JPH088837Y2 - インクテープ巻取り機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカード発行機等に使用して好適なインクテー
プ巻取り機構に関する。

〔従来の技術〕

従来、入場券，テレホンカード，切符，馬券等（以下
カードという）を発行するカード発行機は、ストツク部
内に貯蔵した生のカード群、すなわち所定の印刷，磁気
情報の記録等が施されていない未処理カードを適宜な送
出し機構によつて順次送出してカード搬送路に導き、サ
ーマルヘツド等の印字手段によつてカードに日付，文
字，絵柄等を感熱印刷し、さらにその後磁気ヘツドによ
り磁気的情報の記録を行うことにより使用可能なカード
とし、これを利用者に提供するようにしている。サーマ
ルヘツドによる感熱記録は通常カードを取込むプラテン
ローラによりガイドをサーマルヘツドにインクテープを
介して圧接し、一定速度で送る間にサーマルヘツドの通
電，加熱によりインクテープのインクをカードに転写す
るインクテープ方式を採用している。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、このような従来の発行機においてはインク
テープの巻取り方式として、プラテンローラの駆動源と
は別にインクテープ専用の駆動源を設け、カードの位置
をセンサで検知して前記駆動源を駆動し、インクテープ
を巻き取る方式と、インクテープ巻取りの駆動源をプラ
テンローラの駆動源より得る方式の２方式が知られてい
る。しかし、前者は駆動モータおよびセンサが増え、小
型軽量化の障害さらにはコストアツプの原因になるとい
う問題があり、後者は伝達機構が複雑になり、またカー
ド位置に同期してインクテープを巻取る制御が必要で、
制御系も複雑になるという問題があつた。

そこで、本考案は上述したような問題点を解決し、カ
ードの移動力を利用してインクテープを巻取ることによ
りインクテープ専用の駆動モータを廃止し、機構の簡素
化，低廉化を達成し得るインクテープ巻取り機構を提供
することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、カードをサーマ
ルヘッド上に圧接して取り込むプラテンローラと、前記
カードとサーマルヘッドとの間に介装され、カードがサ
ーマルヘッドとプラテンローラとの間に取り込まれてい
ないとき、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に遊
挿されたインクテープと、このインクテープを巻取るイ
ンクテープ巻取り芯と、前記プラテンローラと同軸上
で、かつこのプラテンローラと独立して回転可能に支持
され、移動する前記カードの幅内に設けられたピックア
ップローラと、前記カードの移動力によりカード送り方
向に回転するピックアップローラの回転を前記インクテ
ープ巻取り芯に伝達する回転伝達機構とを備えたもので
ある。

〔作用〕

本考案においてカードはプラテンローラに接触する
と、その押圧力により取り込まれるが、カードの移動時
にこのカードの移動力によりピツクアツプローラも共に
回転し、この回転を回転伝達機構がインクテープ巻取り
芯に伝達する。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。

第１図は本考案に係るインクテープ巻取り機構の一実
施例を示す斜視図、第２図は要部の一部破断平面図であ
る。これらの図において、1,2はカード搬送通路３を挟
んで対向配置されたサーマルヘツドおよびプラテンロー
ラで、これらの間にテープ軸５より送り出されインクテ
ープ巻取り芯６に巻取られるインクテープ４が介挿さ
れ、またサーマルヘッド１による感熱記録時にはカード
７がベルト等の適宜な搬送手段（図示せず）によつて送
り込まれ、図示しない駆動源によつて回転するプラテン
ローラ２により取り込まれると共にサーマルヘツド１に
インクテープ４を介して所定圧にて圧接されるように構
成されている。

プラテンローラ２の軸2Aは相対向する左右一対の側板
8A,8B間に軸受9,10を介して回転自在に軸支されてお
り、その一端には図示しない駆動源にベルトＶを介して
連結されるプーリＰが取付けられている。また軸2Aの他
端にはピツクアツプローラ11がすべり軸受9Aを介してプ
ラテンローラ２と独立して回転自在に軸支されている。
なお、ピツクアツプローラ11の配設位置については、カ
ード７の幅内で、かつ印字を行わないところであれば良
く、プラテンローラ２の左右いずれでもあつてもよい。

12は前記ピツクアツプローラ11の回転をインクテープ
巻取り芯６に伝達する回転伝達機構で、この回転伝達機
構12は、ピツクアツプローラ11に接触する第１伝達ロー
ラ13と、第１伝達ローラ13の軸13Aに設けられた第２伝
達ローラ14と、第２伝達ローラ14に接触する第３伝達ロ
ーラ15と、インクテープ巻取り芯６の軸6Aに設けられ第
３伝達ローラ15に接触する第４伝達ローラ16とを備えて
いる。第３伝達ローラ15の軸15Aには回動レバー17の一
端が回動自在に軸支され、この回動レバー17により前記
インクテープ巻取り芯６の軸6Aを回転自在に軸支すると
共にスプリング18により回動レバー17を第１図時計方向
に付勢することにより第４伝達ローラ16を第３伝達ロー
ラ15に所定圧にて圧接している。

このような構成において、カード７を搬送手段によつ
て搬送し、サーマルヘツド１とプラテンローラ２との間
に導くと、図示しない駆動源によつて回転するプラテン
ローラ２によつてカード７が取り込まれるが、略同時に
カード７の移動力によつてピツクアツプローラ11も回転
を始める。このため、インクテープ４もカード７ととも
に移動しはじめる。

すなわち、プラテンローラ２によつてカード７が取り
込まれると、カード７の移動力によつてピツクアツプロ
ーラ11も回転し、その回転が回転伝達機構12の第1,第2,
第3,第４伝達ローラ13,14,15,16を介して軸6Aに伝達さ
れることによりインクテープ巻取り芯6Aを巻取り方向に
回転させ、インクテープ４を巻取る。そして、カード７
がサーマルヘツド１とプラテンローラ２との間を通過す
る間にサーマルヘツド１による感熱記録が行われる。し
たがつて、インクテープ専用の駆動モータを必要とせ
ず、機構，制御系を簡素化し得る。

この場合、ピツクアツプローラ11,第1,第2,第3,第４
伝達ローラ13,14,15,16およびインクテープ巻取り芯６
の径の値を適当に選ぶことにより、ピツクアツプローラ
11とインクテープ巻取り芯６の周速度を略等しく設定す
ることができる。また、ピツクアツプローラ11は、プラ
テンローラ２の回転とは無関係にカード７がプラテンロ
ーラ２に取り込まれるときのみ回転を開始するため、イ
ンクテープ巻き取りとの同期を容易にとることができ
る。

なお、上記実施例はピツクアツプローラ11の回転を伝
達ローラ13,14,15,16間の摩擦力によりインクテープ巻
取り芯６に伝達するようにしたが、本願考案はこれに限
らず歯車を使用してもよく、その場合過負荷によるイン
クテープ４の切断を防止するためスリツプ機構を組込め
ばよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るインクテープ巻取り
機構は、カードをサーマルヘッド上に圧接して取り込む
プラテンローラと、前記カードとサーマルヘッドとの間
に介装され、カードがサーマルヘッドとプラテンローラ
との間に取り込まれていないとき、サーマルヘッドとプ
ラテンローラとの間に遊挿されたインクテープと、この
インクテープを巻取るインクテープ巻取り芯と、前記プ
ラテンローラと同軸上で、かつこのプラテンローラと独
立して回転可能に支持され、移動する前記カードの幅内
に設けられたピックアップローラと、前記カードの移動
力によりカード送り方向に回転する前記ピックアップロ
ーラの回転を前記インクテープ巻取り芯に伝達する回転
伝達機構とを備えたので、巻取りのため駆動源とか複雑
な伝達機構等を必要とせず、またカードがピツクアツプ
ローラに接しているときのみインクテープが巻き取られ
ることからカード位置に同期した制御等を行う必要がな
いので、機構自体の簡素化，コスト低減を実現し得、そ
の実用上の効果は非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図は要部
の一部破断平面図である。 １……サーマルヘツド、２……プラテンローラ、４……
インクテープ、６……インクテープ巻取り芯、７……カ
ード、11……ピツクアツプローラ、12……回転伝達機
構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カードをサーマルヘッド上に圧接して取り
   込むプラテンローラと、前記カードとサーマルヘッドと
   の間に介装され、カードがサーマルヘッドとプラテンロ
   ーラとの間に取り込まれていないとき、サーマルヘッド
   とプラテンローラとの間に遊挿されたインクテープと、
   このインクテープを巻取るインクテープ巻取り芯と、前
   記プラテンローラと同軸上で、かつこのプラテンローラ
   と独立して回転可能に支持され、移動する前記カードの
   幅内に設けられたピックアップローラと、前記カードの
   移動力によりカード送り方向に回転する前記ピックアッ
   プローラの回転を前記インクテープ巻取り芯に伝達する
   回転伝達機構とを備えたことを特徴とするインクテープ
   巻取り機構。