JPH08893B2 - 凹版印刷後、版面画線内から容易に剥離する電子線硬化型凹版インキ及び該インキを用いる凹版印刷方法 - Google Patents

凹版印刷後、版面画線内から容易に剥離する電子線硬化型凹版インキ及び該インキを用いる凹版印刷方法

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JPH08893B2
JPH08893B2 JP4091474A JP9147492A JPH08893B2 JP H08893 B2 JPH08893 B2 JP H08893B2 JP 4091474 A JP4091474 A JP 4091474A JP 9147492 A JP9147492 A JP 9147492A JP H08893 B2 JPH08893 B2 JP H08893B2
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JP
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intaglio
electron beam
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intaglio printing
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誠二 丸山
満夫 井上
朝生 福浦
英司 河村
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大蔵省印刷局長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はおもに銀行券、パスポ
ート、有価証券及びカード類などの、何らかの偽造防止
及び改ざん防止が要求される印刷物の連続的な製造に
適した凹版インキ及び該インキを用いる凹版印刷方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀行券パスポート、有価証券及びカー
ド類などは、何らかの偽造及び改ざん防止策が要求され
る。凹版印刷を利用した偽造及び改ざん防止策として
は、画線内に更に微小な文字からなる画線を組み込み、
この画線内の文字画線を印刷するために、凹版印刷直後
に紙の裏面から電子線を照射し、画線内のインキを完全
に硬化させる方法を本件出願人が出願している(特願平
1−187307)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この際、硬化
したインキを完全にかつ安定して紙に転移させるために
は画線内からのインキの剥離性が重要となり、これまで
、画線構成又は画線形状が複雑な場合には、剥離剤を
あらかじめ版面の画線内に塗布しておくことによって該
インキの剥離性をよくしていたが、持続性に乏しく
続的に長期間にわ たる印刷作業を行うことが困難な場合
あった。
【0004】そこで、本発明は、上記した作業上の難点
を解消するために、従来の技術とは異なる、版面の画線
内で電子線の照射により硬化したインキを、版面から容
易に剥離させることができる電子線硬化型凹版インキ及
び該インキを用いる凹版印刷方法を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、電子線硬化性アクリレート基を含む化
合物に、エポキシ環を含む化合物及びカチオン重合開始
を混合し、更に各種の有色顔料及び体質顔料を添加し
た電子線硬化型凹版インキを用いて凹版印刷を行い、凹
版印刷した直後に紙の裏面から電子線を照射する
【0006】
【作用】上記のような電子線硬化型凹版インキのビヒク
ル成分であるアクリレート基はラジカル重合により電
子線照射直後にほぼ完全に硬化するのに対して、一方の
ビヒクル成分であるエポキシ環はカチオン重合により
電子線照射から約1日をかけて硬化する。このため、電
子線照射によって形成された硬化インキの表面には、し
ばらくの間、一部未硬化のエポキシ成分が残存し、版面
の画線内の金属部分と該インキとの接着を弱めるため
に、版面からのインキの剥離が容易になる。
【0007】なお、印刷直後の電子線照射によって形成
された硬化インキ皮膜は成分であるアクリレート
よる重合皮膜であり、該皮膜には十分な硬度と強度が得
られるために、印刷直後に紙や手が触れても特に汚れな
どの問題がない。
【0008】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図1に示す凹版印刷用版面上に、ワイピングによ
って余剰なインキを拭き取ってから、被印刷基材の紙
をのせ、押圧操作後に、版面上にがのった
ままの状態で、直ちにの裏面から電子線を照射
し、画線内の電子線硬化型凹版インキを硬化させる。
この後、図2に示す剥離操作6を行うに際して、図3
示すように、版面1に平行な一定の剥離方向
