JPH0892734A - Mgの蒸発方法 - Google Patents
Mgの蒸発方法Info
- Publication number
- JPH0892734A JPH0892734A JP25482994A JP25482994A JPH0892734A JP H0892734 A JPH0892734 A JP H0892734A JP 25482994 A JP25482994 A JP 25482994A JP 25482994 A JP25482994 A JP 25482994A JP H0892734 A JPH0892734 A JP H0892734A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vapor
- container
- duct
- crucible
- vessel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 Mgの安定した蒸着を可能にする。
【構成】 Mgを開口部のある容器に入れて670℃以
上に加熱し、開口部からMg蒸気を蒸発させる。 【効果】 蒸発速度の変動がなく安定したMgの蒸着が
できる。
上に加熱し、開口部からMg蒸気を蒸発させる。 【効果】 蒸発速度の変動がなく安定したMgの蒸着が
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Zn−Mg合金蒸着め
っき等に用いる真空中で昇華性を示すMgの蒸発方法に
関する。
っき等に用いる真空中で昇華性を示すMgの蒸発方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】Mgは昇華性を有する金属であるが、従
来はAlやCu等の昇華性を有しない金属と同様に電気
ヒーターや電子ビーム等の加熱手段によって蒸発させて
いる。例えば、極小規模の場合には、MoやWのボート
の上にMgを置き、そのボ−トに通電し、電気抵抗加熱
により蒸発させる。多量に蒸発させる場合には、坩堝に
Mgを入れ、その坩堝を電気ヒーターや電子ビーム等で
加熱することによって蒸発させる。蒸着膜厚、蒸着速度
を精度良く制御する必要がある場合には、スパッタ蒸着
法を用いることもある。
来はAlやCu等の昇華性を有しない金属と同様に電気
ヒーターや電子ビーム等の加熱手段によって蒸発させて
いる。例えば、極小規模の場合には、MoやWのボート
の上にMgを置き、そのボ−トに通電し、電気抵抗加熱
により蒸発させる。多量に蒸発させる場合には、坩堝に
Mgを入れ、その坩堝を電気ヒーターや電子ビーム等で
加熱することによって蒸発させる。蒸着膜厚、蒸着速度
を精度良く制御する必要がある場合には、スパッタ蒸着
法を用いることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Mgは、真空中では昇
華性金属であるため、溶融状態を経ず、固体のままの状
態から蒸発する。このため、ボートや坩堝の中で加熱し
ても時間の経過に従って、固体のままのMgは形状が変
化し、その表面積が変化するため、蒸発速度が変化す
る。蒸発速度の変化を電気ヒーターや電子ビームの出力
を変え、ボートや坩堝の温度を変化させて調整しようと
しても、蒸発速度の変化が急激であり、ボートや坩堝の
温度がその変化に追随できないため、実質上、蒸発速度
の調節はできない。これに対して、AlやCu等のよう
に溶融状態を経て蒸発する物質の場合は、溶融するた
め、蒸発面が坩堝等の容器の内面で決まり、蒸発面積が
一定になる。このため、電気ヒーターや電子ビームの出
力を調整し、容器の温度を一定にすれば、蒸発速度を一
定にすることができる。また、蒸発速度を制御性良く変
化させることも容易である。
華性金属であるため、溶融状態を経ず、固体のままの状
態から蒸発する。このため、ボートや坩堝の中で加熱し
ても時間の経過に従って、固体のままのMgは形状が変
化し、その表面積が変化するため、蒸発速度が変化す
る。蒸発速度の変化を電気ヒーターや電子ビームの出力
を変え、ボートや坩堝の温度を変化させて調整しようと
しても、蒸発速度の変化が急激であり、ボートや坩堝の
温度がその変化に追随できないため、実質上、蒸発速度
の調節はできない。これに対して、AlやCu等のよう
に溶融状態を経て蒸発する物質の場合は、溶融するた
め、蒸発面が坩堝等の容器の内面で決まり、蒸発面積が
一定になる。このため、電気ヒーターや電子ビームの出
力を調整し、容器の温度を一定にすれば、蒸発速度を一
定にすることができる。また、蒸発速度を制御性良く変
化させることも容易である。
【0004】スパッタ蒸着法では、Mgの蒸発量を精度
