JPH0892220A - 薬剤耐性克服剤 - Google Patents

薬剤耐性克服剤

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JPH0892220A
JPH0892220A JP6250023A JP25002394A JPH0892220A JP H0892220 A JPH0892220 A JP H0892220A JP 6250023 A JP6250023 A JP 6250023A JP 25002394 A JP25002394 A JP 25002394A JP H0892220 A JPH0892220 A JP H0892220A
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孝雄 服部
Takao Ito
隆男 伊藤
Masahiko Tsuchiya
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】化合物A、化合物B等で代表されるキノリン−
4−オン誘導体、当該化合物及び/又は生理的に許容さ
れる塩からなる薬剤耐性克服剤ならびにそれを含有する
癌治療用、病原微生物による疾病治療用の医薬組成物。 【効果】薬剤耐性克服剤は薬剤に対する耐性を低下せし
めるので、耐性癌及び耐性病原微生物による疾病、取り
分けMRSAの治療に有益である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤耐性克服剤、及び
それを含有する癌治療用、又は微生物感染症の予防・治
療用の医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】癌は現在、罹患者数が多く且つ治癒率が
低く、従って死亡率も高いため、人類の大きな脅威とな
っている疾病の一つである。癌治療の重要性が認識され
て以来、数々の抗癌剤が開発上市されてきた。しかしな
がら、開発当時は効力の高い抗癌剤も使用頻度が重なる
につれ薬剤耐性株が現れ、その効力を低減化されてく
る。元々、抗癌剤は薬効と毒性の差が小さいため、僅か
な耐性の獲得も、その癌の治療に致命的な影響を与えて
しまうことが少なくない。このため、各種の化合物が薬
剤耐性克服作用を指標にスクリーニングを重ねてこら
れ、ジフェニルピペラジン誘導体やジヒドロピリジン誘
導体などのカルシウム拮抗剤がその様な耐性克服作用を
有することが明らかになった。しかしながら、これらの
化合物はカルシウム拮抗作用が強いため、薬剤耐性克服
作用が発現するまで投与することは不可能であった。
【0003】一方、微生物による感染症についても、薬
剤耐性が癌同様重大な問題となっていた。即ち、近年院
内感染で悪名高いMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ
状球菌)を始め、耐性大腸菌、耐性スピロヘータ、耐性
マラリア、耐性リーシュマニアと病原微生物のほとんど
に大なり小なり耐性株が出現し、化学療法に大きな陰を
投げかけている。この様な疾病に対しては、新規な化学
療法剤の開発を望むぐらいしか現在の所良い治療法は存
在していない。又、こうした薬剤耐性病原微生物の薬剤
耐性を克服する薬剤としては、癌同様カルシウム拮抗剤
や、1−ジベンゾスベリル−4−〔3−(7−クロロキ
ノリン−4−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕
ピペラジン、1−ジフェニルアセチル−4−〔3−(キ
ノリン−4−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕
ピペラジン等にその様な作用が見いだされているが、安
定性、副作用、効果の面で充分とは言い難かった。取り
分け、本発明者らはその後の検討に於いて、MRSAに
これらの薬品の薬剤耐性克服作用が発揮されにくい臨床
分離株を見いだしている。従って、新規の耐性克服剤の
開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況を
鑑みて為されたものであり、カルシウム拮抗作用が低
く、化学療法剤に対する耐性を獲得した、癌或いは病原
微生物の、薬剤耐性を克服せしめ、化学療法剤の治療効
果を改善させる新規の薬剤耐性克服剤を提供することを
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この様な状況を踏まえ
て、本発明者らはジフェニルピペラジン類について、カ
ルシウム拮抗作用の低下と薬剤耐性克服作用の向上を指
標に、誘導化を鋭意検討したところ、一般式(I)に表
される化合物がこの様な作用を有することを見いだし発
明を完成させた。
【0006】
【化7】
【0007】即ち、本発明は一般式(I)に示される化
合物及び生理的に許容されるその塩に関する。
【0008】更に、本発明は一般式(I)に示される化
合物及び/又はその塩からなる薬剤耐性克服剤に関す
る。
【0009】又、本発明はこの薬剤耐性克服剤を含有す
