JPH0892868A - 防水性縫目構造を有する防水布帛およびその製造方法 - Google Patents

防水性縫目構造を有する防水布帛およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0892868A
JPH0892868A JP23176094A JP23176094A JPH0892868A JP H0892868 A JPH0892868 A JP H0892868A JP 23176094 A JP23176094 A JP 23176094A JP 23176094 A JP23176094 A JP 23176094A JP H0892868 A JPH0892868 A JP H0892868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waterproof
cloth
power factor
melting point
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23176094A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Yasue
政春 安江
Noriyuki Kuramoto
憲幸 倉本
Yukio Nakagawa
幸夫 中川
Masami Kamiya
正美 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP23176094A priority Critical patent/JPH0892868A/ja
Publication of JPH0892868A publication Critical patent/JPH0892868A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 縫合部の防水性を向上させ、耐久性に優れ、
風合もソフトな、防水性縫目構造を有する防水布帛の製
造方法を提供する。 【構成】 繊維基布2と、印加周波数1×106 HZ、
温度20℃のときの誘電率が3.5〜3.9、誘電力率
が0.02〜0.04で、融点が140〜200℃の熱
可塑性樹脂皮膜1とを積層して防水布帛Aとし、得られ
た防水布帛A1 、A2 相互の端部を熱可塑性樹脂皮膜層
同志が対向するように重ね合わせ、該重ね合わせ部に、
印加周波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘電率
が4.0〜4.7、誘電力率が0.05〜0.13で、
融点が85〜115℃のホットメルトシール材3aを配
置して縫合し、縫合線に沿って一方の防水布帛A1 を折
り返し、該折り返し合わせ部に上記と同様のシール材3
bを配置して伏せ縫い縫合し、次いで縫合部を高周波ウ
エルダーを用いて加圧溶融接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防水性縫目構造を有す
る防水布帛およびその製造方法に係り、特に防水性能と
実用特性に優れた防水性縫目構造を有する防水布帛であ
って、外観上は、一般衣料の縫目状態と全く変わらない
形態を有しながら、きわめて優れた防水機能を有すると
ともに、屈曲などに対しても優れた柔軟性を合わせ持つ
防水性縫目構造を有する防水布帛およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂皮膜と繊維基布からなる防
水布を用い、ウインドブレーカー等のスポーツ衣料、雨
衣、防水性作業服等を製造する場合、布の継ぎ合わせ面
からの水の浸入を防ぐために、縫合せずに、布の合わせ
面を基布同志または接着剤を用いてヒータ、高周波ウエ
ルダー、超音波ウエルダー等により溶着接合する技術が
知られている。しかし、このような溶着接合法では初期
の防水性は保たれるものの、接合強度が概してミシン糸
縫製等に較べて弱く、また傾向として接合部が硬くな
り、屈曲に対して損傷したり裂けたりして防水性に対す
る耐久性に劣るという欠点があった。
【0003】一方、あらかじめ、ミシン糸で縫合して接
合強度を強くした後、高周波ウエルダー等により溶着接
合して防水性とともに強度をも保つ改良方法が提案され
ている。このような従来技術として、例えば実公昭62
−24516号公報があげられる。図3は、このような
従来技術における防水布の接合部を示す断面図である。
図において、表側面に塩化ビニル等の熱可塑性合成樹脂
からなる防水層5(a、b)を有する防水加工布B(B
1 、B2 )の接合すべき、両防水加工布B1 、B2 の表
側面防水層5a、5b同志を重ね合わせ、さらにその上
に塩化ビニル等の熱可塑性合成樹脂溶着テープ6を重
ね、これらを一体としてミシン糸7を用いて端縁に沿っ
て縫合し、次いで、前記溶着テープ6に当接する防水加
