JPH0885709A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法

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JPH0885709A
JPH0885709A JP22303594A JP22303594A JPH0885709A JP H0885709 A JPH0885709 A JP H0885709A JP 22303594 A JP22303594 A JP 22303594A JP 22303594 A JP22303594 A JP 22303594A JP H0885709 A JPH0885709 A JP H0885709A
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water
absorbent resin
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cake
less
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JP22303594A
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English (en)
Inventor
Koichi Funada
公一 船田
Hiroshi Hamada
浩 濱田
Takahiro Arimoto
敬浩 有元
Koji Kamei
宏二 亀井
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 見掛け比重が小さく、初期吸水速度が速く且
つ通液性にも優れた吸水性樹脂を、簡便な操作で、生産
性に優れ、且つ量産化可能に製造することができる方法
の提供。 【構成】 懸濁重合によって得られた吸水性樹脂のスラ
リーを遠心分離に付して該スラリーからケークを分離す
るに際して、該ケーク中に存在する粒子径150μm以
下の微粒子が、該ケーク中の吸水性樹脂の重量に基づき
15重量%以下となるように遠心分離することを特徴と
する吸水性樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、見掛け比重が小さく、
吸水性及び通液性に優れた吸水性樹脂の製造方法に関
し、更に詳細には、懸濁重合によって得られる吸水性樹
脂のスラリーを、特別な分級工程を介さずに後処理する
ことにより、吸水性及び通液性に優れた吸水性樹脂を経
済的かつ簡便な方法により製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】吸水性
樹脂は、その吸水性や保水性を利用して、衛生材料等の
医療分野、食品工業分野、農芸分野等に広く用いられて
いる。特に、吸水性樹脂を生理用品や紙おむつ等の衛生
材料に用いる場合には、吸水性樹脂の単位重量当たりの
吸水量が多いこと、吸水速度が速いこと、更に通液性が
良好なことなどが要求されている。前記吸水量は樹脂の
分子構造に依存し、また同重量の樹脂では吸水性樹脂の
粒径が小さいほど表面積が大きくなり、吸水速度も速く
なると考えられる。しかし、単に吸水性樹脂を微粒化し
ただけでは、吸水の途中にままこ現象が生じ通液性が低
下するので、充分な吸水速度が得られない。そこで、良
好な通液性を維持しつつ吸水速度の速い吸水性樹脂の製
造方法が種々提案されている。
【0003】例えば、特開昭61−200102号に
は、油中水滴型の逆相懸濁重合によって吸水性樹脂を製
造するにあたり、0〜20℃で重合を開始させ、この重
合温度を30%の重合率に達するまで保持した後、昇温
して重合を完結させる吸水性樹脂の製造方法が提案され
ており、かかる製造方法によって、1〜40μmの微粒
子が比較的緩く結合し、空隙率が高く、多孔性で、且
つ、吸水速度が速い吸水性樹脂が得られることが開示さ
れている。しかし、かかる製造方法では、先ず、重合率
が30%に達するまで重合温度を0〜20℃にコントロ
ールする必要があるが、このような低温で重合熱を効率
的に除去して、重合温度をコントロールすることは極め
て困難であり、量産化に適していないという問題があ
る。
【0004】一方、吸水性樹脂の表面積を大きくする方
法としては、なんらかの重合処方によって得られた吸水
性樹脂の微粒子を造粒によって後処理する方法が挙げら
れる。吸水性樹脂の造粒に関する方法は、例えば特公平
4−3412号に開示されている。しかしながら、かか
る方法により得られる造粒物は粉体としての取扱性が改
善されるものの、吸水の際に元の小さい粒子にばらけて
しまい、ままこ現象を生じ、その結果吸水物性性能が低
下してしまう。このように、初期吸水速度が速く且つ通
液性に優れた吸水性樹脂を造粒法によって製造する場合
には、吸水性樹脂の強度的な問題がある。特にこのよう
