JPH089359B2 - 舶用吊舵 - Google Patents

舶用吊舵

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JPH089359B2
JPH089359B2 JP4034090A JP3409092A JPH089359B2 JP H089359 B2 JPH089359 B2 JP H089359B2 JP 4034090 A JP4034090 A JP 4034090A JP 3409092 A JP3409092 A JP 3409092A JP H089359 B2 JPH089359 B2 JP H089359B2
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rudder blade
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秀敬 東原
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶に使用する吊舵に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】吊舵は、船体から下方に片持ち形式で舵
軸が延ばされ、その先端(下端)部分に舵板が取り付け
られてなる舶用の舵である。構造が簡単であることと、
片持ちであるため大きな操船力を発揮させるには不向き
であることとに基づいて、一般の小型船に多用される。
【0003】近年は、吊舵として図9(a)・(b)に示す
形式のものが採用され始めている。すなわち、船体に固
定された中空の支柱(ストックハウジングまたはホーン
とも呼ばれる)11が下方に延ばされて舵板(ラダーブ
レード)13の内部へ入りこみ、その支柱11の内側に
回転自在に舵軸(ラダーストック)12が通されて下端
部分に舵板13が連結されたもので、同様のものが特開
昭64−4597号公報に記載されている。回転自在に
舵軸12を支持するための軸受17・18が支柱11の
上下各端部付近(支柱11の内側)に配置されるが、操
船荷重の合力の着力点(舵板13の中央付近)に近い位
置に荷重支持点(下部の軸受18の部分)があることに
なるので、舵板13の上端に舵軸12が取り付けられて
いる場合に比べると、舵軸12に作用する曲げモーメン
トが小さく、また操作がスムーズだという利点がある。
舵板13の上端に舵軸12が取り付けられていると、軸
受18に相当する軸受の位置が荷重の着力点から遠いた
め舵軸12の曲げモーメントが大きいうえ、そのモーメ
ントに抗するために、接近し合ったその軸受と軸受17
とにかかる力が大きくて操舵トルクが高いのである。な
お図9において、符号Aは船体、同Bは推進用プロペラ
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来の吊
舵では、支柱11が舵板13の内部へ完全に入りこんで
いる。つまり、図9(b)のように、支柱11および舵軸
12の下部を舵板13が包みこんだ状態になっている。
この点から、つぎのような不都合がある。
【0005】イ) 舵板13が厚く、したがって推進抵抗
が大きい。舵板13にかかる荷重を支えるべく支柱11
には相当の太さが必要であるが、舵板13はその支柱1
1を完全に包みこんでいることから、その厚さは、最小
でも、舵板13を構成する板材の厚さの二倍(および製
作誤差を見込んだ隙間)を支柱11の直径に加えたもの
となる。舵による抵抗は、図9(b)におけるt/Lとと
もに大きくなるので、舵板13が厚いことは相当の抵抗
を生じることにつながる。
【0006】ロ) 船舶の点検・整備の際、舵板13を取
り外しにくい。たとえばドックにおいて舵板13を取り
外そうとすると、少なくとも(つまり舵軸12が上方へ
引き上げられる場合でも)図9(a)に示す高さhの抜き
出し代(分解代)が必要で、そのためには、相当分の盤
木Cを敷いて船体Aを床面から高さh以上に持ち上げな
