JPH0888926A - フラットケーブルの固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フラットケーブルの固定用クリップからの脱
落を防止する。 【構成】 フラットケーブル１１の絶縁被覆部を翼状に
延在した係止片１２には、フラットケーブル１１との接
続側に長孔状の取付孔１３を設け、自由端部１４側に円
状の脱落防止用の取付孔１５を設け、係止片１２の自由
端部１４を折り返した状態に屈曲し、固定用クリップを
取付孔１３及び取付孔１５に挿通することにより、フラ
ットケーブル１１を取付基板に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車の車体等
に取り付けるためのフラットケーブルの固定構造に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来において、フラットケーブルを車体
等の取付基板に固定する際に、例えば図３に示すように
フラットケーブル１の絶縁被覆を外側に延在して係止片
２を形成し、この係止片２に設けた取付孔３に、図４に
示すように取付基板から突出した固定用クリップ４等を
挿通して固定している。

【０００３】この場合に、係止片２の取付孔３は取付誤
差を吸収するために、通常ではフラットケーブル１の長
手方向に沿った長孔とされている。従って、何らかの拍
子に固定用クリップ４の偏平方向と取付孔３の長孔方向
が揃ってしまうと、フラットケーブル１が固定用クリッ
プ４から脱落してしまうことがある。

【０００４】従って、この脱落を防止するために、固定
用クリップ４が嵌通する図５に示すような正円の孔５を
備えた円板状の脱落防止板６を、図４の点線で示すよう
に取付孔３の前面側に介在しフラットケーブル１の脱落
を防止している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来例で
は別部品である脱落防止板６を用いて固定用クリップ４
にフラットケーブル１を固定しているため、部品の点数
が多くなり固定作業に手間が掛かるという問題点を生ず
る。

【０００６】本発明の目的は、上述の問題点を解消する
ため、部品数を増加することなく、フラットケーブルが
固定用クリップから脱落しないようにしたフラットケー
ブルの固定構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るフラットケーブルの固定構造は、絶縁被
覆を延在して設けた係止片の取付孔に固定用クリップを
挿通して取付部に固定するフラットケーブルの固定構造
はおいて、前記係止片の前記フラットケーブルとの接続
側に長孔から成る第１の取付孔を設け、自由端側に円状
の第２の取付孔を設け、前記自由端側を折り返して、前
記第１の取付孔に前記第２の取付孔を重ね合わせ、これ
らの取付孔に前記固定用固定用クリップを挿通すること
を特徴とする。

【０００８】

【作用】上述の構成を有するフラットケーブルの固定構
造は、係止片の自由端側を折り返した状態に屈曲して第
１の取付孔と第２の取付孔とを重合し、ここに固定用ク
リップを挿通することによりフラットケーブルの固定用
クリップからの脱落を防止する。

【０００９】

【実施例】本発明を図１、図２に図示の実施例に基づい
て詳細に説明する。図１はフラットケーブル１１の平面
図であり、フラットケーブル１１には翼状の係止片１２
が形成されている。この係止片１２はフラットケーブル
１１の絶縁被覆部を延在したものであり、フラットケー
ブル１１との接続側には、フラットケーブル１１の長手
方向に長い取付孔１３が設けられ、フラットケーブル１
１の長手方向に延在した自由端部１４側には正円状の脱
落防止用の取付孔１５が設けられている。なお、この取
付孔１５は取付孔１３の長軸の延長線Ｌ上に略一致して
いる。

【００１０】フラットケーブル１１を自動車等の図示し
ない取付基板等に固定する際には、係止片１２の自由端
部１４を図２に示すように取付孔１３の前面に折り返し
た状態に屈曲する。この状態において、固定用クリップ
１６を取付孔１３及び取付孔１５に挿通することにより
フラットケーブル１１を固定する。

【００１１】かくすることにより、固定用クリップ１６
はその向きが変わっても取付孔１５の周囲の部分の存在
のために抜け出すことはなくなり、また係止片１２の自
由端部１４までの長さは取付孔１３の長さ程度であるの
で、フラットケーブル１１は固定用クリップ１６に対し
て取付孔１３の長手距離範囲内で左右に自在に移動し得
ることになる。更に、係止片１２の自由端部１４はフラ
ットケーブル１１の長手方向に沿って延在しているの
で、係止片１２のフラットケーブル１１からの突出量を
できる限り少なくすることができるので、製造時の材料
歩留り向上や、成形型のコンパクト化に寄与する。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るフラッ
トケーブルの固定構造は、フラットケーブルと一体的に
成型された係止片に固定用クリップからの脱落を防止す
るための円状の取付孔を設けたことにより、固定用クリ
ップの脱落防止部品を別途に用意する必要がなくなるの
で、フラットケーブルの組付能率を向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】フラットケーブルの平面図である。

【図２】係止部を屈曲した状態のフラットケーブルの平
面図である。

【図３】従来例のフラットケーブルの平面図である。

【図４】取付状態の斜視図である。

【図５】脱落防止部品の平面図である。

【符号の説明】

１１ フラットケーブル １２ 係止片 １３ 取付孔 １５ 取付孔 １６ 固定用クリップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 健司 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁被覆を延在して設けた係止片の取付
   孔に固定用クリップを挿通して取付部に固定するフラッ
   トケーブルの固定構造において、前記係止片の前記フラ
   ットケーブルとの接続側に長孔から成る第１の取付孔を
   設け、自由端側に円状の第２の取付孔を設け、前記自由
   端側を折り返して、前記第１の取付孔に前記第２の取付
   孔を重ね合わせ、これらの取付孔に前記固定用固定用ク
   リップを挿通することを特徴とするフラットケーブルの
   固定構造。
2. 【請求項２】 前記第１の取付孔は前記フラットケーブ
   ルの長手方向に沿って形成した請求項１に記載のフラッ
   トケーブルの固定構造。
3. 【請求項３】 前記係止片の自由端は前記フラットケー
   ブルとの接続側から前記フラットケーブルの長手方向に
   沿って延在した請求項１又は２に記載のフラットケーブ
   ルの固定構造。