JPH0890951A

JPH0890951A - 厚表紙角部の折返し接着装置

Info

Publication number: JPH0890951A
Application number: JP25881094A
Authority: JP
Inventors: Sumio Izumi; 澄夫泉
Original assignee: Nakabayashi Co Ltd
Current assignee: Nakabayashi Co Ltd
Priority date: 1994-09-27
Filing date: 1994-09-27
Publication date: 1996-04-09
Anticipated expiration: 2018-10-20
Also published as: JP3459021B2

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】職人の手作業に頼っていた表装材の四方の角
部の折返しを簡単、確実にし、全体としての作業効率を
向上させる。【構成】基台１の両側に設けた案内棒４に支持アーム
３を介してベルトコンベヤ２を摺動自在に支持し、ベル
トコンベヤは、支持アームに取り付けた連結杆６を介し
てシリンダー５により前後に移動可能とする。基台の前
後には、それぞれシリンダー７によって昇降自在とした
台板８を、各台板の上面両端には、それぞれ内側４５度
の方向に向けて角部折返しユニット９を設ける。角部折
返しユニットには、基部１２上に前後に摺動自在なテー
ブル部１３を設けて、その上面に折返し台座１４を固定
する。裏面に直角三角形状の凹部１７を備えた折返し板
１６を折返し台座の上方に設け、折返し板はシリンダー
１５により昇降可能な構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ハードカバーと呼ば
れる本の厚表紙部材の製造過程に於いて、芯材を表装材
で被覆する際に、表装材の四方の角部を折り返し接着す
る装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、本の表紙は厚表紙と薄表紙に大
別されるが、このうち、いわゆるハードカバーと呼ばれ
る厚表紙部材の製造は以下のように行われる。即ち、予
め接着剤を塗布した紙、布などからなる表装材の裏面に
板紙等でできた表表紙用芯材、裏表紙用芯材、背表紙用
芯材をそれぞれ所定位置に載置接着する。次にこれらの
芯材を包むように表装材の周縁を折り返し、表装材と芯
材の間に気泡が入らないように注意しながら接着する。
この様にして、表紙部材が完成する。

【０００３】かかる工程のうち、芯材を包むように表装
材の周縁を折り返す方法には、従来から二通りの方法が
ある。第一の方法は、表装材の四方の角を予め斜めに切
欠しておき、この表装材に芯材を貼り合わせ、天地部
分、小口部分の順に表装材周縁を折り返し重合して接着
する方法である（図７（Ａ））。第二の方法は、表装材
は長方形状のままで、先ず四方の角部を三角形状に折返
し接着し、その後で、上記同様天地、小口の順に折り返
して接着する方法である（図７（Ｂ））。

【０００４】この表装材の周縁を折り返し接着する工程
は、その作業に技術を要するため、従来は熟練工による
手工業的作業に頼らざるを得ないものであったが、近年
は作業の各工程を部分的に機械化し、或いはそれらの工
程をコンベヤで連結するなど機械化が進められている。
例えば、特公平３−１７６７７号、特公平３−５１５９
９号、特開平１−３１６２９１号の各公報には、表装材
の天地、小口部分の折り返しをより確実にする技術が開
示されている。

【０００５】しかし、これらの技術は何れも、四方を予
め切欠した表装材を使用してその天地、小口部分を折り
返すことを主題とするもので、長方形状の表装材をその
まま用いて、その四方の角部を予め三角形状に折り返す
技術については何等言及していないものである。またそ
のように、予め表装材の四方角部を折り返すことを主題
とした機械装置は提案されていないのが現状である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この様な実情に鑑み、
本発明は、四方角部を切欠していない長方形状の表装材
を用いて厚表紙部材を製造するに当たり、予めその四方
角部を確実に折り返し接着する装置を提案するものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、厚表紙角部の折返し接着装置として、基
台（１）の両側に設けた案内棒（４）に支持アーム
（３）を介してベルトコンベヤ（２）を摺動自在に支持
し、ベルトコンベヤ（２）は支持アーム（３）に取り付
けた連結杆（６）を介してシリンダー（５）により前後
に移動可能とし、基台（１）の前後にはそれぞれ、シリ
ンダー（７）によって昇降自在とした台板（８）を設
け、各台板の上面両端には、それぞれ内側４５度の方向
に向けて角部折返しユニット（９）を設け、該角部折返
しユニット（９）は、基部（１２）上に前後に摺動自在
なテーブル部（１３）を設けてその上面に折返し台座
（１４）を固定し、裏面に直角三角形状の凹部（１７）
を設けた折返し板（１６）を折返し台座の上方に設け、
折返し板はシリンダー（１５）により昇降可能としたも
のである。

