JP3673874B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、偏光板を使用しない液晶包蔵薄膜に関し、更に詳しくは、視野の遮断、透過を電気的又は熱的に操作し得る光散乱形の液晶表示素子に関する。本発明の液晶表示素子は、建物の窓やショーウインドウなどで視野遮断のスクリーンに利用されるとともに、文字や図形を表示し、高速応答性を以て電気的又は熱的に表示を切り換えることによって、広告板等の装飾表示板や時計、電卓の表示装置や、明るい画面を必要とする表示装置、特にコンピューター端末の表示装置やプロジェクションの表示装置として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
偏光板や配向処理を要さず、明るくコントラストの良い液晶表示素子を製造する方法として、ポリマー中に液晶滴を分散させ、そのポリマーをフィルム化する方法が知られている。特表昭58−501631号公報、米国特許第4435047号明細書には、カプセル化物質として、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール等が提案され、これら以外にも、例えば、特表昭61−502128号公報、特開昭62−2231号公報等において知られている。
【0003】
しかしながら、ポリマー中に液晶滴を分散させた液晶表示素子では、液晶材料の個々の屈折率とポリマーの屈折率との一致不一致を最適化する煩わしさ以外に、十分な透明性を得るのに25V以上と高い電圧を必要とし、表示用の液晶表示素子の実用化において重視される低い駆動電圧特性を備えていなかった。
【0004】
液晶表示素子の実用化に要求される重要な特性である低電圧駆動性、高コントラスト、時分割駆動性を可能にする技術として、特開平1−198725号公報には、液晶材料が連続層を形成し、この連続層中に、高分子物質が三次元網目状に分布した構造を有する液晶表示素子が開示されている。
【0005】
このような液晶表示素子に要求される特性としては、抵抗値が高く電圧保持率が優れていること、駆動電圧が低いこと、光散乱が強くコントラスト比が大きいこと等が挙げられており、現在も新しい提案がされている。この目的に係わる液晶材料として、例えば欧州特許0359146号公報には液晶材料の複屈折性や誘電率異方性を最適化する方法が、特開平6−222320号公報には液晶材料の弾性定数を特定する技術等が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如き低電圧駆動性を有する液晶表示素子では反射形表示に要求される白濁性、すなわち十分な後方散乱特性を有しておらず、しかも、これに適した液晶材料として十分なものが得られていない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上述したような光散乱形の液晶表示素子において、より低い電圧駆動性を維持向上させると共に、白濁性、すなわち十分な後方散乱特性を与えることが可能な光散乱形の液晶表示素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、より低い電圧駆動性を維持向上させ、さらに十分な白濁性を得るために、液晶表示素子の調光層を構成する液晶材料と透明性固体物質について鋭意検討した結果、上記課題を解決するに至った。
【0009】
即ち、本発明は上記課題を解決するために、透明性電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板間に挟持された調光層を有し、該調光層が液晶材料及び透明性固体物質を含有する光散乱形液晶表示素子において、
【0010】
前記液晶材料が、(A)一般式(I)
【0011】
【化7】
Figure 0003673874
【0012】
(式中、R1及びR2は、各々独立的に炭素原子数1〜9の直鎖状のアルキル基を表わす。)
で表わされる化合物及び一般式(II)
【0013】
【化8】
Figure 0003673874
【0014】
(式中、R3は炭素原子数2〜9の直鎖状のアルキル基を表わす。)
で表わされる化合物から成る第1の化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)一般式(III)
【0015】
【化9】
Figure 0003673874
【0016】
(式中、 R4は炭素原子数2〜9の直鎖状のアルキル基又はアルコキシル基を表わす。)
で表わされる化合物、一般式(IV)
【0017】
【化10】
Figure 0003673874
【0018】
(式中、 R5は炭素原子数2〜9の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表わし、A環はベンゼン環又はシクロヘキサン環を表わす。)
で表わされる化合物及び一般式(V)
【0019】
【化11】
Figure 0003673874
【0020】
(式中、R6は炭素原子数1〜9の直鎖状のアルキル基を表わし、R7は炭素原子数1〜9の直鎖状のアルキル基又はアルコキシル基を表わし、nは0又は1を表わす。)
で表わされる化合物から成る第2の化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物
及び(C)一般式(VI)
【0021】
【化12】
Figure 0003673874
【0022】
