JPH0892561A - 液晶光学素子 - Google Patents

液晶光学素子

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JPH0892561A
JPH0892561A JP22631594A JP22631594A JPH0892561A JP H0892561 A JPH0892561 A JP H0892561A JP 22631594 A JP22631594 A JP 22631594A JP 22631594 A JP22631594 A JP 22631594A JP H0892561 A JPH0892561 A JP H0892561A
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智久 五藤
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大作 中田
Hideya Murai
秀哉 村井
Etsuo Hasegawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低電圧駆動が可能であり、ヒステリシス特性
の優れた液晶光学素子を提供する。 【構成】 電極層が付いた少なくとも一方が透明な2枚
の基板間に、カイラルネマチック液晶と高分子樹脂とか
らなる調光層を挟持し、電界無印加時にプレーナーテク
スチャー、電界印加時にフォーカルコニックテクスチャ
ーとなる液晶光学素子において、前記高分子樹脂がスチ
ルベン骨格を有した(メタ)アクリレート系化合物を含
む高分子樹脂前駆体を光重合した化合物であることを特
徴とする液晶光学素子。 【効果】 本発明によれば、駆動電圧が低く、ヒステリ
シスも小さい液晶光学素子を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧無印加時に透明状
態あるいは選択反射状態となり、電圧印加時に散乱状態
となる液晶光学素子に関するものであり、本発明の液晶
光学素子は、文字、図形等を表示する表示装置、光シャ
ッター等に利用される。
【0002】
【従来の技術】液晶を用いた表示素子は、従来、ネマチ
ック液晶を使用したTN型や、STN型のものが実用化
されている。また近年、強誘電液晶や反強誘電液晶の開
発も行われている。しかしこれらの素子は偏光板を要す
るため、明るさ、コントラストにおいて制限を受けると
いう欠点を有している。
【0003】一方、特公平3−52843号公報に開示
された、液晶をカプセル化し、高分子樹脂中に分散する
方法では、偏光板を要しないため光の利用効率が高いと
いう利点を有している。このPDLCまたはNCAPと
呼ばれる液晶光学素子においては、カプセル内の液晶の
屈折率が電界の有無によって変化することを利用してい
る。つまりカプセル材の屈折率を電圧印加下の液晶の屈
折率と等しく設定することにより電圧印加下では光を透
過し透明となり、電圧を除いた時には光を散乱し不透明
となる光学素子が得られる。しかしながら上記液晶光学
素子は、高分子樹脂と液晶との屈折率差を利用している
ため、光透過率の温度依存性が大きい、光透過率の視野
角依存性が大きい等の問題があった。
【0004】これに対し、国際出願92/19695号
公報に開示されたカイラルネマチック液晶中に微量の高
分子樹脂を分散する方法では、電界無印加下に液晶相は
プレナーテクスチャーを形成し素子は透明となり、電圧
印加下にフォーカルコニックテクスチャーを形成し不透
明となる液晶光学素子が得られている。一般にPSCT
と呼ばれるこの液晶光学素子は、カイラルネマチック液
晶の相変化による光の透過散乱現象を利用しており、液
晶と高分子樹脂との屈折率差を利用するもではない。こ
のため、光透過率の温度依存性が小さく、また、光透過
率の視野角依存性も小さいという利点を有している。さ
らにカイラルピッチの調整により、選択反射も可能とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記国際出願92/1
9695号公報において、高分子樹脂前駆体としては
4,4′−ビスアクリロイルビフェニルが例示されてい
る。しかしながら、上記開示技術の液晶光学素子は、光
透過型で駆動電圧が14V以上と高く、薄膜トランジス
タ(TFT)等で駆動することが出来ないという問題点
があった。また上記開示技術による素子はヒステリシス
が大きく、階調表示が出来ないという問題もあった。
【0006】特開平5−224187号公報では、上記
液晶光学素子の特性の改善が提案されており、高分子樹
脂前駆体として4,4′−ジアクリロイルオキシ3,
3′,5,5′−テトラメチルビフェニルが例示されて
いる。しかしながら、この液晶光学素子も駆動電圧が約
10Vと高く、またヒステリシスも0.8Vと大きく、
十分なものとは言えない。これらの2つの開示技術は、
いずれも高分子樹脂前駆体としてビフェニル骨格を有し
ている化合物を使用している。
【0007】
【課題を解決するための手段】一般に、駆動電圧やヒス
テリシス等の電気光学特性は、高分子樹脂とカイラルネ
マチック液晶との相互作用が大きく影響していることが
知られているが、その相互作用を化学構造から予想する
ことはできていない。
【0008】本発明者らは、前述の課題を解決するため
に鋭意研究した結果、スチルベン骨格を有した(メタ)
アクリレート系化合物を含む高分子樹脂前駆体を光重合
した化合物を、上記相変化型の液晶光学素子のカイラル
ネマチック液晶中に分散する高分子樹脂として使用する
ことにより、低電圧駆動が可能であり、ヒステリシス特
性の優れた液晶素子が得られることを見出した。また、
スチルベン骨格有した(メタ)アクリレート系化合物を
