は感光液を
ドラムに塗布した。なお、図1において1は感光液、2
は塗工槽雰囲気、3は温水タンク、4は温度コントロー
ル用温水、5は温度センサ、6は導電性基体、7は塗工
タンク、8は塗工治具及び9は塗工槽ブースを示す。
80mm、内径75mm、管長400mm、肉厚2.5mm (3)塗工装置 図1に示す装置に、ドラムを塗工治具に取り付けた後、
塗工液又は感光液を入れた塗工タンク中に浸せきし、そ
の後ドラムを一定速度で引き上げて塗工液又は感光液を
ドラムに塗布した。なお、図1において1は感光液、2
は塗工槽雰囲気、3は温水タンク、4は温度コントロー
ル用温水、5は温度センサ、6は導電性基体、7は塗工
タンク、8は塗工治具及び9は塗工槽ブースを示す。
【0018】比較例1 ドラムを塗工治具に取り付け、溶剤としてジクロロメタ
ンを用いた下引き層用の塗工液を乾燥後の膜厚が0.5
μmとなる条件で塗布した。塗工後1分間塗工槽雰囲気
に放置して風乾した後、100℃の乾燥機中で1時間加
熱乾燥して下引き層を形成した。塗工槽雰囲気の温度は
24℃、相対湿度は72%、塗工液の温度は21℃であ
った。
ンを用いた下引き層用の塗工液を乾燥後の膜厚が0.5
μmとなる条件で塗布した。塗工後1分間塗工槽雰囲気
に放置して風乾した後、100℃の乾燥機中で1時間加
熱乾燥して下引き層を形成した。塗工槽雰囲気の温度は
24℃、相対湿度は72%、塗工液の温度は21℃であ
った。
【0019】比較例2 比較例1と同じ条件及び方法で下引き層を形成した。但
し、塗工槽雰囲気の温度は23℃、相対湿度は60%、
感光液の温度は22.1℃であった。
し、塗工槽雰囲気の温度は23℃、相対湿度は60%、
感光液の温度は22.1℃であった。
【0020】実施例1 比較例1と同じ条件及び方法で、下引き層を形成した。
但し、塗工槽雰囲気の温度は21℃、相対湿度は72
%、感光液の温度は22.5℃であった。
但し、塗工槽雰囲気の温度は21℃、相対湿度は72
%、感光液の温度は22.5℃であった。
【0021】比較例3 溶剤にエタノールを用いた下引き層用塗工液を用い、比
較例1と同条件で下引き層を形成した。但し、塗工槽雰
囲気の温度は24℃、相対湿度は78%、RH感光液の
温度は23.3℃であった。
較例1と同条件で下引き層を形成した。但し、塗工槽雰
囲気の温度は24℃、相対湿度は78%、RH感光液の
温度は23.3℃であった。
【0022】比較例4 ドラムを塗工治具に取り付け、溶剤としてジクロロメタ
ンを用いたCTL用感光液を乾燥後の膜厚が20μmに
なる条件で塗布した。塗工後1分間塗工槽雰囲気に放置
して風乾した後、100℃の乾燥機中で1時間加熱乾燥
してCTLを形成した。塗工槽雰囲気の温度は22℃、
相対湿度は74%、感光液の温度は20℃であった。
ンを用いたCTL用感光液を乾燥後の膜厚が20μmに
なる条件で塗布した。塗工後1分間塗工槽雰囲気に放置
して風乾した後、100℃の乾燥機中で1時間加熱乾燥
してCTLを形成した。塗工槽雰囲気の温度は22℃、
相対湿度は74%、感光液の温度は20℃であった。
【0023】実施例2 比較例4と同じ条件及び方法で、CTLを形成した。但
し、塗工槽雰囲気の温度は23℃、相対湿度は70%、
感光液の温度は24.5℃であった。
し、塗工槽雰囲気の温度は23℃、相対湿度は70%、
感光液の温度は24.5℃であった。
【0024】実施例3 溶剤としてTHFを用いたCTL用感光液を用い、比較
例4と同じ条件及び方法でCTLを形成した。但し、塗
工槽雰囲気の温度は23℃、相対湿度は78%、感光液
の温度は29℃であった。
例4と同じ条件及び方法でCTLを形成した。但し、塗
工槽雰囲気の温度は23℃、相対湿度は78%、感光液
の温度は29℃であった。
【0025】実施例4 溶剤としてTHFを用いたCTL用感光液を用い、比較
例4と同じ条件及び方法でCTLを形成した。但し、塗
工槽雰囲気の温度は20℃、相対湿度は86%、感光液
の温度は27.5℃であった。
例4と同じ条件及び方法でCTLを形成した。但し、塗
工槽雰囲気の温度は20℃、相対湿度は86%、感光液
の温度は27.5℃であった。
【0026】実施例5 溶剤としてTHFを用いたCTL用感光液を用い、比較
例4と同じ条件及び方法でCTLを形成した。但し、塗
工槽雰囲気の温度は21℃、相対湿度は82%、感光液
の温度は、24℃であった。
例4と同じ条件及び方法でCTLを形成した。但し、塗
工槽雰囲気の温度は21℃、相対湿度は82%、感光液
の温度は、24℃であった。
【0027】実施例6 溶剤としてジクロロメタンを用いたCTL用感光液を用
い、比較例4と同じ条件及び方法でCTLを形成した。
但し、塗工槽雰囲気の温度は23℃、相対湿度は76
%、感光液の温度は22.5℃であった。
い、比較例4と同じ条件及び方法でCTLを形成した。
但し、塗工槽雰囲気の温度は23℃、相対湿度は76
%、感光液の温度は22.5℃であった。
【0028】上記実施例1〜6及び比較例1〜4で得ら
れたドラムを塗工直後から1分間塗工槽雰囲気で乾燥
し、その後、塗膜表面を目視で観察し、塗膜の白化のあ
りなしを調べた。結果は表1に示した。
れたドラムを塗工直後から1分間塗工槽雰囲気で乾燥
し、その後、塗膜表面を目視で観察し、塗膜の白化のあ
りなしを調べた。結果は表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】比較例1〜4のように塗工槽雰囲気の温度
と感光液の温度の差が0.5℃を超える場合には、白化
が発生してしまう。一方、各実施例のように塗工槽雰囲
気の温度−感光液の温度が−7.5〜0.5℃の場合に
は湿度が70〜86RH%と高くても感光層の白化は発
生せず、良好な感光層が形成された。このことから、本
発明のように塗工槽雰囲気の温度と感光液の温度との差
を特定の範囲に制御することで、感光体製造所の湿度を
低く抑えなくても白化が発生せず良好な感光体を形成で
きることがわかる。
と感光液の温度の差が0.5℃を超える場合には、白化
が発生してしまう。一方、各実施例のように塗工槽雰囲
気の温度−感光液の温度が−7.5〜0.5℃の場合に
