JPH0889259A - 自律複製配列を有するdna断片、その塩基配列、及びその利用 - Google Patents
自律複製配列を有するdna断片、その塩基配列、及びその利用Info
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- JPH0889259A JPH0889259A JP6301140A JP30114094A JPH0889259A JP H0889259 A JPH0889259 A JP H0889259A JP 6301140 A JP6301140 A JP 6301140A JP 30114094 A JP30114094 A JP 30114094A JP H0889259 A JPH0889259 A JP H0889259A
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Abstract
フラバムMJ−233由来の自立複製配列を有するDN
A断片及びその利用。 【効果】 本発明のDNA断片を用いて造成される環状
DNAベクターは、コリネ型細菌内で低コピー数で存在
し、自律複製可能であり、該環状DNAベクターを用い
ることにより、高コピー数存在すると宿主コリネ型細菌
に悪影響を与える遺伝子等のクローニングが可能とな
る。
Description
由来する自律複製配列を有するDNA断片及びそれが導
入された環状DNAに関する。染色体に由来する自律複
製配列を有するDNA領域(以下これを「ars(Auto
monous Replication Sequence)領域」ということがあ
る)とは、染色体の複製開始に必要とされるDNA領域
又はその一部のDNA領域を意味するものである。コリ
ネ型細菌染色体に由来するars領域を含むDNA断片
を適当な薬剤耐性マーカーとなりうるベクターと連結す
ることにより、コリネ型細菌内で1〜2コピーの低コピ
ー数で存在し、自律複製可能な環状DNAを造成するこ
とができる。この低コピー数ベクターは、高発現化によ
り細胞に悪影響を与える遺伝子のクローニング等に有効
である。
を含む領域であるars領域は、エシェリヒア・コリ
(Escherichia coli )由来のもの〔プロシーディング
・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・
ユー・エス・エー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA)、7
4、5458 〜 5462 (1977)参照〕、シュードモナス・プ
チダ (Pseudomonas putida)由来のもの〔モレキュラ
ー・ジェネラル・ジェネティックス(Mol. Gen. Gene
t.)、215、381 〜 387 (1979)参照〕、バチルス・サ
チルス(Bacillus subtilis )由来のもの〔エンボ・ジ
ャーナル(EMBO J.)、 4、3345〜3350 (1985) 参
照〕、マイクロコッカッス・ルテウス(Micrococcus lu
teus)由来のもの〔ジーン(Gene)、93、73〜78 (199
0) 参照〕、ストレプトミセス・リビダンス(Storeptom
yces lividans)由来のもの〔ジャーナル・オブ・バク
テリオロジー(Journal of Bacteriology )、174 、26
88〜2693 (1992) 参照〕等がよく研究されている。
由来のars領域については本発明者らの知る限り、従
来の報告例はない。
菌内に低コピー数で存在し自律複製するベクターの造成
に利用可能な、コリネ型細菌染色体由来のars領域を
含むDNA断片を提供するためになされたものである。
ネ型細菌染色体に由来する自律複製配列を有する領域
(ars領域)を含むDNA断片、該DNA断片が導入
されたコリネ型細菌内で自律複製可能な環状DNA及び
該環状DNAベクターで形質転換されたコリネ型細菌を
提供するものである。
とにより、コリネ型細菌内で自律複製し、低コピー数、
すなわち1〜2コピー数で存在しうる環状DNAを造成
することができる。この環状DNAベクターは、プラス
ミドベクター、ファージベクターと同様に遺伝子のクロ
ーニング等に有効である。また、特に宿主細胞に悪影響
を与える遺伝子のクローニング等に利用可能であると考
えられる。
する。本発明のars領域を含むDNA断片(以下これ
を「ars領域DNA断片」ということがある)は、そ
の塩基配列が決定された後においては合成することも可
能であるが、通常はコリネ型細菌染色体からクローニン
グされる。
teria )」とはバージーズ・マニュアル・オブ・デター
ミネイティブ・バクテリオロジー〔(Bargeys Manual o
f Determinative Bacteriology) 、8 、599 (1974) 〕
に定義されている一群の微生物であり、好気性、グラム
陽性、非抗酸性、胞子形成能を有さない桿菌を意味し、
その具体例として、例えばブレビバクテリウム・アンモ
ニアゲネス (Brevibacterium ammoniagenes) ATCC 687
1、ブレビバクテリウム・デイバリカタム (Brevibacter
ium divaricatum) ATCC 14020、ブレビバクテリウム・
ラクトファーメンタム (Brevibacterium lactofermentu
m) ATCC 13869 、ブレビバクテリウム・リネンス (Brev
ibacterium linens) ATCC 9174、ブレビバクテリウム・
フラバム (Brevibacterium flavum) ATCC 13826 、ブレ
ビバクテリウム・フラバム (Brevibacterium flavum) M
J-233 (FERM BP-1497) 、コリネバクテリウム・グルタ
ミカム (Corynebacterium glutamicum) ATCC 13032、同
ATCC 13060、コリネバクテリウム・リリウム (Coryneba
cterium lilium) ATCC 15990、コリネバクテリウム・メ
