JPH0892314A - 2,5−ビス(1−アジリジニル)−p−ベンゾキノン−高分子複合体 - Google Patents

2,5−ビス(1−アジリジニル)−p−ベンゾキノン−高分子複合体

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JPH0892314A
JPH0892314A JP22749594A JP22749594A JPH0892314A JP H0892314 A JPH0892314 A JP H0892314A JP 22749594 A JP22749594 A JP 22749594A JP 22749594 A JP22749594 A JP 22749594A JP H0892314 A JPH0892314 A JP H0892314A
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benzoquinone
complex
bis
aziridinyl
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JP22749594A
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English (en)
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Tomoyuki Shibata
智之 柴田
Tomoo Kobayashi
知雄 小林
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 【化1】 上記式で示される2,5−ビス(1−アジリジニル)−
p−ベンゾキノン−高分子複合体およびその塩。 【効果】本発明の複合体は優れた抗腫瘍効果を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、ジビニルエーテル−
無水マレイン酸共重合体と6−アミノアシロキシエチル
−3−カルバモイルオキシエチル−2,5−ビス(1−
アジリジニル)−p−ベンゾキノンから製造される2,
5−ビス(1−アジリジニル)−p−ベンゾキノン−高
分子複合体およびそれらを有効成分とする抗腫瘍剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、薬物の活性を保持したまま、何ら
かのシステムにより生体内の薬物動態を変えて、薬物の
治療上の有効性をあげることを目的とした試み、いわゆ
るドラッグ・デリバリ−・システムが、がんの治療方法
として注目されている。その一つとして高分子に薬物を
結合させた高分子化製剤がある。高分子は、多様な性状
と機能を有し、生体内物質との間に示される相互作用も
大きく異なっているので、低分子の薬物を高分子に結合
させることにより、薬物自身の生体内挙動や細胞との相
互作用を変化させることができる。これを利用して、癌
組織に対しての集積性を上げたり、毒性の軽減のために
徐放性を有する製剤とする試みがなされいる。ジビニル
エーテル−無水マレイン酸共重合体と抗腫瘍作用を有す
る化合物との複合体としては、ジビニルエーテル−無水
マレイン酸共重合体と5−フルオロウリジン、1−β−
D−アラビノフラノシルシトシン、アドリアマイシンあ
るいはダウノマイシンとをエステル結合又はアミド結合
で結合させた複合体が知られており、P388マウス白
血病に対して、抗腫瘍作用を有することも知られている
(特公平4−48778号)。また、アミノカルボン酸
をスペーサーとして、ジビニルエーテルの無水マレイン
酸共重合体と5−フルオロウリジン(特願平3−123
335号)またはマイトマイシンC(平野 隆ら、Drug
Delivery System,7,285(1992))とを結合させた複合体
が知られており、それぞれ、P388マウス白血病ある
いはB−16マウス黒色腫に対して、抗腫瘍作用を有す
ることも知られている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】本願発明者らは、長年
にわたり、検討を重ねた結果、ジビニルエーテル−無水
マレイン酸共重合体と2,5−ビス(1−アジリジニ
ル)−p−ベンゾキノン誘導体とを、アミノカルボン酸
をスペ−サ−として結合させることにより、徐放性が高
く、種々の腫瘍細胞に対し、強い制がん活性を示すこと
を見出し、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】一般式
【0005】
【化6】
【0006】(式中、nは10乃至40の整数を示
す。)を有するジビニルエ−テル−無水マレイン酸共重
合体に、一般式
【0007】
【化7】
【0008】(式中、mは1乃至19の整数を示し、R
1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子またはメトキシ基
を示す。)で表わされる化合物を反応させて、残存する
酸無水物部分を加水分解して得られる一般式
【0009】
【化8】
【0010】、
【0011】
【化9】
【0012】および
【0013】
【化10】
