JPH0892368A - 耐熱性樹脂とその処理方法 - Google Patents

耐熱性樹脂とその処理方法

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JPH0892368A
JPH0892368A JP23087594A JP23087594A JPH0892368A JP H0892368 A JPH0892368 A JP H0892368A JP 23087594 A JP23087594 A JP 23087594A JP 23087594 A JP23087594 A JP 23087594A JP H0892368 A JPH0892368 A JP H0892368A
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JP
Japan
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resin
heat
bismaleimide
triazine
resistant resin
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Pending
Application number
JP23087594A
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English (en)
Inventor
Masao Maeda
昌男 前田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電気機器に含浸、硬化後の高温長時間運転に対
し、減量が少なく、剥がれや欠損の起こらないビスマレ
イミド・トリアジン系耐熱性樹脂を提供する。 【構成】ビスマレイミド・トリアジンが80〜90重量
%とトリアリルイソシアヌレートとを反応させてなる耐
熱性樹脂において、初期揮発成分を除外する。初期揮発
成分の除外方法は、この耐熱性樹脂を、温度は75〜8
5℃、圧力100〜400Paの条件にて0.5〜4時
間減圧加熱脱気することである。初期揮発成分の揮発量
は樹脂重量に対し極めて微量であるが、硬化後の減量抑
止の効果は大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転電機等に使用さ
れるビスマレイミド・トリアジンを主成分とする液状樹
脂およびその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子,電気機器,輸送機(車両)
などの小型軽量化,高性能化が著しく進んでいる。電気
機器を小型化,高速化すると電気的損失ロスにより熱の
発生が増加して来ており、それらに使用される樹脂の耐
熱性の向上が望まれている。特に電気機器絶縁に関する
H種クラス(最高適用温度180℃)以上の、エナメル
平角銅線コイルへの、あるいはフイルムやガラスクロス
のシート状の裏打材、はがしマイカ片,集成マイカ箔,
ポリアミド繊維からなる薄葉材を少量の有機系バインダ
ーで貼り合わせたテープを巻回したコイルへの含浸樹脂
に耐熱性が要求されている。
【0003】このようなH種クラス以上の含浸樹脂とし
て、ポリイミド,マレイミド,ポリアミドイミド,ビス
マレイミドなどのイミド基を有する樹脂が一般に用いら
れている。これらのイミド系樹脂は電気絶縁性および耐
熱性に優れている。しかし、生成過程で水を副生するの
で、脱水処理を施しているが充分でないことがあった
り、加熱硬化物でも湿気や、外部からの水分により加水
分解が起き易い。
【0004】含浸樹脂として用いる場合にはイミド系樹
脂は一般に粘度は非常に高く、半固形状であるので、加
熱して液体状として含浸に用いられている。含浸作業毎
に繰り返し加熱されるので、樹脂の重合が進み増粘され
るので、ポットライフはあまり長くはない。更にイミド
化された固形や半固形樹脂を低粘度化させる方法とし
て、有機溶媒のジメチルアセトアミド(DMA)などの
極性溶媒を添加して全体の粘度を下げて低粘度または液
状化することも出来るが、減圧含浸時に添加溶媒の発泡
現象が起きることで飛散や臭気を伴い環境面も好ましく
ない。また加熱硬化時の熱により樹脂が反応して粘性は
除々に増大してくるが、含浸コイル内部より溶媒が蒸発
することで樹脂が発泡して硬化するために、空隙が生じ
て水分が侵入して絶縁性を低下させる要因となる。
【0005】絶縁材料の熱伝導,熱放散性を向上させ、
