JPH088854Y2

JPH088854Y2 - Ｉｃカード

Info

Publication number: JPH088854Y2
Application number: JP1987030107U
Authority: JP
Inventors: 光章萩野
Original assignee: Seiko Epson Corp
Current assignee: Seiko Epson Corp
Priority date: 1987-03-02
Filing date: 1987-03-02
Publication date: 1996-03-13
Anticipated expiration: 2002-03-02
Also published as: JPS63136969U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、ICカードの構造に関する。

〔考案の概要〕

本考案は、ICを内蔵し、データの書き込み、記憶保
持、読み出し等の入出力が可能なICカードにおいて、入
出力端子保護用シャッター、電気的に接続される外部媒
体の一例である外部コネクターによるシャッター自動開
閉機構を備えたICカードであって、かつ、シャッターが
通常は閉状態に保持され、コネクターに挿入された場合
のみ、端子が開放される様、ICカード内にバネを内蔵し
たICカードの構造に関するものである。

〔従来の技術〕

電気接点を有するICカードには、入出力端子がカード
表面に設けられているカードエッジタイプと、１組のコ
ネクターの一方がカード内に組み込まれているツーピー
スタイプの２種類がある。

前者は、後者と比較して、「薄型化が可能／構造が簡
単／ゴミのつまり等の心配がない／安価」等の理由か
ら、実用化がすすんでいるが、入出力端子が、カード表
面に設けられている為、汚れや静電気に対し、無防備で
ある。

端子の保護のために、用いられている手段のひとつ
が、導電性のケース等に入れて持ち運び、保管するとい
う方法であるが、カード自体の端子が露出していること
には変わりがなく、ケースから取り出し、機器にセット
する間や、逆に機器から抜去し、ケースに収納する間の
静電気破壊防止については、まったく効果がないもので
ある。

端子の保護手段の他の方法が、端子部を導電性の板で
覆うことである。本考案ではこの板をシャッターと呼ん
でいる。

市販されているICカードの中には、このシャッターを
設けたカードもあるが、すべて手動にて開閉を行なうも
のであり、衝撃・振動などの外乱により、容易にシャッ
ターが移動し、端子が露出してしまうのが難点である。
また、機器への挿入時にシャッターを開け忘れると機器
回路がショートしたり、機器より取出し後も、人手によ
り閉じなければ、端子は露出したままとなり、シャッタ
ーの効果がまったく無いものとなってしまう。

このような、従来のICカードの問題点を解決する為
に、我々は、コネクターへの挿抜動作に伴い、自動的に
シャッターが開閉するICカードを発明し特願昭61−1047
1として出願した。すなわち、コネクタへの挿入時に
は、シャッターが開き、コネクタからの抜去時には、シ
ャッターが閉じる様に構造設計した。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このICカードにおいてもシャッターに
対する固定が摩擦力あるいはシャッターに設けた突起と
ICカード構造部品とのかみ合いによるクリック力のみで
あり、振動・衝撃によるシャッターの開きは、完全には
防止できなかった為、我々は、シャッターがコネクタ挿
入時以外は、常時閉状態を保つ様にすべく、本考案のIC
カードを設計した。

そこで本考案の目的は、下記事項を満足するICカード
を提供することにある。

（１）入出力端子の電気的・機械的保護のためのシャッ
ターを備え、このシャッターは外部コネクターへの挿抜
により自動的に開閉する。

（２）前記シャッターは、外部コネクタへの挿入時、お
よび、人手により意識的に開状態に保持されている場合
を除き、常時閉状態に保たれ、保管時あるいは携帯時の
入出力端子の露出を防止し、端子の物理的損傷と、内部
回路の電気的損傷を防止する。

