JPH0889569A - 人工血管およびその製造方法 - Google Patents
人工血管およびその製造方法Info
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- JPH0889569A JPH0889569A JP6231898A JP23189894A JPH0889569A JP H0889569 A JPH0889569 A JP H0889569A JP 6231898 A JP6231898 A JP 6231898A JP 23189894 A JP23189894 A JP 23189894A JP H0889569 A JPH0889569 A JP H0889569A
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- artificial blood
- blood vessel
- cells
- collagen
- layer
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【構成】内腔面のコラーゲン層に細胞もしくは組織片を
付着させ、それらの脱落・剥離を防止するためフィブリ
ン層を設けた人工血管およびその製造方法。 【効果】移植操作中の細胞もしくは組織の脱落、剥離を
防止でき、それら効率良く利用でき、優れた生体組織と
の結合性もしくは組織治癒性が得られる。
付着させ、それらの脱落・剥離を防止するためフィブリ
ン層を設けた人工血管およびその製造方法。 【効果】移植操作中の細胞もしくは組織の脱落、剥離を
防止でき、それら効率良く利用でき、優れた生体組織と
の結合性もしくは組織治癒性が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞誘導性(組織治癒
性)に優れた人工血管およびその製造方法に関する。さ
らに詳しくは、本発明は人工血管は移植前のプレクロッ
ティング操作を必要とせず、人工血管基材内に藩種され
た細胞あるいは組織片により優れた組織適合性と組織治
癒性を有する人工血管およびその製造方法に関する。
性)に優れた人工血管およびその製造方法に関する。さ
らに詳しくは、本発明は人工血管は移植前のプレクロッ
ティング操作を必要とせず、人工血管基材内に藩種され
た細胞あるいは組織片により優れた組織適合性と組織治
癒性を有する人工血管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療用具および医療技術の目覚ま
しい発展にともない、人間の血管を人工の血管代用物で
置換することが広く実施される様になり、特に内径8m
m以上の血管に適用される人工血管については、ほぼ満
足な成績が得られてきている。こうした人工血管は生体
適合性を有する材料から構成され、特にポリエステル系
材料、ポリテトラフルオロエチレン系材料が好適に用い
られている。ポリテトラフルオロエチレン製の人工血管
は材料自体の抗血栓性に期待するものであり、静脈系へ
の適用も図られている。またポリエステル系材料を用い
た人工血管は、編みもしくは織りにより多孔性の管状体
に成型され、特に編み製の人工血管においてはその孔内
へ組織細胞を誘導することにより、優れた組織親和性を
期待するものである。
しい発展にともない、人間の血管を人工の血管代用物で
置換することが広く実施される様になり、特に内径8m
m以上の血管に適用される人工血管については、ほぼ満
足な成績が得られてきている。こうした人工血管は生体
適合性を有する材料から構成され、特にポリエステル系
材料、ポリテトラフルオロエチレン系材料が好適に用い
られている。ポリテトラフルオロエチレン製の人工血管
は材料自体の抗血栓性に期待するものであり、静脈系へ
の適用も図られている。またポリエステル系材料を用い
た人工血管は、編みもしくは織りにより多孔性の管状体
に成型され、特に編み製の人工血管においてはその孔内
へ組織細胞を誘導することにより、優れた組織親和性を
期待するものである。
【0003】また最近、こうしたポリエステル製人工血
管に組織細胞の誘導性を高めたり、移植前のプレクロッ
ティング操作を省略するためにコラーゲン(特許公報特
開昭60−203264)を付与したり、ゼラチン(特
許公報特開平1−51263)、アルブミンを付与する
ことが報告されている。また異種動脈血管(仔牛頸動脈
を用いたSolcograft、Solco Basel社)、ヒトさい帯血管
(Biograft、Meadox Medicals社)等、生体由来血管をな
めし処理して、人工血管として用いることも報告されて
いる。
管に組織細胞の誘導性を高めたり、移植前のプレクロッ
ティング操作を省略するためにコラーゲン(特許公報特
開昭60−203264)を付与したり、ゼラチン(特
許公報特開平1−51263)、アルブミンを付与する
ことが報告されている。また異種動脈血管(仔牛頸動脈
を用いたSolcograft、Solco Basel社)、ヒトさい帯血管
(Biograft、Meadox Medicals社)等、生体由来血管をな
めし処理して、人工血管として用いることも報告されて
いる。
【0004】さらにはポリエステルメッシュの内腔にシ
リコンの心棒を挿入し、皮下に数週間移植後、組織によ
り編み目がふさがれトンネル状になった生体組織管(Sp
arks-Mandril)が知られている。さらには人工血管に組
織治癒性と抗血栓性とを付与するために人工血管基材に
血管構築細胞、例えば平滑筋細胞、内皮細胞、線維芽細
胞を藩種する報告もみられる(特許公報特開平1−17
0465、同1−170466)。またフィブリンと細
胞あるいは組織片とを人工血管基材に塗布した報告(特
許公報特開平4−187154)もみられる。
リコンの心棒を挿入し、皮下に数週間移植後、組織によ
り編み目がふさがれトンネル状になった生体組織管(Sp
arks-Mandril)が知られている。さらには人工血管に組
織治癒性と抗血栓性とを付与するために人工血管基材に
血管構築細胞、例えば平滑筋細胞、内皮細胞、線維芽細
胞を藩種する報告もみられる(特許公報特開平1−17
0465、同1−170466)。またフィブリンと細
胞あるいは組織片とを人工血管基材に塗布した報告(特
許公報特開平4−187154)もみられる。
【0005】
【発明が解決すべき課題】前述の様に人工血管の組織治
癒性を向上させるために種々の試みがなされているが、
生体由来血管を用いたもの、生体組織管によるものは生
(なま)のままでは使用出来ないため、グルタールアル
デヒドやホルムアルデヒドといった化学架橋剤により、
いわゆるなめし処理がなされている。またコラーゲンや
ゼラチン被覆人工血管についても同様である。アルブミ
ンの被覆においては、アルブミン自体には固着性が乏し
いためにオートクレーブ等による熱処理を行なってい
る。グルタールアルデヒドやホルムアルデヒドにより化
学架橋処理したものは、材料の柔軟性を低下させ、また
生体内に移植したときに石灰沈着を生じ易いことが知ら
れている。またこのように化学架橋処理したコラーゲン
あるいはゼラチン上での細胞生着性、増殖性は一般に低
いことが知られている。アルブミン被覆人工血管では熱
処理による蛋白変性が生じ、被覆した蛋白本来の効果が
得られない。
癒性を向上させるために種々の試みがなされているが、
生体由来血管を用いたもの、生体組織管によるものは生
(なま)のままでは使用出来ないため、グルタールアル
デヒドやホルムアルデヒドといった化学架橋剤により、
いわゆるなめし処理がなされている。またコラーゲンや
ゼラチン被覆人工血管についても同様である。アルブミ
ンの被覆においては、アルブミン自体には固着性が乏し
いためにオートクレーブ等による熱処理を行なってい
る。グルタールアルデヒドやホルムアルデヒドにより化
学架橋処理したものは、材料の柔軟性を低下させ、また
生体内に移植したときに石灰沈着を生じ易いことが知ら
れている。またこのように化学架橋処理したコラーゲン
あるいはゼラチン上での細胞生着性、増殖性は一般に低
いことが知られている。アルブミン被覆人工血管では熱
処理による蛋白変性が生じ、被覆した蛋白本来の効果が
得られない。
【0006】これら細胞誘導材料を人工血管に付与する
試みに加え、さらに積極的に細胞あるいは組織片を人工
血管に付与する、いわゆるハイブリッド型人工血管の試
みがなされている。人工血管基材上で細胞を生着、増殖
させることが試みられたが、合成材料上では細胞は生
着、増殖しにくく、移植操作中の細胞の脱落も多く認め
られる。そこで人工血管基材にコラーゲン、ラミニン
等、細胞外マトリックスを被覆し、その表面で細胞を生
着、増殖させることが試みられた。これにより細胞の生
着性は飛躍的に改善されたが、人工血管基材表面で生着
・増殖した細胞の人工血管移植操作中の脱落、障害は回
避されず、血管移植後に血流によりフラッシングされて
しまうことが危惧される。
試みに加え、さらに積極的に細胞あるいは組織片を人工
