JPH0895011A - 液晶デバイス及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

液晶デバイス及びこれを用いた液晶表示装置

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JPH0895011A
JPH0895011A JP6233083A JP23308394A JPH0895011A JP H0895011 A JPH0895011 A JP H0895011A JP 6233083 A JP6233083 A JP 6233083A JP 23308394 A JP23308394 A JP 23308394A JP H0895011 A JPH0895011 A JP H0895011A
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layer
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color
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JP6233083A
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Takashi Takahashi
敬 高橋
Kiyobumi Takeuchi
清文 竹内
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明性電極層を有する少なくとも一方が透明
な2枚の基板間に挟持された調光層を有し、該調光層が
液晶材料及び透明性固体物質を含有し、一方の基板の一
方の面に色柄表示層を設け、他方の基板の一方の面に着
色層を設けた液晶デバイス。 【効果】 本発明の液晶デバイスは、透明電極層に特別
手段を要することなく、文字図形等の表示ができ、液晶
デバイスの駆動装置を簡便化できる。エッチング技術に
より、表示柄に応じた透明電極層を設ける必要がないの
で、透明電極層の加工を要することによって制約されて
いたサイズに係わる問題を解決し、液晶表示装置等の作
製条件の緩和、作製工程の削減、歩留まりの向上、形状
に係わる自由度等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、明るく高コントラスト
を達成できる液晶デバイスに関するものであり、本発明
の液晶デバイスは、高速応答性を以て電気的にその表示
を切り換えることによって、公告板、装飾表示板、標識
板等の明るい画面を必要とする大型の各種表示装置とし
て利用される。
【0002】
【従来の技術】偏光板や配向処理を要さず、明るくコン
トラストのよい、大型で廉価な液晶デバイスを製造する
方法として、液晶のカプセル化により、ポリマー中に液
晶滴を分散させ、そのポリマーをフィルム化する方法が
知られている。特表昭58−501631号公報、米国
特許第4435047号明細書には、カプセル化物質と
して、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール
等が提案され、これら以外にも、例えば、特表昭61−
502128号公報、特開昭62−2231号公報にお
いても提案されている。
【0003】また、前述の如き液晶デバイスの実用化に
要求される重要な特性である低電圧駆動性、高コントラ
スト、時分割駆動性を可能にするために、米国特許第
5,304,323号明細書、特開平1−198725
号公報には、液晶材料が連続層を形成し、この連続層中
に、高分子物質が三次元網目状に分布した構造を有する
液晶デバイスが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の如き光散乱形液
晶デバイスを表示装置として用いる場合、文字や図形等
を表わす方法として、透明性電極層をエッチング等の技
術に依って作製していた。このため、液晶デバイスの大
型化を行うには、相当した大型のエッチング技術が必要
とされ、実際には作製上、問題を有している。又、前記
の光散乱形液晶デバイスがフィルム等の基板で作製され
ている場合、使用目的に応じて切り出すことができると
されているが、文字や図形等を表わすエッチング等の技
術から液晶デバイスの設計を必要とし、任意に使用する
自由度に欠けていた。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、上記の
問題を簡便な方法で解決することにあり、これにより、
大型の表示装置が効率よく作製でき、より安価な表示体
が得られる液晶デバイスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、透明性電極層を有する少なくとも
一方が透明な2枚の基板間に挟持された調光層を有し、
該調光層が液晶材料及び透明性固体物質を含有する光散
乱形液晶デバイスであって、一方の基板の一方の面に色
柄表示層を設け、他方の基板の一方に着色層を設けたこ
とを特徴とする液晶デバイスを提供する。
【0007】本発明で使用する基板は、堅固な材料、例
えば、ガラス、金属等であっても良く、柔軟性を有する
材料、例えば、プラスチックフィルムの如きものであっ
ても良い。そして、基板は、2枚が対向して適当な間隔
を隔て得るものである。
【0008】また、基板は透明性を有し、その2枚の間
に挟持される調光層を外界から視覚させるものでなけれ
ばならない。但し、完全な透明性を必須とするものでは
ない。
【0009】この基板には、目的に応じて透明な電極
が、その全面又は部分的に配置されても良い。但し、プ