7に向かって2cm/分の速度で剥離していった場合の
剥離抵抗を、剥離抵抗測定機8(SHIMPO社製 デ
ジタルフォースゲージDFG−20T)で時系列的に測
定した
【0009】実施例では、電子線硬化性アクリレート基
を含む、オリゴエステルアクリレート、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリ
オールアクリレート及びビスフェノール系アクリレート
からなる50重量部の混合物に、50重量部の脂環式エ
ポキシ樹脂UVR−6110(ユニオンカーバイト社製
分子量252.31)及び4重量部(対ビヒクル外
割)のカチオン重合開始剤UVI−6970(同社製)
を添加したビヒクルからなる、請求項1記載の電子線硬
化型凹版インキを使用した。
【0010】比較例では、水に溶解又は分散するウレタ
ンアクリレート、ポリエステルアクリレート及びエポキ
シアクリレートからなる80重量部の混合物に、水に溶
解又は分散する20重量部の低粘度アクリレート等を添
加したビヒクルからなる、従来から使用されている電子
線硬化型凹版インキを使用した。
【0011】この結果、実施例と比較例のそれぞれにつ
いて、図4に示す剥離経過時間と剥離抵抗との関係が得
られた。また、実施例のインキを用いれば、あらかじめ
版面に剥離剤を塗布しなくとも、簡単に画線
から硬化したインキが剥離し、良好な印刷物を連続的に
印刷することができた。
【0012】また、実施例において、電子線硬化性アク
リレート基を含むオリゴエステルアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、ウレタンアクリレー
ト、ポリオールアクリレート及びビスフェノール系アク
リレートからなる混合物を30〜70重量部、脂環式エ
ポキシ樹脂UVR−6110(ユニオンカーバイト社
分子量252.31)を30〜70重量部、及びカチ
オン重合開始剤UVI−6970(同社製)を1〜10
重量部(対ビヒクル外割)の範囲で、それぞれ適宜配合
したビヒクルからなる、請求項1記載の電子線硬化型凹
版インキを使用し、比較例において、水に溶解又は分散
するウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート
及びエポキシアクリレートからなる混合物を60〜90
重量部、及び水に溶解又は分散する低粘度アクリレート
等を10〜40重量部の範囲で、それぞれ適宜配合した
ビヒクルからなる、従来から使用されている電子線硬化
型凹版インキを使用した場合についても、図4に示すも
のとほぼ同様な剥離経過時間と剥離抵抗との関係が得ら
れた。
【0013】
【発明の効果】本発明電子線硬化性アクリレート基
を含む化合物に、エポキシ環を含む化合物及びカチオン
重合開始剤を混合したビヒクルを用いた電子線硬化型凹
インキと、該インキを用いる凹版印刷方法とから構成
されている。
【0014】凹版印刷した直後に、紙の裏面から電子線
を照射して版面の画線内のインキを硬化させた後に、紙
を版面からはがすと版面にあらかじめ剥離剤を塗布し
なくとも、版面の画線内から硬化したインキ容易に剥
させ、紙上に転移させることができる。これにより版
面にあらかじめ剥離剤を塗布しておく必要がなくなる
、連続的に安定した凹版印刷が行える。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例と比較例に用いた凹版印刷法を示す
図。
【図2】凹版印刷後に版面から紙を剥離する方法示す
図。
【図3】 剥離抵抗の測定方法を示す図。
【図4】 実施例と比較例についての剥離経過時間と剥離
抵抗との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
凹版印刷用版面 2 紙 3 画線 4 押圧操作 5 電子線 6 剥離操作 剥離方向 剥離抵抗測定機 実施例の測定結果 10 比較例の測定結果

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線硬化性アクリレート基を含む化合
    物に、エポキシ環を含む化合物及びカチオン重合開始剤
    を混合し、更に各種有色顔料及び体質顔料を添加するこ
    とを特徴とする電子線硬化型凹版インキ。
  2. 【請求項2】 凹版印刷した直後に版面上の紙の裏面
    から電子線を照射する凹版印刷法において、請求項1
    記載の電子線硬化型凹版インキを用いることを特徴とす
    る凹版印刷方法。
JP4091474A 1992-03-18 1992-03-18 凹版印刷後、版面画線内から容易に剥離する電子線硬化型凹版インキ及び該インキを用いる凹版印刷方法 Expired - Fee Related JPH08893B2 (ja)

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