JPH0885128A - 熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法及び装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法及び装置

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JPH0885128A
JPH0885128A JP6222925A JP22292594A JPH0885128A JP H0885128 A JPH0885128 A JP H0885128A JP 6222925 A JP6222925 A JP 6222925A JP 22292594 A JP22292594 A JP 22292594A JP H0885128 A JPH0885128 A JP H0885128A
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JP
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resin
gas
pellet
mold
thermoplastic resin
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Application number
JP6222925A
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English (en)
Inventor
Kenichi Waratani
研一 藁谷
Masaki Yoshii
正樹 吉井
Makoto Iida
誠 飯田
Naoto Yanagihara
直人 柳原
Keiichi Nakamura
敬一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】CO2 ガスなどの不活性ガスを高圧状態で樹脂
に浸透させ、溶融後金型内に射出発泡させて微細な独立
セル構造の発泡成形体を連続的に成形することを目的と
する。 【構成】ペレット状樹脂2を射出成形機に設置した撹拌
装置5付き耐圧チャンバ4に移送し、撹拌しながら高圧
状態でCO2 ガスを浸透させた後、高温高圧状態のスク
リュ内蔵シリンダ11に移送し溶融する。溶融樹脂を型
内に射出発泡させて、微細な独立セル構造の発泡成形体
を連続的に成形する。 【効果】射出成形により微細な独立セル構造の発泡成形
体を連続的に成形し、成形時間の短縮化と成形体の軽量
化ができる効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CO2 ガスなどの不活
性ガスを樹脂に浸透させた後、高温高圧状態で溶融し、
金型に射出発泡させて微細な独立セル構造の発泡成形体
を連続的に成形する熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法とし
て、米国のマサチューセッツ工科大(以下MITと呼
ぶ)が開発したマイクロセルラプラスチック(Micro ce
llular Plastic,以下MCPと呼ぶ)は、表皮が無発泡
で内部に微細な発泡セルを持ち、軽量で機械的特性に優
れることから、小形軽量化が必須な電子機器の筐体等へ
の応用が期待できるものである。MCPの基本特許はM
ITより出願され、既に3件が成立している。このうち
本発明に最も関係の深い特許としては、「特許番号US
P4,473,665,マイクロセルラ独立セルによる
発泡体の製造方法」がある。その内容は、セルの発泡を
防止するように温度と圧力を制御した一定濃度のガスを
予め飽和させた材料から製造された空隙率が5〜30%
