JPH0891231A - ステアリング装置の衝撃吸収軸構造およびその製造方法 - Google Patents

ステアリング装置の衝撃吸収軸構造およびその製造方法

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JPH0891231A
JPH0891231A JP25451094A JP25451094A JPH0891231A JP H0891231 A JPH0891231 A JP H0891231A JP 25451094 A JP25451094 A JP 25451094A JP 25451094 A JP25451094 A JP 25451094A JP H0891231 A JPH0891231 A JP H0891231A
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JP
Japan
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shaft
press
serration
fitting
steering
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JP25451094A
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English (en)
Inventor
Munehiro Morita
宗宏 森田
Hiroyuki Muranaga
広行 村長
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JTEKT Machine Systems Corp
Original Assignee
Koyo Machine Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステアリング装置において、使用雰囲気温度
に影響を受けることなく所期の衝撃吸収機能を発揮する
ことができる衝撃吸収軸構造を提供する。 【構成】 アウタシャフト10のセレーション15に、
インナシャフト11のセレーション16が挿入されて、
両シャフトがセレーション結合されるとともに、このセ
レーション結合部分の一部20が軸方向に圧入固定され
てなり、この圧入固定力は、中間軸5に作用する縮長方
向の衝撃力が所定値以上になったとき圧入固定状態が解
除されるように設定されている。両シャフト10,11
の固定手段として圧入構造が採用されることで、高温雰
囲気のエンジンルーム内側でも、所期の衝撃吸収機能を
発揮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車に採用される
ステアリング装置の衝撃吸収軸構造およびその製造方法
に関し、さらに詳細には、ステアリングホイールに接続
されたメイン軸と、ステアリングギヤボックスに接続さ
れたギヤ軸とを連結する中間軸の構造において、この中
間軸部分が車室内およびエンジンルーム内のいずれに存
在する場合でも適用可能なステアリング装置の衝撃吸収
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ステアリング装置は、図6に示すよう
に、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤ
ボックス2に伝達し、さらにこのギヤボックス2内の例
えばラック・ピニオン機構を介して車輪(図示省略)に
伝達する装置であるが、上記ステアリングホイール1が
固定されたメイン軸3とギヤボックス2に接続されたス
テアリングギヤ軸4とを直接接続すると、衝突時にステ
アリングホイール1が突き上げられるおそれがある。
【0003】そこで、従来のステアリング装置において
は、このメイン軸3とギヤ軸4が、軸方向へ相対的に移
動可能に構成された中間軸5により接続されて、上記衝
突時の衝撃力によるステアリングホイール1の突き上げ
を防止する衝撃吸収軸構造が一般的に採用されている。
【0004】その一例として、例えば実開昭60−10
0262号公報に開示されるものがあり、図示しない
が、この構造においては、中間軸内に中実軸が挿入嵌合
されるとともに、これら両者の嵌合部が異径断面に形成
されてなり、これにより回転力が伝達されるとともに、
軸方向へ摺動できるようにされている。
【0005】また、図7に示すように、中間軸5を構成
するインナシャフトaの外周面部分とアウタシャフトb
の内周面部分に、それぞれセレーションc,cが形成さ
れるとともに、これらセレーションc,cが歯合され
て、ステアリングホイール1の回転をギヤ軸4側に伝達
