JP7345167B2 - ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート、ポリ(カルバメート)核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子、及び凝集粒子の製造方法 - Google Patents

ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート、ポリ(カルバメート)核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子、及び凝集粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、核酸医薬の構造と薬理活性を有する化合物の構造とをその構造中に有するポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートと、当該ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子と、当該凝集粒子の製造方法とに関する。
分子生物学の著しい進歩に伴い、あらゆる疾患の病態が分子レベルで次々と解明されてきている。このような状況の中で、より高い治療効果、薬剤耐性の克服等を目的に、種々の疾患の治療において、薬効メカニズムの異なる薬物の同時投与についての検討が進んでいる。
具体的には、DNAと、抗がん作用を有するカンプトテシンとのがん細胞への同時投与を可能にする薬剤として、DNAの末端にフェノールベースの自己崩壊性のリンカーを介してカンプトテシンを結合させたDNA誘導体を自己組織化させたナノ構造体が提案されている(非特許文献1を参照)。
また、非特許文献1に記載されるように、DNAや抗がん剤等の薬剤を生体内で安定化させつつ所望する細胞中に取り込ませ、所望する細胞中で薬剤を放出させるためには、自己崩壊性のリンカーが有用である。このような自己崩壊性のリンカーとして使用し得るポリマーとして、4-ヒドロキシベンジルアルコールに由来する単位をカルバメート結合(-O-CO-NH-)を介して繰り返し結合させた主鎖と、当該主鎖のアミノ基末端における分解性の末端基とを有するポリマーが提案されている(非特許文献2を参照)。
非特許文献2に記載のポリマーでは、分解性の末端基が分解されて主鎖末端にアミノ基が生成することをトリガーとして、分子鎖内での電子移動によって、主鎖の連鎖的な分解による自己崩壊が生じ得る。
Xuyu Tan,Ben B. Li,Xueguang Lu,Fei Jia,Clarissa Santori,Priyanka Menon,Hui Li,Bohan Zhang,Jean J. Zhao,Ke Zhang,Light-Triggered,Self-Immolative Nucleic Acid-Drug Nanostructures,Journal of the American Chemical Society 2015,137,6112-6115 Amit Sagi,Roy Weinstain,Naama Karton,Doron Shabat,Self-Immolative Polymers,Journal of the American Chemical Society 2008,130(16),5434-5435
しかしながら、非特許文献1に開示される薬剤に含まれるDNA誘導体を分解して、DNAとカンプトテシンを放出させる場合、自己崩壊性のリンカーの崩壊後の副生物としてフェノール類が生成する。フェノール類は一般的に細胞、生物組織に対する刺激や毒性が強いため、非特許文献1に開示される薬剤を生物に投与する場合、副生物として生成するフェノール類に起因する副作用の発生が懸念される。
また、非特許文献2に記載の自己崩壊性ポリマーは、分解性の末端基をBSA(牛血清アルブミン)が触媒する反応により分解させることにより自己崩壊する。このため、非特許文献2に記載の自己崩壊性ポリマーには、アルブミンを含む血中等で容易に自己崩壊してしまうおそれがある。かかる自己崩壊性ポリマーをDNAと、医薬化合物とを結合させるリンカーとして用いて薬剤を形成する場合、得られる薬剤の生体内での安定性が低く、所望する細胞内でDNAと医薬化合物とを放出させることができない懸念がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、血中等の生体内の環境で安定である一方で、適切な刺激を与えた時点で核酸医薬と、薬理活性を有する化合物とを放出し得るとともに、細胞や生物組織への刺激や毒性が強い副生物を生成させないポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートと、当該ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子と、当該ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、4-ヒドロキシベンジルアルコール骨格を含む構成単位からなるポリ(カルバメート)部分において、各構成単位に薬理活性を有する化合物に由来する構造を含ませるとともに、ポリ(カルバメート)部分に核酸医薬と、刺激応答性分解性基とを結合させたポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートを用いることによって、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下の通りである。
(1) 下記式(1):
-(-CO-NH-R-CH-O-)-R-Nuc・・・(1)
(式(1)中、Nucは、核酸医薬の5’末端からリン酸基を除いた残基であり、
は、下記式(2):
Figure 0007345167000001
で表される2価の基であり、
nは、2以上の整数であり、
式(2)で表される2価の基において、R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つが薬理活性を有する化合物に由来する構造を含む有機基であるか、
1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つが、式(2)中のフェニレン基とともに薬理活性を有する化合物の構造を形成しており、
1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの、薬理活性を有する化合物に由来する構造を含まないか、薬理活性を有する化合物の構造の形成に関与しない基が、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基であり、
は、刺激により-CO-と-NH-との間での加水分解を生じさせる、R-CO-NH-で表される刺激応答性分解性基を与える基であり、
は、-CO-NH-、-P(=O)(OH)-O-、-P(=O)(OR)-O-、-P(=S)(OH)-O-、-P(=O)(SH)-O-、-P(=S)(SH)-O-、-P(=O)H-O-、又は-P(=O)R-O-で表される基であり、Rは、1価の有機基であり、Rは、炭素原子数1以上8以下のアルキル基であり、-CO-NH-における炭素原子、並びに-P(=O)(OH)-O-、-P(=O)(OR)-O-、-P(=S)(OH)-O-、-P(=O)(SH)-O-、-P(=S)(SH)-O-、-P(=O)H-O-、又は-P(=O)R-O-におけるリン原子が式(1)におけるオキシメチレン基中の酸素原子と結合する。)