工布B1 を溶着テープ6側に折り返し、例えば高周波ウ
エルダーで押圧加熱して防水層5a、5bおよび溶着テ
ープ6を溶融接合した三重の防水加工布縫目構造が示さ
れている。この方法によれば、接合強度は強固で、製品
の耐久性もかなり向上するが、防水加工布の防水層およ
び溶着テープの両方が溶融されるため、布の表面に高周
波ウエルダーの金型の押圧跡8がはっきりと残り、特に
両防水層5a、5bの溶融接合部の劣化や接合層厚班が
起こり易くなる。また、風合が硬く、ひび割れや裂け等
が発生し易くなり、しかも防水性が低下しがちで不満が
残るものであった。従って、この方法によっても防水性
と接合性との両方を満足する防水加工布を得ることはで
きなかった。
【0004】また、実公昭61−31749号公報に
は、布間に発泡性シートを内包させ、これら布と発泡性
シートを縫い糸により縫合して縫合部を形成し、縫製後
に発泡性シートを加熱発泡させることにより縫合部を目
止めする方法が開示されている。この方法によれば、発
泡剤を用いて2〜10倍(実施例では3〜4倍)に発泡
させて針穴を封止することができるので、ある程度の防
水性は発揮されるが、空隙の多い発泡物による針穴詰め
であるために耐水性が低く、防水性に限界がある。さら
に、縫合部の厚みが増大するので、形崩れが生じたり、
加えて外部加熱によるために防水布の防水層が熱劣化す
るという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決し、防水衣料の縫目部の防水性を格
段に向上させるとともに、耐久性に優れ、かつ外観上は
一般的縫合品の縫合形態と何ら変わることがなく、加え
て風合もソフトな、防水性縫目構造を有する防水布帛お
よびその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、防水性、耐
久性および柔軟性を満足する縫目構造を有する防水布帛
の製造方法について鋭意研究した結果、繊維基布に所定
の誘電率、誘電力率および融点を有する熱可塑性合成樹
脂皮膜を積層した防水布帛を、所定の誘電率、誘電力率
および融点を有するホットメルトシール材を介して伏せ
縫い縫合し、縫合部を高周波ウエルダーを用いて誘電加
熱することにより、発熱量が中位の前記合成樹脂皮膜層
には何ら影響を与えることなく、発熱量が大きいホット
メルトシール材のみを溶融して接合することができ、こ
れによって防水性および耐久性に優れた接合部が得られ
ることをを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本願で特許請求される発明は以
下のとおりである。 (1)繊維基布と、印加周波数1×106 HZ、温度2
0℃のときの誘電率が3.5〜3.9、誘電力率が0.
02〜0.04で、融点が140〜200℃の熱可塑性
樹脂皮膜とを積層した防水布帛相互を伏せ縫いして縫合
した防水性縫目構造を有する防水布帛であって、前記縫
合部が、前記防水布帛相互の端部を熱可塑性樹脂皮膜層
同志が対向するように重ね合わせた重ね合わせ部と、一
方の防水布帛を折り返した折り返し合わせ部と、前記重
ね合わせ部および折り返し合わせ部にそれぞれ挟持され
た、印加周波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘
電率が4.0〜4.7、誘電力率が0.05〜0.13
で、融点が85〜115℃のホットメルトシール材とを
有し、該ホットメルトシール材によって溶融接合されて
いることを特徴とする防水性縫目構造を有する防水布
帛。
【0008】(2)繊維基布と、印加周波数1×106
HZ、温度20℃のときの誘電率が3.5〜3.9、誘
電力率が0.02〜0.04で、融点が140〜200
℃の熱可塑性樹脂皮膜とを積層して防水布帛とし、得ら
れた防水布帛相互の端部を前記熱可塑性樹脂皮膜層同志
が対向するように重ね合わせ、該重ね合わせ部に、印加
周波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘電率が
4.0〜4.7、誘電力率が0.05〜0.13で、融
点が85〜115℃のホットメルトシール材を配置して
縫合し、縫合線に沿って一方の防水布帛を折り返し、該
折り返し合わせ部に前記と同様のシール材を配置して伏
せ縫い縫合し、次いで該縫合部を高周波ウエルダーを用
いて加圧溶融接合することを特徴とする防水性縫目構造
を有する防水布帛の製造方法。
【0009】本発明において、防水布帛を構成する熱可
塑性合成樹脂皮膜は、多孔質皮膜および無孔質皮膜のい
ずれでもよく、例えばポリウレタン系ポリマーやポリカ
ーボネイト系ポリウレタン等が用いられる。また、ホッ
トメルトシール材としては、ポリアミド系共重合物、ア
クリル酸共重合物、エチレンビニルアセテート共重合体