良く制御することが可能である。しかし、蒸発速度が遅
く生産性が悪い。また、スパッタ蒸着法では、投入する
電力の10%以下しか蒸発に寄与しないため、エネルギ
ーの利用効率も非常に悪い。本発明は、このような問題
を解消すべく案出されたものであり、開口部を有する容
器内にMgを入れて、容器内の温度を670℃以上に加
熱し、開口部からMg蒸気を噴出させることによりMg
の蒸発量を精度良く調節する方法を提供することを目的
とする。
良く制御することが可能である。しかし、蒸発速度が遅
く生産性が悪い。また、スパッタ蒸着法では、投入する
電力の10%以下しか蒸発に寄与しないため、エネルギ
ーの利用効率も非常に悪い。本発明は、このような問題
を解消すべく案出されたものであり、開口部を有する容
器内にMgを入れて、容器内の温度を670℃以上に加
熱し、開口部からMg蒸気を噴出させることによりMg
の蒸発量を精度良く調節する方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】開口部を有する容器内に
Mgを入れて、容器内の温度を670℃以上に加熱し
て、開口部からMg蒸気を噴出させることによりMgの
蒸発量を精度良く調節する。上述の方法において、開口
部の出口に反射板を設け、この反射板を500℃以上に
加熱すればMgの蒸発量を更に精度良く調節できる。更
に、上述の二つの方法において、目的によっては開口部
の出口から基板までの間にダクトを設け、このダクトを
500℃以上に加熱する。
Mgを入れて、容器内の温度を670℃以上に加熱し
て、開口部からMg蒸気を噴出させることによりMgの
蒸発量を精度良く調節する。上述の方法において、開口
部の出口に反射板を設け、この反射板を500℃以上に
加熱すればMgの蒸発量を更に精度良く調節できる。更
に、上述の二つの方法において、目的によっては開口部
の出口から基板までの間にダクトを設け、このダクトを
500℃以上に加熱する。
【0006】図1に示すような開口部を有する容器内に
Mgを入れて、容器内の温度を670℃以上に加熱し、
Mgを蒸発させて容器内をMg蒸気で満たし、容器内の
圧力をMgの蒸気圧と同等またはそれに近くする。この
ことによって、真空中においてもMgが昇華性を失い溶
融するようになる。Mg蒸気圧は、例えば、700℃の
場合7Torr程度である。尚、容器内に他のガスが存
在しても、Mgを蒸発させている間に容器内は殆どMg
蒸気で満たされる。開口部の大きさは、容器内の圧力が
Mg蒸気圧若しくはそれに近くなる条件を満たす大きさ
であれば任意で良い。開口部の形状は、円形上、スリッ
ト状等目的に応じて選定すれば良い。開口部の位置は、
容器の上方のみでなくMgの位置よりも上であれば、側
面など任意の位置で良い。
Mgを入れて、容器内の温度を670℃以上に加熱し、
Mgを蒸発させて容器内をMg蒸気で満たし、容器内の
圧力をMgの蒸気圧と同等またはそれに近くする。この
ことによって、真空中においてもMgが昇華性を失い溶
融するようになる。Mg蒸気圧は、例えば、700℃の
場合7Torr程度である。尚、容器内に他のガスが存
在しても、Mgを蒸発させている間に容器内は殆どMg
蒸気で満たされる。開口部の大きさは、容器内の圧力が
Mg蒸気圧若しくはそれに近くなる条件を満たす大きさ
であれば任意で良い。開口部の形状は、円形上、スリッ
ト状等目的に応じて選定すれば良い。開口部の位置は、
容器の上方のみでなくMgの位置よりも上であれば、側
面など任意の位置で良い。
【0007】容器内のMgの温度は、温度変動による凝
固を防止するため、及び凝固による蒸発速度の変動を防
ぐため670℃以上にする必要がある。蒸着する真空槽
の真空度には制限は無いが、減圧ガス雰囲気中で蒸発さ
せる場合には、そのガスがMgに対して不活性であるこ
とが必要であり、また、全圧力がMg蒸気圧以下でなけ
ればならない。ガスがMgに対して活性である場合、そ
のガスが容器内に入り、それが例え少量であってもMg
表面に化合物膜(反応膜)を形成し、しばしば蒸発を阻
害する。全圧力がMg蒸気圧を越えると開口部からMg
蒸気が噴出しなくなる。
固を防止するため、及び凝固による蒸発速度の変動を防
ぐため670℃以上にする必要がある。蒸着する真空槽
の真空度には制限は無いが、減圧ガス雰囲気中で蒸発さ
せる場合には、そのガスがMgに対して不活性であるこ
とが必要であり、また、全圧力がMg蒸気圧以下でなけ
ればならない。ガスがMgに対して活性である場合、そ
のガスが容器内に入り、それが例え少量であってもMg
表面に化合物膜(反応膜)を形成し、しばしば蒸発を阻
害する。全圧力がMg蒸気圧を越えると開口部からMg
