JPH0892199A - 新規なn−(2−シンナミルアミノエチル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体 - Google Patents

新規なn−(2−シンナミルアミノエチル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体

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JPH0892199A
JPH0892199A JP6258754A JP25875494A JPH0892199A JP H0892199 A JPH0892199 A JP H0892199A JP 6258754 A JP6258754 A JP 6258754A JP 25875494 A JP25875494 A JP 25875494A JP H0892199 A JPH0892199 A JP H0892199A
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cinnamylaminoethyl
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駿 石黒
Shinichi Shimada
信一 島田
Yuzo Yagi
勇三 八木
Makoto Yoshihama
誠 吉浜
Masaji Nakayama
正次 中山
Michiko Ishikawa
みち子 石川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式IのN−(2−シンナミルアミノエチ
ル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体またはその酸付
加塩 〔Rは水素または−NR基(R,Rは水素
またはC1〜5のアルキル基で、同一であっても異なっ
てもよい。)を、Xは水素またはハロゲン原子を示
す。〕 【効果】 広範囲の抗菌スペクトルを有し、抗菌剤、抗
カビ剤あるいは除草剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なN−(2−シン
ナミルアミノエチル)ナフタレンスルフォンアミド誘導
体およびその酸付加塩に関する。本発明の化合物は、広
範囲の抗菌スペクトルを有するので、抗菌剤、抗カビ
剤、あるいは除草剤の有効成分として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、スルフォンアミド誘導体について
は、そのキノリンスルフォンアミド誘導体及びイソキノ
リンスルフォンアミド誘導体が気管支拡張効果を有する
ことが知られている〔特開平3-258763号公報〕。また、
N−(2−シンナミルアミノエチル)−5−イソキノリ
ンスルフォンアミド(H−88)及びN−〔2−(p−
ブロモシンナミルアミノ)エチル〕−5−イソキノリン
スルフォンアミド(H−89)がプロテインキナーゼ阻
害効果を有することが知られている〔The Journal of B
iological Chemistry, vol.265,pp.5267-5272, 199
0〕。しかしながら、N−(2−シンナミルアミノエチ
ル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体に関する報告は
未だ無く、したがって、これらの化合物の生理活性につ
いても知られていない現状にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、広範囲
の抗菌スペクトルを有する物質について研究を進めてい
たところ、合成により得られた一連のN−(2−シンナ
ミルアミノエチル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体
にこのような性質があることを見出し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明の課題は、広範囲の抗菌スペクト
ルを有する新規なN−(2−シンナミルアミノエチル)
ナフタレンスルフォンアミド誘導体を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の一般式
(I)
【化2】 〔式中、R1 は水素または−NR2 3 基(R2,R3
水素または炭素数1〜5のアルキル基で、同一であって
もよく異なっていてもよい。)を示し、Xは水素または
ハロゲン原子を示す。〕で表されるN−(2−シンナミ
ルアミノエチル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体ま
たはその酸付加塩に関する。炭素数1〜5のアルキル基
には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基等があ
る。
【0005】本発明の化合物(I)は、次の一般式(I
I)
【化3】 〔式中、Xは水素またはハロゲン原子を示し、Yはハロ
ゲン原子を示す。〕で表されるシンナミル誘導体を1,
2−ジアミノエタンと縮合させることにより得られる次
の一般式 (III)
【化4】 〔式中、Xは水素またはハロゲン原子を示す。〕で表さ
れる化合物を次の一般式 (IV)
【化5】 〔式中、R1 は水素または−NR2 3 基(R2,R3
水素または炭素数1〜5のアルキル基で、同一であって
もよく異なっていてもよい。)を示す。〕で表されるナ
フタレンスルフォニルクロリド誘導体と、酸受容体の存
在下または非存在下に、縮合させることにより得ること