ラセコラ (Corynebacterium melassecola) ATCC 17965
等を挙げることができる。
で、ars領域DNA断片の供給源としては、殊にブレ
ビバクテリウム・フラバム (Brevibacterium flavum)M
J−233(FERM BP−1497)およびその由
来株が有利に利用される。本発明のars領域DNA断
片は、上記コリネ型細菌染色体上に存在し、コリネ型細
菌から抽出した染色体DNA(特開平4−27808
8、実施例2参照)を鋳型として適当なプライマーを選
択して、PCR反応により増幅させることにより、取得
することができる。
A領域であるars領域は、微生物染色体の複製開始点
(oriC)を含み、エシェリヒア・コリ(Escherichi
a coli )由来のもの〔プロシーディング・オブ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユー・エス・
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、74、5458 〜546
2 (1977)参照〕、シュードモナス・プチダ (Pseudom
onas putida)由来のもの〔モレキュラー・ジェネラル
・ジェネティックス(Mol. Gen. Genet.)、215、381
〜 387 (1979)参照〕、バチルス・サチルス(Bacillu
s subtilis )由来のもの〔エンボ・ジャーナル(EMBO
J.)、 4、3345〜3350 (1985) 参照〕、マイクロコッ
カッス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来のもの
〔ジーン(Gene)、93、73〜78 (1990) 参照〕等がよく
研究されており、塩基配列が決定されている。これら4
種の微生物のars領域のDNA塩基配列の解析の結
果、ars領域と考えられる領域はrpmH遺伝子とd
naN遺伝子の間に挟まれる形で存在するdnaA遺伝
子の近傍に存在することが示されている。そこで、これ
ら4種の微生物のDNA塩基配列より推定されるDna
A、RpmHおよびDnaNタンパク質アミノ酸配列間
で保存されている領域、特にDNA塩基配列においても
特に保存されている領域を検討し、適当なプライマーを
設計し、コリネ型細菌の染色体DNAを鋳型とするPC
R法により、ars領域を増幅し、取得することができ
る。
断片の1つは、前記ブレビバクテリウム・フラバムMJ
−233株の染色体DNAを鋳型とし、rpmH遺伝子
のDNA塩基配列に基づいて設計されたプライマー、例
えば下記RPMH−1及びdnaN遺伝子のDNA塩基
配列に基づいて設計されたプライマー、例えば下記DN
AN−1の2種のプライマーを用いて、PCR反応によ
り増幅させることによって得られる大きさが約3.5k
bのDNA断片(以下これを「C断片」ということがあ
る)をあげることができる。
G、SはG又はC、MはC又はA、VはA、G、又は
C、BはG、C又はT、NはA、G、C又はTを示す。
ここでAはアデニン、Gはグアニン、C はシトシン、
Tはチミンを示す。) このars領域DNA断片を、各種の制限酵素で切断し
た時の認識部位数及び切断断片の大きさを第1表に、そ
の制限酵素切断点地図を図1に示す。
「認識部位数」は、DNA断片又はプラスミドを、制限
酵素の存在下で完全分解し、それらの分解物をそれ自体
既知の方法に従い1%アガロースゲル電気泳動および5
%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、分離可能な
断片の数から決定した値を採用した。
ドの大きさは、アガロースゲル電気泳動を用いる場合に
は、エシェリヒア・コリのラムダファージ(λphag
e)のDNAを制限酵素HindIIIで切断して得ら
れる分子量既知のDNA断片の同一アガロースゲル上で
の泳動距離で描かれる標準線に基づき、また、ポリアク
リルアミドゲル電気泳動を用いる場合には、エシェリヒ
ア・コリのファイ・エックス174ファージ(φx17
4phage)のDNAを制限酵素HaeIIIで切断
して得られる分子量既知のDNA断片の同一ポリアクリ
ルアミドゲル上での泳動距離で描かれる標準線に基づ
き、切断DNA断片の各DNA断片の大きさを算出す
る。
A断片は、そのままars領域DNA断片として利用す
ることができるが、更に次に述べる方法により複製に必
要なDNA領域に縮小化後に利用することもできる。す
なわち、前記したとおり、ars領域は、dnaA遺伝
子の上流及び下流にそれぞれrpmH遺伝子とdnaN
遺伝子に挟まれる形で存在しており、dnaA遺伝子の
DNA塩基配列に基づいて設計された適当なプライマー
と、前記したrpmH遺伝子のDNA塩基配列に基づい
て設計された適当なプライマー及びdnaN遺伝子のD
NA塩基配列に基づいて設計された適当なプライマーを
それぞれ用いて、前記MJ−233株染色体DNAまた
は大きさが約3.5kbの増幅DNA断片を鋳型とし
て、PCR法により、dnaA遺伝子の上流及び下流に
存在するoriC領域部分DNA断片を増幅することに
より、縮小化されたoriC領域を取得することができ
る。
配列に基づいて設計された適当なプライマーとしては、
例えば、下記DNAA−3及びDNAA−4の2種のプ
ライマーを挙げることができる。 (DNAA−3)GGGGA TCCGT TGAAG GTATG GAAGA A (31mer) (DNAA−4)GGGTC GACTG CCAGC CGCTT TGAAT C (31mer) (配列中、Aはアデニン、Gはグアニン、C はシトシ
ン、Tはチミンを示す。)
域の部分DNA断片としては、例えば、上記RPMH−
1とDNAA−3の2種のプライマーを用いて増幅され
る大きさ約1.7kbのDNA断片(以下これを「A断
片」ということがある)、このDNA断片を制限酵素S
alIで分解して得られる大きさが約1.2kbのDN
A断片(以下これを「D断片」ということがある)、上
記DNAA−4とDNAN−2の2種のプライマーを用
