JP2015193226A - 樹脂製ファンの製造方法及び製造装置 - Google Patents

樹脂製ファンの製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】中心開口部分で大きく屈曲して流体の移送によく適している樹脂製ファンを効率よく製造する。【解決手段】一次成形側で第1円板30と羽根20とが一体となった半成形品70を成形する(a)。半成形品70を保持したまま複合金型101を二次成形側に移動して、第2金型82aを第1位置(成形位置)にすると共に、これに前後してまたは同時に、第3金型83を前記第1位置に移動させて第1金型81aに挿入し、かつ中間部が大屈曲部32の内面側を跨ぎ、第3金型の先端部を第1金型81aに嵌合する。続いて、二次成型金型80aに樹脂を注入して、半成形品70の羽根20に連続して第2円板40を一体に成形し、ファン10を成形する(b)。第2金型82aと複合金型101を開くと共に、第3金型83と複合金型101を開いてそれぞれ第2位置(後退位置)に移動させ、成形したファン10を複合金型101から取り出す。【選択図】図13

Description

この発明は、ポンプなどで流体を移送する際に使用するファンを、樹脂で二段階成形する樹脂製ファンの製造方法及び製造装置に関する。
円板に挟まれた放射状の羽根が湾曲して形成され、羽根の間に導入路が形成され、かつ導入路(羽根)の内周側が広く(高く)、外周側が狭い(低い)構造のファンの場合、樹脂で一体成形することが困難であり、従来は、羽根が形成された一の円板と他の円板とを別々に成形した後、これらを超音波等の手法で接着して製造していた。しかし、ファンの高速回転における接着面の耐久性の弱さが課題となっていた。
そこで、発明者は、2つのスライドコアを使用することにより、接着を行わずに前記ファンを一体成形することができる発明を提案した(特許文献1)。
また、発明者は、特許文献1の発明を改良した発明、即ち、前記ファンをさらにより確実に一体成形できる発明を提案した(特許文献2)。
特許文献1及び2記載の発明はいずれも、中心に開口を有する2枚の円板で放射状の羽根を挟んだファンを樹脂で一体成形する樹脂製ファンの成形型及び成形方法に関するものである。
特開2010−264687号公報 特開2012−148562号公報
ここで、ファンの形状は、これを取り付ける器具、装置等により様々であるが、図1図示のような、中心開口部分で大きく屈曲している形状のファンは、風量を大きくできる等、流体の移送によく適していることが知られている。
しかし、上記特許文献1、2の発明では、上述した中心開口部分で大きく屈曲している形状のファンを一体成形することが困難であった。
そこで、この発明は、中心開口部分で大きく屈曲している形状であって、流体の移送によく適している樹脂製ファンを効率よく製造する樹脂製ファンの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、以下の発明を提案する。
請求項1の発明は、
中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、樹脂で二段階成形する樹脂製ファンの製造方法であって、以下の一次成形金型及び二次成形金型を使用して、製造することを特徴とする樹脂製ファンの製造方法である。
(1)前記ファンは以下の形状で成形される。
(a)前記羽根は一回転方向に凸となるように湾曲して形成され、
(b)前記一つの羽根の放射状側の端と前記円板の中心とを結ぶ直線上に、隣接する羽根が交差する。
(c)前記羽根は、外周側の端縁は高さH01で形成され、内周側に向けて徐々に高さを大きくして、内周縁側は高さH02(>H01)で形成される。
(d)前記第1円板は第1中央開口と、前記第1中央開口が内周側で前記第2円板から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部とを備え、前記各羽根は前記大屈曲部に至る。
(e)前記第2円板は第2中央開口と、前記第2中央開口が内周側で前記第1円板に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部とを備える。
(2)一次成形金型は、以下の構成を備える。
(a)前記第1円板を成形する第1円板成形金型
(b)前記第1円板の内面に前記羽根を成形する羽根成形金型
(3)二次成形金型は以下の構成を備える。
(a)前記第1円板の外面側に密着して、成形予定の前記第2円板の内周縁及び前記小屈曲部を成形する第1金型
(b)前記第2円板の外面及び外周縁を成形する第2金型であって、前記第2金型は前記第1金型に近接して成形する第1位置と、離れる第2位置を取ることができる。
(c)前記隣接する羽根の間隙に挿入すると共に、前記第1金型の周囲に近接して放射状に配置して、前記間隙に位置する一の羽根の側壁に密着し、かつ前記間隙に位置する他の羽根の側壁に密着して、前記第2円板の内面を成形する第3金型
(d)前記第3金型は、求心側に位置して成形する第1位置と放射側に離れる第2位置をとることができる。前記第1位置で、前記第3金型は前記隣接する2枚の羽根の間隙に挿入され、前記第2円板の内面を成形できる。前記第2位置で、前記第3金型は、前記間隙から放射状に後退して前記間隙から離れることができる。
(4)前記ファンを以下のような手順で成形する。
(a)前記一次成形金型で前記第1円板と羽根とが一体となった半成形品を成形する。
(b)前記半成形品を前記一次成形金型から取り出し、前記二次成形金型の第1金型に嵌挿する。
(c)前記第2金型を前記第1位置にすると共に、これに前後してまたは同時に、前記第3金型を前記第1位置に移動させて、前記第1金型に挿入し、かつ中間部が前記大屈曲部の内面側を跨ぎ、前記第3金型の先端部を前記第1金型に嵌合する。
(d)続いて、二次成形金型に樹脂を注入して前記第2円板を成形すると共に、当該第2円板の内面に前記半成形品の羽根を接合して前記ファンを成形する。
(e)前記第3金型及び第2金型を前記第2位置に移動させて前記第1金型から離し、成形した前記ファンを前記第1金型から取り出す。
請求項2のは発明は、
中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、樹脂で二段階成形する樹脂製ファンの製造方法であって、以下の一次成形金型及び二次成形金型を使用して、製造することを特徴とする樹脂製ファンの製造方法である。
(1)前記ファンは以下の形状で成形される。
(a)前記羽根は一回転方向に凸となるように湾曲して形成され、
(b)前記一つの羽根の放射状側の端と前記円板の中心とを結ぶ直線上に、隣接する羽根が交差する。
(c)前記羽根は、外周側の端縁は高さH01で形成され、内周側に向けて徐々に高さを大きくして、内周縁側は高さH02(>H01)で形成される。
(d)前記第1円板は第1中央開口と、前記第1中央開口が内周側で前記第2円板から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部とを備え、前記各羽根は前記大屈曲部に至る。
(e)前記第2円板は第2中央開口と、前記第2中央開口が内周側で前記第1円板に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部とを備える。
(2)一次成形金型は、以下の構成を備える。
(a)前記第1円板の外面、外周縁及び大屈曲部を成形する第1円板成形金型
(b)前記第1円板の内面に前記羽根を成形する羽根成形金型
(3)二次成形金型は以下の構成を備える。
(a)成形予定の前記第2円板の小屈曲部を成形する第1金型
(c)前記第2円板の内周縁、外面及び外周縁を成形する第2金型であって、前記第2金型は前記第1金型に近接して成形する第1位置と、離れる第2位置を取ることができる。
(d)前記隣接する羽根の間隙に挿入すると共に、前記第1金型の周囲に近接して放射状に配置して、前記間隙に位置する一の羽根の側壁に密着し、かつ前記間隙に位置する他の羽根の側壁に密着して、前記第2円板の内面を成形する第3金型
(e)前記第3金型は、求心側に位置して成形する第1位置と放射側に離れる第2位置をとることができる。前記第1位置で、前記第3金型は前記隣接する2枚の羽根の間隙に挿入され、前記第2円板の内面を成形できる。前記第2位置で、前記第3金型は、前記間隙から放射状に後退して前記間隙から離れることができる。
(4)前記第1円板成形金型と前記第1金型との機能を兼ね備えた金型を複合金型とする。