でき、かつ軸方向へ摺動できるようにされた構造もあ
る。
【0006】ところで、一般に、上記異径断面の嵌合あ
るいはセレーション結合で連結した場合は、その構造上
回転方向にわずかなガタがあり、このガタつきは長期間
の使用によって次第に大きくなり、操舵応答性に悪影響
を与える懸念がある。
【0007】そこでこのガタつきを防止するため、上記
公報記載の前者にあっては中実軸に凹溝が形成され、ま
た図7に示される後者の構造にあっては、インナシャフ
トaのセレーションcの所定箇所に、凹溝d,dが円周
方向へ延びて形成され、これらの凹溝d,d内に樹脂e
が注入固化されることにより、上記中空軸および中間軸
間の、またはインナシャフトaおよびアウタシャフトb
間の回転方向のガタの発生を防止する構造が提案されて
いる。
【0008】これらの樹脂注入構造では、この固化した
樹脂eがストッパとなることにより回転方向のガタを防
止できる。また、事故等の際には、所定値以上の軸方向
衝撃力がギヤ軸4に作用すると、上記樹脂製ストッパが
剪断されて、例えば図7においては、インナシャフトa
がアウタシャフトb内を縮長方向(軸方向)へ摺動し、
これにより、上記衝撃力が吸収されて、上記ステアリン
グホイール1の突き上げが防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構造では、以下のような問題がありさらなる
改良が要望されていた。
【0010】すなわち、上記いずれの軸構造において
も、固定手段として樹脂eが使われている。このため、
中間軸5の部位が、例えば図6(a) に示すように車室A
内側にあって、その使用雰囲気温度が低い場合は問題な
く、広範囲にわたって使用可能であるが、一方、例えば
図6(b) に示すようにエンジンルームB内側にあって、
その使用雰囲気温度が高い(140℃〜150℃)場合
は、樹脂eが経時的に高温劣化してしまい、いざという
時に所期の衝撃吸収機能を果たさなくなってしまうとい
う危険があり、事実上使用可能であった。
【0011】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、樹脂を不
要とした固定手段の採用により、使用雰囲気温度に影響
を受けることなく所期の衝撃吸収機能を必要時に発揮す
ることができる、ステアリング装置の衝撃吸収軸構造お
よびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の衝撃吸収軸構造は、ステアリングホイール
に接続されたメイン軸と、ステアリングギヤボックスに
接続されたギヤ軸とを連結する中間軸の構造であって、
この中間軸は、上記メイン軸またはギヤ軸側のいずれか
一方に接続される中空のアウタシャフトと、他方に接続
されるインナシャフトとを備え、上記アウタシャフトの
先端側内周および上記インナシャフトの先端側外周に、
相互に嵌合して両シャフトの軸方向移動のみを許容する
歯合構造が形成されるとともに、この歯合構造の一部が
軸方向に圧入固定されてなり、この圧入方向および固定
力は、上記中間軸に作用する縮長方向の衝撃力が所定値
以上になったとき圧入固定状態が解除されるように設定
されていることを特徴とする。
【0013】一般的には、上記中間軸は、上記メイン軸
側に接続される中空のアウタシャフトと、上記ギヤ軸側
に接続される中実のインナシャフトとを備え、上記アウ
タシャフトの先端側内周のセレーションに、上記インナ
シャフトの先端側外周のセレーションが挿入されて、両
シャフトがセレーション結合されるとともに、このセレ
ーション結合部分の一部が軸方向に圧入固定される。
【0014】また、本発明の衝撃吸収軸構造の製造方法
は、上記軸構造を製造する方法であって、上記インナシ
ャフトの先端側歯部を、上記アウタシャフトの先端側歯
部に対して、上記中間軸の縮長方向と逆方向から挿入さ
せながら、上記歯部の一部に設けられた圧入部により対
向する歯部の一部を潰して圧入させ、このときの圧入力
が予め設定した上記所定値になったときに、上記圧入動
作を完了するようにしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明に係るステアリング装置の衝撃吸収軸構
造は、例えば、中間軸が、メイン軸側に接続される中空
のアウタシャフトと、ギヤ軸側に接続される中実のイン
ナシャフトとを備えてなり、その組み立てにあたって
は、インナシャフトのセレーションを、アウタシャフト
のセレーションに対して中間軸の縮長方向と逆方向から
挿入させ、両者をセレーション結合させる。
【0016】この際、インナシャフトのセレーションの
軸方向先端部分には圧入部を設けてあり、この圧入部に
よりアウタシャフトのセレーションの一部を潰して圧入