【0014】(上記式中、m、R1 及びR2 は前述のも
のと同意義を示す。)を有する単位構造群から選ばれる
単位構造を有し、−CONH−/−COO−が0.01
乃至1.0である2,5−ビス(1−アジリジニル)−
p−ベンゾキノン−高分子複合体およびその薬理上許容
しうる塩である。
【0015】本発明の2,5−ビス(1−アジリジニ
ル)−p−ベンゾキノン−高分子複合体において、好適
には、 (1)nが20乃至30の整数である複合体 (2)−CONH−/−COO−の値が、0.1乃至
0.4である複合体 (3)mが2乃至12の整数である複合体 (4)平均分子量が、6000乃至30000である複
合体 (5)R1 及びR2 が水素原子である複合体 をあげることができる さらに好適には、 (6)mが3乃至10の整数である複合体 (7)平均分子量が、8000乃至25000(特に好
適には10000乃至20000)である複合体 をあげることができる。本発明の化合物は、塩にするこ
とができ、そのような塩としては、好適にはナトリウム
塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩等の金
属塩をあげることができるが、好適にはアルカリ金属塩
である。
【0016】本発明の目的複合体は、不活性溶剤中、前
記式1を有するジビニルエーテル−無水マレイン酸共重
合体を、窒素気流中下、前記式2を有する化合物または
その塩と反応させ(第1段階)、残存する酸無水物部分
を塩基を用いて加水分解すること(第2段階)により得
ることができる。不活性溶剤は原料化合物を溶解し、か
つ、酸無水物部分と反応しないものであれば、特に限定
なく、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドンのようなアミド類、ジメチ
ルスルフォキシドのようなスルフォキシド類などがあげ
られるが、好適にはN−メチルピロリドンである。
【0017】第1段階の反応を効率よく行うために触媒
として、塩基を用いることができる。その塩基として
は、トリエチルアミン、N−メチルピロリジン、ジメチ
ルアニリン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、DB
U、DBNなどの有機アミンをあげることができるが、
好適にはトリエチルアミンのような第3級アミンであ
る。第2段階の加水分解反応に用いる塩基としては、特
に限定はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素
塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金
属炭酸塩などがあげられ、好適には、アルカリ金属炭酸
水素塩である。第1段階及び第2段階の反応時間は通
常、30分乃至24時間であり、好適には第1段階の反
応においては、30分間乃至2時間であり、第2段階の
反応においては30分乃至2時間である。第1段階及び
第2段階の反応温度は特に限定はないが、通常、0℃乃
至60℃であり、好適には第1段階の反応においては室
温付近であり、第2段階の反応においては0℃乃至20
℃である。
【0018】本発明の目的複合体は、反応終了後、例え
ば、以下のような方法により、処理することにより得る
ことができる。すなわち、得られた複合体を含む溶液
を、自然透析および電気透析を適宜組み合わせることに
より、有機溶剤、未反応の化合物(1)、無機塩などを
除去し、凍結乾燥することにより得られる。
【0019】こうして得られた複合体あるいは反応直後
の反応溶液は、水、燐酸緩衝液などに、溶解し、限外濾
過や、ゲル濾過などの分子篩クロマトを行なうことによ
り、精製することができる。さらに、イオン交換クロマ
トにより塩交換することもできる。
【0020】次に、実施例と製剤例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明する。なお、各実施例の化合物のUV
スペクトルは水に溶解して測定し、核磁気共鳴スペクト
ルは、化合物を重水に溶解して、270MHzで測定し
た。
【0021】なお、−CONH−/−COO−の値は、
6−アミノアシルオキシエチル−2,5−ビス(1−ア
ジリジニル)−3−カルバモイルオキシエチル−p−ベ
ンゾキノンの330−333nmにおける吸光度を用い
て、計算した。
【0022】
【実施例】
【0023】
【実施例1】参考例7で得た 6−(2−(6−(アリ
ルオキシカルボニルアミノ)−1−オキソヘキシルオキ
シ)エチル)−2,5−ビス(1−アジリジニル)−3
−(2−カルバモイルオキシエチル)−p−ベンゾキノ
ン(210mg)をジクロロメタン(7ml)に溶かし、窒
素ガスを吹き込みながら、ピロリジン(36μl)、ト
リフェニルホスフィン(18mg)およびテトラキストリ
フェニルホスフィンパラジウム(19mg)を加え、室温
で10分間反応させた。減圧下、溶媒を留去した残渣を
N−メチルピロリドン(4ml)に抽出し、ジビニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体(144mg)を加え、室
温で1時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム
水溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物をダ
イアフロー(登録商標)メンブレン(YM10)(グレ
ースジャパン(株)製)を用いて水(150ml)で6回
限外ろ過を行い、得られた残液を凍結乾燥して、目的化
合物(281mg)を得た。
【0024】 −CONH−/−COO− :0.11 NMR(D2 O) 図1
【0025】
【実施例2】参考例6で得た 6−(2−(3−(アリ
ルオキシカルボニルアミノ)−1−オキソプロピルオキ
シ)エチル−2,5−ビス(1−アジリジニル)−3−
(2−カルバモイルオキシエチル)−p−ベンゾキノン
(228mg)をジクロロメタン(50ml)に溶かし、窒
素ガスを吹き込みながら、ピロリジン(80μl)、ト
リフェニルホスフィン(21mg)およびテトラキストリ
フェニルホスフィンパラジウム(22mg)を加え、室温
で50分間攪拌した。溶媒を減圧下留去して得られた残
渣をN−メチルピロリドン(4.5ml)に抽出し、ジビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(128mg)を
加え、室温で90分間攪拌した。反応混合物に炭酸水素
ナトリウム水溶液を加えダイアフローメンブレン(YM
10)を用いて限外ろ過を行い、さらに水(150ml)
を加えての限外ろ過を2回行い、得られた残液を凍結乾
燥して、目的化合物(261mg)を得た。
【0026】 −CONH−/−COO− :0.08 NMR(D2 O) 図2
【0027】
【参考例1】 1−(2−アセトキシエチル)−4−
(2−ヒドロキシエチル)−2,5−ジメトキシベンゼ
無水テトラヒドロフラン(30ml)に1,4−ビス(2
−ヒドロキシエチル)−2,5−ジメトキシベンゼン
(1.00g )を加熱溶解し、ピリジン(0.43m
l)、無水酢酸(0.50ml)および4−ジメチルアミ
ノピリジン(触媒量)を加え、40℃で2時間反応させ
た。反応液に水を加え、有機溶媒を減圧下留去した後、
酢酸エチルで抽出し、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶
液、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧下、溶媒を留去した。得
られた結晶にエーテル−酢酸エチルを加え、攪拌して、
不溶の原料をろ取して回収した後、母液をシリカゲルの
カラムクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン−酢酸エチ
ル4:3で溶出して目的化合物(0.57g )を得た。
【0028】NMR(CDCl3) : 1.82(1H,s),2.04(3H,
s),2.88(2H,t,J=6.4Hz),2.92(2H,t,J=6.8Hz),3.78(6H,
s),3.82(2H,t,J=6.4Hz),4.25(2H,t,J=6.8Hz),6.70(2H,
s).
【0029】
【参考例2】 4−(2−アセトキシエチル)−1−
(2−カルバモイルオキシエチル)−2,5−ジメトキ
シベンゼン 1−(2−アセトキシエチル)−4−(2−ヒドロキシ
エチル)−2,5−ジメトキシベンゼン(1.00g )
を無水ベンゼン(5ml)に溶かし、イソシアン酸ナトリ
ウム(0.63g )、トリクロロ酢酸(1.53g )の
ベンゼン(5ml)溶液およびジシクロヘキシル−18
−クラウン−6(触媒量)を加え、4時間加熱還流し
た。反応液を冷却した後、酢酸エチルで抽出し、水およ
び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して、目的化合物(1.
13g )を得た。
【0030】NMR (CDCl3): 2.04(3H,s),2.92(2H,t,
J=7.3Hz),2.93(2H,t,J=7.3Hz),3.78(6H,s),4.249(2H,t,
J=7.3Hz),4.254(2H,t,J=7.3Hz), 4.50〜4.70(2H).6.68
(1H,S),6.69(1H,s).
【0031】
【参考例3】 5−(2−アセトキシエチル)−2−
(2−カルバモイルオキシエチル)−p−ベンゾキノン 4−(2−アセトキシエチル)−1−(2−カルバモイ
ルオキシエチル)−2,5−ジメトキシベンゼン(1
2.58g )を酢酸(190ml)に溶かし、氷冷下60
%硝酸(21ml)を滴下していき、そのまま15分攪拌
した。反応液に氷を加え、酢酸エチルで抽出した。有機
層を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、飽和食塩水で
洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧
下、溶媒を留去して得られた結晶をベンゼンから再結晶
し、目的化合物(8.70g )を得た。
【0032】NMR (CDCl3): 2.03(3H,s),2.75(4H,t,
J=6.4Hz),4.26(4H,t,J=6.4Hz),4.50〜4.80(2H,m),6.63
(1H,s),6.65(1H,s).