機器の温度を下げる方法として、無機充填剤や短繊維の
粉を添加する方法があるが、粘度が増大して流れ難くな
り狭い空間や複雑な形状での使用が困難であり、この方
法は機器の含浸には不向きである。イミド系樹脂は、一
般にジアミンとジカルボン酸無水物組成からなるポリア
ミド酸にイミド化剤としてトリエチレンアミンや無水酢
酸を添加し加熱するイミド化法によって通常に得られ
る。このイミド系樹脂には、過剰のイミド化剤や未反応
の成分が含まれることがあり、これらの一部は樹脂の加
熱硬化後においてもそのまま残留する。これらの残留物
が、機器の運転時の高温を経過中に微量ずつ表面より飛
散することにより、重量や厚さが減少する事は避けられ
ないが、これを少なくすることが望ましい。
【0006】この現象が更に大きくなると、機器の起動
時および運転の電気振動によって、樹脂の剥離や欠損に
起因する微小な空隙を生ずる。特に機器の運転停止後の
放置時間が長い場合には、これらの空隙に空気中の水分
が侵入して絶縁抵抗を低下させる原因にもなり、更に時
間経過した場合には電気的に地絡破壊する恐れもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、電
気機器に含浸、硬化後の高温長時間運転に対し、減量が
少なく、剥がれや欠損の起こらないビスマレイミド・ト
リアジン系耐熱性樹脂樹脂を提供し、またそのための処
理方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明は、80〜90重量%のビスマレイミ
ド・トリアジンとトリアリルイソシアヌレートとを反応
させてなる耐熱性樹脂において、微量の初期揮発成分を
除去してなることとする。第1の発明に記載の無溶剤樹
脂は、温度は75〜85℃とし、圧力は100〜400
Paの条件にて0.5〜4時間加熱減圧脱気して得られ
る。
【0009】
【作用】この発明において、常温で半固形状の80〜9
0重量%のビスマレイミド・トリアジンとトリアリルイ
ソシアヌレートとを反応させてなる耐熱性樹脂を75〜
85℃に加熱して粘度を約0.1Pa・s程度に低下さ
せることにより樹脂の流動性を大きくする。そして、樹
脂内に残留している初期揮発成分の減圧脱気が容易にな
る。減圧脱気によってイミド化剤や未反応成分が除外さ
れるのでは無く、ビスマレイミド・トリアジンの架橋を
妨害する微量のクロルベンゼンを主とする初期揮発成分
が除外される。初期揮発成分の少ない樹脂では、硬化時
にビスマレイミド・トリアジンの架橋は促進され、硬化
後の高温使用時にはいずれは揮発する減量成分を固定
し、減量成分の揮発を遅らせる。
【0010】従って、硬化後の樹脂では、未反応部分や
過剰成分に起因する結合力の弱い部分は少なく、歪み応
力が生じてそりや微小クラックが発生する頻度が小さ
い。従って、樹脂の剥離や亀裂など欠陥が生じ難くな
り、また水分の侵入も少なくなることとあいまって絶縁
性の低下の確率も小さくなる可能性がある。
【0011】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
80〜90重量%のビスマレイミド・トリアジンとトリ
アリルイソシアヌレートとを反応させてなる耐熱性樹脂
として、例えばBT系樹脂(三菱ガス化学(株)製)の
ビスマレイミド・トリアジンは重量比でビスマレイミド
10〜40部に対しトリアジンを90〜60部からなっ
ている。この樹脂の50℃での粘度は0.6Pa・s の高
粘度であるが、75〜85℃に加熱することで粘度は
0.1Pa・s 程度に低下する。この加熱された樹脂を出
来るだけ自由表面が大きくなるように浅い容器に入れ
て、予め75〜85℃に昇温されている減圧脱気装置内
に入れる。減圧脱気は圧力を約100Paで0.5〜3時
間行った。
【0012】減圧脱気処理時間に対する初期揮発成分の
揮発量線図を図1に示す。初期揮発成分を調べたとこ
ろ、クロルベンゼンが主であった。この減量は、硬化後
の減量に比べ2桁も小さい。減圧脱気された樹脂を硬化
温度230℃で48時間加熱硬化し、50mm角×4m
m(厚さ)の板として、250℃での加熱減量試験を行
った。
【0013】図2は減圧脱気処理時間を変えた場合の加
熱減量特性図である。図2の縦軸は初期重量に対する減
量%、横軸は250℃中での加熱時間である。曲線1は
3時間、曲線2は2時間、曲線3は0.5時間の減圧脱
気処理を行った場合の硬化物の減量特性である。曲線4