いて増幅される大きさが約1.5kbのDNA断片を挙
げることができる。
b及び約1.5kbのoriC領域部分DNA断片を各
種の制限酵素で切断した時の認識部位数及び切断断片の
大きさを第2表〜第4表及び図2〜図3にそれぞれ示
す。
キシヌクレオチド酵素法(dideoxychain termination
法)〔Sanger F. et al.、プロシーディング・オブ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ユー
・エス・エー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA)、74、546
3、(1977)〕等により決定することができる。このよう
にして決定した上記大きさ約3.5kbのDNA断片
(C断片)の配列を後記配列表の配列番号1に示す。こ
の配列中に存在するオープンリーディングフレームか
ら、dnaA遺伝子は、配列中のアミノ酸番号1からア
ミノ酸番号463までのアミノ酸配列をコードするもの
であることが明らかとなった。上記の複製開始領域を含
むDNA断片は、天然の細菌染色体DNA、例えばコリ
ネ型細菌染色体DNAから分離されたもののみならず、
通常用いられるDNA合成装置、例えばベックマン社製
システム−1プラス(System-1 Plus)を用いて合成さ
れたものであってもよい。また、前記の如くブレビバク
テリウム・フラバムMJ−233等の細菌染色体から取
得される本発明のDNA断片は、コリネ型細菌等の細胞
内での複製開始能実質的に損なうことがない限り、塩基
配列の一部の塩基が他の塩基と置換されていても、削除
されていてもよく、新たに塩基が挿入されていてもよ
く、あるいは塩基配列の一部が転移されているものであ
ってもよく、さらにそれらの塩基配列にハイブリダイズ
する塩基配列であってもよく、これらの誘導体のいずれ
もが、本発明の染色体複製開始領域を含むDNA断片に
包含されるものである。
NAベクターの構築に用いる場合、dnaA遺伝子の上
流及び下流に由来する2種のDNA断片、すなわち上記
大きさが約1.7kb又は1.2kbのDNA断片及び
大きさが約1.5kbのDNA断片を用いることも可能
である。
記ars領域DNA断片に導入されるマーカーDNA断
片としては、コリネ型細菌内でマーカーとして働く遺伝
子を含有しているものであれば特に制限はなく、カナマ
イシン耐性遺伝子を保有するプラスミドpHSG29
8、pHSG299(宝酒造製)、クロラムフェニコー
ル耐性遺伝子を保有するプラスミドpHSG398、p
HSG399(宝酒造製)等が好適に使用される。
DNA断片への導入は、例えば、まずプラスミドpHS
G298を適当な制限酵素により解裂させ、それに前記
したars領域DNA断片を連結酵素処理により結合さ
せることにより行なう。ars領域DNA断片が部分D
NA断片である場合は、前記したdnaA遺伝子の上流
及び下流に存在するars領域部分DNA断片が導入さ
れた各プラスミドからars領域部分DNA断片を切り
出すか又はプラスミドを解裂し、連結酵素処理により結
合させることにより行なう。
ターとしては、例えば、大きさが2.7kbのプラスミ
ドpHSG298DNA断片にdnaA遺伝子の上流に
存在する大きさが1.2kbのDNA断片および、dn
aA遺伝子の下流に存在する大きさが1.5kbのDN
A断片が挿入された環状DNAベクターpHSG298
−oriCを挙げることができる。この環状DNAベク
ターpHSG298−oriCの構築方法の詳細は後記
実施例2で述べる。
換し得る微生物としては、コリネ型細菌、例えばブレビ
バクテリウム・フラバムMJ−233(FERM BP
−1497)、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−2
33−AB−41(FERMBP−1498)、ブレビ
バクテリウム・フラバムMJ−233−ABT−11
(FERM BP−1500)、ブレビバクテリウム・
フラバムMJ−233−ABD−21(FERM BP
−1499)等が挙げられる。
ム・アンモニアゲネス (Brevibacterium ammoniagenes)
ATCC 6871、同 ATCC 13745 、同 ATCC 13746 、ブレビ
バクテリウム・デイバリカタム (Brevibacterium divar
icatum) ATCC 14020、ブレビバクテリウム・ラクトファ
ーメンタム (Brevibacterium lactofermentum) ATCC138
69 、コリネバクテリウム・グルタミカム (Corynebacte
rium glutamicum) ATCC 31831等を宿主微生物として用
いることもできる。
バムMJ−233株由来の菌株を用いる場合、本菌株が
保有するプラスミドpBY502(特開昭63ー367
87号公報参照)のため、形質転換が困難である場合が
あるので、そのような場合には、本菌株よりプラスミド
pBY502を除去することが望ましい。そのようなプ
ラスミドpBY502を除去する方法としては、例え
ば、継代培養を繰り返すことにより自然に欠失させるこ
とも可能であるし、人為的に除去することも可能である
〔バクテリオロジカル・レビュー(Bact. Rev.) 、36、
361 〜405 (1972)参照〕。
リウム・フラバムMJ−233への前記プラスミドの形
質転換(前記プラスミドの導入)は、DNA受容菌にパ
ルス波を通電することにより〔Satoh Y. et al. 、ジャ
ーナル・オブ・インダストリアル・マイクロバイオロジ
ー(Journal of Industrial Microbiology) 、5 、159
(1990) 参照〕行なうことができる。
培養し、生成するコロニーを取得することにより、本発
明の環状DNAベクターで形質転換されたコリネ型細菌
を得ることができる。上記の方法で形質転換して得られ
る環状DNAベクターを保有するコリネ型細菌として
は、例えば、前記プラスミドpHSG298−oriC
を保有するブレビバクテリウム・フラバムMJ233−