(5)以下のような手順を繰り返し行い、前記半成形品及び前記ファンを成形する。
(a)前記羽根成形金型と前記複合金型を閉じて第2位置から第1位置とし、材料樹脂を注入して前記羽根成形金型と前記複合金型の前記第一円板成形金型とで、第一次成形として、第一円板と羽根からなる半成形品を成形する。
(b)前記羽根成形金型と前記複合金型とを開いて第2位置とし、前記半成形品を前記複合金型に留めたまま、前記複合金型を、第2位置にある前記第2金型及び第3金型のある位置に移動する。
(c)前記半成形品の羽根の各間隙にそれぞれ第3金型を挿入して第1位置にすると共に、第2金型と前記複合金型を閉じて第1位置とし、材料樹脂を注入して前記第2金型と第3金型と前記複合金型の前記第1金型とで、第二次成形として、半成形品に第二円板を一体に形成して、ファンを成形する。
(d)前記第2金型と前記複合金型を開くと共に、前記第3金型と前記複合金型を開いてそれぞれ第2位置とし、前記ファンを取り出す。
(e)ファンを取り外した複合金型を、第2位置にある前記羽根成形金型の位置に移動して、前記(a)と同様に半成形品を成形する。
請求項3の発明は、
以下のように構成したことを特徴とした請求項2記載の樹脂製ファンの製造方法である。
(1)複合金型を以下のように構成する。
(a)前記第1円板成形金型の上端側から中央側にかけて、成形する前記ファンの前記第1中央開口の直径に応じた凹部が形成されている。
(b)前記第1金型は、前記第1円板成形金型の前記凹部内に収容されている。
(c)前記第1円板成形金型は、前記第1金型の外周面に沿って前記第2金型の方向に移動可能である。
(2)前記複合金型を2つ用意して、一の複合金型と羽根成形金型とで第1次成形をして半成形品を成形し、同時に又は若干時間を前後して、半成形品を載せた他の複合金型と第2金型と第3金型とで第2次成形をしてファンを成形する。
(3)全部の金型を開いて、前記ファンを取り出した他の複合金型を、当初の一の複合金型の位置に移動すると共に、前記半成形品を保持した一の複合金を、当初の他の複合金型の位置に移動する。
(4)前記(2)のように半成形品及びファンを成形する。
請求項4の発明は、
中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、一次成形金型と二次成形金型で二段階成形する装置であって、以下の構成としたことを特徴とする樹脂製ファンの製造装置である。
(1)前記ファンは以下の形状で形成される。
(a)前記羽根は一回転方向に凸となるように湾曲して形成され、
(b)前記一つの羽根の放射状側の端と前記円板の中心とを結ぶ直線上に、隣接する羽根が交差する。
(c)前記羽根は、外周側の端縁は高さH01で形成され、内周側に向けて徐々に高さを大きくして、内周縁側は高さH02(>H01)で形成される。
(d)前記第1円板は第1中央開口と、前記第1中央開口が内周側で前記第2円板から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部とを備え、前記各羽根の内周縁は前記大屈曲部に至る。
(e)前記第2円板は第2中央開口と、前記第2中央開口が内周側で前記第1円板に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部とを備える。
(2)前記一次成形金型は、金型を閉じて、前記第1円板と羽根とが一体となった半成形品を成形する金型であって、当該金型は以下の構成を備える。
(a)前記第1円板を成形する第1円板成形金型
(b)前記第1円板の内面に前記羽根を成形する羽根成形金型
(3)前記二次成形金型は、金型を閉じて、前記第2円板を成形すると共に、当該成形した第2円板と前記半成形品とを接合させ、前記ファンを成形する金型であって、当該金型は以下の構成を備える。
(a)前記第1円板の外面側に密着して、成形予定の前記第2円板の内周縁及び前記小屈曲部を成形する第1金型
(b)前記第2円板の外面及び外周縁を成形する第2金型であって、前記第2金型は前記第1金型に近接して成形する第1位置と、離れる第2位置を取ることができる。
(c)前記隣接する羽根の間隙に挿入すると共に前記第1金型の周囲に近接して放射状に配置して、前記間隙に位置する一の羽根の側壁に密着し、かつ対向する他の羽根の側壁に密着して、前記第2円板の内面を成形する第3金型
(d)前記第3金型は、求心側に位置して成形する第1位置と放射側に離れる第2位置をとることができる。前記第1位置で、前記第3金型は前記隣接する2枚の羽根の間隙に挿入され、前記第2円板の内面を成形できる。前記第2位置で、前記第3金型は、前記間隙から放射状に後退して前記間隙から離れることができる。
(e)前記第1金型は、前記第3金型の先端部と嵌合する嵌合部を備える。
(f)前記第3金型は、前記間隙に挿入し、かつ中間部が前記大屈曲部の内面側を跨ぎ、先端部が前記第1金型の嵌合部に嵌合する嵌合部を有する。
請求項5の発明は、
中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、一次成形金型と二次成形金型で二段階成形する装置であって、以下の構成としたことを特徴とする樹脂製ファンの製造装置である。
(1)前記ファンは以下の形状で形成される。
(a)前記羽根は一回転方向に凸となるように湾曲して形成され、
(b)前記一つの羽根の放射状側の端と前記円板の中心とを結ぶ直線上に、隣接する羽根が交差する。
(c)前記羽根は、外周側の端縁は高さH01で形成され、内周側に向けて徐々に高さを大きくして、内周縁側は高さH02(>H01)で形成される。
(d)前記第1円板は第1中央開口と、前記第1中央開口が内周側で前記第2円板から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部とを備え、前記各羽根の内周縁は前記大屈曲部に至る。
(e)前記第2円板は第2中央開口と、前記第2中央開口が内周側で前記第1円板に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部とを備える。
(2)前記一次成形金型は、各金型を閉じて、前記第1円板と羽根とが一体となった半成形品を成形する金型であって、当該金型は以下の構成を備える。
(a)前記第1円板の外面、外周縁及び大屈曲部を成形する第1円板成形金型
(b)前記第1円板の内面に前記羽根を成形する羽根成形金型
(3)前記二次成形金型は、金型を閉じて、前記半成形品に前記第2円板を一体に成形して、前記ファンを成形する金型であって、当該金型は以下の構成を備える。
(a)成形予定の前記第2円板の小屈曲部を成形する第1金型
(b)前記第2円板の内周縁、外面及び外周縁を成形する第2金型であって、前記第2金型は前記第1金型に近接して成形する第1位置と、離れる第2位置を取ることができる。
(c)前記隣接する羽根の間隙に挿入すると共に、前記第1金型の周囲に近接して放射状に配置して、前記間隙に位置する一の羽根の側壁に密着し、かつ前記間隙に位置する他の羽根の側壁に密着して、前記第2円板の内面を成形する第3金型
(d)前記第3金型は、求心側に位置して成形する第1位置と放射側に離れる第2位置をとることができる。前記第1位置で、前記第3金型は前記隣接する2枚の羽根の間隙に挿入され、前記第2円板の内面を成形できる。前記第2位置で、前記第3金型は、前記間隙から放射状に後退して前記間隙から離れることができる。
(e)前記第1金型は、前記第3金型の先端部と嵌合する嵌合部を備える。
(f)前記第3金型は、前記間隙に挿入し、かつ中間部が前記大屈曲部の内面側を跨ぎ、先端部が前記第1金型の嵌合部に嵌合する嵌合部を有する。
(4)前記第1円板成形金型と前記第1金型と機能を兼ね備える複合金型を形成する。
(a)前記第1円板成形金型の上端側から中央側にかけて、成形する前記ファンの前記第1中央開口の直径に応じた凹部が形成されている。
(b)前記第1金型は、前記第1円板成形金型の前記凹部内に収容されている。
(c)前記第1円板成形金型は、前記第1金型の外周面に沿って前記第2金型の方向に移動可能である。
(5)前記複合金型を前記羽根成形金型の位置と、前記第2金型の位置とに移動させる移動手段を設ける。
請求項6の発明は、
以下のように構成したことを特徴とする請求項5記載の樹脂製ファンの製造装置である。
(1)甲金型基台の対向面と、乙金型基台の対向面とを開閉可能に対向する。
(2)前記甲金型基台の対向面のA位置に羽根成形金型を配置し、B位置に第2成形金型を配置する。
(3)2つの複合金型を用意し、前記乙金型基台の対向面のA位置に一の複合金型を配置し、B位置に他の複合金型を配置する。
