JPH0889126A - 鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物 - Google Patents

鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物

Info

Publication number
JPH0889126A
JPH0889126A JP6323815A JP32381594A JPH0889126A JP H0889126 A JPH0889126 A JP H0889126A JP 6323815 A JP6323815 A JP 6323815A JP 32381594 A JP32381594 A JP 32381594A JP H0889126 A JPH0889126 A JP H0889126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
adsorption carrier
concrete structure
carrier
ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6323815A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2577709B2 (ja
Inventor
Tama Ogasawara
玉 小笠原
Akio Henmi
彰男 逸見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP6323815A priority Critical patent/JP2577709B2/ja
Publication of JPH0889126A publication Critical patent/JPH0889126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2577709B2 publication Critical patent/JP2577709B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Landscapes

  • Artificial Fish Reefs (AREA)
  • Cultivation Of Seaweed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 微量要素の鉄イオンを徐々に放出して、海藻
や珪藻等の水生植物の繁茂に必要な鉄分を供給し、鉄分
の過剰溶出を防止して、効率よくコンクリート構築物に
水生植物を繁茂させる。 【構成】 コンクリート構築物は、鉄イオンや鉄イオン
のキレート化合物を担持した鉄吸着担体を混入してい
る。鉄吸着担体には、ゼオライト、珪藻土、活性炭、シ
リカ、ベントナイト、カオリナイト、陽イオン交換樹
脂、腐食酸、泥炭の何れかを含む吸着担体に鉄を担持さ
せたものが使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄イオンを緩慢に放出
することによって、短期間に海藻類や珪藻類等の水生植
物を着生、活着・繁茂させて、魚介類の生育に良好な藻
場を構築するコンクリート構築物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、水圏の環境改善に関心が高まって
おり、水生動植物の生態的バランスを良好に保つための
方法や技術が開発されてきた。漁礁を沈めた海域や消波
ブロックを設置した水域を、海藻など水生植物が繁茂す
る藻場とし、魚類など水生動物が住み着きやすい生活環
境の場所にする方法が施行されるようになっている。良
好な藻場を作るため、漁礁や消波ブロックの表面に硫酸
鉄など鉄化合物を混入した塗料を塗布し、水生植物の微
量要素である鉄分を供給することで、海藻などの生育を
促す方法がとられている。
【0003】さらに、コンクリートブロックに鉄を混合
して、海藻の生育環境を促す技術も開発されている。た
とえば、特開平5−192048号公報には鉄材をセメ
ントに混合して成形する海藻養殖用のコンクリートブロ
ックが記載される。また、特開平5−268854号公
報には、コンクリートブロックの表面に鉄含有廃棄物を
付着して海藻を効率よく繁殖させる技術が記載される。
さらにまた、特開平6−9453号公報には、表面を金
属面とすることによりコンクリートブロックよりも海藻
の付着を改善する漁礁が記載される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、鉄化合
物を塗布した漁礁や消波ブロック、あるいは鉄分を含有
する漁礁、あるいはまた表面を鉄とする漁礁は、表面か
ら過剰の鉄分が速いスピードで溶出することが多く、水
生植物にとって微量で充分な養分が過多に供給され、海
藻の生育はしばしば悪化する。鉄化合物の過剰放出は、
水圏の汚染を引き起こす恐れもある。また、この種の漁