血管に付与する、いわゆるハイブリッド型人工血管の試
みがなされている。人工血管基材上で細胞を生着、増殖
させることが試みられたが、合成材料上では細胞は生
着、増殖しにくく、移植操作中の細胞の脱落も多く認め
られる。そこで人工血管基材にコラーゲン、ラミニン
等、細胞外マトリックスを被覆し、その表面で細胞を生
着、増殖させることが試みられた。これにより細胞の生
着性は飛躍的に改善されたが、人工血管基材表面で生着
・増殖した細胞の人工血管移植操作中の脱落、障害は回
避されず、血管移植後に血流によりフラッシングされて
しまうことが危惧される。
【0007】また、人工血管基材に藩種した細胞数では
人工血管の全内腔面を被覆することが難しく、この細胞
をさらに増殖させ、完全な細胞被覆層を形成させるため
に、細胞培養技術が用いられる場合も多い。この場合、
細胞外マトリックスとしてコラーゲン、フィブリンが用
いられるとき、細胞が産生する蛋白分解酵素、例えばコ
ラゲナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター等に
より被覆した細胞外マトリックスが溶解されてしまい、
人工血管基材からの細胞の脱落・剥離が生じ易い。さら
にフィブリンゲルとともに細胞を付与した人工血管で
は、生体内に移植されたとき、線溶現象によりフィブリ
ンゲルは溶解するため、あらかじめ藩種した細胞の脱落
の可能性が危惧される。
人工血管の全内腔面を被覆することが難しく、この細胞
をさらに増殖させ、完全な細胞被覆層を形成させるため
に、細胞培養技術が用いられる場合も多い。この場合、
細胞外マトリックスとしてコラーゲン、フィブリンが用
いられるとき、細胞が産生する蛋白分解酵素、例えばコ
ラゲナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター等に
より被覆した細胞外マトリックスが溶解されてしまい、
人工血管基材からの細胞の脱落・剥離が生じ易い。さら
にフィブリンゲルとともに細胞を付与した人工血管で
は、生体内に移植されたとき、線溶現象によりフィブリ
ンゲルは溶解するため、あらかじめ藩種した細胞の脱落
の可能性が危惧される。
【0008】すなわち、組織治癒性を高めた細胞藩種型
人工血管においても、藩種した細胞の利用効率を高め、
移植操作においても細胞の離脱・障害の極力少ない人工
血管とすることが望まれる。
人工血管においても、藩種した細胞の利用効率を高め、
移植操作においても細胞の離脱・障害の極力少ない人工
血管とすることが望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】我々は以上の点に鑑み、
鋭意研究を重ねた結果、多孔質構造を有するスポンジ状
コラーゲン、より好ましくは架橋処理された多孔質構造
を有するスポンジ状コラーゲンからなるコラーゲン層が
被覆された多孔質管状体に、細胞あるいは組織片を生着
させた後、フィブリンを被覆し、細胞あるいは組織片が
コラーゲン層とフィブリン層とでサンドイッチされた構
造を有することを特徴とする細胞生着性・増殖性に優れ
た人工血管を発明するに至ったものである。
鋭意研究を重ねた結果、多孔質構造を有するスポンジ状
コラーゲン、より好ましくは架橋処理された多孔質構造
を有するスポンジ状コラーゲンからなるコラーゲン層が
被覆された多孔質管状体に、細胞あるいは組織片を生着
させた後、フィブリンを被覆し、細胞あるいは組織片が
コラーゲン層とフィブリン層とでサンドイッチされた構
造を有することを特徴とする細胞生着性・増殖性に優れ
た人工血管を発明するに至ったものである。
【0010】また、スポンジ状コラーゲン、より好まし
くは架橋処理された多孔性のスポンジ状コラーゲンから
なるコラーゲン層が被覆された多孔質管状体に、細胞あ
るいは組織片を生着させる過程において、細胞あるいは
組織片の浮遊液を当該多孔質管状体の内腔側から圧入も
しくは吸引することによって、コラーゲン層の少なくと
も空隙内に生着させた後にフィブリン層を被覆する人工
血管の製造方法を発明するに至ったものである。
くは架橋処理された多孔性のスポンジ状コラーゲンから
なるコラーゲン層が被覆された多孔質管状体に、細胞あ
るいは組織片を生着させる過程において、細胞あるいは
組織片の浮遊液を当該多孔質管状体の内腔側から圧入も
しくは吸引することによって、コラーゲン層の少なくと
も空隙内に生着させた後にフィブリン層を被覆する人工
血管の製造方法を発明するに至ったものである。
【0011】またさらに、前記人工血管に生着させた細
胞あるいは組織片が、蛋白分解酵素阻害剤が添加された
培地にて培養されたことを特徴とする人工血管を発明す
るに至ったものである。
胞あるいは組織片が、蛋白分解酵素阻害剤が添加された
培地にて培養されたことを特徴とする人工血管を発明す
るに至ったものである。
【0012】本発明の人工血管は、人工血管基材である
多孔質管状体に付与されたコラーゲン層で細胞あるいは
組織片を生着・増殖させるものであり、さらにそれにフ
ィブリン層を重層することにより、移植操作中の細胞あ
るいは組織片の脱落、障害を防止し、血管移植後もフィ
ブリン自身が抗血栓的に作用し、また線溶現象によりフ
ィブリンの溶解がみられても付与した細胞はコラーゲン
層に留まっているために、血液中への流出、脱落が防止
できるものである。また、人工血管に生着させた細胞あ
るいは組織片を増殖させる際に、培地中に蛋白分解酵素
阻害剤が添加されているために、被覆したコラーゲン層
およびフィブリン層の溶解がなく、マトリックスを温存
できるものである。
多孔質管状体に付与されたコラーゲン層で細胞あるいは
組織片を生着・増殖させるものであり、さらにそれにフ
ィブリン層を重層することにより、移植操作中の細胞あ
るいは組織片の脱落、障害を防止し、血管移植後もフィ
ブリン自身が抗血栓的に作用し、また線溶現象によりフ
ィブリンの溶解がみられても付与した細胞はコラーゲン
層に留まっているために、血液中への流出、脱落が防止
できるものである。また、人工血管に生着させた細胞あ
るいは組織片を増殖させる際に、培地中に蛋白分解酵素
阻害剤が添加されているために、被覆したコラーゲン層
およびフィブリン層の溶解がなく、マトリックスを温存
できるものである。
【0013】すなわち、上記目的は以下の本発明により
解決される。(1)多孔質管状体の少なくとも内腔面に
コラーゲン層を有し、前記コラーゲン層の少なくとも内
腔側表面に細胞あるいは組織片が生着され、さらに前記
細胞あるいは組織片が生着されたコラーゲン層の内腔側
表面にフィブリン層が被覆されていることを特徴とする
人工血管。
解決される。(1)多孔質管状体の少なくとも内腔面に
コラーゲン層を有し、前記コラーゲン層の少なくとも内
腔側表面に細胞あるいは組織片が生着され、さらに前記
細胞あるいは組織片が生着されたコラーゲン層の内腔側
表面にフィブリン層が被覆されていることを特徴とする
人工血管。
【0014】(2)前記コラーゲン層が架橋処理された
スポンジ状コラーゲンからなることを特徴とする上記
(1)に記載の人工血管。
スポンジ状コラーゲンからなることを特徴とする上記
(1)に記載の人工血管。
【0015】(3)前記人工血管に生着させた細胞ある
いは組織片が、蛋白分解酵素阻害剤が添加された培地に
て培養されたことを特徴とする上記(1)乃至(2)に
記載の人工血管。
いは組織片が、蛋白分解酵素阻害剤が添加された培地に
て培養されたことを特徴とする上記(1)乃至(2)に
記載の人工血管。
【0016】(4)少なくとも内腔面にコラーゲン層を
有する多孔質管状体の内腔側から細胞あるいは組織片の
浮遊液を圧入もしくは吸引することによって前記コラー
ゲン層に前記細胞あるいは組織片を生着させた後に、前
記細胞あるいは組織片が生着されたコラーゲン層の内腔
側表面にフィブリン層を被覆することを特徴とする上記
(1)乃至(2)に記載の人工血管の製造方法。
有する多孔質管状体の内腔側から細胞あるいは組織片の
浮遊液を圧入もしくは吸引することによって前記コラー
ゲン層に前記細胞あるいは組織片を生着させた後に、前
記細胞あるいは組織片が生着されたコラーゲン層の内腔
側表面にフィブリン層を被覆することを特徴とする上記
(1)乃至(2)に記載の人工血管の製造方法。
【0017】本発明の人工血管は、人工血管基材である
多孔質管状体に付与された多孔性構造を有するスポンジ
状コラーゲンからなるコラーゲン層の少なくとも内腔側
表面より好ましくは前記内腔側表面に存在する空隙内で
細胞あるいは組織片を生着・増殖させ、さらにその上に
フィブリン層を重層することにより、移植操作中の細胞
あるいは組織片の脱落、障害を防止し、血管移植後もフ
ィブリン自身が抗血栓的に作用し、また線溶現象により
フィブリンの溶解がみられても、藩種した細胞や組織片
はコラーゲン層に留まっているために、血液中への流
出、脱落が防止できる。また、本発明の人工血管はスポ
ンジ状コラーゲンが付与されているために、外膜組織の
人工血管への侵入も容易である。
