JPH0892740A - マグネトロンスパッタ装置 - Google Patents

マグネトロンスパッタ装置

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JPH0892740A
JPH0892740A JP25759194A JP25759194A JPH0892740A JP H0892740 A JPH0892740 A JP H0892740A JP 25759194 A JP25759194 A JP 25759194A JP 25759194 A JP25759194 A JP 25759194A JP H0892740 A JPH0892740 A JP H0892740A
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善郎 塩川
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啓次 石橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マグネトロンスパッタ装置によるITO薄膜
等の成膜で、特定条件の下でRF方式を利用することに
よりその膜厚と膜特性の均一性を向上する。 【構成】 マグネット組立22を併用してプラズマ50を生
成し、このプラズマを利用して基板23に透明導電膜を成
膜するマグネトロンスパッタ装置であり、高い充填密度
を有するターゲット21と、このターゲットに対してプラ
ズマ生成のための放電用電力の主たる部分を供給する高
周波電源41とを備え、成膜時における不純物ガス分圧が
3×10-6Torr以下である。ターゲットの充填密度は7
0%以上であり、マグネット装置によるターゲット表面
での平行方向の最大磁場の強さが500G以下であるこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマグネトロンスパッタ装
置に関し、特に、液晶ディスプレイ用大型基板上での透
明導電膜の成膜に利用されるマグネトロンスパッタ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタ法は、Ar(アルゴン)ガス中
でプラズマを生成し、Arイオンをターゲットに衝突さ
せてターゲット物質をはじき出すことにより、ターゲッ
トに対向させた基板にターゲット物質を薄膜として堆積
させる薄膜形成方法であり、またマグネトロンスパッタ
法は、基板上の成膜速度を向上するため、ターゲット背
面にマグネット装置を設けてターゲット表面近傍に所要
の磁場を生成し、プラズマの密度を高くするようにした
スパッタ法である。
【0003】以下に、マグネトロンスパッタ法を利用し
て基板にITO(Indium Tin Oxide:インジウム−錫酸
化物)薄膜を成膜する従来のマグネトロンスパッタ装置
について、使用電源と膜の均一性の観点で説明する。
【0004】マグネトロンスパッタ装置でプラズマ生成
のための放電用電力を得る方式としては、従来ターゲッ
トに印加される電力方式に応じてDC方式(直流電源方
式)とRF方式(高周波電源方式)の2種類が存在す
る。従来では、DC方式が、ターゲットに供給される電
力を調整するための整合器が不要である点で構造や操作
が簡単であり、かつ成膜速度が高いという理由で、主流
となっている。またRF方式は、ターゲットが絶縁物で
ある場合に限り使用されていた。
【0005】一方、ITO薄膜は透明導電膜として知ら
れ、液晶ディスプレイ装置における透明電極として不可
欠な薄膜である。このITO薄膜を基板に成膜するには
一般的にマグネトロンスパッタ装置が使用されている。
マグネトロンスパッタ装置によるITO薄膜の成膜で
は、ターゲットにITO材(以下ITOターゲットとい
う)が使用される。またITOターゲットを使用したマ
グネトロンスパッタ装置によるITO薄膜の成膜では、
電源として過去ではRF電源が使用されていた。これ
は、ITOターゲットとして充填密度が60%までのも
の(いわゆる低密度のITOターゲット)しか作れず、
インピーダンスが高くほとんど絶縁物に近い状態であ
り、DC電源を使用することができなかったからであ
る。しかしながら近年では、充填密度70%以上のイン
ピーダンスが十分に低いITOターゲット(いわゆる高
密度のITOターゲット)を作ることができるようにな
ったのでDC電源を用いることが可能となり、前述の理
由と併せてDC方式が主流になっている。なお上記「充
填密度」とは、単位体積当りのターゲット材料の占める
割合であると定義され、ターゲットにおける物質部分と
隙間部分の割合関係を意味するものである。
【0006】ITO薄膜等の透明導電膜を成膜するDC
方式の成膜装置を開示する従来の技術文献として、ここ
では特開平2−232358号公報、特開平3−249
171号公報を挙げる。特開平2−232358号によ
る透明導電膜の製造装置では、その第1図に示すごとく
プラズマ放電用電源としてDC電源(9)のみを備えて
いる。また特開平3−249171号による透明導電膜
の製造装置では、その第2図に示すごとくDC電源(1
9)とRF電源(20)を備えているが、DC電源は放
電用電力を供給する主電源として、RF電源はスパッタ
放電電圧を低下させる目的でDC電源に重畳される副電
源としてそれぞれ使用されている。
【0007】次に、マグネトロンスパッタ装置で基板に
ITO薄膜を成膜する場合、膜の均一性が問題になる。
すなわちマグネトロンスパッタ装置では、ターゲットの
背面に配置されたマグネット装置が原因で、ターゲット
の表面において磁場の平行成分が最大となる磁場を中心
としたプラズマが集中する部分(以下エロージョン部と
いう)と、それ以外の部分(以下非エロージョン部とい
う)が形成され、その結果、エロージョン部に対向する
基板箇所と非エロージョン部に対向する基板箇所とで成
膜速度が異なり、膜厚が異なる。膜厚の差は、シート抵
抗、透過率、スイッチング速度等の膜特性の差をもたら
し、膜を不均一にする。液晶ディスプレイに使用される
ITO薄膜では、膜厚の基板面内均一性と共に、比抵抗
値の均一性が要求される。膜厚や比抵抗値のばらつきが
存在すると、画面にむらが生じ、製品の品質を低下させ
るからである。このような観点で、マグネトロンスパッ
タ装置を用いてITO薄膜を基板に成膜する場合、膜厚
の均一化および比抵抗値の均一化を図る必要がある。