で、空隙のサイズが2〜25μmのマイクロセルラ発泡
体について述べられている。製造プロセスは、セルの発
泡を避けるように圧力下で行われ、その製造プロセスを
経た後に圧力が開放されると、材料のガラス転移点又は
その付近でセルの発泡が起こる。それから、マイクロセ
ル構造を保持するために素早く冷却される。クレームは
25項目あり、その中でクレーム6に独立セルからなる
マイクロセルラ発泡体を製造するプロセス方法とクレー
ム14に前記クレーム6の製造を射出成形で行うことが
記載されている。クレーム6の内容は次の通りである。
【0003】(a)圧力を上昇させ、材料のガラス転移
点以下の温度で一定濃度のガスを材料に浸透させる。
【0004】(b)材料を加工に供せられるように溶融
状態まで加熱する。
【0005】(c)材料中でセルが発泡しないように充
分に高く昇圧して材料を形作る。
【0006】(d)材料中でセルが過飽和になり、非常
に多数のセルが発生する状態まで圧力と温度を減少し、
(e)発泡高分子材料の空隙が2〜25μmのオーダー
で作られるようにセルの成長を阻止するため発泡が起こ
った後で材料の温度を急速に降下させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、MC
Pの製造を射出成形でもできるとして、その製造方法を
記載しているが、前述の内容の通り、いずれの製造工程
においても具体的に供述されていない。例えば、前記
(a)項において、ガスを材料に浸透させるとあるが、
どのような形状をした材料にどの程度の時間ガスを浸透
させるのか不明である。また前記(b)項及び(c)項
では、高圧下で材料を溶融状態まで加熱するとあるが、
例えば射出成形機のシリンダ内で材料を溶融状態まで加
熱する場合は、高圧状態をどのようにして確保するのか
不明である。さらに前記(d)項及び(e)項は、材料
を金型キャビティに射出したことを想定し、記載された
ものと考えられるが、圧力をどの状態でどういう方法で
減少するか、また温度の減少とはどういうことなのか全
く不明である。
【0008】そこで本発明の目的は、CO2 ガスなどの
不活性ガスを高圧状態で樹脂に浸透させ、溶融後金型内
に射出発泡させて微細な独立セル構造の発泡成形体を連
続的に成形する具体的な製造方法及びその装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、先ず、従来の射出成形機のホッパとスクリュ内蔵シ
リンダとの間に、ペレット状樹脂又は溶融樹脂にガスを
浸透させるための耐圧チャンバを設置した。この耐圧チ
ャンバには、樹脂を撹拌しながらガス浸透させるための
撹拌装置が備えてある。ペレット状樹脂にガスを浸透さ
せる場合は、浸透が短時間で終了するように、ペレット
状樹脂の形状を同筒状,ドーム状又は星形状としてペレ
ット状樹脂の表面積を大きくし、かつ薄肉化した。ペレ
ット状樹脂には、あらかじめシリコーン等を含有する界
面活性剤を添加し、ガス浸透したペレット状樹脂の溶融
時の発泡セルの粗大化を防止した。
【0010】溶融樹脂を金型内に射出するスクリュ内蔵
シリンダの射出口にはシャットオフバルブ付きノズルを
取り付け、またスクリュの軸受部には耐圧シールを施
し、シリンダ内の高圧状態を維持できるようにした。
【0011】上記目的を達成するための他の手段とし
て、ペレット状樹脂を射出成形機に設置した耐圧チャン
バに移送して溶融し、ガス浸透後降圧して連続して高温
のプランジャ内蔵シリンダに移送し、型内に押し出して
発泡成形するようにした。前記耐圧チャンバには、樹脂
を撹拌しながらガスを浸透させる撹拌装置が備えてあ
る。
【0012】
【作用】射出成形機のホッパとスクリュ内蔵シリンダと
の間に、ペレット状樹脂又は溶融樹脂にガスを浸透させ