（３）上記（１），（２）を実現する為に、ICカードは
シャッターを、閉状態に付勢するバネを内蔵する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のICカードは、（ａ）入出力パターン部を有す
るとともにフレーム上に組み込まれる回路ユニットと、
（ｂ）外部媒体と機械的に係合する係合部を有し、前記
外部媒体と前記係合部との係合時には前記入出力パター
ン部が前記外部媒体と電気的に接続するように前記入出
力パターン部を開状態とし、前記外部媒体と前記係合部
とが係合していない時には前記入出力パターン部を閉状
態とし、かつ第１の面と第２の面とを有する導電性シャ
ッターと、（ｃ）前記シャッターが閉状態の時に前記入
出力パターン部と接する前記シャッターの前記第１の面
に設けられた絶縁材と、（ｄ）前記外部媒体と前記係合
部とが係合していない時には、前記シャッターを閉状態
に付勢する付勢手段と、（ｅ）前記入出力パターン部が
形成されていない前記回路ユニットと前記シャッターの
間にある絶縁フィルムと、（ｆ）前記シャッターの前記
第２の面と接触する金属露出面を有するフロントパネル
と、（ｇ）前記フレーム下にあるバックパネルと、
（ｈ）前記フロントパネルと前記バックパネルとを導通
させるコイルバネと、を有することを特徴とする。

〔作用〕

本考案の構成においては、ICカードを外部コネクタに
挿入する際に、コネクタのカード挿入用ガイドに設けら
れた、シャッター開用突起によりシャッターが開けら
れ、ICカードをコネクタから抜き出す際に、ICカードに
内蔵されたバネによって、シャッターが閉じられる。こ
のような作動によって、ICカードの入出力端子の不必要
な露出は防止され、ICカード内の回路を静電気破壊から
防護することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面にもとづいて説明す
る。

第１図は、この考案により製造されたICカードの外観
図である。

第２図は、第１図のICカードの分解斜視図である。実
際のICカードにおいては、先願の特許「特願昭61−1047
1」に記載の付加機構の為の部品が多数存在するが、本
考案の図においては、基本的な構造躯体部品および、シ
ャッター開閉に係わる部品のみの記載にとどめる。

本考案のICカードは、第２図に示すような形状のフレ
ーム１を基体とし、これに回路ユニット２とシャッター
３を組み込み、フレーム１の表面にフロントパネル４と
裏面にバックパネル５を貼り合わせたものである。シャ
ッター３は、回路ユニット２と対向する第１の面と、フ
ロントパネル４と対向する第２の面とを有する。回路ユ
ニット２とフロントパネル４の間には、さらに絶縁用の
樹脂フイルム製セパレータ６と、シャッター３の移動空
間を確保するためのスペーサ７が両者に貼り合わされて
いる。

バックパネル５とフレーム１の間、フレーム１と回路
ユニット２の間、回路ユニット２とセパレータ６の間、
セパレータ６とスペーサ７の間、スペーサ７とフロント
パネル４の間は、それぞれ接着材で貼合せられている。
各部品の位置決めは、外形基準で行なっても、フレーム
に形成したダボと部品の穴との嵌合により行なってもよ
い。本図では、ダボは省略してある。

回路ユニット２は、入出力端子パターン８を含む所定
の配線がなされた回路基板に、ICチップとコンデンサ・
抵抗・ダイオード等のチップ部品が実装されて形成され
ている。フレーム１には、回路ユニット上の素子類に対
して、干渉を避けるべく、凹み又は貫通穴９が形成され
ている。

フレーム１の両側面には、ガイド溝10が形成されてお
り、シャッター３の両側端に設けた係合部の一例である
突起11（以下シャッターコマと記す）がはめ込まれ、こ
の溝10内をスライドする。シャッターの開閉は、このシ
ャッターコマ11を用いて行なう。

フレーム内部には、１対のバネ12を内蔵する為のバネ
溝13が形成してある。第３図にバネ溝13の形状を平面図
及び断面図で示す。バネ溝の一端には、バネ端のフック
を引掛けるダボ14と、セットされたバネのフック部分を
水平に保持する為の段差15が形成されている。

バネの他端のフックには第４図に示したシャッター３
のバネ掛け部16が差し込まれ、シャッターは、ダボ14と
バネ掛け部16の間に掛けられたバネ12によりカードの端
子側に付勢され、通常は閉状態に保持される。シャッタ
ーの第１の面のカード端子と接する部分には、絶縁性樹
脂フイルム17が貼付けてあり、端子のショートを防止す
る。シャッターと、バネをフレームに組み込んだ状態を
第５図に示す。

フロントパネル４およびバックパネルは、厚さ150〜2
00μのステンレス鋼板で、貼合せ面にはフイルム状接着
剤がラミネートしてある。

パネルの表面の印刷は、金属面への直接印刷または、
あらかじめ印刷したフイルムの金属面への貼付で行な
う。金属面に直接印刷した場合は、印刷面保護の目的
で、透明フイルムをラミネートするか、透明コーティン
グを行なう。パネル裏面の接着剤は、その必要に応じて
一部金属面を露出させたり、絶縁コートを施したりす
る。