【0033】
【参考例4】 2−(2−カルバモイルオキシエチル)
−5−(2−ヒドロキシエチル)−p−ベンゾキノン 5−(2−アセトキシエチル)−2−(2−カルバモイ
ルオキシエチル)−p−ベンゾキノン(31.49g )
をエタノール(790ml)に懸濁させ、1N塩酸(18
6ml)を滴下した。滴下終了後、70℃にて4.5時間
攪拌した。反応混合物から減圧下エタノールを留去して
得られた残渣を酢酸エチルで抽出し、水、炭酸水素ナト
リウムで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、減圧下、溶媒を留去して得られた残渣にエーテル
を加えて結晶化し、目的化合物(25.09g )を得
た。
【0034】NMR (CDCl3-CD3OD): 2.65(2H,t,J=6.1
Hz),2.74(2H,t,J=6.2Hz), 2.80〜3.30(3H,m),3.77(2H,
t,J=6.1Hz),4.24(2H,t,J=6.2Hz),6.64(1H,s),6.70(1H,
s).
【0035】
【参考例5】 3,6−ビス(1−アジリジニル)−2
−(2−カルバモイルオキシエチル)−5−(2−ヒド
ロキシエチル)−p−ベンゾキノン 酢酸第2銅1水和物(1.15g )をエタノール(50
ml)に溶かし、ピリジン(1ml)、アジリジン(2.5
ml)を加え、室温で15分間攪拌した。この反応混合物
に2−(2−カルバモイルオキシエチル)−5−(2−
ヒドロキシエチル)−p−ベンゾキノン(1.00g )
をエタノール(50ml)懸濁液を加え、酸素を吹き込み
ながら室温で6時間反応させた。減圧下、溶媒を留去
し、少量の酢酸エチルを加えて結晶化し、目的化合物
(0.96g )を得た。
【0036】NMR (CDCl3-CD3OD): 2.35(4H,s),2.37
(4H,s),2.81(2H,t,J=6.8Hz),2.89(2H,t,J=6.8Hz),3.63
(3H,m),3.72(2H,t,J=6.8Hz),4.18(2H,t,J=6.8Hz).
【0037】
【参考例6】 6−(2−(3−(アリルオキシカルボ
ニルアミノ)−1−オキソプロピルオキシ)エチル)−
2,5−ビス(1−アジリジニル)−3−(2−カルバ
モイルオキシエチル)−p−ベンゾキノン 3,6−ビス(1−アジリジニル)−2−(2−カルバ
モイルオキシエチル)−5−(2−ヒドロキシエチル)
−p−ベンゾキノン(1.56g )を無水テトラヒドロ
フラン(100ml)に懸濁させ、氷冷下、4−ジメチル
アミノピリジン(0.01g )、3−(アリルオキシカ
ルボニルアミノ)プロピオン酸(1.26g )およびジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.50g
)を加えた。室温で18時間攪拌後、3−(アリルオ
キシカルボニルアミノ)プロピオン酸(0.84g )と
DCC(1.00g )を加え、さらに1時間後に3−
(アリルオキシカルボニルアミノ)プロピオン酸(0.
42g )およびDCC(0.50g )を加え30分攪拌
した。減圧下、溶媒を留去した残渣を酢酸エチルで抽出
し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲ
ルのカラムクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン
−メタノール=50:1で溶出して、目的化合物(1.
93g )を得た。
【0038】NMR (CDCl3-CD3OD): 2.36(4H,s),2.37
(4H,s),2.51(2H,t,J=6.0Hz),2.90(2H,t,J=6.8Hz),2.92
(2H,t,J=6.8Hz),3.40(2H,q,J=6.0Hz),4.20(2H,t,J=6.8H
z).4.27(2H,t,J=6.8Hz),4.55(2H,broad d,J=5.4Hz),5.0
5〜5.15(2H,m),5.22(1H,d,J=10.8Hz), 5.27〜5.37(1H,
m), 5.70〜5.85(1H,m), 5.85〜6.00(1H,m)
【0039】
【参考例7】 6−(2−(6−(アリルオキシカルボ
ニルアミノ)−1−オキソヘキシルオキシ)エチル)−
2,5−ビス(1−アジリジニル)−3−(2−カルバ
モイルオキシエチル)−p−ベンゾキノン 3,6−ビス(1−アジリジニル)−2−(2−カルバ
モイルオキシエチル)−5−(2−ヒドロキシエチル)
−p−ベンゾキノン(3.00g )および6−(アリル
オキシカルボニルアミノ)カプロン酸(3.01g )を
無水テトラヒドロフラン(100ml)に懸濁させ、氷冷
下、DCC(2.89g )および4−ジメチルアミノピ
リジン(1.14g )を加え、氷冷下30分、次いで室
温で24時間攪拌した。反応混合物にDCC(1.00
g )および6−(アリルオキシカルボニルアミノ)カプ
ロン酸(0.96g )を加え、室温で15時間攪拌し
た。生じた沈殿をろ過して除き、ろ液を減圧下、濃縮し
て得られた残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ
ーにかけ、ジクロロメタン−メタノール=20:1で溶
出して目的化合物(4.23g )を得た。
【0040】NMR (CDCl3):1.26〜1.36(2H,m),1.50
(2H,quint.J=7.4Hz),1.56〜1.57(2H,m),2.27(2H,t,J=7.
