JP3775513B2 - 3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体及びそれを有効成分とする抗アレルギー剤 - Google Patents
3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体及びそれを有効成分とする抗アレルギー剤 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ベンゾピラン誘導体の3位水酸基と6炭糖誘導体とのグリコシル化反応により得られる3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体に関し、これら化合物又は生理学的に許容される塩は抗アレルギー剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、本発明に関わる3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体のアグリコン部であるベンゾピラン誘導体については、例えば本発明者らによるWO92/13852において、あるいは類似のベンゾピラン誘導体としてはドナルド・ティー・ウイッテアクらのジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー31巻,1473−1445頁、1988年(Donald.T.Witiak, J.Med.Chem.,Vol.31,P.1473-1445,1988.)並びに米国特許第4845121号等にその記載があるが、その3位配糖体である本発明の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体は知られていない。加えて、本発明の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体及びその生理学的に許容される塩が抗アレルギー作用を有することは全く知られていない。
【0003】
現在、市販されている抗アレルギー剤は薬理効果、安全性及び吸収性において満足すべきものはなく、抗アレルギー剤の開発研究は盛んに行われている。例えば、抗アレルギー剤の代表例であるトラニラスト(Tranilast:一般名)は、治療効果を得るため高用量の投与が必要であるにも拘らずマウスの急性毒性値(LD50)が780mg/kgと低く、薬効量と毒性量が接近しており安全域が狭く使用に際して注意を要する欠点がある。またクロモグリク酸ナトリウム(Disodium Cromoglicate:一般名)は、現在臨床において有効性が確認されている著名な喘息治療薬であり、毒性の点では満足できるものの、消化管吸収性が極めて悪く噴霧吸入により使用されている。しかもこれら既存の抗アレルギー剤は即時型アレルギーには有効であるが、遅延型アレルギーに対しては無効である。喘息、アトピー性皮膚炎を始めアレルギー疾患は慢性化が大きな問題となっているが、この慢性化に遅延型アレルギーが深く関与している。従って、抗アレルギー剤としては即時型アレルギー及び遅延型アレルギー両方に有効な薬剤が望まれる。ステロイド剤は即時型アレルギー及び遅延型アレルギー両方に有効であるが周知のように極めて重篤な副作用を有する。
【0004】
以上、現在報告されている多くの抗アレルギー剤は、遅延型アレルギーに対する治療作用を有せず十分な治療効果が期待出来ない、又は安全域が狭く安全性が低い、又は消化管吸収性が悪く投与方法が限られている等の種々の問題点を有する。それ故、経口投与が可能であり、低毒性かつ即時型及び遅延型アレルギーに効力を有する薬剤の開発が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
既に本発明者らはWO92/13852号により、ベンゾピラン誘導体並びにそれを有効成分とする抗アレルギー剤を提供しているが、本発明の目的は、上記の現状に鑑み、更に医薬品として有用な新規物質並びに低毒性かつ優れた効力を有する抗アレルギー剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、医薬品として更に有用な化合物を提供するため、WO92/13852号によるベンゾピラン誘導体の3位水酸基と6炭糖誘導体とのグリコシル体を多数合成し、それら化合物の抗アレルギー作用及び安全性を検討した結果、一般式(1)で表される3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体が極めて優れた抗アレルギー作用を有するとともにその毒性が低いことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアシル基であり、R2はグルコシル基、マンノシル基、ガラクトシル基からなる群から選ばれる水酸基がアシル基あるいはベンジル基で保護された又は未保護のグリコシル基であり、R3は水素原子又はベンジル基である。)
で表される3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩に関する。
更に一般式(I)で表される3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体を有効成分とする抗アレルギー剤に関する。
【0010】
本発明の一般式(I)において、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアシル基であり、アルキル基の例としては、例えば鎖状もしくは枝分れしたアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルペンチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の好ましくは炭素数1〜12個のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数3〜12のアルキル基、特に好ましくは炭素数6〜10のアルキル基が挙げられる。
【0011】
アルケニル基としては、例えば直鎖状でも枝分れしていても良く、例えばビニル基、プロペニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノニル基、デセニル基、3−メチル−2−ブテニル基、ゲラニル基等の好ましくは炭素数2〜10のものが挙げられ、特に好ましくは炭素数6〜10のアルケニル基が挙げられる。
【0012】
アラルキル基の例としては、水酸基の保護基として用いられるものとして、ベンジル基、あるいは置換基を有してもよいベンジル基(例、p−メトキシベンジル基、p−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ニトロベンジル基等)等が挙げられる。特に好ましくは未置換のベンジル基が挙げられる。
【0013】
アシル基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基等で表されるアルカノイル基、ベンゾイル基、あるいは置換基を有してもよいベンゾイル基(例、p−メトキシベンゾイル基、p−メチルベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−ニトロベンゾイル基等)等のアロイル基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)等のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜7のアシル基が挙げられる。
【0014】
また、R2で表されるグリコシル基としてはグルコシル基、マンノシル基、ガラクトシル基であり、これらグリコシル基の水酸基は保護基により保護されていても、未保護であっても良い。一般に糖類には、D体、L体の立体異性体が知られているが、これらの異性体も本発明の中に含まれる。グリコシル基の原料となる6炭糖誘導体は、グルコース、マンノース、ガラクトースであり、これらの水酸基は保護基により保護されていても、されていなくでも良い。本発明化合物である3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体は、ベンゾピラン誘導体の3位にこれら6炭糖誘導体とがグリコシド結合した化合物である。このグリコシド結合では、結合様式において、α結合型、β結合型の2種類が考えられるが、本発明の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体は、両方の結合様式を含む。