多孔質管状体に付与された多孔性構造を有するスポンジ
状コラーゲンからなるコラーゲン層の少なくとも内腔側
表面より好ましくは前記内腔側表面に存在する空隙内で
細胞あるいは組織片を生着・増殖させ、さらにその上に
フィブリン層を重層することにより、移植操作中の細胞
あるいは組織片の脱落、障害を防止し、血管移植後もフ
ィブリン自身が抗血栓的に作用し、また線溶現象により
フィブリンの溶解がみられても、藩種した細胞や組織片
はコラーゲン層に留まっているために、血液中への流
出、脱落が防止できる。また、本発明の人工血管はスポ
ンジ状コラーゲンが付与されているために、外膜組織の
人工血管への侵入も容易である。
【0018】本発明の人工血管の製造方法は、藩種した
細胞や組織片を効率よくコラーゲン層に侵入・生着さ
せ、フィブリン層を被覆することにより人工血管基材か
らの脱落・剥離を防止し、細胞培養の操作を行なっても
培地に添加された蛋白分解酵素阻害剤により被覆したフ
ィブリン層を溶解させることなく、安定に維持させ、さ
らに細胞の増殖を可能とした人工血管の製造法を提供す
るものである。
細胞や組織片を効率よくコラーゲン層に侵入・生着さ
せ、フィブリン層を被覆することにより人工血管基材か
らの脱落・剥離を防止し、細胞培養の操作を行なっても
培地に添加された蛋白分解酵素阻害剤により被覆したフ
ィブリン層を溶解させることなく、安定に維持させ、さ
らに細胞の増殖を可能とした人工血管の製造法を提供す
るものである。
【0019】本発明における人工血管基材である多孔質
管状体の材料としては生体内で安定な材料であれば種々
のものを用いることができ、例えばポリエステル、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリスルホ
ン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ
カーボネイト、ポリビニルアルコール等を用いることが
できる。さらにこれらを、細胞の侵入性、フィブリンの
固定性を良好にするために多孔質体として用いることが
望ましい。
管状体の材料としては生体内で安定な材料であれば種々
のものを用いることができ、例えばポリエステル、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリスルホ
ン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ
カーボネイト、ポリビニルアルコール等を用いることが
できる。さらにこれらを、細胞の侵入性、フィブリンの
固定性を良好にするために多孔質体として用いることが
望ましい。
【0020】具体的には、ポリエステル、ナイロン、ポ
リテトラフルオロエチレン(テフロン)、ポリウレタン
等の生体内で安定な高分子材料による編み、織り物もし
くは核材を抽出する湿式抽出法またはメルトブローン等
により製造された不織布からなる管状体が好適に用いら
れるが、これらに限定されるものではない。
リテトラフルオロエチレン(テフロン)、ポリウレタン
等の生体内で安定な高分子材料による編み、織り物もし
くは核材を抽出する湿式抽出法またはメルトブローン等
により製造された不織布からなる管状体が好適に用いら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0021】これら多孔質管状体は組織治癒性の点か
ら、基材の外側から内腔まで連通した孔を有しているこ
とが好ましいが、基材の内腔側および外側がマトリック
スを付与するための多孔質構造を有していれば良く、基
材内部にシール層が付与されていても良い。連通孔を有
する多孔質管状体の透水率は500〜5000ml/min
/cm2(120mmHg)が好ましく、より好ましくは10
00〜4000ml/min/cm2である。透水率が低すぎる
と基材内でのコラーゲン層の有孔性が低下したり、細胞
の侵入が達成されなくなり、また大きすぎても基材の物
性強度の低下および基材とコラーゲン層とのアンカーリ
ング性(接着性)の低下を招く恐れがある。
ら、基材の外側から内腔まで連通した孔を有しているこ
とが好ましいが、基材の内腔側および外側がマトリック
スを付与するための多孔質構造を有していれば良く、基
材内部にシール層が付与されていても良い。連通孔を有
する多孔質管状体の透水率は500〜5000ml/min
/cm2(120mmHg)が好ましく、より好ましくは10
00〜4000ml/min/cm2である。透水率が低すぎる
と基材内でのコラーゲン層の有孔性が低下したり、細胞
の侵入が達成されなくなり、また大きすぎても基材の物
性強度の低下および基材とコラーゲン層とのアンカーリ
ング性(接着性)の低下を招く恐れがある。
【0022】本発明の人工血管に付与されるコラーゲン
層は架橋処理が施されたスポンジ状コラーゲンであるこ
とが好ましく、具体的にはコラーゲン酸性溶液を多孔質
管状体に塗布した後、中和して調整したゲルを真空凍結
乾燥後、架橋処理することにより得られるもの、また、
コラーゲン酸性溶液をあらかじめ中和し、繊維化コラー
ゲンとした後に多孔質管状体内腔に圧入もしくは吸引に
より付与した後、真空凍結乾燥し、架橋処理することに
より得られるもの等が挙げられ、なかでもコラーゲンは
線維化コラーゲンとヘリックス含量が0〜80%である
変性コラーゲンを複合化したマトリックスが最も好まし
い。
層は架橋処理が施されたスポンジ状コラーゲンであるこ
とが好ましく、具体的にはコラーゲン酸性溶液を多孔質
管状体に塗布した後、中和して調整したゲルを真空凍結
乾燥後、架橋処理することにより得られるもの、また、
コラーゲン酸性溶液をあらかじめ中和し、繊維化コラー
ゲンとした後に多孔質管状体内腔に圧入もしくは吸引に
より付与した後、真空凍結乾燥し、架橋処理することに
より得られるもの等が挙げられ、なかでもコラーゲンは
線維化コラーゲンとヘリックス含量が0〜80%である
変性コラーゲンを複合化したマトリックスが最も好まし
い。
【0023】前記線維化コラーゲン/変性コラーゲン複
合マトリックスは、従来のコラーゲン材料と異なり、血
小板との反応性が極めて低く、優れた組織治癒性を有す
るばかりでなく抗血栓的にも機能する。またこの線維化
コラーゲン/変性コラーゲン複合マトリックスは、化学
架橋剤を用いることなしに脱水熱架橋により必要とする
物性強度を確保することが可能である。さらにこの複合
マトリックスは、生体内に移植したとき極めて初期にマ
クロファージや好中球、他の炎症性の細胞が浸潤した
後、早期に線維芽細胞と毛細血管系がびまん性に侵入
し、その結果結合組織が構築され人工血管外膜側の組織
治癒が促進される。
合マトリックスは、従来のコラーゲン材料と異なり、血
小板との反応性が極めて低く、優れた組織治癒性を有す
るばかりでなく抗血栓的にも機能する。またこの線維化
コラーゲン/変性コラーゲン複合マトリックスは、化学
架橋剤を用いることなしに脱水熱架橋により必要とする
物性強度を確保することが可能である。さらにこの複合
マトリックスは、生体内に移植したとき極めて初期にマ
クロファージや好中球、他の炎症性の細胞が浸潤した
後、早期に線維芽細胞と毛細血管系がびまん性に侵入
し、その結果結合組織が構築され人工血管外膜側の組織
治癒が促進される。
【0024】コラーゲンの一般的な架橋方法としては、
加熱による脱水架橋、薬品を用いる化学架橋等が挙げら
れる。このうち脱水熱架橋は薬品処理に比べ安全性が高
いが、物理的にコラゲナーゼ等の酵素に対する耐性が化
学架橋に比べて低い。そこで化学架橋を熱架橋と併用さ
せたり、化学架橋単独で用いられることも多く、これを
実施すると、物性面での性能向上が著しい。しかしなが
ら強固な架橋を導入すると、導入前にコラーゲンが有し
ていた細胞、組織に対する親和性が大幅に低下してしま
うという問題点がある。しかしながら、前記線維化コラ
ーゲンとヘリックス含量が0〜80%である変性コラー
ゲンの複合化マトリックスは、上記コラーゲンの物性向
上と生物学的特性および血液適合性に優れている。
加熱による脱水架橋、薬品を用いる化学架橋等が挙げら
れる。このうち脱水熱架橋は薬品処理に比べ安全性が高
いが、物理的にコラゲナーゼ等の酵素に対する耐性が化
学架橋に比べて低い。そこで化学架橋を熱架橋と併用さ
せたり、化学架橋単独で用いられることも多く、これを
実施すると、物性面での性能向上が著しい。しかしなが
ら強固な架橋を導入すると、導入前にコラーゲンが有し
ていた細胞、組織に対する親和性が大幅に低下してしま
うという問題点がある。しかしながら、前記線維化コラ
ーゲンとヘリックス含量が0〜80%である変性コラー
ゲンの複合化マトリックスは、上記コラーゲンの物性向
上と生物学的特性および血液適合性に優れている。
【0025】コラーゲンの熱脱水架橋は、例えばコラー
ゲンを真空下20パスカル未満で50〜180℃に1〜
24時間保持することで実施される。架橋が導入される
べきコラーゲンは三重鎖ヘリックス構造を有する分散状
