JPH0890679A - 薄肉板多層積層体及びその樹脂一体成形方法 - Google Patents

薄肉板多層積層体及びその樹脂一体成形方法

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JPH0890679A
JPH0890679A JP23324994A JP23324994A JPH0890679A JP H0890679 A JPH0890679 A JP H0890679A JP 23324994 A JP23324994 A JP 23324994A JP 23324994 A JP23324994 A JP 23324994A JP H0890679 A JPH0890679 A JP H0890679A
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JP
Japan
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thin
plate
multilayer laminate
space
molding
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Application number
JP23324994A
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English (en)
Inventor
Atsuo Makita
厚雄 牧田
Yasuo Hamada
靖夫 濱田
Katsushi Akamatsu
克志 赤松
Taketsugu Ueyama
剛嗣 植山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多層環状円板ファン等に用いる薄肉板多層積
層体及びその一体成形方法である。 【構成】 多数の薄肉の環状円板と、これらを微小間隔
で保持するスペーサとを樹脂で一体に成形した薄肉板多
層積層体において、最上面及び/又は最下面の環状円板
を、他の環状円板よりも小径に形成している。従って、
固定側プレートとストリッププレートに、それぞれ、環
状円板引抜防止部を設けることができ、複数のスライド
コアを外側方向に向けて略放射状に後退した際、環状円
板と羽根とが接着している場合であっても、確実に羽根
を環状円板から離脱し、羽根のみをスライドコアと一体
的に後退することができる。従って、環状円板の一部が
羽根にくっついた状態で外部に移動することによって環
状円板に亀裂や割れが発生するのを確実に防止でき、薄
肉板多層積層体の歩留まりを高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層環状円板ファン等
に用いる薄肉板多層積層体及びその一体成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記した薄肉板多層積層体の成形品とし
ては、特開昭55-94484号に記載されているように、ヘア
ドライヤーのファンとして用いるものがある。
【0003】しかし、同公報は、薄肉板多層積層体の効
果については記載があるものの、具体的な構造や、成形
方法については何ら開示されていない。
【0004】このような事情に鑑み、本出願人は、先
に、特願昭5-159000 号等によって、上記した薄肉板多
層積層体を容易かつ確実に成形可能な成形方法や成形型
を開示した。
【0005】かかる成形型は、内側コアと、同内側コア
の外周に略放射方向に移動自在に配設された複数の外側
スライドコアとを具備する成形型であって、内側コアの
外周面と、各外側スライドコアの内周面に片持ち状に固
定されかつ間隔をおいて積層状態に設けられた多数の羽
根とで薄肉板成形空間を形成し、外側スライドコア側に
設けたゲートブロックを通して薄肉板成形空間に成形用
樹脂を充填するようにしたことを構成上の特徴としてい
る。
【0006】また、かかる構成によって、ゲートブロッ
クを通して薄肉板成形空間に成形用樹脂を充填・成形
し、その後、複数の外側スライドコアを、多数の羽根と
ともに外側に向けて略放射方向に後退させることによっ
て、成形体からこれらの羽根を引き抜くだけで、多数の
環状円板からなる薄肉板多層積層体を一体成形すること