oriC(FERM P−13303)を挙げることが
できる。
バクテリウム・フラバムMJ233−OriC中に存在
する環状DNAベクター(pHSG298−oriC)
の確認は、例えば、該形質転換株及び比較として親株、
例えばブレビバクテリウム・フラバムMJ−233のD
NA抽出液を、常法〔モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning ) 、Cold Spring Harbor Laboratory
Press (1989)〕に従いゲノミックスサザンハイブリダ
イゼーションに供し、ars領域の検出を行うことによ
り可能である。この時プローブとしては、前期のPCR
法により増幅したDNA断片を、ランダムラベルキット
(宝酒造より市販)等によりラベルしたものを用いるこ
とができる。また、ブレビバクテリウム・フラバムMJ
−233−OriCより得られたDNA抽出液、およ
び、比較例として、ブレビバクテリウム・フラバムMJ
−233のDNA抽出液を鋳型とし、前期4種の微生物
のDNA塩基配列より推定されるDnaA、RpmHお
よびDnaNタンパク質アミノ酸配列間で保存されてい
る領域、特にDNA塩基配列においても特に保存されて
いる領域をもとに設計したプライマーを用い、前述の方
法に従ってPCR反応を行い、得られた反応液をアガロ
ースゲル電気泳動により解析することによりブレビバク
テリウム・フラバムMJ233−OriC中に存在する
環状DNAベクター(pHSG298−oriC)を確
認することができる。
例によりさらに具体的に説明する。 参考例1 ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233
由来のdnaA遺伝子断片の一部(dnaA断片)のク
ローン化
−233の全DNAの抽出 半合成培地A培地〔組成:尿素2g、(NH4)2SO4
7g、K2HPO40.5g、KH2PO4 0.5g、
MgSO4 0.5g、FeSO4・7H2O6mg、M
nSO4・4〜6H2O 6mg、酵母エキス2.5g、
カザミノ酸5g、ビオチン200μg、塩酸チアミン2
00μg、グルコース20g、蒸留水11〕1lに、ブ
レビバクテリウム・フラバムMJ−233(FERM
BP−1497)を対数増殖期後期まで培養し、菌体を
集めた。得られた菌体を10mg/mlの濃度にリゾチ
ームを含む10mM NaCl−20mMトリス緩衝液
(pH8.0)−1mM EDTA・2Na溶液15m
lに懸濁した。次にプロテナーゼKを、最終濃度が10
0μg/mlになるように添加し、37℃で1時間保温
した。さらにドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度が0.
5%になるように添加し、50℃で6時間保温して溶菌
した。この溶菌液に、等量のフェノール/クロロホルム
溶液を添加し、室温で10分間ゆるやかに振盪した後、
全量を遠心分離(5,000×g、20分間、10〜1
2℃)し、上清画分を分取し、酢酸ナトリウムを0.3
Mとなるように添加した後、2倍量のエタノールをゆっ
くりと加えた。水層とエタノール層の間に存在するDN
Aをガラス棒でまきとり、70%エタノールで洗浄した
後、風乾した。得られたDNAに10mMトリス緩衝液
(pH7.5)−1mM EDTA・2Na溶液5ml
を加え、4℃で一晩静置し、鋳型DNAとして、PCR
に使用した。
(Escherichia coli )由来のもの〔プロシーディング
・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・
ユー・エス・エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、7
4、5458 〜 5462(1977)参照〕、シュードモナス・プ
チダ (Pseudomonas putida)由来のもの〔モレキュラ
ー・ジェネラル・ジェネティックス(Mol. Gen. Gene
t.)、215、381 〜 387 (1979)参照〕、バチルス・サ
チルス(Bacillus subtilis )由来のもの〔エンボ・ジ
ャーナル(EMBO J.)、 4、3345〜3350 (1985) 参
照〕、マイクロコッカス・ルテウス由来のもの〔ジーン
(Gene)、93、73〜78 (1990) 参照〕がよく研究されて
おり、塩基配列が決定されている。これら5種の微生物
のdnaA塩基配列より推定されるDnaAタンパク質
アミノ酸配列間で保存されている領域、特にDNA塩基
配列においても特に保存されている領域を検討し、下記
の2つのプライマーを設計し、アプライド・バイオシス
テムズ(Applied Biosystems)社製
394 DNA/RNAシンセサイザー(synthe
sizer)を用いて合成した。
C又はTを示し、ここでAはアデニン、Gはグアニン、
C はシトシン、Tはチミンを示す。)
(A)で調製した染色体を鋳型としてPCRを行うと、
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株染色体上
のdnaA遺伝子部分の増幅により、約500bpのP
CR反応産物が得られると期待される。
NAサーマルサイクラーを用いて下記の条件で行った。 反応液: 50mM KCl 10mM Tris−HCl(pH8.4) 1.5mM MgCl2 鋳型DNA 5μl 上記(B)で作製したプライマー 各々0.25μM dNTPs 各々200μM TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造) 2.5unit
s 以上を混合し、100μlとした。 PCRサイクル: デナチュレーション過程:94℃ 60秒 アニーリング過程:37℃ 120秒 エクステンション過程:72℃ 180秒 以上を1サイクルとし、30サイクル行った。
ゲルにより電気泳動を行ったところ約500bpの断片
が検出された。
ングベクターpGEM−T(PROMEGAより市販)
1μlを混合し、50mMトリス緩衝液(pH7.
