JPH0892218A - 薬剤耐性克服剤 - Google Patents

薬剤耐性克服剤

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JPH0892218A
JPH0892218A JP6250034A JP25003494A JPH0892218A JP H0892218 A JPH0892218 A JP H0892218A JP 6250034 A JP6250034 A JP 6250034A JP 25003494 A JP25003494 A JP 25003494A JP H0892218 A JPH0892218 A JP H0892218A
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Takao Ito
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式(I)で表される化合物及び生理的に許
容される塩、当該化合物及び/又は生理的に許容される
その塩からなる薬剤耐性克服剤、及びそれを含有する癌
治療用、病原微生物による疾病治療用の医薬組成物。 〔式中、X、Yは水素原子又はハロゲン原子を;R
ハロゲン原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアル
コキシ基、ニトロ基で置換されていてもよい単環又は二
環性の芳香環(含窒素環も可)を;表し、nは1〜4の
整数である〕 【効果】薬剤耐性克服剤は薬剤に対する耐性を低下せし
めるので、耐性癌及び耐性病原微生物による疾病、取り
分けMRSAの治療に有益である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤耐性克服剤、及び
それを含有する癌治療用、又は微生物感染症の予防・治
療用の医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】癌は現在、罹患者数が多く且つ治癒率が
低く、従って死亡率も高いため、人類の大きな脅威とな
っている疾病の一つである。癌治療の重要性が認識され
て以来、数々の抗癌剤が開発上市されてきた。しかしな
がら、開発当時は効力の高い抗癌剤も使用頻度が重なる
につれ薬剤耐性株が現れ、その効力を低減化されてく
る。元々、抗癌剤は薬効と毒性の差が小さいため、僅か
な耐性の獲得も、その癌の治療に致命的な影響を与えて
しまうことが少なくない。このため、各種の化合物が薬
剤耐性克服作用を指標にスクリーニングを重ねてこら
れ、ジフェニルピペラジン誘導体やジヒドロピリジン誘
導体などのカルシウム拮抗剤がその様な耐性克服作用を
有することが明らかになった。しかしながら、これらの
化合物はカルシウム拮抗作用が強いため、薬剤耐性克服
作用が発現するまで投与することは不可能であった。
【0003】一方、微生物による感染症についても、薬
剤耐性が癌同様重大な問題となっていた。即ち、近年院
内感染で悪名高いMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ
状球菌)を始め、耐性大腸菌、耐性スピロヘータ、耐性
マラリア、耐性リーシュマニアと病原微生物のほとんど
に大なり小なり耐性株が出現し、化学療法に大きな陰を
投げかけている。この様な疾病に対しては、新規な化学
療法剤の開発を望むぐらいしか現在の所良い治療法は存
在していない。又、こうした薬剤耐性病原微生物の薬剤
耐性を克服する薬剤としては、癌同様カルシウム拮抗
剤、ジベンスベロニルピペラジン類、及びジフェニルア
セチルピペラジン類等にその様な作用が見いだされてい
るが、副作用、安定性、効果などの面で充分満足できる
ものとは言い難かった。取り分け、MRSAに於いては
これらの薬品の耐性克服作用が充分発揮できない菌株が
本発明者らによって見いだされている。これらに有効な
耐性克服剤が強く望まれているのが現状であるといえ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況を
鑑みて為されたものであり、カルシウム拮抗作用が低
く、化学療法剤に対する耐性を獲得した、癌或いは病原
微生物の、薬剤耐性を克服せしめ、化学療法剤の治療効
果を改善させる新規な薬剤耐性克服剤を提供することを
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この様な状況を踏まえ
て、本発明者らはジフェニルピペラジン類について、カ
ルシウム拮抗作用の低下と薬剤耐性克服作用の向上を指
標に、誘導化を鋭意検討したところ、一般式(I)に表