(4)前記乙金型基台の前記対向面の他側で、前記A位置とB位置とを含む位置に回転盤を配置し、前記一の複合金型と他の複合金型とを前記回転盤に固定し、前記回転盤を、回転して前記一の複合金型と他の複合金型との位置を相互に入れ替え可能とする。
(5)前記A位置の甲金型基台又は乙金型基台に、成形した半成形品を複合金型に保持させる半成形品保持手段と、前記B位置の乙金型基台に成形したファンを取り外すファン取出手段とを設ける。
この発明によれば、中心開口部分で大きく屈曲している形状であって、流体の移送によく適している樹脂製ファンを効率よく製造する樹脂製ファンの製造方法及び製造装置を提供することができる。
本発明によって製造されるファンの一例を表す図であって、(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図、(d)A−A断面図である。 (a)、(b)、(c)ともに本発明によって製造されるファンの中心開口部分で大きく屈曲している形状を表す概念図である。 図1図示のファンのうち、第1円板と羽根が一体成形された半成形品を表す図であって、(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図、(d)B−B断面図である。 本発明の実地態様に使用される二次成形金型の第1金型及び第3金型を表す斜視図である。 本発明の実地態様の二次成形金型の第1金型及び第3金型の平面図であって、第3金型の第1位置(成形位置)を表す。 本発明の実地態様の二次成形金型の第1金型及び第3金型の平面図であって、第3金型の第2位置(後退位置)を表す。 (a)本発明の実地態様の一次成形金型で第1円板と羽根とが一体となって成形された状態を表す図である。(b)第1円板と羽根とが一体となって成形された半成形品を表す正面図である。(c)半成形品を二次成形金型の第1金型に嵌挿する状態を表す図である。(d)図(c)の部分拡大図である。 (a)本発明の実地態様の二次成形金型で第2円板が成形される状態を表す図である。(b)二次成形金型からファンが取り出された状態を表す図である。(c)製造されたファンを表す正面図である。 本発明の実地態様の二次成形金型でファンが成形される工程を表す斜視図であって、(a)第3金型の第2位置(後退位置)、(b)第3金型の第1位置(成形位置)、(c)ファンが成形された状態を表す図である。 本発明の実施例に係るファン製造装置の斜視図である。 図10図示のファン製造装置の一部を省略した平面図である。 図10図示のファン製造装置の一部を省略した側面断面図であって、半成形品及びファン成形後の状態を表す図である。 (a)図12図示の一次成形金型の拡大図、(b)同じく二次成形金型の拡大図である。 図10図示のファン製造装置の一部を省略した断面図であって、ファン及び半成形品を成形している状態を表す図である。 (a)図14図示の一次成形金型の拡大図、(b)同じく二次成形金型の拡大図である。 図10図示のファン製造装置に用いられる回動機構を表す図であって、(a)平面側斜視図、(b)底面側斜視図である。 本発明の実施例に係る一次成形金型及び二次成形金型の配置を表す図であって、(a)ファン製造装置の斜視図、(b)一部を省略した移動側金型基台の側面断面図である。 本発明の実施例に係る半成形品及び半成形品からのファンの成形を表す図であって、(a)ファン製造装置の斜視図、(b)一部を省略した移動側金型基台の側面断面図である。 本発明の実施例に係る成形されたファンの取出す状態を表す図であって、(a)ファン製造装置の斜視図、(b)一部を省略した移動側金型基台の側面断面図である。 本発明の実施例に係る成形されたファンが取り出された状態を表す図であって、(a)ファン製造装置の斜視図、(b)一部を省略した移動側金型基台の側面断面図である。 本発明の実施例に係る一次成形金型及び二次成形金型で使用される複合金型の移動を表す図であって、(a)ファン製造装置の斜視図、(b)一部を省略した移動側金型基台の側面断面図である。 本発明の実施例に係る一次成形金型及び二次成形金型で使用される複合金型の移動が行われた図であって、(a)ファン製造装置の斜視図、(b)一部を省略した移動側金型基台の側面断面図である。
以下、添付図面(図1〜図9)を参照して、本発明の実施形態(第一実施形態)の一例を説明する。
本発明は、中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、樹脂で二段階成形する樹脂製ファンの製造方法及び製造装置であり、請求項1および請求項4に対応する実施形態である。
1.成形されるファンの構成
(1) 図1図示のように、中心Pから斜めで放射状に配置した多数の羽根20、20を、中心Pを合わせた第1円板(円形)30と第2円板(円形)40とで挟んで樹脂製のファン10を構成する。
図1(a)、(d)図示のように、第1円板30と第2円板40とは同一外径で、第1円板30及び第2円板40の外周縁33、43と、羽根20、20の外周縁21は一致している。
以下、本明細書において、図1(d)図示のように、第1円板30で、羽根20側の面を内面30a、他側を外面30bとする。同様に、第2円板40で、羽根20側の面を内面40a、他側を外面40bとする。
(2) 図1図示のように、第1円板30には同心で大円の第1中央開口31が形成されている。また、図1(b)、(d)図示のように、第1円板30は、第1中央開口31が内周側で第2円板40の内面40aから離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部32を備える。
(3) 図1図示のように、第2円板40には同心で第1中央開口31よりも小円の第2中央開口41が形成されている。また、図1(d)図示のように、第2円板40は、第2中央開口41が内周側で第1円板30の内面30aに近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部42を備える。
(4) 各羽根20は一回転方向に凸となるように湾曲して形成される(凸側20a、凹側20b)。
図1(a)、(c)図示のように、ファン10の中心P(両円板30、40の中心P、羽根20、20の中心P)と一つの羽根20の外周縁21とを結ぶ直線Q上に、前記羽根20の凹側20bに隣接する羽根20の内周縁22付近が交差する(図1(a))。すなわち、ファン10の中心Pと一つの羽根20の外周縁21とを結ぶ直線Qに対して、凹側20bに隣接する羽根20の内周縁22は、直線Qより一つの羽根20側に位置する。
図1(d)図示のように、羽根20は、その外周縁21が高さH01で形成され、内周縁22に向けて徐々に高さが大きくなり、内周縁22側が高さH02で形成される。
(5) 図1図示のように、隣接する羽根20と羽根20の間には、ファン10を使用した際に流体の導入路(間隙)10aが形成される。導入路10aは、隣りあう羽根20、20の湾曲に応じて湾曲して形成される。
また、図1(d)図示のように、導入路10aは、第1円板30の大屈曲部32及び第2円板40の小屈曲部42の屈曲に応じて屈曲して形成される。
さらに、図1図示のように、導入路10aは、隣接する羽根20、20の側壁23、23(一方の羽根20の凸側20a、他方の羽根20の凹側20b)、第1円板30の内面30a、第2円板40の内面40aで囲まれる。
(6) この実施態様では、一例として7枚の羽根20、20が円周方向に等間隔に配列された構成となっている。羽根20の配列数は任意に設定可能で、多数の羽根20を配列することが可能となっている。
(7) 第1中央開口31及び第2中央開口41は、導入路10aから取り入れた流体の吹き出し口(又は導入路10aに流体を送る流体の取り入れ口)である。
(8) 図2は、本発明によって製造されるファン10の中心開口部分で大きく屈曲している形状を表す概念図である。
上述したように、従来知られているファンの製造方法と製造金型では、高さA01と高さA02が同じ形状のファンを一体成形して製造することはできるが、前記中心開口部分で前記外周縁から内周縁にかけて屈曲した形状のファンを一体成形することは困難である。
本発明によって製造されるファン10は、図2(a)図示のように、その外周縁における第1円板30と第2円板40間の高さA01よりも、第1円板30の内周縁における第1円板30と第2円板40間の高さA02が大きい形状のファンである。また、外周縁から内周縁にかけて屈曲した形状のファンである。