6)、10mMジチオスレイトール、1mM ATP、
10mM MgCl 2及びT4 DNAリガーゼ1uni
tの各成分を添加し(各成分の濃度は最終濃度であ
る)、4℃で15時間反応させ、結合させた。
シウム法〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロ
ジー(Journal of Molecular Biology)、53、159 (19
70)〕によりエシェリヒア・コリJM109(宝酒造
製)を形質転換し、アンピシリン50mgを含む培地
〔トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、N
aCl 5g及び寒天16gを蒸留水11に溶解〕に塗
抹した。
し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミ
ドを制限酵素により切断し、挿入断片を確認した。この
結果、プラスミドpGEM−Tの長さ3.0kbのDN
A断片に加え、長さ約500bpの挿入断片が認められ
た。
幅断片について、その塩基配列をジデオキシヌクレオチ
ド酵素法(dideozychain termination法)〔Sanger F.
et al.、プロシーディング・オブ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンス・オブ・ユー・エス・エー(Pr
oc.Nat .Acad.Sci .USA )、74、5463(1977)〕に
より決定した。
ロコッカス・ルテウス由来のdnaA断片の一部(PC
Rに使用したプライマーによって挟まれる領域)と高い
ホモロジーを示し、ブレビバクテリウム・フラバムMJ
−233由来のdnaA断片の一部をクローニングした
ことを確認した。
MJ−233由来のars領域DNA断片のクローン化 (A)PCRプライマーの設計 微生物染色体の複製に必要とされるDNA領域であるa
rs領域は、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli
)由来のもの〔プロシーディング・オブ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンス・ユー・エス・エー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、74、5458 〜 5462
(1977)参照〕、シュードモナス・プチダ (Pseudomon
as putida)由来のもの〔モレキュラー・ジェネラル・
ジェネティックス(Mol. Gen. Genet.)、215、381 〜
387 (1979)参照〕、バチルス・サチルス(Bacillus s
ubtilis )由来のもの〔エンボ・ジャーナル(EMBO
J.)、 4、3345〜3350 (1985) 参照〕、マイクロコッカ
ス・ルテウス由来のもの〔ジーン(Gene)、93、73〜78
(1990) 参照〕がよく研究されており塩基配列が決定さ
れている。これら4種の微生物のars領域のDNA塩
基配列の解析の結果、ars領域と考えられる領域はr
pmH遺伝子とdnaN遺伝子の間に挟まれる形で存在
するdnaA遺伝子の近傍に存在することが示されてい
る。そこで、これら4種の微生物のDNA塩基配列より
推定されるRpmHおよびDnaNタンパク質アミノ酸
配列間で保存されている領域、特にDNA塩基配列にお
いても特に保存されている領域を検討し、rpmH遺伝
子のDNA塩基配列に基づいて設計した下記プライマー
RPMH−1及びdnaA遺伝子のDNA塩基配列に基
づいて設計した下記プライマーDNAN−1の2つのプ
ライマーを設計し、アプライド・バイオシステムズ(A
pplied Biosystems)社製394 D
NA/RNAシンセサイザー(synthesize
r)を用いて合成した。
G、SはG又はC、MはC又はA、VはA、G、又は
C、BはG、C又はT、NはA、G、C又はTを示す。
シトシン、Tはチミンを示す。) なお、RPMH−1の5’末端にはクローニングサイト
として制限酵素BamHI認識部位を、DNAN−1の
5’末端にはクローニングサイトとして制限酵素Sal
I認識部位をを付加した。
dnaA遺伝子のDNA塩基配列をもとに、下記の2つ
のプライマーを設計し、上記と同様に合成した。 (DNAA−3)GGGGA TCCGT TGAAG GTATG GAAGA A (31mer) (DNAA−4)GGGTC GACTG CCAGC CGCTT TGAAT C (31mer) (配列中、Aはアデニン、Gはグアニン、Cはシトシ
ン、Tはチミンを示す。) なお、DNAA−3の5’末端にはクローニングサイト
として制限酵素BamHI認識部位を、DNAA−4の
5’末端にはクローニングサイトとして制限酵素Sal
I認識部位を付加した。
の(A)で調製した染色体を鋳型としてPCRを行っ
た。プライマーRPMH−1とDNAN−1により全d
naA遺伝子を含むoriC領域全体が、RPMH−1
とDNAA−3によりdnaA遺伝子上流領域が、DN
AA−4とDNAN−1によりdnaA遺伝子下流領域
がPCR反応産物として得られると期待される。
ゲルにより電気泳動を行ったところ、プライマーRPM
H−1とDNAN−1により約3.5kbのDNA断片
(C断片)の増幅が、RPMH−1とDNAA−3によ
り約1.7kbのDNA断片(A断片)の増幅が、DN
AA−4とDNAN−1により約1.5kbのDNA断
片(B断片)の増幅が検出された。また、プライマーR
PMH−1とDNAN−1により増幅した約3.5kb