礁や消波ブロックを製作するには、コンクリートなどの
材料を成形した後、塗料を塗る作業が入ることで、工程
が煩雑となり、製作コストも高くなる。製作工程が簡単
で水質汚濁を起こさない安全な藻場漁礁や水生植物がよ
く茂る消波ブロックを製作する技術や方法の開発が待た
れている。
【0005】本発明は、このことを実現することを目的
に開発されたもので、本発明の重要な目的は、微量要素
の鉄イオンを徐々に放出することで、海藻や珪藻などの
水生植物の繁茂に必要な鉄分を供給し、鉄分の過剰溶出
を防止できる鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物を
提供することにある。また、本発明の他の重要な目的
は、簡単に能率よく、しかも低廉に多量生産できる鉄イ
オン徐放出性のコンクリート構築物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のコンクリート構
築物は、鉄分の放出を水生植物の繁茂に最適な量に抑制
制御するために、コンクリートに、鉄イオンや鉄イオン
のキレート化合物を担持した鉄吸着担体を混入してい
る。本発明のコンクリート構築物は、単に鉄分を物理的
にコンクリート中に含有するのではない。鉄は、ゼオラ
イトなどの吸着担体に、イオン結合する等の状態で、化
学的に結合して担持されている。
【0007】鉄を担持する鉄吸着担体には、人工ゼオラ
イト、合成ゼオライト、天然ゼオライト等のゼオライ
ト、珪藻土、活性炭、シリカ、ベントナイト、カオリナ
イト、陽イオン交換樹脂、腐食酸、泥炭の何れかの吸着
担体に鉄を担持させたものが使用できる。鉄を担持する
吸着担体には、たとえば、100g当りの陽イオン交換
容量が50meq〜600meq、好ましくは80me
q〜600meq以上、さらに好ましくは100meq
〜600meq、最適には200meq〜600meq
のものが使用される。陽イオン交換容量の大きい吸着担
体は、より多くの鉄を吸着できるので、鉄吸着担体の混
合量を少なくして、優れた効果がある。
【0008】陽イオン吸着能力の優れた吸着担体に鉄を
担持させるには、吸着担体を鉄イオンを含む水溶液に浸
漬する。浸漬時間は、たとえば、数時間以上とする。鉄
イオンを含む水溶液に浸漬された吸着担体は、マイナス
にチャジしている部分にプラスイオンの鉄イオンが結合
される。鉄イオンを含む水溶液には、たとえば、塩化
鉄、硫酸鉄、硝酸鉄の水溶液が使用できる。
【0009】さらに、吸着担体は、鉄イオンのキレート
化合物を担持させることもできる。この鉄吸着担体は、
鉄イオンのキレート化合物を含む水溶液に吸着担体を浸
漬する。鉄イオンのキレート化合物を含む水溶液には、
たとえばクエン酸鉄の水溶液が使用できる。
【0010】本発明のコンクリート構築物は、骨材やセ
メントを混練りした生コンクリートに鉄吸着担体を混合
し、鉄吸着担体を混入した生コンクリートを型枠で成形
して製造できる。
【0011】鉄吸着担体の混入量は、鉄吸着担体の陽イ
オン交換容量によって変化する。陽イオン交換容量が2
倍である鉄吸着担体は、半分で同量の鉄を含有するから
である。陽イオン交換容量が200meq/100gで
ある鉄吸着担体を使用するとき、鉄吸着担体の添加量
は、コンクリートに添加するセメント100重量部に対
して、例えば3〜50重量部、好ましくは3〜40重量
部、さらに好ましくは4〜30重量部、最適には10〜
20重量部に設定される。吸着担体の陽イオン交換容量
が2倍になると、鉄吸着担体の添加量を半分に、陽イオ
ン交換容量が半分になると鉄吸着担体の添加量を2倍に
する。したがって、鉄吸着担体の最適添加量は、陽イオ
ン交換容量に反比例して増減する。
【0012】鉄吸着担体の混合量は、多すぎても、反対
に少なすぎても水生植物の繁茂に最適な環境とならな
い。少なすぎると、水生植物の繁茂に最適量の鉄分を補
給できない。反対に混合量が多すぎると、過剰な鉄が補
給されて水生植物の繁茂に最適な環境とならないからで
ある。
【0013】
【作用】鉄イオンを担持する鉄吸着担体が混合されたコ
ンクリート構築物は、鉄吸着担体から鉄分を経時的に、
著しく緩慢に長期間放出する。好ましいことに、鉄吸着
担体に担体される鉄イオンは、海藻や珪藻等の水生植物
の養分吸着部位が接触すると、この部分から分泌される
水素イオンとイオン交換して効率よく放出されて、水生
植物に補給される。鉄吸着担体は、植物による鉄の吸収
が行われないと、鉄イオンをほとんど放出しないので、
過剰の鉄が海水中に放出されて、鉄が水質を汚濁するこ
とがない。鉄吸着担体に含まれる鉄は、水生植物の根に
効率よく補給されるので、極めて長期間にわたって水生
植物に効率よく補給されて、水生植物を効果的に繁茂で
きる。硫酸鉄等を塗布した従来の漁礁のように、鉄分が
海水に溶解して、短期間に溶出してしまうことはない。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。下記のようにし
て、漁礁や消波ブロック等のコンクリート構築物を製造
する。