る、抗癌用又は微生物感染症治療用の医薬組成物に関す
る。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。 (1)本発明の化合物 本発明の化合物は一般式(I)に示されるものであり、
具体的には次のような化合物が例示できる。即ち、1−
ジベンゾスベリル−4−〔2−ヒドロキシ−3−(7−
クロロキノリン−4−オン−1−イル)プロピル〕ピペ
ラジン(化合物1、化8)、1−(3,3−ジフェニル
プロピル)−4−〔2−ヒドロキシ−3−(7−クロロ
キノリン−4−オン−1−イル)プロピル〕ピペラジン
(化合物2、化9)、1−(2,2−ジフェニルエチル
カルボニル)−4−〔2−ヒドロキシ−3−(7−クロ
ロキノリン−4−オン−1−イル)プロピル〕ピペラジ
ン(化合物3、化10)、1−ジフェニルメチルカルボ
ニル−4−〔2−ヒドロキシ−3−(7−クロロキノリ
ン−4−オン−1−イル)プロピル〕ピペラジン(化合
物4、化11)、1−ジフェニルメチルカルボニル−4
−〔2−ヒドロキシ−3−(キノリン−4−オン−1−
イル)プロピル〕ピペラジン(化合物5、化12)であ
る。これらの化合物は何れも新規の化合物である。これ
らの化合物は次に示す反応式(II)に従って市販の原
料より合成することが可能である。即ち、のハロゲン
化物をピペラジンと反応させ、の化合物と為す。別
途、の化合物をエピハロゲノヒドリンとを水素化ナト
リウムで反応させエポキシ体とする。とをエポキ
シの開環縮合反応で縮合させれば、目的物である一般式
(〓)の化合物が得られる。この一般式(I)に示され
る化合物は、通常の方法、例えば、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーや再結晶等で精製できる。又、これら
の塩は、極性溶媒中で相当する酸と反応させれば容易に
得られる。塩の種類としては、生理的に許容されるもの
であれば特に限定はされず、例えば、塩酸、硫酸、硝
酸、燐酸等の鉱酸類、クエン酸、シュウ酸、酢酸等の有
機酸類等が例示できる。これらは何れもカルシウム拮抗
作用が少ないための優れた安全性と、薬剤耐性癌或いは
薬剤耐性病原微生物の化学療法に於ける優れた耐性克服
作用を有するため、耐性克服剤として使用できる。ここ
で、本発明で言う耐性病原微生物であるが、一般的に言
われている病原微生物のうち、抗生物質などの薬剤に対
して耐性を獲得した微生物のこと意味し、具体的には、
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ状球菌)、耐性大
腸菌、ペニシリン耐性スピロヘータ、クロロキン耐性マ
ラリア、耐性リシューマニア等が例示できる。本発明の
化合物は、これら耐性病原微生物の耐性を下げる作用を
有しており、これらの微生物に対する従来の薬剤と共に
罹患者に投与すると、今まで効かなかった治療薬の抗病
原微生物作用が回復され、治療不可能だった病気を治療
し得る。又本発明の化合物は、ファンシダールの様な感
染予防剤の効果増強剤としても用いることが出来る。
【0011】
【化8】
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】
【化11】
【0015】
【化12】
【0016】
【化13】
【0017】(2)本発明の医薬組成物 本発明の医薬組成物は、上記、一般式(I)に表される
化合物及び/又はその塩と医薬製剤の為の任意成分とか
らなる。任意成分としては、賦形剤、増量剤、結合剤、
崩壊剤、着色剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、被覆剤、糖衣
剤、安定剤、pH調節剤、乳化分散剤、等張剤等が例示
できる。更には、抗癌剤や抗病原微生物剤も任意成分と
して用いても良い。本発明の医薬組成物はこれら一般式
(I)に示される化合物及びその塩から選ばれる1種以
上と任意成分とを通常の方法により製剤化し得ることが
できる。本発明の医薬組成物の剤形としては、特に限定
はされないが、例えば、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル
剤、液剤、注射剤等が例示できる。このうち、注射剤の
投与経路としては、静脈内投与、動脈内投与、門脈内投
与、皮下投与、腹腔内投与、病巣内直接投与等が例示で
きる。点滴による投与も可能である。又、経口投与では
徐放製剤と為して投与しても良い。
【0018】本発明の医薬組成物を薬物耐性癌或いは薬
物耐性微生物感染症の治療に用いる場合、好ましい投与
量は、症状、年齢、体型、体調、性別等により異なる
が、成人1人1日当たり、経口投与で10〜2000m
g、注射による投与で5〜500mgを1回乃至数回に
分けて投与するのが適当である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げ、更に詳しく本発明につ
いて説明するが、本発明がこれら実施例に何等限定を受
けないことは言うまでもない。
【0020】実施例1 化合物1の合成 ジベンゾスベリルクロライド1g、ピペラジン4g、ヨ