で表される、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
(2) 刺激が、pHの変化、温度変化、光照射、酸化性雰囲気への雰囲気の変化、又は還元性雰囲気への雰囲気の変化である、(1)に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
(3) 刺激応答性分解性基が、pH6.8以下へのpH値の低下により分解する基である、(2)に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
(4) Rが、下記式(3):
Figure 0007345167000002
(式(3)中、Rは、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。)
で表される基である、(1)~(3)のいずれか1つに記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
(5) 核酸医薬が、siRNA、shRNA、dsRNA、miRNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、リボザイム、アプタマー、又はデコイ核酸である、(1)~(4)のいずれか1つに記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
(6) (1)~(5)のいずれか1つに記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートからなる、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子。
(7) 25℃において動的光散乱法により測定される体積平均粒子径が50nm以上150nm以下である、(6)に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子。
(8) (1)~(5)のいずれか1つに記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの有機溶媒溶液において、有機溶媒の少なくとも一部を水に置換させることにより、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートを凝集させることを含む、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート凝集粒子の製造方法。
本発明によれば、血中等の生体内の環境で安定である一方で、適切な刺激を与えた時点で核酸医薬と、薬理活性を有する化合物とを放出し得るとともに、細胞や生物組織への刺激や毒性が強い副生物を生成させないポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートと、当該ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子と、当該ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子の製造方法とを提供することができる。
調製例3で得られたポリ(カルバメート)誘導体(7)のH-NMRスペクトルを示す図である。
≪ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート≫
ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートは、下記式(1):
-(-CO-NH-R-CH-O-)-R-Nuc・・・(1)
で表される化合物である。
式(1)中、Nucは、核酸医薬の5’末端からリン酸基を除いた残基である。
また、Rは、下記式(2):
Figure 0007345167000003
で表される2価の基である。
式(2)で表される2価の基において、R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つが薬理活性を有する化合物に由来する構造を含む有機基であるか、R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つが、式(2)中のフェニレン基とともに薬理活性を有する化合物の構造を形成している。
式(2)において、R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの、薬理活性を有する化合物に由来する構造を含まないか、薬理活性を有する化合物の構造の形成に関与しない基が、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基である。
式(2)中、Rは、刺激により-CO-と-NH-との間での加水分解を生じさせる、R-CO-NH-で表される刺激応答性分解性基を与える基である。
は、-CO-NH-、-P(=O)(OH)-O-、-P(=O)(OR)-O-、-P(=S)(OH)-O-、-P(=O)(SH)-O-、-P(=S)(SH)-O-、-P(=O)H-O-、又は-P(=O)R-O-で表される基であり、-CO-NH-における炭素原子、-CO-NH-における炭素原子、並びに-P(=O)(OH)-O-、-P(=O)(OR)-O-、-P(=S)(OH)-O-、-P(=O)(SH)-O-、-P(=S)(SH)-O-、-P(=O)H-O-、又は-P(=O)R-O-におけるリン原子が式(1)におけるオキシメチレン基中の酸素原子と結合する。
式(1)中の(-CO-NH-R-CH-O-)で表されるポリ(カルバメート)部分は、-NH-R-CH-O-で表される、フェニレン基上に所定の置換基を有してもよい4-アミノベンジルアルコールに由来する骨格を含む。
つまり、式(1)中の(-CO-NH-R-CH-O-)で表されるポリ(カルバメート)部分では、-NH-R-CH-O-で表される、フェニレン基上に所定の置換基を有してもよい4-アミノベンジルアルコールの残基が、カルボニル基を介して、カルバメート結合(-O-CO-NH-)を形成しながら繰り返し連結されている。
式(1)中の(-CO-NH-R-CH-O-)で表されるポリ(カルバメート)部分は、非特許文献2のScheme 2に示されるように、R-CO-NH-で表される刺激応答性分解性基が分解されてアミノ基に変換されることをトリガーとして、電子移動が生じることに起因して、カルバメート結合(-O-CO-NH-)の分解によって自己崩壊する。
ポリ(カルバメート)部分を構成する各構成単位は、薬理活性を有する化合物に由来する構造を含むため、ポリ(カルバメート)部分が自己崩壊した後に生成するHN-R-CH-OHで表される化合物は、医薬化合物として有効に作用する。
ポリ(カルバメート)部分が自己崩壊した後に生成するHN-R-CH-OHで表される化合物において、Rは、下記式(2)で表される2価の基である。
Figure 0007345167000004