の水溶性のものでは架橋しても物性があまり向上しない
ので、分散状コラーゲンを37℃でリン酸系の緩衝液を
用いて中和処理し、生体内にあるような周期性線維構造
をもつ再構成された線維化コラーゲンの形にすることが
好ましい。これにより架橋処理との相乗効果で物性が飛
躍的に向上する。
ゲンを真空下20パスカル未満で50〜180℃に1〜
24時間保持することで実施される。架橋が導入される
べきコラーゲンは三重鎖ヘリックス構造を有する分散状
の水溶性のものでは架橋しても物性があまり向上しない
ので、分散状コラーゲンを37℃でリン酸系の緩衝液を
用いて中和処理し、生体内にあるような周期性線維構造
をもつ再構成された線維化コラーゲンの形にすることが
好ましい。これにより架橋処理との相乗効果で物性が飛
躍的に向上する。
【0026】またコラーゲンの架橋にはガンマ線照射を
用いることもできる。ただし、ガンマ線照射は架橋の
他、分解を引き起こすことも多い。したがって、架橋効
率が高く、しかもコラーゲンの分解が抑制される方法で
照射されることが望ましい。例えば、架橋効率を高める
ために湿潤状態で照射することが好ましく、その溶媒と
してはガンマ線照射においてもコラーゲンと化学反応を
引き起こさないものが用いられ、例えば蒸留水、生理食
塩水、あるいはTris−HCl系、Hepes系、リン酸系等
の細胞傷害のない緩衝液があげられる。照射線量も架橋
が優先され、分解は抑制される線量とすることが望まし
く1.0〜3.0Mrad、特に好ましくは1.0〜2.0Mr
adの照射線量が好適である。ガンマ線照射は滅菌の効果
も有する。
用いることもできる。ただし、ガンマ線照射は架橋の
他、分解を引き起こすことも多い。したがって、架橋効
率が高く、しかもコラーゲンの分解が抑制される方法で
照射されることが望ましい。例えば、架橋効率を高める
ために湿潤状態で照射することが好ましく、その溶媒と
してはガンマ線照射においてもコラーゲンと化学反応を
引き起こさないものが用いられ、例えば蒸留水、生理食
塩水、あるいはTris−HCl系、Hepes系、リン酸系等
の細胞傷害のない緩衝液があげられる。照射線量も架橋
が優先され、分解は抑制される線量とすることが望まし
く1.0〜3.0Mrad、特に好ましくは1.0〜2.0Mr
adの照射線量が好適である。ガンマ線照射は滅菌の効果
も有する。
【0027】他方、ヘリックス含量が0〜80%である
変性コラーゲンは、例えば牛真皮由来のコラーゲンを酸
またはアルカリ処理し、得られた三重鎖ヘリックスを有
するコラーゲン水溶液を37〜90℃で加熱することに
よって得られる。上記線維化および変性のための原料コ
ラーゲンは、酸またはアルカリ処理したコラー−ゲンを
さらにプロクターゼまたはペプシンによりその分子末端
のテロペプチドを消化除去し、抗原性をなくしたものが
好ましい。
変性コラーゲンは、例えば牛真皮由来のコラーゲンを酸
またはアルカリ処理し、得られた三重鎖ヘリックスを有
するコラーゲン水溶液を37〜90℃で加熱することに
よって得られる。上記線維化および変性のための原料コ
ラーゲンは、酸またはアルカリ処理したコラー−ゲンを
さらにプロクターゼまたはペプシンによりその分子末端
のテロペプチドを消化除去し、抗原性をなくしたものが
好ましい。
【0028】コラーゲンの変性度はヘリックス構造の含
量によって示される。ヘリックス含量とはコラーゲン特
有の三重鎖ヘリックス含量のことで、変性コラーゲンで
はこのヘリックスがランダムコイル化しているため、ヘ
リックス含量が変性度に対応する。このヘリックス含量
は円偏光二色性や赤外分光光度計で測定することができ
る。ここで用いられるコラーゲンの変性度の指標、すな
わちヘリックス含量は0〜80%であり、より好ましく
は0〜50%である。例えばコラーゲン溶液を60℃、
30分熱処理するとヘリックス含量は約40%であり、
100℃、24時間熱処理するとヘリックス含量は0と
なり、電気泳動によってコラーゲン分子の一部が切断さ
れていることが確認される。複合マトリックス中の変性
コラーゲンの含量は5〜80%であり、より好ましくは
10〜50%である。
量によって示される。ヘリックス含量とはコラーゲン特
有の三重鎖ヘリックス含量のことで、変性コラーゲンで
はこのヘリックスがランダムコイル化しているため、ヘ
リックス含量が変性度に対応する。このヘリックス含量
は円偏光二色性や赤外分光光度計で測定することができ
る。ここで用いられるコラーゲンの変性度の指標、すな
わちヘリックス含量は0〜80%であり、より好ましく
は0〜50%である。例えばコラーゲン溶液を60℃、
30分熱処理するとヘリックス含量は約40%であり、
100℃、24時間熱処理するとヘリックス含量は0と
なり、電気泳動によってコラーゲン分子の一部が切断さ
れていることが確認される。複合マトリックス中の変性
コラーゲンの含量は5〜80%であり、より好ましくは
10〜50%である。
【0029】本発明の人工血管では、前記線維化コラー
ゲンと、前記変性コラーゲンとの混合溶液を多孔質管状
体の外側に含浸もしくは塗布、もしくは外側から内腔側
に吸引することにより基材外側の空隙部に付与したり、
基材内腔側から圧入して内腔面にのみ付与したり、その
両者の方法で基材両面に付与することができ、基材両面
に付与することが好ましい。これを真空凍結乾燥するこ
とによってスポンジ化し、さらに脱水熱架橋あるいはガ
ンマ線架橋を施す。脱水熱架橋時間は適量設定可能であ
るが、架橋コラーゲン(5mM HCl溶液に4℃、1
5時間以上の浸漬で溶解されないコラーゲン)の量が全
コラーゲン量に対し、30〜80%(この数値をコラー
ゲンの架橋度と定義する)となる様に処理することが好
ましく、より好ましくは50%前後である。この設定に
より、スポンジ状コラーゲンの細胞誘導能は非常に良好
となる。例えば、110℃であれば1〜3時間である。
またガンマ線架橋は、蒸留水、生理食塩水あるいは適当
な緩衝液で湿潤させた状態で1〜2Mradのガンマ線照
射を行なう。こうして得られた架橋処理されたスポンジ
状コラーゲンスが被覆された管状体に、細胞あるいは組
織片を前記スポンジ状コラーゲンの少なくともその空隙
内に付与する。
ゲンと、前記変性コラーゲンとの混合溶液を多孔質管状
体の外側に含浸もしくは塗布、もしくは外側から内腔側
に吸引することにより基材外側の空隙部に付与したり、
基材内腔側から圧入して内腔面にのみ付与したり、その
両者の方法で基材両面に付与することができ、基材両面
に付与することが好ましい。これを真空凍結乾燥するこ
とによってスポンジ化し、さらに脱水熱架橋あるいはガ
ンマ線架橋を施す。脱水熱架橋時間は適量設定可能であ
るが、架橋コラーゲン(5mM HCl溶液に4℃、1
5時間以上の浸漬で溶解されないコラーゲン)の量が全
コラーゲン量に対し、30〜80%(この数値をコラー
ゲンの架橋度と定義する)となる様に処理することが好
ましく、より好ましくは50%前後である。この設定に
より、スポンジ状コラーゲンの細胞誘導能は非常に良好
となる。例えば、110℃であれば1〜3時間である。
またガンマ線架橋は、蒸留水、生理食塩水あるいは適当
な緩衝液で湿潤させた状態で1〜2Mradのガンマ線照
射を行なう。こうして得られた架橋処理されたスポンジ
状コラーゲンスが被覆された管状体に、細胞あるいは組
織片を前記スポンジ状コラーゲンの少なくともその空隙
内に付与する。
【0030】本発明の人工血管に用いられる細胞あるい
は組織片は生体から採取した後、直ぐに用いても、また
目的細胞を培養し増殖させた後に用いても良い。目的と
する細胞としては、血管内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽
細胞等が挙げられる。組織片としては結合組織、動脈あ
るいは静脈、脂肪組織等が挙げられる。
は組織片は生体から採取した後、直ぐに用いても、また
目的細胞を培養し増殖させた後に用いても良い。目的と
する細胞としては、血管内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽
細胞等が挙げられる。組織片としては結合組織、動脈あ
るいは静脈、脂肪組織等が挙げられる。
【0031】本発明の人工血管に用いられる組織片の大
きさは、スポンジ状コラーゲンの空隙内に侵入できる程
の大きさが好ましいが、最低限スポンジ状コラーゲンの
表面にトラップされる大きさにまで細切されていれば良
い。具体的には、スポンジ状コラーゲンの孔の大きさに
合わせて50〜300μmとすることが好ましい。
きさは、スポンジ状コラーゲンの空隙内に侵入できる程
の大きさが好ましいが、最低限スポンジ状コラーゲンの
表面にトラップされる大きさにまで細切されていれば良
い。具体的には、スポンジ状コラーゲンの孔の大きさに
合わせて50〜300μmとすることが好ましい。
【0032】本発明の人工血管は上記の如く得られた細
胞あるいは組織片をコラーゲン層に付着させた人工血管
にフィブリン層を被覆させるが、その際直ぐにフィブリ