蒸気が噴出しなくなる。
【0008】Mg蒸気が開口部から容器内に出る場合、
真空中であるため、断熱膨張によって、開口部の出口で
Mg蒸気が結合しクラスターが発生することがある。特
に開口部からのMg蒸気の噴出量が多い場合、クラスタ
ーが多く発生する。このクラスターは、100μm以上
になることもあり、数μmの蒸着膜を得る時などは大き
な障害となる。また、容器を高温に加熱し過ぎた場合な
どに溶融したMgに突沸が生じ、スプラッシュが発生す
ることがある。このスプラッシュは、数mm程度のもの
もあり、開口部を通り抜けた場合、蒸着膜に大きな欠陥
を生ずる。このようなクラスター及びスプラッシュは、
図2に示すように、開口部の出口に設けた加熱した反射
板に衝突させ、再度蒸発させることによって原子状の蒸
気とすることができる。これによってクラスター及びス
プラッシュに起因する蒸着膜の欠陥の発生を防止するこ
とができる。尚、反射板は、カーボンや鉄等で作成し、
クラスターやスプラッシュが素通りしないものであれば
任意の形状で良い。また、Mgが反射板に蒸着、堆積せ
ず全て蒸発するようにするため、反射板は500℃以上
に加熱することが必要である。
真空中であるため、断熱膨張によって、開口部の出口で
Mg蒸気が結合しクラスターが発生することがある。特
に開口部からのMg蒸気の噴出量が多い場合、クラスタ
ーが多く発生する。このクラスターは、100μm以上
になることもあり、数μmの蒸着膜を得る時などは大き
な障害となる。また、容器を高温に加熱し過ぎた場合な
どに溶融したMgに突沸が生じ、スプラッシュが発生す
ることがある。このスプラッシュは、数mm程度のもの
もあり、開口部を通り抜けた場合、蒸着膜に大きな欠陥
を生ずる。このようなクラスター及びスプラッシュは、
図2に示すように、開口部の出口に設けた加熱した反射
板に衝突させ、再度蒸発させることによって原子状の蒸
気とすることができる。これによってクラスター及びス
プラッシュに起因する蒸着膜の欠陥の発生を防止するこ
とができる。尚、反射板は、カーボンや鉄等で作成し、
クラスターやスプラッシュが素通りしないものであれば
任意の形状で良い。また、Mgが反射板に蒸着、堆積せ
ず全て蒸発するようにするため、反射板は500℃以上
に加熱することが必要である。
【0009】開口部3の出口に図3に示すような加熱可
能なダクト(ヒーター省略)を設ければ、Mg蒸気を任
意の基板の位置まで搬送できる。このときダクト内にM
gの蒸着、堆積を防ぐためダクトは500℃以上に加熱
することが必要がある。クラスター及びスプラッシュ
は、ダクトに衝突すれば反射板と同じ原理により消滅す
る。しかし、ダクトの断面が長さに比べて大きい多場合
には、クラスター及びスプラッシュが素通りすることが
ある。このような場合には、図2の例のように反射板を
設ければ良い。
能なダクト(ヒーター省略)を設ければ、Mg蒸気を任
意の基板の位置まで搬送できる。このときダクト内にM
gの蒸着、堆積を防ぐためダクトは500℃以上に加熱
することが必要がある。クラスター及びスプラッシュ
は、ダクトに衝突すれば反射板と同じ原理により消滅す
る。しかし、ダクトの断面が長さに比べて大きい多場合
には、クラスター及びスプラッシュが素通りすることが
ある。このような場合には、図2の例のように反射板を
設ければ良い。
【0010】
【作用】開口部を有する容器内にMgを入れて、容器内
の温度を670℃以上に加熱し、Mgを蒸発させて容器
内をMg蒸気で満たし、容器内の圧力をMgの蒸気圧と
同等またはこれに近くすることによって、Mg上にMg
蒸気圧と同一の圧力の層が厚くできる。この層ができる
ことによって、真空中においてもMgのが昇華性がなく
なり、溶融状態から蒸発するようになる。Mgを溶融さ
せるためには、Mg上のMg蒸気圧と同一の圧力の層の
厚みが1mm以上必要と考えられる。このようにしてM
gを溶融状態から蒸発させるため、蒸発速度の変化がな
く安定して蒸発が行われる。
の温度を670℃以上に加熱し、Mgを蒸発させて容器
内をMg蒸気で満たし、容器内の圧力をMgの蒸気圧と
同等またはこれに近くすることによって、Mg上にMg
蒸気圧と同一の圧力の層が厚くできる。この層ができる
ことによって、真空中においてもMgのが昇華性がなく
なり、溶融状態から蒸発するようになる。Mgを溶融さ
せるためには、Mg上のMg蒸気圧と同一の圧力の層の
厚みが1mm以上必要と考えられる。このようにしてM
gを溶融状態から蒸発させるため、蒸発速度の変化がな
く安定して蒸発が行われる。
【0011】
実施例1 図1に示すような形状の、内径70mm、内高110m
