JPH0892394A - 積層板成形用プリプレグおよび積層板 - Google Patents

積層板成形用プリプレグおよび積層板

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JPH0892394A
JPH0892394A JP6231897A JP23189794A JPH0892394A JP H0892394 A JPH0892394 A JP H0892394A JP 6231897 A JP6231897 A JP 6231897A JP 23189794 A JP23189794 A JP 23189794A JP H0892394 A JPH0892394 A JP H0892394A
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JP
Japan
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prepreg
glass cloth
glass
thermal expansion
surface treatment
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JP6231897A
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Inventor
Minoru Yonekura
稔 米倉
Masayuki Noda
雅之 野田
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Resonac Corp
Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】低熱膨張のガラス繊維を用いたガラスクロスを
基材とした低熱膨張積層板において、耐マイグレーショ
ン性を向上させる。 【構成】ガラスクロスを基材としてこれに熱硬化性樹脂
を含浸乾燥してなるプリプレグを加熱加圧成形した積層
板おいて、熱膨張係数が4ppm/℃以下のガラス繊維
で構成されたガラスクロスを用いる。ガラスクロスには
表面処理剤を0.15wt%以上、好ましくは0.2w
t%以上で付着させておく。フェノール樹脂を硬化剤と
して含有するエポキシ樹脂にはアミン系シラン表面処理
剤を組合せる。ジシアンジアミドを硬化剤として含有す
るエポキシ樹脂にはカチオニック系シラン表面処理剤を
組合せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低熱膨張で耐マイグレ
ーション特性に優れた積層板を成形するためのプリプレ
グおよび当該プリプリグを加熱加圧成形してなる積層板
に関する。この積層板はプリント配線板材料として用い
るのに適したものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器に使用される半導体パッ
ケージは、薄型化によりその熱膨張係数が小さくなって
いる。そのため、パッケージを実装するプリント配線板
にも低熱膨張係数のものが強く要求されている。また、
液晶ディスプレイの画面大型化に伴い、ディスプレイガ
ラスとディスプレイドライバ用のプリント配線板の間の
熱膨張係数差からくる寸法変化が大きくなり、両者を接
続するTABの断線の問題から、やはり低熱膨張係数の
プリント配線板が強く望まれている。従来、OA機器や
産業機器、計測機器などの信頼性が必要とされる機器の
プリント配線板には、一般にNEMA規格FR−4(ガ
ラスクロス基材エポキシ樹脂積層板)が使用され、さら
に高度な機器においてはNEMA規格GPY(ガラスク
ロス基材ポリイミドまたはBT樹脂積層板)が使用され
ている。いずれもガラスクロスを構成するガラス繊維の
ガラス組成はEガラス(熱膨張係数:5.6ppm/
℃,組成:SiO2:53〜56%,Al23:14〜
18%,CaO:20〜24%,B23:5〜10%,
MgO,R2O:<1%)であるために、積層板の熱膨
張係数は12〜15ppm/℃と大きな値である。積層
板の基材としてのガラスクロスは、MIL規格#719
5タイプ(厚み180μm)、#2116タイプ(厚み
100μm)、#106タイプ(厚み60μm)等が一
般的であり、ガラス繊維と樹脂の界面の接着性を向上さ
せるために、ガラスクロスを表面処理剤で処理してい
る。表面処理剤としては、γ−アミノフェニル−トリメ
トキシシラン、N−(βアミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン等のアミン系シラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシ−
エトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン等のカチオニック系シランや、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシ−プロピルトリメトキシシラン等
のエポキシ系シランがある。エポキシ樹脂に対しては、
カチオニック系シランを組合せて用いるのが一般的であ
る。
【0003】一方、低熱膨張プリント配線板の材料とし
て、低熱膨張係数のガラス組成のガラスクロスを基材と
したエポキシ樹脂やポリイミド樹脂の積層板が開発され
ているが、いずれもガラスクロスと樹脂の界面の接着力
が弱く、マイグレーションが発生しやすいという欠点が
あった。低熱膨張係数のガラス組成は、 Sガラス(熱膨張係数:2.4ppm/℃,組成 Si
2:62〜65%,Al23:20〜25%,Mg
O:10〜10%,R2O,B23:0〜1%) Dガラス(熱膨張係数:3.1ppm/℃,組成 Si
2:75〜76%,B23:19〜20%,R2O:<
3%,Al23,CaO,MgO:<1%) Qガラス(熱膨張係数:0.5ppm/℃,組成 Si
2:99.9%)等である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、低熱膨張のガラス繊維を用いたガラスクロ
スを基材とした積層板において、耐マイグレーション特
性を向上させることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る積層板成形用プリプレグは、ガラスクロ