される化合物がこの様な作用を有することを見いだし発
明を完成させた。
【0006】
【化8】
【0007】即ち、本発明は一般式(I)に示される化
合物及び生理的に許容されるその塩に関する。
【0008】更に、本発明は一般式(I)に示される化
合物及び/又はその塩からなる薬剤耐性克服剤に関す
る。
【0009】又、本発明はこの薬剤耐性克服剤を含有す
る、抗癌用又は微生物感染症治療用の医薬組成物に関す
る。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。 (1)本発明の化合物 本発明の化合物は一般式(I)に示されるものである。
ここで、一般式中X及びYはそれぞれ独立して水素原子
又はハロゲン原子を表すが、これらのうち好ましいもの
は、水素原子、塩素原子、フッ素原子であり、更に好ま
しいものは水素原子である。塩素原子やフッ素原子を導
入すると、薬効は変わらず、作用が持続されるがパーキ
ンソン病等の発現の可能性が高まるため、短期間の微生
物の感染症等の予防のためには水素原子の場合よりも好
ましいが、汎用的には水素原子のものが好ましい。又、
nは1〜4の整数であるが、このうち1が最も好まし
い。これは、nが1の場合が最もカルシウム拮抗作用が
少ないためである。これら本発明の一般式(I)に表さ
れる化合物としては、具体的には次のような化合物が例
示できる。即ち、1−(2,2−ジフェニルエチルカル
ボニル)−4−〔3−(7−クロロキノリン−1−イル
オキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン(化合
物1、化9)、1−(2,2−ジフェニルエチルカルボ
ニル)−4−〔2−ヒドロキシ−3−(キノリン−5−
イルオキシ)プロピル〕ピペラジン(化合物2、化1
0)、1−(2,2−ジフェニルエチルカルボニル)−
4−〔2−ヒドロキシ−3−(3−メチルフェニルオキ
シ)プロピル〕ピペラジン(化合物3、化11)、1−
(2,2−ジフェニルエチルカルボニル)−4−〔2−
ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニルオキシ)プロ
ピル〕ピペラジン(化合物4、化12)、1−(2,2
−ジフェニルエチルカルボニル)−4−〔2−ヒドロキ
シ−3−(3−ニトロフェニルオキシ)プロピル〕ピペ
ラジン(化合物5、化13)、1−(2,2−ジフェニ
ルエチルカルボニル)−4−〔2−ヒドロキシ−3−
(4−ニトロフェニルオキシ)プロピル〕ピペラジン
(化合物6、化14)、1−〔2,2−ビス(4−フル
オロフェニル)エチルカルボニル〕−4−〔3−(7−
クロロキノリン−1−イルオキシ)−2−ヒドロキシプ
ロピル〕ピペラジン(化合物7、化15)、1−〔2−
(4−クロロフェニル)−2−フェニルエチルカルボニ
ル)〕−4−〔2−ヒドロキシ−3−(4−ニトロフェ
ニルオキシ)プロピル〕ピペラジン(化合物8、化1
6)である。これらの化合物は何れも新規の化合物であ
る。これらの化合物は次に示す反応式(II)に従って
市販の原料より合成することが可能である。即ち、の
ハロゲン化物をピペラジンと反応させ、の化合物と為
す。別途、の化合物をエピハロゲノヒドリンとを水素
化ナトリウムで反応させエポキシ体とする。とを
エポキシの開環縮合反応で縮合させれば、目的物である
一般式(I)の化合物が得られる。この一般式(I)に
示される化合物は、通常の方法、例えば、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーや再結晶等で精製できる。又、
これらの塩は、極性溶媒中で相当する酸と反応させれば
容易に得られる。塩の種類としては、生理的に許容され
るものであれば特に限定はされず、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸、燐酸等の鉱酸類、クエン酸、シュウ酸、酢酸
等の有機酸類等が例示できる。これらは何れもカルシウ
ム拮抗作用が少ないための優れた安全性と、薬剤耐性癌
或いは薬剤耐性病原微生物の化学療法に於ける優れた耐
性克服作用を有するため、耐性克服剤として使用でき
る。ここで、本発明で言う耐性病原微生物であるが、一
般的に言われている病原微生物のうち、抗生物質などの
薬剤に対して耐性を獲得した微生物のこと意味し、具体
的には、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ状球
菌)、耐性大腸菌、ペニシリン耐性スピロヘータ、クロ
ロキン耐性マラリア、耐性リシューマニア等が例示でき
る。本発明の化合物は、これら耐性病原微生物の耐性を
下げる作用を有しており、これらの微生物に対する従来