【0015】 吸着担体を製造する工程 下記のようにして、発電所等で多量に廃棄物として発生
している石炭灰であるフライアッシュを使用して、優れ
た陽イオン吸着力の吸着担体である人工ゼオライトを製
造する。フライアッシュを人工ゼオライトとするには、
フライアッシュを、1Nの苛性ソーダ水溶液に数時間浸
漬して攪拌する。ただし、苛性ソーダ水溶液の濃度は1
N〜3Nとすることができる。その後、水洗、乾燥し
て、粉末状の人工ゼオライトとする。苛性ソーダ水溶液
に浸漬されたフライアッシュは、SiとAlとがOを介
して結合されて、Na型の人工ゼオライトとなる。この
ようにして製造される人工ゼオライトは、SiとAlに
4個のOが結合さる。Siはプラスの4価、Alはプラ
スの3価であるので、Alの部分で電子が1個余剰にな
ってこの部分がマイナスにチャージする吸着担体とな
る。Na型の人工ゼオライトは、Alのマイナスにチャ
ージする部分に、プラスイオンである鉄イオンが結合さ
れる。このようにして製造された人工ゼオライトは、陽
イオン交換容量が約200meq/100gとなる。
【0016】 吸着担体である人工ゼオライトに鉄イ
オンを吸着させる工程 フライアッシュから得た吸着担体である人工ゼオライト
を、鉄イオンを含む水溶液に浸漬して、人工ゼオライト
に鉄イオンを吸着させる。鉄イオンを含む水溶液には、
濃度を1Nとする塩化鉄の水溶液を使用する。吸着担体
である人工ゼオライトの浸漬時間は3時間とする。吸着
担体を塩化鉄の水溶液に浸漬すると、マイナスにチャー
ジする部分に鉄イオンが結合されて、鉄吸着担体である
鉄型人工ゼオライトとなる。鉄イオンを吸着させて鉄吸
着担体とした後、水洗、乾燥して粉末状の鉄吸着担体と
する。
【0017】 鉄吸着担体を使用してコンクリート構
築物を製造する工程 セメントに鉄吸着担体である鉄型人工ゼオライトを混合
する。鉄型人工ゼオライトの混合量は、混合するセメン
トに対して、10、20、30、40、50%の5段階
とする。すなわち、鉄吸着担体を、セメント100重量
部に対して、10重量部、20重量部、30重量部と、
40重量部、50重量部混合する。鉄型人工ゼオライト
とセメントを、骨材に混合し、さらにこれに水を添加し
て、混練りして生コンクリートとする。骨材には砂と砂
利とを使用する。セメントと砂と砂利と水の混合率は、
セメント100重量部に対して、砂を150重量部、砂
利を300重量部、水を50重量部とする。
【0018】このセメントに鉄型人工ゼオライトを混合
した生コンクリートを使用して、縦25cm、横40c
m、高さ5cmの直方体形のブロック(投影平面積:
0.1平方メートル、体積:0.005立方メートル、
重量:11.5kg)を形成して、本発明の実施例ブロ
ックとした。
【0019】鉄吸着担体である鉄型人工ゼオラをイトを
混合しない以外、前記の方法と同様にして直方体ブロッ
クを作製し、比較例1ブロックを製作した。さらに、鉄
吸着担体を混入することなく、表面に硫酸鉄を含有する
塗料を塗布する以外、前記の方法と同様にして直方体ブ
ロックを作製して比較例2ブロックを製作した。実施例
ブロックと比較例1、2ブロックとを、徳島県松茂町海
岸の平均水深2m前後の海中に沈めて、海藻の着床生育
の様子を観察した。さらに同じようにして製作した、実
施例ブロックと比較例1、2ブロックとを、徳島県穴吹
町の吉野川水深2メートルに沈めて、珪藻の着床生育の
様子を観察した。
【0020】海中に沈めて1週間経った時、実施例ブロ
ックに海藻(紅藻類)の着生が認められた。比較例ブロ
ックと従来例ブロックとは変化がなく海藻着生は認めら
れなかった。2週間後には、実施例ブロックに海藻(緑
藻類)が着生していたが、比較例1、2は変化がなく海
藻(緑藻類)は着生されなかった。4週間経過した時に
は、実施例ブロックは、表面の半分以上覆うほどに緑藻
類が生長していた。一方、比較例1、2ブロックは、海
藻の着生は依然認められなかった。
【0021】河川に沈めたものは、3週間経過後に、実
施例ブロックと比較例2ブロックに珪藻類が着生し、比
較例1ブロックには珪藻の着生は認められなかった。河
川に沈めて3カ月経過すると、実施例ブロックは表面の
ほぼ全面を覆うほどに珪藻類が繁茂した。3週間後に珪
藻類が着生していた比較例2ブロックは、3カ月後には
着生していた珪藻類が消滅した。比較例1ブロックは、
3カ月経過後も珪藻類が着生しなかった。
【0022】図1は、セメントに対して20重量部の人
工ゼオライトを添加して製作した実施例ブロックを海中
に沈めて4週間経過した状態を示している。この図に示
す本発明のコンクリート構築物である実施例ブロック1
は、ブロック表面のほぼ3分の2にわたって海藻2(大
部分が緑藻類)が活着し、大きいものでは高さ約5cm
にも達するほどに生長している。海藻2の付近には、巻
き貝3も生活しており、一つの小さな生態系を形作って
いる。これに対して、鉄吸着担体を添加しない従来の比
較例ブロックには海藻の着生がほとんど認められない。
【0023】図2は、セメントに対して20重量部の人
