JPH0892086A - アトピー性皮膚炎治療剤 - Google Patents

アトピー性皮膚炎治療剤

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JPH0892086A
JPH0892086A JP10947895A JP10947895A JPH0892086A JP H0892086 A JPH0892086 A JP H0892086A JP 10947895 A JP10947895 A JP 10947895A JP 10947895 A JP10947895 A JP 10947895A JP H0892086 A JPH0892086 A JP H0892086A
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JP
Japan
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group
atopic dermatitis
carbon atoms
therapeutic agent
alkyl group
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Application number
JP10947895A
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English (en)
Inventor
Hideji Takagaki
秀次 高垣
Yasuo Aoki
康夫 青木
Shigenori Nakanishi
滋典 中西
Masayoshi Abe
真好 阿部
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1) 【化1】 (R1はH、アシル基、アルキル基又はアルケニル基、
2はH、アルキル基又はアルケニル基、R3はH又はア
シル基)又は一般式(2) 【化2】 (R1はアシル基、アルキル基又はアルケニル基、R2
アルキル基又はアルケニル基)を有効成分とするアトピ
ー性皮膚炎治療剤 【効果】 アトピー性皮膚炎に対し優れた効力を有する
安全性の高い薬剤を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベンゾピラン誘導体又
はその生理学的に許容される塩を有効成分とするアトピ
ー性皮膚炎治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アトピー性皮膚炎とはアレルギー反応の
一種である。アレルギー反応はその作用機序により、I
型〜IV型に分類され、これらの型の1種以上が副次的、
複合的に関与し種々の疾患が発現すると言われており、
アトピー性皮膚炎はそのうちI型とIV型、特にIV型が関
与するとされている。I型は即時型とも言われ抗体が関
与するものであり、IV型は遅延型とも言われ細胞性免疫
が関与するものであり、両者は作用機序が大きく異な
る。従来、アトピー性皮膚炎の治療に対しては抗ヒスタ
ミン剤やステロイド剤等が用いられているが、I型のみ
に効果のある抗ヒスタミン剤は、アトピー性皮膚炎に対
しては十分な効力を示さす、しかも中枢性の副作用を有
するものがあり、またIV型にも効果があるステロイド剤
は、高い効力を有するものの重篤な副作用を有するた
め、使用に当たって非常に注意を要するという欠点があ
る。従って非ステロイド系でかつI型、IV型アレルギー
に効果のある、低毒性かつアトピー性皮膚炎に優れた効
力を有する薬剤が強く望まれている。
【0003】一方、本発明者らは本発明の特定化合物を
包含する種々のベンゾピラン誘導体並びにその生理学的
に許容される塩が、抗原抗体反応に基づくアレルギーに
対して優れた抑制作用を有する事を既に見い出している
(WO92/13852)。しかしながら、本発明の特
定のベンゾピラン誘導体が、アトピー性皮膚炎に対して
特に優れた治療作用を有することは確認されていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低毒性かつ
優れた細胞性免疫抑制作用を有するアトピー性皮膚炎治
療剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、既存アト
ピー性皮膚炎治療剤の問題を解決するため、多数の化合
物を合成し且つそれらのアトピー性皮膚炎治療作用を検
討した結果、下記の一般式(1)及び(2)で表される
特定のベンゾピラン誘導体が、特に優れたアトピー性皮
膚炎治療作用を有するとともにその毒性も低いことを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、一般式(1)
【0007】
【化3】
【0008】(式中R1は水素原子、アシル基、アルキ
ル基又はアルケニル基を、R2は水素原子、アルキル基
又はアルケニル基を、R3は水素原子又はアシル基を示
す)、又は一般式(2)
【0009】
【化4】
【0010】(式中R1はアシル基、アルキル基又はア