は湿度が70〜86RH%と高くても感光層の白化は発
生せず、良好な感光層が形成された。このことから、本
発明のように塗工槽雰囲気の温度と感光液の温度との差
を特定の範囲に制御することで、感光体製造所の湿度を
低く抑えなくても白化が発生せず良好な感光体を形成で
きることがわかる。
【0031】
【発明の効果】本発明の製造法により環境湿度が高くて
も感光層を白化等させず均一な電子写真感光体を製造す
ることができる。
も感光層を白化等させず均一な電子写真感光体を製造す
ることができる。
【図1】実施例で使用した塗工装置の模式図。
1 感光液 2 塗工槽雰囲気 3 温水タンク 4 温度コントロール用温水 5 温度センサ 6 導電性基体 7 塗工タンク 8 塗工治具 9 塗工槽ブース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 進 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内
Claims (1)
- 【請求項1】 感光層材料を溶剤に溶解及び/又は分散
した感光液を導電性基体上に塗布することにより感光層
を形成する工程を少なくとも一工程行う電子写真感光体
の製造法において、導電性基体上に感光液を塗布する工
程で、塗工槽雰囲気の温度と感光液の温度の差(塗工槽
雰囲気の温度−感光液の温度)を−7.5〜0.5℃の
範囲とすることを特徴とする電子写真感光体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23356294A JPH0895265A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 電子写真感光体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23356294A JPH0895265A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 電子写真感光体の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0895265A true JPH0895265A (ja) | 1996-04-12 |
Family
ID=16957018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23356294A Pending JPH0895265A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 電子写真感光体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0895265A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9217981B2 (en) | 2012-09-28 | 2015-12-22 | Kyocera Document Solutions Inc. | Positively-charged single-layer electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus |
US9285692B2 (en) | 2012-09-28 | 2016-03-15 | Kyocera Document Solutions Inc. | Positively-charged single-layer electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus |
US9298112B2 (en) | 2012-09-28 | 2016-03-29 | Kyocera Document Solutions Inc. | Method of manufacturing positively-charged single-layer electrophotographic photoreceptor, positively-charged single-layer electrophotographic photoreceptor, and image forming apparatus |
-
1994
- 1994-09-28 JP JP23356294A patent/JPH0895265A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9217981B2 (en) | 2012-09-28 | 2015-12-22 | Kyocera Document Solutions Inc. | Positively-charged single-layer electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus |
US9285692B2 (en) | 2012-09-28 | 2016-03-15 | Kyocera Document Solutions Inc. | Positively-charged single-layer electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus |
US9298112B2 (en) | 2012-09-28 | 2016-03-29 | Kyocera Document Solutions Inc. | Method of manufacturing positively-charged single-layer electrophotographic photoreceptor, positively-charged single-layer electrophotographic photoreceptor, and image forming apparatus |
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