の薬剤と共に罹患者に投与すると、今まで効かなかった
治療薬の抗病原微生物作用が回復され、治療不可能だっ
た病気を治療し得る。また、本化合物は、ファンシダー
ルの様な感染予防剤の効果増強剤としても用いることが
出来る。
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】
【化13】
【0016】
【化14】
【0017】
【化15】
【0018】
【化16】
【0019】
【化17】
【0020】(2)本発明の医薬組成物 本発明の医薬組成物は、上記、一般式(I)に表される
化合物及び/又はその塩と医薬製剤の為の任意成分とか
らなる。任意成分としては、賦形剤、増量剤、結合剤、
崩壊剤、着色剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、被覆剤、糖衣
剤、安定剤、pH調節剤、乳化分散剤、等張剤等が例示
できる。更には、抗癌剤や抗病原微生物剤も任意成分と
して用いても良い。本発明の医薬組成物はこれら一般式
(I)に示される化合物及びその塩から選ばれる1種以
上と任意成分とを通常の方法により製剤化し得ることが
できる。本発明の医薬組成物の剤形としては、特に限定
はされないが、例えば、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル
剤、液剤、注射剤等が例示できる。このうち、注射剤の
投与経路としては、静脈内投与、動脈内投与、門脈内投
与、皮下投与、腹腔内投与、病巣内直接投与等が例示で
きる。点滴による投与も可能である。又、経口投与では
徐放製剤と為して投与しても良い。本発明の医薬組成物
を薬物耐性癌或いは薬物耐性微生物感染症の治療に用い
る場合、好ましい投与量は、症状、年齢、体型、体調、
性別等により異なるが、成人1人1日当たり、経口投与
で10〜2000mg、注射による投与で5〜500m
gを1回乃至数回に分けて投与するのが適当である。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げ、更に詳しく本発明につ
いて説明するが、本発明がこれら実施例に何等限定を受
けないことは言うまでもない。
【0022】実施例1 化合物1の合成 3,3−ジフェニルプロピオン酸クロライド25g、ピ
ペラジン25g、ヨウ化カリウム0.1g、ベンゼン1
00mlを6時間加熱還流し、100mlの水で3回洗
った後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出溶媒クロロホルム:メタノール=100:0
→1:1)で精製し16.5gの1−(2,2−ジフェ
ニルカルボニル)ピペラジンを得た。別途、7−クロロ
−4−ヒドロキシキノリン1.2gをジメチルホルムア
ミド(DMF)に溶かした後水素化ナトリウム0.3g
を加え、これにエピブロムヒドリン2.8gを滴下し、
90℃3時間加熱攪拌した後、溶媒を減圧溜去した後ク
ロロホルム300mlを加えて抽出し、水200mlで
3回洗浄し、減圧濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶出溶媒クロロホルム:メタノール=100:
0→7:3)で精製し、7−クロロ−4−グリシジルキ
ノリンを0.89g得た。この7−クロロ−4−グリシ
ジルキノリン0.89gと前記1−(2,2−ジフェニ
ルカルボニル)ピペラジン1gとをメタノール100m
lに溶かし、室温で3日間攪拌した。反応物を減圧濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒ク
ロロホルム:メタノール=100:0→3:4)で精製
し表記化合物〓.0gを得た。 NMR(CDCl3、δppm) 2.12-2.71(m,7H)、3.06(d,2H)、3.30-3.45(m,2H)、3.48
-3.72(m,2H)、4.15-4.33(m,3H)、4.67(t,1H)、6.73(d,1
H)、7.14-7.34(m,10H)、7.45(d,1H)、8.02-8.16(m,2
H)、8.72(d,1H) 上記の如く得た化合物1500mgを酢酸エチル3ml
に溶かしこれにフマル酸220mgを酢酸エチル100
mlに加温溶解したものを加え、減圧濃縮し析出した結
晶を濾集し化合物1の塩を560mg得た。 NMR(DMSO、δppm) 2.35-2.65(m,7H)、3.22(d,2H)、3.40-3.66(m,4H)、4.20
-4.42(m,3H)、4.06(t,1H)、6.73(S,3H)、7.17(d,1H)、
7.20-7.47(m,10H)、7.72(dd,2H)、8.12(d,1H)、8.39(d,