工ゼオライトを添加して製作した実施例ブロックを河川
に沈めて3カ月経過した状態を示している。この図に示
す本発明のコンクリート構築物である実施例ブロック1
は、ブロック表面のほぼ全面にわたって珪藻4が活着し
た。
【0024】以上の結果より、鉄型人工ゼオライトを添
加する実施例ブロックは、海藻や珪藻等の水生植物の誘
引・着生と活着生育の効果を現すようになることが明ら
かになった。人工ゼオライトの過剰混合は、水生植物の
着生効果を減少させる場合があるので、鉄吸着担体の添
加量は、セメント100重量部に対して約20%程度と
するのが最も効果が大きい。この程度の混入では、ブロ
ックの強度はほとんど低下せず、破壊に対して十分に耐
えうる。
【0025】実施例ブロックについて、鉄型人工ゼオラ
イト混入量と、海藻類や珪藻類等の水生植物の着生の程
度は次のようであった。本発明の実施例ブロックは、セ
メント100重量部に対して、20重量部の鉄型人工ゼ
オライトを添加したものに、最も多量の水生植物が繁茂
した。10重量部の鉄型人工ゼオライトを添加して実施
例ブロックは、わずかに水生植物の繁茂量が少なくなっ
た。鉄型人工ゼオライトの添加量を20重量部よりも多
くすると、水生植物が繁茂する量は次第に少なくなっ
た。したがって、陽イオン交換容量を200meq/1
00gとする人工ゼオライトに鉄イオンを結合させた鉄
型人工ゼオライトは、最適混合量が、セメント100重
量部に対して10〜20重量部である。
【0026】鉄吸着担体には、鉄イオンに代わって鉄イ
オンのキレート化合物を担持したものも使用できる。鉄
イオンのキレート化合物を担持する鉄吸着担体は、下記
のようにして製造される。人工ゼオライトを、鉄イオン
のキレート化合物を含む水溶液に浸漬して、人工ゼオラ
イトに鉄イオンのキレート化合物を吸着させる。鉄イオ
ンのキレート化合物を含む水溶液には、濃度を1Nとす
るクエン酸鉄の水溶液を使用する。吸着担体である人工
ゼオライトの浸漬時間は3時間とする。吸着担体をクエ
ン酸鉄の水溶液に浸漬すると、吸着サイト部分に鉄イオ
ンのキレート化合物が結合されて、鉄吸着担体である人
工ゼオライトとなる。鉄イオンのキレート化合物を吸着
させて鉄吸着担体とした後、水洗、乾燥して粉末状の鉄
吸着担体とする。
【0027】以上のようにして、製作した鉄イオンのキ
レート化合物を担持する鉄吸着担体を使用する以外、前
記の方法と同様にして、実施例ブロックを試作した。こ
の実施例ブロックは、鉄吸着担体の添加量を同量とし
て、鉄イオンを担持する鉄吸着担体を使用する前記の実
施例ブロックと同等の繁茂効果が得られる。
【0028】吸着担体を人工ゼオライトから、陽イオン
交換容量を100meq/100gとする天然ゼオライ
トとする以外、前記の方法と同様にして実施例ブロック
を試作した。この実施例ブロックは、陽イオン交換容量
が人工ゼオライトの半分である天然ゼオライトを吸着担
体に使用する。この実施例ブロックは、鉄吸着担体に人
工ゼオライトを使用する実施例ブロックに比較して、鉄
吸着担体の添加量を2倍にすると同等の水生植物の繁茂
効果が得られる。
【0029】さらに、人工ゼオライトに代わって、陽イ
オン交換容量を500meq/100gとする合成ゼオ
ライトとする以外、前記の方法と同様にして実施例ブロ
ックを試作した。この実施例ブロックは、陽イオン交換
容量が人工ゼオライトの2.5倍である合成ゼオライト
を吸着担体に使用する。この実施例ブロックは、鉄吸着
担体に人工ゼオライトを使用する実施例ブロックに比較
して、鉄吸着担体の添加量を1/2.5に少なくして、
同等の水生植物の繁茂効果が得られる。
【0030】さらに、本発明のコンクリート構築物は、
添加する鉄吸着担体に、ゼオライトに代わって、100
g当りの陽イオン交換容量を50meq〜600me
q、好ましくは80meq〜600meq以上、さらに
好ましくは100meq〜600meq、最適には20
0meq〜600meqとする、珪藻土、活性炭、シリ
カ、ベントナイト、カオリナイト、陽イオン交換樹脂、
腐食酸、泥炭等の吸着担体に鉄を担持させたものも使用
できる。本発明のコンクリート構築物に鉄吸着担体とし
て添加させる吸着担体は、100g当りの陽イオン交換
容量を、好ましくは下記の範囲とするものが使用でき
る。 人工ゼオライト……………150〜400meq 天然ゼオライト………………50〜200meq 合成ゼオライト……………350〜600meq ベントナイト………………100〜120meq 陽イオン交換樹脂…………200〜1000meq 腐食酸………………………300〜800meq 泥炭…………………………200〜300meq
【0031】これ等の吸着担体は、鉄イオンや鉄のキレ
ート化合物を含む水溶液に浸漬して、鉄イオンや鉄イオ
ンのキレート化合物を担持する鉄吸着担体とすることが
できる。吸着担体に陽イオン交換容量の大きいものを使
用する鉄吸着担体は添加量を少なくし、陽イオン交換容
量の小さい吸着担体の鉄吸着担体は添加量を多くする。
【0032】陽イオン交換容量の大きい吸着担体は、一