は比較例として脱気処理をしなかった場合の硬化物の減
量特性である。
【0014】図2から、例えば5%減量時間を減量特性
時間として比較すると、比較例の曲線4の無処理は56
0時間に対して曲線1の3時間処理を行った樹脂は11
40時間で比較例の2倍以上の減量特性時間であり、減
圧脱気処理の減量特性に対する効果が判る。また、この
加熱減量試験中に比較例の板は300時間から樹脂板表
面に微小クラックが発生し、時間の経過と共にこの現象
が大きくなり、500時間では表面の一部が剥離する状
態であった。これに対して実施例の曲線3には800時
間後に一部分に微小クラックが発生する程度であり、ま
た、実施例の曲線1,2,の1000時間後でもこの現
象は見られず樹脂表面の外観状態は良好であった。この
ことから、樹脂を減圧脱気処理することで硬化物の耐熱
性が向上することが判る。
【0015】また、図3は減圧脱気処理後の樹脂の85
℃における粘度変化を調べた、縦軸に85℃の相対粘度
(初期値を100%とした)を示し、横軸は加熱時間を
示した。図3の曲線11は実施例の3時間脱気処理を行
った樹脂の粘度変化を示す、曲線12は比較例として脱
気処理をしなかった樹脂の粘度変化を示した、図3にお
いて実施例と比較例の粘度変化はほぼ変わらない特性で
ある。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば液状樹脂中に残留して
いるビスマレイミド・トリアジンの架橋を妨害する微量
の初期揮発成分を予め減圧脱気処理することで取り除く
ことができる。この結果、ビスマレイミド・トリアジン
の架橋が促進され、樹脂中の減量成分が固定されること
により、硬化物からの加熱減量が少なくなる。また未反
応成分も少なくなるために、結合力の大きい樹脂同士の
結合が多く形成され硬化物の表面および内部にもクラッ
クなどの発生がない。従って、硬化物の欠陥部やクラッ
クに湿気や水分が介入して絶縁性を低下させる要因の一
つを防止し、機器を安定して運転することができる。
【0017】また耐熱性に優れた樹脂が得られることか
ら信頼性が高く、且つ低粘度樹脂であることから回転電
機への固定子コイルにおいて絶縁層の含浸樹脂として提
供することができる。これにより従来の無脱気処理樹脂
の回転電機に比べて信頼性の高い回転電機を提供するこ
とができる。曳いては、顧客に対して安定した動力を提
供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる減圧脱気処理時間に対する初
期揮発成分の減量線図
【図2】この発明に係わる減圧脱気処理により得られた
樹脂の硬化物の減量特性図
【図3】この発明に係わる減圧脱気処理により得られた
樹脂の粘度変化特性図
【符号の説明】
1 3時間減圧脱気処理を行った硬化物 2 2時間減圧脱気処理を行った硬化物 3 0.5時間減圧脱気処理を行った硬化物 4 比較例の減圧脱気処理をしなっかた硬化物 11 実施例の3時間減圧脱気処理を行った樹脂 12 比較例の減圧脱気処理をしなかった樹脂

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】80〜90重量%のビスマレイミド・トリ
    アジンとトリアリルイソシアヌレートとを反応させてな
    る耐熱性樹脂において、微量の初期揮発成分を除去して
    なることを特徴とする耐熱性樹脂。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の耐熱性樹脂において、温
    度は75〜85℃とし、圧力は100〜400Paの条
    件にて0.5〜4時間加熱減圧脱気することを特徴とす
    る耐熱性樹脂の処理方法。
JP23087594A 1994-09-27 1994-09-27 耐熱性樹脂とその処理方法 Pending JPH0892368A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100793265B1 (ko) * 2006-05-30 2008-01-17 주식회사 나노코 비티 수지 조성물 및 그 제조방법
WO2012090578A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 三菱瓦斯化学株式会社 熱硬化性樹脂組成物

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