例えば、図2(b)図示のように、高さA01が10mmの場合、第1円板30の大屈曲部32に至る吹出し側の角度θが5〜7°のファン10の製造に適している。また、より大きな角度にも対応できる。
また、図2(c)図示のように、高さA01が20mmの場合、第1円板30の大屈曲部32に至る吹出し側の角度の角度θが7〜10°のファン10の製造に適している。また、より大きな角度にも対応できる。
2.一次成形金型の構成及び半成形品の成形方法
一次成形金型は、図3図示の第1円板30及び羽根20よりなる半成形品70を一体成形するための金型である。この実施形態の一次成形金型60は以下の構成を備える。
(1)第1円板を成形する第1円板成形金型(図7(a))
第1円板成形金型61は、第1円板30の外面30b、外周縁33、第1中央開口31及び大屈曲部32の外面を成形するものである。
(2)第1円板の内面に羽根を成形する羽根成形金型(図7(a))
羽根成形金型62は、第1円板30の第1中央開口31が内周側で第2円板40の内面40aから離れる位置となるように大屈曲部32の内面を成形するものである。
また、図3(d)、図7(a)、(b)図示のように、羽根成形金型62は、第1円板30の内面30aを成形すると共に、第1円板30の内面30aに羽根20を成形するものである。成形された羽根20は上述したように、一回転方向に凸となるように湾曲している。
また、成形された羽根20は、第1円板30の中心P(羽根20、20の中心P)と一つの羽根20の外周縁21とを結ぶ直線Q上に、前記羽根20の凹側20bに隣接する羽根20の内周縁22付近が交差する形状となる(図3)。
さらに、外周縁21は高さH01で形成され、内周縁22に向けて徐々に高さが大きくなり、内周縁22側は高さH02で形成されている。
(3) 前記の構成を備える一次成形金型60に樹脂を注入し、第1円板30と羽根20、20とが一体となった半成形品70(図3、図7(b))を成形する。
(4) なお、一次成形金型60は上記の構成に限られず、従来知られている種々の金型を採用することができる。
3.二次成形金型の構成
二次成形金型は、半成形品70に第2円板40を成形して、ファン10を成形するための金型である。この実施形態の二次成形金型80は以下の構成を備える。
(1)第1金型
図7(c)、(d)図示のように、第1金型81は、第1円板30の外面30bを保持する保持部81bを備える。
図4、図7(c)、(d)図示のように、第1金型81は、成形予定の第2円板40の内周縁を成形する内周縁成形部81cを備える。
図7(c)、(d)図示のように、第1金型81は、成形予定の第2円板40の小屈曲部42の内面を成形する屈曲成形部81dを備える。
図4、図7(c)、(d)図示のように、第1金型81は、後述する第3金型83の先端部と嵌合する嵌合凹部81eを内周縁成形部81cの周囲に備える。
(2)第2金型
図7(c)、(d)図示のように、第2金型82は、成形予定の第2円板40の外面40b及び外周縁43を成形する第2円板成形部82bを備える。
図7(c)、図8(a)、(b)図示のように、第2金型82は、第1金型81に近接して第2円板40の外面40b及び外周縁43を成形する第1位置(成形位置)と、第1金型81から離れる第2位置(後退位置)を取ることができる。
(3)第3金型
第3金型83は、隣接する羽根20、20の間隙に挿入すると共に、第1金型81の周囲に放射状に配置して、一の羽根20の凸側20a(側壁23)に密着し、かつ前記間隙に位置する他の羽根20の凹側20b(側壁23)に密着して、第2円板40の内面40aを成形する内面成形部83aを備える。
図4、図7(d)図示のように、第3金型83の内面成形部83aの先端部は、第1金型81の嵌合凹部81eに嵌合し、第1金型81の屈曲成形部81dと連続するように傾斜した形状の嵌合凸部83bとなっている。
図5、図7(d)、図8(a)図示のように、第3金型83を隣接する羽根20、20の間の間隙に挿入すると、内面成形部83aが大屈曲部32の内面側を跨ぎ、嵌合凸部83bが第1金型81の嵌合凹部81eに嵌合する。
図5図示のように、羽根20の数に応じた第3金型83は、金型基台50上をそれぞれ同時に中心Pに向けて移動して(直進運動)、第1金型81の周囲へ等間隔環状に配置された求心側の第1位置(成形位置)をとることができる。
また、図6図示のように、第3金型83は、前記第1位置から直進運動で移動して、中心Pから離れた位置である放射側の第2位置(後退位置)をとることができる。なお、第3金型83は、直進運動と回転運動を伴うこともできる。
4.二次成形金型の動作(半成形品からファンを成形する方法)
(1) 図7(c)、図9(a)図示のように、第1円板30と羽根20とが一体となった半成形品70を一次成形金型60から取り出し、二次成形金型80の第1金型81に嵌挿して、保持部81bに第1円板30の外面30bを密着させる。
(2) 第3金型83を図5、図8(a)、図9(b)図示の第1位置(成形位置)に移動させて第1金型81に挿入し、第3金型83の嵌合凸部83bを第1金型81の嵌合凹部81eに嵌合する。
(3) 第2金型82を図8(a)図示の第1位置(成形位置)に設定する。なお、第2金型82及び第3金型83の移動の制御を、上記の他、第2金型の前記第1位置(成形位置)に設定した後、又は設定したと同時に第3金型83の移動を行うこととしてもよい。
(4) 二次成形金型80内に樹脂を注入する。
このとき、図8(a)図示のように、第1金型81の内周縁成形部81cによって、第2円板40の内周縁が成形される。
また、図7(d)、図8(a)図示のように、第1金型81の屈曲成形部81d及び第3金型83の嵌合凸部83bの前記傾斜形状によって、第2円板40の小屈曲部42の内面が成形される。
また、図8(a)図示のように、第3金型83の内面成形部83aによって、第2円板40の内面40aが成形される。
さらに、図8(a)図示のように、第2金型82の第2円板成形部82bによって、第2円板40の外面40b及び外周縁43が成形される。
第2円板40の内面40aを羽根20と接合(熱融着)させ、樹脂製のファン10が成形される。
(5) 樹脂製のファン10の成形後、図6、図9(c)図示のように、第3金型83及び第2金型82をそれぞれ前記第1位置(成形位置)から前記第2位置(後退位置)に移動させて第1金型81から離し、成形したファン10(図8(c))を第1金型81から取り出す。
(6) 成形したファン10は、第1円板及び第2円板の中心開口部分で大きく屈曲している形状であると共に、その外周縁における第1円板30と第2円板40間の高さA01よりも、第1円板30の内周縁における第1円板30と第2円板40間の高さA02が大きい形状のファンであるので、流体の移送によく適している。
以下、図10〜図22に基づき、本発明の実施例(第二実施形態)について説明する。また、この実施例は請求項2、3、請求項5、6に対応する。なお、上記実施形態で説明した構成と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
この実施例のファン製造装置90は、各種金型を設けた固定側金型基台104(甲金型基台)と、各種金型を設けた移動側金型基台103(乙金型基台)とを、開いた状態(非成形状態)から閉じた状態(成形状態)にすることにより、各種金型を閉じて成形する実施例である。
後述するように、固定側金型基台104の一次成形側(A位置)に羽根成形金型62を設け、対応する移動側金型基台103の一次成形側(A位置)に第1円板成形金型61a(一の複合金型101)を配置する。
また、固定側金型基台104の二次成形側(B位置)に第2金型82aを設け、対応する移動側金型基台103の二次成形側(B位置)に第1金型81a(他の複合金型101)及び第3金型83、83を配置する。
また、第1円板成形金型61aと第1金型81aとの機能を兼用する複合金型101、101の2つが、一次成形側(A位置)と二次成形側(B位置)とを交互に移動できるように構成して、一次成形側(A位置)での半成形品70の成形、二次成形側(B位置)でのファン10の成形を同時に行う。
また、この実施例で成形するファン10は、前記実施形態のファン10と同じである(図1〜図3)。
図10は、一次成形金型で図3図示の第1円板30及び羽根20よりなる半成形品70を一体成形すると同時に、二次成形金型で半成形品70に第2円板40を成形して、ファン10を成形するファン製造装置である。図示のファン製造装置90は、以下の構成を備える。
1.一次成形金型