第６図は、本考案のICカードと組合せ使用する、シャ
ッター開閉機構付きコネクターの断面図である。図中矢
印は、カードの挿入方向を示す。

本考案のICカードが、このコネクターに挿入される
と、係合部であるシャッターコマ16がシャッター開用突
起31と係合することにより、シャッターの開閉を行う。
すなわちフレーム１の両側面に設けられたシャッター開
閉用の案内溝10にコネクタ30に設けられたシャッター開
用突起31が入り、シャッターコマ16に当たってシャッタ
ー３を開ける。

シャッター３は、内蔵バネ12により常時閉方向に付勢
されている為、ICカードをコネクタから引き抜くにつ
れ、シャッターは閉じていき、シャッターコマ16とコネ
クターの突起31が離れた後はシャッター３は閉状態を保
つ。

シャッター３は、パネル４の金属露出面と接触してお
り、パネル４とパネル５は、コイルバネ19により接触導
通している。回路モジュール２は、これら、シャッター
3,パネル4,パネル５により、シールドされ、静電気破壊
から保護されている。フレーム１にはコイルバネ19をセ
ットする貫通穴18が設けてある。

また、本シャッター構造を実現する為に、回路モジュ
ール２及びセパレータ６には、シャッター３のバネ掛け
部との干渉を避けて、切り欠き20および21がそれぞれ設
けてある。

〔考案の効果〕

本考案によれば、回路モジュールの入出力端子を静電
気、汚れ、損傷から保護でき、データの保存について信
頼性が高く、かつ、取扱いの容易なICカードを提供する
ことができる。またシャッターが導通性である為に起こ
り得る入出力端子パターン間のショートを完全に防ぐこ
とができ、内部回路の電気的損傷を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、シャッターを閉じた状態の本考案のICカード
の外観斜視図。第２図は、本考案のICカードの分解斜視
図。第３図は、第２図のバネ溝部の形状図。第４図は、
シャッターの構造図。第５図は、シャッター，バネをフ
レームに組み込んだ状態の構造図。第６図は、本考案の
ICカードと組み合わせて使用するコネクタの断面図で、
第６図中の矢印はICカードの挿入方向を示す。１……ICカードのフレーム２……回路モジュール３……シャッター４……フロントパネル５……リヤパネル６……セパレータ（絶縁フイルム）７……スペーサ８……回路の入出力端子９……素子の逃げ穴 10……シャッタ開閉用案内溝 11……シャッタコマ 12……バネ（シャッタ閉用引張バネ） 13……バネ溝 14……バネ掛けダボ 15……バネの引掛フック部を水平に保つための段 16……シャッターのバネ掛部 17……シャッター裏面の絶縁フイルム 18……コイルバネセット用にフレームに設けた穴 19……パネル導通用コイルバネ 20……回路基板の切欠き 21……セパレータ 30……コネクタ 31……カード開用突起 32……シャッター開閉爪

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】（ａ）入出力パターン部を有するとともに
フレーム上に組み込まれる回路ユニットと、（ｂ）外部媒体と機械的に係合する係合部を有し、前記
外部媒体と前記係合部との係合時には前記入出力パター
ン部が前記外部媒体と電気的に接続するように前記入出
力パターン部を開状態とし、前記外部媒体と前記係合部
とが係合していない時には前記入出力パターン部を閉状
態とし、かつ第１の面と第２の面とを有する導電性シャ
ッターと、（ｃ）前記シャッターが閉状態の時に前記入出力パター
ン部と接する前記シャッターの前記第１の面に設けられ
た絶縁材と、（ｄ）前記外部媒体と前記係合部とが係合していない時
には、前記シャッターを閉状態に付勢する付勢手段と、（ｅ）前記入出力パターン部が形成されていない前記回
路ユニットと前記シャッターの間にある絶縁フィルム
と、（ｆ）前記シャッターの前記第２の面と接触する金属露
出面を有するフロントパネルと、（ｇ）前記フレーム下にあるバックパネルと、（ｈ）前記フロントパネルと前記バックパネルとを導通
させるコイルバネと、を有することを特徴とするICカード。