ができる。
【0006】また、本発明の化合物(I)は、次の一般
式 (IV)
【化6】 〔式中、R1 は水素または−NR2 3 基(R2,R3
水素または炭素数1〜5のアルキル基で、同一であって
もよく異なっていてもよい。)を示す。〕で表されるナ
フタレンスルフォニルクロリド誘導体を1,2−ジアミ
ノエタンと縮合させることにより得られる次の一般式
(V)
【化7】 〔式中、R1 は水素または−NR2 3 基(R2,R3
水素または炭素数1〜5のアルキル基で、同一であって
もよく異なっていてもよい。)を示す。〕で表される化
合物を次の一般式 (II)
【化8】 で表されるシンナミル誘導体と、酸受容体の存在下また
は非存在下に、縮合させることにより得ることができ
る。
【0007】上記の反応に用いる溶媒としては、反応を
阻害しないものであればいかなるものでもよく、例え
ば、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメ
タン、四塩化炭素、エーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルスル
ホキシドなどを挙げることができる。また、上記の反応
に用いる酸受容体としては、例えば、ピリジン、トリエ
チルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナ
トリウムなどを挙げることができる。さらに、上記の反
応は、氷冷下から溶媒の還流温度までの温度範囲で行う
ことができる。
【0008】そして、得られた本発明のN−(2−シン
ナミルアミノエチル)ナフタレンスルフォンアミド誘導
体を反応液から単離精製するには、通常の化合物の単離
精製に用いられている化学操作、すなわち、抽出、濃
縮、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィーな
どを適宜用いて行うことができる。
【0009】本発明のN−(2−シンナミルアミノエチ
ル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体は、必要に応じ
て、常法により酸付加塩とすることもできる。なお、酸
としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、炭
酸などの無機酸、あるいは、酢酸、乳酸、コハク酸、酒
石酸、リンゴ酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トルエ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸を用い
ることができる。
【0010】また、本発明のN−(2−シンナミルアミ
ノエチル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体を医薬と
して使用する場合には、適当な賦形剤、担体、希釈剤な
どを用いて錠剤、カプセル剤、顆粒、粉末または注射剤
などの剤形とし、経口または非経口的に投与することが
できる。また、除草剤として使用する場合にも適当な賦
形剤、担体、希釈剤などを用いて散布することができ
る。
【0011】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、これは本発明を具体例によって理解し易
くするためのものであり、本発明については実施例によ
り何ら限定されるものではない。
【実施例1】N−(2−シンナミルアミノエチル)−1−ナフタレン
スルフォンアミド 1,2−ジアミノエタン(200ml) のクロロホルム溶液(1
500ml)に、シンナミルクロリド(50ml)のクロロホルム溶
液(500ml) を氷水浴中で滴下し、室温で2時間撹拌した
後、10%塩酸で抽出(700ml×3回) した。そして、クロ
ロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮
してシンナミルアミノエチルアミンを定量的に得た。次
に、シンナミルアミノエチルアミン(3.26g) のクロロホ
ルム溶液(65ml)にナフタレン−1−スルフォニルクロリ
ド(3.90g) のクロロホルム溶液(65ml)を滴下し、室温で
一晩攪拌した後、析出物を濾別し、その濾液に10%水酸
化ナトリウム溶液を加え、クロロホルム(100ml×3回)
で抽出した。そして、クロロホルム層を飽和食塩水で洗
浄し、無水炭酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し
た。さらに、残渣(7.01g) をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル200g、溶媒:10%メタノール/
クロロホルム)で精製し、以下の物性を有する標題化合
物2.21g (収率:35.1%)を油状物として得た。
【0012】MS: 366 (M + ) IR:νKBr cm-1: 3300,3050,3030,2850,1600,1450,13
20,1160,1135,7701 H−NMR(CDCl3)δ:2.59(2H,t,J=5.8Hz),2.97(2H,
t,J=5.8Hz),3.04(2H,dd,J=6.4Hz,1.4Hz),5.97(1H,dt,J=
15.8Hz,6.4Hz),6.29(1H,d,J=15.8Hz),7.19-7.30(5H,m),
7.49(1H,dd,J=7.9Hz,7.9Hz),7.54(1H,dd,J=7.9Hz,7.9H
z),7.63(1H,ddd,J=7.3Hz,7.3Hz,1.2Hz),7.90(1H,d,J=8.