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した技術
は、未だ、以下の解決すべき課題を有していた。
【0008】即ち、多数の環状円板は本来内側コアの外
周周りに形成されるため、複数のスライドコアを外側方
向に向けて略放射状に後退した際、環状円板から羽根を
引き抜くことができるはずであるが、現実には、環状円
板と羽根とが接着されているので、環状円板の一部が羽
根にくっついた状態で外部に移動し、その結果、環状円
板に亀裂や割れを発生することになっていた。
【0009】また、従来の薄肉板多層積層体は、全ての
薄肉板が同一厚みであったため、薄肉板多層積層体をフ
ァン等として用いる場合等、薄肉板多層積層体を組立ラ
インまで搬送し、その後、モータ軸等に組み立てる必要
があるが、かかる搬送作業や組立作業において、誤って
薄肉板多層積層体を落下させた場合、コーナー部等を損
壊するおそれがあった。
【0010】本発明は、上記した課題を解決することが
できる薄肉板多層積層体及びその成形方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の薄肉の
環状円板と、これらを微小間隔で保持するスペーサとを
樹脂で一体に成形した薄肉板多層積層体において、最上
面及び/又は最下面の環状円板を、他の環状円板よりも
小径に形成したことを特徴とする薄肉板多層積層体に係
るものである。
【0012】本発明は、また、上記構成を有する薄肉板
多層積層体を、以下の構成としたことにも特徴を有す
る。
【0013】最上面及び/又は最下面の環状円板を、
他の環状円板より肉厚に形成している。
【0014】スペーサが環状円板の略放射方向に延び
る形状に形成されていると共に、周方向に多数配設され
ている。
【0015】スペーサが翼形状である。
【0016】薄肉板多層積層体の一側端に位置する環
状円板を軸取付孔を有する基礎円板として形成し、同基
礎円板上の残りの環状円板を積層した状態で樹脂により
一体成形する。
【0017】基礎円板と最下面の環状円板とが同径に
形成されている。
【0018】本発明は、また、多数の薄肉の環状円板を
成形する円板成形空間と、該空間同士を連通するスペー
サ成形用空間とで薄肉板多層積層体の成形空間を構成
し、この薄肉板多層積層体の成形空間内に樹脂を射出し
て薄肉板多層積層体を一体成形する方法において、最上
面及び/又は最下面の環状円板を成形する空間を、他の
環状円板を成形する空間よりも小径としたことを特徴と
する薄肉板多層積層体の一体成形方法に係るものであ
る。
【0019】本発明は、また、上記した薄肉板多層積層
体の一体成形方法を、以下の構成としたことにも特徴を
有する。
【0020】薄肉板多層積層体の成形空間内に、該空
間の側方から樹脂を射出する。
【0021】固定型と、この固定型に対して進退動作
する可動型とからなる成形型のいずれかに一方の型に多
数の羽根板を積層状態で設け、該多数の羽根板により固
定型と可動型とを型閉めした時に前記薄肉板多層積層体
の成形空間を形成することを特徴とする。
【0022】小径に形成した最上面及び/又は最下面
の環状円板を成形する空間以外の空間内に、同空間の側
方から樹脂を射出する。
【0023】内側の固定型と、外側の複数の可動型と
から成形型を構成し、可動型の一部が前記最上面及び/
又は最下面の円板を成形する空間の外周側まで延びて、
該成形空間を小径に形成している。
【0024】
【実施例】以下、添付図に示す実施例に基づいて、本発
明に係る薄肉板多層積層体成形用金型及び同金型を用い
た薄肉板多層積層体の成形方法について説明する。
【0025】(実施例1)本実施例は、薄肉板多層積層体
の構造に関する。
【0026】薄肉板多層積層体Aは、図1〜図3に示す
ように、多数の厚さ0.4 mmの薄い環状円板13 (13a 〜13
i)を所定の間隔δ (=0.7 mm) を開けて積層して構成し
ている。従って、薄肉板多層積層体Aを回転させた際、
環状円板13の表面に生じる空気抵抗を利用して層流状態
の空気流を発生することができ、薄肉板多層積層体Aの
運転を静粛に行うことができる。
【0027】さらに、薄肉板多層積層体Aは、環状円板
13,13 間に所定の間隔δを設けるとともに、内周側から
外周側へ空気を円滑に流し、ファン風量を増大するた