ければならない。盤木Cは通常、船体Aの底部全体にわ
たって敷く必要があるので、高さhが大きい場合にはか
なりの手間・コストを要するのである。
【0007】本発明の目的は、上記イ)の課題を解決する
吊舵であって上記ロ)の課題についても解決を可能にする
ものを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の舶用吊舵は、a)
船体に固定された中空の支柱内に回転自在に舵軸を通し
て、その舵軸の下端部分に舵板を取り付け、b)前後方向
(船体の前後方向に一致。以下同じ)で言う舵板の中ほ
どに、左右(船体の左右に一致。以下同じ)両面に開い
た(外に開放された)上端からの凹部を形成(したがっ
て、側方から見た舵板の形状はU字に近くなる)し、c)
上記の支柱および舵軸をその凹部内に延ばして配置した
−ものである。
【0009】なお、この吊舵については、さらに請求項
2に記載したように、d)上記の凹部を、舵板の左右の少
なくとも一方の面では支柱の太さ以上の幅をもって開い
たものとし、e)舵板の上端付近を支柱まわりに回転自在
に支持するための軸受を、舵板上端部に対し取り外し可
能に取り付ける−とよい。
【0010】
【作用】本発明の舶用吊舵では、上記a)の構成に基づ
き、所望の角度の回転を舵軸に与えると、船体に固定さ
れた中空の支柱内でその舵軸が回転し、それとともに、
下端部分に取り付けられた舵板の向きが変わって舵とし
ての機能が発揮される。支柱の上下各端部付近には軸受
が配置されているために、支柱に対する舵軸および舵板
の回転は自在であり、かつ円滑である。
【0011】またこの吊舵では、上記c)のように舵板の
内部(凹部内)に上方から支柱および舵軸が延ばされ、
そのうえで舵軸に舵板が連結されている。そのため支柱
が、舵板にかかる荷重を着力点に近い位置にて支えるこ
とになり、舵軸に作用する曲げモーメントが小さくて舵
軸を細くでき、またその操作トルクが小さくなる。
【0012】以上の点は、従来の(たとえば図9の)吊
舵と相違することはないが、本発明の吊舵の大きな特徴
は下記の点にある。すなわち、下方へ延ばした支柱と舵
軸とを配置した上記の凹部を、前記b)のとおり、舵板の
上端から下方へ向かう凹部であって左右両面に開いたも
のとしていることである。この凹部が左右両面に開いて
いるがために、舵板の側方視形状はU字に近い。このよ
うに形成した凹部内に支柱および舵軸を配置するのであ
るから、舵板の厚さを支柱の直径以下にすることができ
る。つまり、舵板を、薄くて抵抗の小さいものにするこ
とができるのである。
【0013】舵板の左右両面に開いた部分のうち少なく
とも一方に支柱の直径以上の幅をもたせ、かつ、舵板の
上端付近に支柱を囲むもの(軸受など)を設けないか、
もしくは取り外し可能に設ければ(請求項2参照)、舵
板は、舵軸との連結を解いたうえで支柱から側方(支柱
と直角な方向)に取り外し、さらに、同じ要領で再び取
り付けることが可能である。したがって、点検・整備等
の際に船体底部に敷く盤木の必要高さは極めて低くてす
むことになる。
【0014】なお、前記b)のとおり上記の凹部は舵板に
おける前後方向の中ほど(中央とは限らないが、前後の
端部ではない)に形成しているので、同じ中ほどの位置
で舵板に舵軸が取り付けられることになる。この構成は
従来の吊舵においても採用されているが、これによって
は、舵軸の操作や角度保持に要するトルクが小さいとい
う利点がある。この場合、航行中に舵軸を介して舵板に
角度を与えると、傾いた舵板のうち舵軸の位置をはさむ
前部・後部からそれぞれ舵軸に作用する部分的なトルク
の多くが互いに相殺し合い、全体として小さなトルクし
か発生しないからである。このため、操作がらくで舵軸
を細くでき、舵取機も容量の小さいものが使用できる。
【0015】また、請求項2に記載したように舵板を上
記d)のごとく形成してe)のとおり軸受を設けると、つぎ
のような利点がある。すなわち、イ)点検・整備等の際の