0Hz),8.02(1H,d,J=8.2Hz),8.35(1H,dd,J=7.3Hz,1.2Hz),
8.69(1H,d,J=8.6Hz)
【0013】
【実施例2】N−(2−シンナミルアミノエチル)−2−ナフタレン
スルフォンアミド塩酸塩 実施例1で中間体として得られたシンナミルアミノエチ
ルアミン(3.15g) のクロロホルム溶液(60ml)に、ナフタ
レン−1−スルフォニルクロリド(3.84g) のクロロホル
ム溶液(60ml)を滴下し、室温で一晩撹拌した後、析出物
を濾別し、その濾液に10%水酸化ナトリウム溶液を加
え、クロロホルム(100ml×3回)で抽出した。そして、
クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄し、無水炭酸ナトリ
ウムで乾燥した後、減圧濃縮した。さらに、残渣(5.31
g) をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル100g、溶媒:クロロホルム)で精製し、白色粉末 1.6
0gを得た。このようにして得られた白色粉末をメタノー
ルに溶解し、液性が酸性になるまで4N塩酸/ジオキサ
ン溶液を加えた。そして、析出物を濾取し、2−プロパ
ノールから再結晶して、以下の物性を有する標題化合物
を得た。
【0014】融点: 206〜210 ℃ MS: 366 (M + ) IR:νKBr cm-1: 3300,2950,2780,2410,1585,1435,14
10,1320,1160,7451 H−NMR(DMSO-d6)δ:3.00(2H,t,J=6.0Hz),3.10(2
H,t,J=6.0Hz),3.70(2H,d,J=7.0Hz),6.27(1H,dt,J=15.8H
z,7.0Hz),6.76(1H,d,J=15.8Hz),7.29-7.43(5H,m),7.65-
7.73(2H,m),8.05(1H,d,J=7.0Hz),8.14-8.19(2H,m),8.47
(1H,d,J=1.5Hz) 元素分析値:C21232 2 SClとして計算 C(%) H(%) N(%) S(%) 理論値 62.60 5.75 6.95 7.96 実測値 62.21 6.05 6.99 7.98
【0015】
【実施例3】N−(2−シンナミルアミノエチル)−5−ジメチルア
ミノ−1−ナフタレンスルフォンアミド 実施例1で中間体として得られたシンナミルアミノエチ
ルアミン(1.36g) のピリジン溶液(25ml)に、1−ジメチ
ルアミノナフタレン−5−スルフォニルクロリド(1.02
g) のジクロルメタン溶液(25ml)を滴下し、室温で一晩
撹拌した後、溶媒を留去し、残渣に水(30ml)を加え、ジ
クロルメタン (30ml×2回)で抽出した。そして、ジク
ロルメタン層を飽和食塩水(30ml)で洗浄し、無水炭酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。さらに、残渣
(2.20g) をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル 40g、溶媒:酢酸エチル)で精製し、以下の物性
を有する標題化合物 1.14gを油状物として得た。
【0016】MS: 409 (M + ) IR:νKBr cm-1: 2950,2830,1590,1575,1460,1320,11
60,1140,7901 H−NMR(CDCl3)δ:2.56(2H,t,J=5.5Hz),2.80(6H,
s),2.98(2H,t,J=6.4Hz),2.99(2H,t,J=6.1Hz),5.94(1H,d
t,J=15.9Hz,6.4Hz),6.27(1H,d,J=15.8Hz),7.09(1H,d,J=
7.3Hz),7.16-7.27(5H,m),7.46(1H,dd,J=7.4Hz,8.6Hz),
7.51(1H,dd,J=7.6Hz,8.5Hz),8.26(1H,dd,J=1.2Hz,7.4H
z),8.39(1H,d,J=8.9Hz),8.50(1H,d,J=8.6Hz)
【0017】
【実施例4】N−(2−シンナミルアミノエチル)−5−ジブチルア
ミノ−1−ナフタレンスルフォンアミド 実施例1で中間体として得られたシンナミルアミノエチ
ルアミン(0.54g) のピリジン溶液(10ml)に、1−ジブチ