め、図2及び図3に示すように、複数のスペーサ14を、
環状円板13,13 間に、所要円周方向ピッチで介設してい
る。
【0028】しかして、本実施例では、図1から明らか
なように、最上面の環状円板13i の外径D1と最下面の環
状円板13a の外径D2とを、他の環状円板13b 〜13h の外
径D0より小さくしている。
【0029】従って、図6を参照して後述するように、
固定側プレート22とストリッププレート61に、それぞ
れ、環状円板引抜防止部63,64 を設けることができ、複
数のスライドコア26を外側方向に向けて略放射状に後退
した際、環状円板13と羽根板45とが接着されている場合
であっても、確実に羽根板45を環状円板13から離脱し、
羽根板45のみをスライドコア26と一体的に後退させるこ
とができる。
【0030】従って、環状円板13の一部が羽根板45にく
っついた状態で外部に移動することによって環状円板13
に亀裂や割れが発生するのを確実に防止でき、薄肉板多
層積層体Aの歩留まりを高めることができる。
【0031】また、図1に示すように、薄肉板多層積層
体Aは、その最上面の環状円板13iの厚みt1と、最下面
の環状円板13a の厚みt2を、他の環状円板13b 〜13h の
厚みt0より厚くしている。
【0032】従って、薄肉板多層積層体Aをファン等と
して用いる場合等、薄肉板多層積層体Aを組立ラインま
で搬送し、その後、モータ軸等に組み立てる必要がある
が、かかる搬送作業や組立作業において、誤って薄肉板
多層積層体Aを落下させた場合であっても、薄肉板多層
積層体Aは、その最上面の環状円板13i の外径D1と最下
面の環状円板13a が十分な厚みを有するので、薄肉板多
層積層体Aの破損を防止でき、この面からも薄肉板多層
積層体Aの歩留まりを高めることができる。
【0033】さらに、本実施例では、図1に示すよう
に、最下面の環状円板13a は基礎円板として形成されて
おり、その中央部にボス部15を一体的に形成しており、
同ボス部15には軸取付孔16が設けられている。
【0034】従って、同軸取付孔16に図示しないモータ
の出力軸を嵌入固着することによって、薄肉板多層積層
体Aをモータに容易に取付けることができる。
【0035】また、図4及び図5に、薄肉板多層積層体
Aの他の実施例を示す。
【0036】図示するように、薄肉板多層積層体Aは、
そのボス部15に、内部に軸取付孔16を設けた金属性ない
し強化プラスチックからなるスリーブ17を装着してい
る。従って、薄肉板多層積層体Aをモータに取付ける際
に、ボス部15が破損するのを確実に防止することができ
る。
【0037】(実施例2)次に上記薄肉板多層積層体Aを
成形する方法について説明する。
【0038】まず、上記方法に用いる成形型としての薄
肉板多層積層体成形用金型Bの構成について、図6〜図
9を参照して、具体的に説明する。
【0039】図6において、21は図示しない移動装置に
よって移動可能な可動型としての可動側プレートであ
り、同可動側プレート21は固定型としての固定側プレー
ト22と並設状態に立設されている。
【0040】そして、可動側プレート21は、図6及び図
8に示すように、その固定側面の中央に薄肉板多層積層
体Aのボス部15を形成するための内側コア25を取付ける
とともに、同面の周縁に同心円的に、複数のコアユニッ
ト26からなる外側コア27を取付けている。
【0041】まず、内側コア25について説明すると、図
6に示すように、内側コア25は、可動側プレート21の一
面中央に設けた凹所29内に嵌着される円盤状のコア基部
30と、同コア基部30の上部に連結ボルト32によって同軸
的にかつ一体的に連設した環状のコア本体31と、コア基
部30の上面に取付けたボス部端部形成用コア31a とから
なる。
【0042】図6に示すように、コア本体31は、図6及
び図9に示すように、その外周面に、多数の羽根板受け
リング33を、軸線方向に微小平行間隔を開けて積層状態
に取付けている。図9に示すように、羽根板受けリング
33は、二種類の羽根板受けリング33a,33b から形成され
ている。
【0043】即ち、第1羽根板受けリング33a は、図9
に示すように、一定の均一な半径方向幅ΔRを有する厚
さ0.4 mmの薄肉の環状円板からなる。一方、第2羽根板