スを基材としてこれに熱硬化性樹脂を含浸乾燥してなる
ものにおいて、前記ガラスクロスが、熱膨張係数4pp
m/℃以下のガラス繊維を含むガラス繊維で構成されて
いる。そして、熱硬化性樹脂とガラス繊維の親和性を高
めるためにガラスクロスに付着している表面処理剤の付
着量が0.15wt%以上であることを特徴とする。表
面処理剤の付着量は、好ましくは0.2wt%以上であ
る。熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂を硬化剤とし
て含有するエポキシ樹脂(フェノール硬化型)やジシア
ンジアミドを硬化剤として含有するエポキシ樹脂(DI
CY硬化型)を用いることができる。フェノール硬化型
エポキシ樹脂に対しては、表面処理剤としてアミン系シ
ランを組合せた構成が特に好ましい。ジシアンジアミド
硬化型エポキシ樹脂に対しては、表面処理剤としてカチ
オニック系シランを組合せた構成が特に好ましい。本発
明に係る積層板は、上記に記載した積層板成形用プリプ
レグを加熱加圧成形してなることを特徴とする。
【0006】
【作用】ガラス繊維の表面処理においては、ガラス繊維
表面に表面処理剤の単分子膜が形成されるように、表面
処理剤の使用量を調整している。従って、通常、ガラス
クロスに付着している表面処理剤は0.1wt%以下で
ある。しかしながら、Sガラス、Dガラス、Qガラス組
成のガラス繊維ように、熱膨張係数が4ppm/℃以下
のガラス繊維で構成されたガラスクロスを基材とした積
層板においては、ガラス繊維と樹脂の間の熱膨張係数差
が大きい。このため、通常の表面処理剤の使用量では、
積層板のドリル穴明け時に発生する熱に起因する応力に
より、ガラス繊維表面と樹脂の界面で微小クラックや剥
離が生じやすくなる。本発明に係るプリプレグを加熱加
圧成形してなる積層板は、ガラスクロスへの表面処理剤
の付着量を増やして、ガラス繊維の表面に通常より厚い
表面処理剤の膜層が存在するので、その膜層が応力緩和
層として働くことにより微小クラックや剥離の発生を抑
えることができ、耐マイグレーション性に優れたスルー
ホールの形成が可能となる。
【0007】
【実施例】本発明に係るプリプレグに使用する樹脂は、
エポキシ樹脂が一般的であるが、ポリイミド、BT樹脂
なども使用でき、特に限定するものではない。使用する
表面処理剤は、エポキシ樹脂との組合せでは、アミン系
シラン、カチオニック系シランが望ましいが、適用でき
るものであれば特にその種類を限定するものではない。
ガラスクロスに表面処理剤を付着させる方法は、表面処
理剤を溶かした溶液にガラスクロスを浸漬する方法を採
用した。付着量の調整は、溶媒に溶かす表面処理剤の量
を変えることにより行なったが、浸漬を複数回繰り返す
ことで付着量を調整してもよい。本発明に係る積層板
は、本発明に係るプリプレグを加熱加圧成形してなるも
のであるが、この積層板には、金属箔張り積層板および
内層にプリント回路を有する多層板を含む。以下、本発
明に係る実施例および参考例と従来例を詳細に説明す
る。
【0008】(実施例1)Sガラス組成の厚み0.1mm
(MIL規格#2116)のガラスクロスにアミン系シ
ラン(γ−アミノフェニル−トリメトキシシラン)を
0.15wt%付着させたガラスクロスaを得た。臭素
化エピビス系エポキシ樹脂(東都化成製「YDB−50
0EK80」)200g、エピビス系エポキシ樹脂(油
化シェル製「Ep−1001EK75」)43g、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製「YDC
N−704EK75」)170g、硬化剤としてのフェ
ノールノボラック樹脂(大日本インキ製「TD−209
0EK60」)130g、2−エチル4−メチルイミダ
ゾール(触媒)0.5gを均一に溶かし、フェノール硬
化型エポキシ樹脂ワニスAを調製した。ガラスクロスa
にワニスAを含浸乾燥し、樹脂含有量が42wt%のプ
リプレグaとした。プリプレグaを8枚重ねた両側に厚
さ18μmの電解銅箔を重ね、熱媒油プレスにて温度2
00℃、圧力40Kgf/cm2で90分間加熱加圧成形し、
厚さ0.8mmの銅張り積層板とした。
【0009】(実施例2)実施例1において、アミン系
シランの付着量が0.22wt%のガラスクロスbを得
た。ガラスクロスbにワニスAを含浸乾燥した樹脂含有
量が42wt%のプリプレグbとした。プリプレグbを
用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積層板と
した。
【0010】(実施例3)実施例1において、アミン系
シランの付着量が0.28wt%のガラスクロスcを得
た。ガラスクロスcにワニスAを含浸乾燥した樹脂含有
量が42wt%のプリプレグcとした。プリプレグcを
用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積層板と
した。
【0011】(実施例4)実施例1において、アミン系
シランの付着量が0.40wt%のガラスクロスdを得
た。ガラスクロスdにワニスAを含浸乾燥した樹脂含有
量が42wt%のプリプレグdとした。プリプレグdを
用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積層板と
した。
【0012】(参考例1)実施例1において、アミン系
シランの付着量が0.08wt%のガラスクロスnを得
た。ガラスクロスnにワニスAを含浸乾燥した樹脂含有
量が42wt%のプリプレグnとした。プリプレグnを
用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積層板と
した。
【0013】(実施例5)実施例1のガラスクロスにカ
チオニック系シラン(γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン)を0.15wt%付着させたガラスク
ロスeを得た。臭素化エピビス系エポキシ樹脂(東都化
成製「YDB−500EK80」)200g、エピビス
系エポキシ樹脂(油化シェル製「Ep−1001EK7
5」)128g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(東都化成製「YDCN−704EK75」)85g、
メチルグリコール100gに溶かしたジシアンジアミド
9g、2−エチル4−メチルイミダゾール(触媒)0.