4Hz),2.34(4H,s),2.35(4H,s),2.887(2H,t,J=6.9Hz),2.8
92(2H,t,J=6.9Hz),3.17(2H,q,J=6.9Hz),4.20(2H,t,J=6.
9Hz),4.21(2H,t,J=6.9Hz),4.55(2H,broad d,J=5.3Hz),
4.45〜4.76(2H), 4.76〜4.95(1H),5.21(1H,dd,J=10.3,
1.3Hz),5.30(1H,dd,J=17.5,1.3Hz), 5.87〜5.97
(1H,m). (製剤例1)ハ−ドカプセル剤 標準二分式ハ−ドゼラチンカプセルの各々に、100
mgの粉末状の実施例1の複合体、150 mgのラクト−
ス、50 mg のセルロ−ス及び6 mgのステアリン酸マグネ
シウムを充填して、単位カプセルを製造し、それを洗浄
後、乾燥して、ハードカプセル剤を得た。 (製剤例2)錠剤 100 mgの実施例1の複合体、0.2 mgのコロイド性二酸化
珪素、5 mgのステアリン酸マグネシウム、275 mgの微結
晶性セルロ−ス、11 mg のデンプン及び98.8 mg のラク
ト−スを混合し、打錠して、錠剤を得た。尚、所望によ
り、剤皮を塗布した。 (製剤例3)注射剤 1.5 重量% の実施例1の複合体を、10容量% のプロピレ
ングリコ−ル中で撹拌し、次いで、注射用蒸留水で一定
容量にした後、滅菌して注射剤を得た。 (製剤例4)懸濁剤 5 ml中に、100 mgの微粉化した実施例1の複合体、100
mgのナトリウムカルボキシメチルセルロ−ス、5 mgの安
息香酸ナトリウム、1.0 g のソルビト−ル溶液(日本薬
局方) 及び0.025 mlのバニリンを混合して、均一に懸濁
し、懸濁剤を得た。
【0041】
【発明の効果】
【0042】
【試験例1】マウス細網肉腫M5076に対する抗腫瘍効果 「試験法」BDF1 マウスは、日本チャールス・リバー
社から雌性の6乃至7週令を購入し、室温23±2℃、
湿度55±5%に調節されたSPF(specific pathogen
free) 動物室内で、試験を行った。
【0043】マウス細網肉腫M5076は、C57BL
/6雌マウスの腹腔内で2週間間隔で継代している腹水
細胞を実験に使用した。M5076細胞(104 −10
6 個/マウス)を腹腔に移植し、14日たったマウスの
腹腔から腹水を採取し、その腫瘍細胞を集め、細胞数を
1x107 個/mlに調製して、細胞浮遊液の0.1ml をB
DF1 マウスの右側第2、3乳頭部中間部皮下に、二段
ツベルクリン針によって106 個ずつ移植して実験に用
いた。
【0044】実施例1の複合体は、ジビニルエーテル−
無水マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物(DIV
EMA、「化11」)、参考例5の化合物、DIVEM
Aと参考例5の化合物の混合物はすべて生理食塩水に溶
解した。薬剤の濃度は100mg/kg投与の際には1
0mg/mlとし、この薬液を0.1ml/10gの割
合で、腫瘍移植後7日、11日、15日の3回、マウス
の尾静脈から投与した。抗腫瘍活性は各群の平均腫瘍径
から下式の如く算出した腫瘍増殖抑制率で示した。
【0045】 「結果」移植21日目の増殖抑制率を表1に、各群の至
適投与量における腫瘍径の経日を図3に示した。DIV
EMAの単独投与では、抗腫瘍活性を全く示さず、ま
た、参考例5の化合物とDIVEMAの混合物は、参考
例5の化合物単独投与と同程度の抗腫瘍活性であるのに
対して、参考例5の化合物とDIVEMAの結合体であ
る実施例1の複合体はそれぞれの単独化合物、または混
合物よりも強い抗腫瘍活性を示した。
【0046】このように本発明の化合物は、ジビニルエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体と結合することによっ
てその抗腫瘍活性が増強されることが明らかとなった。
【0047】
【化11】
【0048】
【表1】 マウス細網肉腫5076に対する抗腫瘍活性 ────────────────────────────────── 化合物 投与量 体重変化 移植21日目の (mg/kg) (g) 増殖抑制率(%) ────────────────────────────────── Control − 1.8 - 実施例1 200 -1.8 97 150 0.3 87 100 0.8 89 DIVEMA 160 毒性 - 120 毒性 - 80 1.4 3 60 2.5 1 40 2.3 -2 DIVEMA + 160 毒性 - 参考例5 120 1.9 40 80 1.3 50 参考例5 2.0 毒性 - 1.5 -1.0 66 1.0 0.4 49 ────────────────────────────────── 実施例1の複合体は、M5076細胞移植のマウスを用