上記式(2)で表される2価の基において、R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つが薬理活性を有する化合物に由来する構造を含む有機基であってよい。
ここで、薬理活性を有する化合物は、核酸医薬以外の化合物であってもよく、核酸医薬であってもよい。R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つとしての有機基が、核酸医薬に由来する構造を含む場合、当該核酸医薬は、式(1)中のNucを与える核酸医薬とは異なる核酸医薬であるのが好ましい。
当該有機基としては、下記式(2-1):
-X-X-PAC・・・(2-1)
で表される基が好ましい。式(2-1)において、Xは、単結合、炭素原子数1以上6以下のアルキレン基、又は炭素原子数2以上6以下のアルケニレン基である。Xは、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO-、-NH-、-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-O-、-NH-CO-NH-、又は-O-CO-O-である。PACは、薬理活性を有する化合物から1つの水素原子を除いた残基である。
PACにおける、Xに結合する結合手の位置は、HN-R-CH-OHで表される化合物が所望する薬理活性を有する限り特に限定されない。PACにおける、Xに結合する結合手の位置は、実験的手法やコンピューターを用いたシミュレーション等の手法によって、HN-R-CH-OHで表される化合物の薬理活性が、PACを与える化合物の薬理活性に対して極力低下しない位置として選択されるのが好ましい。
PACを与える薬理活性を有する化合物の具体例としては、カンプトテシン、ソラフェニブ、イデラリシブ、オシメルチニブ、イマチニブ、ミドスタウリン、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、スニチニブ、ボルテゾミブ、ベムラフェニブ、イブルチニブ、カルフィルゾミブ、テルペンドールE、パクリタキセル、リンコフィリン、ジヒドロコリナンテオール、エメチン、メリファラン、ベンダムスチン、レナリドミド、タモキシフェン、レトロゾール、タミバロテン、ドネペジル、エナラプリル、アムロジピン、アトルバスタチン、ロフェコキシブ、トラボプロスト、アレニスト、ニプラジロール、硫酸ビンクリスチン、ギルテリチニブフマル酸塩、ボスチニブ、ポナチニブ、ミトキサントロン、セマガセスタット、ベガセスタット、ビダーザ、デュオカルマイシン、ビンクリスチン、マイトマイシン、シタラビン、プレドニン、タキソール、イダルビシン塩酸塩、及びアドリアマイシンが挙げられる。
ポリ(カルバメート)部分において、フェニレン基上に式(2-1)で表される基を導入する方法は特に限定されず、Xの種類に応じて適宜、公知の方法から選択される。
例えば、Xが、-CO-O-、又は-CO-NH-である場合、ポリ(カルバメート)部分、又はポリ(カルバメート)部分を与える原料化合物に含まれる-X-COOHで表される基と、PACを与える薬理活性を有する化合物上の水酸基、又はアミノ基とを、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の縮合剤を用いて縮合させることにより、ポリ(カルバメート)部分におけるフェニレン基上に式(2-1)で表される基が導入される。
また、Xが、-O-である場合、ポリ(カルバメート)部分、又はポリ(カルバメート)部分を与える原料化合物に含まれる-X-Halで表される基と、PACを与える薬理活性を有する化合物上の水酸基とを、Williamsonのエーテル合成に従ってエーテル化することにより、ポリ(カルバメート)部分におけるフェニレン基上に式(2-1)で表される基が導入される。
4-アミノベンジルアルコール骨格を有する化合物において、フェニレン基上に式(2-1)で表される基を導入して、ポリ(カルバメート)部分を与える原料化合物を製造する場合、4-アミノベンジルアルコール骨格中の、アミノ基、及び/又は水酸基は、必要に応じて、アセチル基やトリメチルシリル基等の周知の保護基により保護されてもよい。
また、式(2)において、R1a、R2a、R3a、R4aのうちの少なくとも1つが、式(2)中のフェニレン基とともに薬理活性を有する化合物の構造を形成するのも好ましい。薬理活性を有する化合物が置換基を有してもよいフェニル基を含む場合、当該フェニル基上の互いにパラ位の関係となる2つの炭素原子上にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入することにより、4-ヒドロキシベンジルアルコールの構造と、薬理活性を有する化合物の構造とを併せ持つ化合物が得られる。かかる化合物を、カルバメート結合を形成しつつ重合させることにより、ポリ(カルバメート)部分が形成される。この場合、ヒドロキシメチル基、及びアミノ基が導入されたフェニル基を有する薬理活性を有する化合物において、当該フェニル基に結合するヒドロキシメチル基、及びアミノ基以外の基が、R1a、R2a、R3a、及びR4aに相当する。
例えば、この場合、薬理活性を有する化合物の好ましい一例としては、下記構造のソラフェニブ(Sorafenib)が挙げられる。ソラフェニブは、分子標的医薬である。ソラフェニブは、Rafキナーゼ、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)キナーゼ、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)キナーゼ、KITキナーゼに対する阻害剤である。
Figure 0007345167000005
上記のソラフェニブの構造において、以下に示す丸で囲まれた位置にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入することにより、4-ヒドロキシベンジルアルコールの構造と、薬理活性を有する化合物としてのソラフェニブの構造とを併せ持つ化合物が得られる。
なお、下記構造式では、中央のベンゼン環上にヒドロキシメチル基、及びアミノ基が導入されているが、薬理活性が許容できない程度に低下しない限りにおいて、3-トリフルオロメチル-4-クロロフェニル基上にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入することも可能である。
また、下記の4-ヒドロキシベンジルアルコールの構造と、薬理活性を有する化合物としてのソラフェニブの構造とを併せ持つ化合物において、R1a、及びR4aは以下に示す基であり、R2a、及びRa3は水素原子である。
Figure 0007345167000006
置換基を有してもよいフェニル基を含む薬理活性を有する化合物の他の例としては、下記のイデラリシブ(Idelalisib)、イマチニブ(Imatinib)、及びミドスタウリン(Midosutaurin)が挙げられる。これらは、ソラフェニブ同様、分子標的医薬である。イデラリシブは、PI3キナーゼδ阻害剤である。イマチニブは、Bcr-Ablチロシンキナーゼ、及びKITチロシンキナーゼに対する阻害剤である。ミドスタウリンは、FLT3(Fm3様チロシンキナーゼ3)阻害剤である。
イデラリシブにおいては、無置換のフェニル基上にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入可能である。