等がテープ状またはスパンボンド状のホットメルトシー
ル材として使用されるが、ポリアミド系共重合物である
ことがより好ましい。
【0010】合成樹脂皮膜材の融点は、140〜200
℃、ホットメルトシール材の融点は、85〜115℃で
ある。これによって高周波接合時の発熱によって、シー
ル材が十分溶融される温度まで加熱しても、防水布帛を
構成する合成樹脂皮膜層はほとんど影響を受けることは
ない。高周波ウエルダーによる高分子の発熱は、該高分
子の誘電率と誘電力率との積に比例する。従って、防水
布帛の接合においては、接合材および防水布帛の防水層
材である合成樹脂皮膜材の誘電率と誘電力率を所定範囲
に管理することが重要となる。
【0011】本発明において、合成樹脂皮膜材の、印加
周波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘電率は
3.5〜3.9、誘電力率は0.02〜0.04であ
り、誘電率と誘電力率との積は、0.07〜0.156
である。誘電率と誘電力率の範囲が上記範囲外である場
合は、本発明の目的を充分達成することができない。ま
た上記の積が0.156を越えると、合成樹脂皮膜材が
溶けたり、変色することがある。一方、0.07よりも
小さいと接着温度まで昇温せず、接着強力不足または耐
久性不良の原因となる。また、ホットメルトシール材
の、印加周波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘
電率は4.0〜4.7、誘電力率は0.05〜0.13
であり、誘電率と誘電力率との積は、0.2〜0.61
1である。誘電率と誘電力率の範囲が上記範囲外である
場合は、本発明の目的を充分達成することができない。
また上記の積が0.2よりも小さいと、発熱量が不足
し、溶融接合に必要な温度まで上昇しないので、良好な
接合部が形成されないことがある。なお、この問題を解
決しようとして高周波ウエルダーの処理条件を強化する
と合成樹脂皮膜材にも影響し、初期の目的を達成するこ
とができなくなる。一方、積が、0.611よりも大き
いと、ホットメルトシール材が異常に発熱して液体状と
なり、所定の位置での溶融接合ができなくなる。
【0012】本発明において、ホットメルトシール材
は、例えばフィルム状のものをテープ状にカットして用
いられる。防水布帛と重ね合わせて縫合する際、縫合線
が直線的であれば、端部に沿わせて縫合することができ
るが、縫合線が曲線的な場合は、端部に沿って縫合する
ことが難しく、しわ、重複部、縫い外れ等が生じ易いの
で、縫合線に追随し易い構造のシール材を用いることが
好ましい。すなわち、フレキシブル性を有したスパンボ
ンド状ホットメルトシール材が好適に用いられる。この
ようなスパンボンド状ホットメルトシール材の典型的な
ものとして、例えばくもの巣状フィルム(スピンウェ
ブ)といわれる熱可塑性樹脂を押し出し法によってノズ
ルからスパイラルに紡出し、連続シート状に集積、固定
してスパンボンド状シートとしたものがあげられる。こ
のようなスパンボンド状ホットメルトシール材を用いる
ことにより、曲線的な縫合線であっても十分追従するこ
とができるので、縫合部の防水性が損なわれることはな
い。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。図1は、本発明の一実施例を示す防水性縫目
構造を有する防水布帛の縫合部を示す説明図である。図
において、A1 およびA2 は、印加周波数1×106
Z、温度20℃のときの誘電率が3.5〜3.9、誘電
力率が0.02〜0.04で、融点が140〜200℃
のポリウレタン系の樹脂皮膜層1と、繊維基布層2とか
らなる防水布帛であり、該防水布帛A1 およびA2 は、
その合成樹脂皮膜層1同志が対向するようにして端部を
揃えて重ね合わされ、その重ね合わせ部に、印加周波数
1×106 HZ、温度20℃のときの誘電率が4.0〜
4.7、誘電力率が0.05〜0.13で、融点が85
〜115℃のホットメルトシール材3aを配置し、これ
らを一体としてミシン糸4aで縫合した後、前記防水布
帛A1上の縫合部にホットメルトシール材3bを置き、
該シール材3bを内包する方向に前記防水布帛A1 を折
り返し、その後、ミシン糸4bにより前記折り返された
防水布帛A1 、該防水布帛A1 に重ねられた防水布帛A
2 およびそれぞれ挟持されたシール材3a、3bを一体
に縫合、すなわち伏せ縫い縫合したものである。
【0014】図2は、図1の縫合部を高周波ウエルダー
で溶融接合した接合部を示す説明図である。図におい
て、図1の縫合部を高周波ウエルダーで加圧加熱(内部
発熱)して前記ホットメルトシール材3a、3bのみを
溶融させて接合した接合部が示されている。本実施例に
よれば、印加周波数1×106 HZ、温度20℃のとき
の誘電率が3.5〜3.9、誘電力率が0.02〜0.