させて、このときの圧入力が予め設定した所定値になっ
たときに、上記圧入動作つまり中間軸の組み立てを完了
する。
【0017】この衝撃吸収軸構造は、インナシャフトと
アウタシャフトの固定手段として圧入構造が採用されて
おり、使用雰囲気温度に影響を受けることなく、車室内
側であってもエンジンルーム内側であっても、所期の衝
撃吸収機能を発揮する。
【0018】すなわち、通常の操舵時は、上記の圧入固
定およびセレーション結合の協働作用により、インナシ
ャフトとアウタシャフトが完全に一体化されており、ス
テアリングホイールの操舵回転は、メイン軸、中間軸お
よびギヤ軸を介して、ステアリングギヤボックスさらに
は車輪へ的確に伝達される。
【0019】一方、自動車の万が一の衝突時において
は、上記中間軸に作用する縮長方向の衝撃力が上記所定
値以上になったときインナシャフトとアウタシャフトの
圧入固定状態が解除され、インナシャフトがアウタシャ
フト内を縮長方向へ摺動し、これにより、上記衝撃力が
吸収されて、ステアリングホイールの突き上げが有効に
防止される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0021】実施例1 本発明に係るステアリング装置の衝撃吸収軸構造を図1
ないし図3に示し、この衝撃吸収軸構造5は、図6に示
すように、ステアリングホイール1に接続されたメイン
軸3と、ステアリングギヤボックス2に接続されたギヤ
軸4とを連結する中間軸の形態とされており、図6(a)
に示すような車室A内および図6(b) 示すようなエンジ
ンルームB内のいずれにおいても使用可能なものであ
る。
【0022】ステアリング装置の具体的構造は、ステア
リングホイール1がメイン軸3に取付け固定されてお
り、このメイン軸3は支持筒6に回動自在に支持されて
いる。支持筒6はブラケット7を介して車体8側に固定
されている。また、上記メイン軸3は、自在継手9a、
中間軸5、自在継手9bを介してステアリングギヤ軸4
に接続されており、このギヤ軸4の回動は、図示しない
が、ステアリングギヤボックス2内のラック・ピニオン
機構を介して車輪に伝達される構造とされている。
【0023】上記中間軸5は、図1に示すように、上記
メイン軸3側の自在継手9aに接続される中空円筒状の
アウタシャフト10と、上記ギヤ軸4側の自在継手9b
に接続される中実円柱状のインナシャフト11とを備え
てなる。
【0024】上記アウタシャフト10の先端側内周およ
び上記インナシャフト11の先端側外周には、それぞれ
セレーション15,16が軸方向へ所定長さだけ形成さ
れており、これら両者15,16がセレーション結合さ
れて、上記両シャフト10,11が軸方向へ相対的に摺
動可能に結合されるとともに、メイン軸11側に取付け
られたアウタシャフト10の回転がインナシャフト11
へ伝達するようにされている。
【0025】また、上記インナシャフト11のセレーシ
ョン16において、その軸方向先端部外周の一部には圧
入部20が設けられている。この圧入部20は、上記セ
レーション結合の一部を軸方向に圧入固定するためのも
ので、具体的には図2および図3に示すように、上記イ
ンナシャフト11のセレーション16の軸方向先端部分
外周において、セレーション16の山部16aの頂点と
谷部16bの底との間の高さ(外径)を有する円筒部の
形態とされている。
【0026】なお、圧入部20の具体的な形状寸法(外
周面形状、高さ、周方向幅および軸方向長さ等)は、後
述する圧入固定力Fの大きさを考慮して、セレーション
15の形状寸法(歯の形状、高さおよび歯数等)との関
係において適宜設定される。
【0027】したがって、上記両セレーション15,1
6の挿入結合時において、上記圧入部20がアウタシャ
フト10のセレーション15の軸方向基端部に当たり、
さらに軸方向へ圧入されると、この圧入部20が上記セ
レーション15の一部(図示の実施例においては、2つ
の山部15a,15aの頂部(図3の斜線部分参照))
を潰して、この部分が相互に密嵌されることとなる。
【0028】また、これと同時に、上記圧入動作により
アウタシャフト10からインナシャフト11に半径方向
力Rが作用して、インナシャフト11を上記圧入部20
と径方向反対側へ押圧する。この結果、特にこの径方向
反対側部位Cにおいて、両セレーション15,16間の
隙間がゼロとなり、この部位Cは緊締密着状態で嵌合さ
れる。以上の作用により、両シャフト10,11は完全
に一体化されることとなる。
【0029】なお、上記圧入動作時に両シャフト10,
11に作用させる軸方向力(圧入固定力)Fは、万が一
の自動車衝突時の衝撃力を考慮して設定され、つまり、
中間軸5に作用する縮長方向の衝撃力fが所定値以上に