イマチニブにおいては、無置換のp-フェニレン基、又は2-メチルベンゼン-1,5-ジイル基上にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入可能であり、無置換のp-フェニレン基上にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入するのが好ましい。
ミドスタウリンにおいては、無置換のフェニル基上にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入可能である。
Figure 0007345167000007
式(2)において、R1a、及びR2a、並びにR3a、及びR4aの少なくとも一方が結合して、式(2)中のフェニレン基とともに薬理活性を有する化合物の構造を形成するのも好ましい。例えば、この場合、薬理活性を有する化合物の構造の好ましい一例としては、下記のカンプトテシン(Camptothecin)の構造が挙げられる。
Figure 0007345167000008
上記のカンプトテシンの構造において、以下に示す丸で囲まれた位置にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入することにより、4-ヒドロキシベンジルアルコールの構造と、薬理活性を有する化合物としてのカンプトテシンの構造とを併せ持つ化合物が得られる。下記の4-ヒドロキシベンジルアルコールの構造と、薬理活性を有する化合物としてのカンプトテシンの構造とを併せ持つ化合物において、R1a、及びR2aが水素原子であり、Ra3とRa4とが結合して4-アミノベンジルアルコール骨格に縮合する4環式縮合環を形成するか、R3a、及びR4aが水素原子であり、Ra1とRa2とが結合して4-アミノベンジルアルコール骨格に縮合する4環式縮合環を形成する。
Figure 0007345167000009
また、下記のオシメルチニブ(Osimertinib)も薬理活性を有する化合物の好適な例として挙げられる。
Figure 0007345167000010
上記のオシメルチニブの構造において、以下に示す丸で囲まれた位置にヒドロキシメチル基、及びアミノ基を導入することにより、4-ヒドロキシベンジルアルコールの構造と、薬理活性を有する化合物としてのカンプトテシンの構造とを併せ持つ化合物が得られる。下記の4-ヒドロキシベンジルアルコールの構造と、薬理活性を有する化合物としてのカンプトテシンの構造とを併せ持つ化合物において、R1a、及びR2aが水素原子であり、Ra3とRa4とが結合して4-アミノベンジルアルコール骨格に縮合する構造を形成するか、R3a、及びR4aが水素原子であり、Ra1とRa2とが結合して4-アミノベンジルアルコール骨格に縮合する構造を形成する。
なお、薬理活性が許容できない程度に低下しない限りにおいて、オシメルチニブの構造中のメトキシ基で置換されたベンゼン環上にヒドロキシメチル基、及びアミノ基が導入されてもよい。
Figure 0007345167000011
このような、4-ヒドロキシベンジルアルコールの構造と、薬理活性を有する化合物としてのカンプトテシンの構造とを併せ持つ化合物を、周知の方法によりカルバメート化することにより、カンプトテシンの構造を含む構成単位からなるポリ(カルバメート)部分が形成される。
以上、ソラフェニブ、イデラリシブ、イマチニブ、ミドスタウリン、カンプトテシン、及びオシメルチニブを一例として説明したが、これらの化合物の構造以外のR1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つが、式(2)中のフェニレン基とともに形成し得る薬理活性を有する化合物の構造としては、エルロチニブ(Erlotinib)、アファチニブ(Afatinib)、ゲフィチニブ(Gefitinib)、ラパチニブ(Lapatinib)、スニチニブ(Sunitinib)、ボルテゾミブ(Bortezomib)、ベムラフェニブ(Vemurafenib)、イブルチニブ(Ibrutinib)、及びカルフィルゾミブ(Carfilzomib)等の分子標的薬の構造が挙げられる。
エルロチニブ、アファチニブ、及びゲフィチニブは、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)である。ラパチニブは、上皮成長因子受容体(EGFR)とHer2/neuとの双方を阻害する二重チロシンキナーゼ阻害剤である。スニチニブは、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)キナーゼ、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)キナーゼ、及びKITキナーゼを阻害する阻害剤である。ボルテゾミブ、及びカルフィルゾミブは、プロテアソーム阻害剤である。ベムラフェニブは、B-Raf酵素阻害剤である。イブルチニブは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤である。
また、その他の好ましい構造としては、テルペンドールE(Terpenedole E)、パクリタキセル(Paclitaxel)、リンコフィリン(Rhynchophylline)、ジヒドロコリナンテオール(Dihydrocorynantheol)、エメチン(Emetine)、メリファラン(Melphalan)、ベンダムスチン(Bendamustine)、レナリドミド(Lenalidomide)、タモキシフェン(Tamoxifen)、レトロゾール(Letrozole)、タミバロテン(Tamibaroten)、ドネペジル(Donepezil)、エナラプリル(Enalapril)、アムロジピン(Amlodipine)、アトルバスタチン(Atorvastatin)、及びロフェコキシブ(Rofecoxib)等のベンゼン環を含む医薬化合物の構造が挙げられる。
以下に、ソラフェニブ、イデラリシブ、イマチニブ、ミドスタウリン、カンプトテシン、及びオシメルチニブ以外の上記の化合物の構造を示す。下記構造式中の、丸で示された位置は、4-アミノベンジルアルコール骨格を形成するために、ヒドロキシメチル基、及び/又はアミノ基を導入し得る位置である。また、太線の丸で示された位置は、特に好ましい、ヒドロキシメチル基、及びアミノ基の導入位置である。
Figure 0007345167000012
Figure 0007345167000013
式(2)において、R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの、薬理活性を有する化合物に由来する構造を含まないか、薬理活性を有する化合物の構造の形成に関与しない基が、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基であり、水素原子であるのが好ましい。
(-CO-NH-R-CH-O-)で表されるポリ(カルバメート)部分の形成方法は特に限定されない。
好ましい方法の一例としては、以下の方法が挙げられる。
まず、HN-R-CH-OHで表されるベンジルアルコール誘導体を、クロロギ酸フェニルと反応させ、Ph-O-CO-NH-R-CH-OHで表されるベンジルアルコール誘導体を得る。なお、Phは、フェニル基である。