舵板の取り外し(および取り付け)は、その軸受を舵板
から取り外すことによって上述のとおり容易に行う(舵
板を舵軸から分離したうえ支柱から側方へ取り外す)こ
とができる。ロ)しかも舵板の上部(前記の凹部によって
前後に分けられた部分)が、その軸受を介して連結され
ることにより剛性を増し、かつ、支柱まわりに(回転自
在に)支持されることによって強度的に補われる。
【0016】
【実施例】本発明についての第一の実施例を図1に示
す。図1(a)は吊舵1の斜視図、同(b)は船体Aやプロ
ペラBを含めた吊舵1の要部縦断面図、そして同(c)
は、同(b)におけるc−c断面図である。
【0017】図1(b)に示すとおりこの吊舵1では、従
来の吊舵として図9に紹介した例と同じく、中空の支柱
11が船体Aに固定されて下方に延ばされたうえ、その
支柱11の内側に舵軸12が回転自在に支持され、その
下端部分に舵板13が連結されている。支柱11の上・
下各端部の内側にはそれぞれ軸受17・18が設けら
れ、これらを介して回転自在に舵軸12が支持されてお
り、舵板13は、舵軸12の下端部に対しテーパ部分1
2aと嵌め合わされたうえナット12bで押さえられて
結合している。支柱11は、上方から舵板13の中ほど
にまで延び、舵板13にかかる操船荷重の合力の着力点
位置に近い箇所にて軸受18を介し舵軸12を支えるの
で、舵軸12は、大きな曲げモーメントを受けることが
なく、したがってその操作がスムーズでもある。舵軸1
2の操作は、油圧シリンダを含む油圧舵取機(図示省
略)が舵軸12の上端に接続され、これによって行われ
る。
【0018】この吊舵1の特徴は、舵板13に対し、図
1(a)・(c)のように左右両面に開いた上端からの凹部
13aを形成し、その内部に支柱11および舵軸12を
通したことである。この凹部13aの位置は舵板13の
前後の中ほどとし、その底部の高さも舵板13の全高の
中央付近としている。凹部13aが左右両面に開いてい
るため、それを通して側方(左右)から支柱11を見る
ことができ(同(a)参照)、舵板13の外形は同じ側方
からUの字に似た形に見える(同(a)・(b)参照)。こ
うした凹部13aの内側に支柱11と舵軸12とを配置
したために、舵板13の厚さ(船体Aの航行方向と直角
な水平寸法)を、支柱11の直径を超えないものにする
ことができた(同(c)参照)。つまりこの舵板13は、
従来の(たとえば図9の)吊舵における舵板13よりも
かなり薄く(発明者らの設計例では、図9の形式による
ものから厚さを15〜20%減らすことができた)、し
たがって推進抵抗が大幅に小さい。
【0019】なおこの実施例では、図1(a)のように、
舵板13の上部において、凹部13aで分断された前後
各部分13b・13c間をフレーム部分13dでつな
ぎ、両部分13b・13cの剛性を高めている。ただ
し、このフレーム部分13dの内側は支柱11とは接触
させていない。
【0020】ところで、本発明が、図1に示した第一実
施例としての吊舵1に限るものでないことはもちろんで
ある。そこで、図1の吊舵1を基本的な実施例とし、こ
れを基にして本発明の範囲内でどのような改変が可能で
あるかを構成部分ごとに説明すると、つぎのようにな
る。
【0021】A) 舵板13の上部は、前後各部分13b
・13c間をフレーム部分13dなどで必ずしもつなぐ
には及ばない。同部分13dは、上述のとおり舵板13
の剛性を上げるためのものなので、他の手段(構成部材
の強度を上げるなど)によって必要な剛性を付与してお
けば、それで十分である。
【0022】B) 舵板13の上下端部に、舵板13本体
の表面から水平なツバが全周的に迫り出すように端板を
取り付けると、舵板13の表面での水流を規制できてい
わゆる揚力が増し、舵としての効率が向上する。上端部
の端板は、全体もしくは一部を取り外し可能にしておく
のもよい。
【0023】C) 舵板13の上部(たとえばフレーム部
分13dの内側)と支柱11との間にも軸受を設けれ