(式中、 R8は炭素原子数2〜7のアルキル基を表わし、X1、X2及びX3は各々独立的にH又はFを表わすが、これらの基のうち、少なくとも一つの基はFを表わす。)
で表わされる化合物
を含有する液晶組成物であることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0023】
本発明の液晶表示素子における第1の特徴は、一般式(I)あるいは一般式(II)で表わされる化合物を使用することによって、より低い電圧駆動性を維持向上させると共に、白濁性、すなわち十分な後方散乱特性を与えることを見い出した点にある。一般式(I)あるいは一般式(II)で表わされる化合物を単独で用いた液晶表示素子は十分な後方散乱特性を与えることが不可能であった。また後述の比較例で明かなように、液晶材料に一般式(I)あるいは一般式(II)で表わされる化合物を用いない液晶表示素子は、駆動電圧は高く、白さと明るさの不足した表示特性しか得られなかった。本発明の液晶表示素子は一般式(I)あるいは一般式(II)で表わされる化合物と一般式(III)〜一般式(VI)の化合物とを併用することによって、より低い電圧駆動性を維持向上させると共に、白濁性、すなわち十分な後方散乱特性を与えることを可能としたものである。
【0024】
本発明における一般式(I)あるいは一般式(II)で表わされる代表的な化合物を下記表1に示した。
【0025】
【表1】
Figure 0003673874
【0026】
一般式(III)〜一般式(V)で表わされる化合物は、液晶表示素子の後方散乱を高くすることができ、強く白濁させることを可能とするものであり、その代表的な化合物を下記表2に示した。
【0027】
【表2】
Figure 0003673874
【0028】
一般式(III)〜一般式(V)で表わされる化合物は、 誘電率異方性や弾性定数を調整するのに有用であり、また液晶材料のネマチック相を改善させることが可能なものである。一般式(IV)において、 R4がアルケニル基である化合物を用いることにより液晶表示素子の駆動電圧をさらに効果的に低減させることができる。
【0029】
本発明の液晶表示素子における第2の特徴は、一般式(I)〜一般式(V)で表わされる化合物に、一般式(VI)で表わされる化合物を含有させる点にある。一般式(VI)で表わされる化合物は、透明性固体物質を形成させる高分子形成性化合物に対し高い相溶性を示すものであり、これにより広い温度域で高分子形成性化合物とより均一な溶液を得ることを可能とする。このような状態で高分子形成性化合物を硬化させると、片寄りが無いあるいは片寄りが少ない光散乱性を有する調光層を作製することができ、駆動電圧やコントラスト比にムラの無い表示特性を得ると共に、白濁性のより均一な光散乱形液晶表示素子を提供できるのである。
【0030】
本発明における一般式(VI)で表わされる代表的な化合物を下記表3に示した。
【0031】
【表3】
Figure 0003673874
【0032】
高分子形成性化合物とのより高い相溶性は、特異な現象であり、一般式(VI)で表わされる化合物と類似構造を有する式
【0033】
【化13】
Figure 0003673874
【0034】
で表わされる化合物では、特段に高い相溶性を示していないのである。本発明者らは、このことを特願平6−27953号において明らかにしている。
【0035】
本発明の液晶表示素子で使用する液晶材料中に、一般式(I)あるいは一般式(II)で表わされる化合物の含有量は、5〜30重量%の範囲が好ましく、10〜20重量%の範囲が特に好ましい。
【0036】
本発明の液晶表示素子で使用する液晶材料中に、一般式(III)〜一般式(V)で表わされる化合物の総含有量は、5〜80重量%の範囲が好ましい。
【0037】
本発明の液晶表示素子で使用する液晶材料中に、一般式(VI)で表わされる化合物の総含有量は、5〜50重量%の範囲が好ましい。
【0038】
また、調光層中の液晶材料の割合は、70〜90重量%の範囲が好ましい。
【0039】
本発明に関わるネマティック液晶材料は、上記に示した化合物の他、液晶材料の他の特性、即ち、等方性液体と液晶の相転移温度、融点、粘度、Δn、重合性組成物等との溶解性及び透明性固体物質界面の改質等を改善することを目的とし、適宜通常この技術分野で液晶材料として認識されるものを混合してもよい。
【0040】
本発明で使用する基板は、堅固な材料として、ガラスであってもよく、柔軟性を有する材料として、プラスチックフィルムの如きものであってもよい。この基板には、目的に応じて透明、不透明の適宜な電極が、その全面又は部分的に配置されてもよい。なお、2枚の基板間には、通常、周知の液晶表示素子と同様、間隔保持用のスペーサーを介在させることもできる。本発明の液晶表示素子は、コンピュ−タ端末の表示装置やプロジェクションの表示装置等に利用される場合、透明性電極層に非線形素子又は能動素子を設けることが好ましい。
【0041】
本発明の液晶表示素子で使用する液晶材料は、透明性電極層を有する2枚の基板間に液晶材料をマイクロカプセル化した液晶小滴を透明性固体物質中に分散させた表示素子にも有用なものであることが期待される。基板間に形成される透明性固体物質は、繊維状あるいは粒子状に分散するものでも、液晶材料を小滴状に分散させたフィルムのものでもよいが、三次元網目状の構造を有するものがより好ましい。また、液晶材料は連続層を形成することが好ましいが、液晶材料の無秩序な状態を形成することにより、光学的境界面を形成し、光の散乱を発現させる上で重要である。