次に、Ph-O-CO-NH-R-CH-OHで表されるベンジルアルコール誘導体を、ジラウリン酸ジブチル錫(IV)やビス(ドデカノイルオキシ)ジオクチルスタンナン等の重合触媒の存在下に重合して、Ph-O-(-CO-NH-R-CH-O-)-Hで表される、(-CO-NH-R-CH-O-)で表されるポリ(カルバメート)部分を含むポリ(カルバメート)が得られる。
のサイズにもよるが、(-CO-NH-R-CH-O-)で表されるポリ(カルバメート)部分の繰り返し数nは、2以上100以下が好ましく、2以上50以下がより好ましい。
ポリ(カルバメート)部分の繰り返し数nは、重合反応の時間や、重合反応温度等を調製することによって調整できる。
上記の方法において、重合反応に用いる溶媒としては、反応が良好に進行する限り特に限定されない。原料や生成物の溶解性等から、上記の重合方法において使用される反応溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性有機溶剤が好ましい。
上記の方法により得られるポリ(カルバメート)を、刺激により自己崩壊し得る形態とするために、(-CO-NH-R-CH-O-)で表されるポリ(カルバメート)部分のカルボニル基側の末端に、R基を導入することにより、R-CO-NH-で表される刺激応答性分解性基を形成する。
ここで、R-CO-NH-で表される刺激応答性分解性基は、その構造に応じた適切な刺激を与えられた場合に、-CO-と-NH-との間での加水分解される。
刺激応答性分解性基を分解させるための刺激としては、例えば、pHの変化、酵素による刺激、光照射、酸化性雰囲気への雰囲気の変化、及び還元性雰囲気への雰囲気の変化等が好ましく、pHの変化がより好ましく、酸性側へのpHの変化が特に好ましい。
ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートを刺激により分解させる際に、細胞や生物組織への悪影響が少ない点から、刺激応答性基は、pH6以下へのpH値の低下により分解する基であるのが好ましく、pH6.8以下へのpH値の低下により分解する基であるのがより好ましい。
酸性側へのpHの変化により分解され得る刺激応答性分解性基としては、例えば、Ar-R-O-CO-NH-で表される基が挙げられる。ここで、Arは、フェニル基、ナフタレン-1-イル基、及びナフタレン-2-イル基等のアリール基である。Rは、炭素原子数1以上6以下のアルキレン基である。Arとしては、フェニル基が好ましく、Rとしては、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、及びペンタン-1,5-ジイル基が好ましい。
上記の刺激応答性分解性基は、前述のPh-O-(-CO-NH-R-CH-O-)-Hで表されるポリ(カルバメート)を、Ar-R-OHで表されるアルコールと反応させることにより形成できる。
また、酸性側へのpHの変化により分解され得る刺激応答性分解性基としては、R-CO-NH-で表される基であって、Rが4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)フェニルメチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、2-(2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチルオキシカルボニル)エテニルオキシ基である基が挙げられる。
酸性側へのpHの変化により分解され得る刺激応答性分解性基としては、R-CO-NH-で表される基であって、Rが下記式(3):
Figure 0007345167000014
(式(3)中、Rは、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。)
で表される基であるのが好ましい。Rとしては、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
つまり、酸性側へのpHの変化により分解され得る刺激応答性分解性基としては、下記式(3-1):
Figure 0007345167000015
で表される基が好ましい。式(3-1)中のRは、式(3)中のRと同様である。
上記式(3-1)で表される刺激応答性分解性基は、pH6.8以下へのpH値の低下により分解し得る。
式(3-1)で表される刺激応答性分解性基は、前述のPh-O-(-CO-NH-R-CH-O-)-Hで表されるポリ(カルバメート)を、下記式(3-2):
Figure 0007345167000016
で表される化合物と反応させることにより、ポリ(カルバメート)部分の末端に導入され得る。式(3-2)中のRは、式(1)中のRと同様である。式(3-2)中のRは、式(3)中のRと同様である。
式(3-2)で表される化合物は、HN-R-CH-OHで表される化合物と、下記式(3-3):
Figure 0007345167000017
で表されるジカルボン酸無水物と、を反応させることにより得られる。式(3-3)中のRは、式(3)中のRと同様である。
塩基性側へのpHの変化により分解され得る刺激応答性分解性基としては、R-CO-NH-で表される基であって、Rが9H-フルオレン-9-イルメトキシ基である基が挙げられる。
光照射の刺激により分解され得る刺激応答性分解性基としては、R-CO-NH-で表される基であって、Rが2-ニトロフェニルメトキシ基や、2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニルメトキシ基である基が挙げられる。
酸化性雰囲気への雰囲気の変化の刺激により分解され得る刺激応答性分解性基としては、R-CO-NH-で表される基であって、Rが4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキソボロラン-2-イル)フェニルメトキシ基である基が挙げられる。
還元性雰囲気への雰囲気の変化の刺激により分解され得る刺激応答性分解性基としては、R-CO-NH-で表される基であって、Rがアリルオキシ基である基が挙げられる。
酵素による刺激により分解され得る刺激応答性分解性基としては、R-CO-NH-で表される基であって、Rが3-オキソブチルオキシ基やフェニルアセトアミド基である基が挙げられる。
ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートを形成する際には、(-CO-NH-R-CH-O-)で表されるポリ(カルバメート)部分の酸素原子側の末端に、2価の基Rを介して、核酸医薬の5’末端からリン酸基を除いた残基であるNucを結合させる。
ここで、Rは、-CO-NH-、-P(=O)(OH)-O-、-P(=O)(OR)-O-、-P(=S)(OH)-O-、-P(=O)(SH)-O-、-P(=S)(SH)-O-、-P(=O)H-O-、又は-P(=O)R-O-である。Rは、1価の有機基であり、例えば、炭素原子数1以上8以下のアルキル基が好ましい。Rは、炭素原子数1以上8以下のアルキル基である。これらの基において、-CO-NH-における炭素原子、及びリン原子が式(1)におけるオキシメチレン基中の酸素原子と結合する。