04で、融点が140〜200℃の合成樹脂皮膜層1を
有する防水布帛A1 、A2 を、印加周波数1×106
Z、温度20℃のときの誘電率が4.0〜4.7、誘電
力率が0.05〜0.13で、融点が85〜115℃の
ホットメルトシール材を介して伏せ縫い縫合し、この縫
合部を高周波ウエルダーを用いて加圧接合したことによ
り、防水布帛A1 、A 2 の合成樹脂皮膜層1に何ら影響
を与えることなく、シール材3a、3bのみを溶融して
接合部を形成することができるので、縫合部の防水性お
よび耐久性が向上し、しかも防水布帛自体の風合を損な
うこともない。
【0015】次に、本発明の具体的実施例を説明する。 実施例1 80%のキュプラと20%のナイロン66からなる、目
付:185g/m2 のトリコット起毛編地を繊維基布と
して用い、これにポリウレタンフィルムに2液型ポリウ
レタン接着剤を塗布した、印加周波数1×106 HZ、
温度20℃のときの誘電率が3.6、誘電力率が0.0
3で、融点が165℃、目付:35g/m2 のポリウレ
タン樹脂皮膜を熱圧着して防水布帛とし、得られた防水
布帛相互の端部を、前記ポリウレタン樹脂皮膜層同志が
対向するように重ね合わせ、その重ね合わせ部に、幅1
0cmで、印加周波数1×106 HZ、温度20℃のと
きの誘電率が4.1〜4.7、誘電力率が0.05〜
0.13で、融点が100℃、目付:100g/m2
ポリアミド共重合体のスパンボンド状ホットメルトシー
ル材を配置し、これらを一体としてポリエステル系ミシ
ン糸#40で縫合した後、前記重ね合わせ部の上側の防
水布帛を前記縫合線に沿って折り返し、防水布帛の前記
トリコット起毛編地からなる折り返し合わせ部に前記と
同様のシール材を配置してこれらを一体に縫合、すなわ
ち伏せ縫い縫合し、この縫合部を精電舎製高周波ウエル
ダーを用いて印加周波数:40MHZ、同調目盛:1.
5、発振時間:5sec、圧力:1.5kg/cm2
陽極電流0.3Aの条件で加圧溶融接合したところ、防
水布帛のポリウレタン樹脂皮膜層は何の変化もなく、ポ
リアミド共重合体のスパンボンド状ホットメルトシール
材のみが十分に溶融した接合部を有する防水布帛が得ら
れた。
【0016】実施例2 経密度:136本/吋、緯密度104本/吋のナイロン
66:100%からなる織物をフッ素系撥水剤で処理し
たものを繊維基布とし、この繊維基布の片面に、印加周
波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘電率が3.