【0042】
このような透明性固体物質から形成された三次元網目状構造の形状の平均径は、光の波長に比べて大き過ぎたり、小さ過ぎる場合、光散乱性が衰える傾向にあるので、0.2〜2μmの範囲が好ましい。また、調光層の厚みは、使用目的に応じて、2〜30μmの範囲が好ましく、5〜20μmの範囲が特に好ましい。
【0043】
これらの透明性固体成分としては、ガラス粒子や合成樹脂が好適である。液晶材料を小滴状に分散させたり三次元網目状の構造を与えるものとしては、熱硬化型樹脂又は紫外線硬化型樹脂が好ましい。また、有機溶剤に可溶性の合成樹脂、水に可溶性の合成樹脂も好適である。
【0044】
透明性固体物質を形成する高分子形成性化合物としては、例えば、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン:置換基として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、アルリル、メタリル、グリシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル等の如き基を有するアクリレート、メタクリレート又はフマレート;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリスリトール等のモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、酪酸ビニル又は安息香酸ビニル、アクリロニトリル、セチルビニルエーテル、リモネン、シクロヘキセン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、2−、3− 又は4−ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド又はN−ヒドロキシエチルメタクリルアミド及びそれらのアルキルエーテル化合物;ネオペンチルグリコール1モルに2モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA1モルに2モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート1モルとフェニルイソシアネート若しくはn−ブチルイソシアネート1モルとの反応生成物;ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート(日本化薬社製「HX−620」「HX−220」)等を挙げることができるが、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリス−(アクリルオキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレートが特に好ましい。
【0045】
重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュア651」)、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア907」)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワードプレキンソップ社製「カンタキュアITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物等が挙げられる。
【0046】
本発明の液晶表示素子は、例えば、液晶材料、高分子形成性モノマーもしくはオリゴマー及び重合開始剤を含有する均一溶液を、電極層を有する2枚の基板間に挟持させるか、あるいは一方の基板上にスピンコーター等のコーターを使用して塗布し、次いで他方の基板を重ねても良く、これに紫外線を照射し硬化させるか、あるいは、熱的に重合硬化させることによって製造することができる。
【0047】
このようにして製造された液晶表示素子は、本発明者らが光散乱不透明状態と透明状態を利用する液晶表示素子を構成する液晶材料について鋭意検討した結果、より低い電圧駆動性を維持向上させると共に、十分な後方散乱特性を与えることを可能としたものであり、これにより、より白く明るい表示特性を示すものである。
【0048】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0049】
なお、以下の実施例及び比較例において「%」は「重量%」を表わす。また、各実施例及び比較例中の評価特性の各々は、以下の記号及び内容を意味する。
【0050】
(1)R0
光源は拡散光源を使用し、標準白色板の反射光強度を100%と規格化したとき、電圧無印加時の液晶表示素子の光反射率をR0とする。
【0051】
(2)V90、V10
電圧無印加時の液晶表示素子の光透過率(T0)を0%とし、 印加電圧の増大に伴って光透過率が変化しなくなったときの透過率(T100)を100%とするとき、 光透過率90%と成る印加電圧(V)をV90、光透過率10%と成るときの印加電圧をV10とする。
【0052】
(3)コントラスト:
液晶表示素子を測光上から外した状態で、光源の点灯時の光透過率を100%とし、消灯時の光透過率を0%とし、電圧無印加時の液晶表示素子の光透過率をT0、印加電圧の増大に伴って飽和した光透過率をT100とするとき、T100/T0で表わされる値である。
【0053】
(4)TMLC