m、孔径(開口部)6mm、肉厚8mmの黒鉛坩堝を用
いてMgを蒸発させた。坩堝温度は、720℃とし、坩
堝が置かれている真空槽内の圧力は1×10-5Torr
の真空中及び1×10-1Torrの分圧のN2 が存在す
る真空中(1×10-5Torrまで真空排気した後、N
2 を導入した。)とし、その中でMgを蒸発させた。坩
堝の孔は、始めシャッターで塞いで置き、坩堝温度が所
定の720℃に達した後、シャッターを開け200mm
上方の基板にMgを蒸着させ、蒸着速度を調査した。蒸
発速度の時間変化を図4に示す。1×10-5Torrの
真空中及び1×10-1Torrの分圧のN2 が存在する
真空中の何れにおいても、蒸発速度の変動は0.3μm
/sに対して±6%以下であり、殆ど変化がなく安定し
た蒸着ができる。これに対して、上方が開放されている
坩堝を用いてMgを蒸発させた場合には、蒸着速度は、
0.001から5μm/sの範囲で大きく変化し、安定
しなかった。
m、孔径(開口部)6mm、肉厚8mmの黒鉛坩堝を用
いてMgを蒸発させた。坩堝温度は、720℃とし、坩
堝が置かれている真空槽内の圧力は1×10-5Torr
の真空中及び1×10-1Torrの分圧のN2 が存在す
る真空中(1×10-5Torrまで真空排気した後、N
2 を導入した。)とし、その中でMgを蒸発させた。坩
堝の孔は、始めシャッターで塞いで置き、坩堝温度が所
定の720℃に達した後、シャッターを開け200mm
上方の基板にMgを蒸着させ、蒸着速度を調査した。蒸
発速度の時間変化を図4に示す。1×10-5Torrの
真空中及び1×10-1Torrの分圧のN2 が存在する
真空中の何れにおいても、蒸発速度の変動は0.3μm
/sに対して±6%以下であり、殆ど変化がなく安定し
た蒸着ができる。これに対して、上方が開放されている
坩堝を用いてMgを蒸発させた場合には、蒸着速度は、
0.001から5μm/sの範囲で大きく変化し、安定
しなかった。
【0012】実施例2 実施例1で用いた坩堝に図2に示すような反射板を取り
つけた場合の効果を調査した。反射板は、最冷部でも5
00℃以上になるようにした。坩堝内の圧力は1×10
-1Torrの分圧のN2 が存在する真空度1×10-5T
orrまで真空排気した後、N2 を導入した。)とし
た。調査結果を表1に示す。
つけた場合の効果を調査した。反射板は、最冷部でも5
00℃以上になるようにした。坩堝内の圧力は1×10
-1Torrの分圧のN2 が存在する真空度1×10-5T
orrまで真空排気した後、N2 を導入した。)とし
た。調査結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】反射板を取りつけた場合には、坩堝の温度
が高くなって、クラスター又はスパラッシュが発生して
も、高温の反射板に接触してMg蒸気になるため、基板
には付着しなかった。尚、坩堝温度を670℃未満とし
た場合、Mgが凝固することがあり、安定した蒸着が得
られなかった。
が高くなって、クラスター又はスパラッシュが発生して
も、高温の反射板に接触してMg蒸気になるため、基板
には付着しなかった。尚、坩堝温度を670℃未満とし
た場合、Mgが凝固することがあり、安定した蒸着が得
られなかった。
【0015】実施例3 実施例1で用いた坩堝に実施例5に示すような35mm
×35mmの正方形断面のダクトで側方に350mm、
上方に150mm離れた基板にMg蒸気を導き、基板に
Mg蒸着を施した。坩堝温度は700℃とし、坩堝内の
圧力は1×10-5Torrの真空中及び1×10-1To
rrの分圧のN2 が存在する真空中(1×10-5Tor
rまで真空排気した後、N2 を導入した。)でMgを蒸
発させた。途中にMg蒸気の流れを整える整流板を置
き、均一に蒸着できるようにした。ダクトの温度は最冷
部でも600℃以上とした。坩堝内の圧力が1×10-5
Torrの真空中及び1×10-1Torrの分圧のN2
が存在する真空中の何れにおいても、蒸着速度0.5μ
m/s±10%以内の変動で均一な蒸着面が得られた。
また、ダクトを用いているため、基板に蒸着せずに無効
となるMg蒸気が少なくなり、実施例1の場合より坩堝
温度が低いにもかかわらず、蒸着速度が大きくなった。
坩堝、反射板及びダクトは、実施例で用いた大きさのも
のに限らず、大型化若しくは小型化しても本発明方法の
効果は変わらない。
×35mmの正方形断面のダクトで側方に350mm、
上方に150mm離れた基板にMg蒸気を導き、基板に
Mg蒸着を施した。坩堝温度は700℃とし、坩堝内の
圧力は1×10-5Torrの真空中及び1×10-1To
rrの分圧のN2 が存在する真空中(1×10-5Tor