ば、支柱11に支えられることによって舵板13(とく
にその上部)の剛性・強度が一層向上する。
【0024】C') 上記のC)に関連し、フレーム部分13
dと軸受とを舵板13に対して取り外し可能にしたり、
フレーム部分13dを無くし、軸受のみを舵板13に対
して取り外しできるように取り付けたりするのもよい。
【0025】D) 支柱11を円柱状のものに限る必要は
なく、たとえば、楕円もしくは矩形に近い断面をもつも
のにするのもよい。また、上部すなわち基部を太くして
テーパ状もしくは逆円錐状に形成した支柱11は、強度
に関して合理的である。
【0026】E) 支柱11と舵軸12との間の下部の軸
受18は、それに代えて(もしくはそれとともに)支柱
11の下端部の外周面と舵板13との間に軸受を配置す
るのもよい。ナット12bなどの作用で舵軸12と舵板
13とは一体化されているうえ、いずれの箇所も舵板1
3の荷重合力の着力点に近いからである。
【0027】F) 舵板13の後方(船体Aの後ろ側)に
フラップを取り付ければ、いわゆるフラップ舵を構成で
き、揚力が大きくて操船性の高い吊舵となる。
【0028】G) 支柱11の内側上部に設けた軸受17
は、支柱11の外へ出し、船体Aに取り付けたうえで舵
軸12を支持させるようにしてもよい。支柱11は船体
Aと一体化されているので、舵軸12を支持する軸受が
支柱11・船体Aのいずれに取り付けられていても機能
上の差異はない。
【0029】G') 上記のE)とG)とを合わせて、支柱11
の内部に軸受を一切配置しないようにするのもよい。そ
うすれば、支柱11の内周面に要求される加工精度が極
めて低くなり、加工に要するコストがかなり低減され
る。
【0030】H) 舵軸12と舵板13との結合が、図1
(a)に示すテーパ部分12aとナット12bとを用いた
手段に限るものでないことももちろんである。
【0031】I) 舵板13の左右両面に、凹部13aを
覆うための薄いカバーを付けるのもよい。カバーは鉄板
や樹脂などで取り外し式に形成すればよいが、これによ
って凹部13aや支柱11に海洋生物等の付着すること
が防止される。ただし、カバーを厚くすることは、舵板
13が厚みを増して推進抵抗が増えることになるので避
けるべきである。
【0032】以上のA)〜I)に説明した各構成部分の改変
は適宜に組み合わせて実施することができるが、それに
よって実現される具体的な実施例のいくつかを、図2〜
図8によってつぎに紹介する。なお、以下では、説明ず
みの部分ととくに差異のない部分には同じ符号を付した
うえ、重複する説明を省略している。
【0033】まず図2(a)・(b)に示す吊舵2は、図1
の吊舵1に対して前記のA)をあてはめた例である。した
がってこの吊舵2については、舵板3の上部においてフ
レーム部分13dが無く、凹部13aをはさむ前後の各
部分13b・13cが分離している。またこの凹部13
aは、舵板13の左右両面に支柱11の直径以上の幅を
もって開いている。これらの点から、図示の吊舵2は、
舵板13が薄くて抵抗が小さいことのほか、整備等の際
の舵板13の取り外しが容易だという利点がある。つま
り、ナット12bを外して舵軸12・舵板13の結合を
解き、舵軸12を少し上方へ引き上げてやれば、舵板1
3を支柱11の側方へ取り外すことが可能である。その
場合、舵板13の抜き出し代(分解代。図9にいう高さ
h)はゼロである。仮に舵軸12の引き上げができない
場合であっても、極めて小さい抜き取り代があればよ
い。言うまでもないが、その後の舵板13の取り付けも
同様の要領で行える。
【0034】図3の吊舵3は、図1の吊舵1に対し前記
A)およびB)の改変を施したものである。すなわち、舵板
13においてフレーム部分13dを無くしたほか、水流
を規制して揚力を増すための端板14・15を上下の端
部にそれぞれ設けた。このうち上の端板14は、フレー
ム部分13dに匹敵する環状部分14aを設けて前後の
部分を一つにし、複数のボルト14bによって舵板13