フッ素を含有した(メタ)アクリレート系化合物と共重
合することによりさらにヒステリシス特性が改善される
ことを見出し本発明に至った。
【0009】つまり本発明は、電極層が付いた少なくと
も一方が透明な2枚の基板間に液晶と高分子樹脂とから
なる調光層を挟持した液晶光学素子において、前記高分
子樹脂が、スチルベン骨格を有した(メタ)アクリレー
ト系化合物を含む高分子前駆体を光重合した化合物であ
ることを特徴とする。
【0010】なお本発明中の(メタ)アクリレート系化
合物とは、アクリレート系化合物およびメタクリレート
系化合物を意味する。
【0011】本発明のスチルベン骨格を有した(メタ)
アクリレート系化合物としては、例えば、4−アクリロ
イルオキシスチルベン、4−アクリロイルオキシジメチ
ルスチルベン、4−アクリロイルオキシジエチルスチル
ベン、4−アクリロイルオキシジプロピルスチルベン、
4−アクリロイルオキシジブチルスチルベン、4−アク
リロイルオキシジペンチルスチルベン、4−アクリロイ
ルオキシジヘキシルスチルベン、4−アクリロイルオキ
シジフルオロスチルベン、4−アクリロイルオキシジク
ロロスチルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシスチ
ルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジメチルスチ
ルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジエチルスチ
ルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジプロピルス
チルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジブチルス
チルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジペンチル
スチルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジヘキシ
ルスチルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジフル
オロスチルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジク
ロロスチルベン、4−アクリロイルスチルベン、4−ア
クリロイルジメチルスチルベン、4−アクリロイルジエ
チルスチルベン、4−アクリロイルジプロピルスチルベ
ン、4−アクリロイルジブチルスチルベン、4−アクリ
ロイルジペンチルスチルベン、4−アクリロイルジヘキ
シルスチルベン、4−アクリロイルジフルオロスチルベ
ン、4−アクリロイルジクロロスチルベン、4,4′−
ジアクリロイルスチルベン、4,4′−ジアクリロイル
ジメチルスチルベン、4,4′−ジアクリロイルジエチ
ルスチルベン、4,4′−ジアクリロイルジプロピルス
チルベン、4,4′−ジアクリロイルジブチルスチルベ
ン、4,4′−ジアクリロイルジペンチルスチルベン、
4,4′−ジアクリロイルジヘキシルスチルベン、4,
4′−ジアクリロイルジフルオロスチルベン、4,4′
−ジアクリロイルジクロロスチルベン等があるが、これ
に限定されるものではない。
【0012】本発明の液晶光学素子の調光層に用いられ
る高分子樹脂はスチルベン骨格を有した(メタ)アクリ
レート系化合物を含む高分子樹脂前駆体を単独で光重合
したホモポリマーであっても良いし、他の一種類以上の
高分子樹脂前駆体とのコポリマーであっても構わない。
【0013】他の光重合性の高分子樹脂前駆体として
は、アクリロイル基、ビニル基等の通常の光重合性基有
する高分子樹脂前駆体であればいずれも使用できるが、
特にフッ素を含有した(メタ)アクリレート系化合物が
有効である。光重合性基は、高分子樹脂前駆体一分子中
に複数あっても構わない。
【0014】本発明のスチルベン骨格を有した(メタ)
アクリレート系化合物と共重合できるフッ素を含有した
(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、2,
2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクレート、2,
2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリ
レート等のモノアクリレート化合物、2,2,2−トリ
フルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,
4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート等のモノ
メタクリレート化合物、2,2,3,3,4,4−ヘキ
サフルオロペンタンジオール1,5−ジアクリレート等
のジアクリレート化合物、2,2,3,3,4,4−ヘ
キサフルオロペンタンジオール1,5−メタクリレート
等のジメタクリレート化合物等があるがこれに限定され
るものではない。
【0015】また、フッ素を含有した(メタ)アクリレ
ート系化合物以外に、本発明のスチルベン骨格を有した
(メタ)アクリレート系化合物と共重合できる光重合性
基を有する高分子樹脂前駆体としては、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ブチルエチルアクリレート、ブトキ
シエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エトキ
シエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペン
テニルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、
モルホリンアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、フェノキシジエチレングリコールアクリレート等の
単官能アクリレート化合物、2−エチルヘキシルメタク
リレート、ブチルエチルメタクリレート、ブトキシエチ
ルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エト
キシエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシ
クロペンテニルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボ
ニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウ
リルメタクリレート、モルホリンメタクリレート、フェ
ノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレング
リコールメタクリレート等の単官能メタクリレート化合
物、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアク
リレート、ウレタンアクリレートオリゴマー等の多官能
アクリレート化合物、ジエチレングリコールジメタクリ
レート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジシク
ロペンタニルジメタクリレートグリセロールジメタクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
メタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジ
ペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレ
ート、ウレタンメタクリレートオリゴマー等の多官能メ
タクリレート化合物、スチレン、アミノスチレン、酢酸
ビニル等があるがこれに限定されるものではない。
【0016】高分子樹脂は、カイラルネマチック液晶中
に0.5重量%以上8.0重量%以下含有されているこ
とが望ましい。0.5重量%以下の場合には、散乱強度
が低下しするためコントラストが低くなり、多すぎると
電圧無印加時の透過率が低下し、かつ駆動電圧が非常に
高くなる。
【0017】高分子樹脂が、スチルベン骨格を有した
(メタ)アクリレート系化合物と他の一種類以上の高分
子樹脂前駆体との共重合体である場合、高分子樹脂中
の、スチルベン骨格を有した(メタ)アクリレート系化
合物の比率は、30重量%以上が望ましい。特に、フッ
素を含有した脂肪族(メタ)アクリレート系化合物と共
重合する場合は、60重量%以上が望ましい。スチルベ
ン骨格を有した(メタ)アクリレート系化合物の含有量
が少ないと、駆動電圧およびヒステリシスが大きくな
る。
【0018】高分子樹脂前駆体の光重合に用いられる光
線としては可視光線、紫外線の他、電子線を用いること
ができる。可視光線、紫外線による光重合を行う際には
反応促進のために光重合開始剤を添加することが望まし
い。その光重合開始剤としては、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル−)
−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1
−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等
のアセトフェノン系、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系、ベン
ゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾ
フェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェ
ノン等のベンゾフェノン系、チオキサンソン、2−クロ
ルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン等のチオ
キサンソン系、ジアゾニウム塩系、スルホニウム塩系、
ヨードニウム塩系、セレニウム塩系等の通常の光重合開
始剤が使用できる。開始剤は固体でも液体でも構わない
が素子の均一性の点から液晶中に溶解または相溶するも
のが望ましい。開始剤濃度は高分子樹脂前駆体の30重
量%以下が好ましい。また必要の応じてメチルジエタノ
ールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸等の光開始助
剤を添加することもできる。
【0019】本発明の液晶光学素子に使用される液晶と
しては、ネマチック液晶中にカイラル剤を混合したカイ
ラルネマチック液晶が使用されるが、これと類似の特性
を有している通常のコレステリック液晶も使用すること
ができる。
【0020】ネマチック液晶としては、シアノ系、フッ
素系、塩素系等のいずれの液晶でも使用することができ
るが、高電荷保持率、高△n、高△εの液晶が望まし
く、特に塩素系液晶が有効である。またカイラル剤も、
特に制限は無いが、液晶と相溶することが望ましい。
【0021】ネマチック液晶とカイラル剤の混合比は、
目的とするカイラルピッチにより決定される。カイラル
ネマチック液晶のカイラルピッチは、透過散乱型として
使用する場合は、素子の駆動電圧とコントラストの関係
より1.0μm 以上5.0μm 以下が望ましい。また、
選択反射型として使用する場合は0.25μm 以上1.