なったときに、上記圧入部20の圧入固定状態が解除さ
れて、両シャフト10,11がセレーション15,16
に沿って、相対的に中間軸5の縮長方向へ相対的に移動
するように設定されている。
【0030】また、上記圧入動作により、両シャフト1
0,11の軸心同士が互いにずれて偏心状態となるが、
この偏心距離は微小であり、ステアリング装置の操舵機
能にはほとんど影響しない。
【0031】また、具体的な製造工程において、上記両
セレーション15,16の形成は、従来周知のいずれの
加工方法が採用されても良く、特に限定はされないが、
図示の実施例においては、上記アウタシャフト10のセ
レーション15がブローチ加工により形成されるととも
に、上記インナシャフト11のセレーション16が転造
により形成される。
【0032】これは、上記インナシャフト11のセレー
ション16における歯欠部、つまり上記圧入部20の大
径は、転造の下径にすると精度バラツキが少なく、ま
た、アウタシャフト10のセレーション15はブローチ
加工により形成するとやはり精度バラツキが少ないから
である。このように、精度バラツキの少ないもの同士の
山潰し(上記圧入作用)は安定しており、この結果バラ
ツキの少ない締結荷重Fを確保することができる。
【0033】次に、以上のように構成される中間軸5を
備えたステアリング装置の要部の組み立て方法について
説明する。
【0034】A.中間軸5の組み立て:上記インナシャ
フト11のセレーション16を、上記アウタシャフト1
0のセレーション15に対して、上記中間軸5の縮長方
向と逆方向(図3のX方向)から挿入してセレーション
結合させながら、上記圧入部20を軸方向へさらに圧入
させて、このときの圧入力(上記頂部の潰し荷重)Fが
予め設定した上記所定値になったときに、圧入動作を完
了する。
【0035】この一連の圧入動作により、上述のごとく
インナシャフト11の圧入部20と対向するアウタシャ
フト10のセレーション15の一部が潰され、かつこの
部分以外(特に径方向反対側)のセレーション結合部分
Cが密嵌状態となって、両シャフト10,11は完全に
一体化され、中間軸5が完成する。
【0036】B.ステアリング装置の組み立て:以上の
ようにして中間軸5を完成した後、アウタシャフト10
の基端とインナシャフト11の基端に、メイン軸3側の
自在継手9aとステアリングギヤ軸4側の自在継手9b
をそれぞれ接続固定し、以後は従来周知の手順でステア
リング装置を組み立てていく。
【0037】しかして、以上のように構成されたステア
リング装置において、通常の操舵時(運転時)は、上記
の圧入固定およびセレーション結合の協働作用により、
アウタシャフト10とインナシャフト11が中間軸5と
して完全に一体化された状態を保つ。
【0038】特に、本実施例においては、図2および図
3に示すように、圧入部20が、インナシャフト11の
セレーション16における横断面半部側つまり一直径線
Dを境とした片側の外周に設けられているから、アウタ
シャフト10に対するインナシャフト11の圧入時にお
いて、インナシャフト11を上記圧入部20と径方向反
対側へ押圧する半径方向力(偏心力)Rが作用し、両シ
ャフト10,11のセレーション結合(特にC部)を緊
締密着状態にする。これにより、セレーション結合の構
造上生じやすい隙間がゼロになって、両シャフト10,
11の一体化が完全となり、長期間にわたって回転方向
にガタを生じることはない。
【0039】したがって、ステアリングホイール1の操
舵回転は、メイン軸3、中間軸5およびギヤ軸4を介し
て、ステアリングギヤボックス2さらには車輪へ的確に
伝達されて、高い操舵応答性が確保される。
【0040】一方、自動車が万が一事故等により衝突し
て、上記中間軸5に上記所定値以上の縮長方向の衝撃力
fが作用したときは、上記両シャフト10,11の圧入
固定状態が解除されて、インナシャフト11がアウタシ
ャフト10内を縮長方向へセレーション15,16に沿
って摺動する結果、上記衝撃力fが吸収されて、ステア
リングホイール1の突き上げが有効に防止されることと
なる。
【0041】また、このステアリング装置の衝撃吸収軸
構造つまり中間軸5は、両シャフト10,11の固定手
段として圧入構造が採用されていることから、従来の樹
脂充填構造のように使用雰囲気温度に影響を受けること
なく、車室A内側およびエンジンルームB内側のいずれ
にあっても、所期の衝撃吸収機能を耐用年数の間ずっと
発揮することができる。
【0042】なお、本実施例においては、圧入部20が
インナシャフト11のセレーション16における横断面
半部側外周の一箇所のみに配されているが、圧入部20
の配設数は、両シャフト10,11のセレーション結合
を緊締密着状態にする作用力が確保される限り限定され