な後処理を必要とする製造方法では、製造工程の煩雑さ
及び製造コストへの負荷という点において、必ずしも満
足すべき結果は得られていない。
【0005】従って、本発明の目的は、見掛け比重が小
さく、初期吸水速度が速く且つ通液性にも優れた吸水性
樹脂を、簡便な操作で、生産性に優れ、且つ量産化可能
に製造することができる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、懸濁重合によって得られた吸水性樹脂のスラ
リーを遠心分離に付する際に、特定の粒子径以下の微粒
子を液体と共に除去することにより、極めて優れた性能
を具備する吸水性樹脂が得られることを知見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、懸濁重合によって得られた吸水性樹脂のスラリ
ーを遠心分離に付して該スラリーからケークを分離する
に際して、該ケーク中に存在する粒子径150μm以下
の微粒子が、該ケーク中の吸水性樹脂の重量に基づき1
5重量%以下となるように遠心分離することを特徴とす
る吸水性樹脂の製造方法を提供することにより上記目的
を達成したものである。
【0008】本発明において、遠心分離後に得られるケ
ーク中に存在する粒子径150μm以下の微粒子が15
重量%以下であると、極めて優れた性能を具備する吸水
性樹脂が得られる理由は必ずしも分明ではないが、微粒
子によるままこ現象が抑制され、通液性、吸水速度が上
がる為と考えられる。
【0009】本発明においては、遠心分離後に得られる
ケーク中に存在する粒子径110μm以下の微粒子を1
0重量%以下にすることが好ましく、特に遠心分離後に
得られるケーク中に存在する粒子径110μm以下の微
粒子を5重量%以下にすることが好ましく、また特に遠
心分離後に得られるケーク中に存在する粒子径110μ
m以下の微粒子を1重量%以下にすることが、通液性及
び吸水速度に一層優れた吸水性樹脂を得る点から好まし
い。本発明において、遠心分離後に得られるケーク中の
吸水性樹脂の平均粒子径は、特に限定されないが170
〜600μmが好ましく、180〜500μmが更に好
ましい。
【0010】本発明において「粒子径」とは、JIS
K−0069に規定するふるい法により測定された値を
意味する。
【0011】本発明においては、懸濁重合によって得ら
れた吸水性樹脂のスラリーを遠心分離に付す際に、遠心
力によって吸水性樹脂の粒子が甚だしく破砕されること
により該吸水性樹脂の吸水物性が低下することを防止す
る目的から、該遠心分離は最大遠心効果G〔−〕=10
0〜1500で行うことが好ましく、特に350〜85
0で行うことが好ましい。ここで、最大遠心効果Gは次
式で定義される。
【0012】 G〔−〕=N2 ・π2 ・r/(900・g0 ) N :回数数 〔1/分〕 r :遠心分離機最大径 〔m〕 g0 :重力加速度 〔m/秒2
【0013】本発明において遠心分離を行う場合には、
従来公知の遠心分離装置を用いることができ、例えば遠
心濾過機や脱水機が挙げられる。これらの装置には、円
錐形のバスケットを有する装置や横型円筒を有する装置
がある。この場合、デカンター型及びバスケット型のい
ずれを用いても良いが、分離効率の面からバスケット型
を用いることが好ましい。
【0014】バスケット型の遠心分離装置で用いられる
濾材の材質は、懸濁重合において用いられる疎水性有機
溶媒に対して耐久性に優れたものであり、例えばステン
レスやテフロン等が挙げられる。また、濾材の孔形状と
しては特に制限はないが、例えば円形や楕円形等が挙げ
られ、その平均開孔径は濾材の目詰まり及びケークの分
離液側への漏れを防止する目的から50〜200μmで
あることが好ましい。平均開孔径が50μm未満では、
粒子径150μm以下の微粒子の除去効率が低下し、平
均開孔径が200μmより大きい場合には目詰まりによ
る分離効率の低下が発生する。
【0015】本発明において、「懸濁重合によって得ら
れた吸水性樹脂」とは、重合に不活性な疎水性有機溶媒
と水溶性重合性モノマーの水溶液とを用いて、該水溶性
重合性モノマーを懸濁重合させて得られた重合体をい
う。
【0016】本発明において用いる水溶性重合性モノマ
ーとしては、好ましくはオレフィン系不飽和カルボン酸
及びその塩、オレフィン系不飽和リン酸及びその塩、オ
レフィン系不飽和カルボン酸エステル、オレフィン系不
飽和スルホン酸及びその塩、オレフィン系不飽和アミ
ン、オレフィン系不飽和アンモニウム塩、並びにオレフ
ィン系アミド等の重合性不飽和基を有するビニルモノマ
ーが挙げられる。このうち、本発明においては、特にオ
レフィン系不飽和カルボン酸又はその塩を好ましく用い
ることができる。
【0017】前記オレフィン系不飽和カルボン酸又はそ
の塩としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、