0μm 以下が望ましい。
【0022】本発明に用いられる基板の材質は、ガラ
ス、プラスチック、金属等が使用できる。またカラーフ
ィルターを有する基板を用いて、カラー化することがで
きる。
【0023】基板は電極層が調光層側になるように設置
する。
【0024】電極層としてはITO等の材質のものが利
用できるが、使用する基板自身が導電性を有している場
合は、基板を電極としても利用することもできる。電極
層は調光層と密着した状態で設置する。
【0025】これらの電極層付き基板は液晶が配向する
ように処理されていないものでもよいが、処理されてい
ることが望ましい。この際、2枚の基板ともホモジニア
ス配向であっても良いし、一方がホモジニアス配向で、
もう一方がホメオトロピック配向である、いわゆるハイ
ブリッドであっても構わない。これらの配向処理には、
TN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通
常の配向膜が利用できる。またラビング処理することが
望ましい。
【0026】基板の間隔設定には、通常の液晶デバイス
に用いられるガラスまたは高分子樹脂等から成るロッド
状、球状のスペーサーを使用することができ、その間隔
は3μm 以上30μm 以下程度が望ましい。
【0027】本発明の液晶光学素子は、ギャップの定ま
った基板間に、カイラルネマチック液晶および単量体の
混合物を挟持した後、光を照射して製造することができ
る。この際、混合物の注入は、減圧下でも常圧下でも構
わない。また必要であれば、加温を行っても構わない。
【0028】本発明の液晶光学素子は、調光層を電極層
を有する2枚の透明な基板間に挟持した構造である光透
過型のみならず一方の基板が不透明な構造にも適応でき
る。例えば調光層を電極層を有する透明な基板と電極層
を有する光反射板間に挟持した素子構造、電極層を有す
る透明な基板と電極層を有する光吸収板間に挟持した素
子構造等がある。
【0029】光反射板は光を反射する材料で構成されて
いればあれば無機材料でも有機材料でも構わない。また
反射強度または反射波長は目的とする素子特性により任
意に変更できる。その構造は光反射材料が光反射板全体
を形成しているものであっても良いし、光反射材料がガ
ラス等の別の材質の基板上にコーティングされていても
良い。光反射材料をコーティングした場合、光反射材料
が調光層側にある必要はない。また光反射材料をコーテ
ィングする基板は光反射材料が調光層側に位置していな
い場合は必ずしも透明である必要はない。
【0030】光吸収板は光を吸収する材料で構成されて
いればあれば無機材料でも有機材料でも構わない。吸収
強度または吸収波長は目的とする素子特性により任意に
変更できる。その構造は光吸収材料が光吸収板全体を形
成しているものであっても良いし、光吸収材料がガラス
等の別の材質の基板上にコーティングされていても良
い。光吸収材料をコーティングした場合、光吸収材料が
調光層側にある必要はない。また光吸収材料をコーティ
ングする基板は光吸収材料が調光層側に位置していない
場合は必ずしも透明である必要はない。光反射材料また
は光吸収材料が導電性を有している場合はこれらを電極
としても利用することもできる。
【0031】本発明の液晶光学素子の用途としては、窓
や間仕切り等の建築材料や文字や図形を表示する表示装
置がある。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0033】なお本発明の実施例に記述されている駆動
電圧、応答時間は以下のように定義する。
【0034】駆動電圧: 電圧無印加時の光透過率を1
00%(初期透過率)、電圧印加により飽和した光透過
率を0%(飽和透過率)とした時、素子の光透過率が1
0%となる印加電圧。
【0035】応答時間: オンの応答時間は、電圧無印
加時の光透過率を100%(初期透過率)、電圧印加に
より飽和した光透過率を0%(飽和透過率)とした時、
電圧印加後に、素子の光透過率が100%から10%に
減少するまでの時間である。また、同様にオフの応答時
間は、印加電圧除去後、素子の光透過率が0%から90
%に増加するまでの時間である。
【0036】電荷保持率: 5V、60μsのパルス電
圧を素子に印加する。16.7ms後に素子が保持して
いる電圧をVとすると、電荷保持率は以下の式で示され
る。
【0037】電荷保持率=(V/5)×100(%) (実施例1)塩素系ネマチック液晶TL215(メルク
社製)95.6wt%、カイラル剤S811(メルク社
製)2.4wt%(カイラルネマチック液晶のカイラル
ピッチは3.8μm )、高分子樹脂前駆体ジエチルスチ
ルベストロールジアクリレート1.9wt%および重合
開始剤ベンゾインメチルエーテル0.10wt%の混合
液を2枚のホモジニアス配向処理された電極層付き透明
ガラス基板から成るギャップ9μm の液晶セルに注入し
た。この液晶セルを20℃に保ち、0.1mW/cm2
紫外線(波長365nm)を150分間照射し、アクリレ
ートモノマーを硬化させた。
【0038】作製した液晶光学素子の電気光学特性は、
光源としてヘリウム−ネオンレーザ、検出器としてフォ
トダイオードを用いて100Hzの矩形波を印加して測
定した。光学系のF値は15であった。25℃での特性
は以下の通りである。
【0039】 駆動電圧 6.4V 光透過率(電圧無印加時) 83% 光透過率(8V印加時) 1.2% コントラスト 69 ヒステリシス 0.23V 応答時間(オン;8V印加) 25ms (オフ) 12ms 電荷保持率 95% (実施例2)塩素系液晶TL215(メルク社製)9
5.6wt%、カイラル剤S811(メルク社製)2.
5wt%(カイラルネマチック液晶のカイラルピッチは
3.6μm )、ジエチルスチルベストロールジアクリレ
ート1.4wt%、2,2,3,3,4,4−ヘキサフ
ルオロぺンタン−1,5−ジオールジアクリレート0.
5wt%および2,2−ジエトキシアセトフェノン0.
10wt%の混合液を2枚のホモジニアス配向処理され
た電極層付き透明ガラス基板から成るギャップ9μm の
液晶セルに注入した。
【0040】紫外線の照射条件および電気光学特性の評
価条件は実施例1と同じ条件で行った。
【0041】 駆動電圧 6.4V 光透過率(電圧無印加時) 81% 光透過率(7V印加時) 1.1% コントラスト 73 ヒステリシス 0.19V 応答時間(オン;8V) 22ms (オフ) 11ms 電荷保持率 93% (比較例1)高分子樹脂前駆体として、ジエチルスチル
ベストロールジアクリレートの代わりに4,4′−ビス
アクリロイルビフェニル(1.9wt%)を使用する以
外は実施例1と同等の条件で行った。
【0042】 駆動電圧 16.2V 光透過率(電圧無印加時) 80% 光透過率(20V印加時) 2.5% コントラスト 32 ヒステリシス 4.5V 応答時間(立ち下がり;20V印加) 12ms (立ち上がり) 17ms 電荷保持率 92% (比較例2)高分子樹脂前駆体として、ジエチルスチル
ベストロールジアクリレートの代わりに4,4′−ジア
クリロイルオキシビフェニル(1.9wt%)を使用す
る以外は実施例1と同等の条件で行った。
【0043】 駆動電圧 14.5V 光透過率(電圧無印加時) 81% 光透過率(17V印加時) 3.0% コントラスト 27 ヒステリシス 3.7V 応答時間(オン;17V) 10ms (オフ) 12ms 電荷保持率 91% (実施例3)高分子樹脂前駆体として、ジエチルスチル
ベストロールジアクリレートの代わりに4,4′−ジア
クリロイルオキシジフルオロスチルベン、(1.9wt
%)を使用する以外は実施例1と同等の条件で行った。
【0044】 駆動電圧 6.7V 光透過率(電圧無印加時) 82% 光透過率(7V印加時) 1.3% コントラスト 63 ヒステリシス 0.20V 応答時間(オン;8V) 29ms (オフ) 13ms 電荷保持率 92% (実施例4)高分子樹脂前駆体として、ジエチルスチル
ベストロールジアクリレートの代わりに4,4′−ジア
クリロイルオキシジフルオロスチルベン(1.9wt
%)を使用する以外は実施例2と同等の条件で行った。
【0045】 駆動電圧 6.5V 光透過率(電圧無印加時) 80% 光透過率(7V印加時) 1.5% コントラスト 53 ヒステリシス 0.17V 応答時間(オン;8V) 30ms (オフ) 12ms 電荷保持率 91% (実施例5)液晶の重量%を70wt%、カイラル剤の
重量%を28wt%とする以外は実施例1と同等の条件
で素子を作製した。作製した素子は電圧無印加時に可視
光を選択反射した。また50V、100Hzの電圧を印
加するとフォーカルコニック状態(散乱状態)となり、
それをメモリーした。そして、100Vのパルス電圧を
印加すると、可視光の選択反射状態に戻った。電荷保持
率は90%であった。
【0046】
【発明の効果】本発明の液晶光学素子によれば、相変化
を用いた液晶光学素子の駆動電圧が低下し、TFT駆動
が可能となる。またヒステリシスも低下するため、階調
表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わる液晶光学素子の光透
過率を示したグラフである。
【図2】本発明の実施1に係わる液晶光学素子の構造を
示した図である。
【符号の説明】
1 基板 2 電極層 3 配向膜 4 高分子樹脂 5 カイラルネマチック液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 悦雄 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極層が付いた少なくとも一方が透明な2
    枚の基板間にカイラルネマチック液晶と高分子樹脂とか
    らなる調光層を挟持し、電界無印加時にプレナーテクス
    チャーとなり、電界印加時にフォーカルコニックテクス
    チャーとなる液晶光学素子において、前記高分子樹脂
    が、スチルベン骨格を有した(メタ)アクリレート系化
    合物を含む高分子樹脂前駆体を光重合した化合物である
    ことを特徴とする液晶光学素子。
  2. 【請求項2】電極層が付いた少なくとも一方が透明な2
    枚の基板間にカイラルネマチック液晶と高分子樹脂とか
    らなる調光層を挟持し、電界無印加時にプレナーテクス
    チャーとなり、電界印加時にフォーカルコニックテクス
    チャーとなる液晶光学素子において、前記高分子樹脂
    が、スチルベン骨格を有した(メタ)アクリレート系化
    合物およびフッ素を含有した(メタ)アクリレート系化
    合物を含む高分子樹脂前駆体を光重合した化合物である
    ことを特徴とする液晶光学素子。
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WO2013054682A1 (ja) * 2011-10-12 2013-04-18 Jnc株式会社 重合性化合物、液晶組成物および液晶表示素子
JP2022078443A (ja) * 2020-11-13 2022-05-25 凸版印刷株式会社 調光シート

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JP2022078443A (ja) * 2020-11-13 2022-05-25 凸版印刷株式会社 調光シート

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