JPH088999B2 - 三元触媒の製造方法 - Google Patents

三元触媒の製造方法

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JPH088999B2
JPH088999B2 JP62154763A JP15476387A JPH088999B2 JP H088999 B2 JPH088999 B2 JP H088999B2 JP 62154763 A JP62154763 A JP 62154763A JP 15476387 A JP15476387 A JP 15476387A JP H088999 B2 JPH088999 B2 JP H088999B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、白金−クロム−コバルトの3種金属が任意
の割合で合金化された三元合金触媒、特に燃料電池用三
元合金触媒の製造方法に関する。
(従来技術とその問題点) 燃料電池用をはじめとする各種触媒として、白金、ク
ロム及びコバルトから成る三元触媒が利用されている。
該三元触媒は、例えば白金を担持させたカーボンブラ
ック担体をクロム化合物を含む溶液とコバルト化合物を
含む溶液に別々に接触させて前記担体上にクロムとコバ
ルトを担持させた後、合金化することにより製造されて
いる(特開昭59−141169号公報)。しかしながら該製造
方法ではクロム化合物溶液とコバルト化合物溶液に別々
に担体を接触するようにしているため操作の繰り返しが
必要となって煩雑になるとともに、得られる合金触媒の
性能が不十分であるという欠点がある。
これは次のような理由によるものと推測することがで
きる。上記従来技術における合金触媒の製造では白金を
担持した担体上に第1にクロムの担持を行い、次いでコ
バルトの担持を行うようにしているため、まずクロムが
白金上に吸着して白金表面を覆い、次いでコバルトが該
クロム上に吸着して白金−クロム−コバルトの順に三層
構造が形成される。これらの金属の合金化のためには前
記担体を例えば不活性ガス中で高温処理して白金中にク
ロムとコバルトを拡散させる必要があるが、該高温処理
前の金属が三層構造を取っているため、まずクロムが白
金中に拡散し、次いでコバルトもくしはクロム中に拡散
したコバルトが白金中へ拡散することになる。従って得
られる三元触媒の合金の担体近傍ではクロムがリッチな
状態になり、逆に表面付近ではコバルトがリッチな状態
となっていると考えられる。このため触媒活性を有する
3種類の金属のうち、反応する化合物と接触する機会の
多いコバルトのみが反応に関与し他の2種類の金属が反
応に関与できないため触媒活性が十分に現れないものと
推測される。
本発明者は該欠点を解消するために、クロム酸コバル
トを使用してクロムとコバルトを同時に担体上へ担持さ
せる方法を提案したが、該方法では上記各欠点は解消で
きるもののクロムとコバルトの比率を変えることができ
ないという欠点がある。
(発明の目的) 本発明は、前記した従来技術の欠点、つまり触媒活性
が十分に現れないこと及び製造がやや煩雑であるという
欠点を解消し、更にクロムとコバルトとの比率も変える
ことができる。十分満足できる触媒活性を有する三元触
媒を容易に製造できる方法を提供することを目的とす
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、白金粉末を担持させた担体を、クロム化合
物とコバルト化合物を含む溶液と接触させて該クロム化
合物及びコバルト化合物を前記担体上に付着させ、更に
該担体を高温処理して前記白金、クロム及びコバルトを
合金化することを特徴とする三元触媒の製造方法であ
る。
以下本発明をより詳細に説明する。
本発明は、従来2種類の化合物の溶液を別々に担体と
接触させたことに換えて、クロム化合物とコバルト化合
物の溶液を同時に担体と接触させて1度の操作で白金を
担持した担体上にクロムとコバルトを同時に担持させる
ことを最大の特徴としている。
本発明方法によると、合金化の際にクロムとコバルト
が同時に白金中へ拡散し、クロムとコバルトが均一に白
金中に存在し各金属、少なくともクロムとコバルトが均
一に触媒表面に存在すると考えられるため、両金属が反
応化合物に接触して各金属の触媒能が十分に発揮される
ことになる。本発明により製造されたクロム−コバルト
−白金から成る三元合金触媒は、従来の同一組成を有す
る三元触媒に対して約1.2倍程度の触媒活性を有してい
る。
本発明で使用される担体は任意の無機化合物、例えば
カーボンブラック、ムライト等の微粒子とすることがで
きる。
該担体に白金を担持させる方法も特に限定されず、例
えば担体であるカーボンブラック微粒子と塩化白金酸溶
液を撹拌して前記担体上へ塩化白金酸を吸着させ次いで
水素気流中で還元して白金担持カーボンブラックとする
ことができる。
次いで該担体をクロム化合物例えば硝酸クロムとコバ
ルト化合物例えば硝酸コバルト含む水溶液又は塩酸溶液
等に加えて前記クロムとコバルトを担体上に吸着させ
る。該担体を濾過等により前記溶液から分離し、乾燥等
の処理を行った後、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活
性ガス中で高温処理して前記白金、クロム及びコバルト
を合金化する。又前記溶液中のクロム化合物とコバルト
化合物の量を加減することにより、前記担体上へ担持さ
れるクロムとコバルトの相対比を変化させることができ
る。
このようにして得られた合金触媒は三元金属がほぼ均
一に分散した触媒活性の高い触媒であることが確認され
た。
以下本発明の実施例をの記載するが該実施例は本発明
を限定するものではない。
(実施例) 白金が担持されたカーボンブラック10gに水400mlを加
えスターラで撹拌した後、超音波ホモジナイザで更に10
分間撹拌した。撹拌後硝酸クロム7gと硝酸コバルト4gを
希塩酸100mlに溶かした溶液を前記カーボンブラックを
含む溶液に加えた。添加後更に10分間撹拌して液相を均
一にした。
次いで希水酸化アンモニウムを加え、pHを7.5に調節
した。更に撹拌を10分継続し、前記カーボンブラック担
体を濾別した。該濾別した担体を窒素ガス中90℃で乾燥
し、その後温度を900℃に昇温し該温度で2時間高温処
理を行い、白金−クロム−コバルトから成る三元合金触
媒を得た。電子顕微鏡にて観察したところ、該触媒の前
記三元金属はぼ均一に分散していた。
該触媒の0.9Vにおける活動度は58mA/mg白金であり、
従来法により製造した白金−クロム−コバルトの三元合
金触媒能の活動度は48mA/mg白金であった。
(発明の効果) 本発明は、白金を担持した担体上にクロムとコバルト
を担持させて白金−クロム−コバルトの三元金属から成
る触媒を製造するに当たり、クロム化合物とコバルト化
合物の両者を含む溶液を使用してクロムとコバルトを同
時に担体上へ担持させるようにしている。従ってクロム
とコバルトが均一に担体上へ担持されるため従来の三元
触媒のように触媒成分が層状に存在して各触媒成分の一
部のみが反応に関与し、触媒全体の活性が低下するとい
うことが皆無になる。又従来のようにクロムとコバルト
の担持を別々の操作で行う必要がなくなるため、製造工
程が短縮され安価に触媒を製造することが可能になる。
更に前記溶液中のクロム化合物とコバルト化合物の比率
を変化させることにより、生成する三元触媒中に含有さ
れるクロムとコバルトの量を任意の割合に調節すること
ができ、用途に応じた触媒を容易に製造できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白金粉末を担持させた担体を、クロム化合
    物とコバルト化合物を含む溶液と接触させて該クロム化
    合物及びコバルト化合物を前記担体上に付着させ、更に
    該担体を高温処理して前記白金、クロム及びコバルトを
    合金化することを特徴とする三元触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】担体がカーボンブラックである特許請求の
    範囲第1項に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】クロム化合物及びコバルト化合物がそれぞ
    れ硝酸クロム及び硝酸コバルトである特許請求の範囲第
    1項又は第2項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】高温処理を800〜1000℃の不活性ガス中で
    0.5〜2時間行うようにした特許請求の範囲第1項から
    第2項までのいずれかに記載の製造方法。
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