るための耐圧チャンバを設置した。これにより、ガス浸
透した樹脂を大気中にさらされることなく連続して前記
耐圧チャンバからスクリュ内蔵シリンダに移送すること
ができる。また、前記耐圧チャンバには、樹脂を撹拌し
ながらガス浸透させるための撹拌装置が備えてある。こ
れによりペレット状樹脂又は溶融樹脂に均一に、しかも
短時間にガスを浸透させることができる。
【0013】溶融樹脂を金型内に射出するスクリュ内蔵
シリンダの射出口には、シャットオフバルブ付きノズル
を取り付け、またスクリュの軸受部には耐圧シールを施
しスクリュ内蔵シリンダ内の高圧状態を確保し、樹脂の
加熱溶融による発泡セルの粗大化を防止した。なお、ペ
レット状樹脂の形状を円筒状,ドーム状又は星形状とし
て、その表面積を大きくし、かつ薄肉化した。これによ
り短時間でガス浸透できる。また、ペレット状樹脂に
は、あらかじめシリコーンなどを含有する界面活性剤を
添加し、ガス浸透したペレット状樹脂が溶融した時の発
泡セルの粗大化を防止した。
【0014】発泡成形体を得る他の手段として提案した
方式、すなわちペレット状樹脂を射出成形機に設置した
耐圧チャンバに移送して溶融し、ガス浸透後減圧し、連
続して高温のプランジャ内蔵シリンダに移送し、型内に
押し出して発泡成形するようにした。これにより短時間
でガス浸透した溶融樹脂の押し出し成形ができるため、
耐圧チャンバ内及びプランジャ内蔵シリンダ内での発泡
を制御できる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の射出成形法による熱可塑性樹
脂発泡成形体の製造方法の実施例について説明する。
【0016】図1は、ペレット状樹脂に超臨界状態(例
えば9MPa,40℃)でCO2 ガスを浸透させた後溶
融し、型内に射出して発泡成形する射出成形装置の材料
供給部,ガス浸透部及び射出部の部分断面図である。図
2は、射出成形装置のノズル部及び金型の断面図であ
る。図3及び図4は、ペレット状樹脂の斜視図で図3は
従来品、図4は本発明による表面積を大きくし、かつ薄
肉化したペレット状樹脂である。図5は、本発明の円筒
形ペレット状樹脂のペレットの肉厚と表面積増加率との
関係図である。図6は、本発明により射出成形した箱体
の斜視図、図7は図6の箱体の部分断面図である。図8
は、図6の箱体断面の密度分布である。
【0017】図9は、本発明の他の実施例(実施例2)
で、ペレット状樹脂に超臨界状態でCO2 ガスを浸透さ
せた後、一定圧の容器に一時ストックし、その後溶融
し、型内に射出して発泡成形する射出成形装置のガス浸
透部,材料ストック部及び射出部の部分断面図である。
【0018】図10は、本発明の他の実施例(実施例
3)で、ペレット状樹脂を溶融し、CO2 ガスを浸透さ
せた後、型内に射出して発泡成形する射出成形装置の材
料供給部,ガス浸透部及び射出部の部分断面図である。
【0019】図11は、本発明の他の実施例(実施例
4)で、ペレット状樹脂を溶融し、CO2 ガスを浸透さ
せた後、型内に押し出し発泡成形する射出成形装置の材
料供給部,ガス浸透部及び押し出し部の部分断面図であ
る。図12−(a)〜(d)は、ペレット状樹脂に超臨
界状態でCO2 ガスを浸透させる時のペレット状樹脂を
撹拌する方法を示す例で耐圧チャンバの断面図である。
【0020】〔実施例1〕 本実施例は、ペレット状樹
脂に超臨界状態でCO2 ガスを浸透させた後溶融し、型
内に射出して発泡成形する例である。図1に射出成形装
置のうち材料供給部,ガス浸透部及び射出部の部分断面
図を示す。
【0021】1はホッパ、2はペレット状樹脂、3及び
6は耐圧バルブ、4は耐圧チャンバ、5は撹拌装置、7
はモータ、8はCO2 ガス供給部、9はCO2 ガス排気