ラスチックフィルムの如き柔軟性を有する材料の場合
は、堅固な材料、例えば、ガラス、金属等に固定したう
えで、本発明の製造方法に用いることができる。
【0010】基板に均一に付着させる透明性固体物質の
厚みを制御するために、2枚の基板間には、通常周知の
液晶デバイスと同様、間隔保持用のスペーサーを介在さ
せるのが望ましい。
【0011】液晶材料とモノマーもしくはオリゴマーの
溶液、或は有機溶剤とモノマーもしくはオリゴマーの溶
液に、スペーサーを混合しても良く、一方の基板上にス
ペサーを塗布しておいても良い。
【0012】スペーサーとしては、例えば、マイラー、
アルミナ、ロッドタイプのガラスファイバー、ガラスビ
ーズ、ポリマービーズ等種々の液晶セル用のものを用い
ることができる。
【0013】本発明で使用する液晶材料は、単一の液晶
性化合物であることを要しないのは勿論で、2種以上の
液晶化合物や液晶化合物以外の物質も含んだ混合物であ
っても良く、通常この技術分野で液晶材料として認識さ
れるものであれば良く、そのうちの正の誘電率異方性を
有するものが好ましく、製作後の液晶デバイスが、良好
な特性を得られる液晶であれば良い。
【0014】用いられる液晶としては、ネマチック液
晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶が好まし
く、ネマチック液晶が特に好ましい。その性能を改善す
るために、コレステリック液晶、カイラルネマチック液
晶、カイラルスメクチック液晶等、カイラル化合物や2
色性染料等が適宜含まれていてもよい。
【0015】本発明で使用する液晶材料は、以下に示し
た化合物群から選ばれた1種以上の化合物から成る配合
組成物が好ましく、液晶材料の特性、即ち、等方性液体
と液晶の相転移温度、融点、粘度、Δn、Δε及び重合
性組成物等との溶解性等を改善することを目的として適
宜選択、配合して用いることができる。
【0016】液晶材料としては、例えば、4−置換安息
香酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4’−置換フェニルエステル、4−置換
シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−置換
シクロヘキシル)安息香酸4’−置換フェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4’−置
換シクロヘキシルエステル、4−置換4’−置換ビフェ
ニル、4−置換フェニル−4’−置換シクロヘキサン、
4−置換4”−置換ターフェニル、4−置換ビフェニル
4’−置換シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)
−5−置換ピリミジン等を挙げることができる。
【0017】調光層中の液晶材料の割合は、60重量%
以上が好ましく、70〜90重量%の範囲が特に好まし
い。(以下、「%」は、「重量%」を意味する)
【0018】前記調光層中に形成される透明性高分子物
質は、ポリマー中に液晶材料が液滴状となって分散する
ものでもよいが、三次元網目状構造を有するものがより
好ましい。
【0019】この透明性高分子物質の三次元網目状部分
には、液晶材料が充填され、且つ、液晶材料が連続層を
形成することが好ましく、液晶材料の無秩序な状態を形
成することにより、光学的境界面を形成し、光の散乱を
発現させる上で必須である。
【0020】本発明で使用する透明性高分子物質として
は、光硬化性の合成樹脂が好適である。三次元網目状構
造を与えるものとしては、高分子形成性モノマーもしく
はオリゴマーを重合させて得られる光硬化型樹脂が好ま
しい。
【0021】基板間に形成される透明性高分子物質が三
次元網目状構造を形成する方法としては、例えば、2枚
の基板間に挟持された(a)液晶材料及び、(b)高分
子形成モノマーもしくはオリゴマー及び重合開始剤を含
有する調光層形成材料を等方性液体状態に保持しながら
活性光線を照射し、光重合性組成物を重合させる方法が
挙げられる。
【0022】透明性固体物質から形成された三次元網目
構造の網目の平均間隔は、0.2〜5μmの範囲が好ま
しい。又、透明性固体物質を有する層の層厚は、使用目
的に応じ、光散乱による不透明性と電気的或は熱的に達
成した透明性との間の十分なコントラストを得るため
に、1〜30μmの範囲が好ましい。
【0023】重合用エネルギーは、紫外線、可視光線、
電子線等を用いることができるが、紫外線が好適であ
る。紫外線照射による重合性組成物の液晶材料中での重
合において光照射強度及び照射量も一定の強さ以上を必
要とするが、それは重合性組成物の反応性及び重合開始
剤の種類、濃度によって左右され、適切な光強度の選択
により三次元網目状の形成及びその網目の大きさを均一
化を図ることができる。更に好ましくは、光照射方法と
して、時間的、平面的に均一に照射することは、基板間
に介在する重合性組成物を瞬間的に強い光を当てて重合
を進行させることができるので、網目の大きさを均一化
を図る上で効果的である。即ち、適切な光強度でパルス
状に照射することにより、均一な三次元網目状の重合体
を液晶連続層中に実現できる。
【0024】調光層形成材料に用いる重合性化合物は、
重合体形成性モノマー、オリゴマーであって、これらの
モノマー及びオリゴマーは2種類以上併用することもで
きる。
【0025】重合体形成性モノマーとしては、例えば、
スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、ジビ