ルケニル基を、R2はアルキル基又はアルケニル基を示
す)で表されるベンゾピラン誘導体及びその生理学的に
許容される塩を有効成分とするアトピー性皮膚炎治療剤
に関するものである。
【0011】本発明のアトピー性皮膚炎治療剤は上記一
般式(1)又は(2)で示される化合物を有効成分とす
る。以下本発明のアトピー性皮膚炎治療作用を有する化
合物について説明する。
【0012】一般式(1)におけるR1は、水素原子、
アシル基、アルキル基、アルケニル基であり、アシル基
としては例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、イソブチリル基、バレリル基等のアルカノイル基、
ベンゾイル基等のアロイル基等からなる炭素数2〜7の
アシル基が挙げられる。特に好ましくは炭素数2〜5の
アルカノイル基及びベンゾイル基が挙げられる。
【0013】アルキル基としては、直鎖状又は分岐状の
どちらでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルペンチル基、
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等が挙
げられる。好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは
炭素数2〜10のアルキル基が挙げられる。
【0014】アルケニル基としては、直鎖状又は分岐状
のどちらでもよく、例えばビニル基、プロペニル基、ペ
ンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル
基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブ
テニル基、ゲラニル基、デセニル基等が挙げられる。好
ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは、炭素数2〜
10のアルケニル基が挙げられる。
【0015】また一般式(1)におけるR2は、水素原
子、アルキル基又はアルケニル基であり、アルキル基と
しては直鎖状又は分岐状どちらでもよく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、
2−メチルペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、
エチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等の炭
素数1〜12のアルキル基であり、より好ましくは、炭
素数4〜12のアルキル基であり、更に好ましくはヘキ
シル基、オクチル基、ドデシル基等の炭素数6〜12の
アルキル基である。
【0016】アルケニル基としては直鎖状又は分岐状の
どちらでもよく、例えばビニル基、プロペニル基、ペン
テニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル
基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブ
テニル基、ノニル基、デセニル基、ゲラニル基等のアル
ケニル基等が挙げられ、好ましくは炭素数2〜12、特
に好ましくはビニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、
オクテニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基であ
る。
【0017】一般式(1)におけるR3は水素原子又は
アシル基であり、アシル基の例としてはアセチル基、プ
ロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基等のアルカ
ノイル基、ベンゾイル基等のアロイル基等の炭素数2〜
7のアシル基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4の
アルカノイル基が挙げられる。
【0018】次に一般式(2)におけるR1は、アシル
基、アルキル基又はアルケニル基であり、アシル基の好
ましい例としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチリ
ル基、イソブチリル基、バレリル基等のアルカノイル
基、ベンゾイル基等のアロイル基が挙げられる。特に好
ましくは、炭素数2〜5のアルカノイル基、ベンゾイル
基が挙げられる。
【0019】アルキル基としては、直鎖状又は分岐状の
どちらでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルペンチル基、
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等が挙
げられる。好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは
炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
【0020】アルケニル基としては、直鎖状又は分岐状