図10図示のファン製造装置90で用いられる一次成形金型60aは以下の構成を備える。
(1)第1円板を成形し、二次成形金型に共通して使用する複合金型(図12乃至図15)
この実施例で使用する複合金型101は、第1円板30の外面30b、外周縁33及び大屈曲部32の外面を成形する第1円板成形金型61aと、第1円板30の第1中央開口31を成形し、二次成形金型でも使用する第1金型81aとで構成される。
図13(a)図示のように、第1円板成形金型61aと、二次成形金型で使用する第1金型81aとは同一の型枠108内に配備されている。
型枠108は有底の筒状体で、その内部に筒状の第1円板成形金型61aが収容されている。
第1円板成形金型61aの上端側から中央側にかけては、成形するファン10の第1中央開口31の直径の大きさに応じた円筒型の凹部61bが形成されている。
円筒型の凹部61bの内部に柱状の第1金型81aが収容されている。第1金型81aは型枠108の底部に固定されている。
第1円板成形金型61aは、型枠108の底部を直角に貫通している軸体100と連結されており、軸体100はその軸方向である矢印109、110の方向へ移動可能となっている。
以下、この実施例では、矢印109の方向を移動側金型基台103が固定側金型基台104へ近づいて金型が閉じる方向とし、矢印110の方向を移動側金型基台103が固定側金型基台104から離れて金型が開く方向とする。
軸体100の矢印109、110の方向へ移動するのに伴い、第1円板成形金型61aは矢印109、110の方向へ第1金型81aの外周面を摺動しながら移動可能となる。
第1円板成形金型61aが矢印109の方向へ移動すると、第1円板30の外面30bを保持している第1円板成形金型61aは、二次成形金型80aが成形したファン10を矢印109の方向へ押し出す。
第1円板成形金型61aは、ファン10を矢印109の方向へ押し出した後、矢印110の方向へ第1金型81aの外周面を摺動しながら移動し、半成形品70の成形位置をとる。
軸体100の軸方向への第1円板成形金型61aの移動により、第1円板成形金型61aは、前記一次成型側(A位置)では半成形品70の成形位置をとり、前記二次成型側(B位置)ではファン10の成形位置及び取出し位置をとることができる。
(2)第1円板の内面に羽根を成形する羽根成形金型(図12乃至図15)
羽根成形金型62は、第1円板30の第1中央開口31が内周側で第2円板40の内面40aから離れる位置となるように大屈曲部32の内面と、第1円板30の内面30aに羽根20を成形する羽根成形金型本体62aと、成形した半成形品70の外周縁、即ち第1円板30の外周縁33を第1円板成形金型61aとで挟持する外周縁挟持盤62bを備える。
外周縁挟持盤62bは、一次成形金型60aが半成形品70を成形した後、第1円板30の外周縁33を第1円板成形金型61aとで挟持して半成形品70を複合金型101に保持した後、羽根成形金型本体62aに遅れて複合金型101から離れる位置をとる。
2.二次成形金型
図10図示のファン製造装置90で用いられる二次成形金型80aは以下の構成を備える。
(1)第1金型(図12乃至図15)
第1金型81aは、成形予定の第2円板40の小屈曲部42の内面を成形する屈曲成形部81dを備える。
第1金型81aは、第3金型83の嵌合凸部83bと嵌合する嵌合凹部81eを屈曲成形部81dの周囲に備える。
(2)第2金型(図12乃至図15)
第2金型82aは、成形予定の第2円板40の内周縁を成形する内周縁成形部82cを備える。
第2金型82aは、成形予定の第2円板40の外面40b及び外周縁43を成形する第2円板成形部82bを備える。
3.複合金型の移動機構
(1) 図10図示のように、ファン製造装置90は、第一型版91、移動側受版93及び移動側取付版94からなる移動側金型基台103を備える。
第一型版91は、これと連結されている突出板105(図10)の油圧制御による矢印109、矢印110の方向へ移動するのに伴い、矢印109、110の方向へ移動可能である。
移動側受版93は油圧制御により、後述する第二型版95と連結している連結部材106のガイド溝107に沿って移動側取付版94と共に矢印109、110の方向へ移動可能である。
また、図10、図12、図14図示のように、ファン製造装置90は、第二型版95及び固定側取付版97からなる固定側金型基台104を備える。固定側金型基台104は、図示していない成形材注入装置に固定される。
第二型版95と移動側受版93とは連結部材106で連結されており、固定側取付版97とは連結部材106aで連結されている。第二型版95は油圧制御により連結部材106aの長さ分を矢印109、110の方向へ移動可能である。
図10乃至図12、図14図示のように、第一型版91には、半成形品70を成形する一次成形金型60aの複合金型101及び、半成形品70からファン10を成形する二次成形金型80aの複合金型101がそれぞれ設けられている。
図12、図14図示のように、第二型版95には、第一型版91に配置されている一次成形金型60aの複合金型101に対向する位置に羽根成形金型62が配置される。また、第一型版91に配置されている二次成形金型80aの複合金型101に対向する位置に第2金型82aが配置される。
固定側取付版97には成形材注入口98が設けられ、前記成形材注入装置から樹脂が注入される。注入された前記樹脂は、第二型版95に形成されている成形材流路96を介して一次成形金型60a及び二次成形金型80aに供給される。
(2) 移動側受版93内には、図16図示のように、回転盤92a、ピニオン92b及びラック92cを備える回動機構92が配備されている。
型枠108は、図16図示の回転盤92aの型枠受け92dに固定される。この実施例では、一次成形側の型枠108、二次成形側の型枠108の二つを、二つ設けた型枠受け92d、92dにそれぞれ固定している。
回転盤92aは、ピニオン92b及びラック92cなどによって回転軸92eを中心として矢印113又は114の方向へ回動可能である。
回動機構92の作用により、型枠受け92d、92dに固定された型枠108、108は、交互にその位置を入れ替えることができる。
例えば、ラック92cが矢印111の方向へ移動すると、回転盤92aは矢印114の方向へ回転し、一方の型枠受け92dに固定された型枠108は他方の型枠受け92dへ移動することができる。
回動機構92を利用すると、図10、図11図示の一次成形金型60aの複合金型101と二次成形金型81aの複合金型101は交互にその位置を入れ替えることができる。
ラック92cが矢印111の方向へ移動すると、回転盤92aは矢印114の方向へ回転し、一次成形金型60aの複合金型101は二次成型側(B位置)へ移動する。また、二次成形金型81aの複合金型101は一次成型側(A位置)へ移動する。
続いてラック92cが矢印112の方向へ移動すると、回転盤92aは矢印113の方向へ回転し、一次成型側(A位置)へ移動した二次成形金型81aの複合金型101は二次成型側(B位置)へ移動する。また、二次成型側(B位置)へ移動した一次成形金型60aの複合金型101は一次成型側(A位置)へ移動する。
4.半成形品及び半成形品からファンを成形する方法(ファン製造装置の動作)
この実施例のファン製造装置90は以下の動作を繰り返し行い、半成形品70及び半成形品からファン10を繰り返し成形する。
(1)一次成形金型60a及び二次成形金型80aの配置
図10では、第1円板30と羽根20とが一体となった半成形品70が二次成形金型80aの第1金型81aに嵌挿され、第1円板成形金型61aが第1円板30の外面30bを保持した状態を表している。
第3金型83は図5及び図9(b)図示のように第1位置(成形位置)に移動して第1金型81aに挿入され、第3金型83の嵌合凸部83bが第1金型81aの嵌合凹部81eに嵌合されている。
移動側金型基台103は図10図示の状態から油圧制御により、移動側受版93が連結部材106のガイド溝107に沿って固定側金型基台104へ近づく方向109へ移動するに伴い、固定側金型基台104へ近づく方向109へ移動する。
続いて、固定側金型基台104の第二型版95は図10図示の状態から油圧制御により、連結部材106aの長さ分を固定側取付板97に近づく方向109へ移動し、ファン製造装置90は樹脂の注入待機状態となる(図14、図17)。
第2金型82aは図14図示の第1位置(成形位置)に設定されている。なお、第2金型82a及び第3金型83の移動の制御を、上記の他、第2金型82aを前記第1位置(成形位置)に設定した後、又は設定したと同時に第3金型83の移動を行うこととしてもよい。
(2)半成形品及び半成形品からのファンの成形
図14及び図18(a)図示の状態において、前記成形材注入装置(図示していない)から樹脂が固定側取付版97に設けられている成形材注入口98へ注入される。注入された前記樹脂は、一次成形金型60a及び二次成形金型80aそれぞれに供給される。
(a)一次成形側: 図15(a)、図18(b)図示のように、一次成形金型60aによって第1円板30と羽根20、20とが一体となった半成形品70(図3、図7(b))が成形される。
複合金型101の第1円板成形金型61aは、第1円板30の外面30b、外周縁33及び大屈曲部32の外面を成形する。
複合金型101の第1金型81aは、第1円板30の第1中央開口31を成形する。
羽根成形金型62は、第1円板30の第1中央開口31が内周側で第2円板40の内面40aから離れる位置となるように大屈曲部32の内面を成形すると共に、第1円板30の内面30aに羽根20を成形する。
この半成形品70は、上述したように羽根20が一回転方向に凸となるように湾曲した形状である。
また、成形された羽根20は、第1円板30の中心P(羽根20、20の中心P)と一つの羽根20の外周縁21とを結ぶ直線Q上に、前記羽根20の凹側20bに隣接する羽根20の内周縁22付近が交差する形状となる(図3)。
外周縁21は高さA01で形成され、内周縁22に向けて徐々に高さが大きくなり、内周縁22側は高さA02で形成されている。
第1円板30は第1中央開口31と、第1中央開口31が内周側で第2円板40から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部32とを備え、各羽根20は大屈曲部32に至る。
(b)二次成形側: 図15(b)、図18(b)図示のように、二次成形金型81aによって、ファン10(図1)が成形される。
第2金型82aの内周縁成形部82cは、第2円板40の内周縁を成形する。
第2金型82の第2円板成形部82bは、第2円板40の外面40b及び外周縁43を成形する。
第1金型81aの屈曲成形部81d及び第3金型83の嵌合凸部83bの前記傾斜形状によって、第2円板40の小屈曲部42の内面が成形される。
第3金型83の内面成形部83aは、第2円板40の内面40aを成形する。
第2円板40の内面40aを羽根20と接合(熱融着)させ、樹脂製のファン10が成形される。このファン10は、上述したように第2円板40が第2中央開口41と、第2中央開口41が内周側で第1円板30に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部42とを備えている(図1)。
(c) なお、上記において、通常、ファン製造装置90を作動させた最初は、一次成形金型61a側(すなわち羽根成形62、複合金型101(第一円板成形金型61a))側にのみ樹脂を注入して半成形品70のみを成形する。この際、二次成形金型80a側(すなわち、第2金型82a、第3金型83、複合金型101(第1金型81a))側には樹脂を供給せず、バイパスの液路(図示していない)に樹脂を供給して固化した樹脂を廃棄する。所定の半成形品70の成形が完了した時点で、二次成形金型80a側で、バイパスの液路から切り替えて、上記(b)のように、連続して、ファン10の成形をする。
(3)成形されたファンの取出し
移動側金型基台103は図18(a)図示の状態から油圧制御により、移動側受版93が連結部材106のガイド溝107に沿って固定側金型基台104から離れる方向110へ移動するに伴い、固定側金型基台104から離れる方向110へ移動する(図19(a))。
(a)一次成形側: このとき、外周縁挟持盤62bは、半成形品70の第1円板30の外周縁33を第1円板成形金型61aとで挟持して半成形品70を複合金型101(第1円板成形金型61a)に保持した後、羽根成形金型本体62aに遅れて固定側金型基台104から離れる方向110へ移動する。したがって、半成形品70は、必ず複合金型101(第1円板成形金型61a)に載せられ、羽根成形金型本体62a側に残ることはない。
続いて、固定側金型基台104の第二型版95は図18図示の状態から油圧制御により、連結部材106aの長さ分を固定側取付版97から離れる方向110へ移動する(図19(a))。
(b)二次成形側: 図6、図9(c)図示のように、第3金型83及び第2金型82aはそれぞれ前記第1位置(成形位置)から前記第2位置(後退位置)に移動し第1金型81aから離れる。
移動側受版93内には回転盤92aの他、図12乃至図15図示の軸体100を固定側金型基台104に近づく方向109へ移動させるための軸体押出手段115が配備されている。
油圧制御によって軸体押出手段115が軸体100を矢印109の方向へ押出し、軸体100は固定側金型基台104に近づく方向109へ移動する。
軸体100の矢印109の方向への移動に伴って、第1円板成形金型61aは固定側金型基台104に近づく方向109へ移動する(図19(b))。
第1円板成形金型61aが矢印109の方向へ移動すると、第1円板30の外面30bを保持している第1円板成形金型61aがファン10を矢印109の方向へ押し出す(図20)。押し出されたファン10は矢印111の方向へ落下して収容される。
(4)複合金型の移動
図20図示の状態において、移動側金型基台103の第一型版91は、型枠108の高さ分を固定側金型基台104に近づく方向109へ移動する(図21)。
移動側受版93内に配備されている回転盤92aは、回動機構92の作用により回転軸92eを中心として矢印113又は114の方向へ回転する。図22はラック92cが矢印112の方向へ移動し、回転盤92aが矢印113の方向へ回転する状態を表している。
図22(b)図示のように、回転盤92aが矢印113の方向へ回転すると、一次成形金型60aの複合金型101は二次成型側(B位置)へ移動する。また、二次成形金型80aの複合金型101は一次成型側(A位置)へ移動する。
移動側金型基台103の第一型版91は、型枠108の高さ分を固定側金型基台104から離れる方向110へ移動する(図17(b))。
一次成形金型60aに移動した複合金型101の第1円板成形金型61aは固定側金型基台104から離れる方向110へ移動する(図17(b))。
(5) 一次成形金型60a及び二次成形金型80aそれぞれの複合金型101は、図17(b)図示のように、半成形品成形位置及びファン成形位置をとることになり、以後ファン製造装置90は上記(1)乃至(4)の動作を繰り返し行い、半成形品70及び半成形品からファン10を繰り返し成形する。
(6) なお、この実施例では、回動機構92を利用して一次成形金型60a及び二次成形金型80aそれぞれの複合金型101の配置位置を相互に入れ替えている。この他、例えば従来公知の種々のスライド機構等の移動手段を利用して、同一平面内及び/又は鉛直方向に複合金型101、101を移動させ、これらの配置位置を相互に入れ替えることができる。
(7) この実施例によるファン製造装置90によって、第1円板及び第2円板の中心開口部分で大きく屈曲している形状であると共に、その外周縁における第1円板30と第2円板40間の高さA01よりも、第1円板30の内周縁における第1円板30と第2円板40間の高さA02が大きい形状で、流体の移送によく適している樹脂製のファン10を成形することができる。
5.他の実施例の構成
(1) 前記実施例において、移動側金型基台103を固定側金型基台104に対して、離接するように移動させたが、相対的に両金型基台103、104を閉じて成形して、開いて成形したファン10(半成形品70)を取り出しできれば、いずれを移動させても良い(図示していない)。
(2) また、前記実施例において、移動手段として回動機構92を用いて(回転移動)、複合金型101、101を一次成形側と二次成形側に移動させたので、確実にかつ簡易に移動させることができるが、スライドさせて移動させる(平行移動)機構とすることもできる(図示していない)。
(3) また、前記実施例において、一つの固定側金型基台104の一側(一次成形側)に羽根成形金型62、他側(二次成形側)に第2金型82aを形成したので、ファン製造装置90を小型化して効率的な使用ができるが、2つの固定側金型基台片に分離して、一方の固定金型基台片に羽根成形金型62を設け、他方の固定金型基台片に第2金型82aを設けることもできる(図示していない)。この場合には、対応する移動金型基台103も2つの移動金型基台片に分離して構成する(図示していない)。
なお、この場合には、一次成形と二次成形を別々に行うことができるので、一次成形と二次成形の速度を変えることもできる。また、1つの複合金型101を移動させたり、または3つ以上の複合金型101を使用して移動させることもできる(図示していない)。
10 ファン
10a 導入路
20 羽根
20a 羽根の凸側
20b 羽根の凹側
21 羽根の外周縁
22 羽根の内周縁
23 羽根の側壁
30 第1円板
30a 第1円板の内面
30b 第1円板の外面
31 第1中央開口
32 大屈曲部
33 第1円板の外周縁
40 第2円板
40a 第2円板の内面
40b 第2円板の外面
41 第2中央開口
42 小屈曲部
43 第2円板の外周縁
50 金型基台
60、60a 一次成形金型
61、61a 第1円板成形金型
61b 凹部
62 羽根成形金型
62a 羽根成形金型本体
62b 外周縁挟持盤
70 半成形品
80、80a 二次成形金型
81、81a 第1金型
81b 保持部
81c 内周縁成形部
81d 屈曲成形部
81e 嵌合凹部(嵌合部)
82、82a 第2金型
82b 第2円板成形部
82c 内周縁成形部
83 第3金型
83a 内面成形部
83b 嵌合凸部(嵌合部)
90 ファン製造装置
91 第一型版
92 回動機構(移動手段)
92a 回転盤
92b ピニオン
92c ラック
92d 型枠受け
92e 回転軸
93 移動側受版
94 移動側取付版
95 第二型版
96 成形材流路
97 固定側取付版
98 成形材注入口
100 軸体
101 複合金型
103 移動側金型基台(乙金型基台)
104 固定側金型基台(甲金型基台)
105 突出板
106、106a 連結部材
107 ガイド溝
108 型枠
115 軸体押出手段

Claims (6)

  1. 中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、樹脂で二段階成形する樹脂製ファンの製造方法であって、以下の一次成形金型及び二次成形金型を使用して、製造することを特徴とする樹脂製ファンの製造方法。
    (1)前記ファンは以下の形状で成形される。
    (a)前記羽根は一回転方向に凸となるように湾曲して形成され、
    (b)前記一つの羽根の放射状側の端と前記円板の中心とを結ぶ直線上に、隣接する羽根が交差する。
    (c)前記羽根は、外周側の端縁は高さH01で形成され、内周側に向けて徐々に高さを大きくして、内周縁側は高さH02(>H01)で形成される。
    (d)前記第1円板は第1中央開口と、前記第1中央開口が内周側で前記第2円板から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部とを備え、前記各羽根は前記大屈曲部に至る。
    (e)前記第2円板は第2中央開口と、前記第2中央開口が内周側で前記第1円板に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部とを備える。
    (2)一次成形金型は、以下の構成を備える。
    (a)前記第1円板を成形する第1円板成形金型
    (b)前記第1円板の内面に前記羽根を成形する羽根成形金型
    (3)二次成形金型は以下の構成を備える。
    (a)前記第1円板の外面側に密着して、成形予定の前記第2円板の内周縁及び前記小屈曲部を成形する第1金型
    (b)前記第2円板の外面及び外周縁を成形する第2金型であって、前記第2金型は前記第1金型に近接して成形する第1位置と、離れる第2位置を取ることができる。
    (c)前記隣接する羽根の間隙に挿入すると共に、前記第1金型の周囲に近接して放射状に配置して、前記間隙に位置する一の羽根の側壁に密着し、かつ前記間隙に位置する他の羽根の側壁に密着して、前記第2円板の内面を成形する第3金型
    (d)前記第3金型は、求心側に位置して成形する第1位置と放射側に離れる第2位置をとることができる。前記第1位置で、前記第3金型は前記隣接する2枚の羽根の間隙に挿入され、前記第2円板の内面を成形できる。前記第2位置で、前記第3金型は、前記間隙から放射状に後退して前記間隙から離れることができる。
    (4)前記ファンを以下のような手順で成形する。
    (a)前記一次成形金型で前記第1円板と羽根とが一体となった半成形品を成形する。
    (b)前記半成形品を前記一次成形金型から取り出し、前記二次成形金型の第1金型に嵌挿する。
    (c)前記第2金型を前記第1位置にすると共に、これに前後してまたは同時に、前記第3金型を前記第1位置に移動させて、前記第1金型に挿入し、かつ中間部が前記大屈曲部の内面側を跨ぎ、前記第3金型の先端部を前記第1金型に嵌合する。
    (d)続いて、二次成形金型に樹脂を注入して前記第2円板を成形すると共に、当該第2円板の内面に前記半成形品の羽根を接合して前記ファンを成形する。
    (e)前記第3金型及び第2金型を前記第2位置に移動させて前記第1金型から離し、成形した前記ファンを前記第1金型から取り出す。
  2. 中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、樹脂で二段階成形する樹脂製ファンの製造方法であって、以下の一次成形金型及び二次成形金型を使用して、製造することを特徴とする樹脂製ファンの製造方法。
    (1)前記ファンは以下の形状で成形される。
    (a)前記羽根は一回転方向に凸となるように湾曲して形成され、
    (b)前記一つの羽根の放射状側の端と前記円板の中心とを結ぶ直線上に、隣接する羽根が交差する。
    (c)前記羽根は、外周側の端縁は高さH01で形成され、内周側に向けて徐々に高さを大きくして、内周縁側は高さH02(>H01)で形成される。
    (d)前記第1円板は第1中央開口と、前記第1中央開口が内周側で前記第2円板から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部とを備え、前記各羽根は前記大屈曲部に至る。
    (e)前記第2円板は第2中央開口と、前記第2中央開口が内周側で前記第1円板に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部とを備える。
    (2)一次成形金型は、以下の構成を備える。
    (a)前記第1円板の外面、外周縁及び大屈曲部を成形する第1円板成形金型
    (b)前記第1円板の内面に前記羽根を成形する羽根成形金型
    (3)二次成形金型は以下の構成を備える。
    (a)成形予定の前記第2円板の小屈曲部を成形する第1金型
    (c)前記第2円板の内周縁、外面及び外周縁を成形する第2金型であって、前記第2金型は前記第1金型に近接して成形する第1位置と、離れる第2位置を取ることができる。
    (d)前記隣接する羽根の間隙に挿入すると共に、前記第1金型の周囲に近接して放射状に配置して、前記間隙に位置する一の羽根の側壁に密着し、かつ前記間隙に位置する他の羽根の側壁に密着して、前記第2円板の内面を成形する第3金型
    (e)前記第3金型は、求心側に位置して成形する第1位置と放射側に離れる第2位置をとることができる。前記第1位置で、前記第3金型は前記隣接する2枚の羽根の間隙に挿入され、前記第2円板の内面を成形できる。前記第2位置で、前記第3金型は、前記間隙から放射状に後退して前記間隙から離れることができる。
    (4)前記第1円板成形金型と前記第1金型との機能を兼ね備えた金型を複合金型とする。
    (5)以下のような手順を繰り返し行い、前記半成形品及び前記ファンを成形する。
    (a)前記羽根成形金型と前記複合金型を閉じて第2位置から第1位置とし、材料樹脂を注入して前記羽根成形金型と前記複合金型の前記第一円板成形金型とで、第一次成形として、第一円板と羽根からなる半成形品を成形する。
    (b)前記羽根成形金型と前記複合金型とを開いて第2位置とし、前記半成形品を前記複合金型に留めたまま、前記複合金型を、第2位置にある前記第2金型及び第3金型のある位置に移動する。
    (c)前記半成形品の羽根の各間隙にそれぞれ第3金型を挿入して第1位置にすると共に、第2金型と前記複合金型を閉じて第1位置とし、材料樹脂を注入して前記第2金型と第3金型と前記複合金型の前記第1金型とで、第二次成形として、半成形品に第二円板を一体に形成して、ファンを成形する。
    (d)前記第2金型と前記複合金型を開くと共に、前記第3金型と前記複合金型を開いてそれぞれ第2位置とし、前記ファンを取り出す。
    (e)ファンを取り外した複合金型を、第2位置にある前記羽根成形金型の位置に移動して、前記(a)と同様に半成形品を成形する。
  3. 以下のように構成したことを特徴とした請求項2記載の樹脂製ファンの製造方法。
    (1)複合金型を以下のように構成する。
    (a)前記第1円板成形金型の上端側から中央側にかけて、成形する前記ファンの前記第1中央開口の直径に応じた凹部が形成されている。
    (b)前記第1金型は、前記第1円板成形金型の前記凹部内に収容されている。
    (c)前記第1円板成形金型は、前記第1金型の外周面に沿って前記第2金型の方向に移動可能である。
    (2)前記複合金型を2つ用意して、一の複合金型と羽根成形金型とで第1次成形をして半成形品を成形し、同時に又は若干時間を前後して、半成形品を載せた他の複合金型と第2金型と第3金型とで第2次成形をしてファンを成形する。
    (3)全部の金型を開いて、前記ファンを取り出した他の複合金型を、当初の一の複合金型の位置に移動すると共に、前記半成形品を保持した一の複合金を、当初の他の複合金型の位置に移動する。
    (4)前記(2)のように半成形品及びファンを成形する。
  4. 中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、一次成形金型と二次成形金型で二段階成形する装置であって、以下の構成としたことを特徴とする樹脂製ファンの製造装置。
    (1)前記ファンは以下の形状で形成される。
    (a)前記羽根は一回転方向に凸となるように湾曲して形成され、
    (b)前記一つの羽根の放射状側の端と前記円板の中心とを結ぶ直線上に、隣接する羽根が交差する。
    (c)前記羽根は、外周側の端縁は高さH01で形成され、内周側に向けて徐々に高さを大きくして、内周縁側は高さH02(>H01)で形成される。
    (d)前記第1円板は第1中央開口と、前記第1中央開口が内周側で前記第2円板から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部とを備え、前記各羽根の内周縁は前記大屈曲部に至る。
    (e)前記第2円板は第2中央開口と、前記第2中央開口が内周側で前記第1円板に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部とを備える。
    (2)前記一次成形金型は、金型を閉じて、前記第1円板と羽根とが一体となった半成形品を成形する金型であって、当該金型は以下の構成を備える。
    (a)前記第1円板を成形する第1円板成形金型
    (b)前記第1円板の内面に前記羽根を成形する羽根成形金型
    (3)前記二次成形金型は、金型を閉じて、前記第2円板を成形すると共に、当該成形した第2円板と前記半成形品とを接合させ、前記ファンを成形する金型であって、当該金型は以下の構成を備える。
    (a)前記第1円板の外面側に密着して、成形予定の前記第2円板の内周縁及び前記小屈曲部を成形する第1金型
    (b)前記第2円板の外面及び外周縁を成形する第2金型であって、前記第2金型は前記第1金型に近接して成形する第1位置と、離れる第2位置を取ることができる。
    (c)前記隣接する羽根の間隙に挿入すると共に前記第1金型の周囲に近接して放射状に配置して、前記間隙に位置する一の羽根の側壁に密着し、かつ対向する他の羽根の側壁に密着して、前記第2円板の内面を成形する第3金型
    (d)前記第3金型は、求心側に位置して成形する第1位置と放射側に離れる第2位置をとることができる。前記第1位置で、前記第3金型は前記隣接する2枚の羽根の間隙に挿入され、前記第2円板の内面を成形できる。前記第2位置で、前記第3金型は、前記間隙から放射状に後退して前記間隙から離れることができる。
    (e)前記第1金型は、前記第3金型の先端部と嵌合する嵌合部を備える。
    (f)前記第3金型は、前記間隙に挿入し、かつ中間部が前記大屈曲部の内面側を跨ぎ、先端部が前記第1金型の嵌合部に嵌合する嵌合部を有する。
  5. 中心から放射状に配置した多数の羽根を、前記中心を合わせた第1円板と第2円板とで挟んだ構造のファンを、一次成形金型と二次成形金型で二段階成形する装置であって、以下の構成としたことを特徴とする樹脂製ファンの製造装置。
    (1)前記ファンは以下の形状で形成される。
    (a)前記羽根は一回転方向に凸となるように湾曲して形成され、
    (b)前記一つの羽根の放射状側の端と前記円板の中心とを結ぶ直線上に、隣接する羽根が交差する。
    (c)前記羽根は、外周側の端縁は高さH01で形成され、内周側に向けて徐々に高さを大きくして、内周縁側は高さH02(>H01)で形成される。
    (d)前記第1円板は第1中央開口と、前記第1中央開口が内周側で前記第2円板から離れる位置となるように屈曲形成される大屈曲部とを備え、前記各羽根の内周縁は前記大屈曲部に至る。
    (e)前記第2円板は第2中央開口と、前記第2中央開口が内周側で前記第1円板に近づく位置となるように屈曲形成される小屈曲部とを備える。
    (2)前記一次成形金型は、各金型を閉じて、前記第1円板と羽根とが一体となった半成形品を成形する金型であって、当該金型は以下の構成を備える。
    (a)前記第1円板の外面、外周縁及び大屈曲部を成形する第1円板成形金型
    (b)前記第1円板の内面に前記羽根を成形する羽根成形金型
    (3)前記二次成形金型は、金型を閉じて、前記半成形品に前記第2円板を一体に成形して、前記ファンを成形する金型であって、当該金型は以下の構成を備える。
    (a)成形予定の前記第2円板の小屈曲部を成形する第1金型
    (b)前記第2円板の内周縁、外面及び外周縁を成形する第2金型であって、前記第2金型は前記第1金型に近接して成形する第1位置と、離れる第2位置を取ることができる。
    (c)前記隣接する羽根の間隙に挿入すると共に、前記第1金型の周囲に近接して放射状に配置して、前記間隙に位置する一の羽根の側壁に密着し、かつ前記間隙に位置する他の羽根の側壁に密着して、前記第2円板の内面を成形する第3金型
    (d)前記第3金型は、求心側に位置して成形する第1位置と放射側に離れる第2位置をとることができる。前記第1位置で、前記第3金型は前記隣接する2枚の羽根の間隙に挿入され、前記第2円板の内面を成形できる。前記第2位置で、前記第3金型は、前記間隙から放射状に後退して前記間隙から離れることができる。
    (e)前記第1金型は、前記第3金型の先端部と嵌合する嵌合部を備える。
    (f)前記第3金型は、前記間隙に挿入し、かつ中間部が前記大屈曲部の内面側を跨ぎ、先端部が前記第1金型の嵌合部に嵌合する嵌合部を有する。
    (4)前記第1円板成形金型と前記第1金型と機能を兼ね備える複合金型を形成する。
    (a)前記第1円板成形金型の上端側から中央側にかけて、成形する前記ファンの前記第1中央開口の直径に応じた凹部が形成されている。
    (b)前記第1金型は、前記第1円板成形金型の前記凹部内に収容されている。
    (c)前記第1円板成形金型は、前記第1金型の外周面に沿って前記第2金型の方向に移動可能である。
    (5)前記複合金型を前記羽根成形金型の位置と、前記第2金型の位置とに移動させる移動手段を設ける。
  6. 以下のように構成したことを特徴とする請求項5記載の樹脂製ファンの製造装置。
    (1)甲金型基台の対向面と、乙金型基台の対向面とを開閉可能に対向する。
    (2)前記甲金型基台の対向面のA位置に羽根成形金型を配置し、B位置に第2成形金型を配置する。
    (3)2つの複合金型を用意し、前記乙金型基台の対向面のA位置に一の複合金型を配置し、B位置に他の複合金型を配置する。
    (4)前記乙金型基台の前記対向面の他側で、前記A位置とB位置とを含む位置に回転盤を配置し、前記一の複合金型と他の複合金型とを前記回転盤に固定し、前記回転盤を、回転して前記一の複合金型と他の複合金型との位置を相互に入れ替え可能とする。
    (5)前記A位置の甲金型基台又は乙金型基台に、成形した半成形品を複合金型に保持させる半成形品保持手段と、前記B位置の乙金型基台に成形したファンを取り外すファン取出手段とを設ける。
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