【0008】ITO薄膜の膜厚および比抵抗値の均一性
を高めるという観点では、成膜処理の形式を検討する必
要がある。マグネトロンスパッタ装置を用いて基板にI
TO薄膜を成膜する場合、装置の成膜処理形式としてイ
ンライン型と静止枚葉型とが存在する。
【0009】インライン型のマグネトロンスパッタ装置
では、トレイに保持された基板はターゲットの上を通過
・移動しながら成膜が行われる。インライン型装置によ
れば、基板の成膜面の各部はターゲットのエロージョン
部と非エロージョン部の各々に対向して通過するので、
偏りをなくし、最終的に膜厚および膜特性の均一性を達
成できるという利点を有する。反面、装置全体が大型に
なり、膜条件の制御が難しく、メンテナンスが面倒であ
る等の欠点を有する。
【0010】他方、静止枚葉型のマグネトロンスパッタ
装置では、複数のプロセス室を中央のロボット室(基板
搬送機構を備える)の周辺に集めた構成を有し、ロボッ
ト室の基板搬送機構によって基板のみが各プロセス室に
搬入され、各プロセス室で基板に対して成膜が行われ
る。成膜が行われる工程中、基板はターゲットに対して
静止・対向された状態にある。静止枚葉型成膜装置によ
れば、装置構成が小型かつ簡易になるが、成膜中基板は
静止状態にあるために膜厚および膜特性が不均一になる
という欠点を有する。そこで、静止枚葉型成膜装置で
は、ターゲットの背面に設けたマグネット装置を往復移
動させることによりエロージョン部を例えば周期的に移
動させ、ターゲット全面をスパッタさせること(全面エ
ロージョン方式という)により膜厚および膜特性の均一
性を改善している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の静止枚葉型のマ
グネトロンスパッタ装置でITO薄膜を作製する場合、
全面エロージョン方式によって膜厚の均一性は実用的な
レベル(基板面内5%程度以内)まで改善されたが、比
抵抗値等の膜特性の均一化については未だ十分ではな
い。一方、最近では液晶ディスプレイは大型化の傾向に
あり、さらに歩留り向上のため1枚のガラス基板から液
晶ディスプレイユニットを複数枚取り出すようにするの
で、成膜用基板は非常に大きなものとなっている。最近
の基板の大きさの一例としては400mm角程度である
が、将来的には600〜700mm角程度となることが予
想される。このようなことから、液晶ディスプレイ製作
のための静止枚葉型マグネトロンスパッタ装置を用いた
ITO薄膜の成膜では、大型基板において膜厚の均一化
と共に膜特性の均一化を達成することが要求される。
【0012】また、電源方式として現在主流である前述
のDC方式では、比抵抗値等の膜特性の不均一性を解決
することができないという問題が存在する。
【0013】そこで本発明者らは、上記要求を満たすべ
く、全面エロージョン方式の静止枚葉型マグネトロンス
パッタ装置を用いたITO薄膜の成膜において、電源と
して再びRF方式を利用する装置形式を研究し、その結
果、RF方式を利用した静止枚葉型マグネトロンスパッ
タ装置によって膜特性の不均一性の問題を解決し得るこ
とを見出した。
【0014】本発明の目的は、ITO薄膜等の透明導電
膜の成膜において、特定条件の下でRF方式を利用する
ことによりその膜厚と膜特性の均一性を向上したマグネ
トロンスパッタ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の本発明に係るマグ
ネトロンスパッタ装置は、マグネット装置を併用してプ
ラズマを生成し、このプラズマを利用して基板に透明導
電膜を成膜するマグネトロンスパッタ装置であり、高い
充填密度を有するターゲットと、このターゲットに対し
てプラズマ生成のための放電用電力の主たる部分を供給
する高周波電源(RF電源)とを備え、成膜時における
不純物ガス分圧が3×10-6Torr以下であるように構成
される。
【0016】第2の本発明は、第1の発明において、好
ましくは、ターゲットの充填密度が70%以上であるこ
とを特徴とする。
【0017】第3の本発明は、第1または第2の発明に
おいて、好ましくは、マグネット装置によるターゲット
表面での平行方向の最大磁場の強さが500G以下であ
ることを特徴とする。
【0018】第4の本発明は、第1〜第3のいずれかの
発明において、ターゲットに対して基板を静止・対向さ
せて当該基板に成膜を行うことを特徴とする。
【0019】第5の本発明は、第1〜第4のいずれかの
発明において、基板に透明導電膜を成膜する成膜室と、
この成膜室と外部との間に設けられたロードロック室
と、基板をロードロック室を経由して成膜室に搬入する
搬送機構とを備え、基板のみが搬送機構によって成膜室
に搬入されることを特徴とする。
【0020】第6の本発明は、第5の発明において、成
膜室に搬入される基板を加熱する加熱室を備え、この加
熱室と成膜室との間に両室を真空的に隔離するバルブを
設けたことを特徴とする。
【0021】第7の本発明は、第1〜第6のいずれかの
発明において、マグネット装置を移動させる移動制御手
段を備え、成膜時にマグネット装置を移動させることに
より基板に成膜を行うことを特徴とする。
【0022】第8の発明は、第7の発明において、マグ
ネット装置は、環状エロージョン部を形成する中心マグ
ネットと環状外周マグネットからなるユニットを複数並
設して構成されることを特徴とする。
【0023】第9の本発明は、第7または第8の発明に
おいて、移動制御手段によってマグネット装置を周期的
に移動させ、ターゲットに供給される放電用電力を、こ
の移動に応じて、予め設定された複数の整合調整値のい
ずれかに切り替える整合器を備えることを特徴とする。
【0024】第10の本発明は、第7のまたは第8の発
明において、ターゲットへ供給される放電用電力を自動
調整する整合器を備え、移動制御手段は成膜工程ごとに
マグネット装置を移動させかつ成膜工程中マグネット装
置を所定位置に静止させる共に、整合器は放電用電力を
自動調整することを特徴とする。
【0025】第11の本発明は、前記のいずれかの発明
において、ターゲットに印加されるバイアス電圧の変化
を検出する検出手段と、この検出手段から出力される検
出信号に基づいて放電の正常・異常を判定し、異常判定
時に電力の供給を停止する制御手段とを設けたことを特
徴とする。
【0026】
【作用】本発明では、マグネトロンスパッタ装置におい
て、ターゲットの充填密度がいわゆる高い充填密度(例