ニルベンゼン;置換基として、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、
ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シク
ロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチ
ル、フェノキシエチル、アルリル、メタリル、グリシジ
ル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノ
エチル、ジエチルアミノエチルの如き基を有するアクリ
レート、メタクリレート又はフマレート;エチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン及びペンタエリスリトール等のポリ
(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート;
酢酸ビニル、酪酸ビニル又は安息香酸ビニル、アクリロ
ニトリル、セチルビニルエーテル、リモネン、シクロヘ
キセン、ジアリルフタレート、2−、3−又は4−ビニ
ルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリル
アミド又はN−ヒドロキシエチルメタクリルアミド及び
それらのアルキルエーテル化合物;トリメチロールプロ
パン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくは
プロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又
はトリ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコール
1モルに2モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロ
ピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)
アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート1モルとフェニルイソシアネート若しくはn−ブチ
ルイソシアネート1モルとの反応生成物;ジペンタエリ
スリトールのポリ(メタ)アクリレート;トリス−(ヒ
ドロキシエチル)−イソシアヌル酸のポリ(メタ)アク
リレート;トリス−(ヒドロキシエチル)−リン酸のポ
リ(メタ)アクリレート;ジ−(ヒドロキシエチル)−
ジシクロペンタジエンのモノ(メタ)アクリレート又は
ジ(メタ)アクリレート;ピバリン酸エステルネオペン
チルグリコールジアクリレート;カプロラクトン変性ヒ
ドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ
アクリレート;直鎖脂肪族ジアクリレート;ポリオレフ
ィン変性ネオペンチルグリコールジアクリレート等を挙
げることができる。
【0026】重合体形成性オリゴマーとしては、例え
ば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエーテル(メタ)アクリレート等、各種アクリ
レートオリゴマーを用いることができる。
【0027】この三次元網目構造を有する透明性固体物
質は、堅固な物に限らず、目的に応じ得る限り柔軟性、
弾性を有するものであっても良い。
【0028】重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製
「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジル
ジメチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュア
651」)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイ
ギー社製「イルガキュア907」)、2,4−ジエチル
チオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDET
X」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬
社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピル
チオキサントン(ワードプレキンソツプ社製「カンタキ
ュアーITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル
との混合物等が挙げられる。
【0029】重合開始剤の使用割合は、重合性化合物総
量の0.1〜10.0%の範囲が好ましい。
【0030】透明性固体物質から形成された三次元網目
構造の網目の平均間隔は、0.2〜5μmの範囲が好ま
しい。又、透明性固体物質を有する層の層厚は、使用目
的に応じ、光散乱による不透明性と電気的或は熱的に達
成した透明性との間の十分なコントラストを得るため
に、1〜30μmの範囲が好ましい。
【0031】本発明の液晶デバイスの色柄表示層及び着
色層は、例えば、次のようにして設けることができる。
(1)前述の光散乱形液晶デバイスに使用されている基
板上に印刷技術を用いて直接印刷して設ける方法。
(2)アクリル板、ポリカーボネイト板、プラスチック
板あるいはこれらのフィルムの如き光透過性を有する無
色あるいは有色の基板に、色柄表示層及び着色層を印刷
したものを配置する方法。
【0032】前記(2)の方法で使用する色柄表示層及
び着色層を印刷したものとしては、不透明性の部材でも