【0015】
保護基により保護されたグリコシル基については、保護基の種類として一般に糖類の保護基として用いられるものを挙げることが出来、例えばアシル基、ベンジル基等が好適である。ここでアシル基の例としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基等で表されるアルカノイル基、ベンゾイル基、あるいは置換基を有してもよいベンゾイル基(例、p−メトキシベンゾイル基、p−メチルベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−ニトロベンゾイル基等)等のアロイル基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)等が挙げられ、特に好ましくは炭素数2〜7のアシル基が挙げられる。
【0016】
好ましいグリコシル基はR1、R3の置換基の種類によって異なるが、ガラクトース、グルコース、マンノースの順で好ましい。また、保護されているものよりも、未保護のグリコシル基のほうがより好ましい。
【0017】
またR3としては水素原子、ベンジル基が挙げられる。
本発明の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体のうち、抗アレルギー活性の点から、好ましい化合物として、R1がアルキル基であり、R2がグルコシル基であり、R3が水素である化合物、R1がアルケニル基であり、R2がグルコシル基であり、R3が水素である化合物、R1がアルキル基であり、R2がガラクトシル基であり、R3が水素である化合物、R1がアルケニル基であり、R2がガラクトシル基であり、R3が水素である化合物が挙げられる。
【0018】
次に、本発明における3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体の製造方法の概略を説明する。
本発明における一般式(I)で表される3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体は、例えば以下の(化4)の反応経路に従って製造することができる。但し、式中のR1は前記と同じ意義を表す。また、R3はベンジル基、R4はアシル基、R5はアシル基、ベンジル基等の保護基を表し、Xはハロゲン原子を表す。
【0019】
【化4】
【0020】
まず、第一工程として、本発明者らによる先願(WO92/13852)における、3−アシルオキシベンゾピラン誘導体(1)の4位水酸基の保護を行ない、化合物(2)を得る。ここで、用いられる保護基としては、ベンジル基が好ましい。反応は、通常のベンジル化反応により行なうことが出来、例えば、ベンジル化剤として、塩化ベンジル、臭化ベンジル等のベンジル化剤を用い、塩基として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、或いは、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物等の塩基性物質を用いることにより行なうことが出来る。反応は有機溶媒中で行ない、用いられる有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が好適である。反応は、0〜100℃で行なわれ、好ましい温度は40〜70℃であり、反応時間は通常1〜5時間である。
【0021】
また、ここで用いられる原料のベンゾピラン誘導体(1)の製造方法の詳細は、WO92/13852号に開示されているが、概略を示すと以下の(化5)の反応経路に従って得る事が出来る。但し、式中R1は前記と同じ意味を表し、
Bnはベンジル基を表し、Bzはベンゾイル基を表す。
【0022】
【化5】
【0023】
まず、R1が水素原子の場合、2,4-ジヒドロキシアセトフェノン(a)のヒドロキシル基をベンジル基で保護し(b)とする。次に炭酸ジメチルにより増炭しジケトン体(c)とし、更に過酸化ベンゾイルと反応させ(d)とする。ここでヒドロキシル基の保護基として用いているベンジル基を接触還元により脱保護し、酸で処理する事によりベンゾイルオキシ体(e)となる。このベンゾイルオキシ体(e)を、非水系で金属アルコキシドを用いる事によりベンゾイル基の脱離を行い、ベンゾピラン誘導体(f)が得られる。
【0024】
次に、R1がアルキル基、アルケニル基、アラルキル基の場合、2,4-ジヒドロキシアセトフェノン(a)の代わりに、4位水酸基が、アルキル基、アルケニル基アラルキル基で保護された2-ヒドロキシアセトフェノン誘導体を用いる。アルケニル基の場合、4位水酸基がアルキニル基で保護された2-ヒドロキシアセトフェノンを用い、合成の途中で還元しアルケニル基に変換することも出来る。
【0025】
R1がアシル基の場合は、化合物(f)のベンゼン環上の水酸基に選択的にアシル基を導入すれば良い。
次に、第二工程として得られた化合物(2)の脱アシル化を行なう。反応は、通常の塩基性条件下での加水分解により行なうことができるが、用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等の、アルコラート系塩基類が好ましい。反応は、溶媒中で行なわれ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が好適である。反応温度は、0〜100℃で行なわれ、好ましくは、10〜40℃で、時間は1〜5時間である。
【0026】
次に、第三工程として、得られた一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表されるハロゲン化6炭糖誘導体とのグリコシル化反応を行なう。これらのハロゲン化6炭糖誘導体は、公知の方法(例えば、L.J.Haynes,F.H.Newth,Adv.Carbohydr.Chem.,10.207(1955),W.Korytnyk,J.A.Mills,J.Chem.Soc,.1959,636)により調整することが出来る。
【0027】
また、このグリコシル化反応は、銀塩を用いた公知のケーニヒ−クノール法(Koenigs-Knorr法)にて行う事が出来る。この反応においては、有機溶媒を反応溶媒として用いるが、好ましい溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒が好適である。反応が行われる温度は、−20〜50℃であるが、好ましくは、0〜30℃である。また、反応時間は、通常5〜30時間である。
【0028】
更に、4−位が水酸基である化合物を合成するには第四工程として、一般式(5)における脱ベンジル化を行なう。この反応は、水素ガス雰囲気下における金属触媒を用いた水素化分解反応により行なわれる。用いられる金属触媒としては、パラジウム、白金、プラチナ等の触媒を挙げることが出来るが、触媒量は、一般式(5)で表される化合物に対して、1〜10重量%用いれば良い。水素ガスの気圧は、加圧下で行なうことも出来るが、常圧でも反応は進行する。反応には、通常溶媒を用いるが、用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル系溶媒が好ましい。反応は、−10〜50℃で進行するが、好ましい温度としては、0〜30℃を挙げることが出来る。反応は、通常1〜5時間で終了する。こうして、一般式(6)の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体が得られる。
【0029】