のどちらでもよく、好ましくは例えばビニル基、プロペ
ニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、
オクテニル基、3ーメチル−2−ブテニル基、3ーメチ
ル−3−ブテニル基、ゲラニル基、デセニル基等が挙げ
られる。特に好ましくは、炭素数2〜10のアルケニル
基が挙げられる。
【0021】一般式(2)におけるR2はアルキル基又
はアルケニル基であり、アルキル基としては直鎖状又は
分岐状どちらでもよく、例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基
等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、ヘキシ
ル基、オクチル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のア
ルキル基であり、更に好ましくはヘキシル基、オクチル
基、ドデシル基等の炭素数6〜12のアルキル基であ
る。
【0022】アルケニル基としては直鎖状又は分岐状の
どちらでもよく、例えばビニル基、プロペニル基、ペン
テニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル
基、3−メチル−2−ブテニル基、3ーメチル−3−ブ
テニル基、ノニル基、デセニル基、ゲラニル基等のアル
ケニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基、ヘキセニ
ル基、ヘプテニル基、オクテニル基等の炭素数2〜10
のアルケニル基である。
【0023】本発明のアトピー性皮膚炎治療剤の有効成
分のうち特に好ましいものとしては、一般式(1)にお
いてR1及びR2がアルキル基でありR3が水素原子であ
る化合物や、R1及びR3が水素原子でありR2がアルキ
ル基である化合物や、R1及びR3がアシル基でありR2
がアルキル基である化合物等が挙げられる。又一般式
(2)においてR1がアルキル基、R2がアルキル基であ
る化合物等が挙げられる。
【0024】次に本発明の具体的な化合物例を表1〜8
に列挙する。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】また、本発明のベンゾピラン誘導体の生理
学的に許容される塩も本発明の範囲に含まれる。ここで
いう生理学的に許容される塩とは、例えば上記に示され
る化合物のアルカリ付加塩であり、例えばナトリウム
塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アン
モニウム塩等の無毒の塩が挙げられる。
【0034】本発明の一般式(1)又は(2)で示され
るベンゾピラン誘導体は、本発明者らが先に出願した既
知化合物であり、本発明者らが提案した合成方法により
製造することが出来、詳細はWO92/13852に記
載してある。製造方法として一例を挙げると、例えば化
合物49(3,7−ジアセトキシ−4−エトキシ−2H
−1−ベンゾピラン−2−オン)を製造する場合の概略
は以下の通りである。
【0035】
【化5】
【0036】まず、2,4−ジヒドロキシアセトフェノ
ン(a)のヒドロキシル基をベンジル基で保護し(b)
とする。次に炭酸ジメチルにより増炭反応を行いケトエ
ステル体(c)とし、更に過酸化ベンゾイルと反応させ
(d)とする。ここでヒドロキシル基の保護基として用
いているベンジル基を水素化分解により脱保護し、酸で
処理する事によりベンゾイルオキシ体(e)となる。こ
のベンゾイルオキシ体(e)を、非水系で金属アルコキ
シドを用いる事によりベンゾイル基の脱離を行い、ベン
ゾピラン誘導体(f)が得られる。次に、ベンゾピラン
誘導体(f)の3位及び7位水酸基のアシル化を行い、
3,7−ジアセトキシ−4−ヒドロキシ−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−オン(g)を得、更に氷冷下、ジアセ
トキシ体(g)を臭化エチルと室温にて反応させ、化合
物49を合成することが出来る。
【0037】その他の本発明のベンゾピラン誘導体につ
いても好適な保護基を選択し、適宜これを用いる事によ
り同様にして製造する事ができる。
【0038】本発明のベンゾピラン誘導体又はその生理
学的に許容される塩を有効成分とするアトピー性皮膚炎
治療剤は、アトピー性皮膚炎によるかゆみや腫れ、発疹
等の不快症状の緩和・抑制のみならず、アトピー性皮膚
炎と同様に細胞性免疫が主に関与するとされている疾
患、例えば、漆、銀杏、金属、薬剤等によるアレルギー
性接触性皮膚炎にも優れた効果を有し、細胞性免疫抑制
剤としてこれらの疾患への適用が可能である。
【0039】また本発明のベンゾピラン誘導体又はその
生理学的に許容される塩を有効成分とするアトピー性皮
膚炎治療剤は、経口又は非経口投与(例えば静脈内投
与、皮下投与、経皮投与又は直腸内投与等)することが
出来、投与に際してはそれぞれの投与法に適した製剤形
態に調製することが出来る。かかる製剤は、その用途に