ウ化カリウム0.1g、トルエン100mlを8時間加
熱還流し、水洗した後溶媒を減圧溜去し、エタノールか
ら再結晶して1−ジベンゾスベリルピペラジンを1.1
g得た。一方、7−クロロ−4−ヒドロキシキノリン
6.2gをメタノールに溶解し、これに1.5gの水酸
化ナトリウムを加え溶解した。更にこれに、エピブロモ
ヒドリン14.2gを加え、5時間加熱還流した。これ
を減圧濃縮し、クロロホルム200mlと水200ml
で抽出・分液し、クロロホルム層を取り出し、減圧濃縮
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒;クロロホルム:メタノール=100:0→50:5
0)で精製し7−クロロ−1−(2−エポキシプロピ
ル)キノリン−4−オンを1.2g得た。これと前述の
1−ジベンゾスベリルピペラジン1.1gを100ml
のメタノールに溶かし3時間加熱還流し減圧濃縮した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=100:0→50:50)
で精製し化合物1を1.5g得た。1 H−NMR δppm(CDCL3+DMSOd6) 2.28−2.90(m、13H)、3.69−4.5
0(m、6H)、6.54(d、1H)、7.00−
7.31(m、8H)、7.22−7.34(dd、1
H)、8.00(d、1H)、8.20(d、1H)、
8.82(d、1H) Mass:514(M+H)
【0021】実施例2 化合物2の合成 1−クロロ−3,3−ジフェニルプロパン1g、ピペラ
ジン4g、ヨウ化カリウム0.1gをはかり取り、トル
エン100mlを加え8時間加熱還流した。これを減圧
濃縮し、クロロホルム200mlと水200mlで抽出
・分液し、クロロホルム層を取り出し、減圧濃縮した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=100:0→50:50)
で精製し、1.3gの1−(3,3−ジフェニルプロピ
ル)ピペラジンを得た。これに実施例1と同様に得られ
た7−クロロ−1−(2−エポキシプロピル)キノリン
−4−オンとを実施例1と同様に反応精製し化合物2を
1.5g得た。1 H−NMR δppm(CDCL3) 2.20−2.70(m、15H)、3.78−3.8
8(m,1H )3.95−4.06(m、1H)、
4.08−4.18(m、1H)、4.40(d、1
H)、6.00(d、1H)、7.12−7.35
(m、11H)、7.49−7.62(m、3H)、
8.11(d、1H) かくして得られた化合物2の300mgを酢酸エチル2
0mlに溶解させ、酢酸エチル15mlに溶解させた2
00mgのマレイン酸を攪拌しながら加えた。生じた沈
澱を濾取しエタノールから再結晶して342mgの化合
物のマレイン酸塩を得た。1 H−NMR δppm(DMSO) 2.32−3.70(m、15H)、3.90−4.1
2(m、3H)、4.38(d、1H)、6.07
(d、1H)、6.17(s、4H)、7.14−7.
42(m、11H)、7.86−7.94(m、2
H)、8.18(dd、1H)
【0022】実施例3 化合物3の合成 実施例1、2と同様に3,3−ジフェニルプロピオン酸
クロライド1gとピペラジン4gより、1.5gの3,
3−ジフェニルプロピオニルピペラジンを得た。これに
実施例1、2と同様に1.2gの7−クロロ−1−(2
−エポキシプロピル)キノリン−4−オンを反応させ、
1.9gの化合物3を得た。1 H−NMR δppm(CDCL3) 2.20−2.74(m、7H)、3.05(d、2
H)、3.30−3.44(m、2H)、3.48−
3.65(m、2H)、3.78−3.92(m、1
H)、4.12−4.27(m、1H)、4.44
(d、1H)、4.65(t、1H)、5.87(1
H、d)、7.12−7.38(m、11H)、7.4
2−7.65(m、3H)、8.10(dd、1H) かくして得られた化合物3の500mgとフマル酸の1
17mgを実施例2と同様に操作して598mgの化合
物3のフマル酸塩を得た。1 H−NMR δppm(DMSO) 2.34−2.57(m、4H)、2.92−3.05
(m、1H)、3.29(d、2H)、3.47−3.
84(m、5H)、4.00−4.26(m、2H)、
4.55−4.73(m、3H)、6.24(d、1
H)、6.76(s、2H)、7.25−7.62
(m、11H)、8.02(d、1H)、8.04
(d、1H)、8.34(d、1H)
【0023】実施例4 化合物4の合成 2,2−ジフェニル酢酸クロライド1gとピペラジン4
gから1−ジフェニルアセチルピペラジン1.4gを得
た。これと実施例1,2,3と同様に1.2gの7−ク
ロロ−1−(2−エポキシプロピル)キノリン−4−オ
ンを反応させ1.26gの化合物4を得た。1 H−NMR δppm(CDCL3) 2.30−2.59(m、7H)、3.53(m、2
H)、3.70−3.80(m、3H)、4.08−
4.15(m、1H)、4.40(dd、1H)、5.