9、誘電力率が0.04で、融点が180℃のポリウレ
タン樹脂を塗布量20g/m2 で湿式コーティングした
防水布帛を用いた以外は、上記実施例1と同様にして防
水性縫目構造を有する防水布帛を製造したところ、防水
布帛のポリウレタン樹脂皮膜層は何の変化もなく、ポリ
アミド共重合体のシール材のみが十分に溶融された接合
部が形成された。
【0017】実施例3 前記実施例2で用いた繊維基布の片面に、印加周波数1
×106 HZ、温度20℃のときの誘電率が3.5、誘
電力率が0.02で、融点が150℃のポリウレタン樹
脂を塗布量30g/m2 でコーティングした、乾式発泡
法によって製造した防水布帛を用いた以外は、上記実施
例1と同様にして防水性縫目構造を有する防水布帛を製
造したところ、ホットメルトシール材のみが十分に溶融
された接合部が形成された。
【0018】比較例1 上記実施例1で用いた繊維基布に、印加周波数1×10
6 HZ、温度20℃のときの誘電率が4.3、誘電力率
が0.09で、融点が80℃、目付:40g/m2 の軟
質の塩化ビニル樹脂皮膜を接着剤を用いて加圧圧着して
防水布帛とした以外は、上記実施例1と同様にして防水
性縫目構造を有する防水布帛を得たところ、軟質塩化ビ
ニル皮膜とポリアミド共重合体のスパンボンド状ホット
メルトシール材の両方が溶融された形態となり、外観は
高周波ウエルダーの金型の押圧跡がはっきりと分かるも
のであった。
【0019】比較例2 実施例1で用いた繊維基布に、印加周波数1×106
Z、温度20℃のときの誘電率が2.3、誘電力率が
0.0005で、融点が125℃、目付:40g/m2
のポリエチレン樹脂皮膜を接着剤を用いて加圧圧着した
防水布帛を用いた以外は、上記実施例1と同様にして防
水性縫目構造を有する防水布帛を得たところ、ポリエチ
レン樹脂皮膜層は何ら変化しない状態であったが、該ポ
リエチレン樹脂皮膜層とスパンボンド状ホットメルトシ
ール材との接合強度は極めて弱いものであった。
【0020】比較例3 実施例1で用いた繊維基布に、印加周波数1×106
Z、温度20℃のときの誘電率が4.3、誘電力率が
0.09で、融点が80℃、目付40g/m2 の軟質塩
化ビニル樹脂皮膜を接着剤を用いて加圧圧着した防水布
帛を用い、シール材として、印加周波数1×106
Z、温度20℃のときの誘電率が3.5〜3.9、誘電
力率が0.09〜0.10で、融点が75℃、目付10
0g/m2 、幅10mmの塩化ビニルフィルムを用いた
以外は、上記実施例1と同様にして防水性縫目構造を有
する防水布帛を得たところ、端部に沿った縫合が難しか
ったことに加え、樹脂皮膜として用いた軟質塩化ビニル
フィルムとシール材として用いた塩化ビニルフィルムの
両方が溶融され、高周波ウエルダーの押圧型がはっきり
と付き、また風合いが極めて硬いものであった。
【0021】比較例4 印加周波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘電率
が6.5、誘電力率が0.16〜0.18で、融点が1
30℃、目付100g/m2 、幅10mmのセルロース
アセテートをホットメルトシール材として用いた以外
は、前記実施例1と同様にして防水性縫目構造を有する
防水布帛を得たところ、シール材が液体状となって流出
し、所定の位置での溶融接合ができず、シール効果は認
められなかった。
【0022】比較例5 印加周波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘電率
が2.8、誘電力率が0.006〜0.018で、融点
が210℃、目付100g/m2 、幅10mmの共重合
ポリエステルフィルムをホットメルトシール材として用
いた以外は、前記実施例1と同様にして防水性縫目構造
を有する防水布帛を得たところ、シール材が十分溶融接
合されず、合成樹脂(防水)皮膜材の溶融、変色が著し
く、しかも高周波ウエルダーの押圧型が付き、風合が硬
いものであった。