応じて錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、トロ
ーチ剤、舌下錠、坐剤、軟膏剤、注射剤、乳剤、懸濁
剤、シロップ剤等の製剤形体に調製することが出来る。
これらの調製に際しては、例えばこの種の薬剤に通常使
用されている無毒の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、
保存剤、酸化防止剤、等張化剤、緩衝剤、コーティング
剤、矯味剤、溶解補助剤、基剤、分散剤、安定化剤、着
色剤等の添加剤を使用して公知の方法により製剤化する
ことが出来る。
【0040】前記使用し得る無毒性の添加剤の具体例を
以下に列挙する。まず、賦形剤としては、でんぷん及び
その誘導体(デキストリン、カルボキシメチルスターチ
等)、セルロース及びその誘導体(メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、糖類(乳
糖、白糖、ブドウ糖等)、ケイ酸及びケイ酸塩類(天然
ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム)、炭酸塩
(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリ
ウム等)、水酸化アルミニウム・マグネシウム、合成ヒ
ドロタルサイト、ポリオキシエチレン誘導体、モノステ
アリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン等が挙
げられる。
【0041】結合剤としては、でんぷん及びその誘導体
(アルファー化デンプン、デキストリン等)、セルロー
ス及びその誘導体(エチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース等)、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、
糖類(ブドウ糖、白糖等)、エタノール、ポリビニルア
ルコール等が挙げられる。
【0042】崩壊剤としては、でんぷん及びその誘導体
(カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスタ
ーチ等)、セルロース及びその誘導体(カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、結晶セルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース等)、炭酸塩(炭酸カルシウ
ム、炭酸水素カルシウム等)、トラガント、ゼラチン、
寒天等が挙げられる。
【0043】滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、
ケイ酸及びその塩類(軽質無水ケイ酸、天然ケイ酸アル
ミニウム等)、酸化チタン、リン酸水素カルシウム、乾
燥水酸化アルミニウムゲル、マクロゴール等が挙げられ
る。
【0044】保存剤としては、パラオキシ安息香酸エス
テル類、亜硫酸塩類(亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナ
トリウム等)、リン酸塩類(リン酸ナトリウム、ポリリ
ン酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナ
トリウム等)、アルコール類(クロロブタノール、ベン
ジルアルコール等)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベン
ゼトニウム、フェノール、クレゾール、クロロクレゾー
ル、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン
酸グリセリン、糖類等が挙げられる。
【0045】酸化防止剤としては、亜硫酸塩類(亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等)、ロンガリッ
ト、エリソルビン酸、L−アスコルビン酸、システイ
ン、チオグリセロール、ブチルヒドロキシアニゾール、
ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アス
コルビン酸パルミテート、dl−α−トコフェロール等
が挙げられる。
【0046】等張化剤としては、塩化ナトリウム、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウム、デキストリン、グリセリ
ン、ブドウ糖等が挙げられる。緩衝剤としては、炭酸ナ
トリウム、塩酸、ホウ酸、リン酸塩(リン酸水素ナトリ
ウム等)等が挙げられる。
【0047】コーティング剤としては、セルロース誘導
体(ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト等)、セラック、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
ピリジン類(ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ−2−ビ