が、-CO-NH-である場合、(ポリ)カルバメート-核酸医薬コンジュゲートの核酸医薬側は、(-CO-NH-R-CH-O-)-CO-NH-Nucで表される。
かかる構造は、ポリ(カルバメート)の(-CO-NH-R-CH-O-)-Hで表される構造中の水酸基末端に、イミダゾール-1-イルカルボニル基等の活性な基を導入した後に、活性化された末端と、5’末端のリン酸基がアミノ基に変換されたHN-Nucで表される核酸医薬誘導体を反応させることにより形成される。
なお、活性化された末端に反応させる、5’末端のリン酸基がアミノ基に変換されたHN-Nucで表される核酸医薬における塩基部分に含まれるアミノ基は、ベンゾイル基、アセチル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジル基、フェノキシアセチル基、4-イソプロピルフェノキシアセチル基によって保護されているのが好ましい。また、HN-Nucで表される核酸医薬においてホスホジエステル結合に含まれるリン原子に結合する水酸基は、2-シアノエチル基等により保護されているのが好ましい。さらに、HN-Nucで表される核酸医薬誘導体は3’末端で、核酸の固相合成用の担体等に担持されていてもよい。前述の担体としては、例えば、CPG(Controlled Pore Glass)等が挙げられる。
上記の核酸医薬誘導体中の塩基部分に含まれるアミノ基やリン原子に結合する水酸基等が保護されていたり、上記の核酸医薬誘導体が担体に結合していたりする場合、ポリ(カルバメート)部分の両端に、核酸医薬由来の基と、刺激応答性分解性基とを導入した後に、保護基や担体の除去を行う。
保護基や単体の除去は、刺激応答性分解性基が分解しない条件で行われるのが好ましい。例えば、刺激応答性分解性基が、酸性側へのpHの変化により分解される場合、塩基性条件で、保護基や単体を除去させるのが好ましい。
また、Rが、-P(=O)(OH)-O-である場合、(ポリ)カルバメート-核酸医薬コンジュゲートの核酸医薬側は、(-CO-NH-R-CH-O-)-P(=O)(OH)-O-Nucで表される。
かかる構造は、核酸の固相合成で多用されているホスホロアミダイト法により形成できる。具体的には、まず、ポリ(カルバメート)誘導体の有機溶媒溶液において、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイトを作用させて、ホスホルアミダイト基をポリ(カルバメート)の末端に導入する。続いて、得られたホスホルアミダイト化ポリ(カルバメート)誘導体をCPG固定化核酸医薬誘導体と混和させて、1H-テトラゾール、2-エチルチオテトラゾール、2-ベンジルチオテトラゾール等の存在下で反応させる。その後、ピリジンを含むヨウ素溶液(水-THF混合溶媒)を用いた酸化及び脱保護反応を経て、ホスホジエステル結合を含む上記の構造が形成される。
なお、上記の方法は一例であり、種々の公知のホスホジエステル結合形成方法を採用することができる。Rが、-P(=O)(OR)-O-、-P(=S)(OH)-O-、-P(=O)(SH)-O-、-P(=S)(SH)-O-、-P(=O)H-O-、又は-P(=O)R-O-である場合についても、種々の公知のホスホトリエステル結合形成方法、ホスホロチオエート結合形成方法、ホスホロジチオエート形成方法、H-ホスホネート結合形成方法、又はアルキルホスホネート結合形成方法を適宜採用できる。
Nucを与える核酸医薬としては、一般的に核酸医薬として認識されている核酸であれば特に限定されない。Nucを与える核酸医薬は、DNAであってもRNAであってもよい。また、Nucを与える核酸医薬は、1本鎖であっても2本鎖であってもよい。
Nucを与える核酸医薬の好適な例としては、siRNA、shRNA、dsRNA、miRNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、リボザイム、アプタマー、及びデコイ核酸等が挙げられる。
核酸医薬におけるホスホジエステル結合は、必要に応じて、ホスホトリエステル結合、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、H-ホスホネート結合、又はアルキルホスホネート結合等の結合に置換されてもよい。
Nucを与える核酸医薬の塩基配列は、治療対象の疾患の種類に応じて、公知の核酸医薬の配列の中から適宜選択される。
核酸医薬が1本鎖である場合の塩基数と、核酸医薬が2本鎖である場合の塩基対数とは、特に限定されないが、5以上200以下が好ましく、10以上50以下がより好ましい。
ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートにおける、核酸医薬と、ポリ(カルバメート)部分の構成単位を与える医薬化合物の具体的な組み合わせとしては、ホスホロチオエート化されたアンチセンスDNAと、カンプトテシンとの組み合わせが挙げられる。
以上、刺激応答性分解性基の導入と、核酸医薬に由来する基の導入とについて説明したが、刺激応答性分解基の導入が先に行われてもよいし、核酸医薬に由来する基の導入が先に行われてもよい。
≪ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集体≫
核酸医薬の生体内での安定性等の点から、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートは、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子として投与されるのが好ましい。かかる凝集体の形状は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートでは、一般的に拡散医薬部分が親水性であり、ポリ(カルバメート)部分が疎水性である傾向がある。このため、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートを、水雰囲気に置くことにより、ポリ(カルバメート)部分が凝集したコアと、核酸医薬部分が密生した外殻とを備える略球状の凝集体が形成される。
例えば、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの有機溶媒溶液において、有機溶媒の少なくとも一部を水に置換させることにより、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートを凝集させることができる。具体的には、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの有機溶媒溶液を透析膜内に入れた後、水中で、透析を行うことにより、透析膜内でポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集を生じさせることができる。
腫瘍集積性や、血中滞留性の機能が期待される点で、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子の、25℃において動的光散乱法により測定される体積平均粒子径は、50nm以上150nm以下が好ましく、60nm以上130nm以下がより好ましく、70nm以上120nm以下がさらに好ましい。
ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子の体積平均粒子径は、前述の式(1)におけるnの値や、核酸医薬の塩基数を調整することにより調整できる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
〔調製例1〕
フェニル(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)カルバメート(3)の合成
炭酸水素ナトリウムと、含水THF(テトラヒドロフラン)15mLと、4-アミノベンジルアルコール(1)1.0gとを混合して懸濁液を調製した。懸濁液における、THFと、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と、水との体積の比率は、THF:飽和炭酸水素ナトリウム水溶液:水として2:2:1であった。得られた懸濁液に、クロロギ酸フェニル(2)1.04mL(8.29mmol)を5分かけて滴下した。滴下後、反応液を室温(RT)で撹拌した。撹拌後、薄層クロマトグラフ(展開溶媒、酢酸エチルとヘキサンとの1:1(体積比)混合液)により反応の進行を確認した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈した後、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液により2回洗浄した。洗浄後、有機層に酢酸エチルとヘキサンとの3:7(体積比)混合液を加えて、再結晶を行った。析出した結晶をろ過により回収した後、減圧乾燥させて、フェニル(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)カルバメート(3)1.16g(収率59%)を白色固体として得た。
Figure 0007345167000018
〔調製例2〕
末端にフェニルブチル基を有するポリ(カルバメート)誘導体(5)の合成
調製例1で得たフェニル(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)カルバメート(3)300mmg(1.24mmol)と、フェニル(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)カルバメート(3)に対して5モル%のジラウリン酸ジブチル錫(IV)(DBTL)を、脱水されたジメチルスルホキシド(DMSO)620μLに溶解させた。得られた溶液を110℃で15分間撹拌して、フェニル(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)カルバメート(3)の重合を行った。
重合体を含む得られた反応液に、4-フェニル-1-ブタノール(4)188μL(1.24mmol)を加えた。次いで、反応液を110℃で30分間撹拌した。その後、反応液を室温まで冷却させた後、反応液にメタノール30mLを滴下して、末端にフェニルブチル基を有するポリ(カルバメート)誘導体(5)を沈殿させた。末端にフェニルブチル基を有するポリ(カルバメート)誘導体(5)の沈殿をろ過により回収した後、メタノールで洗浄した。洗浄された、沈殿物を減圧乾燥して、末端にフェニルブチル基を有するポリ(カルバメート)誘導体(5)147mg(収率24%)を白色粉末として得た。
Figure 0007345167000019
調製例2で得られた、ポリ(カルバメート)誘導体(5)は、4-フェニルブチルオキシカルボニルアミノ基を刺激応答性分解性基として末端に有する。4-フェニルブチルオキシ基は、pH2程度の強酸性へのpH変化の刺激により加水分解され、アミノ基に変換される。このような刺激応答性分解性基の加水分解によるアミノ基の生成をトリガーとして、ポリ(カルバメート)誘導体(5)は、非特許文献2に記載されるように、4-アミノベンジルアルコールと二酸化炭素を発生させながら自己崩壊する。
〔調製例3〕
末端にイミダゾール-1-イルカルボニル基を有するポリ(カルバメート)誘導体(7)の合成
窒素雰囲気化、調製例3で得たポリ(カルバメート誘導体)(5)60mg(0.0154mmol)と、カルボニルジイミダゾール(6)25.0mg(0.154mmol)を脱水されたジメチルホルムアミド(DMF)1mLに溶解させた。得られた溶液を室温で3時間撹拌して反応を行った。次いで、反応液からDMFを留去し、残渣をメタノール40mLと混合して、末端にイミダゾール-1-イルカルボニル基を有するポリ(カルバメート)誘導体(7)を沈殿させた。沈殿物をろ過により回収した後にメタノールで洗浄し、減圧乾燥させて、末端にイミダゾール-1-イルカルボニル基を有するポリ(カルバメート)誘導体(7)18.3mg(収率30%)を白色粉末として得た。
得られた、ポリ(カルバメート)誘導体(7)のH-NMRスペクトルを、図1に示す。
Figure 0007345167000020
〔調製例4〕
ポリ(カルバメート)-DNAコンジュゲートの合成とナノ構造体の作製
容量1.5mLのマイクロチューブ内に、調製例3で得たポリ(カルバメート)誘導体(7)4.3mg(1μmol)を加え、ポリ(カルバメート)誘導体(7)を脱水されたDMSO(50μL)中に溶解させた。得られた溶液を、担体(CPG(Controlled Pore Glass)上に固定化されたオリゴDNA(17塩基、0.1μmol)が入った別のマイクロチューブに加え、ポリカルバメート誘導体(7)とオリゴDNAとを室温で24時間反応させた。なお、下記の反応式において、オリゴDNAに結合する丸で示される物質が担体である。オリゴDNAのアミノ基は、アデニン(A)及びシトシン(C)のときベンゾイル基で保護され、グアニン(G)についてはイソブチリル基あるいはジメチルホルムアミジル基で保護されていた。また、リン原子に結合するOH基は2-シアノエチル基により保護されていた。次いで、反応液に脱水されたDMSO(500μL)を加えて洗浄した後に上澄みを除去する洗浄操作を3回繰り返して行った。
洗浄後に残った、ポリ(カルバメート)誘導体と保護されたオリゴDNAとのコンジュゲート(8)に、メチルアミン溶液500μL(40%メチルアミン水溶液:メチルアミンエタノール溶液(体積比1:1))を加えた後、混合液全量を耐圧ミニバイアルへ移し替えた。バイアル内の混合液の全量を1mLとし、ドラフト内で12時間静置させることで、CPGからのポリ(カルバメート)-DNAコンジュゲート(8)の脱離と、オリゴDNA部分の脱保護とを行った。次に、バイアル内の混合液の上澄みをガラスチューブに移し、脱水されたDMSOに溶解させた。得られた溶液を透析膜(分画分子量:1,000)内に移し、純水に対して24時間の透析を行うことによって、透析膜内でポリ(カルバメート)-DNAコンジュゲート(8)を凝集させて、ナノスケールの凝集粒子を得た。
得られた凝集粒子の25℃において動的光散乱法により測定された体積平均粒子径は、107nmであった。
Figure 0007345167000021
〔調製例5〕
(Z)-4-((4-(ヒドロキシメチル)フェニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソ-2-ブテン酸(10)の合成