液晶材料と高分子形成性化合物を均一溶液となるに必要な温度で混合した混合物において、冷却時に等方性液体からネマチック相に転移温度又は相分離する温度とする。
【0054】
なお、各液晶材料の物性として記載されたTN-Iはネマチック相−等方性液体相転移温度を、△εは誘電異方性を、△nは複屈折率を意味しており、Vthは8μmのTN型液晶表示素子で測定されたしきい値電圧を示したものである。
【0055】
(実施例1)
高分子形成性化合物として、「HX−220」(日本化薬社製カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート)15.84%及びラウリルアクリレート3.96%、重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.2%及び液晶材料として、下記液晶組成物(A)80%を混合した均一溶液の調光層形成材料を作製した。この液晶材料の物性と均一溶液のTMLCは以下の通りであった。
【0056】
液晶組成物(A)の組成:
【0057】
【化14】
Figure 0003673874
【0058】
液晶組成物(A)に係わる物性:
転移温度 TNI =93.0℃
屈折率 Δn = 0.234
誘電率異方性 Δε =12.6
しきい値電圧 Vth = 1.71V
均一溶液の転移温度 TMLC =47.5℃
【0059】
この均一溶液を、平均粒径10μmのスペーサーが介在した2枚のITO電極ガラス基板を用いて作製した大きさ300×150mmの空セルに、均一溶液の転移温度TMLCより8℃高い温度の下で真空注入した。 これを、均一溶液の転移温度TMLCより3℃高い温度に保持しながら、 メタルハライドランプ(80W/cm2)の下を3.5m/分の速度で通過させ、 500mJ/cm2に相当するエネルギーの紫外線を照射して高分子形成オリゴマーを硬化させて、本発明の液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子について、基板間に形成された硬化物の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ポリマーから成る三次元ネットワーク構造の透明性固体物質が認められた。得られた液晶表示素子は、低い電圧駆動性と共により白く明るい表示特性を示しており、その値は、以下の通りであった。
【0060】
0 : 25.1%
10 : 10.3V
90 : 16.4V
0 : 1.7%
100 : 82.3%
コントラスト : 1:48
【0061】
(実施例2)
実施例1において、液晶組成物(A)に代えて、下記液晶組成物(B)を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の液晶表示素子を得た。
【0062】
液晶組成物(B)の組成:
【0063】
【化15】
Figure 0003673874
【0064】
液晶組成物(B)に係わる物性:
転移温度 TNI =92.3℃
屈折率 Δn = 0.237
誘電率異方性 Δε =16.0
しきい値電圧 Vth = 1.50V
均一溶液の転移温度 TMLC =44.6℃
【0065】
得られた液晶表示素子について、基板間に形成された硬化物の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ポリマーから成る三次元ネットワーク構造の透明性固体物質が認められた。得られた液晶表示素子は、低い電圧駆動性と共により白く明るい表示特性を示しており、その値は、以下の通りであった。
【0066】
0 : 22.6%
10 : 7.2V
90 : 13.1V
0 : 2.4%
100 : 81.0%
コントラスト : 1:34
【0067】
(実施例3)
実施例1において、液晶組成物(A)に代えて、下記液晶組成物(C)を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の液晶表示素子を得た。
【0068】
液晶組成物(C)の組成:
【0069】
【化16】
Figure 0003673874
【0070】
液晶組成物(C)に係わる物性:
転移温度 TNI =99.8℃
屈折率 Δn = 0.229
誘電率異方性 Δε =16.2
しきい値電圧 Vth = 1.47V
均一溶液の転移温度 TMLC =49.3℃
【0071】
得られた液晶表示素子について、基板間に形成された硬化物の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ポリマーから成る三次元ネットワーク構造の透明性固体物質が認められた。得られた液晶表示素子は、低い電圧駆動性と共により白く明るい表示特性を示しており、その値は、以下の通りであった。
【0072】
0 : 24.3%
10 : 8.2V
90 : 14.1V
0 : 1.6%
100 : 83.2%
コントラスト : 1:52
【0073】
(比較例1)
実施例1において、液晶組成物(A)に代えて、下記混合液晶(a)を使用した以外は実施例1と同様にして比較液晶表示素子を得た。
【0074】
混合液晶(a)の組成:
【0075】
【化17】
Figure 0003673874
【0076】
混合液晶(a)に係わる物性:
転移温度 TNI =99.3℃
屈折率 Δn = 0.238
誘電率異方性 Δε =13.7
しきい値電圧 Vth = 1.68V
均一溶液の転移温度 TMLC =56.1℃
【0077】