グリコシル基の水酸基が未保護の化合物を合成する場合は、更に第五工程として、6炭糖部位の脱ベンジル化、あるいは脱アシル化反応による脱保護反応を行なうが、これは通常の脱ベンジル化あるいは脱アシル化反応により行なわれる。即ち、脱ベンジル化の場合には、前記した方法で行なうことが出来、脱アシル化反応については、脱アシル化剤として、塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化物、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルコラート系塩基と反応させることにより行なうことができる。ここで用いる反応溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等が好適である。反応温度は、用いる反応試薬、反応溶媒によって異なり、−10〜50℃が好適であるが、更に好ましくは、0〜30℃である。また、反応時間は、通常1〜5時間である。
【0030】
こうして得られる本発明に関わる3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
4,7-ジヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-エトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ブトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-オクチルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-デカニルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ウンデカニルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-イソプロポキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-(3-ヘキセニルオキシ)-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ゲラニルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ベンゾイルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
【0031】
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-エトキシ-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
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7-デカニルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ウンデカニルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
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7-(3-ヘキセニルオキシ)-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ゲラニルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ベンゾイルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-アセトキシ-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
【0032】
4,7-ジヒドロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-メトキシ-4-ヒドロキシ−3-(テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-エトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ブトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
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7-デカニルオキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
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【0033】
7-ヒドロキシ-4-ベンジロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
4,7-ジベンジロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
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【0034】
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【0035】
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7-(3-ヘキセニルオキシ)-4-ベンジロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ゲラニルオキシ-4-ベンジロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
7-ベンゾイルオキシ-4-ベンジロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン
また、これらの生理学的に許容される塩も挙げられる。
【0036】
ここでいう生理学的に許容さる塩とは、例えば上記に示される化合物のアルカリ付加塩であり、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、無毒性のアミン塩等の無毒の塩が挙げられる。これは公知の方法により製造出来、これらの生理学的に許容される塩も本発明中に含まれる。
【0037】
本発明の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体及びその生理学的に許容される塩(以下本発明化合物と称する)は、後述の実施例が示すように、即時型及び遅延型アレルギー反応を抑制する作用を有するので、抗アレルギー剤として種々のアレルギー性疾患の治療又は予防に有用である。
【0038】
本発明にいうアレルギー性疾患とは、外因性又は内因性の抗原により生体の免疫機構が過剰に活性化され生じるアレルギー性疾患であり、例えば、即時型喘息、遅延型喘息、気管支喘息、小児喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、湿疹、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギー、アレルギー性胃腸炎、アレルギー性大腸炎、接触性皮膚炎、自己免疫性疾患等が挙げられる。
【0039】
本発明化合物を有効成分とする抗アレルギー剤は、経口又は非経口投与(例えば静脈内投与、皮下投与、経皮投与又は直腸内投与等)することが出来、投与に際してはそれぞれの投与法に適した製剤形態に調製することが出来る。かかる製剤は、その用途に応じて錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、トローチ剤、舌下錠、坐剤、軟膏剤、注射剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤等の製剤形体に調製することが出来る。これらの調製に際しては、例えばこの種の薬剤に通常使用されている無毒の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、保存剤、酸化防止剤、等張化剤、緩衝剤、コーティング剤、矯味剤、溶解補助剤、基剤、分散剤、安定化剤、着色剤等の添加剤を使用して公知の方法により製剤化することが出来る。
【0040】
前記使用し得る無毒性の添加剤の具体例を以下に列挙する。