に取り付けている。したがって、整備等のためには、ボ
ルト14bを外して端板14を舵板13から分離すれ
ば、図2の吊舵2と同様に舵板13が容易に取り外され
る。なお、下の端板15は、溶接によって舵板13と一
体化している。
【0035】図4(a)〜(d)の吊舵4はC)およびD)の改
変をなしたもので、フレーム部分13dの内側と支柱1
1の外周面との間に軸受19を設けた(同(c)参照)ほ
か、支柱11のうち軸受19よりも下の凹部13aに入
る部分11aを、同(d)に示す矩形に近い断面に形成し
ている。この形状は、左右の曲面が舵板13の前後各部
分13b・13cの側面の延長面と滑らかに連なるもの
で、凹部13aのない舵板13の下部の形状に等しい。
この部分11aは、前後部に肉づけをして支柱11を太
くし、材料力学的にいう断面二次モーメントを増やした
意味をもち、それだけ支柱11の強度・剛性を高めたこ
とになる。
【0036】図5(a)・(b)に示す吊舵5は、図1の吊
舵1にC)・E)の改変を行ったものである。すなわち、図
4の例と同様に軸受19を設けるとともに、支柱11の
下端部には、その外周面と舵板13との間に軸受18’
を設けた。また舵板13のうちで軸受18’の外側にあ
たる位置には、補強のための環状部分13eを形成して
いる。このように軸受18’を配置すると、支柱11の
内周の加工箇所が少なくなる分だけ吊舵5の製造は容易
である。
【0037】つづく図6(a)・(b)の吊舵6は、図1の
吊舵1に対して前記C') に相当する改変を施したもの
で、ケーシングを含む軸受19’を、支柱11の外周に
嵌めて舵板13の上端部に取り外し可能に取り付けてい
る。この例において軸受19’は、支柱11のまわりに
舵板13の上部を回転自在に支えるものだが、そのケー
シングの部分が図1の例におけるフレーム部分13dの
役目を果たすものでもある。舵板13には、ボルト1
9’aによって軸受19’を取り外し可能なように取り
付けており、しかも舵板13の左右両面における凹部1
3aの開口幅が支柱11の外径を超えることから、この
例についても、図3のものと同じく舵板13の取り外し
は容易に行うことができる。なお、軸受19’のケーシ
ングを水平に広げて形成し、これに図3の端板14と同
じ役目を兼ねさせるのもよい。
【0038】図7の吊舵7は、上記図6の吊舵6のうち
軸受18を変更したもので、図1の吊舵1に対しては前
記のC') のほかE)の改変をも行ったものに相当する。
C') の改変に関しては図6の吊舵6と同様に、E)に関し
ては図5の吊舵5と同様にしている。この吊舵7につい
て舵板13を取り外そうとするときは、ナット12b
を外してテーパ部分12aの長さ分ほど舵軸12を引き
上げたうえ、ボルト19’aを抜いて軸受19’を舵
板13から分離し、図7(b)に示す高さh(これが抜
き出し代となる)だけ舵板を下げれば、あとは、支柱
11の側方(左または右)へ舵板13を取り出すことが
できる。
【0039】また図8に示す吊舵8は、図1の吊舵1に
比べると前記の B)・C')・D)・E)・F)・G)(したがって
G') も)の改変をともに施したものである。すなわち、
まずB)として、舵板13の上下端部に端板14’・1
5’(いずれも舵板13と一体のもの)を設け、C') と
して舵板13の上端部に取り外し可能に軸受19’を配
置して支柱11に嵌めたほか、D)にしたがって、支柱1
1の基部11bを、上端に近いほど太くなるテーパ状に
形成した。さらにE)の改変として、支柱11の下端部外
周面と舵板13との間に軸受18’を配置し、F)によっ
て舵板13の後方(図の左方)にフラップ16を取り付
けた。図中の符号16aは舵板13とフラップ16との
連結ピン、同16bはフラップ16の駆動用リンク機
構、同16c・16dは端板である。そしてG)の改変と
して、支柱11の上端外側つまり船体Aに自動調心型の
軸受17’を取り付けて支柱11を支持させた。このよ
うに軸受17’を設けると、船体Aへの吊舵8の据え