使用することができ、例えば、色紙、木板でも良く、不
透明性を施したアクリル板、ポリカーボネイト板、プラ
スチック板あるいはこれらのフィルムでも良い。また、
光透明性を有する基板やフィルム、不透明性の部材の場
合、使用目的に応じた形状にして色柄表示層及び着色層
を切り出して使用することができる。
【0033】このようにして得られた板状、フィルム状
の色柄表示層及び着色層は、光散乱形液晶デバイスに接
着層を介して設けても良く、接触して配置させても良
い。
【0034】本発明における着色層は、基板全面を覆う
ようにしても良く、色柄表示層に対応した表示が得られ
る範囲にしても良い。複数の色柄表示層を表示する目的
の場合、これに対応した形状の着色層を複数設けること
ができる。色柄表示層や着色層は、単色でも良く、複数
の色による幾何学的模様や絵画等の図柄であっても良
い。
【0035】
【作用】図1において、着色層の色が色柄表示層の保護
色である場合、特に同色である場合、次のような表示を
得ることができる。即ち、光散乱形液晶デバイス11
は、電圧無印加では光散乱による白濁状態を示し、白色
を呈する。従って、色柄表示層12が、着色層13を隠
した白色の背景部上14に現れ、表示として視認され
る。電圧印加では光散乱形液晶デバイス11が透明状態
となり、色柄表示層12が同色状態の着色層13に同化
され、色柄表示層12は視認されない状態となる。
【0036】また、図1において、色柄表示層12と着
色層13が共に黒色とした場合、電圧無印加状態では白
色状の色の背景部14に黒色の色柄表示層12が表示さ
れ、電圧印加状態では背景部14の色と色柄表示層12
が同化し全面が黒色の表示となる。
【0037】着色層の色が色柄表示層の補色である場合
は、以下のような表示が得られる。光散乱形液晶デバイ
ス11が電圧無印加では、色柄表示層12が、着色層1
3を隠した白色状の色としての背景部上14に現れ、表
示として視認される。電圧印加では、着色層13の色と
しての背景部上14に色柄表示層12が現れ、表示とし
て視認される。ここで色柄表示層12が光透過性を有し
た部材で構成した場合、色柄表示層12は補色の関係に
ある着色層13によって明度が低下した色相に変化す
る。
【0038】例えば、色柄表示層12が緑色で着色層1
3が赤色とした場合、電圧無印加状態では白色状の色の
背景部14に緑色の色柄表示層12が表示され、電圧印
加状態では赤色の背景部14に緑色の色柄表示層12が
表示される。後者において、光透過性を有した色柄表示
層12の場合、色柄表示層12は黒さを増した緑色の色
相に変化する。
【0039】図2は、色柄表示層を設けない従来のもの
である。この場合、上記のような表示を得るには、着色
層に相当する位置に、本発明の色柄表示層と着色層の機
能を兼ね備えた部材を用いるか、透明性電極にエッチン
グ技術を施すことが必須となる。前者の場合は単純な表
示に留まり、後者の場合は作製条件に制約がある。
【0040】このように色柄表示層と着色層を有した本
発明の液晶デバイスは、透明電極層に特別手段を要する
ことなく、文字図形等の表示ができる。また、液晶デバ
イスの駆動装置が簡便化できる好ましいものである。表
示柄に応じたエッチング技術を透明電極層に設けること
を必須としないため、これに依って制約されていたサイ
ズに係わる問題が解決され、また液晶デバイスやこれを
用いた液晶表示装置等の作製条件が緩和され、作製工程
の削減、歩留まりの向上、液晶デバイスの形状に係わる
自由度等に特段の効果を有している。当然のことなが
ら、色柄表示に係わるデザインも、より豊かな表示を可
能としている。
【0041】本発明の液晶デバイスは、表示特性として
コントラストを向上さる目的には、光散乱が大きい光散
乱形液晶デバイスを使用することが好適である。また、
液晶デバイスの調光層に側面からサイドライトを設ける
ことによりコントラストを改善させることができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に
具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0043】(実施例1)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80重量%、高分子形成性化合
物として「HX−620」(日本化薬社製カプロラクト
ン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリ
コールジアクリレート)19.2重量%、及び重合開始
剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン0.2重量%を混合した均一溶液の調
光層形成材料を作製した。この均一溶液を、全面がIT
O電極層である2枚のガラス基板(300mm×100m
m)間が13μmである空セルに、均一溶液の転移温度
より10℃高い温度下で真空注入した。これを40℃の
温度に保持しながら、メタルハライドランプ(100W
/cm2)の紫外線下を3.5m/分の速度で通過させ、
光散乱形液晶デバイスを得た。
【0044】得られた液晶デバイスについて、基板間に
形成された硬化物の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観
察したところ、ポリマーから成る三次元ネットワーク構
造の透明性固体物質が認められた。
【0045】次に、緑色の色紙300mm×100mmを着
色層とし、同色同形で透明性の塩化ビニルのフィルムに
図3に示した図柄31を有するものを色柄表示層とし、
これらを光散乱形液晶デバイスの2枚の基板の外側にそ