21(s、1H)、5.87(d、1H)、7.14−
7.37(m、11H)、7.55(dd、2H)、
7.97(d、1H) かくして得られた化合物4より実施例3と同様に操作
し、フマル酸塩821mgを得た。1 H−NMR δppm(DMSO) 2.19−2.56(m、7H)、3.20−3.75
(m、4H)、3.88−4.16(m、2H)、4.
50(d、1H)、5.64(s、1H)、6.14
(d、1H)、6.72(s、1H)、7.26−7.
49(m。11H)、7.96(d、1H)、7.94
(d、1H)、8.24(d、1H)
【0024】実施例5 化合物5の合成 実施例1と同様に4−ヒドロキシキノリン4gとエピブ
ロモヒドリン11gから1−(2−エポキシプロピル)
キノリン−4−オン2.1gを得た。この1−(2−エ
ポキシプロピル)キノリン−4−オン1.2gと実施例
4と同様に得られた1−ジフェニルアセチルピペラジン
1.6gを実施例1〜4と同様に反応・精製し1.86
gの化合物5を得た。1 H−NMR δppm(CDCL3) 2.2−2.35(m、2H)、2.40−2.56
(m、3H)、2.79−2.83(m、1H)、3.
18−3.50(m、3H)、3.57−3.75
(m、3H)、4.10−4.20(m、1H)、4.
35−4.44(bd、1H)、5.20(s、1
H)、5.90(d、1H)、7.20−7.40
(m、11H)、7.45(d、1H)、7.57(d
d、2H)、8.14(dd、1H) かくして得られた化合物5の500mgとフマル酸18
0mgより実施例2〜4と同様の方法で479mgの化
合物5のフマル酸塩を得た。1 H−NMR δppm(DMSO) 2.19−2.54(m、7H)、3.45−3.68
(m、4H)、3.92−4.10(m、2H)、4.
50(d、1H)、5.60(s、1H)、6.10
(d、1H)、6.70(s、1H)、7.25−7.
46(m、11H)、7.72−7.83(m、2
H)、7.95(d、1H)、8.26(d、1H)
【0025】実施例6 本発明の化合物の急性毒性 ICRマウス(雄性、5週齢、体重25〜35g)を用
いて、本発明の化合物1〜5の急性毒性を調べた。即
ち、1群5匹の動物に化合物1〜5を0.1%ポリオキ
シエチレン硬化ひまし油を含有する0.1%CMC生理
食塩水中に0.01g/mlの濃度で分散し、1000
mg/Kgのドーズで経口投与した。投与後7日目に動
物の生死を判定したが、死亡例を認めなかった。これよ
り、本発明の化合物のLD50は1000mg/Kg以上
であり、安全性に優れることが判る。
【0026】実施例7 カルシウム拮抗作用 ウィスター系雄性ラット(体重300〜350g)の胸
部大動脈を用いてカルシウム拮抗作用を検討した。即
ち、ラットを放血致死後胸部大動脈を摘出し、幅3〜4
mmのリング標本を作成した。標本は混合ガス(95%
酸素+5%炭酸ガス)を通気した37℃のクレブス・ヘ
ンゼライト液を満たしたマグヌス管中に懸垂し、2gの
負荷をかけて張力変化を等尺性に記録した。カルシウム
拮抗作用は、塩化カリウムの濃度依存的収縮(10〜6
0ミリモル)の最大収縮を50%抑制する被験物のモル
濃度の負の数の対数(IC50)で表1に示す。これよ
り、本発明の化合物は何れもこの値が6以下で、カルシ
ウム拮抗作用が極めて弱いことが判る。
【0027】
【表1】
【0028】実施例8 耐性癌に対する耐性克服作用 チャイニーズハムスター由来の培養癌細胞AUXB1及
びその耐性化した細胞CHRC5を用いてマイトマイシ
ンに対する耐性克服作用を検討した。即ち、10%FC
Sを含有するα−MEM培地で2×104個/mlの濃
度の細胞分散液を調製し、それぞれ96ウェルのプレー
トに100μl分注し、37℃で1日培養した。抗癌剤
として、マイトマイシンを最終濃度が10-3〜10-11
モルになるように調製し、50μl加えた。更に、本発
明の化合物又は陽性コントロールとしてのベラパミルを
希釈し最終濃度が10-6モルになるように調製し、50
μl加えた。37℃で3日間培養した後、PBSに溶解
したMTT試薬(5mg/ml)を10μl加え、37
℃で4時間放置した。培養液を除去し、ジメチルスルホ
キサイド100μlを加え混合し、570nmの吸光度
を測定し、生存率を求めた。この値をもとに細胞の50
%生存濃度を求めた。CHRC5に対するマイトマイシ
ンの半数生存濃度をAUBX1に対するマイトマイシン
の半数生存濃度で除した耐性比を求め、検体非存在下の
耐性比を検体存在時の耐性比で除し耐性克服値とした。
結果を表2に示す。この表より、本発明の耐性克服剤は
耐性癌の薬剤耐性を下げる作用を有することが明白であ