のDNA断片を鋳型としてPCRをおこなった場合、染
色体を鋳型として用いた場合と同じように、プライマー
RPMH−1とDNAA−3により約1.7kbのDN
A断片が、DNAA−4とDNAN−1により約1.5
kbのDNA断片が検出された。
より増幅された大きさが約3.5kbのDNA断片(C
断片)、プライマーRPMH−1とDNAA−3により
増幅された大きさが約1.7kbのDNA断片(A断
片)、このDNA断片を制限酵素SalIにより切断し
て得られる大きさが約1.2kbのDNA断片(D断
片)、プライマーDNAA−4とDNAN−1により増
幅された大きさが約1.5kbのDNA断片(B断片)
のそれぞれを各種制限酵素で切断して、切断断片の大き
さを測定した。その結果は、前記第1表〜第3表に示し
た通りであった。これらDNA断片の制限酵素切断点地
図及び各DNA断片の相互関連を図1〜図3に示す。
切断したものに、制限酵素BamHIで切断したカナマ
イシン耐性プラスミドpHSG298を混合し、50m
Mトリス緩衝液(pH7.6)、10mMジチオスレイ
トール、1mMATP、10mM MgCl2 及びT
4 DNAリガーゼ1unitの各成分を添加し(各成分
の濃度は最終濃度である)、4℃で15時間反応させ、
結合させた。
シウム法〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロ
ジー(Journal of Molecular Biology)、53、159 (19
70)〕によりエシェリヒア・コリJM109(宝酒造
製)を形質転換し、カナマイシン50mgを含む培地
〔トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、N
aCl 5g及び寒天16gを蒸留水11に溶解〕に塗
抹した。
し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミ
ドを制限酵素により切断し、挿入断片を確認した。この
結果、大きさが2.7kbのプラスミドpHSG298
のDNA断片に加え、大きさ約1.7kbの挿入DNA
断片(A断片)が認められた。このプラスミドをpHS
G298−A1と命名した。
前記の方法に従いpGEM−T(PROMEGAより市
販)にクローニングした。得られたプラスミドを制限酵
素SalIにより切断し、挿入断片を確認した。この結
果、大きさが約3.0kbのプラスミドpGEM−TD
NA断片に加え、大きさが約1.5kbの挿入断片(B
断片)が認められた。このプラスミドをpGEM−B1
と命名した。
1及びpGEM−B1に含まれるA断片およびB断片に
ついて、その塩基配列をジデオキシヌクレオチド酵素法
(dideozychain termination法)〔Sanger F. et al.、
プロシーディング・オブ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンス・オブ・ユー・エス・エー(Proc.Nat
.Acad.Sci .USA )、74、5463(1977)〕により決
定した。
mH遺伝子のN末領域と、他方にマイクロコッカス・ル
テウス由来のdnaA遺伝子の一部と高いホモロジーを
示し、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233由来
のdnaA断片の一部及びその上流領域をクローニング
したことを確認した。また、B断片は一方にdnaN遺
伝子のN末領域と、他方にマイクロコッカス・ルテウス
由来のdnaA遺伝子の一部と高いホモロジーを示し、
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233由来のdn
aA断片の一部及びその下流領域をクローニングしたこ
とを確認した。
MJ−233染色体由来の環状DNAベクターの作成 実施例1の(D)項で得られたプラスミドpHSG29
8−A1をSalIにより切断すると、pHSG298
とA断片の一部(大きさが約1.2kbのD断片)を含
む4.2kbのDNA断片と、A断片の残りの一部分の
約0.5kbのDNA断片とに別れる(図1参照)。こ
の、pHSG298とA断片の一部(D断片)を含む
4.2kbのDNA断片と、pGEM−B1をBamH
Iにより切断することにより得られる1.5kbのB断
片を上記の方法によりT4DNAリガーゼを用いて結合
した。
電気パルス法によりブレビバクテリウム・フラバムMJ
−233(FERM BP−1497)プラスミドpB
Y502除去株を形質転換し、カナマイシン25μg/
ml(最終濃度)を含む前記A寒天培地に塗抹し30℃
で2〜3日間培養した。出現したカナマイシン耐性株よ
り、常法によりベクターDNAを抽出し、該ベクターを
制限酵素BamHIおよびSalIにより切断し、アガ
ロースゲル電気泳動を用いて調べたところ、大きさが
2.7kbのプラスミドpHSG298DNA断片に加
え、大きさが約1.2kbのD断片および、大きさが約
1.5kbのB断片が認められた。
oriCと命名した。得られた環状DNAベクターを各
種制限酵素で切断して、切断断片の大きさを測定した。
その結果を下記の第5表に示す。また環状DNAベクタ
ーpHSG298−oriCの制限酵素切断点地図を図
4に示す。
気パルス法によりブレビバクテリウム・フラバムMJ−
233(FERM BP−1497)プラスミドpBY
502除去株を形質転換し、カナマイシン25μg/m
l(最終濃度)を含む前記A寒天培地に塗抹し30℃で
2〜3日間培養したところ、多数の形質転換株が得ら
れ、得られた環状DNAベクターはコリネ型細菌内でa