ン層を被覆させても良いが、さらに細胞数を増加させる
ために蛋白分解酵素阻害剤を添加した培地を用いて一定
期間培養した後にフィブリン層を被覆しても良い。
胞あるいは組織片をコラーゲン層に付着させた人工血管
にフィブリン層を被覆させるが、その際直ぐにフィブリ
ン層を被覆させても良いが、さらに細胞数を増加させる
ために蛋白分解酵素阻害剤を添加した培地を用いて一定
期間培養した後にフィブリン層を被覆しても良い。
【0033】フィブリンの被覆方法としては、細胞ある
いは組織片をコラーゲン層に付着させた人工血管の外側
に、人工血管形状よりやや大きめの外枠(人工血管外径
よりも約1mmほど大きい枠が望ましい)をかぶせ、人工
血管内腔に血管径よりも約1mm程細い心棒を挿入し、基
材内腔側からフィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶
液を同時に注入し、外枠と内心棒との間に基材内腔表面
からフィブリンを形成させ得ることができる。
いは組織片をコラーゲン層に付着させた人工血管の外側
に、人工血管形状よりやや大きめの外枠(人工血管外径
よりも約1mmほど大きい枠が望ましい)をかぶせ、人工
血管内腔に血管径よりも約1mm程細い心棒を挿入し、基
材内腔側からフィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶
液を同時に注入し、外枠と内心棒との間に基材内腔表面
からフィブリンを形成させ得ることができる。
【0034】その際に用いられる外枠および内心棒は、
生体にとっての毒性物質の溶出のない材料であればいか
なるものであっても良い。例えば、塩化ビニル、ポリプ
ロピレン、シリコン、ポリエステル、テフロン、ガラス
等が好適に使用できる。
生体にとっての毒性物質の溶出のない材料であればいか
なるものであっても良い。例えば、塩化ビニル、ポリプ
ロピレン、シリコン、ポリエステル、テフロン、ガラス
等が好適に使用できる。
【0035】また、細胞あるいは組織片をコラーゲン層
に付着させた人工血管をフィブリノーゲン溶液、トロン
ビン溶液に順次浸漬してフィブリンを被覆することもで
きる。このとき、トロンビン溶液、フィブリノーゲン溶
液への浸漬順はどちらからでも構わないが、フィブリノ
ーゲン溶液を無駄にしないためには、フィブリノーゲン
溶液から先に浸漬することが好ましい。
に付着させた人工血管をフィブリノーゲン溶液、トロン
ビン溶液に順次浸漬してフィブリンを被覆することもで
きる。このとき、トロンビン溶液、フィブリノーゲン溶
液への浸漬順はどちらからでも構わないが、フィブリノ
ーゲン溶液を無駄にしないためには、フィブリノーゲン
溶液から先に浸漬することが好ましい。
【0036】本発明の人工血管に用いるフィブリノーゲ
ンは混入しているプラスミノーゲンを除去したものを使
用することが好ましい。プラスミノーゲンの除去法とし
ては、特に限定されないが、一般的なアフィニティーク
ロマトグラフィーを通過させる方法があげられる。この
操作を行なったフィブリノーゲンは自己融解が抑制され
長期の安定性が向上する。
ンは混入しているプラスミノーゲンを除去したものを使
用することが好ましい。プラスミノーゲンの除去法とし
ては、特に限定されないが、一般的なアフィニティーク
ロマトグラフィーを通過させる方法があげられる。この
操作を行なったフィブリノーゲンは自己融解が抑制され
長期の安定性が向上する。
【0037】また本発明の人工血管に用いるフィブリノ
ーゲンは、血液凝固第13因子の活性が1mg/ml溶液中
で正常ヒト血漿1ml中の活性値に対して60%以上の活
性があることが好ましく、より好ましくは80%以上の
活性が必要である。これにより物理的強度を有し、線維
芽細胞や平滑筋細胞の増殖を促進し、良好な組織治癒性
を有するフィブリンが形成される。またこのフィブリン
形成時にカルシウムイオンを添加する必要があるが、そ
の濃度は2mM濃度以上が好ましく、より好ましくは2
0mM濃度程度である。このカルシウムイオンの添加に
よりフィブリンのクロスリンク(重合)が達成され、組
織治癒性に優れたものとなる。
ーゲンは、血液凝固第13因子の活性が1mg/ml溶液中
で正常ヒト血漿1ml中の活性値に対して60%以上の活
性があることが好ましく、より好ましくは80%以上の
活性が必要である。これにより物理的強度を有し、線維
芽細胞や平滑筋細胞の増殖を促進し、良好な組織治癒性
を有するフィブリンが形成される。またこのフィブリン
形成時にカルシウムイオンを添加する必要があるが、そ
の濃度は2mM濃度以上が好ましく、より好ましくは2
0mM濃度程度である。このカルシウムイオンの添加に
よりフィブリンのクロスリンク(重合)が達成され、組
織治癒性に優れたものとなる。
【0038】本発明の人工血管は上記の如く得られた細
胞あるいは組織片が生着されたコラーゲン層にフィブリ
ン層が被覆された人工血管は、直ちに移植することもで
きるが、被覆したフィブリン層が細胞の線溶活性により
溶解してしまわない様に蛋白分解酵素阻害剤を添加した
培地で一定期間培養した後に移植しても良い。蛋白分解
酵素阻害剤としては大豆トリプシンインヒビターあるい
はアプロチニンが好適に使用できる。その濃度は大豆ト
リプシンインヒビターであれば50〜250mg/ml、ア
プロチニンであれば10〜200単位/ml程度(アプロ
チニン1単位とはpH8、室温、2時間でカリジノゲナー
ゼ2単位の効力を半減させる量である)の添加が細胞傷
害が認められず、好適に使用できる。
胞あるいは組織片が生着されたコラーゲン層にフィブリ
ン層が被覆された人工血管は、直ちに移植することもで
きるが、被覆したフィブリン層が細胞の線溶活性により
溶解してしまわない様に蛋白分解酵素阻害剤を添加した
培地で一定期間培養した後に移植しても良い。蛋白分解
酵素阻害剤としては大豆トリプシンインヒビターあるい
はアプロチニンが好適に使用できる。その濃度は大豆ト
リプシンインヒビターであれば50〜250mg/ml、ア
プロチニンであれば10〜200単位/ml程度(アプロ
チニン1単位とはpH8、室温、2時間でカリジノゲナー
ゼ2単位の効力を半減させる量である)の添加が細胞傷
害が認められず、好適に使用できる。
【0039】本発明の人工血管の製造方法は、細胞もし
くは組織片を少なくともコラーゲン層にトラップさせ、
そこで生着・増殖させ、さらにその表層に抗血栓性に優
れ、内腔側での組織治癒を促進するフィブリンを被覆さ
せる方法である。
くは組織片を少なくともコラーゲン層にトラップさせ、
そこで生着・増殖させ、さらにその表層に抗血栓性に優
れ、内腔側での組織治癒を促進するフィブリンを被覆さ
せる方法である。
【0040】上述した本発明により、人工血管の移植操
作中の細胞もしくは組織片の脱落・剥離が抑制され、人
工血管を生体血管に移植したとき、移植初期の抗血栓性
に優れ、生体の線溶活性によってフィブリンが溶解して
も、付着した細胞が血流により剥離・脱落することなく
コラーゲン層に留まり、人工血管と周辺組織との結合も
しくは組織治癒を促進することができる人工血管および
その製造方法が提供される。
作中の細胞もしくは組織片の脱落・剥離が抑制され、人
工血管を生体血管に移植したとき、移植初期の抗血栓性
に優れ、生体の線溶活性によってフィブリンが溶解して
も、付着した細胞が血流により剥離・脱落することなく
コラーゲン層に留まり、人工血管と周辺組織との結合も
しくは組織治癒を促進することができる人工血管および
その製造方法が提供される。
【0041】また人工血管に生着させた細胞あるいは組
織片を増殖させる際に、細胞培養を実施するとき、培地
中に蛋白分解酵素阻害剤が添加されているために、コラ
ーゲンおよびフィブリンの溶解がなく、マトリックスを
温存できる。すなわち、付着した細胞もしくは組織片の
利用効率を高め、より生体適合性(抗血栓性、組織治癒
性)に優れた人工血管およびその製造方法を提供が提供
される。
織片を増殖させる際に、細胞培養を実施するとき、培地
中に蛋白分解酵素阻害剤が添加されているために、コラ
ーゲンおよびフィブリンの溶解がなく、マトリックスを
温存できる。すなわち、付着した細胞もしくは組織片の
利用効率を高め、より生体適合性(抗血栓性、組織治癒
性)に優れた人工血管およびその製造方法を提供が提供
される。
【0042】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0043】(実施例1) 人工血管基材へのコラ−ゲンスポンジの付与 アテロコラーゲンをpH3.0の希塩酸に溶解して、0.3
W/V%にした。この溶液を濾過滅菌した後、撹拌しなが
らリン酸緩衝液(pH7.2〜7.5)を加え、終濃度が
0.27W/V%アテロコラーゲン、30mMリン酸2ナトリ
ウム、100mMNaClであるコラーゲン溶液を調整し
た。次いで37℃の恒温槽で4.5時間インキュベート
し、線維化アテロコラーゲン(FC)溶液を調整した。
これを遠心分離により濃縮し、最終濃度2.5W/V%FC