般的にコストが高くなる。フライアッシュを原料として
製造される人工ゼオライトは、本発明のコンクリート構
築物に添加する吸着担体として理想的なものである。そ
れは、石炭を燃料として使用する発電所等で発生する膨
大な廃棄物を有効利用できると共に、優れた陽イオン吸
着能力によって、水生植物を効果的に繁茂できるからで
ある。
【0033】
【発明の効果】本発明による、鉄イオン徐放出性のコン
クリート構築物は、微量要素の鉄分を必要最小量だけ供
給でき、水生植物の着生を良好にする。水生植物が繁茂
した漁礁、消波ブロック、護岸ブロックは、様々な種類
の魚類が生存しやすい環境を提供するので、水生生物の
生態系を好都合な状態に保つ効果を生む。このような漁
礁、消波ブロック、護岸ブロック等のコンクリート構築
物の製作は、従来のような鉄分入り塗料の塗布工程が不
必要なので、経済的にも低廉価で行える。また、鉄分の
過剰溶出が起こらないので、水圏を汚染しない環境調和
タイプの漁礁や消波ブロックや護岸ブロック等のコンク
リート構築物であることも大きな効果としてあげてよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例ブロックの海藻着生状態を示す平面図
【図2】 実施例ブロックの珪藻着生状態を示す平面図
【符号の説明】
1…実施例ブロック 2…海藻 3…巻き貝 4…珪藻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 逸見 彰男 愛媛県松山市来住町645−20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄イオンや鉄イオンのキレート化合物を
    担持した鉄吸着担体を混入してなるコンクリートで成形
    してなる鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物。
  2. 【請求項2】 鉄吸着担体が、ゼオライト、珪藻土、活
    性炭、シリカ、ベントナイト、カオリナイト、陽イオン
    交換樹脂、腐食酸、泥炭の何れかを含む吸着担体に鉄を
    担持させたものである請求項1に記載の鉄イオン徐放出
    性のコンクリート構築物。
JP6323815A 1994-07-25 1994-11-30 鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物 Expired - Fee Related JP2577709B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6323815A JP2577709B2 (ja) 1994-07-25 1994-11-30 鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-192934 1994-07-25
JP19293494 1994-07-25
JP6323815A JP2577709B2 (ja) 1994-07-25 1994-11-30 鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0889126A true JPH0889126A (ja) 1996-04-09
JP2577709B2 JP2577709B2 (ja) 1997-02-05

Family

ID=26507604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6323815A Expired - Fee Related JP2577709B2 (ja) 1994-07-25 1994-11-30 鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2577709B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002306017A (ja) * 2001-04-09 2002-10-22 Hideko Tamahashi 人工魚礁ブロック
KR100429061B1 (ko) * 2002-03-05 2004-04-29 동성해양산업 주식회사 시비재 및 그 제조방법
JP2005281439A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Toyo Constr Co Ltd 底質改良用団粒土、底質改良工法および水底地盤
JP2011050934A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Nihon Technical Development Center Co Ltd 水質浄化及び水産資源育成用の固形物
JP2015226511A (ja) * 2014-06-02 2015-12-17 国立大学法人広島大学 水生生物の増殖方法