1H)、8.86(dd,1H)
【0023】実施例2 化合物2の合成 実施例1と同様に1gの1−(2,2−ジフェニルカル
ボニル)ピペラジンと1gの5−ヒドロキシキノリンと
2gのエピブロモヒドリンを反応して得た0.6gの5
−グリシジルオキシキノリンを反応、精製し1.1gの
表記化合物を得た。 NMR(CDCl3、δppm) 2.12-2.65(m,7H)、3.06(d,2H)、3.33-3.42(m,2H)、3.52
-3.65(m,2H)、4.10-4.27(m,3H)、4.67(t,1H)、6.87(d,1
H)、7.13-7.32(m,10H)、7.39(dd,1H)、7.59(t,1H)、7.7
1(d,1H)、8.56(dd,1H)、8.90(dd,1H) この化合物2を500mg取り、酢酸エチル3mlに溶
かし、これに100mlの酢酸エチルに溶かした220
mgのフマル酸を加え、濃縮し得られた結晶を濾集し化
合物2のフマル酸塩を420mg得た。 NMR(DMSO、δppm) 2.35-2.65(m,7H)、3.22(d,2H)、3.40-3.66(m,4H)、4.20
-4.42(m,3H)、4.06(t,1H)、6.73(s,3H)、7.17(d,1H)、
7.20-7.47(m,10H)、7.72(dd,2H)、8.12(d,1H)、8.39(d,
1H)、8.86(dd,1H)
【0024】実施例3 化合物3の合成 実施例1と同様にm−クレゾール4gとエピブロムヒド
リン14.5gより3.75gの1−グリシジルオキシ
−3−メチルベンゼンを得た。このもの1gと実施例1
と同様に得られた1gの1−(2,2−ジフェニルカル
ボニル)ピペラジンとメタノール100mlを溶媒と
し、室温で3日間反応させ、濃縮、精製し表記化合物を
1.2g得た。 NMR(CDCl3、δppm) 2.12-2.60(m,10H)、3.06(d,2H)、3.31-3.41(m,2H)、3.5
2-3.63(m,2H)、3.95(m,2H)、4.01-4.13(m,1H)、4.67(t,
1H)、6.66-6.82(m,3H)、7.13-7.35(m,11H) 実施例1、2と同様に化合物3の500mgとフマル酸
130mgより化合物3のフマル酸塩を488mg得
た。 NMR(DMSO、δppm) 2.36-2.74(m,10H)、3.26(d,2H)、3.44-3.73(m,4H)、3.9
5-4.16(m,3H)、4.64(t,1H)、6.79(s,2H)、6.83-6.93(m,
3H)、7.26-7.60(m,11H)
【0025】実施例4 化合物4の合成 実施例1〜3と同様にm−メトキシフェノール5gとエ
ピブロモヒドリン16gより3.9gの1−グリシジル
オキシ−3−メトキシベンゼンを得た。この化合物1g
と実施例1と同様に得られた1gの1−(2,2−ジフ
ェニルカルボニル)ピペラジンとメタノール100ml
を溶媒とし、室温で3日間反応させ、濃縮、精製し表記
化合物を1.4g得た。 NMR(CDCl3、δppm) 2.08-2.58(m,7H)、3.04(d,2H)、2.28-3.36(m,2H)、3.50
-3.63(m,2H)、3.79(s,3H)、3.94(d,2H)、4.00-4.13(m,1
H)、6.45-6.56(m,3H)、7.14-7.32(m,11H) 実施例1、2、3と同様に化合物4の500mgとフマ
ル酸120mgより化合物4のフマル酸塩を412mg
得た。 NMR(DMSO、δppm) 2.38-2.60(m,4H)、3.26(d,2H)、3.45-3.67(m,4H)、3.88
(s,3H)、3.94-4.16(m,3H)、4.63(t,1H)、6.62-6.70(m,3
H)、6.78(s,2H)、7.26-7.60(m,11H)
【0026】実施例5 化合物5の合成 実施例1〜4と同様にm−ニトトフェノール5gとエピ
ブロモヒドリン16gより3.5gの1−グリシジルオ
キシ−3−ニトロベンゼンを得た。この化合物1gと実
施例1と同様に得られた1gの1−(2,2−ジフェニ
ルカルボニル)ピペラジンとメタノール100mlを溶
媒とし、室温で3日間反応させ、濃縮、精製し表記化合
物を1.1g得た。 NMR(CDCl3、δppm) 2.12-2.58(m,7H)、3.07(d,2H)、3.27-3.44(m,2H)、3.48
-3.70(m,2H)、3.96-4.16(m,3H)、4.67(t,1H)、7.15-7.3
6(m,11H)、7.44(t,1H)、7.76(t,1H)、7.85(dd,1H) 実施例1、2、3、4と同様に化合物5の500mgと
フマル酸120mgより化合物5のフマル酸塩を423
mg得た。 NMR(DMSO、δppm) 3.09(d,2H)、3.25-3.52(m,5H)、3.90-4.14(m,3H)、4.20
-4.45(7H)、6.61(s,2H)、7.71-7.46(m,11H)、7.58(t,1
H)、7.72(dd,1H)、7.80(dd,1H)
【0027】実施例6 化合物6の合成 実施例1〜5と同様にp−ニトトフェノール5gとエピ
ブロモヒドリン16gより3.5gの1−グリシジルオ
キシ−4−ニトロベンゼンを得た。この化合物1gと実
施例1と同様に得られた1gの1−(2,2−ジフェニ
ルカルボニル)ピペラジンとメタノール100mlを溶
媒とし、室温で3日間反応させ、濃縮、精製し表記化合
物を1.5g得た。 NMR(CDCl3、δppm) 2.12-2.63(m,7H)、3.05(d,2H)、3.30-3.45(m,2H)、3.48
-3.68(m,2H)、4.00-4.14(m,3H)、4.65(s,1H)、6.96(d,2
H)、7.14-7.32(m,10H)、8.18(d,2H) 実施例1、2、3、4と同様に化合物5の500mgと
フマル酸120mgより化合物5のフマル酸塩を423
mg得た。 NMR(DMSO、δppm) 2.34-2.60(m,7H)、3.26(d,2H)、3.47-3.69(m,4H)、4.12
-4.36(m,3H)、4.65(t,1H)、6.75(s,2H)、7.24-7.53(m,1
2H)、8.32-8.41(m,2H)
【0028】実施例7 本発明の化合物の急性毒性 ICRマウス(雄性、5週齢、体重25〜35g)を用
いて、本発明の化合物1〜6の急性毒性を調べた。即
ち、1群5匹の動物に化合物1〜5を0.1%ポリオキ
シエチレン硬化ひまし油を含有する0.1%CMC生理
食塩水中に0.01g/mlの濃度で分散し、1000
mg/Kgのドーズで経口投与した。投与後7日目に動
物の生死を判定したが、死亡例を認めなかった。これよ
り、本発明の化合物のLD50は1000mg/Kg以上
であり、安全性に優れることが判る。
【0029】実施例8 カルシウム拮抗作用 ウィスター系雄性ラット(体重300〜350g)の胸
部大動脈を用いてカルシウム拮抗作用を検討した。即
ち、ラットを放血致死後胸部大動脈を摘出し、幅3〜4
mmのリング標本を作成した。標本は混合ガス(95%
酸素+5%炭酸ガス)を通気した37℃のクレブス・ヘ
ンゼライト液を満たしたマグヌス管中に懸垂し、2gの
負荷をかけて張力変化を等尺性に記録した。カルシウム
拮抗作用は、塩化カリウムの濃度依存的収縮(10〜6
0ミリモル)の最大収縮を50%抑制する被験物のモル
濃度の負の数の対数(IC50)で表1に示す。これよ
り、本発明の化合物は何れもこの値が6以下で、カルシ
ウム拮抗作用が極めて弱いことが判る。
【0030】
【表1】
【0031】実施例9 耐性癌に対する耐性克服作用 チャイニーズハムスター由来の培養癌細胞AUXB1及
びその耐性化した細胞CHRC5を用いてマイトマイシ
ンに対する耐性克服作用を検討した。即ち、10%FC
Sを含有するα−MEM培地で2×104個/mlの濃
度の細胞分散液を調製し、それぞれ96ウェルのプレー
トに100μl分注し、37℃で1日培養した。抗癌剤
として、マイトマイシンを最終濃度が10-3〜10-11
モルになるように調製し、50μl加えた。更に、本発
明の化合物又は陽性コントロールとしてのベラパミルを
希釈し最終濃度が3×10-6モルになるように調製し、
50μl加えた。37℃で3日間培養した後、PBSに
溶解したMTT試薬(5mg/ml)を10μl加え、
37℃で4時間放置した。培養液を除去し、ジメチルス
ルホキサイド100μlを加え混合し、570nmの吸
光度を測定し、生存率を求めた。この値をもとに細胞の
50%生存濃度を求めた。CHRC5に対するマイトマ
イシンの半数生存濃度をAUBX1に対するマイトマイ
シンの半数生存濃度で除し耐性克服値とした。結果を表
2に示す。この表より、本発明の耐性克服剤は耐性癌の
薬剤耐性を下げる作用を有することが明白である。
【0032】
【表2】
【0033】実施例9 MRSAに対する作用 実験的にメチシリン耐性を持たせた黄色ブドウ状球菌と
臨床より分離されたメチシリン耐性株を用いて本発明の
化合物の存在下或いは非存在下に於ける各種抗生物質の
MICを測定した。被験菌を感受性測定用ブイヨンに接
種し、37℃、24時間の条件で前培養した後、菌数が
106個/mlになるように調製した菌液を改良ミュー
ラー・ヒントン培地に接種した。本発明の化合物をDM
SO 1mlに溶解させ、最終濃度が100μgになる
よう調製し培地に加えた。ネガティブコントロールには