rまで真空排気した後、N2 を導入した。)でMgを蒸
発させた。途中にMg蒸気の流れを整える整流板を置
き、均一に蒸着できるようにした。ダクトの温度は最冷
部でも600℃以上とした。坩堝内の圧力が1×10-5
Torrの真空中及び1×10-1Torrの分圧のN2
が存在する真空中の何れにおいても、蒸着速度0.5μ
m/s±10%以内の変動で均一な蒸着面が得られた。
また、ダクトを用いているため、基板に蒸着せずに無効
となるMg蒸気が少なくなり、実施例1の場合より坩堝
温度が低いにもかかわらず、蒸着速度が大きくなった。
坩堝、反射板及びダクトは、実施例で用いた大きさのも
のに限らず、大型化若しくは小型化しても本発明方法の
効果は変わらない。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るMg
の蒸着方法によれば、Mgを溶融状態から蒸発させるた
め、蒸発速度の変動がなく安定した蒸着を行うことがで
きる。また、反射板及びダクトを用いることにより、ク
ラスター及びスプラッシュによる蒸着膜の欠陥の発生を
防止できる。また、ダクトを用いれば、Mg蒸気を直接
基板まで導くことができるため、基板の位置を自由に選
択でき、また基板に蒸着せずに無効になるMg蒸気が少
なくなるため、蒸着効率が非常に高くなる。
の蒸着方法によれば、Mgを溶融状態から蒸発させるた
め、蒸発速度の変動がなく安定した蒸着を行うことがで
きる。また、反射板及びダクトを用いることにより、ク
ラスター及びスプラッシュによる蒸着膜の欠陥の発生を
防止できる。また、ダクトを用いれば、Mg蒸気を直接
基板まで導くことができるため、基板の位置を自由に選
択でき、また基板に蒸着せずに無効になるMg蒸気が少
なくなるため、蒸着効率が非常に高くなる。
【図1】 Mg溶解用容器の横断面図
【図2】 反射板を設けたMg溶解用容器の横断面図
【図3】 ダクトを設けたMg溶解用容器の横断面図
【図4】 蒸発速度の経時的変動を示し図
【図5】 ダクト内に整流板を設けたMg溶解用容器の
横断面図
横断面図
1 容器 2 ヒーター 3 Mg 4 反射板 5 ダクト 6 基板 7 整流板
Claims (3)
- 【請求項1】 開口部を有する容器内にMgを入れて、
容器内の温度を670℃以上に加熱することにより、開
口部からMg蒸気を噴出させることを特徴とするMgの
蒸発方法。 - 【請求項2】 開口部の出口に反射板を設け、この反射
板を500℃以上に加熱することを特徴とする請求項1
記載のMgの蒸発方法。 - 【請求項3】 開口部の出口から基板までの間にダクト
を設け、このダクトを500℃以上に加熱することを特
徴とする請求項1又は2記載のMgの蒸発方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25482994A JPH0892734A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | Mgの蒸発方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25482994A JPH0892734A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | Mgの蒸発方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0892734A true JPH0892734A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=17270443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25482994A Withdrawn JPH0892734A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | Mgの蒸発方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0892734A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0735157A2 (en) * | 1995-03-28 | 1996-10-02 | Nisshin Steel Co., Ltd. | Formation of magnesium vapor with high evaporation speed |
JP2003502494A (ja) * | 1998-11-12 | 2003-01-21 | フレックス プロダクツ インコーポレイテッド | 直線開口蒸着装置および被覆方法 |
EP1770186A1 (en) * | 2005-09-30 | 2007-04-04 | Samsung SDI Co., Ltd. | Evaporation source and vacuum deposition apparatus using the same |
-
1994
- 1994-09-22 JP JP25482994A patent/JPH0892734A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0735157A2 (en) * | 1995-03-28 | 1996-10-02 | Nisshin Steel Co., Ltd. | Formation of magnesium vapor with high evaporation speed |
EP0735157A3 (en) * | 1995-03-28 | 1997-08-27 | Nisshin Steel Co Ltd | Generation of magnesium vapor with high evaporation rate |
US5705226A (en) * | 1995-03-28 | 1998-01-06 | Nisshin Steel Co., Ltd. | Formation of magnesium vapor with high evaporation speed |
JP2003502494A (ja) * | 1998-11-12 | 2003-01-21 | フレックス プロダクツ インコーポレイテッド | 直線開口蒸着装置および被覆方法 |
EP1770186A1 (en) * | 2005-09-30 | 2007-04-04 | Samsung SDI Co., Ltd. | Evaporation source and vacuum deposition apparatus using the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100287978B1 (ko) | 증발속도를 크게 한 mg 증발방법 | |
EP2180077B1 (en) | Method of depositing a ceramic coating | |
JPH0219459A (ja) | るつぼを有する蒸発源組立体 | |
JPH0892734A (ja) | Mgの蒸発方法 | |
JP2003231963A (ja) | 真空蒸着方法とその装置 | |
EP0969115B1 (en) | Method of vacuum vaporization of metals | |
KR20110035069A (ko) | 증착물질의 증발율 측정 장치 | |
JPH0673543A (ja) | 連続真空蒸着装置 | |
JPH03126865A (ja) | 電子ビーム蒸発装置 | |
US20090008842A1 (en) | Method and apparatus for producing metallic ultrafine particles | |
JP2004068081A (ja) | 真空蒸着装置における蒸発源容器 | |
US3356487A (en) | Prevention of splattering during vaporization processing | |
JPH01263265A (ja) | 真空アーク蒸着法 | |
JPH01275750A (ja) | 金属薄膜の製造装置 | |
JPH0230754A (ja) | 蒸着方法 | |
JPH0313566A (ja) | 薄膜製造方法 | |
JPH04191364A (ja) | イオンプレーティング方法および装置 | |
Frey | Vacuum Evaporation | |
JPH06948B2 (ja) | 金属蒸発方法 | |
JPH0544023A (ja) | 物質の蒸発方法及びその装置 | |
JPH08165562A (ja) | 安定条件下でのMg蒸発方法及び装置 | |
JPH08283942A (ja) | 昇華性金属材料の蒸発方法 | |
JPH09143734A (ja) | 連続真空蒸着装置における無効蒸着物付着防止装置 | |
JPH0733570B2 (ja) | 蒸着装置 | |
JPH03247754A (ja) | 蒸着方法およびその装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020115 |