【０００８】

【作用】上記構成に係る本発明装置は、ベルトコンベヤ
（２）上に載置した表紙部材（イ）を、まず前方に移動
させ、前部の一対の角部折返しユニット（９）で表紙部
材の前端の角部を折り返し、次いで表紙部材を後退さ
せ、後部の一対の角部折返しユニット（９）で表紙部材
の後端の角部を折り返すものである。而して、角部折返
しユニット（９）においては、まず角部折返しユニット
全体を上昇させ折返し板（１６）で表装材角部を上方に
折り曲げた後、テーブル部（１３）を内側に前進させ、
角部を折り返しつつ折返し台座（１４）と折返し板（１
６）の間に挟持し、更に折返し板（１６）を下降させて
角部を押圧して表装材を確実に接着するものである。こ
の際、折返し板（１６）裏面に設ける凹部（１７）に表
紙部材の表紙芯材が嵌入し、角部の接着がより完全とな
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明にかかる装置の実施例を図面に
ついて述べると、図１から図３において、（１）は本装
置の基台、（２）は基台（１）の上方に支持アーム
（３）を介して取り付けたベルトコンベヤである。該支
持アーム（３）は基台（１）の両側に取り付けた案内棒
（４）に摺動自在に支持され、基台側面に取り付けたシ
リンダー（５）及び連結杆（６）によって上記ベルトコ
ンベヤ（２）自体を前後に移動可能としている。また基
台（１）の前後にはそれぞれ、シリンダー（７）によっ
て昇降自在とした台板（８）を設け、各台板の上面両端
には、それぞれ内側４５度の方向に向けて角部折返しユ
ニット（９）を設ける。該角部折返しユニット（９）の
一方は、案内杆（１０）に摺動自在に取り付け、例えば
止めネジ（１１）等で固定または移動を可能とし、折返
しユニットの相互の間隔を調整可能とすることで、種々
のサイズの本の表紙に対応できるようにしている。

【００１０】それぞれの角部折返しユニット（９）は、
図４に示すように、基部（１２）に内蔵するシリンダー
（図示せず）により前後に摺動自在なテーブル部（１
３）と、該テーブル部の上面に固定する折返し台座（１
４）、及び、シリンダー（１５）により上下可能な折返
し板（１６）から構成され、折返し板（１６）は折返し
台座（１４）の上方に位置してその裏面と該台座で下述
する表紙部材（イ）の角部を挟持、押圧するようにして
いる。折返し板（１６）の裏面には表紙芯材の角部と対
応する直角三角形状の凹部（１７）を設けている。

【００１１】次に、本装置を使用して厚表紙部材の角部
を折り返す方法を図５に従って述べると、先ず前の工程
で、予め接着剤を塗布した表装材の裏面に表表紙用芯
材、裏表紙用芯材、背表紙用芯材をそれぞれ所定位置に
載置接着しておく。かかる表紙部材（イ）を本装置のベ
ルトコンベヤ（２）上の適当位置に任意の方法で載置し
て折り返しの工程を開始する。まず、ベルトコンベヤ
（２）を前進回転させ、表紙部材（イ）の前端がコンベ
ヤの前端から飛び出して前部の一対の角部折返しユニッ
ト（９）の上方の最適位置に来たところでコンベヤの回
転を停止させる（図５）。この時、表紙部材が位置ず
れを起こさないように、上方から押圧するなど公知の固
定装置（図示せず）で表紙部材を固定しておく。

【００１２】次に、前部の台板（８）の下部に設けたシ
リンダー（７）を作動させ一対の角部折返しユニット
（９）を台板ごと上昇させる。これにより、表紙部材
（イ）の前端の両角部はそれぞれ折返し板（１６）の上
面に接触し、上方に折り曲げられる（図５）。表紙部
材の下面が折返し台座（１４）に接触すると台板の上昇
を停止させる。次にテーブル部（１３）を前進させる
と、表紙部材の角部は内側に折り曲げられつつ、折返し
台座（１４）と折返し板（１６）の裏面の間隙に入り込
む（図５）。

【００１３】折返し板のシリンダー（１５）を作動させ
折返し板（１６）を降下させると、折返し台座と折返し
板裏面の間で角部は挟持、押圧され、折り返された表装
材と芯材が接着され表紙部材の角部の折り返しが完了す
る（図５）。この場合、折返し板（１６）の裏面には
表紙芯材の角部と対応する直角三角形状の凹部（１７）
を設けているので、表紙芯材の角部がこの凹部に嵌入し
て図６（Ｂ）に示すように芯材と重ならない表装材同士
も重合接着して、確実な角部の折り返しをすることがで
きる。