6gを均一に溶かしジシアンジアミド硬化型エポキシ樹
脂ワニスBを調製した。ガラスクロスeにワニスBを含
浸乾燥し、樹脂含有量が42wt%のプリプレグeとし
た。プリプレグeを用いて実施例1と同様に厚さ0.8
mmの銅張り積層板とした。
【0014】(実施例6)実施例5において、カチオニ
ック系シランの付着量が0.22wt%のガラスクロス
fを得た。ガラスクロスfにワニスBを含浸乾燥した樹
脂含有量が42wt%のプリプレグfとした。プリプレ
グfを用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積
層板とした。
【0015】(実施例7)実施例5において、カチオニ
ック系シランの付着量が0.28wt%のガラスクロス
gを得た。ガラスクロスgにワニスBを含浸乾燥した樹
脂含有量が42wt%のプリプレグgとした。プリプレ
グgを用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積
層板とした。
【0016】(実施例8)実施例5において、カチオニ
ック系シランの付着量が0.40wt%のガラスクロス
hを得た。ガラスクロスhにワニスBを含浸乾燥した樹
脂含有量が42wt%のプリプレグhとした。プリプレ
グhを用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積
層板とした。
【0017】(参考例2)実施例5において、カチオニ
ック系シランの付着量が0.08wt%のガラスクロス
oを得た。ガラスクロスoにワニスBを含浸乾燥した樹
脂含有量が42wt%のプリプレグoとした。プリプレ
グoを用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積
層板とした。
【0018】(実施例9)熱膨張係数が3.5ppm/
℃の変性Eガラス組成(組成 SiO2:55%,Al2
3:25%,CaO:13%,B23:7%)の厚み
0.1mm(MIL規格#2116)のガラスクロスにア
ミン系シラン(γ−アミノフェニル−トリメトキシシラ
ン)を0.15wt%付着させたガラスクロスiを得
た。ガラスクロスiにワニスAを含浸乾燥した樹脂含有
量が42wt%のプリプレグiとした。プリプレグiを
用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積層板と
した。
【0019】(実施例10)実施例9のガラスクロスに
カチオニック系シラン(γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン)を0.15%wt付着させたガラス
クロスjを得た。ガラスクロスjにワニスBを含浸乾燥
した樹脂含有量が42wt%のプリプレグjとした。プ
リプレグjを用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅
張り積層板とした。
【0020】(実施例11)ガラスクロスfにワニスA
を含浸乾燥した樹脂含有量が42wt%のプリプレグk
とした。プリプレグkを用いて実施例1と同様に厚さ
0.8mmの銅張り積層板とした。
【0021】(実施例12)ガラスクロスbにワニスB
を含浸乾燥した樹脂含有量が42wt%のプリプレグm
とした。プリプレグmを用いて実施例1と同様に厚さ
0.8mmの銅張り積層板とした。
【0022】(従来例1)Eガラス組成の厚み0.1mm
(MIL規格#2116)のガラスクロスにアミン系シ
ラン(γ−アミノフェニル−トリメトキシシラン)を
0.08wt%付着させたガラスクロスpを得た。ガラ
スクロスpにワニスAを含浸乾燥した樹脂含有量が42
wt%のプリプレグpとした。プリプレグpを用いて実
施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積層板とした。
【0023】(参考例3)従来例1において、アミン系
シランの付着量が0.15wt%のガラスクロスqを得
た。ガラスクロスqにワニスAを含浸乾燥した樹脂含有
量が42wt%のプリプレグqとした。プリプレグqを
用いて実施例1と同様に厚さ0.8mmの銅張り積層板と
した。
【0024】上記の実施例1〜12、参考例1〜3、従
来例1における銅張り積層板の特性を表1に示す。表
中、各特性は、以下のようにして評価した。
【0025】(1)熱膨張係数:積層板表面の銅箔をエ
ッチングにより除去した後、積層板の基材たて方向の熱
膨張係数を30〜80℃の範囲で測定。
【0026】(2)耐マイグレーション性:銅張り積層
板をエッチングして、図1に示すように両面に回路1を
形成し(点線は裏面の回路を示す)、両面の回路を10
0個のスルーホール2(スルーホール穴径0.4mm,穴