rs領域DNA断片として複製していることが確認され
た。
−oriCにより形質転換されたブレビバクテリウム・
フラバムMJ233−OriCは、茨城県つくば市東1
丁目1番3号の工業技術院生命工学工業技術研究所に、
平成4年11月24日付で:微工研菌寄第13303号
(FERM P−13303)として寄託されている。
MJ233−OriC中に存在する環状DNAベクター
(pHSG298−oriC)の確認およびコピー数の
測定 上記参考例1(A)項の方法に従い、ブレビバクテリウ
ム・フラバムMJ233−OriCより全DNAを抽出
した。ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−Or
iCより得られたDNA抽出溶液、および、比較例とし
て、参考例1(A)項で得られたブレビバクテリウム・
フラバムMJ−233のDNA抽出溶液を、常法に従い
〔モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning
)、 ColdSpng Harbor Laboratory Press(1989)〕ゲ
ノミックサザンハイブリダイゼーションに供し、ars
領域の検出を行った。この時プローブとしては、実施例
1の(C)で得られたA断片を、ランダムラベルキット
(宝酒造より市販)によりラベルしたものを用いた。
の他に環状DNAベクター(pHSG298−ori
C)由来と考えられるバンドが検出された。両者のバン
ドの濃さの比較より1細胞当たりの環状DNAベクター
のコピー数は、1〜2と考えられた。
233−OriCより得られたDNA抽出溶液、およ
び、比較例として、実施例1(A)項で得られたブレビ
バクテリウム・フラバムMJ−233のDNA抽出溶液
を鋳型とし、実施例1の(A)項で用いたRPMH−1
およびDNAN−1をプライマーとして用い、前述の方
法に従ってPCR反応を行った。得られた反応液をアガ
ロース電気泳動により解析したところ、ブレビバクテリ
ウム・フラバムMJ−233のDNA抽出溶液を鋳型と
したPCR反応液からは、約3.5kbのDNA断片の
みが検出されるのに対し、ブレビバクテリウム・フラバ
ムMJ233−OriCのDNA抽出溶液を鋳型とした
反応液からは、約3.5kbのDNA断片の他に、約
2.7kbの環状DNAベクター由来と考えられるDN
A断片が検出された。
塩基配列の決定 上記実施例1の(C)項で得られたars領域を含む大
きさ約3.5kbのDNA断片の塩基配列を下記の操作
により決定し、また、このDNA断片上に存在するdn
aA遺伝子の存在部位を特定した。まず、大きさ約3.
5kbのDNA断片溶液 14μlを制限酵素Sau3
A〓を用いて37℃で1〜5分間処理してDNA断片を
部分分解した。次に、クローニングベクターpUC11
8(宝酒造製)を制限酵素BamH〓で切断した。得ら
れたベクター断片と部分分解DNA断片とを混合し、こ
の混合液にそれぞれ最終濃度が50mM トリス緩衝液
(pH7.6),10mM ジオスレイトール、1mM
ATP、10mM MgCl2、およびT4 DNAリガ
ーゼ1unitとなるように各成分を添加し、ベクター
断片と部分分解DNA断片とを結合させた。
断片溶液 14μlを制限酵素Taq〓 50unitと
5〜8分間反応させて部分分解DNA断片を調製した。
クローニングベクターpUC118を制限酵素Acc〓
で切断した後、これを上記と同様にして部分分解DNA
と結合させた。
Mol. Biol., 53, 159(1970)参照]によりエシエリヒア
・コリJM109株(宝酒造製)を形質転換し、アンピ
シリンを50μg含む前記のL培地に塗抹した。上記培
地に生育した菌株を常法に従い液体培養し、得られた培
養物よりプラスミドDNAを抽出した。抽出したプラス
ミドDNAを用いて、ベクターpUC118に挿入され
た部分分解DNA断片の塩基配列をジデオキシヌクレオ
チド酵素法[dideoxy chain termination method, Sang
er, F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 546
3(1977)参照]により決定した。
スミドDNAをパーキン・エルマー社製カタリスト80
0モレキュラー・バイオロジー・ラボステーション(CAT
ALYST 800 Moleculer Biology Labostation ; Prkin-El
mer)を用いてプロトコールに従い反応させた後、パーキ
ン・エルマー社製 373A DNAシークエンサーによ
り各々のプラスミドの挿入DNA断片の塩基配列を決定
した。そして、これらの個々の配列の連結は、パーキン
・エルマー社製のシークエンス解析ソフト インヘリッ
ト(INHERIT)を用いて行い、大きさ約3.5kbのDN
A断片の全塩基配列を決定した。その配列を後記配列表
の配列番号:1に示す。決定した塩基配列中にはオープ
ンリーディングフレームの存在が認められ(塩基番号8
80〜2451;524アミノ酸)、既知のマイクロコ
ッカス・ルテウス由来のdnaA遺伝子〔ジーン(Gen
e)、93、73〜78 (1990) 参照〕との相同性の比較によ
り、それがブレビバクテリウム・フラバムMJ−233
のdnaA遺伝子であることが判明した。さらに、dn
aA遺伝子の上流にrpmH遺伝子の一部が(塩基番号
32〜9)存在し、dnaA遺伝子の下流にはdnaN
遺伝子の一部分(塩基番号2978〜3514)が存在
していることが確認された。このことより、ars領域
は、dnaA遺伝子およびrpmH遺伝子の間、およ
び、dnaA遺伝子およびdnaN遺伝子の間の領域に