部、10はシリンダ取り付け台、11はスクリュ内蔵の
シリンダ、12はスクリュ、13はシャットオフバルブ
付きノズル、14はバンドヒータ、15は耐圧シールで
ある。ペレット状樹脂2のストック用ホッパ1と耐圧チ
ャンバ4及び耐圧チャンバ4とスクリュ内蔵シリンダ取
り付け台10は、それぞれ連絡路付固定台44及び45
により一体に固定されている。また、この固定台44及
び45には耐圧バルブ3及び6が具備されている。耐圧
チャンバ4は超臨界状態(例えば9MPa,40℃)に
十分耐え得る構造であり、ガス供給部8、ガス排気部
9、安全弁46、圧力計32が取り付けられており、ま
た、内部には、モータ7を駆動源とする撹拌装置5が設
置されており、ペレット状樹脂2を撹拌しながらCO2
ガスを浸透できる。
【0022】スクリュ内蔵シリンダ11の先端部にシャ
ットオフバルブ付きノズル13が固定され、またスクリ
ュ12の軸受部50に耐圧シール15を備えているため
スクリュ内蔵シリンダ11の内部は高圧状態を確保でき
る。
【0023】図2は、射出成形装置のノズル部及び金型
の断面図である。16は上型、17は下型、18はラン
ナ、20は型キャビティである。
【0024】以下図1〜図8により本発明のペレット状
樹脂に超臨界状態でCO2 ガスを浸透させた後溶融し、
型内に射出して成形する熱可塑性樹脂発泡成形体の製造
方法について説明する。射出成形機のホッパ1に供給さ
れたペレット状樹脂2は、耐圧バルブ3の開放により耐
圧チャンバ4に移送され、ここで撹拌装置5により撹拌
されながら超臨界状態(例えば9MPa,40℃)でC
2 ガスが浸透される。ペレット状樹脂2を撹拌するの
は、CO2 ガス浸透中にペレット状樹脂2同士が固着す
るのを防止すると同時に均一にCO2 ガスを樹脂に浸透
させるためである。また、ペレット状樹脂2へのCO2
ガス浸透の時間を短縮するため、本発明では、図4に示
す通りペレット状樹脂2の形状を円筒状24、ドーム状
25,26及び星形状27にした。これにより表面積が
増加しまた薄肉化がはかれる。図5に一例として円筒状
ペレット24の肉厚と表面積増加率との関係を示す。円
筒状ペレット24の肉厚を0.5mmとした場合は、図3
に示す従来のペレット状樹脂21に比較して約30%表
面が増加する。本発明のペレット状樹脂には、シリコ−
ンなどを含有する界面活性剤が添加してある。これは、
樹脂加熱溶融時の発泡セルの粗大化を防止するためであ
る。このようにしてCO2 ガス浸透されたペレット状樹
脂2は、耐圧チャンバ4内を減圧後耐圧バルブ6開放に
より、大気中にさらされることなくスクリュ内蔵シリン
ダ11に移送され、スクリュ12の回転により順次スク
リュ内蔵シリンダ11の先端部(ノズル側)に移送され
る。スクリュ内蔵シリンダ11は、バンドヒータ14に
より高温に加熱されているため移送中のペレット状樹脂
2は溶融状態となりシャットオフバルブ付きノズル13
より金型内に射出される。この溶融樹脂を金型キャビテ
ィ20に射出するスクリュ内蔵シリンダ11の射出口に
は、シャットオフバルブ付きノズル13を取り付け、ま
たスクリュ12の軸受部50には耐圧シール15を施
し、スクリュ内蔵シリンダ11の高圧状態を維持し加熱
による発泡セルの粗大化を防止した。
【0025】以上のようにCO2 ガス浸透されたペレッ
ト状樹脂2は、発泡を抑制された状態で溶融され、金型
に射出された後発泡し直ちに金型により冷却されるた
め、微細な独立セル構造の発泡成形体が製造できる。
【0026】図6に箱体28の形成例を示す。箱体28
の断面は図7に示す通り、表層部の無発泡層30及び内
部の発泡層29により構成されており、発泡層29のセ
ル径は約50μmであった。また、この箱体28の密度
分布を図8に示す。表層部の無発泡層30の密度は0.
9g/cm3であり、内部の発泡層29の密度は0.4g/
cm3である。これにより従来の成形品に比較して約40
%の軽量化がはかれることが明らかになった。
【0027】さらに、従来の射出成形装置に耐圧チャン
バを新規に設置し、この中でペレット状樹脂へのCO2
ガス浸透を出来るようにしたので、発泡成形体の量産が
可能となった。
【0028】〔実施例2〕 本実施例は、ペレット状樹
脂2に超臨界状態でCO2 ガスを浸透させた後、一定圧
の耐圧容器31に一時ストックし、その後溶融し型内に
射出して発泡成形する例である。図9に射出成形装置の
うちCO2 ガス浸透部,材料ストック部及び射出部の部
分断面図を示す。
【0029】31は耐圧容器である。そのほかの構成部
品はすべて実施例1の場合と同じであるため符号の説明
は省略する。
【0030】以下図9により本発明のペレット状樹脂に
超臨界状態でCO2 ガスを浸透させた後、一定圧の耐圧
容器に一時ストックし、その後溶融し型内に射出して成
形する熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法について説明
する。先ず、ペレット状樹脂2は、耐圧チャンバ4に移
送され撹拌装置5により撹拌されながら超臨界状態(例
えば9MPa,40℃)でCO2 ガスが浸透される。そ
の後CO2 ガス浸透したペレット状樹脂は、耐圧チャン
バ4内を減圧後耐圧バルブ3開放により、大気中にさら
されることなく一定圧に昇圧された耐圧容器31に一時
ストックされる。引き続き耐圧バルブ6開放によりスク
リュ内蔵シリンダ11に移送され、スクリュ12の回転
により順次スクリュ内蔵シリンダ11の先端部(ノズル
側)に移送される。スクリュ内蔵シリンダ11は、バン
ドヒータ14により高温に加熱されているため、移送中
のペレット状樹脂2は溶融状態となりシャットオフバル
ブ付きノズル13より金型内に射出され、前述の実施例
1と全く同様に微細な独立セル構造の発泡成形体が製造
できる。
【0031】本実施例では、CO2 ガス浸透したペレッ
ト状樹脂2を耐圧容器31に一時ストックできるように
したので、射出成形の成形サイクルに合わせて効率よく
生産できるものである。
【0032】〔実施例3〕 本実施例は、ペレット状樹
脂2を耐圧チャンバ4内で溶融すると同時にCO2 ガス
を浸透させ、この溶融樹脂33をスクリュ内蔵シリンダ
11に移送後型内に射出して発泡成形する例である。図
10に射出成形装置のうち材料供給部、CO2 ガス浸透
部及び射出部の部分断面図を示す。
【0033】以下図10により本発明の溶融樹脂にCO
2 ガスを浸透させスクリュ内蔵シリンダに移送後型内に
射出して成形する熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法に
ついて説明する。
【0034】ペレット状樹脂2は、耐圧チャンバ4に移
送され撹拌装置5により撹拌されながら溶融すると同時
にCO2 ガス浸透される。これによりCO2 ガスは溶融
樹脂に均一に浸透される。その後ガス浸透した溶融樹脂
33は、大気中にさらされることなくバンドヒータ14
により加熱されたスクリュ内蔵シリンダ11に移送さ
れ、スクリュ12の回転により順次スクリュ内蔵シリン
ダ11の先端部(ノズル側)に移送される。このスクリ
ュ内蔵シリンダ11は、射出口にシャットオフバルブ付
きノズル13を、スクリュ12の軸受部に耐圧シール1
5を施してあり、気密性を確保できるため高圧状態を維
持できる構造となっている。また、バンドヒータ14に
より高温に加熱されているため、移送中のペレット状樹
脂2は溶融状態となりシャットオフバルブ付きノズル1
3より金型内に射出され、前述の実施例1と全く同様に
微細な独立セル構造の発泡成形体が製造できる。
【0035】〔実施例4〕 本実施例は、ペレット状樹
脂2を耐圧チャンバ4内で溶融すると同時にCO2 ガス
を浸透させ、この溶融樹脂を連続して高温のプランジャ
内蔵シリンダに移送し押し出して発泡成形する例であ
る。図11に射出成形装置のうち材料供給部,ガス浸透
部及び押し出し部の部分断面図を示す。
【0036】以下図11により本発明の溶融樹脂にCO
2 ガスを浸透させプランジャ内蔵シリンダに移送後押し
出して成形する熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法につ
いて説明する。
【0037】ペレット状樹脂2は、耐圧チャンバ4に移
送され撹拌装置5により撹拌されながら溶融すると同時
にCO2 ガスが浸透される。これによりCO2 ガスは溶
融樹脂に均一に浸透される。その後ガス浸透した溶融樹
脂33は、大気中にさらされることなく耐圧バルブ37
開放によりプランジャ内蔵シリンダ35に移送される。
移送された溶融樹脂は、プランジャ36により直ちに金
型キャビティ20内に押し出され、前述の実施例1と全
く同様に微細な独立セル構造の発泡成形体が製造でき
る。なお、プランジャ内蔵シリンダ35はバンドヒータ
39により加熱されており溶融樹脂33の温度低下を防
止する。本実施例の特徴は、CO2 ガス浸透した溶融樹
脂を極めて短時間に金型内に押し出し成形することであ
る。これによりさらに微細な独立セル構造の発泡成形体
が製造できる。
【0038】以上本発明の射出成形法による熱可塑性樹
脂発泡成形体の製造方法とその装置について実施例1〜
実施例4で詳細に説明した。
【0039】なお、本発明のうち、図12−(a)〜
(d)は、耐圧チャンバの断面図であり、ペレット状樹
脂2にCO2 ガスを浸透する場合のペレット状樹脂2の
各々の撹拌例を示したものである。
【0040】ペレット状樹脂2を撹拌するのは、超臨界
状態(例えば9MPa,40℃)でCO2 ガス浸透時の
ペレット状樹脂同士の融着を防止すると同時にペレット
状樹脂に均一にCO2 ガスを浸透させるためである。図
12−(a)はモータ7を駆動源とする撹拌装置5によ
る撹拌方法であり、前述の実施例1〜実施例4で採用し
た方法である。図12−(b)は、振動装置41により
耐圧チャンバ4全体を振動させチャンバ内のペレット状
樹脂2を撹拌する方法である。
【0041】図12−(c)は、耐圧チャンバ4内を一
定圧に保持できるようにCO2 ガスの吸入バルブ8と排
気バルブ9をわずかに開放しておき、このCO2 ガスの
流速でペレット状樹脂2を撹拌する方法である。図12
−(d)は、耐圧チャンバ4全体を交互に傾斜させてペ
レット状樹脂2を撹拌する方法である。
【0042】
【発明の効果】樹脂にCO2 ガスを浸透させる耐圧チャ
ンバを、射出成形機に設置した。これによりCO2 ガス
浸透の樹脂は、大気中にさらされることなく連続して高
温高圧のスクリュ内蔵シリンダに移送され型内に射出さ
れるので、空気巻込みによるボイドの発生がなく微細な
独立セル構造の発泡成形体が連続的に成形できる。ま
た、該スクリュ内蔵シリンダ内の気密性を保持すること
により高圧状態を確保し、さらに、ペレット状樹脂にシ
リコ−ン等を含有する界面活性剤を添加したので、樹脂
の加熱溶融による発泡セルの粗大化を抑制できた。該耐
圧チャンバには、撹拌装置を設置し樹脂を撹拌しながら
CO2 ガスを浸透したので、ペレット状樹脂同士の固着
を防止するとともに時間の短縮が図れかつ均一に浸透で
きた。なお、該ペレット状樹脂については、その形状を
円筒状,ドーム状及び星形状として表面積を大きくし、
かつ薄肉化しガスの浸透時間を短縮した。
【0043】射出成形法による発泡成形体の製造方法と
して提案した他の方式、すなわち、ペレット状樹脂を耐
圧チャンバ内で溶融すると同時にガス浸透し、直ちにプ
ランジャ内蔵シリンダに移送して押出し成形するように
したので、成形時間の短縮が図れかつ微細な独立セル構
造の発泡成形体が連続的に成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形装置うちの材料供給部,ガス浸透部及
び射出部の部分断面図である。
【図2】射出成形装置のノズル部及び金型の断面図であ
る。
【図3】従来のペレット状樹脂の斜視図である。
【図4】本発明の表面積を大きくし、かつ薄肉化した円
筒状ペレット,ドーム状ペレット及び星形状ペレットの
斜視図である。
【図5】円筒状ペレットの肉厚と表面積増加率との関係
を示す図である。
【図6】本発明により射出成形した箱体の斜視図であ
る。
【図7】図6の箱体の部分断面図である。
【図8】図6の箱体断面の密度分布を示す図である。
【図9】本発明の実施例2で、射出成形装置のうちのガ
ス浸透部,ガス浸透したペレット状樹脂のストック部及
び射出部の部分断面図である。
【図10】本発明の実施例3で、射出成形装置のうちの
材料供給部、溶融樹脂へのガス浸透部及び射出部の部分
断面図である。
【図11】本発明の実施例4で、射出成形装置の材料供
給部溶融樹脂へのガス浸透部及び押し出し部の部分断面