ず、適用されるステアリング装置の耐衝撃荷重等を考慮
して適宜設定される。例えば大きな耐衝撃荷重が要求さ
れる場合においては、図4に示すように複数箇所(図示
のものにおいては3箇所)均等に配されてもよい。
【0043】また、圧入部20の具体的な形状寸法は図
示の実施例に限定されない。例えば、図示のものにおい
ては、セレーション15の2つの山部15a,15aに
対応した円筒部に形成されて、これら山部の頂部を潰す
ように設定されているが、潰すべき山部の数は他の諸条
件に対応して適宜増減可能である。
【0044】実施例3 本実施例は図5に示され、インナシャフト11のセレー
ション16に形成される圧入部20の配設構造が改変さ
れたものである。
【0045】すなわち、本実施例においては、上記圧入
部20が、上記セレーション16外周において周方向へ
少なくとも二箇所均等に配されており、例えば、図5
(a) に示すように一直径線D1 上に対向して二箇所設け
られたり、図5(b) に示すように直交する二直径線
1 ,D2 上に対向してそれぞれ二箇所、合計四箇所設
けられる。
【0046】この構造においては、実施例1のような両
シャフト10,11の圧入時の偏心力Rが発生しないた
め、両シャフト10,11のセレーション結合を緊締密
着状態(隙間がゼロ)にする圧入作用はなく、よって回
転方向のガタつき防止は、専ら圧入部20,20,…自
体の圧入固定力に依存することになるが、両シャフト1
0,11の軸心は同心状に配置される。
【0047】なお、上記回転方向のガタつき防止の目的
から、各圧入部20の周方向幅は、圧入部20がセレー
ション15の対応する山部15a,15a間に密嵌状に
係合するように設定されるのが好ましい。その他の構成
および作用は実施例1と同様である。
【0048】上述した実施例1および2はあくまでも本
発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこ
れに限定されることなく、その範囲内において種々設計
変更可能であり、例えば、各構成部材や要素の具体的構
成は図示例と同様な機能を有する限り、他の構成を採用
することができる。
【0049】一例として、図示の実施例においては、ア
ウタシャフト10とインナシャフト11の歯合構造とし
てセレーション結合が採用されているが、両シャフト1
0,11の軸方向移動のみを許容するものであれば、ス
プライン結合等他の歯合構造も採用可能である。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アウタシャフトの先端側内周およびインナシャフトの先
端側外周に、相互に嵌合して両シャフトの軸方向移動の
みを許容する歯合構造が形成されるとともに、この歯合
構造の一部が軸方向に圧入固定されてなり、この圧入固
定力は、上記中間軸に作用する縮長方向の衝撃力が所定
値以上になったとき圧入固定状態が解除されるように設
定されているから、従来の樹脂充填構造のように使用雰
囲気温度に影響を受けることなく、車室内側はもちろん
のこと、高温雰囲気温度に曝されるエンジンルーム内側
においても、所期の衝撃吸収機能を耐用年数の間ずっと
発揮することが期待できる。
【0051】すなわち、通常の操舵時は、上記の圧入固
定およびセレーション結合の協働作用により、インナシ
ャフトとアウタシャフトが完全に一体化されており、ス
テアリングホイールの操舵回転は、中間軸を介してステ
アリングギヤボックスさらには車輪へ的確に伝達され、
一方、万が一の衝突時、所定以上の衝撃力が中間軸に作
用すると、インナシャフトとアウタシャフトの圧入固定
状態が解除されて、インナシャフトがアウタシャフト内
を縮長方向へ摺動する結果、上記衝撃力が吸収されて、
ステアリングホイールの突き上げが有効に防止される。
【0052】また、この衝撃吸収構造は、インナシャフ
トとアウタシャフトの固定手段として別部品(例えば樹
脂固定手段)に全く頼らず、それ自体の圧入手段によっ
て固定でき、シンプルで低廉な構造が実現する。特に、
インナシャフトのセレーション側に圧入部を設ければ、
転造によりセレーションの加工と同時に圧入部を高精度
で形成することができ、製造コストはさらに低減され得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1であるステアリング装置
の衝撃吸収軸構造を一部断面で示す側面図である。
【図2】同衝撃吸収軸構造の要部を示す図1におけるII
-II 線に沿った断面図である。
【図3】同衝撃吸収軸構造の要部の圧入前の状態を示す
斜視図である。
【図4】同衝撃吸収軸構造の要部の変形例を示す図2に
対応する断面図である。
【図5】本発明に係る実施例2であるステアリング装置