【0023】実施例1〜3および比較例1〜5で得られ
た防水性縫目構造を有する防水布帛について、防水性
(初期耐水圧および摩耗1000回後の耐水圧)をJI
S−L−1092の耐水度試験およびJIS−L−10
96の摩耗強さB法(スコット形法)による1000回
後の耐水圧測定法によって測定し、接合強度をJIS−
L−1093の縫目強さ試験法で測定した。また、視
覚、感覚判定によって外観、風合を判定した。結果をま
とめて表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から、本実施例1〜3によって得られ
た防水性縫目構造を有する防水布帛は、いずれも防水
性、耐久性に優れ、かつ外観、風合とも優れたものであ
ることが分かる。
【0026】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、縫
合部が、所定の誘電率、誘電力率および融点の合成樹脂
皮膜層同志が対向するように重ね合わせた防水布帛を、
所定の誘電率、誘電力率および融点のシール材を介して
伏せ縫い縫合した後、溶融接合さているので、きわめて
高い防水機能および耐久性を有する防水性縫目構造を有
する防水布帛が得られる。
【0027】本願の請求項2記載の発明によれば、防水
層として所定の誘電率、誘電力率および融点の合成樹脂
皮膜層を有する防水布帛を、所定の誘電率、誘電力率お
よび融点のシール材を介して伏せ縫い縫合し、その後、
縫合部を高周波ウエルダーで溶融接合することにより、
外観上は一般衣料の縫目状態と全くかわらない形態を有
しながら、きわめて高い防水機能および耐久性を示す防
水性縫目構造を有する防水布帛が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縫合部を示す断面図。
【図2】図1の縫合部を高周波ウエルダーで加圧溶融し
た接合部の断面図。
【図3】従来技術を示す説明図。
【符号の説明】
1 、A2 …防水布帛、1…樹脂皮膜層、2…繊維基布
層、3a、3b…ホットメルトシール材、4a、4b…
ミシン糸、B1 、B2 …防水加工布、5a、5b…防水
層、6…溶着テープ、7…ミシン糸、8…押圧跡。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 正美 大阪府大阪市中央区南久宝寺町4−1−2 株式会社旭化成テキスタイル内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基布と、印加周波数1×106
    Z、温度20℃のときの誘電率が3.5〜3.9、誘電
    力率が0.02〜0.04で、融点が140〜200℃
    の熱可塑性樹脂皮膜とを積層した防水布帛相互を伏せ縫
    いして縫合した防水性縫目構造を有する防水布帛であっ
    て、前記縫合部が、前記防水布帛相互の端部を熱可塑性
    樹脂皮膜層同志が対向するように重ね合わせた重ね合わ
    せ部と、一方の防水布帛を折り返した折り返し合わせ部
    と、前記重ね合わせ部および折り返し合わせ部にそれぞ
    れ挟持された、印加周波数1×106 HZ、温度20℃
    のときの誘電率が4.0〜4.7、誘電力率が0.05
    〜0.13で、融点が85〜115℃のホットメルトシ
    ール材とを有し、該ホットメルトシール材によって溶融
    接合されていることを特徴とする防水性縫目構造を有す
    る防水布帛。
  2. 【請求項2】 繊維基布と、印加周波数1×106
    Z、温度20℃のときの誘電率が3.5〜3.9、誘電
    力率が0.02〜0.04で、融点が140〜200℃
    の熱可塑性樹脂皮膜とを積層して防水布帛とし、得られ
    た防水布帛相互の端部を前記熱可塑性樹脂皮膜層同志が
    対向するように重ね合わせ、該重ね合わせ部に、印加周
    波数1×106 HZ、温度20℃のときの誘電率が4.