受けリング33b は、同図に示すように、第1羽根板受け
リング33a と同一の外径及び内径を有する厚さ0.7 mmの
薄肉の環状円板からなるが、第1羽根板受けリング33a
と異なり、その外周縁に、一定の円周ピッチで羽根板嵌
入溝34,34 を凹設するとともに、羽根板嵌入溝34,34 間
に保持用突起34a を形成している。
【0044】そして、この羽根板嵌入溝34には、図7を
参照して後述するように、外側スライドブロック26の内
面に積層状態に設けた羽根板45のリング挿入部45a-2 の
先端に設けた一対の挿入部48, 49が嵌入されることにな
る。
【0045】また、図9に示すように、第2羽根板受け
リング33b は、その内周面に位置決め用突起35を設けて
いる。
【0046】次に、図6〜図9を参照して、複数のコア
ユニット26からなる外側コア27について詳細に説明す
る。
【0047】図8から最も明らかなように、外側コア27
は、上記した内側コア25の周りに、円周方向に一定の間
隔を開けて放射状に配設された複数のコアユニット26か
ら形成されている。
【0048】各コアユニット26は、図7に示すように、
長矩形ブロックからなり、その両側下部に設けた摺動案
内部26a は、可動側プレート21に固着した一対のガイド
部材内に摺動自在に嵌入されている。従って、各コアユ
ニット26は、同ガイド部材に沿って、内側コア25に向け
て進退することができる。
【0049】かかるコアユニット26を放射状に進退させ
る機構は、本実施例では、以下の構成としている。
【0050】即ち、各コアユニット26は、図6に示すよ
うに、その上面から下面に達する傾斜ピン挿通孔41を設
けており、同挿通孔41は、上面開口部41a から下面開口
部41b に向けて、漸次、内側コア25の中心から離隔する
方向に傾斜している。
【0051】一方、同コアユニット26を取付けた可動側
プレート11に隣接した図示しない固定側プレートの対向
する面には、上記したコアユニット26と同一円周ピッチ
で、複数の傾斜ピン42の基端を突設しており、同傾斜ピ
ン42は、コアユニット26に設けた傾斜ピン挿通孔41内に
摺動自在に挿通されている。
【0052】かかる構成によって、可動側プレート21を
固定側プレート22から離隔する方向に平行移動すると、
傾斜ピン42は傾斜ピン挿通孔41から離脱することになる
が、傾斜ピン42と傾斜ピン挿通孔41とは傾斜状態に係合
しているので、傾斜ピン42の平行移動によって、コアユ
ニット26は、半径方向力を受けることになり、この力に
よって、コアユニット26は、内側コア25から離隔する方
向に移動することになる。
【0053】一方、可動側プレート21を固定側プレート
22に近接させると、逆に、コアユニット26は、内側コア
25に向けて移動することになる。
【0054】一方、コアユニット26は、図6〜図9に示
すように、その内周面に、多数の薄肉の羽根板45の基端
を、軸線方向に微小平行間隔を開けて多数積層した状態
で、かつ、片持梁状に固着連結している。
【0055】この羽根板45は、図9に示すように、2種
類の羽根板45a,45b から形成されている。
【0056】第1羽根板45a は、図9に示すように、コ
アユニット26と同一幅を有し、コアユニット26の内周側
裏面に設けた矩形凹所に配設される基部45a-1 と、同基
部45a-1 と一体をなす略二等辺三角形状のリング挿入部
45a-2 とから形成されている。
【0057】また、第1羽根板45a の基部45a-1 には、
後述するゲートブロック51を挿入するための矩形形状の
ブロック挿通開口47が設けられている。
【0058】一方、第1羽根板45a の内側先端には、左
右対称に、一対の挿入部48,49 が設けられている。
【0059】そして、この挿入部48,49 は、図8に示す
ように、第1羽根受けリング33a,33a 間に挟着される第
2羽根受けリング33b の外周面に設けた羽根板嵌入溝34
に挿入支持されることになる。
【0060】この際、挿入部48,49 の左右方向の動きは
第2羽根受けリング33b の外周面に設けた突起34a によ
って確実に阻止できるとともに、同挿入部48,49 の上下
方向の動きは第1羽根受けリング33a,33a によって確実
に阻止することができる。
【0061】従って、第1羽根板45a は基端側のみなら
ず、先端側も確実に固着状態に保持されることになり、
第1羽根板45a,45a 間に樹脂材料が圧入されたとして
も、充分に充填圧に耐えることができ、薄肉板多層積層
体Aの環状円板13の成形精度を高めることができる。
【0062】また、リング挿入部45a-2 の中央部には、
図9に示すように、樹脂流入連通孔90が形成されてお
り、その両側縁には、凹部48a,49a が形成されている。
【0063】そして、これらの凹部48a,49a は、図8に
示すように、隣接する第1羽根板45a の先端にリング挿
入部45a-2 の両側縁に設けた凹部49a,48a と合体して、
樹脂流入連通孔90を形成することができる。
【0064】これらの樹脂流入連通孔90は、図6及び図
8に示すように、第1羽根板45a を積層した際、軸線方
向に伸延するスペーサ形成部S1を形成することになる。
【0065】第2羽根板45b は、図9に示すように、第
1羽根板45b と同一幅を有し、その先端部に、後述する
ゲートブロック51を挿入するための矩形形状のブロック
挿通溝50を設けており、このブロック挿通溝50は、第1
羽根板45a と第2羽根板45bとを積層した際、第1羽根
板45a のブロック挿通開口47と整合することになる。
【0066】ここで、第2羽根板45b は第1羽根板45a,
45a 間の間隙を一定に保持するために用いるものである
が、第1羽根板45a と分割体として構成するとともに、
交互に積層することにより、羽根板45の寸法精度を向上
するとともに、容易に組立てて第1羽根板45a,45a 間に
多数の狭幅かつ均一の円板成形空間S2を形成することが
できる。さらに、一部が欠損した場合も、交換作業を含
めたメンテナンスを容易に行うことができる。
【0067】さらに、羽根板45の基端側には、図6〜図
9に示すように、上記したブロック挿通開口47とブロッ
ク挿通溝50を通して矩形筒状のゲートブロック51が挿通
されている。
【0068】このゲートブロック51は、その内部に樹脂
流入空間52を設けており、また、同樹脂流入空間52は、
図6〜図9に示すように、同ゲートブロック51の上面及
び内側面にそれぞれ設けた円板ゲート53を介して、第1
羽根板45a,45a 間に形成した円板成形空間S2と第2羽根
板45b のブロック挿通溝50の開口50a ( 図9参照) と連
通することになる。
【0069】また、この円板成形空間S2同士は、第1羽
根板45a のリング挿入部45a-2 に設けた樹脂流入連通孔
90を通して、相互に連通している。
【0070】次に、羽根板45,45 間に形成された円板成
形空間S2やスペーサ形成部S1に成形樹脂を流入させる樹
脂注入流路について説明すると、図6に示す成形位置に
おいて、図示しない固定側プレートであって、各外側ス
ライドブロック26に設けたゲートブロック51と対応する
個所には、樹脂流入用縦長孔70が貫通状態に設けられて
いる。
【0071】一方、固定側プレート22の中央部には、図
6に示すように、内部に樹脂注入流路73を設けた注入ノ
ズル74が装着されている。
【0072】注入ノズル74の先端は、内側コア25のコア
本体31の内側に形成された空間内に伸延し、同コア本体
31の内周面と、注入ノズル74の外周面と、ボス端部形成
用コア31a の上面とで、ボス部形成用空間S5を形成して
いる。
【0073】さらに、コア本体31の上面と固定側プレー
ト22の下面との間には環状の連通空間S6が形成されてお
り、同連通空間S6を通して、ボス部形成用空間S5は、固
定側プレート22の下面外周縁に形成した環状の基礎円板
形成空間S3と連通することになる。
【0074】しかして、固定側プレート22の下面は、そ
の最外周縁に下方に向けて突出する環状突条からなる環
状円板引抜防止部63を形成している。
【0075】一方、可動側プレート21の上面外周縁に昇
降自在に載置した環状のストリッププレート61は、その
上面の最外周縁に上方に向けて突出する環状突条からな
る環状円板引抜防止部64を形成している。
【0076】(成形方法)次に、上記した薄肉板多層積
層体成形用金型Bを用いての薄肉板多層積層体Aを製造
する方法について、以下、図6〜図9を参照して説明す
る。
【0077】(工程1)可動側プレート21と固定側プレー
ト22とを一体的に組付け、内側コア25と複数のコアユニ
ット26からなる外側コア27とによって円板成形空間S2と
スペーサ形成部S1を形成する。
【0078】次に、この円板成形空間S2及びスペーサ形
成部S1内に、樹脂流入用縦長孔70→ゲートブロック51に
設けた樹脂流入空間52→ゲートブロック51の内側面に設
けた円板ゲート53を通して流入・充填する。
【0079】かかる流入・充填作業において、薄肉の羽
根板45に充填圧がかかり、そのままでは羽根板45が変形
し、全ての円板成形空間S2の幅ないし厚みを均一に保持
することは困難になる。
【0080】しかし、本実施例では、コアユニット26に
強固に固定保持された羽根板45の基部側から成形用樹脂
を円板成形空間S2内に流入することができ、かつ、羽根
板45の先端は確実に内側コア25の外周面に固定保持され
ているので、羽根板45の変形を確実に防止することがで
き、円板成形空間S2の幅ないし厚みを均一に保持するこ
とができる。
【0081】従って、後述するように、完全に製造され
た薄肉板多層積層体Aにおいて、全ての環状円板13の厚
みを均一にすることができることになる。
【0082】また、各円板成形空間S2内に充填された成
形樹脂同士は、スペーサ形成部S1内に充填された成形樹
脂によって一体的に連結されることになる。この際、同
様にして、樹脂成形空間S4にも成形用樹脂を充填する。
【0083】一方、注入ノズル74からボス部形成用空間
S5内に成形用樹脂を流入し、その一部を環状の連通空間
S6を通して、固定側プレート22の下面外周縁に形成した
環状の基礎円板形成空間S3にも流入し、円板成形空間S2
から基礎円板形成空間S3内に流入する成形樹脂と合流さ
せる。
【0084】(工程2)成形用樹脂がある程度硬化した
後、可動装置を駆動して可動側プレート21を固定側プレ
ート22から離脱する。この離脱動作によって、ランナー
を薄肉板多層積層体Aから分離する。
【0085】この際、薄肉板多層積層体Aはランナー
と、ゲートブロック51に設けた狭幅の円板ゲート54を介
してのみ接続されているので、わずかな離脱力によって
ランナーを薄肉板多層積層体Aから剪断によって容易に
分離することができる。また、剪断によるので、切断面
も、切断条痕はわずかに残るものの、バリ等のない美麗
なものとすることができる。
【0086】(工程3)次に、傾斜ピン42を傾斜ピン挿通
孔41から離脱する方向に作動させると、傾斜ピン42と傾
斜ピン挿通孔41とは傾斜状態に係合しているので、傾斜
ピン42の平行移動によって、コアユニット26は、半径方
向力を受けることになり、この力によって、コアユニッ
ト26は、内側コア25から離隔する方向に移動することに
なる。
【0087】そして、この移動によって、コアユニット
26と一体をなす羽根板45が薄肉板多層積層体Aから完全
に分離されることになる。
【0088】しかして、本実施例では、固定側プレート
22の下面の最外周縁に環状円板引抜防止部63を形成する
とともに、環状のストリッププレート61の上面の最外周
縁に環状円板引抜防止部64を形成しているので、成形さ
れた環状円板13が羽根板45とともに外部に引き出される
のを確実に防止することができ、引抜力による環状円板
13の損壊を確実に防止することができる。
【0089】(工程4)次に、図示しないランナーロック
ピンを後退することによって、ランナーを固定側プレー
ト22から分離し取り外す。
【0090】(工程5)次に、ストリップロッド62を
進出させると、薄肉板多層積層体Aが内側コア25から離
脱して自由落下することになる。
【0091】その後、上記した工程1〜工程5を繰り返
すことによって、連続的に内外端が開口した精密な薄肉
板多層積層体Aを一体成形によって大量生産することが
でき、安価に製作することができる。
【0092】このようにして成形された薄肉板多層積層
体Aは、一体成形品であるため、強度面でも強く、使用
中における破損を可及的に防止できる。
【0093】また、本実施例に係る薄肉板多層積層体成
形用金型Bによって成形される薄肉板多層積層体Aは、
環状円板13,13 間の間隙を可及的に薄くかつ均一にする
ことができるので、コンパクトな形状を維持しながら、
充分な空気接触面積を確保でき、風量を著しく増大する
ことができるとともに、空気流の流線をきれいにできる
ので、騒音発生を最低限に抑えることができる。
【0094】従って、薄肉板多層積層体Aは、温風ファ
ンや脱臭ファンはもちろんのこと、熱交換器用ファン、
その他のあらゆる用途に使用できる。
【0095】さらに、本実施例では、固定側プレート22
とストリッププレート61に、それぞれ、環状円板引抜防
止部63,64 を設けているので、複数のスライドコア26を
外側方向に向けて略放射状に後退した際、環状円板13と
羽根板45とが接着されている場合であっても、確実に羽
根板45を環状円板13から離脱し、羽根板45のみをスライ
ドコア26と一体的に後退させることができる。
【0096】従って、環状円板13の一部が羽根板45にく
っついた状態で外部に移動することによって環状円板13
に亀裂や割れが発生するのを確実に防止でき、薄肉板多
層積層体Aの歩留まりを高めることができる。
【0097】また、図7のゲートブロック51に設けられ
ている円板ゲート53に示されるようなスリット状のゲー
トが用いられる場合、図10に模式的に示すように、円板
成形空間S2の厚みの違いによってゲートの大きさが変わ
り、均一に円板成形空間S2に樹脂が流れなくなる。特
に、本実施例にように、最上面又は最下面の環状円板13
の厚さを厚くする場合には、そこへ流れる樹脂が増え、
上下のバランスが悪くなる。そこで、本実施例では、図
11に模式的に示すように、環状円板引抜き防止部63,64
によって、最上面, 最下面へ樹脂が直接流入するのを防
ぎ、薄肉の円板成形空間S2にのみ樹脂を流すことがで
き、上下に均一な樹脂の注入を行うことができる。
【0098】
【発明の効果】上記した構成によって、本発明は、以下
の効果を奏する。
【0099】本発明では、多数の薄肉の環状円板と、
これらを微小間隔で保持するスペーサとを樹脂で一体に
成形した薄肉板多層積層体において、最上面及び/又は
最下面の環状円板を、他の環状円板よりも小径に形成し
ている。
【0100】従って、固定側プレートとストリッププレ
ートに、それぞれ、環状円板引抜防止部を設けることが
でき、複数のスライドコアを外側方向に向けて略放射状
に後退した際、環状円板と羽根とが接着している場合で
あっても、確実に羽根を環状円板から離脱し、羽根のみ
をスライドコアと一体的に後退することができる。
【0101】従って、環状円板の一部が羽根にくっつい
た状態で外部に移動することによって環状円板に亀裂や
割れが発生するのを確実に防止でき、薄肉板多層積層体
の歩留まりを高めることができる。
【0102】薄肉板多層積層体の最上面の環状円板の
外径と最下面の環状円板の厚みを、他の環状円板の厚み
より厚くしている。従って、薄肉板多層積層体をファン
等として用いる場合等、薄肉板多層積層体を組立ライン
まで搬送し、その後、モータ軸等に組み立てる必要があ
るが、かかる搬送作業や組立作業において、誤って薄肉
板多層積層体を落下した場合であっても、薄肉板多層積
層体は、その最上面の環状円板の外径と最下面の環状円
板が十分な厚みを有するので、薄肉板多層積層体の破損
を防止でき、この面からも薄肉板多層積層体の歩留まり
を高めることができる。
【0103】多数の薄肉の環状円板を成形する空間
と、該空間同士を連通するスペーサ成形用空間とで薄肉
板多層積層体の成形空間を構成し、この薄肉板多層積層
体の成形空間内に樹脂を射出して薄肉板多層積層体を一
体成形する方法において、最上面及び/又は最下面の環
状円板を成形する空間を、他の環状円板を成形する空間
よりも小径としている。
【0104】従って、上記した薄肉板多層積層体を正確
かつ確実に、しかも歩留まりよく製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄肉板多層積層体の断面正面図で
ある。
【図2】図1の I-I線による横断面図である。
【図3】図1の II-II線による横断面図である。
【図4】他の実施例に係る薄肉板多層積層体の断面正面
図である。
【図5】図3のIII-III 線による横断面図である。
【図6】本発明に係る薄肉板多層積層体の成形方法に用
いる成形装置の要部の断面正面図である。
【図7】外側コアを構成するコアユニットの斜視図であ
る。
【図8】内側コアとコアユニットの組立状態を示す平面
図である。
【図9】内側コアとコアユニットの組立状態を示す分解
斜視図である。
【符号の説明】
A 薄肉板多層積層体 B 薄肉板多層積層体成形用金型 13 環状円板 14 スペーサ 13i 最上面の環状円板 13a 最下面の環状円板 S1 スペーサ成形空間 S2 円板成形空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤松 克志 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 植山 剛嗣 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の薄肉の環状円板と、これらを微小間
    隔で保持するスペーサとを樹脂で一体に成形した薄肉板
    多層積層体において、最上面及び/又は最下面の環状円
    板を、他の環状円板よりも小径に形成したことを特徴と
    する薄肉板多層積層体。
  2. 【請求項2】最上面及び/又は最下面の環状円板を、他
    の環状円板より肉厚に形成したことを特徴とする請求項
    1に記載の薄肉板多層積層体。
  3. 【請求項3】前記スペーサが環状円板の略放射方向に延
    びる形状に形成されていると共に、周方向に多数配設さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の薄肉板
    多層積層体。
  4. 【請求項4】前記スペーサが翼形状であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の薄肉板多層積層体。
  5. 【請求項5】薄肉板多層積層体の一側端に位置する環状
    円板を軸取付孔を有する基礎円板として形成し、同基礎
    円板上の残りの環状円板を積層した状態で樹脂により一
    体成形することを特徴とする請求項1〜4記載の薄肉板
    多層積層体。
  6. 【請求項6】前記基礎円板と最下面の環状円板とが同径
    に形成されていることを特徴とする請求項1〜5記載の
    薄肉板多層積層体。
  7. 【請求項7】多数の薄肉の環状円板を成形する円板成形
    空間と、該空間同士を連通するスペーサ成形用空間とで
    薄肉板多層積層体の成形空間を構成し、この薄肉板多層
    積層体の成形空間内に樹脂を射出して薄肉板多層積層体
    を一体成形する方法において、最上面及び/又は最下面
    の環状円板を成形する空間を、他の環状円板を成形する
    空間よりも小径としたことを特徴とする薄肉板多層積層
    体の一体成形方法。
  8. 【請求項8】前記薄肉板多層積層体の成形空間内に、該
    空間の側方から樹脂を射出することを特徴とする請求項
    7に記載の薄肉板多層積層体の一体成形方法。
  9. 【請求項9】固定型と、この固定型に対して進退動作す
    る可動型とからなる成形型のいずれか一方の型に多数の
    羽根板を積層状態で設け、該多数の羽根板により固定型
    と可動型とを型閉めした時に前記薄肉板多層積層体の成
    形空間を形成することを特徴とする請求項7又は8に記
    載の薄肉板多層積層体の一体成形方法。
  10. 【請求項10】小径に形成した最上面及び/又は最下面
    の環状円板を成形する空間以外の空間内に、同空間の側
    方から樹脂を射出することを特徴とする請求項8又は9
    記載の薄肉板多層積層体の一体成形方法。
  11. 【請求項11】内側の固定型と、外側の複数の可動型と
    から成形型を構成し、可動型の一部が前記最上面及び/
    又は最下面の円板を成形する空間の外周側まで延びて、
    該成形空間を小径に形成していることを特徴とする請求
    項7〜10記載の薄肉板多層積層体の一体成形方法。
JP23324994A 1994-09-28 1994-09-28 薄肉板多層積層体及びその樹脂一体成形方法 Pending JPH0890679A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014080968A (ja) * 2012-09-28 2014-05-08 Denso Corp バルブタイミング調整装置

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