溶液(リン酸緩衝生理的食塩水溶液)とした。
W/V%にした。この溶液を濾過滅菌した後、撹拌しなが
らリン酸緩衝液(pH7.2〜7.5)を加え、終濃度が
0.27W/V%アテロコラーゲン、30mMリン酸2ナトリ
ウム、100mMNaClであるコラーゲン溶液を調整し
た。次いで37℃の恒温槽で4.5時間インキュベート
し、線維化アテロコラーゲン(FC)溶液を調整した。
これを遠心分離により濃縮し、最終濃度2.5W/V%FC
溶液(リン酸緩衝生理的食塩水溶液)とした。
【0044】また上記の濾過滅菌後のアテロコラーゲン
希塩酸溶液を濃縮するために、凍結乾燥後蒸留水に再溶
解し、この溶液を60℃の恒温槽で30分処理した後、
リン酸緩衝液を加えて終濃度が2.5W/V%アテロコラー
ゲン、30mMリン酸2ナトリウム、100mM NaCl
である変性(熱処理)アテロコラーゲン溶液(HAC:
pH7.2〜7.5)を調製した。このようにして得られた
変性アテロコラーゲンのヘリックス含量は約40%であ
った。
希塩酸溶液を濃縮するために、凍結乾燥後蒸留水に再溶
解し、この溶液を60℃の恒温槽で30分処理した後、
リン酸緩衝液を加えて終濃度が2.5W/V%アテロコラー
ゲン、30mMリン酸2ナトリウム、100mM NaCl
である変性(熱処理)アテロコラーゲン溶液(HAC:
pH7.2〜7.5)を調製した。このようにして得られた
変性アテロコラーゲンのヘリックス含量は約40%であ
った。
【0045】上記の2.5W/V%FC溶液および2.5W/
V%HAC溶液を容量比9:1で混合し、線維化コラー
ゲン/変性コラーゲン複合物を調製した。
V%HAC溶液を容量比9:1で混合し、線維化コラー
ゲン/変性コラーゲン複合物を調製した。
【0046】上記の如く調製した線維化コラーゲン/変
性コラーゲン複合物の溶液を、ポリエステル製編み管状
体(内径3mm、透水率3200ml/min/cm2)の内腔に圧
入することにより内腔面に付与した。さらにその管状体
の内腔にステンレス心棒(外径2.6mm)を通し、管腔
を確保した。その後、真空凍結乾燥を行ない、スポンジ
様構造物を管状体に形成させた。このとき形成されたス
ポンジ状コラーゲンの孔の大きさは約50〜300μm
であった。
性コラーゲン複合物の溶液を、ポリエステル製編み管状
体(内径3mm、透水率3200ml/min/cm2)の内腔に圧
入することにより内腔面に付与した。さらにその管状体
の内腔にステンレス心棒(外径2.6mm)を通し、管腔
を確保した。その後、真空凍結乾燥を行ない、スポンジ
様構造物を管状体に形成させた。このとき形成されたス
ポンジ状コラーゲンの孔の大きさは約50〜300μm
であった。
【0047】コラーゲンの架橋処理 上記で製造したスポンジ状コラーゲン被覆管状体の一
部を、10パスカル未満の真空下で110℃で3時間熱
処理することでコラーゲンの脱水熱架橋を施した。この
ときの架橋度は65%であった。また残りのスポンジ状
コラーゲン被覆管状体を生理食塩水に浸漬した後、軽く
溶媒をきり1.5Mradのガンマ線照射を行なった。この
ときの架橋度は67%であった。すなわち、繊維化コラ
ーゲン/変性コラーゲンの複合マトリックスは脱水熱処
理によっても、あるいはガンマ線照射によっても架橋が
可能であった。
部を、10パスカル未満の真空下で110℃で3時間熱
処理することでコラーゲンの脱水熱架橋を施した。この
ときの架橋度は65%であった。また残りのスポンジ状
コラーゲン被覆管状体を生理食塩水に浸漬した後、軽く
溶媒をきり1.5Mradのガンマ線照射を行なった。この
ときの架橋度は67%であった。すなわち、繊維化コラ
ーゲン/変性コラーゲンの複合マトリックスは脱水熱処
理によっても、あるいはガンマ線照射によっても架橋が
可能であった。
【0048】コラーゲン層への細胞藩種 上記で製造した脱水熱架橋スポンジ状コラーゲン被覆
管状体の片端を閉鎖し、他端よりリン酸緩衝生理食塩水
(PBS、pH7.4)に懸濁した初代培養家兎平滑筋細
胞(3×106個/ml)を管状体の長さ1cmあたり1mlを
ゆっくりと圧入し、細胞を完全にコラーゲン層内にトラ
ップさせた。このときコラーゲン被覆管状体の外側に細
胞は漏れ出してこなかった。さらにこのコラーゲン被覆
管状体をPBSに浸漬して、軽く洗浄した後、100単
位/mlのアプロチニン(トラジロ−ル;バイエル薬品)
を添加した10%牛胎児血清を含むD−MEM培地にて
37℃,95%空気,5%CO2の環境下で7日間培養
した。洗浄したPBS中に回収され、コラーゲン被覆管
状体にトラップされなかった細胞数を計測したところ、
全細胞数の約10%前後であった。
管状体の片端を閉鎖し、他端よりリン酸緩衝生理食塩水
(PBS、pH7.4)に懸濁した初代培養家兎平滑筋細
胞(3×106個/ml)を管状体の長さ1cmあたり1mlを
ゆっくりと圧入し、細胞を完全にコラーゲン層内にトラ
ップさせた。このときコラーゲン被覆管状体の外側に細
胞は漏れ出してこなかった。さらにこのコラーゲン被覆
管状体をPBSに浸漬して、軽く洗浄した後、100単
位/mlのアプロチニン(トラジロ−ル;バイエル薬品)
を添加した10%牛胎児血清を含むD−MEM培地にて
37℃,95%空気,5%CO2の環境下で7日間培養
した。洗浄したPBS中に回収され、コラーゲン被覆管
状体にトラップされなかった細胞数を計測したところ、
全細胞数の約10%前後であった。
【0049】7日間培養を行なった後、ホルマリン固定
し、常法により病理組織標本を作製して細胞の状態を観
察したところ、コラーゲン層を被覆した管状体において
は、コラーゲンの表層およびスポンジ内で良好に細胞が
増殖し、スポンジ空隙部はほとんど細胞が埋め尽くして
いた。
し、常法により病理組織標本を作製して細胞の状態を観
察したところ、コラーゲン層を被覆した管状体において
は、コラーゲンの表層およびスポンジ内で良好に細胞が
増殖し、スポンジ空隙部はほとんど細胞が埋め尽くして
いた。
【0050】この時、比較(比較例1)として、コラー
ゲン層を被覆していない管状体に、同様に細胞を圧入し
てみたところ、基材にトラップされずに回収された細胞
数は約75%であった。この人工血管基材も同様にして
7日間の培養を行なった。7日間培養を行なった後、ホ
ルマリン固定し、常法により病理組織標本を作製して細
胞の状態を観察したところ、細胞の存在はほとんど観察
されなかった。すなわちスポンジ状コラーゲン層を設け
ることにより、細胞はスポンジ内に良好にトラップさ
れ、生着が認められ、細胞の利用効率に優れていた。
ゲン層を被覆していない管状体に、同様に細胞を圧入し
てみたところ、基材にトラップされずに回収された細胞
数は約75%であった。この人工血管基材も同様にして
7日間の培養を行なった。7日間培養を行なった後、ホ
ルマリン固定し、常法により病理組織標本を作製して細
胞の状態を観察したところ、細胞の存在はほとんど観察
されなかった。すなわちスポンジ状コラーゲン層を設け
ることにより、細胞はスポンジ内に良好にトラップさ
れ、生着が認められ、細胞の利用効率に優れていた。
【0051】細胞藩種コラーゲン層被覆管状体へのフ
ィブリンの被覆 上記で製造した細胞藩種コラーゲン層被覆管状体を1
40mM NaClを含む10mM Hepes緩衝液(pH
7.4)で溶解した20mg/mlヒトフィブリノーゲン(ミ
ドリ十字社製剤をプラスミノーゲン除去)溶液に浸漬
し、次いで20mMCaCl2、140mM NaClを含
む10mM Hepes緩衝液(pH7.4)で溶解した
10単位/mlトロンビン溶液(持田製薬)に浸漬するこ
とによって、フィブリンゲルを管状体に被覆した。さら
に管腔を確保するために外径2.6mmのガラス棒を管状
体内に通した。
ィブリンの被覆 上記で製造した細胞藩種コラーゲン層被覆管状体を1
40mM NaClを含む10mM Hepes緩衝液(pH
7.4)で溶解した20mg/mlヒトフィブリノーゲン(ミ
ドリ十字社製剤をプラスミノーゲン除去)溶液に浸漬
し、次いで20mMCaCl2、140mM NaClを含
む10mM Hepes緩衝液(pH7.4)で溶解した
10単位/mlトロンビン溶液(持田製薬)に浸漬するこ
とによって、フィブリンゲルを管状体に被覆した。さら
に管腔を確保するために外径2.6mmのガラス棒を管状
体内に通した。
【0052】以上の操作により、脱水熱架橋処理された
多孔性スポンジ状コラーゲンが被覆された管状体に細胞
を生着させ、フィブリンを被覆し、細胞がコラーゲン層
とフィブリン層とでサンドイッチされた構造を有する本
発明の人工血管を製造することができた。この本発明の
人工血管(内径3mm、長さ5cm)を4本製造した。
多孔性スポンジ状コラーゲンが被覆された管状体に細胞
を生着させ、フィブリンを被覆し、細胞がコラーゲン層
とフィブリン層とでサンドイッチされた構造を有する本
発明の人工血管を製造することができた。この本発明の
人工血管(内径3mm、長さ5cm)を4本製造した。