いた抗腫瘍試験において、優れた腫瘍縮小効果を示し
た。また、本発明の複合体は、癌組織に対して集積性を
示し、徐放性に優れているため、本発明により製造され
る複合体は、腫瘍性疾患を対象とする抗腫瘍剤として人
を含む温血動物に対して有用である。その投与形態とし
ては、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、座剤などに
よる非経口投与法、あるいは錠剤、カプセル剤、散剤、
顆粒剤、などによる経口投与法が挙げられる。その成人
に対する投与量は対象疾患、投与経路および投与回数、
期間などによって異なるが、通常は1日0.01乃至5
gを1回または数回に分けて投与する。また、他の制が
ん剤、例えば5Fu、AraC、ACNU、BCNUな
どのニトロソウレア系の薬剤、シスプラチン、ダウノマ
イシン、アドリアマイシン、マイトマイシンCまたはエ
トポシドなどと併用してもよい。更に、本発明により製
造される複合体は任意慣用の方法で投与用に調製するこ
とができる。
【0049】また、本発明の2,5−ビス(1−アジリ
ジニル)−p−ベンゾキノン−高分子複合体は、医薬に
用いられる組成物を製造するために使用される。注射用
組成物は単位投与量アンプルまたは多投与量容器中で提
供され、懸濁化剤、安定化剤、分散剤のような添加剤を
含んでいてもよく、通常は使用する前に適当な溶媒、例
えば発熱物質を含まない滅菌水性媒体で再溶解せしめる
粉末であってもよい。このような製剤は例えば、薬とし
てバイアルに分注し、水を加えて凍結乾燥することによ
って調製される。更に経口用組成物は投与に適当な量の
2,5−ビス(1−アジリジニル)−p−ベンゾキノン
−高分子複合体を含有する錠剤、カプセル剤、散剤、顆
粒剤、シロップ剤などによって提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の複合体の核磁気共鳴スペクトル
【図2】実施例2の複合体の核磁気共鳴スペクトル
【図3】各治療群のM5076肉腫径の経日変化

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、nは10乃至40の整数を示す。)を有するジ
    ビニルエ−テル−無水マレイン酸共重合体に、一般式 【化2】 (式中、mは1乃至19の整数を示し、R1 及びR2
    それぞれ独立に水素原子又はメトキシ基を示す。)で表
    わされる化合物を反応させて、残存する酸無水物部分を
    加水分解して得られる一般式 【化3】 、 【化4】 および 【化5】 (上記式中、m、R1 及びR2 は前述のものと同意義を
    示す。)を有する単位構造群から選ばれる単位構造を有
    し、−CONH−/−COO−が0.01乃至1.0で
    ある2,5−ビス(1−アジリジニル)−p−ベンゾキ
    ノン−高分子複合体およびその薬理上許容しうる塩。
  2. 【請求項2】平均分子量が6000乃至30000であ
    る請求項1の2,5−ビス(1−アジリジニル)−p−
    ベンゾキノン−高分子複合体およびその薬理上許容しう
    る塩。
  3. 【請求項3】−CONH−/−COO−が0.1乃至
    0.4である請求項1の2,5−ビス(1−アジリジニ
    ル)−p−ベンゾキノン−高分子複合体およびその薬理
    上許容しうる塩。
  4. 【請求項4】nが20乃至30の整数である請求項1の
    2,5−ビス(1−アジリジニル)−p−ベンゾキノン
    −高分子複合体およびその薬理上許容しうる塩。
  5. 【請求項5】mが2乃至12の整数である請求項1の
    2,5−ビス(1−アジリジニル)−p−ベンゾキノン
    −高分子複合体およびその薬理上許容しうる塩。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の複合体を有効成分とする
    抗腫瘍剤。
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