れぞれ配置して、図1に示した本発明の液晶デバイスを
作製した。
【0046】この液晶デバイスは、電圧無印加状態で白
色の背景部32に緑色の図柄31が表示され、電圧印加
状態で液晶デバイス全面が緑色の表示となった。電圧無
印加と印加を1秒おきに繰り返したところ、注意をひく
表示が得られ、通路誘導標識に利用できることが確認さ
れた。
【0047】(実施例2)実施例1において、ガラス基
板として大きさが300mm×300mmのものを使用した
以外は、実施例1と同様にして光散乱形液晶デバイスを
得た。
【0048】得られた液晶デバイスについて、基板間に
形成された硬化物の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観
察したところ、ポリマーから成る三次元ネットワーク構
造の透明性固体物質が認められた。
【0049】次に、白色で300mm×300mmのアクリ
ル板に青色の色紙を図4に示すように張り付けたものを
着色層とし、無色透明で300mm×300mmの塩化ビニ
ルのフィルムに図5で示された赤色の図柄51を有する
ものを色柄表示層とし、これらを光散乱形液晶デバイス
の2枚の基板の外側にそれぞれ配置して、図1に示した
本発明の液晶デバイスを作製した。
【0050】この液晶デバイスでは、電圧無印加状態で
白色の背景部52及び白色の背景部53に赤色の色柄表
示層51が表示され、電圧印加状態で青色の背景部5
2、白色の背景部53及び赤色の色柄表示層51の表示
となった。電圧無印加と印加を1秒おきに繰り返したと
ころ、注意をひく表示が得られ、駐車禁止を表わす表示
に利用できることが確認された。
【0051】(実施例3)黄色の色紙300mm×100
mmを着色層とし、無色透明で300mm×100mmの塩化
ビニルのフィルムに図6で示された青色の矢印61を有
するものを色柄表示層とし、これらを実施例1で得た光
散乱形液晶デバイスの2枚の基板の外側にそれぞれ配置
して、図1に示した本発明の液晶デバイスを作製した。
【0052】この液晶デバイスでは、電圧無印加状態で
白色の背景部62に青色の矢印61が表示され、電圧印
加状態で黄色の背景部62と黒色に変化した矢印61の
表示となった。電圧無印加と印加を1秒おきに繰り返し
たところ、注意をひく表示が得られた。
【0053】
【発明の効果】色柄表示層と着色層を有した本発明の液
晶デバイスは、透明電極層に特別手段を要することな
く、文字図形等の表示ができる。また、本発明の液晶デ
バイスは、その駆動装置を簡便化できる。更に、本発明
の液晶デバイスは、エッチング技術により、表示柄に応
じた透明電極層に設ける必要がないので、当面電極層の
加工を要することによって制約されていたサイズに係わ
る問題を解決され、また液晶デバイス及びこれを用いた
液晶表示装置等の作製条件が緩和され、作製工程の削
減、歩留まりの向上、液晶デバイスの形状に係わる自由
度等に特段の効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】色柄表示層と着色層を設けた本発明の液晶デバ
イスの構成を示す模式斜視図である。
【図2】色柄表示層を有しない従来の液晶デバイスの構
成を示す模式斜視図である。
【図3】通路誘導標識を示す図柄を有した色柄表示層の
平面図である。
【図4】白色のアクリル板に青色の色紙を張り付けた着
色層の平面図である。
【図5】無色透明の塩化ビニルフィルムに図柄を設けた
色柄表示層の平面図である。
【図6】無色透明の塩化ビニルフィルムに青色の矢印を
有した色柄表示層の平面図である。
【符号の説明】
31 図柄 32 背景部 51 図柄 52 背景部 53 背景部 61 矢印 62 背景部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性電極層を有する少なくとも一方が
    透明な2枚の基板間に挟持された調光層を有し、該調光
    層が液晶材料及び透明性固体物質を含有する光散乱形液
    晶デバイスであって、一方の基板の一方の面に色柄表示
    層を設け、他方の基板の一方の面に着色層を設けたこと
    を特徴とする液晶デバイス。
  2. 【請求項2】 前記着色層の色が前記色柄表示層の保護
    色である請求項1記載の液晶デバイス。
  3. 【請求項3】 前記着色層の色が前記色柄表示層と同色
    である請求項1記載の液晶デバイス。
  4. 【請求項4】 前記着色層の色が前記色柄表示層の補色
    である請求項1記載の液晶デバイス。
  5. 【請求項5】 前記液晶材料が連続層をなし、該連続層
    中に前記透明性固体物質が三次元網目状構造を形成した
    調光層であることを特徴とする請求項1、23及び4記
    載の液晶デバイス。
  6. 【請求項6】 前記調光層の側面にサイドライトを設け
    たことを特徴とする請求項1、2、3、4及び5記載の
    液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007114302A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Toppan Forms Co Ltd 電気泳動ディスプレイ
WO2022181406A1 (ja) * 2021-02-25 2022-09-01 日東電工株式会社 加飾フィルム
WO2022181407A1 (ja) * 2021-02-25 2022-09-01 日東電工株式会社 加飾フィルム

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