えば70%以上)であること、成膜時における不純物ガ
ス分圧が3×10-6Torr以下であることという主要条件
の下での成膜で、ターゲットに対しプラズマ生成のため
の放電用電力の主たる部分を供給する電源として高周波
電源を使用できるようにした。上記の条件を満たすこと
により、膜厚の均一性や比抵抗値等の膜特性の均一性
を、DC方式や従来のRF方式等に比較して顕著に改善
することができる。さらに、ターゲット背面に配置され
たマグネット装置によるターゲット表面での平行方向の
最大磁場の強さを500G以下、さらにもっとも好まし
くは300G以下とすることによって、異常放電の状態
を抑制し膜厚や比抵抗値等の均一性をいっそう高めるこ
とができる。
【0027】マグネトロンスパッタ装置の構成を静止枚
葉型成膜装置とし、ターゲットに対して基板を静止・対
向させて基板に成膜を行うようにすることがRF方式で
分布データを良好にし、また基板搬送機構によって基板
のみが成膜室に搬入されるようにすることが、膜特性等
を高めるRF方式の成膜装置として好ましい。
【0028】静止枚葉型マグネトロンスパッタ装置で
は、移動制御手段で成膜時に多連型のマグネット装置を
移動させ、全面エロージョン方式にて基板に成膜を行
う。マグネット装置の往復移動を周期的に行い、ターゲ
ットに供給される高周波の放電用電力を、この移動に応
じて、予め設定された複数の整合調整値のいずれかに切
り替える整合器を用いて最適に設定することにより放電
を安定して正常に保つことが可能となる。
【0029】ターゲットに印加されるバイアス電圧の変
化を検出する検出手段と、この検出手段から出力される
検出信号に基づいて放電の正常・異常を判定し、異常判
定時に電力の供給を停止する制御手段を設けることによ
って、異常放電が発生したとき、高周波電力のターゲッ
トへの給電を停止し、これによって不均一な膜厚や膜特
性を有する透明導電膜の作製を防止できる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の好適実施例を添付図面に基
づいて説明する。
【0031】図1は本発明に係るマグネトロンスパッタ
装置の第1の実施例の全体的構成を示す外観斜視図であ
る。このマグネトロンスパッタ本装置は、大型基板にI
TO薄膜を均一に形成するための静止枚葉型成膜装置で
あり、電源としてRF方式が用いられる。なお基板上に
成膜される薄膜としては、ITO薄膜の他にITO薄膜
に類似する透明導電膜が考えられる。また基板としては
例えば460×360mmの大型のガラス基板が使用さ
れる。
【0032】図1において、基板を搬送するための搬送
機構(または搬送ロボット)が収容されるロボット室1
1が中央に設けられ、ロボット室11の周囲にロードロ
ック室12、基板加熱室13、成膜室14が配設され
る。ロボット室11と各室12〜14との間には各室を
互いに隔離するためのバルブ15が配設される。成膜対
象である基板は、基板のみの状態で装置外部の大気側か
らロードロック室12を経由して装置内の真空側に搬入
され、ロボット室11に設けられた搬送機構によって基
板のみが、基板加熱室13、成膜室14と、予め定めら
れた順序に従って搬送され、成膜室14内に搬入され
る。成膜室14に搬入される基板は、基板加熱室13で
加熱された状態にある。
【0033】図2は成膜室14の詳細な構成図、図3は
マグネット組立と基板とシールド板の位置関係を示す
図、図4は図2中のA部の拡大図である。
【0034】図2において、成膜室14に配置されたタ
ーゲット21は、生成されるプラズマによってスパッタ
される面を下向きにして配置される。ターゲット21の
背面側(図2中の上面側)にはマグネット組立22が配
置され、ターゲット21の下面側には基板23が静止状
態でターゲット21に対向して配置される。ここでマグ
ネット組立22とは、複数のマグネットの配列によって
構成される所要磁場を生成するための装置のことであ
る。ターゲット21と基板23の間にはシールド板24
が配置される。
【0035】マグネット組立22は、図3に示すように
棒状の中心マグネット25(ターゲット対向面が例えば
N極)とその外側の周囲に配置された矩形環状の外周マ
グネット26(ターゲット対向面が例えばS極)からな
るマグネットユニット27を例えば5組用意し、これら
をその長手方向が平行になるように配置することにより
構成される。このマグネット組立22を多連型マグネッ
ト組立と呼ぶ。5組のマグネットユニットは支持プレー
ト28に固定される。マグネットユニット27の個数は
一般的には4〜6である。支持プレート28は、マグネ
ット移動機構29によって、図2および図3に示される
ようにB方向に往復移動(または揺動)され、これによ
ってマグネット組立全体が往復移動する。この往復移動
は周期的に行われることが望ましい。マグネット移動機
構29は、例えばモータやカム機構を用いて構成される
が、その他に任意の構成の駆動機構を採用することがで
きる。
【0036】図2で30は周期的に往復移動するマグネ
ット組立22の移動軌跡を示し、図3で31は往復移動
における移動距離(または移動幅)を示している。図3
に示すように、平行に配列された5つのマグネットユニ
ット27からなるマグネット組立22の形状は、全体と
して長方形の形状を有し、マグネットユニット27の長
手方向の寸法(上記長方形の短辺の寸法)は矩形の基板
23の短辺よりも長く、5つのマグネットユニットの配
列方向の寸法(上記長方形の長辺の寸法)は矩形の基板
23の長辺よりも短くなっている。マグネット組立22
が移動距離31で往復移動することによって、マグネッ
ト組立22が基板23の全体を覆うように設定されてい
る。なお上記シールド板24には、マグネット組立22
の移動範囲に対応する開口部24aが形成されている。
【0037】41はターゲット21に対しプラズマを生
成するための放電用電力を供給するために設けられた高
周波電源(RF電源)である。高周波電源41としては
例えば周波数13.56MHz の高周波を出力するものが
使用され、高周波電源41から出力された高周波は、整
合器42を通して所望の値に調整された状態でターゲッ
ト21に与えられる。また高周波電源41には異常放電
制御電源43が付加され、異常放電発生時に、異常放電
制御電源43はローパスファイルタ44を経由してター
ゲット21の自己バイアス電圧の変化を検出し、高周波
電源41の動作を制御する。
【0038】図2と図4においてターゲット21の下面
における50は生成された環状(またはドーナツ状)の
プラズマであり、さらに51はエロージョン部、52は
非エロージョン部であり、基板23の表面における53
はエロージョン対向部(エロージョン部51に対向した
基板の領域)、54は非エロージョン対向部(非エロー
ジョン部52に対向した基板の領域)である。図4に示
すごとく、エロージョン部51は、中心マグネット25
と環状マグネット26の間の環状空間に形成される。非
エロージョン部52はエロージョン部51の内側に形成
される。
【0039】次に、上記マグネトロンスパッタ装置での
動作を説明する。成膜室14において基板23は静止し
た状態でターゲット21に対向している。ターゲット2
1の表面上にはマグネット組立22によって磁場(ター
ゲット表面に平行な成分の磁場強度が500G以下の磁
場)が形成されている。また成膜室14における残留ガ
ス分圧は3×10-6Torr以下の圧力に設定されており、
この成膜室14内に3×10-3Torr程度のAr(アルゴ
ン)ガスが導入される。なお図2において排気機構およ
びガス導入機構の図示は省略されている。この状態でタ
ーゲット21に高周波電源41から高周波電力が供給さ
れると、放電が発生し、プラズマ50が生成される。タ
ーゲット21には、いわゆる高密度のITO材、すなわ
ち、好ましくは充填密度70%以上のITO材が使用さ
れる。成膜時にはArガスに微量のO2 (酸素)ガス
(0〜5%)を添加して薄膜中の酸素含有量を最適に調
整する。これは、ITO薄膜の比抵抗値が酸素含有量に
より大幅に変化するためである。
【0040】生成されたプラズマ50は、ターゲット2
1の表面において、当該表面に対し垂直な成分がゼロ
で、平行な成分が最大である磁場が発生している領域に
集中する。プラズマ50が集中しているターゲット21
上の部分が前述のエロージョン部51であり、その他の
部分が前述の非エロージョン部52である。これらのタ
ーゲット21におけるエロージョン部51、非エロージ
ョン部52のそれぞれに対向する基板部分として前述の
エロージョン対向部53および非エロージョン対向部5
4が決まる。
【0041】マグネット組立22はマグネット移動機構
29によって微小な幅31で揺動するので、これに応じ
てプラズマ50も揺動する。プラズマ50が揺動する
と、プラズマ50はシールド板24に周期的に接するこ
とになり、このため放電のインピーダンス(抵抗)が周
期的に変化することになる。そこで整合器42は、マグ
ネット組立22の往復移動の動きに対応して、予め設定
された整合用調整値に切り替わる機能を持たせている。
【0042】異常放電制御器43はターゲット21の自
己バイアス電圧(Vdc)の変化を検出する機能を有し、
自己バイアス電圧の変化の検出において異常放電を感知
したときには高周波電源41のターゲット21への電力
供給を停止する。
【0043】上記実施例のように、本発明では、プラズ
マ50を発生させるための放電用電力供給装置として高
周波電源41を用いること、すなわちRF方式を採用す
ることによって、大型のガラス基板23の上に膜厚およ
び比抵抗が均一なITO薄膜を形成することを可能にし
た。
【0044】次に、本発明によるRF方式によって大型
基板に膜厚と比抵抗が均一であるITO薄膜を成膜でき
る理由、必要な条件について詳述する。
【0045】まず従来、大型基板にITO薄膜を均一に
形成するための静止枚葉型マグネトロンスパッタ成膜装
置でRF方式が使用されなかった主要な理由(問題点)
を詳述すると、次の4点である。
【0046】第1の点は、DC方式と同等の膜特性(比
抵抗など)しか得られないことである。
【0047】第2の点は、DC方式に比較し成膜速度が
半分となり、2倍の成膜時間が必要となる、または2倍
の電力が必要となることである。このため、スループッ
トの低下につながる、または費用が上昇し構造も大きく
なるなどの問題がある。
【0048】第3の点は、整合器が必要となり、その調
整が難しいことである。特に、マグネット組立が周期的
に移動する場合には、その動きに対応して高速かつ連続
に調整をし続けなければならない。通常の整合器では、
このような調整はほとんど不可能に近い。
【0049】第4の点は、異常放電(ターゲット上に輝
点が生じ、エロージョン部の上を高速で回転する)が発
生し易いことである。異常放電が起こると、成膜は行わ
れず、基板とターゲットが損傷する。
【0050】本発明者らは、静止枚葉型マグネトロンス
パッタ装置で大型基板にITO薄膜を成膜する場合に、
以下に説明する特定条件下でRF方式を採用すると、従
来のRF方式における上記第1および第2の問題点を克
服でき、さらに従来のDC方式での膜特性(比抵抗値)
の不均一性を解決できることを見出した。また上記第3
および第4の問題点は、前述した実施例の多連型のマグ
ネット組立22と、マグネット組立22に基づく磁場強
度の最適な調整と、整合器42および異常放電制御電源
43の設置とによって解決される。
【0051】ここで、本発明に係るRF方式を見出す根
拠になった実験について説明する。この実験では、小型
基板用の静止対向型マグネトロンスパッタ装置を使用し
ている。マグネット組立は軸対称形の1組のマグネット
ユニットで構成し、エロージョン部と非エロージョン部
の間隔を広くして、これらの影響がデータに明確に出る
ような構造としている。またマグネット組立を周期的に
移動させない。成膜に関するその他の条件は、前記第1
の実施例で説明した成膜装置と同じである。以上の静止
対向型マグネトロンスパッタ装置において、DC方式と
RF方式のそれぞれを適用して個別に成膜の実験を行っ
た。下記において、図5〜図11を参照して実験の結果
を説明する。なお図5と図8で示したグラフは、199
4年3月28日に第41回応用物理学関連連合講演会で
発表された(講演番号 28p−ME−14 予稿集3
70ページ、第2分冊)。
【0052】図5は、上記の実験用装置でDC方式を採
用した場合の非エロージョン対向部(ターゲット中心上
の箇所)での比抵抗値の酸素流量依存特性を示すグラフ
である。図5に示したグラフで、横軸は成膜時にArガ
スに添加した酸素ガス流量の割合、縦軸はその流量で得
られたITO薄膜の比抵抗値を示している。図5から明
らかなように、最適な酸素流量は2〜3%程度であり、
その前後では急速に比抵抗値が大きく、すなわち劣化し
ている。図6は、同じくDC方式を採用した場合のエロ
ージョン対向部(ターゲット中心より60mmの箇所)
での比抵抗値の酸素流量依存特性を示すグラフである。
図6のグラフの縦軸および横軸の意味は図5のグラフと
同じである。この場合、最適な酸素流量は0%となって
いる。
【0053】図5と図6によれば、次のことが理解され
る。実用的には当然のことながらガスの流量(分圧)は
基板上の各領域で差をつけることはできないので、エロ
ージョン部と非エロージョン部の両方の領域を共に最適
な酸素流量とすることはできない。仮に非エロージョン
対向部での最適酸素流量(2〜3%)に設定すると、エ
ロージョン対向部では非エロージョン対向部の10倍も
の大きな比抵抗値をとることになり、比抵抗値の均一性
は非常に悪い状態となる。
【0054】図7に、酸素流量が2〜3%の状態で基板
にITO薄膜を成膜したときの比抵抗値の分布を示す。
図7のグラフとして、横軸は基板上の位置、縦軸はその
位置でのITO薄膜の比抵抗値を示している。図7に示
すように、比抵抗値の分布が非常に悪い状態では、マグ
ネット組立を周期的に移動させても、比抵抗値の均一化
はかなり難しい。
【0055】また酸素流量を0.5%とすると、両方の
領域でほば同じ比抵抗値をとり均一性はよくなるもの
の、その比抵抗値はかなり大きな値となってしまう。全
面エロージョン方式の実際の成膜条件では、上記2つの
条件の間に酸素流量を設定して、均一性と比抵抗値の妥
協点で使っていることになる。しかし、図5と図6によ
りその時の全体の比抵抗値は4〜6×10-4Ωcm以上と
なると予想される。従来のDC方式において、低い比抵
抗値を維持したまま均一性の良いITO薄膜を得ること
が困難であったのは、このようなメカニズムによること
が判明した。
【0056】図8は、上記の実験用装置でRF方式を採
用した場合の非エロージョン対向部での比抵抗値の酸素
流量依存特性を示すグラフで図5に対応し、図9は同じ
くRF方式でのエロージョン対向部での比抵抗値の酸素
流量依存特性を示すグラフで図6に対応する。図8およ
び図9のそれぞれの横軸、縦軸の意味は、図5および図
6の場合と同じである。図8と図9で示された各グラフ
は、DC方式の場合と比較して顕著な違いを示してお
り、次のことが理解される。
【0057】重要な点は、「エロージョン対向部と非エ
ロージョン対向部で最適な酸素流量値はほとんど同じ
(0.5%)」ということである。つまり、RF方式で
は、基板におけるエロージョン対向部と非エロージョン
対向部の両方の領域において、最適な酸素流量を設定す
ることができることを意味している。従って、低い比抵
抗値を維持したまま、非常に均一性の良いITO薄膜を
成膜できるのである。さらにその時の比抵抗値は、両方
の領域ともDC方式の場合に比較してかなり低く、平均
しても1.6〜1.8×10-4Ωcm以下となる。従っ
て、RF方式の場合の全体の比抵抗値は、DC方式の場
合に比較して1/2.2〜1/3.75倍となる。
【0058】図10に、最適酸素流量0.5%の状態で
成膜を行った場合における薄膜での比抵抗値の分布を示
す。図10で示すように、非常に均一でかつ低い比抵抗
値が得られている。このように特定条件下でのRF方式
では比抵抗値の均一性まで含めて評価すると、DC方式
に比べて良好な薄膜が得られることが判明した。
【0059】上記のような特徴を有するRF方式を実現
するための必要条件は、次の通りである。
【0060】(a) 充填密度70%以上の高密度IT
Oターゲットを使用すること。 (b) 成膜時の不純物ガス分圧を3×10-6Torr以下
とすること。
【0061】上記の各値は必ずしも厳密な閾値ではない
が、この値から外れると徐々に劣化してくる。従来、R
F方式での実験が行われながら、上記のようなRF方式
とDC方式の明確な違いが得られなかったのは、上記の
条件が満たされていなかったためである。条件(a)の
理由としては、充填密度が低いと、放電状態がITOに
適した状態とならないこと、間隙が多く、放電時のガス
放出が多いことなどが考えられる。条件(b)の理由
は、RF方式では最適酸素流量が少ないこと、基板がプ
ラズマに曝され各種ガスが放出され易いことなどが考え
られる。
【0062】各種ガスが放出され易いことについて、図
11にスパッタ中の各分圧変化の実験結果を示す。この
測定は、上記実験用装置に作動排気系付きのガス分析装
置を取り付けて行った。また、基板とターゲットの間に
シャッタを設け、まずシャッタを閉じて5分間放電させ
た(プリスパッタ)後、シャッタを開けてその時の分圧
変化を見ることにより、薄膜堆積中の基板からのガス放
出量を区別して計測するようにした。
【0063】図11に示した結果から、DC方式に比較
すると、RF方式ではプラズマに曝された基板からのガ
ス放出が非常に大きいことが分かる。そのため、RF方
式では、最適酸素流量が少ないこともあり、この実験条
件では酸素分圧と基板から放出した不純物ガス分圧との
間で差がほとんどなくなってしまっていることが分か
る。このような状態では、望ましい酸素原子だけでな
く、ほぼ同量に近い量の望ましくない不純物原子がIT
O薄膜に取り込まれてしまうことになり、良質な膜を作
ることが期待できない。
【0064】そこで、RF方式に関し前述の特徴を実現
させるためには、ITO薄膜に取りまれる不純物原子が
少なくとも酸素の1/5以下とすべきことが要求され
る。その結果、成膜中の不純物ガス分圧を3×10-6To
rr以下とすることが必要とされる。すなわち、不純物ガ
ス分圧<Ar分圧×流量%×不純物割合=3×10-3×
0.005×1/5=3×10-6Torrと計算される。
【0065】不純物ガス分圧を少なくするためには、ま
ずArを導入する前の成膜室の到達圧力を3×10-6To
rr以下とすること、また基板側にプラズマに曝されても
不純物ガスが放出されにくいような工夫をすることが必
要となる。
【0066】前述の2つの必要条件について、充填密度
70%以上のITOターゲットを手に入れることは現在
容易であるので、条件(a)は容易に達成できる。また
条件(b)を達成するために、図1および図2で説明し
たように、成膜室14に基板23のみを持ち込む構造と
し、かつ成膜室14と基板加熱室13を真空的に隔離し
た構造としている。すなわち、ロボット室11の搬送機
構を使用してガラスの基板23のみを成膜室14に搬入
するようにしている。基板23は、その表面に成膜する
必要上、もともと非常にクリーンな表面になっている。
そのため、基板23のみの搬入であれば、成膜室14の
到達圧力はほとんど劣化せず、また基板表面がRF方式
によるプラズマに曝された場合でも不純物のガス放出が
少なく、成膜中でも不純物ガス分圧を3×10-6Torr以
下とすることが可能となる。また上記実施例では、基板
加熱室13と成膜室14をロボット室11を介して接続
するようにし、それぞれバルブ15により真空的に分離
できるようにしている。これにより成膜中の不純物ガス
分圧を3×10-6Torr以下にできる。
【0067】上記のごとくして必要条件(a),(b)
を達成することにより、前述の従来のRF方式による第
1の問題点が克服される。
【0068】また上記の実験に基づく研究結果から、従
来のRF方式の第2の問題点を克服する方法も導かれ
る。すなわち、プロセス的に「膜厚を半分にすればよ
い」のである。何故なら、膜として必要なのはシート抵
抗値(比抵抗値/膜厚)なので、比抵抗値が半分であれ
ば膜厚は半分で済むことになり、DC方式と同じ電力で
同じ成膜時間とすることができるからである。また上記
実験結果に基づけば、RF方式の場合は比抵抗値が半分
以下(1/2.2〜1/3.75倍)であるので、膜厚
を半分にして同じ成膜時間としても、シート抵抗値はさ
らに低くなるという利点を有する。さらに、膜厚が半分
となると、エッチングがより早く高精度に行われるとい
う利点も生じる。
【0069】従来のRF方式の第3の問題点は、前述の
第1の実施例で説明したマグネット組立22の多連型構
造によって克服される。このマグネット組立22の大き
さは、基板23より少しだけ(ほぼ1つのマグネットユ
ニットのエロージョン部と非エロージョン部との間隔分
だけ)小さいものとなっている。このため、揺動幅31
は非常に短いものとなっている。幅の広い多連型のため
膜厚の均一性を達成するには、この小さい揺動幅で十分
である。この揺動によりプラズマ50はシールド板24
に周期的に接するため、放電のインピーダンス(抵抗)
が周期的に変化することとなるが、揺動幅31は非常に
小さいので、このインピーダンスの変化も非常に小さい
ものとなる。
【0070】さらに従来のRF方式の第3の問題点を完
全に克服するために、前述の整合器42に、マグネット
組立22の動きに対応して予め設定された調整値に切り
替わる機能を持たせた。この機能は、予めマグネット組
立22の動きとそのときの最適調整値を求めておき、そ
れをプログラムとして入力しておく。例えば、マグネッ
ト組立22の動きに対応する124個のアドレスのそれ
ぞれに256分割された最適な調整値を記憶させ、成膜
中、マグネット組立22の動きを表す信号に対応して常
に最適な調整値に切り替わるようにする。
【0071】ITO薄膜をRF方式のマグネトロンスパ
ッタ装置で成膜すると、異常放電が頻発する場合があ
る。この異常放電のメカニズムは明らかにされていない
が、前述の実験結果によれば、磁場が強すぎると発生頻
度が高くなること、特にターゲット表面の平行方向の最
大磁場の強さが500G(ガウス)を越すと急増するこ
とが判明した。また正常なときには−100V程度であ
るターゲットの自己バイアス電圧(Vdc)が、異常放電
発生中は大幅に変化し、+5〜10V程度となることが
判明した。これは、プラズマとの相互作用で発生してい
るターゲットの自己バイアス電圧が、異常放電によるプ
ラズマの状況変化に対応して変化するからである。
【0072】そこで、従来のRF方式の第4の問題点を
克服するため、前記実施例では、マグネット組立22に
基づくターゲット表面での平行方向の最大磁場の強度を
500G以下、もっとも好ましい範囲として300G以
下に設定すると共に、異常放電制御器43を設け、これ
によってターゲット24の自己バイアス電圧(Vdc)を
常に監視し、異常放電が発生したときには放電が自動的
に停止するようにした。第1の実施例では、実験結果を
参考にして500Gより小さいおよそ260Gとしてい
る。
【0073】なお、従来のDC方式の成膜装置では上記
磁場を強くすると、膜特性が良くなることが知られてい
る。実際に600〜1000Gでの強磁場によって現状
(DC方式)での最良の膜特性が得られている。しか
し、RF方式では磁場を強くしても膜特性はあまり変化
しないことも上記実験から判明した。従って、上記磁場
を500G以下とすることにより、他の性能には影響せ
ずに異常放電の発生を抑えることができる。
【0074】また従来のDC方式では、直流電源から流
れ出る放電電流を監視することにより、異常放電を検出
する方法が採用されていたが、これはRF方式には適用
できず、今までRF方式での異常放電の適当な検出法が
なかった。しかし、本実験に基づく研究により、RF方
式ではターゲットの自己バイアス電圧により異常放電の
有無が明確に判断できることが判明した。ターゲットの
自己バイアス電圧は良く知られているようにローパスフ
ィルタと電圧計で測定される。そこで本実施例では、ロ
ーパスフィルタ44によりターゲット21の自己バイア
ス電圧のみが異常放電制御電源43に検出される。この
異常放電制御電源43では、電圧変化に対応してリレー
が働き、高周波電源41を起動/停止するようになって
いる。この構成によって、異常放電による膜特性劣化や
装置の破損を未然に防ぐことができる。また適当な時間
(例えば1〜3秒)の後に、再度高周波電力を投入して
成膜を続行するようにし、成膜プロセスが停止しないよ
うにすることもできる。成膜を一時中断した場合でも、
膜特性は劣化しないことが実験的に確かめられている。
【0075】図12は本発明の第2の実施例を示し、図
2と同様な図である。図12において、図1に示した要
素と同一の要素には同一の符号を示す。装置の全体は、
第1実施例の場合と同じである。本実施例の構成および
動作は、第1の実施例と同じである。異なる点は、マグ
ネット組立22の動き方と整合器60の構造のみであ
る。図12において、61はマグネット組立22の移動
軌跡を示す。
【0076】マグネット組立22の動き方は、次の通り
である。1回目の成膜工程62中、マグネット組立22
は一方の端の位置に静止される。1回目の成膜工程62
が終わり、成膜室14とロボット室11との間で次の基
板の交換作業と行っている間に、マグネット組立22は
反対側の端に移動する。次の2回目の成膜工程63中
は、マグネット組立22はその反対側の端の位置に静止
される。同様にして3回目の成膜工程64、4回目の成
膜工程65が行われる。各成膜工程は例えば30秒から
1分程度である。このように、マグネット組立22の移
動は成膜していない時に行われるようにし、成膜工程中
はマグネット組立22はいずれか一方の端の位置で静止
した状態にある。2つの静止位置で、それぞれのシール
ド板24との距離を等しくして調整値を同じとなるよう
にしておく。整合器60は通常のもので、自動調整機能
のないものである。一度手動で調整をしておけば、両方
の位置とも同じ調整値なので成膜工程中は常に適正値と
なる。上記のような移動方法であっても、累積的にはタ
ーゲット21上は全面エロージョンの状態となり、ター
ゲット21の利用率の問題は解決される。また、マグネ
ット組立22のそれぞれのマグネットの強度、位置など
を適切に調整し、内部の分布を均一にしておくと、成膜
工程中にマグネット組立22を移動させなくても膜厚の
均一性は達成することができる。これは実験的にも確認
されている。
【0077】第2の実施例での整合器60を従来の自動
調整型(オートチューニング型)とする。自動調整型の
整合器60は、第1の実施例とは異なり、自ら調整を行
うものである。この自動調整型の整合器は調整の応答時
間が遅いので、第1の実施例のように常にマグネット組
立22が往復移動し調整値が高速に変化し続けるものに
は使用できない。しかし第2の実施例では、調整動作が
行われるのは成膜開始時だけとなり、成膜中はマグネッ
ト組立22は静止しているので、自動調整型の整合器6
0を使用できる。自動調整型整合器を使用する場合、毎
回の成膜工程中の整合調整値を同じとする必要はない。
成膜工程中に整合調整値が一定値に保持され、変化しな
ければよい。
【0078】図13と図14は本発明の第3の実施例を
示し、図13は成膜室の構成を示す図2と同様な図、図
14はマグネット組立と基板の位置関係を示す図であ
る。装置の全体構成は第1の実施例の場合と同じであ
る。本実施例の各図において、前述の各実施例で説明し
た要素と同一の要素には同一の符号を付している。
【0079】本実施例では、ターゲット71、マグネッ
ト組立72、マグネット移動機構73、高周波電源4
1、整合器60、シールド板74によって構成されるタ
ーゲットユニットを、図14に示すように9組配列して
いる。各ターゲットユニットにおいて、ターゲット71
は例えば円形であり、マグネット組立72は円形の中心
マグネット75と円環状外周マグネット76からなる1
組のマグネットユニット77によって形成される。マグ
ネット移動機構73によって、マグネット組立72は偏
芯した回転運動78を行う。ターゲット71には、高周
波電源41から高周波電力が整合器60を経由して供給
される。マグネット組立72の磁場およびその他の条件
によってターゲット71の下面には円環状のプラズマ5
0が生成される。RF方式を利用することによるITO
薄膜の成膜条件は、前述の各実施例の場合と同じであ
る。
【0080】本実施例では、マグネット組立72は回転
運動を行うので、プラズマ50とシールド板74との距
離は変化しない。そのため、整合器60の整合調整値を
変化させる必要がない。なお本図では、マグネット組立
72は1組のマグネットユニットのみから構成されてい
るが、これは複数のマグネットユニットから構成されて
もかまわない。
【0081】前記の各実施例では、ターゲットに対して
プラズマを生成するための放電用電力を供給する電源と
して高周波電源のみを使用するようにしたが、高周波電
源を主たる電力を供給するための主電源とし、その他に
副電源として直流電源を付加するように構成することも
できる。
【0082】前記実施例ではITO薄膜の成膜例を説明
したが、透明導電膜としてはITO薄膜に限定されな
い。Sn,Zn,Cd酸化物と基本構成として必要に応
じてドナーとなる元素を添加したITO薄膜と類似の構
造を持った透明導電膜に対しても本発明を適用できるの
はもちろんである。
【0083】前記実施例ではRF方式として周波数が1
3.56MHz のものを説明したが、この周波数に限定さ
れない。例えば40MHz や60MHz でもかまわない。
【0084】またマグネット組立の移動は、往復運動と
回転に限定されない。螺旋状などでもよい。また膜特性
としては、比抵抗値に限定されない。透過率やエッチン
グ速度などの諸特性でもよい。
【0085】また前述の実施例では静止枚葉型のマグネ
トロンスパッタ装置への適用例を説明したが、本発明は
インライン型に適用することも可能である。
【0086】さらに異常放電の検出法についてはITO
薄膜等の透明導電膜の成膜だけに限定されない。RF方
式を利用した他の薄膜の成膜についても適用できる。
【0087】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、次の効果を奏する。
【0088】ターゲットの充填密度を高密度としかつ成
膜時における不純物ガス分圧が3×10-6Torr以下とす
る条件の下で放電用電力供給源として高周波電源を使用
したため、ITO薄膜等の透明導電膜の成膜において膜
厚、比抵抗値等の均一性を向上することができる。
【0089】またターゲット表面での平行方向の最大磁
場の強さを500G以下としたため、RF方式を採用し
たマグネトロンスパッタ装置による成膜で膜特性を良好
なものすることができる。
【0090】またマグネトロンスパッタ装置の構成を静
止枚葉型成膜装置とし、基板搬送機構によって基板のみ
が成膜室に搬入され、当該基板をターゲットに対し静止
・対向させて当該基板に成膜を行う構成としたため、R
F方式との相乗作用でITO薄膜等の膜厚および膜特性
の均一性を高めることができる。
【0091】静止枚葉型マグネトロンスパッタ装置で、
移動制御手段で成膜時に多連型のマグネット装置を移動
させて全面エロージョン方式にて成膜を行い、かつマグ
ネット装置の往復移動を周期的に行い、ターゲットに供
給される高周波の放電用電力を、この移動に応じて、予
め設定された複数の整合調整値のいずれかに切り替える
整合器を用いて最適に設定するようにしたため、プラズ
マ生成のための放電を安定して正常に保つことができ
る。
【0092】ターゲットに印加されるバイアス電圧の変
化を検出する検出手段と、この検出手段から出力される
検出信号に基づいて放電の正常・異常を判定し、異常判
定時に電力の供給を停止する制御手段を設けるようにし
たため、異常放電が発生したとき高周波電力のターゲッ
トへの給電を停止し、不均一な膜厚や膜特性を有する透
明導電膜の作製を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネトロンスパッタ装置の第1
の実施例の全体的構成を示す外観斜視図である。
【図2】成膜室の詳細な構成図である。
【図3】マグネット組立と基板とシールド板の位置関係
を示す図である。
【図4】図2中のA部の拡大図である。
【図5】実験用装置でDC方式を採用した場合の非エロ
ージョン対向部(ターゲット中心上の箇所)での比抵抗
値の酸素流量依存特性を示す図である。
【図6】実験用装置でDC方式を採用した場合のエロー
ジョン対向部(ターゲット中心より60mmの箇所)で
の比抵抗値の酸素流量依存特性を示す図である。
【図7】DC方式の実験用装置で酸素流量が2〜3%の
状態で基板に薄膜を成膜したときの比抵抗値の分布を示
す図である。
【図8】実験用装置でRF方式を採用した場合の非エロ
ージョン対向部(ターゲット中心上の箇所)での比抵抗
値の酸素流量依存特性を示す図である。
【図9】実験用装置でRF方式を採用した場合のエロー
ジョン対向部(ターゲット中心より60mmの箇所)で
の比抵抗値の酸素流量依存特性を示す図である。
【図10】RF方式の実験用装置で酸素流量が0.5%
の状態で基板に薄膜を成膜したときの比抵抗値の分布を
示す図である。
【図11】各種ガスの放出に関し、スパッタ中の各々の
分圧変化の実験結果を示す図である。
【図12】本発明に係るマグネトロンスパッタ装置の第
2の実施例の成膜室の詳細な構成図である。
【図13】本発明に係るマグネトロンスパッタ装置の第
3の実施例の成膜室の詳細な構成図である。
【図14】第3の実施例におけるマグネット組立と基板
の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
11 ロボット室 12 ロードロック室 13 基板加熱室 14 成膜室 15 バルブ 21,71 ターゲット 22,72 マグネット組立 23 基板 25,75 中心マグネット 26,76 外周マグネット 27,77 マグネットユニット 29,73 マグネット移動機構 41 高周波電源 42,60 整合器 43 異常放電制御電源 50 プラズマ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネット装置を併用してプラズマを生
    成し、このプラズマを利用して基板に透明導電膜を成膜
    するマグネトロンスパッタ装置において、 高い充填密度を有するターゲットと、このターゲットに
    対してプラズマ生成のための放電用電力の主たる部分を
    供給する高周波電源とを備え、成膜時における不純物ガ
    ス分圧が3×10-6Torr以下であることを特徴とするマ
    グネトロンスパッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記ターゲットの充填密度は70%以上
    であることを特徴とする請求項1記載のマグネトロンス
    パッタ装置。
  3. 【請求項3】 前記マグネット装置によるターゲット表
    面での平行方向の最大磁場の強さは500G以下である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のマグネトロン
    スパッタ装置。
  4. 【請求項4】 前記ターゲットに対して前記基板を静止
    ・対向させて前記基板に成膜を行うことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項記載のマグネトロンスパッタ
    装置。
  5. 【請求項5】 前記基板に前記透明導電膜を成膜する成
    膜室と、この成膜室と外部との間に設けられたロードロ
    ック室と、前記基板を前記ロードロック室を経由して成
    膜室に搬入する搬送機構とを備え、前記基板のみが前記
    搬送機構によって前記成膜室に搬入されることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項記載のマグネトロンス
    パッタ装置。
  6. 【請求項6】 前記成膜室に搬入される前記基板を加熱
    する加熱室を備え、この加熱室と前記成膜室との間に両
    室を真空的に隔離するバルブを設けたことを特徴とする
    請求項5記載のマグネトロンスパッタ装置。
  7. 【請求項7】 前記マグネット装置を移動させる移動制
    御手段を備え、成膜時に前記マグネット装置を移動させ
    ることにより前記基板に成膜を行うことを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項記載のマグネトロンスパッタ
    装置。
  8. 【請求項8】 前記マグネット装置は、環状エロージョ
    ン部を形成する中心マグネットと環状外周マグネットか
    らなるユニットを複数並設して構成されることを特徴と
    する請求項7記載のマグネトロンスパッタ装置。
  9. 【請求項9】 前記移動制御手段によって前記マグネッ
    ト装置を周期的に移動させ、前記ターゲットに供給され
    る放電用電力を、この移動に応じて、予め設定された複
    数の整合調整値のいずれかに切り替える整合器を備える
    ことを特徴とする請求項7または8記載のマグネトロン
    スパッタ装置。
  10. 【請求項10】 前記ターゲットへ供給される放電用電
    力を自動調整する整合器を備え、前記移動制御手段は成
    膜工程ごとに前記マグネット装置を移動させかつ成膜工
    程中前記マグネット装置を所定位置に静止させる共に、
    前記整合器は前記放電用電力を自動調整することを特徴
    とする請求項7または8記載のマグネトロンスパッタ装
    置。
  11. 【請求項11】 前記ターゲットに印加されるバイアス
    電圧の変化を検出する検出手段と、この検出手段から出
    力される検出信号に基づいて放電の正常・異常を判定
    し、異常判定時に電力の供給を停止する制御手段とを設
    けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記
    載のマグネトロンスパッタ装置。
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