存在することが確認された。
ラバムMJ−233染色体に由来するars領域を含む
DNA断片が提供される。本発明のDNA断片を用いて
造成される環状DNAベクターは、コリネ型細菌内で低
コピー数で存在し、自律複製可能であり、該環状DNA
ベクターを用いることにより、高コピー数存在すると宿
主コリネ型細菌に悪影響を与える遺伝子等のクローニン
グが可能となる。
um flavum) 株名:MJ−233 配列の特徴: 特徴を表す記号:REP 存在位置:1〜3521 特徴を決定した方法:E
(C断片)の制限酵素切断点地図並びに該DNA断片と
大きさが約1.7kbのDNA断片(A断片)、大きさ
が約1.2kbのDNA断片(D断片)及び大きさが約
1.5kbのDNA断片(B断片)との相互関係を示す
図。
(A断片)および大きさが約1.2kbのDNA断片
(D断片)の制限酵素切断片地図
(B断片)の制限酵素切断片地図
の制限酵素切断片地図
Claims (12)
- 【請求項1】 コリネ型細菌染色体に由来する自律複製
配列を有するDNA断片。 - 【請求項2】 前記コリネ型細菌がブレビバクテリウム
・フラバム(Brevibacterium flav
um)MJ−233である請求項1記載のDNA断片。 - 【請求項3】 大きさが約3.5kbであり、下記表に
記載する制限酵素で切断した場合、下記表に記載する認
識部位数と切断断片の大きさを示す請求項2記載のDN
A断片。 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kb) EcoRI 3 1.1、1.0、0.9、0.5 HindIII 4 1.8、1.4、0.16、0.07、0 .07 SalI 1 2.3、1.2 - 【請求項4】 大きさが約1.7kbであり、下記表に
記載する制限酵素で切断した場合、下記表に記載する認
識部位数と切断断片の大きさを示す請求項2記載のDN
A断片。 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kb) BamHI 0 1.7 EcoRI 2 1.0、0.5、0.2 HindIII 2 1.4、0.2、0.1 SalI 1 1.2、0.5 - 【請求項5】 大きさが約1.2kbであり、下記表に
記載する制限酵素で切断した場合、下記表に記載する認
識部位数と切断断片の大きさを示す請求項2記載のDN
A断片。 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kb) BamHI 0 1.2 EcoRI 1 0.7、0.5 HindIII 0 1.2 SalI 0 1.2 - 【請求項6】 大きさが約1.5kbであり、下記表に
記載する制限酵素で切断した場合、下記表に記載する認
識部位数と切断断片の大きさを示す請求項2記載のDN
A断片。 制限酵素 認識部位数 切断断片の大きさ(kb) BamHI 1 1.2、0.3 EcoRI 1 0.9、0.6 HindIII 2 1.2、0.2、0.1 PvuII 2 0.7 0.5 0.3 SalI 0 1.5 XhoI 1 0.9、0.6 - 【請求項7】 少なくとも請求項1〜3のいずれにかに
記載のDNA断片を保有するコリネ型細菌内で自律複製
可能な環状DNA。 - 【請求項8】 少なくとも請求項4又は5のいずれかに
記載のDNA断片及び請求項6に記載のDNA断片を保
有するコリネ型細菌内で自律複製可能な環状DNA。 - 【請求項9】 請求項7又は8のいずれかに記載の環状
DNAにより形質転換されたコリネ型細菌。 - 【請求項10】 配列表に示される、コリネ型細菌の染
色体由来自律複製配列を有するDNA断片。 - 【請求項11】 請求項10に記載のDNA断片の全部
あるいは一部を保有するコリネ型細菌内で自律複製可能
な環状DNA。 - 【請求項12】 請求項11に記載の環状DNAにより
形質転換されたコリネ型細菌。
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---|---|---|---|
JP30114094A JP3550766B2 (ja) | 1994-07-26 | 1994-12-05 | 自律複製配列を有するdna断片、その塩基配列、及びその利用 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP6-174316 | 1994-07-26 | ||
JP17431694 | 1994-07-26 | ||
JP30114094A JP3550766B2 (ja) | 1994-07-26 | 1994-12-05 | 自律複製配列を有するdna断片、その塩基配列、及びその利用 |
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JPH0889259A true JPH0889259A (ja) | 1996-04-09 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6677146B1 (en) | 2000-03-28 | 2004-01-13 | Replidyne, Inc. | Thermophilic polymerase III holoenzyme |
-
1994
- 1994-12-05 JP JP30114094A patent/JP3550766B2/ja not_active Expired - Fee Related
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