ルアミノナフタレン−5−スルフォニルクロリド(1.00
g) のピリジン溶液(10ml)を滴下し、室温で 1.5時間撹
拌した後、溶媒を留去し、残渣に水(10ml)を加え、ジク
ロルメタン (20ml×2回)で抽出した。そして、ジクロ
ルメタン層を飽和食塩水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。さらに、残渣
(1.50g) をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル 30g、溶媒:クロロホルム)で精製し、以下の物
性を有する標題化合物 0.35gを油状物として得た。
【0018】MS: 493 (M + ) IR:νKBr cm-1: 2950,2930,1575,1460,1325,1160,11
40,7901 H−NMR(CDCl3)δ:0.78(6H,t,J=7.3Hz),1.20(4H,
dt,J=15.0Hz,J=7.3Hz),1.38(4H,dt,J=15.0Hz,J=7.3Hz),
2.57(2H,dd,J=5.5Hz,5.5Hz),2.93(2H,dd,J=5.5Hz,5.5H
z),2.98(2H,dd,J=1.2Hz,6.4Hz),3.03(4H,dd,J=7.3Hz,7.
3Hz),5.97(2H,dt,J=15.8Hz,6.4Hz),6.29(1H,d,J=15.8H
z),7.15-7.27(6H,m),7.45(1H,dd,J=7.3Hz,8.5Hz),7.53
(1H,dd,J=7.6Hz,8.5Hz),8.21(1H,dd,J=1.5Hz,7.3Hz),8.
31(1H,d,J=8.8Hz),8.59(1H,d,J=8.5Hz)
【0019】
【実施例5】N−〔2−(p−ブロモシンナミルアミノ)エチル〕−
1−ナフタレンスルフォンアミド p−ブロモシンナミックアシッド(100.21g) のテトラヒ
ドロフラン溶液(400ml)に、チオニルクロリド(100ml、
163.8g) のテトラヒドロフラン溶液(100ml)を室温で滴
下し、滴下終了後、反応液を3時間加熱還流し、減圧濃
縮した。得られた残渣をテトラヒドロフラン(800ml) に
溶解し、氷浴中で水素化リチウムアルミニウム(10.00g)
を少量ずつ加えた。そして、0℃で1時間撹拌した後、
水(60ml)を加えて室温で30分撹拌した。この反応液に、
さらに水(200ml) を加え、10%塩酸で酸性とし、水層と
テトラヒドロフラン層を分離した後、水層を酢酸エチル
(300ml×3回) で抽出した。この酢酸エチル層とテトラ
ヒドロフラン層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液(200ml) 及び飽和食塩水(300ml) で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた油状
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
1000g、溶媒:ジクロロメタン)で精製し、p−ブロモ
シンナミルアルコール72.00g (収率76.3%)を得た。
【0020】p−ブロモシンナミルアルコール(50.14g)
のエーテル溶液(300ml) に、チオニルクロリド (50ml、
81.9g)のエーテル溶液(200ml) を滴下し、室温で一晩撹
拌した。この反応液を減圧濃縮して得られた油状物のク
ロロホルム溶液(800ml) を、1,2−ジアミノエタン(1
50ml) のクロロホルム溶液(1,500ml) に加え、2時間加
熱還流した。そして、反応液を10%塩酸(800ml×4回)
で抽出した後、水層に水酸化ナトリウムを加え、アルカ
リ性とした。この水層をクロロホルム(400ml×4回)で
抽出した後、飽和食塩水(300ml) で洗浄し、無水炭酸カ
リウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた油状物を
アセトンに溶解し、飽和塩化水素メタノール溶液を加
え、析出物を濾取した。この析出物をアセトンで洗浄
し、乾燥してp−ブロモシンナミルアミノエチルアミン
塩酸塩 36.84g(収率53.7%)を白色粉末として得た。こ
のp−ブロモシンナミルアミノエチルアミン塩酸塩をア
ルカリ性の条件下でクロロホルム抽出し、溶媒を減圧留