【0053】また、比較(比較例2)として、上記のフ
ィブリノーゲン溶液に家兎平滑筋細胞を3×106個/ml
の割合で懸濁し、上述した方法により細胞を混入させた
フィブリン層被覆人工血管(内径3mm、長さ5cm)を4
本製造した。
ィブリノーゲン溶液に家兎平滑筋細胞を3×106個/ml
の割合で懸濁し、上述した方法により細胞を混入させた
フィブリン層被覆人工血管(内径3mm、長さ5cm)を4
本製造した。
【0054】さらに比較(比較例3)として、細胞をフ
ィブリーゲン溶液に混入させずに上述した方法と全く同
様にして、単なるフィブリン層被覆人工血管(内径3m
m、長さ5cm)3本を作製した。
ィブリーゲン溶液に混入させずに上述した方法と全く同
様にして、単なるフィブリン層被覆人工血管(内径3m
m、長さ5cm)3本を作製した。
【0055】(試験例1)細胞藩種人工血管の細胞培養
実験 上述した実施例により得られた本発明の人工血管および
比較例2の人工血管の1本づつをそれぞれ半分に切断
し、一方を蛋白分解酵素阻害剤アプロチニンを100単
位/ml添加した10%牛胎児血清を含むD−MEM培地
で、もう一方をアプロチニンを添加していない培地にて
37℃、95%空気、5%CO2の環境下で7日間培養
した。その後、それぞれの細胞藩種人工血管を3%パラ
ホルムアルデヒド固定し、常法により病理組織学的に観
察した。
実験 上述した実施例により得られた本発明の人工血管および
比較例2の人工血管の1本づつをそれぞれ半分に切断
し、一方を蛋白分解酵素阻害剤アプロチニンを100単
位/ml添加した10%牛胎児血清を含むD−MEM培地
で、もう一方をアプロチニンを添加していない培地にて
37℃、95%空気、5%CO2の環境下で7日間培養
した。その後、それぞれの細胞藩種人工血管を3%パラ
ホルムアルデヒド固定し、常法により病理組織学的に観
察した。
【0056】アプロチニンを添加しなかった培地にて培
養した細胞藩種人工血管は、実施例および比較例2の人
工血管ともに被覆したフィブリン層が、細胞により消化
され消失しており、特に比較例2の細胞藩種人工血管で
は人工血管基材(管状体)内および基材上に若干観察さ
れる程度であり、藩種された細胞も人工血管基材から脱
落していた。実施例の細胞藩種人工血管ではコラーゲン
層内およびその表面で多くの細胞が観察された。
養した細胞藩種人工血管は、実施例および比較例2の人
工血管ともに被覆したフィブリン層が、細胞により消化
され消失しており、特に比較例2の細胞藩種人工血管で
は人工血管基材(管状体)内および基材上に若干観察さ
れる程度であり、藩種された細胞も人工血管基材から脱
落していた。実施例の細胞藩種人工血管ではコラーゲン
層内およびその表面で多くの細胞が観察された。
【0057】一方、アプロチニンを添加して培養したも
のでは、実施例および比較例2の人工血管共にフィブリ
ン層は温存されており、実施例の人工血管ではコラーゲ
ン層からフィブリン層表層にまで細胞の存在が認めら
れ、比較例2の人工血管では主にフィブリン表層で細胞
の存在が認められた。すなわち、蛋白分解酵素阻害剤を
培地に添加して培養することにより、人工血管に付与し
たマトリックス層は温存されることが確認された。
のでは、実施例および比較例2の人工血管共にフィブリ
ン層は温存されており、実施例の人工血管ではコラーゲ
ン層からフィブリン層表層にまで細胞の存在が認めら
れ、比較例2の人工血管では主にフィブリン表層で細胞
の存在が認められた。すなわち、蛋白分解酵素阻害剤を
培地に添加して培養することにより、人工血管に付与し
たマトリックス層は温存されることが確認された。
【0058】(試験例2)人工血管の家兎腹部大動脈移
植試験 上述した実施例により得られた本発明の人工血管(実施
例)と、比較例2,3の人工血管をそれぞれ家兎の腹部
大動脈に移植して、移植初期における藩種された細胞の
状態と人工血管の組織治癒性を比較検討した。また比較
例4として、無処置の人工血管(管状体のみの物)(内
径3mm)も同様に移植試験に供した。
植試験 上述した実施例により得られた本発明の人工血管(実施
例)と、比較例2,3の人工血管をそれぞれ家兎の腹部
大動脈に移植して、移植初期における藩種された細胞の
状態と人工血管の組織治癒性を比較検討した。また比較
例4として、無処置の人工血管(管状体のみの物)(内
径3mm)も同様に移植試験に供した。
【0059】長さ3cmにサンプルを切断し、各サンプル
につき3羽づつ移植した。ペントバルビタール25mg/
kgを耳介静脈より投与し、全身麻酔を施し、仰臥位固定
後、腹部剃毛消毒、正中切開により腹部大動脈を露出
し、腎動脈より下位でサンプルを7−0縫合糸を用いて
連続縫合にて端々縫合した。比較例4の人工血管はプレ
クロット処理後移植した。なお手術中および前後にはヘ
パリン等の抗凝固療法は一切行なわなかった。移植1日
後に各サンプル群で1例ずつ移植時と同様全身麻酔を施
し、開腹後、触診にてサンプルの開存性を確認した。そ
の後、ヘパリン300U/kgにて全身ヘパリン化し、サ
ンプルを摘出した。サンプルは10%中性緩衝ホルマリ
ンで固定した後、常法に従い病理組織学的に検索した。
につき3羽づつ移植した。ペントバルビタール25mg/
kgを耳介静脈より投与し、全身麻酔を施し、仰臥位固定
後、腹部剃毛消毒、正中切開により腹部大動脈を露出
し、腎動脈より下位でサンプルを7−0縫合糸を用いて
連続縫合にて端々縫合した。比較例4の人工血管はプレ
クロット処理後移植した。なお手術中および前後にはヘ
パリン等の抗凝固療法は一切行なわなかった。移植1日
後に各サンプル群で1例ずつ移植時と同様全身麻酔を施
し、開腹後、触診にてサンプルの開存性を確認した。そ
の後、ヘパリン300U/kgにて全身ヘパリン化し、サ
ンプルを摘出した。サンプルは10%中性緩衝ホルマリ
ンで固定した後、常法に従い病理組織学的に検索した。
【0060】その結果、本発明の人工血管および比較例
2,3および4の人工血管は、ともに開存していた。し
かしながらフィブリンゲルに細胞を懸濁して作製した比
較例2の人工血管では、人工血管内腔表面のフィブリン
ゲル層が生体の線溶により溶解され、人工血管基材上に
薄く残存しているのみで、人工血管表層のフィブリンゲ
ル内に藩種されていた細胞はほとんど観察されず、細胞
を藩種していない比較例3も同様の所見であった。ただ
し比較例2で人工血管基材内にまで侵入した細胞は残存
していたが、その数は極端に少なかった。すなわち基材
内に多くの細胞を残存させるには、フィブリノーゲン溶
液中の細胞密度を非常に高くする必要があると同時に、
細胞が懸濁されたフィブリンゲルを高密度で基材内に形
成させる工夫が必要である。
2,3および4の人工血管は、ともに開存していた。し
かしながらフィブリンゲルに細胞を懸濁して作製した比
較例2の人工血管では、人工血管内腔表面のフィブリン
ゲル層が生体の線溶により溶解され、人工血管基材上に
薄く残存しているのみで、人工血管表層のフィブリンゲ
ル内に藩種されていた細胞はほとんど観察されず、細胞
を藩種していない比較例3も同様の所見であった。ただ
し比較例2で人工血管基材内にまで侵入した細胞は残存
していたが、その数は極端に少なかった。すなわち基材
内に多くの細胞を残存させるには、フィブリノーゲン溶
液中の細胞密度を非常に高くする必要があると同時に、
細胞が懸濁されたフィブリンゲルを高密度で基材内に形
成させる工夫が必要である。
【0061】本発明の人工血管においても人工血管内腔
表面のフィブリン層は生体の線溶により溶解が認められ
たものの、コラーゲン層およびコラーゲン層表層の細胞
は良好に生着しており、血流による剥離、離脱は観察さ
れなかった。すなわち、フィブリンゲル内に懸濁させる
方法に比べ、細胞の利用効率に優れているといえる。
表面のフィブリン層は生体の線溶により溶解が認められ
たものの、コラーゲン層およびコラーゲン層表層の細胞
は良好に生着しており、血流による剥離、離脱は観察さ
れなかった。すなわち、フィブリンゲル内に懸濁させる
方法に比べ、細胞の利用効率に優れているといえる。
【0062】移植3週後に残りの各サンプル群2例づつ
を、上述した方法と全く同様にして摘出した。その結
果、全例開存が認められた。また各人工血管の組織治癒
性を、常法に従い病理組織学的に検索した。
を、上述した方法と全く同様にして摘出した。その結
果、全例開存が認められた。また各人工血管の組織治癒
性を、常法に従い病理組織学的に検索した。
【0063】その結果、プレクロット処理して移植した
人工血管(比較例4)では、新生内膜細胞による被覆は
ほとんどなく吻合部付近でのみ若干観察されるにすぎな
かった。また、フィブリンのみを被覆した人工血管(比
較例3)では、人工血管内腔面の約70〜80%程度に
新生内膜細胞の被覆が観察された。外膜側からの人工血
管基材内への細胞侵入は部分的であり、すなわち基材内
腔表面から基材の外側、つまり外膜組織まで細胞が連続
した状態は部分的にしか観察されなかった。フィブリン