付け時に、軸受17’の水平位置したがって舵軸12の
位置を支柱11の穴の範囲内で調整できる、自動調心
型なので舵軸12の傾きが許容される、E)の改変と併
せて(したがって G')の改変として)支柱11の内周面
の機械加工がほとんど不要になる−といった利点があ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明の舶用吊舵にはつぎの効果があ
る。すなわち、 1) 舵板を、支柱の直径以下の薄いものにでき、舵板に
よる推進抵抗を小さくすることができる。
【0041】2) 舵軸に作用する曲げモーメントが小さ
く、また舵板の操作や角度保持のために舵軸に必要なト
ルクが小さいので、舵取機を小さくできるとともに、舵
軸を細くすることができる。
【0042】また請求項2に記載した舶用吊舵には、さ
らにつぎの効果がある。
【0043】3) 舵板の取り外し・取り付けが容易であ
り、このことから、点検・整備等の際に船体底部に敷く
盤木の必要高さが低くてすみ、整備に要する手間やコス
トが削減される。
【0044】4) 設計・製作上、舵板の上部に、必要な
剛性・強度を付与しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明についての第一の基本的な実施例を示
す。図1(a)は吊舵1の斜視図、同(b)は船体Aやプロ
ペラBとともに示す吊舵1の縦断面図、また同(c)は、
同(b)におけるc−c断面図である。
【図2】本発明の第二実施例としての吊舵2の斜視図
(図2(a))および要部縦断面図(同(b))である。
【図3】本発明の第三実施例としての吊舵3の斜視図で
ある。
【図4】本発明の第四実施例としての吊舵4の斜視図
(図4(a))および要部縦断面図(同(b))である。ま
た、同(c)・同(d)は、同(b)におけるc−cおよびd
−dの各断面図である。
【図5】本発明の第五実施例としての吊舵5の斜視図
(図5(a))および要部縦断面図(同(b))である。
【図6】本発明の第六実施例としての吊舵6の斜視図
(図6(a))および要部縦断面図(同(b))である。
【図7】本発明の第七実施例としての吊舵7の斜視図
(図7(a))および要部縦断面図(同(b))である。
【図8】本発明の第八実施例としての吊舵8の要部縦断
面図である。
【図9】従来の吊舵を表わす図で、図9(a)は船体Aや
プロペラBとともに示す縦断面図、また同(b)は、同
(a)におけるb−b断面図である。
【符号の説明】
A 船体 1〜8 吊舵 11 支柱 12 舵軸 13 舵板 13a 凹部 17・17’・18・18’・19・19’ 軸受

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体に固定された中空の支柱内に回転自
    在に舵軸が通され、その舵軸の下端部分に舵板が取り付
    けられた舶用の吊舵であって、 舵板の前後方向の中ほどに、左右両面に開いた上端から
    の凹部を形成し、上記の支柱および舵軸をその凹部内に
    延ばして配置したことを特徴とする舶用吊舵。
  2. 【請求項2】 上記の凹部を、舵板の左右の少なくとも
    一方の面には支柱の太さ以上の幅をもって開いたものと
    し、かつ、舵板の上端付近を支柱まわりに回転自在に支
    持するための軸受を、舵板上端部に対し取り外し可能に
    取り付けた請求項1に記載の舶用吊舵。
JP4034090A 1992-01-23 1992-01-23 舶用吊舵 Expired - Lifetime JPH089359B2 (ja)

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JP4034090A JPH089359B2 (ja) 1992-01-23 1992-01-23 舶用吊舵

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