図である。
【図12】ガス浸透時のペレット状樹脂を撹拌する方法
を示す耐圧チャンバの断面図である。
【符号の説明】
1…ホッパ、2…ペレット状樹脂、3,6…耐圧バル
ブ、4…耐圧チャンバ、5…撹拌装置、7…モータ、8
…CO2 ガス供給部、9…CO2 ガス排気部、11…ス
クリュ内蔵シリンダ、12…スクリュ、13…シャット
オフバルブ付きノズル、14…バンドヒータ、15…耐
圧シール、20…金型キャビティ、24…円筒状ペレッ
ト、25,26…ドーム状ペレット、27…星形状ペレ
ット、28…箱体、29…発泡層、30…無発泡層、3
1…耐圧容器、33…溶融樹脂、34…油圧シリンダ、
35…プランジャ内蔵シリンダ、36…プランジャ、3
7…耐圧バルブ、41…振動装置、42…耐圧チャンバ
固定台、43…軸受。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳原 直人 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所AV機器事業部内 (72)発明者 中村 敬一 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出成形法による熱可塑性樹脂発泡成形体
    の製造方法であってペレット状樹脂を射出成形機に設置
    した耐圧チャンバに移送し、CO2 ガスなどの不活性ガ
    スを高圧状態で浸透させた後高温高圧状態のスクリュ内
    蔵シリンダに移送し溶融し、この溶融樹脂を型内に射出
    発泡させて成形することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡
    成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】ペレット状樹脂を射出成形機に設置した耐
    圧チャンバに移送し、高温高圧状態で溶融すると同時に
    CO2 ガスなどの不活性ガスを浸透させ、このガス浸透
    させた樹脂を高温高圧状態のスクリュ内蔵シリンダに移
    送し、型内に射出発泡させて成形することを特徴とする
    熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、ペレット状樹脂
    又は溶融樹脂にガスを浸透させる耐圧チャンバには、樹
    脂を撹拌しながらガスを浸透させる撹拌装置が備えてあ
    ることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形体の製造装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1において、ペレット状樹脂の形状
    を円筒状,ドーム状及び星形状にし、表面積を大きく
    し、薄肉化したことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は2において、ペレット状樹脂
    はシリコーンなどの界面活性剤を添加したことを特徴と
    する熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1又は2において、溶融樹脂を金型
    内に射出するスクリュ内蔵シリンダの射出口にシャット
    オフバルブ付きノズルを取付け、かつスクリュの軸受部
    に耐圧シールを備えていることを特徴とする熱可塑性樹
    脂発泡成形体の製造装置。
  7. 【請求項7】ペレット状樹脂を射出成形機に設置した耐
    圧チャンバに移送して溶融し、ガス浸透後連続して高温
    のプランジャ内蔵シリンダに移送し、型内に押し出して
    発泡成形することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、溶融樹脂にガスを浸透
    させる耐圧チャンバには、溶融樹脂を撹拌しながらガス
    を浸透させる撹拌装置が備えてあり、かつプランジャ内
    蔵シリンダの先端にはシャットオフバルブ付きノズルが
    取り付けられていることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡
    成形体の製造装置。
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