去してp−ブロモシンナミルアミノエチルアミンとし
た。
【0021】p−ブロモシンナミルアミノエチルアミン
(2.05g) のピリジン溶液(20ml)に、ナフタレン−1−ス
ルフォニルクロリド(1.00g) のクロロホルム溶液(30ml)
を滴下し、室温で一晩撹拌した後、反応液を減圧濃縮
し、得られた残渣に水(80ml)を加え、クロロホルム (60
ml×3回)で抽出した。このクロロホルム層を飽和食塩
水(60ml×3回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル 30g、溶媒:酢酸エチル)で
精製し、以下の物性を有する標題化合物 0.86g (収率4
3.8%) を淡黄色粉末として得た。
【0022】融点: 79〜82℃ MS: 446 (M + ) IR:νKBr cm-1: 3290,2840,1485,1320,1160,1135,77
01 H−NMR(CDCl3)δ:2.55(2H,t,J=5.8Hz),2.96(2H,
t,J=5.8Hz),2.98(2H,dd,J=6.1Hz,1.2Hz),5.91(1H,dt,J=
15.9Hz,6.1Hz),6.17(1H,d,J=15.9Hz),7.06(2H,d,J=8.5H
z),7.34(2H,d,J=8.6Hz),7.45(1H,dd,J=7.3Hz,8.2Hz),7.
49(1H,ddd,J=1.2Hz,7.0Hz,7.9Hz),7.58(1H,ddd,J=1.2H
z,6.7Hz,8.2Hz),7.86(1H,d,J=7.9Hz),7.98(1H,d,J=8.2H
z),8.23(1H,dd,J=1.2Hz,7.3Hz),8.68(1H,d,J=8.6Hz)
【0023】
【実施例6】N−〔2−(p−ブロモシンナミルアミノ)エチル〕−
2−ナフタレンスルフォンアミド 実施例5で中間体として得られたp−シンナミルアミノ
エチルアミン(1.97g)のピリジン溶液(20ml)に、ナフタ
レン−2−スルフォニルクロリド(1.15g) のクロロホル
ム溶液(40ml)を滴下し、室温で一晩撹拌した後、反応液
を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル 30g、溶媒:酢酸エチル)で
精製し、以下の物性を有する標題化合物 1.21g (収率5
2.9%) を白色粉末として得た。
【0024】融点: 121〜122 ℃ MS: 446 (M + ) IR:νKBr cm-1: 3320,1490,1300,1150,1130,1100,10
751 H−NMR(DMSO-d6)δ:2.71(2H,t,J=5.5Hz),3.04(2
H,t,J=5.8Hz),3.23(2H,dd,J=1.2Hz,J=6.1Hz),6.10(1H,d
t,J=15.9Hz,6.9Hz),6.32(1H,d,J=15.9Hz),7.13(2H,d,J=
8.5Hz),7.38(2H,d,J=8.5Hz),7.48(1H,ddd,J=8.2Hz,7.9H
z,1.2Hz),7.64(1H,ddd,J=8.2Hz,7.0Hz,1.2Hz),7.82(1H,
dd,J=8.5Hz,J=1.2Hz),7.87(1H,d,J=8.5Hz),7.92(1H,d,J
=8.6Hz),7.93(1H,d,J=7.9Hz),8.42(1H,d,J=1.5Hz)
【0025】
【実施例7】N−〔2−(p−ブロモシンナミルアミノ)エチル〕−
5−ジブチルアミノ−1−ナフタレンスルフォンアミド 実施例5で中間体として得られたp−シンナミルアミノ
エチルアミン(1.81g)のピリジン溶液(20ml)に、1−ジ
ブチルアミノナフタレン−5−スルフォニルクロリド
(1.00g) のクロロホルム溶液(40ml)を滴下し、室温で一
晩撹拌した後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に水
(100ml) を加え、クロロホルム(50ml×3回)で抽出し
た。このクロロホルム層を飽和食塩水(50ml)で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。
さらに、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル 35g、溶媒:酢酸エチル)で精製し、以下