マレイン酸、もしくはフマール酸又はこれらのアルカリ
塩等が挙げられる。前記オレフィン系不飽和カルボン酸
エステルとしては、例えば、メトキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記オレフィン
系不飽和スルホン酸又はその塩としては、例えば、(メ
タ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、アリル
スルホン酸若しくはこれらのアルカリ塩が挙げられる。
前記オレフィン系不飽和リン酸又はその塩としては、例
えば、(メタ)アクリロイル(ポリ)オキシエチレンリ
ン酸エステル又はこれらのアルカリ塩等が挙げられる。
前記オレフィン系不飽和アミンとしては、例えば、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。前記オレフィン系不飽和アンモニウム塩としては、
例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチレントリメチ
ルアンモニウムハロゲン塩等が挙げられる。前記オレフ
ィン系不飽和アミドとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)ア
クリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド誘導体やビニルメチルアセトア
ミド等が挙げられる。これらの物質は単独でまたは2種
以上の混合物として用いることができる。また、前記ア
ルカリ塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。
【0018】前記水溶性重合性モノマーの水溶液におけ
る前記水溶性重合性モノマーの濃度は、好ましくは1〜
70重量%、更に好ましくは10〜60重量%である。
【0019】本発明において用いられる重合に不活性な
疎水性有機溶媒としては、n−ペンタン、シクロペンタ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン及び
メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン及
びトルエン等の芳香族炭化水素、n−ブチルアルコール
及びn−アミルアルコール等の炭素数4〜6の脂肪族ア
ルコール、メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン、酢酸
エチル等の脂肪族エステル類等が挙げられ、これらを単
独でまたは2種以上の混合物として用いることができ
る。
【0020】前記疎水性有機溶媒の使用量は、前記水溶
性重合性モノマーの水溶液の重量に対して50〜500
%の範囲とするのが好ましい。
【0021】懸濁重合に際しては、重合系に陰イオン性
界面活性剤を添加することが好ましい。その理由は、該
陰イオン性界面活性剤を併用して製造された吸水性樹脂
は、非球状・不定形であり、良好な通気性、高い通液性
及び速い吸水速度を有し、しかも、吸水後のゲル強度が
高いものとなるからである。本発明において用いられる
好ましい陰イオン性界面活性剤としては、少なくとも1
個以上のSO3 基、SO4 基、リン酸基又はカルボン酸
基等の陰イオン性基を有する界面活性剤が挙げられる。
このうち、少なくとも1個以上のSO3 基又はSO4
を有する陰イオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0022】少なくとも1個以上のSO3 基又はSO4
基を有する陰イオン性界面活性剤としては、下記一般式
(I)で表される陰イオン性界面活性剤が特に好まし
い。
【0023】R1 −X−SO3 M (I) (式中、R1 は、炭素数6〜22のアルキル基、アルケ
ニル基又はアルキルアリール基を示し、Xは、酸素原
子、エーテル酸素、エステル酸素、エステル基、アミド
基、イオン性基、ヒドロキシル基等の親水性基を少なく
とも1つ以上有する原子団を示し、Mは、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウム類又は水素原子で
ある。)
【0024】前記一般式(I)で表される陰イオン性界
面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、アル
キルグリセリルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルスルホコハク酸エステル、アルキ
ルスルホコハク酸アミド、α−スルホ脂肪酸等のスルホ
ン酸基含有化合物及びそのアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩、及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0025】更に、本発明においては、前記一般式