る。
【0029】
【表2】
【0030】実施例9 MRSAに対する作用 MRSAの内、本発明者らが見いだした従来の耐性克服
剤の作用を受けにくい、実験的にメチシリン耐性を持た
せた黄色ブドウ状球菌と臨床より分離されたメチシリン
耐性株を用いて本発明の化合物の存在下或いは非存在下
に於ける各種抗生物質のMICを測定した。被験菌を感
受性測定用ブイヨンに接種し、37℃、24時間の条件
で前培養した後、菌数が106個/mlになるように調
製した菌液を改良ミューラー・ヒントン培地に接種し
た。本発明の化合物をDMSO 1mlに溶解させ、最
終濃度が100μgになるよう調製し培地に加えた。ネ
ガティブコントロールには10%DMSOのみを用い
た。各種抗生物質は最高濃度(最終濃度として)のもの
を調製し、完全に菌が発育を阻止される濃度をMICと
した。判定は接種後42℃24時間培養した後行った。
各種抗生物質の最高濃度は次の通りにした。メチシリ
ン:800μg/ml、シプロキサシン:100μg/
ml、ノルフロキサシン:200μg/ml。尚、対照
は、耐性克服剤の無投与、1−ジベンゾスベリル−4−
〔3−(7−クロロキノリン−4−イルオキシ)−2−
ヒドロキシプロピル〕ピペラジン(化合物A)100μ
g/ml、1−ジフェニルアセチル−4−〔3−(キノ
リン−4−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピ
ペラジン(化合物B)100μg/mlの3種を用い
た。結果を表3に示す。これより、本発明の化合物は、
従来の耐性克服剤が効きにくいMRSAに対しても耐性
克服作用を示すことが明かである。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明の化合物は、カルシウム拮抗作用
が極めて弱く、従って安全性も高い上優れた耐性克服作
用を有するので、癌の治療、病原微生物による疾病の治
療に大変有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(A61K 45/00 31:495)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)に表される化合物及び生理
    的に許容されるその塩。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(I)に表される化合物が、次に
    挙げる化合物の何れかである、請求項1記載の化合物及
    び生理的に許容されるその塩。1−ジベンゾスベリル−
    4−〔2−ヒドロキシ−3−(7−クロロキノリン−4
    −オン−1−イル)プロピル〕ピペラジン(化合物1、
    化2)、1−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−
    〔2−ヒドロキシ−3−(7−クロロキノリン−4−オ
    ン−1−イル)プロピル〕ピペラジン(化合物2、化
    3)、1−(2,2−ジフェニルエチルカルボニル)−
    4−〔2−ヒドロキシ−3−(7−クロロキノリン−4
    −オン−1−イル)プロピル〕ピペラジン(化合物3、
    化4)、1−ジフェニルメチルカルボニル−4−〔2−
    ヒドロキシ−3−(7−クロロキノリン−4−オン−1
    −イル)プロピル〕ピペラジン(化合物4、化5)、1
    −ジフェニルメチルカルボニル−4−〔2−ヒドロキシ
    −3−(キノリン−4−オン−1−イル)プロピル〕ピ
    ペラジン(化合物5、化6) 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の化合物及び/又は
    生理的に許容される塩からなる薬剤耐性克服剤。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の薬剤耐性克服剤を1種以
    上含有する癌治療用の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の薬剤耐性克服剤を1種以
    上含有する微生物感染症予防又は治療用の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 微生物感染症が黄色ブドウ状球菌、マラ
    リア原虫、トリパノソーマ、大腸菌、スピロヘータを病
    原菌とするものであることを特徴とする、請求項5記載
    の医薬組成物。
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