【００１４】この前端部の折り返しが完了すると、再び
シリンダー（１５）を作動させて折返し板（１６）を上
昇させ角部を開放する（図５）。この時同時に、前記
表紙部材の固定装置も解除する。次にベルトコンベヤ
（２）を後退回転させ、表紙部材を上記と反対方向に移
送すると同時に、角部折返しユニットのテーブル部（１
３）も後退させ、元の位置に戻す（図５）。その後台
板のシリンダー（７）を作動させ、角部折返しユニット
を台板ごと降下させ、当初の位置に復帰させる（図５
、）。角部折返しユニット（９）が元の位置まで降
下すると、基台（１）に取り付けたシリンダー（５）を
作動させ、連結杆（６）を介してベルトコンベヤ全体を
引き寄せ、上記前部の一対の角部折返しユニット（９）
の上方に移動させる。

【００１５】次に、ベルトコンベヤ（２）を後退回転さ
せ、表紙部材の後端がコンベヤの後端から飛び出して後
部の一対の角部折返しユニット（９）の上方の最適位置
に来たところでコンベヤを停止させ、更に、前記表紙部
材の固定装置で固定する。この様な状態で上記と同様の
方法で後部の角部折返しユニットを上昇、前進、降下さ
せ、表紙部材の後端部の角部を折り返し接着する。これ
により表紙部材の四方の角部の折り返しが完了する。

【００１６】この後端部の折り返しが完了すると、表紙
部材の固定装置を解除し、ベルトコンベヤ（２）を前進
回転させ、完成した表紙部材は次の工程、例えば天地部
分の表装材縁部の折返し工程などに移送する。この時、
後部のシリンダー（１５）が作動して、後部の角部折返
しユニットは当初の位置に復帰する。また、シリンダー
（５）が作動して、ベルトコンベヤ（２）も当初の位置
に復帰して次の表紙部材の折返しが可能となる。

【００１７】なお、上記工程において、ベルトコンベヤ
の回転動作による表紙部材の最適位置の決定は、例え
ば、光センサーなどで表紙位置を検出し、ベルトコンベ
ヤを制御する。また、各シリンダーはそれぞれ、例え
ば、空気圧、油圧等公知の方法で駆動するが、その駆動
は、全体の一連の動作のタイミングと共に公知の制御装
置により制御する。

【００１８】

【発明の効果】本発明装置によれば、従来、職人の手作
業に頼っていた表装材の四方の角部の折返しが、簡単か
つ確実に出来る。従って、表装材の角部をあらかじめ切
欠する工程も不要となり、全体としての作業効率が向上
する。また、角部は折返しにより表装材が重畳するの
で、堅牢な表紙部材を製造することが出来る。更に、折
返し板の裏面に凹部を設けているので、角部分の接着が
確実に行われており、次の工程で天地部分や小口部分を
折返し接着する際、スムーズ且つ美麗に行うことができ
るなど、種々の優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる厚表紙角部の折返し接着装置
の正面図である。

【図２】本発明装置の平面図である。

【図３】本発明装置の左側面図である。

【図４】（Ａ）は角部折返しユニットの斜視図、
（Ｂ）は折返し板の拡大斜視図である。

【図５】本発明装置の角部折返しユニットの動作の説
明図である。

【図６】折返された角部の部分拡大図である。

【図７】２種類の表紙部材を示す斜視図である。

【符号の説明】１基台２ベルトコンベヤ３支持アーム４案内棒５シリンダー６連結杆７シリンダー８台板９角部折返しユニット１２基部１３テーブル部１４折返し台座１５シリンダー１６折返し板１７凹部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基台（１）の両側に設けた案内棒（４）
に支持アーム（３）を介してベルトコンベヤ（２）を摺
動自在に支持し、ベルトコンベヤ（２）は支持アーム
（３）に取り付けた連結杆（６）を介してシリンダー
（５）により前後に移動可能とし、基台（１）の前後に
はそれぞれ、シリンダー（７）によって昇降自在とした
台板（８）を設け、各台板の上面両端には、それぞれ内
側４５度の方向に向けて角部折返しユニット（９）を設
け、該角部折返しユニット（９）は、基部（１２）上に
前後に摺動自在なテーブル部（１３）を設けてその上面
に折返し台座（１４）を固定し、裏面に直角三角形状の
凹部（１７）を設けた折返し板（１６）を折返し台座の
上方に設け、折返し板はシリンダー（１５）により昇降
可能としたことを特徴とする厚表紙角部の折返し接着装
置。