得られた液晶表示素子について、基板間に形成された硬化物の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ポリマーから成る三次元ネットワーク構造の透明性固体物質が認められた。しかしながら、何回か作製を試みたが、駆動電圧は高く、白さと明るさの不足した表示特性しか得られなかった。さらに得られた液晶表示素子は筋状又は不定形のムラの発生が認められるものが存在した。得られた液晶表示素子の表示特性は、よりムラの無い均一な所を選んで測定を行なった結果、以下の通りであった。
【0078】
0 : 15.2%
10 : 5.0V
90 : 22.3V
0 : 12.0%
100 : 80.3%
コントラスト : 1:7
【0079】
(比較例2)
実施例1において、液晶組成物(A)に代えて、下記混合液晶(b)を使用した以外は実施例1と同様にして比較液晶表示素子を得た。
【0080】
混合液晶(b)の組成:
【0081】
【化18】
Figure 0003673874
【0082】
混合液晶(b)に係わる物性:
転移温度 TNI =69.8℃
屈折率 Δn = 0.234
誘電率異方性 Δε =15.1
しきい値電圧 Vth = 1.40V
均一溶液の転移温度 TMLC =28.0℃
【0083】
得られた液晶表示素子について、基板間に形成された硬化物の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ポリマーから成る三次元ネットワーク構造の透明性固体物質が認められた。しかしながら、何回か作製を試みたが、駆動電圧は高く、白さと明るさの不足した表示特性しか得られなかった。さらに得られた液晶表示素子は筋状又は不定形のムラの発生が認められるものが存在した。得られた液晶表示素子の表示特性は、よりムラの無い均一な所を選んで測定を行なった結果、以下の通りであった。
【0084】
0 : 17.2%
10 : 10.3V
90 : 25.4V
0 : 8.4%
100 : 77.7%
コントラスト : 1:9
【0085】
【発明の効果】
本発明の液晶表示素子は、偏光板が不用で明るい画質の光散乱形の液晶表示素子であり、より低い電圧駆動性を維持向上させると共に、より白く明るい表示特性を有しているものである。従って、本発明の液晶表示素子は、反射形表示を可能とし、例えば、広告板等の装飾表示装置やコンピューター端末の表示装置にも有用である。

Claims (5)

  1. 透明性電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板間に挟持された調光層を有し、該調光層が液晶材料及び透明性固体物質を含有する光散乱形液晶表示素子において、
    前記液晶材料が、(A)一般式(I)
    Figure 0003673874
    (式中、R1及びR2は、各々独立的に炭素原子数1〜9の直鎖状のアルキル基を表わす。)
    で表わされる化合物及び一般式(II)
    Figure 0003673874
    (式中、R3は炭素原子数2〜9の直鎖状のアルキル基を表わす。)
    で表わされる化合物から成る第1の化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (B)一般式(III)
    Figure 0003673874
    (式中、 R4は炭素原子数2〜9の直鎖状のアルキル基又はアルコキシル基を表わす。)
    で表わされる化合物、一般式(IV)
    Figure 0003673874
    (式中、 R5は炭素原子数2〜9の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表わし、A環はベンゼン環又はシクロヘキサン環を表わす。)
    で表わされる化合物及び一般式(V)
    Figure 0003673874
    (式中、R6は炭素原子数1〜9の直鎖状のアルキル基を表わし、R7は炭素原子数1〜9の直鎖状のアルキル基又はアルコキシル基を表わし、nは0又は1を表わす。)
    で表わされる化合物から成る第2の化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物
    及び(C)一般式(VI)
    Figure 0003673874
    (式中、 R8は炭素原子数2〜7のアルキル基を表わし、X1、X2及びX3は各々独立的にH又はFを表わすが、これらの基のうち、少なくとも一つの基はFを表わす。)
    で表わされる化合物
    を含有する液晶組成物であることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 調光層が、液晶材料の連続層と、該液晶材料の連続層中に透明性固体物質が三次元網目状構造を形成した調光層であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 調光層中の液晶材料の割合が70〜90重量%の範囲にある請求項1又は2記載の液晶表示素子。
  4. 透明性固体物質が合成樹脂から成る請求項1、2又は3記載の液晶表示素子。
  5. 調光層の層厚が2〜30μmの範囲にある請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子。
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