壁間隔0.3mm,スルーホールメッキ厚25μm)で接
続する。このような回路を穴壁間隔0.3mmで相対して
一対設け、これを1つのサンプルとする。15個のサン
プルを用意し、相対して設けた回路の間に、85℃/8
5%RHの雰囲気で直流50Vの電圧を100時間かけ
続けた後に、短絡発生サンプル数を計数。
【0027】
【表1】
【0028】表1から、熱膨張係数が4ppm/℃以下
のガラス繊維で構成されたガラスクロスを基材とするプ
リプレグにおいては、ガラスクロスへの表面処理剤の付
着量が0.15wt%以上、好ましくは0.2wt%以
上であることによって初めて、当該プリプレグを加熱加
圧成形してなる積層板の耐マイグレーション特性を向上
させることができることを理解できる。従来例1と参考
例3との比較からわかるように、熱膨張係数が大きいガ
ラス繊維で構成されたガラスクロスを基材とする場合に
は、表面処理剤の付着量を多くしても積層板の特性に変
化がない。実施例2と実施例12との比較から、フェノ
ール樹脂を硬化剤として含有するエポキシ樹脂プリプレ
グに対して表面処理剤がアミン系シランであると、耐マ
イグレーション特性を一層向上させることができること
および積層板の熱膨張係数を一層小さくできることを理
解できる。実施例6と実施例11との比較から、ジシア
ンジアミドを硬化剤として含有するエポキシ樹脂プリプ
レグに対して表面処理剤がカチオニック系シランである
と、耐マイグレーション特性を一層向上させることがで
きることおよび積層板の熱膨張係数を一層小さくできる
ことを理解できる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、熱膨張係数が4ppm
/℃以下のガラス繊維を含むガラスクロスを基材とした
低熱膨張係数の積層板において、耐マイグレーション特
性を向上させることができる。これは、ガラス繊維の表
面に付着している表面処理剤の層が厚いために、それが
応力緩和層となって、積層板のドリル穴明け時に、ガラ
ス繊維表面と樹脂の界面で微少クラックや剥離等の発生
を防ぐことができるためである。フェノール樹脂を硬化
剤として含有するエポキシ樹脂プリプレグに対しては表
面処理剤をアミン系シランとし、ジシアンジアミドを硬
化剤として含有するエポキシ樹脂プリプレグに対しては
表面処理剤をカチオニック系シランとすることにより、
耐マイグレーション特性を一層向上させ、積層板の熱膨
張係数を一層小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐マイグレーション特性を試験するためのプリ
ント配線板の回路パターンを示す説明図である。
【符号の説明】
1は回路 2はスルーホール
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 13/513 // B29C 43/20 7365−4F B29K 63:00 105:06 B29L 9:00 C08L 63:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスクロスを基材としてこれに熱硬化性
    樹脂を含浸乾燥してなる積層板成形用プリプレグにおい
    て、 前記ガラスクロスは熱膨張係数が4ppm/℃以下のガ
    ラス繊維を含むガラス繊維で構成され、熱硬化性樹脂と
    ガラス繊維の親和性を高めるためにガラスクロスに付着
    している表面処理剤の付着量が0.15wt%以上であ
    ることを特徴とする積層板成形用プリプレグ。
  2. 【請求項2】表面処理剤の付着量が0.2wt%以上で
    ある請求項1記載の積層板成形用プリプレグ。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂がフェノール樹脂を硬化剤と
    して含有するエポキシ樹脂である請求項1または2に記
    載の積層板成形用プリプレグ。
  4. 【請求項4】表面処理剤がアミン系シランである請求項
    3記載の積層板成形用プリプレグ。
  5. 【請求項5】熱硬化性樹脂がジシアンジアミドを硬化剤
    として含有するエポキシ樹脂である請求項1または2に
    記載の積層板成形用プリプレグ。
  6. 【請求項6】表面処理剤がカチオニック系シランである
    請求項5記載の積層板成形用プリプレグ。
  7. 【請求項7】ガラスクロスを基材としてこれに熱硬化性
    樹脂を含浸乾燥してなる積層板成形用プリプレグを加熱
    加圧成形してなる積層板において、 前記プリプレグが請求項1〜6のいずれかに記載のプリ
    プレグであることを特徴とする積層板。
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