の物性を有する標題化合物 1.31g (収率81.7%) を油状
物として得た。
【0026】MS: 572 (M + ) IR:νKBr cm-1: 2950,2930,2860,1590,1575,1490,14
60,1320,1160,1140,790 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.81(6H,t,J=7.3Hz),1.22(2H,
q,J=7.3Hz),1.25(2H,q,J=7.3Hz),1.41(2H,q,J=7.3Hz),
1.43(2H,q,J=7.3Hz),2.61(2H,t,J=5.5Hz),2.99(2H,t,J=
5.5Hz),3.02(2H,dd,J=6.1Hz,1.2Hz),3.07(4H,t,J=7.3H
z),6.00(2H,dt,J=15.9Hz,6.1Hz),6.26(1H,d,J=15.9Hz),
7.11(2H,d,J=8.5Hz),7.23(1H,d,J=7.3Hz),7.37(2H,d,J=
8.2Hz),7.47(1H,dd,J=8.5Hz,7.3Hz),7.54(1H,dd,J=7.6H
z,J=7.6Hz),8.24(1H,dd,J=7.3Hz,J=0.9Hz),8.37(1H,d,J
=8.5Hz)
【0027】
【試験例1】実施例1〜7で得られた本発明のN−(2
−シンナミルアミノエチル)ナフタレンスルフォンアミ
ド誘導体について、抗菌活性試験を行った。 化合物 (1):N−(2−シンナミルアミノエチル)−1
−ナフタレンスルフォンアミド 化合物 (2):N−(2−シンナミルアミノエチル)−2
−ナフタレンスルフォンアミド塩酸塩 化合物 (3):N−(2−シンナミルアミノエチル)−5
−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルフォンアミド 化合物 (4):N−(2−シンナミルアミノエチル)−5
−ジブチルアミノ−1−ナフタレンスルフォンアミド 化合物 (5):N−〔2−(p−ブロモシンナミルアミ
ノ)エチル〕−1−ナフタレンスルフォンアミド 化合物 (6):N−〔2−(p−ブロモシンナミルアミ
ノ)エチル〕−2−ナフタレンスルフォンアミド 化合物 (7):N−〔2−(p−ブロモシンナミルアミ
ノ)エチル〕−5−ジブチルアミノ−1−ナフタレンス
ルフォンアミド
【0028】本発明のN−(2−シンナミルアミノエチ
ル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体の抗菌活性試験
は、田中信夫、中村昭四郎の方法に従って測定した〔抗
生物質大要、化学と生物活性、第4版、東京大学出版
会、p17(感受性ディスク法)、1992年〕。すなわち、ジ
メチルスルフォキシドを溶媒として、 10mg/mlの濃度と
なるように調製した上記の被験化合物を8mm径のペーパ
ーディスク当たり 200μg(20μl)含有させ、表1に示し
た12種の細菌及び糸状菌を検定プレートに接種して、各
々の適温にて培養後、生じた阻止円の大きさを測定し
た。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明のN−(2−シンナミルアミノエ
チル)ナフタレンスルフォンアミド誘導体は、広範囲の
抗菌スペクトルを有するので、抗菌剤、抗カビ剤、ある
いは除草剤の有効成分として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉浜 誠 栃木県宇都宮市江曽島町1400−8 (72)発明者 中山 正次 栃木県宇都宮市西川田本町17−14 (72)発明者 石川 みち子 栃木県宇都宮市新富町2−25

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I)で表されるN−(2−
    シンナミルアミノエチル)ナフタレンスルフォンアミド
    誘導体またはその酸付加塩。 【化1】 〔式中、R1 は水素または−NR2 3 基(R2,R3
    水素または炭素数1〜5のアルキル基で、同一であって
    もよく異なっていてもよい。)を示し、Xは水素または
    ハロゲン原子を示す。〕
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