まず、賦形剤としては、でんぷん及びその誘導体(デキストリン、カルボキシメチルスターチ等)、セルロース及びその誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、糖類(乳糖、白等、ブドウ糖等)、ケイ酸及びケイ酸塩類(天然ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等)、水酸化アルミニウム・マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ポリオキシエチレン誘導体、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
【0041】
結合剤としては、でんぷん及びその誘導体(アルファー化デンプン、デキストリン等)、セルロース及びその誘導体(エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、糖類(ブドウ糖、白糖等)、エタノール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0042】
崩壊剤としては、でんぷん及びその誘導体(カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ等)、セルロース及びその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム等)、トラガント、ゼラチン、寒天等が挙げられる。
【0043】
滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸及びその塩類(軽質無水ケイ酸、天然ケイ酸アルミニウム等)、酸化チタン、リン酸水素カルシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、マクロゴール等が挙げられる。
【0044】
保存剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、亜硫酸塩類(亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、リン酸塩類(リン酸ナトリウム、ポリリン酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等)、アルコール類(クロロブタノール、ベンジルアルコール等)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸グリセリン、糖類等が挙げられる。
【0045】
酸化防止剤としては、亜硫酸塩類(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等)、ロンガリット、エリソルビン酸、L−アスコルビン酸、システイン、チオグリセロール、ブチルヒドロキシアニゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アスコルビン酸パルミテート、dl−αートコフェロール等が挙げられる。
【0046】
等張化剤としては、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、デキストリン、グリセリン、ブドウ糖等が挙げられる。
緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、塩酸、ホウ酸、リン酸塩(リン酸水素ナトリウム等)等が挙げられる。
【0047】
コーティング剤としては、セルロース誘導体(ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)、セラック、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン類(ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ−2−ビニル−5−エチルピリジン等)、ポリビニルアセチルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコールフタレート、メタアクリレート・メタアクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0048】
矯味剤としては、糖類(ブドウ糖、白糖、乳糖等)、サッカリンナトリウム、糖アルコール類等が挙げられる。
溶解補助剤としては、エチレンジアミン、ニコチン酸アミド、サッカリンナトリウム、クエン酸、クエン酸塩類、安息香酸ナトリウム、石鹸類、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート類、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン、ポリプレングリコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0049】
基剤としては、脂肪類(豚脂等)、植物油(オリーブ油、ゴマ油等)、動物油、ラノリン酸、ワセリン、パラフィン、ロウ、樹脂、ベントナイト、グリセリン、グリコール油、高級アルコール類(ステアリルアルコール、セタノール等)等が挙げられる。
【0050】
分散剤として、アラビアゴム、トラガント、セルロース誘導体(メチルセルロース等)、ステアリン酸ポリエステル類、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸アルミニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリソルベート類、ソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。
【0051】
最後に安定化剤としては、亜硫酸塩類(亜硫酸水素ナトリウム等)、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。
また、かかる製剤中における本発明化合物の含有量は、その剤型に応じて異なるが、一般に0.01〜100重量%の濃度で含有している事が望ましい。
【0052】
本発明の抗アレルギー剤の投与量は、対象とする人間をはじめとする温血動物の種類、症状の軽重、医師の判断等により広範囲に変える事が出来るが、一般に有効成分として、経口投与の場合、体重1kg当たり1日に0.01〜50mg、好ましくは、0.05〜10mg、非経口投与の場合、体重1kg当たり1日に0.01〜10mg、好ましくは0.01〜5mg投与する事が好ましい。また、上記投与量は1日1回又は数回に分けて投与する事が出来、患者の症状の軽重、医師の診断に応じて適宜変えることが出来る。
【0053】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(参考例1)
7-メトキシ-3-アセトキシ-4-ベンジルオキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン(化合物1)
アルゴン雰囲気下、7-メトキシ-3-アセトキシ-4-ヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン 0.695g(2.78mmol)とベンジルブロマイド0.571g(3.34mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)5mlに添加し、撹拌した。これに炭酸カリウム0.461g(3.34mmol)を加え、50℃にて2時間加熱反応した後、固形物を濾別し濾液にベンゼン、水を添加し分液抽出した。ベンゼン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼン/酢酸 エチル=7/3)にて精製し、標題化合物(1)0.330g(収率=35%)を得た。この時副生成物として、目的物のほかに、7-メトキシ-3アセトキシ-4-ヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オンの3位炭素にベンジル化の進行した副生物が、収率38%で得られた。
【0054】
1H-NMR(CDCl3,δ-TMS)
7.67(d,1H,J=8.8Hz)、7.40(m,5H)、6.82(d,1H,J=8.8Hz)、6.78(s,1H)、
5.45(s,2H)、3.80(s,3H)、2.32(s,3H)
IR(KBr,cm-1 ):1760,1720,1620,1435,1360,1220
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C19H16O6として
計算値(%):C 67.05;H 4.75;O 28.20
実測値(%):C 67.35;H 4.63;O 28.02
【0055】
(参考例2)
7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-ヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン(化合物2)
アルゴン雰囲気下、7-メトキシ-3-アセトキシ-4-ベンジルオキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン0.364g(1.07mmol) をメタノール5mlに懸濁し、氷冷下ナトリウムメトキシド0.0578g(1.07mmol)を加え室温にて1時間撹拌した。次いで、アンバーリスト-15(商標名:オルガノ(株)製) 0.231gを加え、室温にて1時間撹拌した。その後、アンバーリスト-15を濾別し濾液を濃縮、析出してきた結晶を濾集し標題化合物(2)0.246g(収率=77%)を得た。
【0056】
1H-NMR(DMSO-d6,δ-TMS)
9.30(bs,1H)、7.67(d,1H,J=8.8Hz)、7.40(m,5H)、6.72(d,1H,J=8.8Hz)、
6.78(s,1H)、5.45(s,2H)、3.75(s,3H)
IR(KBr,cm-1 ):3200,1760,1720,1620,1435,1360,1220
UV:λmax=318nm(MeOH)
元素分析値:C17H14O5として
計算値(%):C 68.45;H 4.73;O 26.82
実測値(%):C 68.35;H 4.63;O 26.92
【0057】
(実施例1)
7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物3)
アルゴン雰囲気下、7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-ヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン 1.52g(5.12mmol)と2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシルブロミド4.21g(10.23mmol)をアセトニトリル20mlに添加し、撹拌した。これに、酸化銀1.19g(5.12mmol)、モレキュラーシーブ4A(メルク社製)、3.10gを加え室温にて2時間攪拌後、固形物を濾別し濾液を濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼン/酢酸 エチル=10/1)にて精製し、標題化合物(3)2.15g(収率=78%)を得た。
【0058】
1H-NMR(CDCl3,δ-TMS)
7.70(d,1H,J=8.8Hz)、7.20〜7.40(m,5H)、6.88(d,1H,J=8.8Hz)、6.78(s,1H)
5.42(s,2H)、5.25〜5.35(m,2H)、5.14(t,1H,J=8Hz)、4.93(d,1H,J=8Hz)、
4.21〜4.28(m,2H)、3.85(s,3H)、3.82〜3.85(m,1H)、2.02〜2.22(m,12H)
IR(KBr,cm-1 ):1750,1620,1435,1360,1240
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C31H32O14として
計算値(%):C 59.23;H 5.09;O 35.68
実測値(%):C 59.40;H 5.15;O 35.45
【0059】
(実施例2)
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物4)
7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン2.19g(3.48mmol)を酢酸エチル20mlに溶解し、10%パラジウム炭素(Pd-C)0.21gを添加後反応系内に水素ガスを導入し、室温にて2時間撹拌した。反応終了後、Pd-Cを濾別し濾液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をエーテルで洗浄し、標題化合物(4)1.59g(収率85%)を得た。
【0060】
1H-NMR(CDCl3,δ-TMS)
10.50(bs,1H)、7.70(d,1H,J=8.8Hz)、6.88(d,1H,J=8.8Hz)、6.78(s,1H)、
5.25〜5.35(m,2H)、5.14(t,1H,J=8Hz)、4.93(d,1H,J=8Hz)、
4.21〜4.28(m,2H)、3.85(s,3H)、3.82〜3.85(m,1H)、2.02〜2.22(m,12H)
IR(KBr,cm-1 ):3250,1750,1620,1435,1360,1240
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C24H26O14として
計算値(%):C 53.53;H 4.83;O 41.64
実測値(%):C 53.40;H 4.60;O 42.00
【0061】
(実施例3)
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物5)
アルゴン雰囲気下、7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン0.575g(1.07mmol) をメタノール5mlに懸濁し、氷冷下ナトリウムメトキシド0.348g(6.44mmol)を加え室温にて1時間撹拌した。次いで、アンバーリスト-15 2.93g(12.9mmol当量)を加え、室温にて1時間撹拌した。結晶が析出してくるので、多量のメタノールを加え溶解させ、アンバーリスト-15を濾別し濾液を濃縮、析出してきた結晶を濾集し標題化合物(5)0.305g(収率=77%)を得た。
【0062】
1H-NMR(DMSO-d6,δ-TMS)
11.40(bs,1H)、7.67(d,1H,J=8.4Hz)、6.95(s,1H)、6.94(d,1H,J=8.4Hz)、
4.98(bs,4H)、4.83(d,1H,J=7.6Hz)、3.85(s,3H)、3.65(d,1H,J=7.6Hz)、
3.51(d,1H,J=7.6Hz)、3.41(m,1H)、3.31〜3.20(m,3H)
IR(KBr,cm-1 ):3350,1660,1630,1580,1270
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C16H18O10として
計算値(%):C 51.89;H 4.90;O 43.21
実測値(%):C 51.52;H 4.85;O 43.63
【0063】
(実施例4)
7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-(テトラ-O-アセチル-α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物6)
2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシルブロミドの代わりに、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-マンノピラノシルブロミド4.21g(10.23mmol)を用いる他は実施例1と同様にして、標題化合物(6)2.30g(71%)を得た。
【0064】
1H-NMR(CDCl3,δ-TMS)
7.67(d,1H,J=8.4Hz)、7.20〜7.40(m,5H)、6.95(s,1H)、6.94(d,1H,J=8.4Hz)
6.00(s,1H)、5.55(m,2H)、5.45(s,2H)、5.40(m,1H)、4.23(m,2H)、
4.15(s,1H)、3.75(s,3H)、2.02〜2.22(m,12H)
IR(KBr,cm-1 ):1750,1620,1435,1360,1240
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C31H32O14として
計算値(%):C 59.23;H 5.09;O 35.68
実測値(%):C 59.40;H 5.15;O 35.45
【0065】
(実施例5)
7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物7)
2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシルブロミドの代わりに、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-ガラクトピラノシルブロミド4.21g(10.23mmol)を用いるほかは実施例1と同様にして、標題化合物(7)2.60g(収率80%)を得た。
【0066】
1H-NMR(CDCl3,δ-TMS)
7.72(d,1H,J=8.8Hz)、7.20〜7.40(m,5H)、6.88(d,1H,J=8.8Hz)、6.78(s,1H)
5.55(m,2H)、5.45(s,2H)、5.40(s,1H)、5.16〜5.25(m,1H)、
4.10〜4.20(m,3H)、3.90(s,3H)、2.02〜2.22(m,12H)
IR(KBr,cm-1 ):1750,1620,1435,1360,1240
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C31H32O14として
計算値(%):C 59.23;H 5.09;O 35.68
実測値(%):C 59.42;H 5.15;O 35.43
【0067】
(実施例6)
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(テトラ-O-アセチル-α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物8)
7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オンの代わりに、7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-(テトラ-O-アセチル-α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オンを用いるほかは実施例2と同様にして、標題化合物(8)0.321g(収率81%)を得た。
【0068】
1H-NMR(DMSO-d6,δ-TMS)
11.40(bs,1H)、7.67(d,1H,J=8.4Hz)、6.95(s,1H)、6.94(d,1H,J=8.4Hz)、
6.00(s,1H)、5.55(m,2H)、5.40(m,1H)、4.23(m,2H)、4.15(s,1H)、
3.75(s,3H)、2.02〜2.22(m,12H)
IR(KBr,cm-1 ):3350,1660,1630,1580,1270
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C24H26O14として
計算値(%):C 53.53;H 4.83;O 41.64
実測値(%):C 53.42;H 4.55;O 42.03
【0069】
(実施例7)
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物9)
7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オンの代わりに、7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オンを用いるほかは実施例2と同様にして、標題化合物(9)0.309g(収率78%)を得た。
【0070】
1H-NMR(DMSO-d6,δ-TMS)
11.40(bs,1H)、7.67(d,1H,J=8.4Hz)、6.95(s,1H)、6.94(d,1H,J=8.4Hz)、
4.85(d,1H,J=7.6Hz)、3.85(s,3H)、3.65(d,1H,J=7.6Hz)、
3.51(d,1H,J=7.6Hz)、3.41(m,1H)、3.20〜3.40(m,3H)、2.05〜2.22(m,12H)
IR(KBr,cm-1 ):3350,1660,1630,1580,1270
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C24H26O14として
計算値(%):C 53.53;H 4.83;O 41.64
実測値(%):C 53.42;H 4.55;O 42.03
【0071】
(実施例8)
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物10)
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オンの代わりに、7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(テトラ-O-アセチル-α-D-マンノピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オンを用いる他は実施例3と同様にして、標題化合物(10)0.310g(収率78%)を得た。
【0072】
1H-NMR(DMSO-d6,δ-TMS)
11.40(bs,1H)、7.67(d,1H,J=8.4Hz)、6.95(s,1H)、6.94(d,1H,J=8.4Hz)、
6.00(s,1H)、5.55(m,2H)、5.40(m,1H)、4.98(bs,4H)、4.23(m,2H)、
4.15(s,1H)、3.75(s,3H)
IR(KBr,cm-1 ):3350,1660,1630,1580,1270
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C16H18O10として
計算値(%):C 51.89;H 4.90;O 43.21
実測値(%):C 51.52;H 4.85;O 43.63
【0073】
(実施例9)
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物11)
7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オンの代わりに、7-メトキシ-4-ヒドロキシ-3-(テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オンを用いる他は実施例3と同様にして、標題化合物(11)0.295g(収率74%)を得た。
【0074】
1H-NMR(DMSO-d6,δ-TMS)
11.25(bs,1H)、7.67(d,1H,J=8.4Hz)、6.95(s,1H)、6.94(d,1H,J=8.4Hz)、
5.00(bs,4H)、4.85(d,1H,J=7.6Hz)、3.85(s,3H)、3.65(d,1H,J=7.6Hz)、
3.51(d,1H,J=7.6Hz)、3.41(m,1H)、3.20〜3.40(m,3H)
IR(KBr,cm-1 ):3350,1660,1630,1580,1270
UV:λmax=310nm(MeOH)
元素分析値:C16H18O10として
計算値(%):C 51.89;H 4.90;O 43.21
実測値(%):C 51.65;H 4.85;O 43.50
【0075】
(実施例10)
4-ベンジルオキシ-7-アセトキシ-3-(テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物12)
実施例1において、7-メトキシ-4-ベンジルオキシ-3-ヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オンの代わりに4-ベンジルオキシ-7-アセトキシ-3-ヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン1.00g(3.06mmol)と2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-α-D-グルコピラノシルブロミドの代わりに2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-α-D-グルコピラノシルブロミド2.70g(4.43mmol)を用い、標題化合物(10)2.04g(収率=78%)を得た。
【0076】
1H-NMR(DMSO-d6,δ-TMS)
7.67(d,1H,J=8.8Hz)、7.15〜7.60(m,25H)、6.88(d,1H,J=8.8Hz)、
6.78(s,1H)、5.42(s,8H)、5.25〜5.35(m,2H)、5.20(m,2H)、
5.14(t,1H,J=8Hz)、4.93(d,1H,J=8Hz)、4.21〜4.28(m,2H)、
3.82〜3.85(m,1H)、2.38(s,3H)
IR(KBr,cm-1 ):1760,1640,1600,1450,1380
元素分析値:C52H48O11として
計算値(%):C 73.58;H 5.66;O 20.76
実測値(%):C 73.53;H 5.78;O 20.69
【0077】
(実施例11)
7-アセトキシ-4-ヒドロキシ-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン (化合物13)
アルゴン雰囲気下、4-ベンジルオキシ-7-アセトキシ-3-(テトラ-O-ベンジルオキシ-β-D-グルコピラノシルオキシ)-2H-1-ベンゾピラン-2-オン1.50g(1.77mmo)をテトラヒドロフラン(THF)150mlに溶解させ、これに室温にて10%Pd-C 0.150gを加えた。次に反応系内のアルゴンガスを減圧下に吸引後水素ガスを導入して置換した後、室温にて2時間攪拌反応した。反応終了後、触媒を濾別し、得られた濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。これをテトラヒドロフラン/ヘキサンの混合溶液より再結晶して、標題化合物(11)0.662g(収率=94%)を得た。
【0078】
1H-NMR(DMSO-d6,δ-TMS)
10.5(bs,1H)、7.70(d,1H,J=8.4Hz)、6.70〜6.90(m,2H)、5.80(bs,1H)、
5.32(d,1H,J=7.2Hz)、5.19(s,1H)、5.02(s,1H)、4.50(s,1H)、
3.10〜3.70(m,6H)、2.33(s,3H)
IR(KBr,cm-1 ):3400,1780,1670,1610,1580,1270
元素分析値:C17H18O11として
計算値(%):C 51.26;H 4.52;O 44.22
実測値(%):C 51.27;H 4.51;O 44.22
(実施例12〜55)
上記実施例に記載の方法を用い、以下の実施例を行ない3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体(14)〜(57)を得た。その化合物、適用実施例及び収率を以下の表1及び表2に示す。
但し、表1及び表2中の略語として、Glcは未保護のグルコシル基、Manは未保護のマンノシル基、Galは未保護のガラクトシル基、GlcAはアセチル基で水酸基を保護したグルコシル基、GalAはアセチル基で水酸基を保護したガラクトシル基、ManAはアセチル基で水酸基を保護したマンノシル基を表す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
次に、得られたものの物性値を以下に示す。
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
(実施例56)マウス急性毒性試験
本実施例は、本発明化合物の安全性を確認するため行ったものである。以下に試験方法を説明する。
試験方法:マウス用胃ゾンデを用いて化合物3〜45の各3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体1000及び2000mg/kgを1群5匹のマウス(ICR系雄性 体重20〜25g)に強制経口投与した。経口投与後、ケージ内にて7日間飼育し、死亡動物の有無及び一般状態を観察し、観察終了時のマウスの生存率より50%致死量(LD50:mg/kg)を推定した。
この結果、試験した全ての3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体のLD50は2000mg/kg以上であり、本発明化合物は極めて安全性が高い事が判明した。
【0104】
(実施例57)ラット受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応による薬理試験本発明化合物の抗アレルギー作用を確認するため、抗アレルギー作用の確認試験として広く用いられているラット受身皮膚アナフィラキシー反応による薬理試験を実施した。本動物モデルは即時型アレルギー即ち抗原抗体反応が関与するモデルである。以下に試験方法を説明する。
試験方法:ウイスター系雄性ラット(9週齢)の背部を刈毛し、抗トリニトロフェノール−アスカリス(TNP−As)血清を0.05mlづつ2カ所に皮内投与した。48時間後、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)に懸濁した3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体(被験薬物)を100mg/kg経口投与し、その1時間後にTNP−As 1mgを含有する0.5%エバンスブルー生理食塩溶液 1mlを尾静脈より投与してアレルギー反応を惹き起こした。反応惹起30分後、ラットをエーテル麻酔下で放血致死させ、背部皮膚を剥離して皮膚内面の色素漏出斑の長径及び短径を測定し両者の平均値(mm)を色素漏出量の指標とした。
【0105】
溶媒対照として被験薬物の代わりに0.5%CMCNaのみを経口投与した群、及び陽性対照として、トラニラスト(Tranilast)を被験薬物と同様の方法で100mg/kg経口投与した群を設けた。試験結果は、式1によりPCA反応抑制率(%)を算出し、表3及び表4に示した。尚、試験には1群5匹のラットを用いた。
【0106】
【数1】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
表3及び表4に示すごとく、本発明化合物はトラニラストとほぼ同等又はそれ以上の抗アレルギー活性を有する事が確認された。この試験結果より、本発明化合物が即時型アレルギーに対して有用な抗アレルギー剤である事が判明した。
【0109】
(比較例1)ラット受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応による薬理試験
本発明のベンゾピラン誘導体の有効性を確認するため、ラット受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応に対する抑制作用を、既知化合物であるWO92/13852号記載の化合物と比較した。試験方法は実施例57と同様とした。
比較化合物を表5に、試験結果を表6に示す。
【0110】
【表5】
【0111】
【表6】
上記実施例57及び比較例より、比較化合物に比べ本発明化合物は優れた抗アレルギー作用を示すことが判明した。
【0112】
(実施例58)塩化ピクリル誘発接触性皮膚炎による薬効試験
本発明化合物の遅延型アレルギー抑制作用を確認するため、従来より知られているマウス塩化ピクリル誘発接触性皮膚炎モデルによる薬理試験を実施した。本動物モデルは代表的な遅延型アレルギーモデルであり、主に細胞性免疫が関与する生体反応であり(イムノロジー第15巻405−416頁1968年;Immunology,Vol.15,P.405−416,1968)、従来の抗アレルギー剤では抑制出来ずステロイド剤で抑制できる反応である。以下に試験方法を説明する。
試験方法:マウスの腹部を刈毛し、その翌日に7%(w/v)塩化ピクリル−アセトン溶液0.1mlを塗布し感作した。感作7日後、1%(w/v)塩化ピクリル−オリーブ油溶液を5μlづつ左側耳介皮膚の両面に塗布し反応を惹き起こした。反応惹起前及び反応惹起24時間後の左耳の厚さを測定し、式(2)に従って耳介膨張率(%)を求めた。
尚、本発明化合物(被験薬物)は0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)に懸濁し、反応惹起1時間前及び16時間後の2回、100mg/kgを強制経口投与した。溶媒対照として被験薬物の代わりに0.5%CMCNaのみを投与した群、及び陽性対照群としてステロイドホルモンのプレドニゾロン10mg/kg又はトラニラスト100mg/kgを経口投与した群を設けた。
本実施例の結果は、溶媒対照群に対する抑制率(%)を式(3)により算出し表7及び表8に示した。尚、試験には1群10匹のマウスを用いた。
【0113】
【数2】
(式2)
耳介膨張率(%)=〔(反応惹起24時間後の左耳の厚さ−反応惹起前の左耳の厚さ)/反応惹起前の左耳の厚さ〕x100
【0114】
【数3】
(式3)
抑制率(%)=〔(溶媒対照群の耳介膨張率−被験薬物群又は陽性対象群の耳介膨張率)/溶媒対照群の耳介膨張率〕x100
【0115】
【表7】
【0116】
【表8】
本実験モデルの反応惹起により、溶媒群では有意な左側耳介の膨張が認められた。これに対し、本発明化合物は約40〜65%の耳介膨張抑制効果を示し、プレドニゾロン(63.5%)とほぼ同等又はそれ以上の活性を有する事が判明した。現在、抗アレルギー薬として広く用いられているトラニラストは遅延型アレルギーに対して治療効果が認められなかった。この試験結果より本発明化合物が遅延型アレルギーに対して高い治療効果を有する極めて有用な抗アレルギー剤であることが判明した。
【0117】
(実施例59)モルモット喘息モデルによる薬効試験
喘息は代表的なアレルギー疾患であるが、本発明化合物の喘息治療作用を更に確認するため、従来より広く知られているモルモット喘息モデルを用いた薬理試験を実施した。以下に試験方法を説明する。
試験方法:ハートレイ系雄性モルモット(5週齢)に卵白アルブミン(OVA)生理食塩溶液(5mg/ml/body)を1週間間隔で3回腹腔内投与し感作した。その2週間後、1%OVA生理食塩溶液を超音波ネブライザーにより1分間吸入させ、気道抵抗を30分間測定した(PULUMOS−1,(株)エム・アイ・ピー・エス製)。OVA吸入1時間前に本発明化合物(被験薬物)は0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)に懸濁し、100mg/kgを経口投与した。また、陽性対照として著名な抗アレルギー剤であるクロモグリク酸ナトリウム(DSCG)を生理食塩水に溶解し、20mg/kgをOVA吸入直前に静脈内投与した。溶媒対照として被験薬物の代わりに0.5%CMCNaのみを経口投与した群を設けた。試験結果は、(式4)により気道抵抗抑制率(%)を算出し、表9及び表10に示した。
尚、試験には1群5匹のモルモットを用いた。
【0118】
【数4】
【0119】
【表9】
【0120】
【表10】
本実施例により本発明化合物は、経口投与により約40〜80%の気道抵抗抑制率を示し、喘息に対する極めて高い治療効果が確認された。
【0121】
乳鉢で、化合物34の結晶を粉砕し、それに乳糖を添加し、乳棒で粉砕しながら、充分混合し、5%散剤とした。
【0122】
乳鉢内で、化合物43を等量のでんぷんと混合粉砕した。これに乳糖、でんぷんの残分を加え混合した。別にゼラチン30mgに精製水1mlを加えて、加熱溶解し、冷後かき混ぜながらこれにエタノール1mlを加え、ゼラチン液としたものを調製し、先の混合物にゼラチン液を添加練合し、造粒した後、乾燥して整粒した。
【0123】
乳鉢内で上記配合の20倍量の化合物を用いて5mg錠剤の製造をした。すなわち、100mgの化合物19の結晶を粉砕し、それに乳糖及びでんぷんを加え混合する。10%でんぷんのりを上記の配合体に加え練合し、造粒する。乾燥後、タルク及びステアリン酸マグネシウムを混合し、常法により打錠した。
【0124】
上記記載の10倍量を用いて、20mg錠剤を製造した。すなわち、ヒドロキシプロピルセルロース6gを適量のエタノールに溶解し、これに乳糖94gを添加して練合した。少し乾燥した後、60号ふるいにて整粒し、6%ヒドロキシプロピルセルロース乳糖とした。またステアリン酸マグネシウムとタルクを1:4の割合で混合しステアリン酸タルクとした。化合物38、6%ヒドロキシプロピルセルロース乳糖、ステアリン酸タルク、バレイショデンプンをよく混合し、常法により打錠した。
【0125】
乳鉢内で上記化合物の各々10倍量を用いて25mg錠剤を製造した。すなわち、乳鉢内で250mgの化合物25の結晶を粉砕し、それに乳糖を加えながら充分混合する。カルボキシメチルスターチに適量の精製水を加え、上記の混合物に添加練合し、造粒する。乾燥後、タルク及びステアリン酸マグネシウムを混合し、常法により打錠した。
【0126】
実施例61と同様の方法で顆粒を製造し、該顆粒100mgづつをカプセルに充填した。
【0127】
ポリエチレングリコール400とポリソルベート80の混合液に化合物32を溶解し、これに注射用蒸留水を徐々に加え全量を10mlとし、無菌的にアンプルに充填した。
【0128】
【発明の効果】
本発明によって、医薬品として有用な、新規な3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体を提供する事が出来る。又低毒性で即時型及び遅延型アレルギー疾患の治療又は予防に有用な優れた抗アレルギー剤を提供することが出来る。特に従来の抗アレルギー剤では効果が低かった遅延型アレルギーに対して、高い効果を有する優れた抗アレルギー剤を提供出来る。
Claims (18)
- R2がグルコシル基である請求項1記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R2がマンノシル基である請求項1記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R2がガラクトシル基である請求項1記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R2が未保護のグリコシル基である請求項1記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R1が水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R1がベンジル基からなるアラルキル基又は炭素数2〜7のアシル基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R3が水素原子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R3がベンジル基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R1が炭素数1〜12のアルキル基であり、R3が水素原子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩。
- R2がグルコシル基である請求項11記載の抗アレルギー剤。
- R2がマンノシル基である請求項11記載の抗アレルギー剤。
- R2がガラクトシル基である請求項11記載の抗アレルギー剤。
- R1が炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基である請求項11〜14のいずれか1項に記載の抗アレルギー剤。
- R1が炭素数1〜12のアルキル基である請求項15記載の抗アレルギー剤。
- R3が水素原子である請求項16記載の抗アレルギー剤。
- 請求項5〜9のいずれか1項に記載の3−グリコシロキシベンゾピラン誘導体又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする抗アレルギー剤。
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