(I)で表される陰イオン性界面活性剤の中でも特に下
記一般式(II)で表される陰イオン性界面活性剤を好
ましく用いることができる。
【0026】 R2 −O−( CH2 CH2 O) n −SO3 M (II) (式中、R2 は、炭素数6〜22のアルキル基、アルケ
ニル基又はアルキルアリール基を示し、Mは、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニウム類又は水素原子
を示す。また、nは平均0〜22である。)
【0027】前記陰イオン性界面活性剤は、単独で用い
ても十分に効果があるが、2種以上混合して用いること
もできる。
【0028】前記陰イオン性界面活性剤の使用量は、少
量でも効果が発揮され、前記水溶性重合性モノマーに対
して好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは
0.02〜5重量%である。使用量が0.01重量%未
満の場合には効果が発現し難く、使用量が10重量%を
超えて用いても経済的に不利益であるので好ましくな
い。
【0029】前記一般式(II)で表される陰イオン性
界面活性剤を用いた懸濁重合によって得られる吸水性樹
脂は不定形で嵩比重の小さい構造をしている。このた
め、かかる吸水性樹脂のスラリーを遠心分離する場合
に、デカンター型の遠心分離機を用いると固液分離効率
が悪くなるので、バスケット型の遠心分離機を用いるこ
とが好ましい。
【0030】前記疎水性有機溶媒と前記水溶性重合性モ
ノマーの水溶液とを用いて、前記水溶性重合性モノマー
を懸濁重合させる方法としては、下記〜に示す方法
等を挙げることができる。 水溶性重合性モノマーの水溶液と疎水性有機溶媒とを
一括に混合し、その後重合させる方法(一括重合法) 水溶性重合性モノマーの水溶液を疎水性有機溶媒の中
に滴下しながら逐次重合させる方法(逐次重合法) 水溶性重合性モノマーの水溶液を予め一部の疎水性有
機溶媒と混合又は分散して得られる混合溶液を、疎水性
有機溶媒の中に滴下しながら重合する方法(前分散法) 前記〜を併用した方法
【0031】また、前記重合に際し、重合系に陰イオン
性界面活性剤を存在させる方法としては、下記 (1)〜
(4) に示す方法を挙げることができる。 (1) 陰イオン性界面活性剤を、予め疎水性有機溶媒に分
散させる方法 (2) 陰イオン性界面活性剤を、予め水溶性重合性モノマ
ーの水溶液に溶解又は分散させる方法 (3) 前記重合を行いながら、徐々に陰イオン性界面活性
剤を添加する方法 (4) 前記 (1)〜(3) を併用した添加方法
【0032】前記重合に際しては、重合開始剤を用いる
ことが好ましい。そのような重合開始剤としては、水溶
性ラジカル重合開始剤であれば、特に限定されるもので
はないが、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド及
びメチルイソブチルケトンパーオキシド等のケトンパー
オキシド;ジ−t−ブチルパーオキシド及びt−ブチル
クミルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;t−
ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイ
ソブチレート及びt−ブチルパーオキシピバレート等の
アルキルパーオキシエステル;過酸化水素、過硫酸カリ
ウム及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過塩素酸カ
リウム及び過塩素酸ナトリウム等の過塩素酸塩;塩素酸
カリウム及び臭素酸カリウム等のハロゲン酸塩;2−
(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2
−’アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジ
ン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス
(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、4,
4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシド)、
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1
−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−
2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチルノチロル)、1,1’−アゾビス
(1−シクロ−ヘキサンカルボニトリル)、2,2’−
アゾビス(2,4,4’−トリメチルペンタン)、2−
フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロ
ニトリル及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロパ
ン)等のアゾ化合物等を挙げることができる。これらは
単独で又は2種以上の混合物として用いることができ
る。
【0033】前記重合開始剤の使用量は、前記水溶性重
合性モノマーに対して、通常0.01〜10重量%、好
ましくは0.02〜5%重量である。
【0034】重合開始剤の添加方法は、特に制限されな
いが、前記水溶性重合性モノマーの水溶液に予め添加す
ることが好ましい。
【0035】前記重合における重合温度は、通常20〜
120℃、好ましくは40〜100℃の範囲が適当であ
る。重合温度が120℃を超えると架橋の程度がが極度
に高くなるために得られる吸水性樹脂の吸水能が低下
し、重合温度が20℃未満の場合には、重合速度が極端
に低下するので好ましくない。
【0036】なお、本発明においては、重合性モノマー
としては、前述の水溶性重合性モノマーのみを用いて単
独重合あるいは共重合することが好ましいが、前記水溶
性重合性モノマーと共重合し得る水不溶性モノマー、例
えば、炭素数1〜22のアルキル基と、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボ
ン酸とのエステルモノマー等をモノマーの総重量を基準
として50重量%以下の量で併用することもできる。
【0037】また、前記疎水性有機溶媒以外に疎水性溶
媒の使用量を超えない範囲で両親媒性溶剤を加えること
もできる。両親媒性の溶剤としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール及び2−プロパノール等
のアルコール類や、アセトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン及びジオキサン等のエーテル類等が挙げられ
る。
【0038】更に、前記陰イオン性界面活性剤以外に、
必要に応じて非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活
性剤、両性イオン性界面活性剤、高分子型分散剤等を、
前記陰イオン性界面活性剤100重量部に対し、好まし
くは100重量部以下の使用量で併用することもでき
る。
【0039】本発明においては、重合前、重合時、重合
後のいずれかの時点にて公知の架橋剤を重合系に添加し
てもよい。前記架橋剤としては、例えば、N,N−ジア
リル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリ
ルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルテレフタレ
ート、トリアリルシアヌレート及びトリアリルフォスフ
ェート等のポリアリル化合物;ジビニルベンゼン、N,
N−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート
及びグリセリントリメタクリレート等のポリビニル化合
物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル及びポリグリセ
リンポリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテ
ル;エピクロルヒドリン及びα−メチルクロルヒドリン
等のハロエポキシ化合物;グルタールアルデヒド及びグ
リオキザール等のポリアルデヒド;グリセリン等のポリ
オール;エチレンジアミン等のポリアミン;2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート等のヒドロキシビニル化合
物;並びにカルシウム、マグネシウム、亜鉛又はアルミ
ニウム等の多価イオンを生じる無機塩又は有機金属塩を
挙げることができる。
【0040】また、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル等の改質剤を重合系に添加することもできる
が、その場合、該改質剤の使用量は、最終生成物の吸水
性樹脂の所望の性状に従い任意の量とすることができる
が、通常生成する吸水性樹脂に対して0.01〜10重
量%の範囲になるようにすることが好ましい。
【0041】以上のようにして製造した吸水性樹脂は、
重合後直接スラリーの状態で遠心分離に付され、粒径の
小さな微粒子を液体と共に除去し、得られたケークを減
圧乾燥機、流動乾燥機等の乾燥手段を用いて乾燥するこ
とにより、吸水性能等が極めて優れた吸水性樹脂とな
る。乾燥の程度は、吸水性樹脂の最終用途によって異な
るが、一般に含液率が0.1〜10重量%であることが
好ましい。
【0042】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、実施例及び比較例で行った試験方法
は、次の通りである。
【0043】〔吸水速度を表わす吸水量の測定法〕DW
法を実施する装置として一般的に知られている図1に示
す装置(Demand Wettability Tester) を用い、図1に示
す如く、生理食塩水Wの液面を等水位にセットした吸水
性樹脂散布台2(70mmφ、No.2濾紙をガラスフ
ィルターNo.1に置いた台)上に、吸水性樹脂Pを
0.3g散布し、吸水性樹脂Pを散布した時点の吸水量
を0とし、60秒後の吸水量(この吸水量は、生理食塩
水Wの水位の低下量を示すビュレットの目盛りで測定さ
れる)を測定し、この値を吸水速度を表わす吸水量(m
l)とした。
【0044】〔生理食塩水の通液速度の測定法〕図2に
示す装置10(内径25.6mm、長さ約500mm
(円筒部分)のガラスフィルター付のガラス円筒管から
なるビュレット)に吸水性樹脂Pを0.5g充填し、過
剰の生理食塩水を用い、吸水性樹脂Pを平衡膨潤させ
る。次いで、液面を下部より200mlのところに合わ
せてコックをし、膨潤した吸水性樹脂Pが図示の如く十
分に沈降したことを確かめてからコックを開き、生理食
塩水Wが図に示す2本の標線L(下部より150mlの
地点)とM(下部より100mlの地点)との間(液量
50ml)を通過する時間を測定し、標線間の液量(m
l)を測定時間(分)で除して通液速度(ml/分)と
した。
【0045】〔遠心分離機〕本実施例及び比較例で用い
た遠心分離機は、タナベウィルテック(株)製、デ・コ
ーンSHC250D型である。
【0046】〔実施例1〕アクリル酸244.19kg
を61.05kgの水で希釈し、冷却しつつ30重量%
の水酸化ナトリウム水溶液335.16kgで中和した
後、2.9重量%過硫酸カリウム35.21kgを加え
て均一溶液とし、モノマー/開始剤混合水溶液を調製し
た。別に還流脱水配管、滴下ノズル、窒素導入管及び攪
拌翼を備えた3000L反応槽にシクロヘキサン74
6.9kgを仕込んだ後、これにエチルセルロース
(0.4重量%vsアクリル酸)2.93kgを加えて
60rpmの回転数にて攪拌させ、反応槽内を窒素置換
した後、沸点温度まで昇温した。沸点に到達後、前述の
モノマー/開始剤混合水溶液を60分間にわたり供給
し、供給完了後還流下2時間攪拌を継続し重合させた。
このようにして得られた吸水性樹脂のスラリーを、遠心
効果475G(バスケット回転数1842rpm)で回
転している円錐形のバスケット(最大径250mm)を
有する遠心分離機に連続的に供給し固液分離を行った。
ここで用いた濾材は、材質SUS316製、平均開孔径
100μmの楕円形スリットを有するものである。排出
されてくるケークを200gサンプリングし、減圧下乾
燥機において乾燥すると顆粒状の吸水性樹脂が得られ
た。得られた吸水性樹脂は、ふるい法による平均粒径が
198μmで、150μm以下の微粒子が10.0重量
%存在した。また、110μm以下の微粒子は5.4重
量%存在した。かかる吸水性樹脂の通液速度は4.0
〔ml/分〕であり、初期吸水速度は4.2〔ml/
分〕であった。またケークの含液率(=揮発分重量/固
体重量)は25重量%であった。
【0047】〔比較例1〕実施例1で得られた吸水性樹
脂のスラリーを静置し、固形分を分離した後、該固形分
を減圧下乾燥機において乾燥すると顆粒状の吸水性樹脂
が得られた。得られた吸水性樹脂は、ふるい法による平
均粒径が205μmで、150μm以下の微粒子が1
8.0重量%存在した。かかる吸水性樹脂の通液速度は
3.2〔ml/分〕であり、初期吸水速度は3.7〔m
l/分〕であった。
【0048】〔実施例2〕実施例1と同様の操作を行い
吸水性樹脂のスラリーを製造し、これを遠心効果850
G(バスケット回転数2464rpm)で固液分離を行
った。排出されてくるケークを200gサンプリング
し、減圧下乾燥機において乾燥すると顆粒状の吸水性樹
脂が得られた。得られた吸水性樹脂は、ふるい法による
平均粒径が195μmで、150μm以下の微粒子が
0.9重量%存在した。また、110μm以下の微粒子
は0.7%存在した。かかる吸水性樹脂の通液速度4.
8〔ml/分〕であり、初期吸水速度は4.7〔ml/
分〕であった。
【0049】〔実施例3〕アクリル酸244.19kg
を61.05kgの水で希釈し、冷却しつつ30重量%
の水酸化ナトリウム水溶液335.16kgで中和した
後、2.9重量%過硫酸カリウム35.21kgを加え
て均一溶液とし、モノマー/開始剤混合水溶液を調製し
た。別に還流脱水配管、滴下ノズル、窒素導入管及び攪
拌翼を備えた3000L反応槽にシクロヘキサン74
6.9kgを仕込んだ後、ポリオキシエチレンドデシル
エーテル塩酸エステルナトリウム塩の25%水溶液4.
88kgを加えて65rpmの回転数にて攪拌させ、反
応槽内を窒素置換した後、沸点温度まで昇温した。沸点
に到達後、前述のモノマー/開始剤混合水溶液を60分
間にわたり供給し、供給完了後還流下2時間攪拌を継続
し重合させた。ここで得られた吸水性樹脂のスラリー
を、遠心効果850G(バスケット回転数2464rp
m)で回転している円錐形のバスケット(最大径250
mm)を有する遠心分離機に連続的に供給し固液分離を
行った。ここで用いた濾材は、材質SUS316製、平
均開孔径100μmの楕円形スリットを有するものであ
る。排出されてくるケークを200gサンプリングし、
減圧下乾燥機において乾燥すると顆粒状の吸水性樹脂が
得られた。得られた吸水性樹脂は、ふるい法による平均
粒径が313μmで、150μm以下の微粒子が0.5
7重量%存在した。また、110μm以下の微粒子は
0.47重量%存在した。かかる吸水性樹脂の通液速度
は71.4〔ml/分〕であり、初期吸水速度は12.
0〔ml/分〕であった。またケークの含液率(=揮発
分重量/固体重量)は18重量%であった。
【0050】〔比較例2〕実施例3で得られた吸水性樹
脂のスラリーを静置し、固形分を分離した後、該固形分
を減圧下乾燥機において乾燥すると顆粒状の吸水性樹脂
が得られた。得られた吸水性樹脂は、ふるい法による平
均粒径が290μmで、150μm以下の微粒子が1
8.0重量%存在した。かかる吸水性樹脂の通液速度は
29.1〔ml/分〕であり、初期吸水速度は9.1
〔ml/分〕であった。
【0051】実施例3及び比較例2では、陰イオン性界
面活性剤の存在下で懸濁重合して吸水性樹脂を製造して
いるので、実施例1及び2より通液速度及び初期吸水速
度が優れている。しかしながら、共に陰イオン性界面活
性剤の存在下で懸濁重合して吸水性樹脂を製造している
実施例3と比較例2とを比較すると、本発明の方法によ
って得られた吸水性樹脂である実施例3の吸水性樹脂の
方が、比較例2で得られた吸水性樹脂に比して、通液速
度及び初期吸水速度が極めて高いことがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、吸水倍率、吸水速度、
通液性、膨潤ゲルの経時安定性等の吸収特性に著しく優
れた吸水性樹脂が得られる。従って、本発明によって得
られる吸水性樹脂は、その特徴を生かして生理用ナプキ
ン、紙おむつ、成人用シーツ、タンポン、衛生綿などに
用いられる吸水性ポリマーとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例で使用した吸水速度の測定
装置を示す概略図である。
【図2】 実施例及び比較例で使用した生理食塩水の通
液速度示す概略図である。
【符号の説明】
1 吸水性樹脂の吸水速度を測定する測定装置 2 吸水性樹脂散布台 3 ビュレット 10 生理食塩水の通液速度の測定装置 W 生理食塩水 P 吸水性樹脂 M、L 標線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁重合によって得られた吸水性樹脂の
    スラリーを遠心分離に付して該スラリーからケークを分
    離するに際して、該ケーク中に存在する粒子径150μ
    m以下の微粒子が、該ケーク中の吸水性樹脂の重量に基
    づき15重量%以下となるように遠心分離することを特
    徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ケーク中に存在する粒子径110μ
    m以下の微粒子が該ケーク中の吸水性樹脂の重量に基づ
    き10重量%以下となるように遠心分離する、請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記ケーク中に存在する粒子径110μ
    m以下の微粒子が該ケーク中の吸水性樹脂の重量に基づ
    き5重量%以下となるように遠心分離する、請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 上記ケーク中に存在する粒子径110μ
    m以下の微粒子が該ケーク中の吸水性樹脂の重量に基づ
    き1重量%以下となるように遠心分離する、請求項2記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 平均開孔径が50〜200μmの濾材を
    用いて遠心分離することを特徴とする請求項1〜4の何
    れかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 最大遠心効果G〔−〕が100〜150
    0である、請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 吸水性樹脂が、重合に不活性な疎水性有
    機溶媒と水溶性重合性モノマーの水溶液とを用いて陰イ
    オン性界面活性剤の存在下で懸濁重合して得られたもの
    である、請求項1〜6の何れかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001089527A (ja) * 1999-07-22 2001-04-03 Nippon Shokubai Co Ltd 吸水性樹脂、その製造方法およびその用途
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KR20180099727A (ko) 2015-12-28 2018-09-05 가부시키가이샤 닛폰 쇼쿠바이 흡수성 수지의 제조 방법

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