の衝撃吸収軸構造を示す図2に対応した断面図で、図5
(a) は圧入部が一直径線上に対向して二箇所設けられた
もの、図5(b) は圧入部が直交する二直径線上に対向し
て四箇所設けられたものが示されている。
【図6】ステアリング装置の全体構成図で、図6(a) は
衝撃吸収軸構造が車室内側に配される状態、図6(b) は
衝撃吸収軸構造がエンジンルーム内側に配される状態が
示されている。
【図7】従来のステアリング装置の衝撃吸収軸構造を一
部断面で示す側面図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングギヤボックス 3 メイン軸 4 ステアリングギヤ軸 5 中間軸(衝撃吸収軸構造) 9a,9b 自在継手 10 アウタシャフト 11 インナシャフト 15 アウタシャフトのセレーション 16 インナシャフトのセレーション 20 圧入部 A 車室 B エンジンルーム X 圧入方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールに接続されたメイ
    ン軸と、ステアリングギヤボックスに接続されたギヤ軸
    とを連結する中間軸の構造であって、 この中間軸は、上記メイン軸またはギヤ軸側のいずれか
    一方に接続される中空のアウタシャフトと、他方に接続
    されるインナシャフトとを備え、 上記アウタシャフトの先端側内周および上記インナシャ
    フトの先端側外周に、相互に嵌合して両シャフトの軸方
    向移動のみを許容する歯合構造が形成されるとともに、
    この歯合構造の一部が軸方向に圧入固定されてなり、 この圧入方向および固定力は、上記中間軸に作用する縮
    長方向の衝撃力が所定値以上になったとき圧入固定状態
    が解除されるように設定されていることを特徴とするス
    テアリング装置の衝撃吸収軸構造。
  2. 【請求項2】 ステアリングホイールに接続されたメイ
    ン軸と、ステアリングギヤボックスに接続されたギヤ軸
    とを連結する中間軸の構造であって、 この中間軸は、上記メイン軸側に接続される中空のアウ
    タシャフトと、上記ギヤ軸側に接続される中実のインナ
    シャフトとを備え、 上記アウタシャフトの先端側内周と上記インナシャフト
    の先端側外周に、セレーションがそれぞれ対応して形成
    され、 上記インナシャフトのセレーションの一部に、セレーシ
    ョンの山部と谷部との間の高さを有する圧入部が1乃至
    複数箇所設けられ、 上記アウタシャフトのセレーションに、上記インナシャ
    フトのセレーションが挿入されて、両シャフトがセレー
    ション結合されるとともに、上記インナシャフトの圧入
    部が上記アウタシャフトのセレーションの山部を潰し
    て、両シャフトが軸方向に圧入固定されてなり、 この圧入方向および固定力は、上記中間軸に作用する縮
    長方向の衝撃力が所定値以上になったとき圧入固定状態
    が解除されるように設定されていることを特徴とするス
    テアリング装置の衝撃吸収軸構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の衝撃吸
    収軸構造の製造方法であって、 上記インナシャフトの先端側歯部を、上記アウタシャフ
    トの先端側歯部に対して、上記中間軸の縮長方向と逆方
    向から挿入させながら、上記歯部の一部に設けられた圧
    入部により対向する歯部の一部を潰して圧入させ、 このときの圧入力が予め設定した上記所定値になったと
    きに、上記圧入動作を完了するようにしたことを特徴と
    するステアリング装置の衝撃吸収軸構造の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09240493A (ja) * 1996-03-13 1997-09-16 Koyo Seiko Co Ltd ステアリング装置の中間軸
US6530599B1 (en) 1998-04-24 2003-03-11 Nsk Ltd. Shock absorbing type steering shaft
JP2010115950A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Nsk Ltd ステアリングコラム及びこれを使用した電動パワーステアリング装置
JP2013136385A (ja) * 2013-04-12 2013-07-11 Nsk Ltd ステアリングコラム及びこれを使用した電動パワーステアリング装置

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