10%DMSOのみを用いた。各種抗生物質は最高濃度
(最終濃度として)のものを調製し、完全に菌が発育を
阻止される濃度をMICとした。判定は接種後42℃2
4時間培養した後行った。各種抗生物質の最高濃度は次
の通りにした。メチシリン:800μg/ml、セフメ
タゾール:100μg/ml、フォスフォマイシン40
0μg/ml、シプロキサシン:100μg/ml、ノ
ルフロキサシン:400μg/ml。尚、対照は前述の
薬剤無投与のネガティブコントロール、及び、現在まで
有力な耐性克服薬として知られている、1−ジベンゾス
ベリル−4−〔3−(7−クロロキノリン−4−イルオ
キシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン(化合物
A)100μg/ml、1−ジフェニルアセチル−4−
〔3−(キノリン−4−イルオキシ)−2−ヒドロキシ
プロピル〕ピペラジン(化合物B)100μg/mlを
用いた。結果を表3、4に示す。これより、本発明の化
合物は、従来の薬剤耐性克服剤が効きにくいMRSAに
対しても、優れた耐性克服作用を示すことが明かであ
る。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【発明の効果】本発明の化合物は、カルシウム拮抗作用
が極めて弱く、従って安全性も高い上優れた耐性克服作
用を有するので、癌の治療、病原微生物による疾病の治
療に大変有益である。
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 215/22 295/18 A //(A61K 45/00 31:495)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)に表される化合物及び生理
    的に許容されるその塩。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(I)中、nが1であり、X及び
    Yが水素原子であることを特徴とする、請求項1記載の
    化合物及び生理的に許容されるその塩。
  3. 【請求項3】 一般式(I)に表される化合物が、次に
    挙げる化合物の何れかである、請求項1記載の化合物及
    び生理的に許容されるその塩。1−(2,2−ジフェニ
    ルエチルカルボニル)−4−〔3−(7−クロロキノリ
    ン−4−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペ
    ラジン(化合物1、化2)、1−(2,2−ジフェニル
    エチルカルボニル)−4−〔2−ヒドロキシ−3−(キ
    ノリン−5−イルオキシ)プロピル〕ピペラジン(化合
    物2、化3)、1−(2,2−ジフェニルエチルカルボ
    ニル)−4−〔2−ヒドロキシ−3−(3−メチルフェ
    ニルオキシ)プロピル〕ピペラジン(化合物3、化
    4)、1−(2,2−ジフェニルエチルカルボニル)−
    4−〔2−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニルオ
    キシ)プロピル〕ピペラジン(化合物4、化5)、1−
    (2,2−ジフェニルエチルカルボニル)−4−〔2−
    ヒドロキシ−3−(3−ニトロフェニルオキシ)プロピ
    ル〕ピペラジン(化合物5、化6)、1−(2,2−ジ
    フェニルエチルカルボニル)−4−〔2−ヒドロキシ−
    3−(4−ニトロフェニルオキシ)プロピル〕ピペラジ
    ン(化合物6、化7) 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の化合物及び/又は生
    理的に許容される塩からなる薬剤耐性克服剤。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の薬剤耐性克服剤を1種以
    上含有する癌治療用の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の薬剤耐性克服剤を1種以
    上含有する微生物感染症予防又は治療用の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 微生物感染症が黄色ブドウ状球菌、マラ
    リア原虫、トリパノソーマ、大腸菌、スピロヘータを病
    原菌とするものであることを特徴とする、請求項6記載
    の医薬組成物。
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