ニル−5−エチルピリジン等)、ポリビニルアセチルジ
エチルアミノアセテート、ポリビニルアルコールフタレ
ート、メタアクリレート・メタアクリル酸共重合体等が
挙げられる。
【0048】矯味剤としては、糖類(ブドウ糖、白糖、
乳糖等)、サッカリンナトリウム、糖アルコール類等が
挙げられる。溶解補助剤としては、エチレンジアミン、
ニコチン酸アミド、サッカリンナトリウム、クエン酸、
クエン酸塩類、安息香酸ナトリウム、石鹸類、ポリビニ
ルピロリドン、ポリソルベート類、ソルビタン脂肪酸エ
ステル類、グリセリン、ポリプレングリコール、ベンジ
ルアルコール等が挙げられる。
【0049】基剤としては、脂肪類(豚脂等)、植物油
(オリーブ油、ゴマ油等)、動物油、ラノリン酸、ワセ
リン、パラフィン、ロウ、樹脂、ベントナイト、グリセ
リン、グリコール油、高級アルコール類(ステアリルア
ルコール、セタノール等)等が挙げられる。
【0050】分散剤として、アラビアゴム、トラガン
ト、セルロース誘導体(メチルセルロース等)、ステア
リン酸ポリエステル類、セスキオレイン酸ソルビタン、
モノステアリン酸アルミニウム、アルギン酸ナトリウ
ム、ポリソルベート類、ソルビタン脂肪酸エステル類等
が挙げられる。
【0051】最後に安定化剤としては、亜硫酸塩類(亜
硫酸水素ナトリウム等)、窒素、二酸化炭素等が挙げら
れる。また、かかる製剤中における本発明によるベンゾ
ピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩の含有量
は、その剤型に応じて異なるが、一般に0.01〜10
0重量%の濃度で含有している事が望ましい。
【0052】本発明によるベンゾピラン誘導体及びその
生理学的に許容される塩を含有するアトピー性皮膚炎治
療剤の投与量は、対象とする人間をはじめとする温血動
物の種類、症状の軽重、医師の判断等により広範囲に変
える事が出来るが、一般に有効成分として、経口投与の
場合、体重1kg当たり1日に0.01〜300mg、
好ましくは、0.05〜100mg、非経口投与の場
合、体重1kg当たり1日に0.01〜100mg、好
ましくは0.01〜50mg投与する事が好ましい。ま
た、上記投与量は1日1回又は数回に分けて投与する事
が出来る。これらは患者の症状の軽重、医師の診断に応
じて適宜変えることが出来る。
【0053】以下に実施例によって本発明のベンゾピラ
ン誘導体及びその生理学的に許容される塩のアトピー性
皮膚炎治療作用について具体的に説明するが、もとより
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0054】
【実施例】
【0055】(実施例1)マウス急性毒性試験 本実施例は、本発明によるベンゾピラン誘導体及びその
生理学的に許容される塩の安全性を確認するため行った
ものである。以下に試験方法を説明する。 試験方法:マウス用胃ゾンデを用いて化合物1〜65の
各ベンゾピラン誘導体1000及び2000mg/kg
を1群5匹のマウス(ICR系雄性 体重20〜25
g)に強制経口投与した。経口投与後、ケージ内にて7
日間飼育し、死亡動物の有無及び一般状態を観察し、観
察終了時のマウスの生存率より概略の50%致死量(L
50:mg/kg)を推定した。この結果、化合物1〜
65のLD50は2000mg/kg以上であり、本発明
のベンゾピラン誘導体は極めて安全性が高い事が判明し
た。
【0056】(実施例2)皮膚炎モデルによる薬効試験 本発明のベンゾピラン誘導体のアトピー性皮膚炎治療作
用を評価するため、マウス塩化ピクリル誘発接触性皮膚
炎モデルを用いた。本実験モデルは細胞性免疫が関与す
る皮膚炎症反応のモデルである(イムノロジー第15巻
405−416頁1968年;Immunology,
Vol.15,P.405−416,1968)。以下
にその試験方法を説明する。 試験方法:マウスの腹部を刈毛し、その翌日に7%(w
/v)塩化ピクリル−アセトン溶液0.1mlを塗布し
感作した。感作7日後、1%(w/v)塩化ピクリル−
オリーブ油溶液を5μlづつ左側耳介皮膚の両面に塗布
し反応を惹き起こした。反応惹起前及び反応惹起24時
間後の左耳の厚さを測定し、式(1)に従って耳介膨張
率(%)を求めた。尚、被験薬物は0.5%カルボキシ
メチルセルロースナトリウム(CMCNa)に懸濁し、
反応惹起1時間前及び16時間後の2回、100mg/
10ml/kgを強制経口投与した。溶媒対照群として
本発明化合物の代わりに0.5%CMCNaのみを投与
した群、及び陽性対照群としてプレドニゾロン10mg
/kgを経口投与した群を設けた。本実施例の結果は、
溶媒対照群に対する抑制率(%)を式(2)により算出
し表9、10に示した。
【0057】
【数1】 (式1) 耳介膨張率(%)=〔(反応惹起24時間後の左耳の厚
さ−反応惹起前の左耳の厚さ)/反応惹起前の左耳の厚
さ〕x100
【0058】
【数2】 (式2) 抑制率(%)=〔(溶媒対照群の耳介膨張率−被験薬物
群の耳介膨張率)/溶媒対照群の耳介膨張率〕x100
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】本実施例による反応惹起により溶媒群では
有意な左側耳介の膨張が認められた。これに対し、本発
明のベンゾピラン誘導体は約20〜50%の耳介膨張抑
制効果を示し、ステロイドホルモンのプレドニゾロン
(抑制率=65.7%;LD50=223mg/kg(ラ
ット皮下投与))とほぼ同等の活性を有する事が判明し
た。
【0062】(比較例)皮膚炎モデルによる薬効試験 本発明のベンゾピラン誘導体の特異性を確認するため、
本発明のベンゾピラン誘導体の類似化合物である、WO
92/13852記載の比較化合物の細胞性免疫抑制作
用を実施例2と同様の皮膚炎モデルにより検討した。比
較化合物を表11に、試験結果を表12に示す。本比較
例より、ベンゾピラン誘導体の5位又は8位に置換基を
有する化合物は、本発明化合物のように7位に置換基を
有する化合物よりも、細胞性免疫抑制作用が劣ることが
わかる。
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】 上記実施例1、2及び比較例1より、本発明のベンゾピ
ラン誘導体が特に低毒性で且つ高い治療効果を有する極
めて有用なアトピー性皮膚炎治療剤であると判明した。
【0065】以下に本発明のベンゾピラン誘導体を活性
成分とした製剤例を示す。 乳鉢で、化合物3の結晶を粉砕し、それに乳糖を添加
し、乳棒で粉砕しながら、充分混合し、5%散剤とし
た。
【0066】 乳鉢内で、化合物34を等量のでんぷんと混合粉砕し
た。これに乳糖、でんぷんの残分を加え混合した。別に
ゼラチン30mgに精製水1mlを加えて、加熱溶解
し、冷後かき混ぜながらこれにエタノール1mlを加
え、ゼラチン液としたものを調製し、先の混合物にゼラ
チン液を添加練合し、造粒した後、乾燥して整粒した。
【0067】 乳鉢内で上記配合の20倍量の化合物を用いて5mg錠
剤の製造をした。すなわち、100mgの化合物51の
結晶を粉砕し、それに乳糖及びでんぷんを加え混合す
る。10%でんぷんのりを上記の配合体に加え練合し、
造粒する。乾燥後、タルク及びステアリン酸マグネシウ
ムを混合し、常法により打錠した。
【0068】 (実施例6)(20mg錠) 化合物54 20mg 6%ヒドロキシプロピルセルロース乳糖 75mg ステアリン酸タルク 2mg バレイショデンプン 3mg ─────────────────────────── 100mg/錠 上記記載の10倍量を用いて、20mg錠剤を製造し
た。すなわち、ヒドロキシプロピルセルロース6gを適
量のエタノールに溶解し、これに乳糖94gを添加して
練合した。少し乾燥した後、60号ふるいにて整粒し、
6%ヒドロキシプロピルセルロース乳糖とした。またス
テアリン酸マグネシウムとタルクを1:4の割合で混合
しステアリン酸タルクとした。化合物54、6%ヒドロ
キシプロピルセルロース乳糖、ステアリン酸タルク、バ
レイショデンプンをよく混合し、常法により打錠した。
【0069】 (実施例7)(25mg錠) 化合物12 25mg 乳糖 122mg カルボキシメチルスターチ 50mg タルク 2mg ステアリン酸マグネシウム 1mg ────────────────────────── 200mg/錠 乳鉢内で上記化合物の各々10倍量を用いて25mg錠
剤を製造した。すなわち、乳鉢内で250mgの化合物
12の結晶を粉砕し、それに乳糖を加えながら充分混合
する。カルボキシメチルスターチに適量の精製水を加
え、上記の混合物に添加練合し、造粒する。乾燥後、タ
ルク及びステアリン酸マグネシウムを混合し、常法によ
り打錠した。
【0070】 実施例4と同様の方法で顆粒を製造し、該顆粒100m
gづつをカプセルに充填した。
【0071】 (実施例9)(0.1%注射剤) 化合物31 10mg ポリエチレングリコール400 3ml ポリソルベート80 0.01ml 注射用蒸留水 全量が10mlとなるように加えた ───────────────────────────────── 10ml ポリエチレングリコール400とポリソルベート80の
混合液に化合物23を溶解し、これに注射用蒸留水を徐
々に加え全量を10mlとし、無菌的にアンプルに充填
した。
【0072】
【発明の効果】優れたアトピー性皮膚炎治療作用を有
し、且つ安全性の高いアトピー性皮膚炎治療剤を提供で
きる。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中R1は水素原子、アシル基、アルキル基、又はア
    ルケニル基を、R2は水素原子、アルキル基、又はアル
    ケニル基を、R3は水素原子又はアシル基を示す)で表
    されるベンゾピラン誘導体及びその生理学的に許容され
    る塩を有効成分とするアトピー性皮膚炎治療剤。
  2. 【請求項2】 R2が水素原子、炭素数1〜12のアル
    キル基、又は炭素数2〜10のアルケニル基である請求
    項1記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  3. 【請求項3】 R1が水素原子又はアシル基である請求
    項2記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  4. 【請求項4】 R3が水素原子である請求項3記載のア
    トピー性皮膚炎治療剤。
  5. 【請求項5】 R1及びR3が水素原子であり、R2が炭
    素数1〜12のアルキル基である請求項4記載のアトピ
    ー性皮膚炎治療剤。
  6. 【請求項6】 R3がアシル基である請求項3記載のア
    トピー性皮膚炎治療剤。
  7. 【請求項7】 R1及びR3がアシル基であり、R2が炭
    素数1〜12のアルキル基である請求項6記載のアトピ
    ー性皮膚炎治療剤。
  8. 【請求項8】 R2が炭素数6〜12のアルキル基であ
    る請求項5又は7記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  9. 【請求項9】 R1が炭素数1〜12のアルキル基又は
    炭素数2〜12のアルケニル基である請求項2記載のア
    トピー性皮膚炎治療剤。
  10. 【請求項10】 R3が水素原子である請求項9記載の
    アトピー性皮膚炎治療剤。
  11. 【請求項11】 R1が炭素数1〜12のアルキル基で
    あり、R2が炭素数1〜12のアルキル基である請求項
    10記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  12. 【請求項12】 R3がアシル基である請求項9記載の
    アトピー性皮膚炎治療剤。
  13. 【請求項13】 R2が炭素数4〜12のアルキル基で
    ある請求項11記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  14. 【請求項14】 R1が水素原子、炭素数2〜7のアシ
    ル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数2〜1
    2のアルケニル基であり、R2が水素原子、炭素数1〜
    12のアルキル基、又は炭素数2〜12のアルケニル基
    であり、R3が水素原子又は炭素数2〜7のアシル基で
    ある請求項1記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  15. 【請求項15】 R2が炭素数1〜12のアルキル基で
    ある請求項1又は14記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  16. 【請求項16】 R1のアシル基が炭素数2〜7のアシ
    ル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアトピ
    ー性皮膚炎治療剤。
  17. 【請求項17】 R3のアシル基が炭素数2〜7のアシ
    ル基である請求項1、2、3、6、12のいずれか1項
    に記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  18. 【請求項18】 一般式(2) 【化2】 (式中R1はアシル基、アルキル基又はアルケニル基、
    2はアルキル基又はアルケニル基を示す)で表せるベ
    ンゾピラン誘導体及びその生理学的に許容される塩を有
    効成分とするアトピー性皮膚炎治療剤。
  19. 【請求項19】 R2が炭素数1〜12のアルキル基で
    ある請求項18記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  20. 【請求項20】 R1が炭素数1〜10のアルキル基で
    ある請求項19記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  21. 【請求項21】 R1が炭素数2〜10のアルケニル基
    である請求項19記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  22. 【請求項22】 R1がアシル基である請求項19記載
    のアトピー性皮膚炎治療剤。
  23. 【請求項23】 R2が炭素数2〜12のアルケニル基
    である請求項18記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  24. 【請求項24】 R1が炭素数1〜10のアルキル基で
    ある請求項23記載のアトピー性皮膚炎治療剤。
  25. 【請求項25】 R1が炭素数2〜10のアルケニル基
    である請求項23記載のアトピー性皮膚炎治療剤
  26. 【請求項26】 R1がアシル基である請求項23記載
    のアトピー性皮膚炎治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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