JP2019017372A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 ヒューバースジャパン株式会社 鉄溶射樹脂漁礁ブロック
CN114409087A (zh) * 2021-12-30 2022-04-29 海南大学 一种城市内河原位生态修复的方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002306017A (ja) * 2001-04-09 2002-10-22 Hideko Tamahashi 人工魚礁ブロック
JP4656472B2 (ja) * 2001-04-09 2011-03-23 英子 玉橋 人工魚礁ブロック
KR100429061B1 (ko) * 2002-03-05 2004-04-29 동성해양산업 주식회사 시비재 및 그 제조방법
JP2005281439A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Toyo Constr Co Ltd 底質改良用団粒土、底質改良工法および水底地盤
JP2011050934A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Nihon Technical Development Center Co Ltd 水質浄化及び水産資源育成用の固形物
JP2015226511A (ja) * 2014-06-02 2015-12-17 国立大学法人広島大学 水生生物の増殖方法
JP2019017372A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 ヒューバースジャパン株式会社 鉄溶射樹脂漁礁ブロック
CN114409087A (zh) * 2021-12-30 2022-04-29 海南大学 一种城市内河原位生态修复的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2577709B2 (ja) 1997-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100486931B1 (ko) 생태환경조성 및 수질 정화용 부도체와 그 제조방법
KR101854083B1 (ko) 다공성 제올라이트 해조류 식생블럭
JP2002356393A (ja) 緩効性肥料およびそれを用いた培土
KR20220093136A (ko) 폴리우레탄 바이오필름 및 흰다리새우의 고밀도 육묘 및 양식 방법
JP3357990B2 (ja) 藻類増殖用材料及び人工魚礁
JPH0889126A (ja) 鉄イオン徐放出性のコンクリート構築物
KR20200022126A (ko) 질소와 인의 흡착형 세라믹 미생물 담체 및 이의 제조방법
CN108101233A (zh) 以改性贝类为主的混合生态填料、复合填料球、净化槽装置及制备工艺
TWI758753B (zh) 水的淨化材及使用該淨化材之水的淨化方法
KR100881896B1 (ko) 내구성이 향상된 토양미생물 활성용 충진제
JP4947247B2 (ja) 硝酸性窒素等除去用組成物及びその製造方法
JP6464011B2 (ja) 環境改善型コンクリートブロック
RU2348584C2 (ru) Удаление нитрата из аквариумной воды
JP5114840B2 (ja) 水中動植物増殖体及びそれを利用した海洋牧場
JP2005341887A (ja) コンクリート構造物
JP2001152148A (ja) 干潟、浅海域およびマングローブにおける土壌改良方法
JP2002315468A (ja) 多孔質植藻ブロックと多孔質植藻ブロックの布設方法
JP2019149963A (ja) 二価鉄イオン徐放出素焼物およびその製造方法ならびにこの素焼物を用いた二枚貝養殖具および水域環境保全方法
JP2002167258A (ja) 水圏用コンクリート構造物
CN208308528U (zh) 复合填料球、净化槽装置
KR20100013711A (ko) 제올라이트가 함유된 인공어초 및 그 인공어초를 제작하는방법
JP2974097B2 (ja) 水圏環境の維持方法
JP2002281850A (ja) 海藻幼苗育成用多孔性板状担体
CN107792946A (zh) 用于微污染河流强化脱氮的植生型固滨护脚构件及其制备方法
JP5902862B1 (ja) 水生植物育成用土壌及び当該土壌を敷設した水生植物用栽培容器

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 16

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 16

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 17

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees