JPH0885148A - 罫線加工されたポリエステルフィルム - Google Patents

罫線加工されたポリエステルフィルム

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JPH0885148A
JPH0885148A JP22196594A JP22196594A JPH0885148A JP H0885148 A JPH0885148 A JP H0885148A JP 22196594 A JP22196594 A JP 22196594A JP 22196594 A JP22196594 A JP 22196594A JP H0885148 A JPH0885148 A JP H0885148A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 罫線部での安定した加工性と折り曲げ性に優
れると共に強度も維持することができ、サックマシンに
よる組立て加工も可能な罫線加工されたポリエステルフ
ィルムを提供する。 【構成】 ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成
分とするポリエステルフィルムを罫線加工したフィルム
において、上記罫線加工が超音波加工によって行われる
ものであり、該フィルムにおける罫線加工部の変形深さ
が、非罫線加工部のフィルムの厚みに対して30〜20
0%である罫線加工されたポリエステルフィルムであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧箱、食品容器、液
体容器、雑貨品容器等に用いられる折箱等に使用される
罫線加工されたポリエステルフィルムに関し、詳細に
は、罫線加工部分の折り曲げ易さ、強度維持および機械
加工性が良好であると共に、外観的にも優れた折箱等に
用いることのできる罫線加工されたポリエステルフィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】折箱とは、平面状の厚紙材を切り抜き加
工もしくは罫線加工し、それによって形成された切り抜
き部もしくは罫線部の形状に沿って厚紙材を折り曲げ、
組立てることによって形成された剛性構造体のことであ
る。この折箱は通常、印刷された板材に、切り抜き加工
と罫線加工を同時に行う、いわゆる「打ち抜き工程」を
施した後、「むしり工程」及びサックマシン等による
「製函工程」を経て形成されるものである。
【0003】上記折箱等に使用される材料としては、熱
可塑性樹脂によるシート材が広く用いられており、その
様な例として例えば、ポリプロピレン(以下PPと略
す)、ポリ塩化ビニル(以下PVCと略す)、未延伸ポ
リエチレンテレフタレート(以下A−PETと略す)等
が挙げられる。これらのシート材は柔らかくて加工し易
いという利点がある反面、耐熱性に劣る、剛性が得られ
難いという欠点があった。更にPVCの場合には、焼却
時に有毒ガスが発生するという問題があり、A−PET
では、表面の耐溶剤性が劣るために印刷加工等の表面処
理が困難である等の問題があった。
【0004】この様な問題を抱える上記シート材に代わ
る材料として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(以下OESと略す)が挙げられる。OESは、
剛性や耐熱性に優れる反面、その高剛性のために罫線加
工が困難で、罫線部の折り曲げ性が不充分であるという
問題があり、加圧・加熱方式等の罫線加工によって無理
に罫線を入れようとすると、切断したり、サックマシン
による組立て加工を施す場合には組立て不良等の障害が
発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、罫線部での安定
した加工性と折り曲げ性に優れると共に強度も維持する
ことができ、サックマシンによる組立て加工も可能な罫
線加工されたポリエステルフィルムを提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の罫線加工されたポリエステルフィルム
とは、ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分と
するポリエステルフィルムを罫線加工したフィルムにお
いて、上記罫線加工が超音波加工によって行われるもの
であり、該罫線加工部の変形深さが、非罫線加工部のフ
ィルムの厚みに対して30〜200%であることに要旨
を有するものである。
【0007】上記フィルムが、ポリエチレンテレフタレ
ート層とポリエステル層(但し、ポリエチレンテレフタ
レートからなる層を除く)からなるもの、及び空洞を含
有するものは、本発明の好ましい実施態様である。
【0008】上記超音波加工によって罫線加工されたフ
ィルムは、該フィルムの裏面側の変形を伴うことが好ま
しい。また、上記罫線加工によって形成された罫線は、
フィルムの進行方向に対して連続的に形成されることが
好ましい。
【0009】
【作用】本発明の罫線加工されたポリエステルフィルム
は、ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とす
るポリエステルフィルムを罫線加工したフィルムにおい
て、 超音波加工によって罫線加工を行うこと、および 上記罫線加工によって形成された罫線加工部の変形深
さが、非罫線加工部のフィルムの厚みに対して30〜2
00%であることに特徴を有するものである。
【0010】この様に本発明では、上記ポリエステルフ
ィルムを超音波振動により罫線加工を行うことに第1の
特徴を有する。上述した様に、従来の罫線加工(例え
ば、加圧、加熱方式による罫線加工等)では、特にOE
Sではその剛性のために、罫線加工部分の折り曲げ性や
加工性が不充分であった。これに対して本発明の様に、
超音波振動による罫線加工を施したポリエステルフィル
ムは、該罫線加工装置の先端刃と接触する部分のみが局
所的に振動加熱されるため、ポリエチレンテレフタレー
トの溶融が容易である等の理由により、該罫線加工部分
には、PVC、A−PET等の材料を用いた場合と同程
度の優れた折り曲げ性および加工性を付与することがで
き、サックマシンによる組立て加工も良好である。
【0011】本発明に用いられる超音波加工装置は、超
音波発振器による電気振動を振動子による機械振動に変
換し、振動を増幅させるホーンを備えた装置であり、
布、フィルム材等を連続的にシール処理、溶断処理、ソ
ーイング処理する場合等に通常用いられるものである。
上記電気振動の変換方法には電歪式(変換効率:約90
%)と磁歪式(変換効率:約50%)があり、本発明で
はいずれの方法をも選択し得るが、変換効率、装置のコ
ンパクト性等の観点から言えば、電歪式を用いることが
好ましい。
【0012】超音波加工装置を作動させるにあたって、
その振動条件は以下の通りである。振動数は、好ましく
は毎秒1万回〜6万回であり、より好ましくは1万5千
回〜4万回である。毎秒1万回未満では振動エネルギー
が不足し、罫線加工を施すことができない。一方、毎秒
6万回を超えると振幅が不足し、増幅ホーンの大型化を
招くため、実用的でない。振動子による振幅は、上述し
た好ましい範囲の振動数に応じて、2〜20μmの範囲
で適宜選択するとよい。
【0013】振動増幅用のブースターおよびホーンによ
る振幅の拡大倍率は、通常1〜10倍であることが推奨
される。1倍未満では振幅が不足し、一方、10倍を超
えると、ホーンの大型化を招くため実用的でない。ホー
ン先端部における振幅は、実用上、最終的に10〜10
0μmであることが推奨される。
【0014】上記超音波加工によって罫線を形成するた
めには、ホーンの先端形状と、フィルムを挟んだ受治具
の形状が特に重要である。ホーンの先端と受治具面の形
状の組み合わせは、一方が凸状で、一方が平坦または凹
状である組み合わせが推奨される。通常は、ホーンの先
端側を凸状にし、受治具側を平坦または凹状にして用い
られるが、勿論この逆であっても構わない。凸状および
凹状の寸法は、フィルムの罫線深さや罫線幅に応じて適
宜選択することができる。
【0015】上記凸状先端部は、角を滑らかに落とした
形状であることが好ましい。角を落とす方法としては特
に限定されず、またその程度は通常の面取り程度でよ
い。角度が90度以下のエッジが存在すると、罫線部の
切れ、ひび割れ、罫線両端部へのバリ立ちが過大に生じ
てしまい、実用的でない。
【0016】凹状先端と平坦状先端の形状は、フィルム
への罫線の深さに応じて適宜選択することができる。罫
線の深さがフィルム厚みの60%未満の場合には、平坦
状先端でも構わないが、60%以上の場合には凹状先端
が好ましい。凹状先端とすることによって、フィルムの
切断を防ぎながら、罫線加工を深く施すことができる。
上記超音波加工は、その原理から言えば点加工が好まし
いが、打ち抜き同時罫線入れ等に示される複数線による
面加工を排除するものではない。
【0017】本発明の第2の特徴は、上記超音波加工に
よって形成された罫線加工部の変形深さが、非罫線加工
部のフィルムの厚みに対して30〜200%であること
である。上記罫線加工部のフィルムの変形深さが30%
未満では、罫線部の折り曲げ性が劣り、サックマシン機
で折り箱を形成することは事実上困難となる。一方、変
形深さが200%を超えると、罫線部方向への寸法変化
が大きくなり、同時に複数本の罫線加工を行うことが困
難となること、および罫線加工部分のフィルムの厚みが
不足するため、折り箱の強度不足を招く等の問題があ
る。
【0018】ここで、罫線加工部分におけるフィルムの
厚みは、元の厚みに対して20〜90%であることが好
ましく、40〜80%に維持することがより好ましい。
元の厚みに対して20%未満では強度が不足し、一方9
0%を超えると加工が事実上困難である。
【0019】上述した従来の罫線加工方法によっても上
記範囲の罫線加工部の変性深さは得られるが、その場合
には、該罫線加工部のフィルム引き込みが大きく、フィ
ルム幅が減少してしまう、平面性が悪化する等の問題が
起こる。これに対して、本発明の場合にはこの様な問題
を招くことなく、罫線加工部の変形深さを上記範囲内と
することができるので、この観点からも非常に優れた方
法と言えるのである。
【0020】次に、本発明に用いられる材料について説
明する。本発明に用いられるポリエステルフィルムと
は、ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とす
るものであり、具体的には、エチレンテレフタレート単
位を90モル%以上含有するものである。その様な例と
しては、例えばポリエチレンテレフタレートのみを単独
に含有するものであってもよいし、また、単一の共重合
レジンを用いたものでも、2種以上の共重合物もしくは
ホモポリエステルの混合物を用いることも可能である。
この様なフィルムは、上述した様に元々優れた耐熱性お
よび機械的強度を有しているものである。このうち、上
記共重合物は、ジオール成分とジカルボン酸成分とから
形成され得る。
【0021】上記ジオール成分としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリ
アルキレングリコール、ペンタエリストール、ジエチレ
ングリコール、ポリオキシアルキレングリコール等が挙
げられる。また、上記ジカルボン酸成分としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられ
る。
【0022】好ましくは、ジオール成分がエチレングリ
コールで、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソ
フタル酸である共重合体が用いられ、より好ましくは、
テレフタル酸/イソフタル酸の混合比が60/40〜9
5/5モル%比である混合物を用いる。ジカルボン酸成
分中におけるテレフタル酸のモル%比が95%を超える
と、共重合による改質効果が得られず、一方、60%未
満になると製膜工程での安定性、フィルムの取り扱い性
等が低下する。
【0023】本発明のフィルムは、上記ポリエチレンテ
レフタレート層とポリエステル層(但し、ポリエチレン
テレフタレートからなる層を除く)からなる積層物であ
ってもよい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート
層と共重合ポリエステル層との積層物等が挙げられ、あ
るいは共重合ポリエステル層を中間層とし、該中間層の
両側にポリエチレンテレフタレート層が積層された3層
構造の積層物であっても良い。本発明に用いられる上記
積層フィルムの製造方法としては、特に限定されるもの
ではなく、既知の多層共押し出し法、ドライラミネート
法等が用いられる。
【0024】上記空洞を含有するフィルムは、ポリエス
テルに、該ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を混合
した重合体混合物を少なくとも1軸に配向することによ
って得られる微細な空洞を含有するものであり、延伸ボ
イドにより作られることが好ましい。ここで上記ポリエ
ステルとは、好ましくはポリエチレンテレフタレート単
位を70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、
更に好ましくは90モル%以上含有するものを指す。ま
た、上記ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂とは、例
えばポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂等が挙げられるが、特にポリスチレン系
樹脂;ポリメチルペンテン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂が好ましい。ここで空洞含有率は、ポリ
エステル層の最表面から3μmまでの範囲に含まれる空
洞含有率として8体積%以下であることが好ましく、一
方、フィルム全体の平均空洞含有率として10体積%以
上で、且つ50体積%以下であることが好ましい。
【0025】これらのフィルムには、必要に応じて他の
粒子成分、顔料成分、抗酸化剤、紫外線吸収剤等を適宜
添加・配合してもよく、その含有量は用途に応じて適宜
選択される。また、これらのフィルム表面には必要に応
じて表面加工層、表面塗工層、表面蒸着層、他材料との
ラミネート層を設けてもよい。
【0026】本発明のフィルムの厚みは50〜500μ
mが好ましく、100〜250μmがより好ましい。上
記フィルムの厚みが50μmより薄い場合には、剛性不
足のため十分な折り曲げ性が得られにくい。一方、50
0μmより厚い場合には、フィルムの剛性が高くなり過
ぎる結果、罫線部を折り曲げた際にフィルムの割れが生
じる等の問題がある。本発明によって得られる罫線は、
フィルムの進行方向に対して連続的に形成されたもので
あることが好ましい。
【0027】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0028】
【実施例】以下の実施例および比較例に用いた罫線加工
方法および下記項目の測定法は次の通りである。A.罫線加工方法 (i )超音波振動による罫線加工方法 使用機器:精電舎電子工業株式会社(SONOPET
1200B型) 出力:1200W,振動数:19.15KHz ホーンの押し圧:約25kg,静止間隙:約150μm ホーンの先端形状:0.3〜1.0mm厚カット刃 受け治具:V字溝付き(巾:0.7〜2mm,開き角:
60度) 加工速度:3m/min (ii)電熱加熱刃による罫線加工方法 加熱温度:160℃ 加熱刃に5kg荷重の圧力を加えて加工した。 加工速度:3m/min 加熱刃形状:上[45度角回転刃],下[60度角溝付
き刃]
【0029】B:測定項目 (1)罫線加工部分の変形深さの測定 カッター刃を用いて、フィルムの罫線加工部分を厚み:
約1mmにスライスする。次に、該スライス部分を横に
倒した状態で光学顕微鏡で観察(倍率:50〜400
倍)し、該形成部分の変形深さ量を読み取った。
【0030】(2)罫線加工部分の折り曲げ性の測定 フィルム罫線加工部分から両端に20mm離れた部分を
固定し、罫線を挟んで90度の角度になるよう折り曲げ
て、該罫線加工部分の折り曲げ性を評価した。その判定
基準は以下の通りである。 ○:罫線加工部分にエッジが生じ、曲がり位置が安定す
る。 ×:罫線加工部分にエッジが生じず、そのため罫線から
ずれた位置で折り曲がる可能性がある。
【0031】(3)罫線加工部分の強度測定 罫線加工部分が中央に位置するよう採集した試料を用
い、ASTMD882〜67Tの測定方法に準じて、2
0℃×65%RH下の雰囲気下で、該罫線加工部分の強
度(kg/mm2 )を測定した。
【0032】(4)罫線加工によるフィルムの幅収縮性
の測定 フィルム中に予め設定しておいた2本の標線間に、罫線
加工を施すことによって5本の罫線を入れ、罫線加工に
よるフィルムの幅収縮性を目視で観察して、下記の基準
により評価した。 ○:フィルムの幅方向の寸法変化なし。 ×:フィルムの幅方向への収縮(縮み)が見られる。
【0033】(5)罫線部の外観性(美観性) 罫線部の外観を目視で観察し、フィルムを折り曲げた際
にその表面にクラック等のひび割れが生じるかを調べ
た。 ○:クラックの発生がなく、外観的に優れている。 ×:クラックの発生があり、美的外観性に劣る。
【0034】実施例1 ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム[東洋紡
製E5001(厚み:250μm)]を用い、超音波振
動による罫線加工を施した後、上記(1)〜(5)の各
項目を測定した。得られた結果を表1に示すと共に、図
1にその罫線加工部分の断面図を示す。
【0035】
【表1】
【0036】本実施例で得られた罫線部の変形深さは約
100μmで、非罫線加工部のフィルムの厚みに対して
40%であった(本発明の範囲内)。従って、折り曲げ
性も良好であり、フィルムの幅収縮性もなく、外観的に
も優れていた。さらに、罫線部の強度も、単位断面積当
りの値に換算すると非罫線部並の強度を有するものであ
った。
【0037】実施例2 延伸ボイド空隙含有ポリエステル系二軸延伸フィルム
[東洋紡製クリスパーGタイプ(厚み:250μm)]
を用い、実施例1と同様にして罫線加工を施した後、各
項目を測定した。得られた結果を表1に併記すると共
に、図2にその罫線加工部分の断面図を示す。
【0038】表1から明らかな様に、本実施例で得られ
た罫線部の変形深さは約130μmで、非罫線加工部の
フィルムの厚みに対して50%(本発明の範囲内)とな
り、実施例1よりも罫線加工部の折り曲げ性が更に良好
であることが分かった。また受け治具側に約30μmの
ふくらみが生じたが、本実施例の様に空隙含有フィルム
を用いた場合には、罫線側のみならず反対側への折り曲
げ性も良好であり、非常に優れた折り曲げ性を有するこ
とが分かった。その他、フィルムの幅収縮性もなく、外
観的にも優れていた。
【0039】実施例3 まず、実施例1で用いたフィルム(厚さ:25μm)の
片面に下記接着剤を厚み:4μmに塗布しておいた。次
に、実施例2で用いたフィルム(厚さ:188μm)を
中間層とし、該フィルムの両面に、上記実施例1のフィ
ルムを下記に記載のドライラミネート処理法で貼り合わ
せることにより、3層構造の積層フィルムを得た。 接着剤の組成 バイロン(東洋紡) :100部 コロネートL(日本ポリウレタン社) : 5部 Ucat SA−102(サンアボット社): 0.1部 ドライラミネート処理法 加熱ロール(140℃) 圧力:約20kg/cm2 速度:4m/min
【0040】この積層フィルムを実施例1と同様に罫線
加工し、上記項目を測定した。得られた結果を表1に併
記すると共に、図3にその罫線加工部分の断面図を示
す。表1から明らかな様に、得られた罫線部の変形深さ
は約100μmで、非罫線加工部のフィルムの厚みに対
して約40%(本発明の範囲内)となり、折り曲げ性は
良好であった。さらに、フィルムの幅収縮性もなく、外
観的にも優れたものであった。
【0041】実施例4 実施例2で用いたフィルムを用い、実施例1と同様に罫
線加工を施した後、上記項目を測定した。得られた結果
を表1に併記する。表1から明らかな様に、得られた罫
線加工部の変形深さは約400μmで、非罫線加工部の
フィルムの厚みに対して160%であり(本発明の範囲
内)、折り曲げ性は良好であった。さらに、フィルムの
幅収縮性もなく、外観的にも優れたものであった。
【0042】比較例1 電熱加熱刃による罫線加工を施したこと以外は実施例1
と同様に罫線加工した後、上記項目を測定した。得られ
た結果を表1に併記すると共に、図4にその罫線加工部
分の断面図を示す。
【0043】表1から明らかな様に、得られた罫線部の
変形深さは約50μmであり、非罫線加工部のフィルム
の厚みに対して20%であった(本発明の範囲外)。そ
のため、罫線加工部の折り曲げ性が悪く、罫線通りに折
り曲げることができなかった。変形深さの向上をねらっ
て、加工圧力を高めたり、加熱温度を高めたりしたもの
の、逆にフィルム幅の減少や罫線部にクラック等のひび
割れが生じ、安定した加工性を得ることはできなかっ
た。
【0044】比較例2 実施例2で用いたフィルムを用い、比較例1と同様に罫
線加工を施した後、上記項目を測定した。得られた結果
を表1に併記すると共に、図5にその罫線加工部分の断
面図を示す。
【0045】表1から明らかな様に、得られた罫線加工
部の変形深さは約300μmで、非罫線加工部のフィル
ムの厚みに対して120%であり(本発明の範囲内)、
外観は裏側に200μm盛り上がる形状となった。この
様に罫線加工部の折り曲げ性は良好であったが、罫線部
へのフィルム引き込みが大きく、フィルムが幅方向に収
縮してフィルム幅が減少した。フィルム幅を固定した形
でさらに罫線加工を施すと、罫線加工部の変形深さは約
50μmとなり[非罫線加工部のフィルムの厚みに対し
て20%(本発明の範囲外)]、罫線部の折り曲げ性は
悪くなった。
【0046】比較例3 実施例1で用いたフィルムを用い、実施例1と同様に罫
線加工を施した後、上記項目を測定した。得られた結果
を表1に併記する。表1から明らかな様に、得られた罫
線加工部の変形深さは約50μmで、非罫線加工部のフ
ィルムの厚みに対して20%(本発明の範囲外)であっ
たため、折り曲げ性が悪く、罫線通りに折り曲げること
ができなかった。
【0047】比較例4 実施例1で用いたフィルムを用い、比較例1と同様に罫
線加工を施した後、上記項目を測定した。得られた結果
を表1に併記する。表1から明らかな様に、得られた罫
線加工部の変形深さは約75μmで、非罫線加工部のフ
ィルムの厚みに対して30%(本発明の範囲内)であ
り、折り曲げ性は良好であったものの、フィルムの幅収
縮性が悪かった。
【0048】
【発明の効果】本発明の罫線加工されたポリエステルフ
ィルムは上記の様に構成されているので、従来罫線加工
が充分に得られず、特にサックマシンによる組立て加工
が困難であったポリエチレンテレフタレート二軸延伸フ
ィルム等のポリエステルフィルムに対して、罫線加工部
での強度を保持したまま、優れた折り曲げ性を付与する
ことができる。
【0049】従って本発明のフィルムを用いれば、機械
加工が可能なため製造コストを削減することができると
共に、ポリエステルフィルムの特性を生かした新たなパ
ッケージ用途への展開をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポリエステルフィルムにおける罫線
加工部分の断面図を示す。
【図2】実施例2のポリエステルフィルムにおける罫線
加工部分の断面図を示す。
【図3】実施例3のポリエステルフィルムにおける罫線
加工部分の断面図を示す。
【図4】比較例1のポリエステルフィルムにおける罫線
加工部分の断面図を示す。
【図5】比較例2のポリエステルフィルムにおける罫線
加工部分の断面図を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主たる構
    成成分とするポリエステルフィルムを罫線加工したフィ
    ルムにおいて、 前記罫線加工が超音波加工によって行われるものであ
    り、 該フィルムにおける罫線加工部の変形深さが、非罫線加
    工部のフィルムの厚みに対して30〜200%であるこ
    とを特徴とする罫線加工されたポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 前記フィルムが、ポリエチレンテレフタ
    レート層とポリエステル層(但し、ポリエチレンテレフ
    タレートからなる層を除く)からなるものである請求項
    1に記載の罫線加工されたポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記フィルムが空洞を含有するものであ
    る請求項1または2に記載の罫線加工されたポリエステ
    ルフィルム。
  4. 【請求項4】 前記罫線加工がフィルムの裏面側の変形
    を伴うものである請求項1〜3のいずれかに記載の罫線
    加工されたポリエステルフィルム。
JP22196594A 1994-09-16 1994-09-16 罫線加工されたポリエステルフィルム Expired - Lifetime JP3684596B2 (ja)

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