層内に細胞を藩種して製造した人工血管(比較例2)
も、比較例3の人工血管とほぼ同様の所見であり、細胞
藩種の効果はあまり見られなかった。
人工血管(比較例4)では、新生内膜細胞による被覆は
ほとんどなく吻合部付近でのみ若干観察されるにすぎな
かった。また、フィブリンのみを被覆した人工血管(比
較例3)では、人工血管内腔面の約70〜80%程度に
新生内膜細胞の被覆が観察された。外膜側からの人工血
管基材内への細胞侵入は部分的であり、すなわち基材内
腔表面から基材の外側、つまり外膜組織まで細胞が連続
した状態は部分的にしか観察されなかった。フィブリン
層内に細胞を藩種して製造した人工血管(比較例2)
も、比較例3の人工血管とほぼ同様の所見であり、細胞
藩種の効果はあまり見られなかった。
【0064】一方、本発明の人工血管では人工血管の内
腔面のほぼ全面に新生内膜細胞の伸展が認められ、外膜
組織からの人工血管基材内への細胞侵入も非常に良好
で、人工血管内腔面から外膜組織側まで連続した細胞が
観察された。以上の結果より、本発明の人工血管は藩種
した細胞の利用効率に優れ、極めて高い組織治癒性を有
することが確認された。
腔面のほぼ全面に新生内膜細胞の伸展が認められ、外膜
組織からの人工血管基材内への細胞侵入も非常に良好
で、人工血管内腔面から外膜組織側まで連続した細胞が
観察された。以上の結果より、本発明の人工血管は藩種
した細胞の利用効率に優れ、極めて高い組織治癒性を有
することが確認された。
【0065】
【発明の効果】本発明の人工血管は、多孔質管状体に付
与された多孔性のスポンジ状コラーゲンの表面、好まし
くは表面の空隙内で細胞もしくは組織片を生着・増殖さ
せるものであり、さらにそれにフィブリン層を重層する
ことにより、移植操作中の細胞もしくは組織の脱落、剥
離等の障害を防止し、血管移植後もフィブリン層が抗血
栓的に作用し、また線溶現象により被覆したフィブリン
層の溶解がみられても付与した細胞もしくは組織片はコ
ラーゲン層に留まっているために、血液中への流出、脱
落が防止できる。すなわち藩種した細胞もしくは組織片
の利用効率に優れ、それにより優れた生体組織との結合
性もしくは組織治癒性が得られる。
与された多孔性のスポンジ状コラーゲンの表面、好まし
くは表面の空隙内で細胞もしくは組織片を生着・増殖さ
せるものであり、さらにそれにフィブリン層を重層する
ことにより、移植操作中の細胞もしくは組織の脱落、剥
離等の障害を防止し、血管移植後もフィブリン層が抗血
栓的に作用し、また線溶現象により被覆したフィブリン
層の溶解がみられても付与した細胞もしくは組織片はコ
ラーゲン層に留まっているために、血液中への流出、脱
落が防止できる。すなわち藩種した細胞もしくは組織片
の利用効率に優れ、それにより優れた生体組織との結合
性もしくは組織治癒性が得られる。
【0066】さらに本発明の人工血管には多孔性のスポ
ンジ状コラーゲンが付与されているために、外膜組織の
人工血管基材内への侵入も容易である。
ンジ状コラーゲンが付与されているために、外膜組織の
人工血管基材内への侵入も容易である。
【0067】また本発明の人工血管の製造方法は、藩種
した細胞もしくは組織片を効率よくコラーゲン層内に侵
入・生着させ、フィブリン層を被覆することにより、人
工血管基材からの脱落・剥離を防止し、細胞培養の操作
を行なっても培地に添加された蛋白分解酵素阻害剤によ
り、被覆されたフィブリン層を溶解させることなく安定
に温存・維持させ、さらに細胞の増殖を可能とした人工
血管の製造法を提供するできる。
した細胞もしくは組織片を効率よくコラーゲン層内に侵
入・生着させ、フィブリン層を被覆することにより、人
工血管基材からの脱落・剥離を防止し、細胞培養の操作
を行なっても培地に添加された蛋白分解酵素阻害剤によ
り、被覆されたフィブリン層を溶解させることなく安定
に温存・維持させ、さらに細胞の増殖を可能とした人工
血管の製造法を提供するできる。
Claims (4)
- 【請求項1】多孔質管状体の少なくとも内腔面にコラー
ゲン層を有し、前記コラーゲン層の少なくとも内腔側表
面に細胞あるいは組織片が生着され、さらに前記細胞あ
るいは組織片が生着されたコラーゲン層の内腔側表面に
フィブリン層が被覆されていることを特徴とする人工血
管。 - 【請求項2】前記コラーゲン層が架橋処理されたスポン
ジ状コラーゲンからなることを特徴とする請求項1に記
載の人工血管。 - 【請求項3】前記人工血管に生着させた細胞あるいは組
織片が、蛋白分解酵素阻害剤が添加された培地にて培養
されたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の人工血
管。 - 【請求項4】少なくとも内腔面にコラーゲン層を有する
多孔質管状体の内腔側から細胞あるいは組織片の浮遊液
を圧入もしくは吸引することによって前記コラーゲン層
に前記細胞あるいは組織片を生着させた後に、前記細胞
あるいは組織片が生着されたコラーゲン層の内腔側表面
にフィブリン層を被覆することを特徴とする請求項1乃
至2に記載の人工血管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6231898A JPH0889569A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 人工血管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6231898A JPH0889569A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 人工血管およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0889569A true JPH0889569A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=16930775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6231898A Pending JPH0889569A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 人工血管およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0889569A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001504732A (ja) * | 1996-11-29 | 2001-04-10 | ザ ライオンズ アイ インスティチュート オブ ウェスタン オーストラリア インコーポレイテッド | 生物マイクロフィステルチューブ及び移植方法及び移植装置 |
JP2002320630A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-05 | Nipro Corp | 生体組織または器官再生用器具 |
JP2002543950A (ja) * | 1999-05-18 | 2002-12-24 | クライオライフ、インコーポレイテッド | 自己支持性の成形三次元生体高分子材料及び方法 |
JP2022516123A (ja) * | 2018-12-28 | 2022-02-24 | エクセル メッド、エルエルシー | バイオロジカルスキャホールド及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-09-27 JP JP6231898A patent/JPH0889569A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001504732A (ja) * | 1996-11-29 | 2001-04-10 | ザ ライオンズ アイ インスティチュート オブ ウェスタン オーストラリア インコーポレイテッド | 生物マイクロフィステルチューブ及び移植方法及び移植装置 |
JP2002543950A (ja) * | 1999-05-18 | 2002-12-24 | クライオライフ、インコーポレイテッド | 自己支持性の成形三次元生体高分子材料及び方法 |
JP2002320630A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-05 | Nipro Corp | 生体組織または器官再生用器具 |
JP2022516123A (ja) * | 2018-12-28 | 2022-02-24 | エクセル メッド、エルエルシー | バイオロジカルスキャホールド及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040316 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041026 |