窒素雰囲気下、シトラコン酸無水物(9)0.089mL(1mmol)を含むジエチルエーテル(EtO)-THF混合溶液10.5mL(EtO:THF(体積比20:1))に加えた。得られた溶液に、4-アミノベンジルアルコール(1)123mg(1mmol)を含むEtO-THF混合溶液10.5mL(EtO:THF(体積比20:1))を滴下した。混合溶液の温度を10~15℃に保ち、30分撹拌した。生成した沈殿物をろ過により回収し、回収された沈殿物を減圧下で乾燥させることで(Z)-4-((4-(ヒドロキシメチル)フェニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソ-2-ブテン酸(10)0.16g(収率73%)を黄色い粉末として得た。
Figure 0007345167000022
得られた(Z)-4-((4-(ヒドロキシメチル)フェニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソ-2-ブテン酸(10)を、pH5に調整されたリン酸緩衝溶液に室温で溶解させたところ、4-アミノベンジルアルコールが生成することが確認された。つまり、(Z)-4-((4-(ヒドロキシメチル)フェニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソ-2-ブテン酸(10)シトラコン酸無水物に由来する末端基は、pH5程度の弱酸性への変化の刺激により容易に分解され、アミノ基に変化することが分かる。

Claims (8)

  1. 下記式(1):
    -(-CO-NH-R-CH-O-)-R-Nuc・・・(1)
    (式(1)中、Nucは、核酸医薬の5’末端からリン酸基を除いた残基であり、
    は、下記式(2):
    Figure 0007345167000023
    で表される2価の基であり、
    nは、2以上の整数であり、
    式(2)で表される2価の基において、R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つが薬理活性を有する化合物に由来する構造を含む有機基であるか、
    1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つが、式(2)中のフェニレン基とともに薬理活性を有する化合物の構造を形成しており、
    1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの、薬理活性を有する化合物に由来する構造を含まないか、薬理活性を有する化合物の構造の形成に関与しない基が、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基であり、
    は、刺激により-CO-と-NH-との間での加水分解を生じさせる、R-CO-NH-で表される刺激応答性分解性基を与える基であり、
    は、Ar-R -O-(式中Arはアリール基であり、R は、炭素原子数1以上6以下のアルキレン基である。)で表される基、4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)フェニルメチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、2-(2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エチルオキシカルボニル)エテニルオキシ基、下記式(3):
    Figure 0007345167000024
    式(3)中、R は、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。)
    で表される基、9H-フルオレン-9-イルメトキシ基、2-ニトロフェニルメトキシ基、2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニルメトキシ基、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキソボロラン-2-イル)フェニルメトキシ基、アリルオキシ基、3-オキソブチルオキシ基、又はフェニルアセトアミド基であり、
    は、-CO-NH-、-P(=O)(OH)-O-、-P(=O)(OR)-O-、-P(=S)(OH)-O-、-P(=O)(SH)-O-、-P(=S)(SH)-O-、-P(=O)H-O-、又は-P(=O)R-O-表される基であり、Rは、1価の有機基であり、Rは、炭素原子数1以上8以下のアルキル基であり、-CO-NH-における炭素原子、並びに-P(=O)(OH)-O-、-P(=O)(OR)-O-、-P(=S)(OH)-O-、-P(=O)(SH)-O-、-P(=S)(SH)-O-、-P(=O)H-O-、又は-P(=O)R-O-におけるリン原子が式(1)におけるオキシメチレン基中の酸素原子と結合する。)
    で表される、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
  2. 前記刺激が、pHの変化、酵素による刺激、光照射、酸化性雰囲気への雰囲気の変化、又は還元性雰囲気への雰囲気の変化である、請求項1に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
  3. 前記刺激応答性分解性基が、pH6.8以下へのpH値の低下により分解する基である、請求項2に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
  4. 前記Rが、前記式(3)で表される基である、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
  5. 前記核酸医薬が、siRNA、shRNA、dsRNA、miRNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、リボザイム、アプタマー、又はデコイ核酸である、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートからなる、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子。
  7. 25℃において動的光散乱法により測定される体積平均粒子径が50nm以上150nm以下である、請求項6に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの凝集粒子。
  8. 請求項1~5のいずれか1項に記載のポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートの有機溶媒溶液において、有機溶媒の少なくとも一部を水に置換させることにより、前記ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲートを凝集させることを含む、ポリ(カルバメート)-核酸医薬コンジュゲート凝集粒子の製造方法。
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秋山好嗣,核酸医薬をDNA密生層としたナノ構造体の作製とキャリアフリーDDSの創製,科学研究費助成事業 研究成果報告書,2019年06月15日

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