    0〜4.7、誘電力率が0.05〜0.13で、融点が
    85〜115℃のホットメルトシール材を配置して縫合
    し、縫合線に沿って一方の防水布帛を折り返し、該折り
    返し合わせ部に前記と同様のシール材を配置して伏せ縫
    い縫合し、次いで該縫合部を高周波ウエルダーを用いて
    加圧溶融接合することを特徴とする防水性縫目構造を有
    する防水布帛の製造方法。
JP23176094A 1994-09-27 1994-09-27 防水性縫目構造を有する防水布帛およびその製造方法 Withdrawn JPH0892868A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23176094A JPH0892868A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 防水性縫目構造を有する防水布帛およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23176094A JPH0892868A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 防水性縫目構造を有する防水布帛およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0892868A true JPH0892868A (ja) 1996-04-09

Family

ID=16928606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23176094A Withdrawn JPH0892868A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 防水性縫目構造を有する防水布帛およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0892868A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0949060A1 (en) * 1996-05-07 1999-10-13 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Leak resistant seamed structure, method of forming same, and heat processing device for same
WO2000009795A1 (fr) * 1998-08-13 2000-02-24 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Assemblage de tissus impermeables
JP2004208824A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Nisshinbo Ind Inc 防水縫製品及びその製造方法
JP2005105475A (ja) * 2002-09-30 2005-04-21 Yamaki Co Ltd 衣料、衣料の製造方法及び布帛の結合部分
JP2006249602A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Yamaki Co Ltd 布帛の結合部分、衣料、及び衣料の製造方法
CN103610247A (zh) * 2013-11-19 2014-03-05 广东溢达纺织有限公司 改善缝骨处缝线滑动能力的方法
CN106012475A (zh) * 2016-05-23 2016-10-12 张海芬 凸缝缝制法
CN112220164A (zh) * 2020-11-03 2021-01-15 兰如林 一种鞋面料组合折边粘贴装置
JP6821286B1 (ja) * 2020-06-12 2021-01-27 株式会社ファーストリテイリング マスク
CN112353058A (zh) * 2020-11-03 2021-02-12 兰如林 一种鞋面料拼接折边粘贴装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0949060A1 (en) * 1996-05-07 1999-10-13 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Leak resistant seamed structure, method of forming same, and heat processing device for same
EP0949060A4 (en) * 1996-05-07 2004-08-25 Asahi Chemical Ind LEAK-RESISTANT SEWED STRUCTURE, METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF AND HEAT TREATMENT DEVICE THEREFOR
WO2000009795A1 (fr) * 1998-08-13 2000-02-24 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Assemblage de tissus impermeables
EP1120489A4 (en) * 1998-08-13 2003-07-23 Asahi Chemical Ind WATERPROOF FABRIC ASSEMBLY
JP2005105475A (ja) * 2002-09-30 2005-04-21 Yamaki Co Ltd 衣料、衣料の製造方法及び布帛の結合部分
JP2004208824A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Nisshinbo Ind Inc 防水縫製品及びその製造方法
JP2006249602A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Yamaki Co Ltd 布帛の結合部分、衣料、及び衣料の製造方法
CN103610247A (zh) * 2013-11-19 2014-03-05 广东溢达纺织有限公司 改善缝骨处缝线滑动能力的方法
CN106012475A (zh) * 2016-05-23 2016-10-12 张海芬 凸缝缝制法
JP6821286B1 (ja) * 2020-06-12 2021-01-27 株式会社ファーストリテイリング マスク
JP2021195651A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 株式会社ファーストリテイリング マスク
CN112220164A (zh) * 2020-11-03 2021-01-15 兰如林 一种鞋面料组合折边粘贴装置
CN112353058A (zh) * 2020-11-03 2021-02-12 兰如林 一种鞋面料拼接折边粘贴装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5885679A (en) Joining structure for waterproof fabric
JP5603073B2 (ja) 積層を接合するためのステッチレスシームシステム
EP0861605B1 (en) Pucker free garment side seam and method for production
CA1071590A (en) Fabric seams
US8127701B2 (en) Fabric joining method and system
US20020172792A1 (en) Method of joining two or more substrates with a seam
JP2009513835A (ja) 溶着マイクロシーム
US6070542A (en) Pucker free collar seam and method of manufacture
GB2071564A (en) Improvements in and relating to the manufacture of protective clothing
JPH0892868A (ja) 防水性縫目構造を有する防水布帛およびその製造方法
JP2007197843A (ja) 被服とその製造方法
JPH06246076A (ja) 防水性衣料の製造法
JPH0315597Y2 (ja)
JPH06280103A (ja) 防塵性衣料の製造法
JP4533194B2 (ja) 布帛の結合部分、衣料、及び衣料の製造方法
JP2000051553A (ja) 防水加工布の接合方法
JPS6317947B2 (ja)
JPS6224516Y2 (ja)
JPH0336553Y2 (ja)
CA2205443C (en) Improved joining structure for waterproof fabric
Hayes Joining techniques for high-performance apparel
JPH0231997B2 (ja)
FI116033B (fi) Vesitiivis ommelsauma asusteissa ja menetelmä sen muodostamiseksi
JPH0730439Y2 (ja) 自動車用吊り天井材
JP2005105475A (ja) 衣料、衣料の製造方法及び布帛の結合部分

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020115