JPH0884754A - 医療廃棄物の処理方法及び装置 - Google Patents

医療廃棄物の処理方法及び装置

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JPH0884754A
JPH0884754A JP24888194A JP24888194A JPH0884754A JP H0884754 A JPH0884754 A JP H0884754A JP 24888194 A JP24888194 A JP 24888194A JP 24888194 A JP24888194 A JP 24888194A JP H0884754 A JPH0884754 A JP H0884754A
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JP
Japan
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gas
medical waste
tank
heating
treatment
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Application number
JP24888194A
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English (en)
Inventor
Ryosaku Kurashima
良作 倉島
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AICHI PURASUTOON KK
MAKINO TOKU
Original Assignee
AICHI PURASUTOON KK
MAKINO TOKU
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医療廃棄物の減菌を行ない、一般廃棄物と同
様な廃棄を可能にする。 【構成】 加熱槽1内で医療廃棄物を攪拌しながら加熱
して減菌すると共に、溶融状態とし、この溶融状態の医
療廃棄物を固形化部8で固形化する。加熱で生じたガス
をタール除去器2でタールを除去し、冷却器3で冷却し
た後、酸液槽4、アリカリ液槽5を通し、中和反応によ
り有毒物質を除去し、脱臭器7で無臭化して大気へ放出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は病院その他の医療機関か
ら生じたプラスチックを主体とする医療廃棄物を無菌化
すると共に、減溶化するための方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医療に用いたプラスチックを主体とした
廃棄物の中には、感染性の汚れが付着したものがあり、
一般廃棄物と同じように取り扱うことができず、病院内
での特殊処理を必要としている。このため、特公平5−
69596号公報には、病院外でも医療廃棄物を処理す
ることができる方法が記載されている。
【0003】かかる従来の方法は、医療廃棄物を粉砕し
この粉砕物を吸着材と攪拌しながら180°C以上に加
熱するものである。吸着材は加熱時に医療廃棄物から発
生する有毒ガスを吸収するために添加するものであり、
炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム
が使用されている。かかる方法では、180°C以上の
加熱により減菌が行なわれるため、医療廃棄物は焼却す
る必要がなくなると共に、医療廃棄物から発生した有毒
ガスが吸着材により吸着されるため、無公害化が可能と
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法では、医療廃棄物の加熱によって生じた有
害ガスを確実に除去することができない問題があった。
その第1の理由は有毒ガスは医療廃棄物の加熱によって
生じるが、この加熱状態では有毒ガスが大量に発生する
と共に、大きな運動エネルギーを有しているため、その
補捉を完全に行なうことができないからである。又、第
2の理由は吸着材としていずれもアルカリ性物質を使用
していることによる。即ち、アルカリ性物質は酸性の有
毒ガスを化学吸着するが、そのアルカリ性物質のアルカ
リ性よりも弱いアルカリ性の有毒ガスに対しては、その
駆逐を行なう特性を有し、これにより弱アルカリ性の有
毒ガスは吸収されることなく、そのまま放出されるため
である。
【0005】以上のことから従来の方法では、有毒ガス
の完全な除去をできず、環境上の問題を有していた。
又、従来の方法では、吸着材を添加することから、廃棄
物全体の体積が増大する。しかも、医療廃棄物のと吸着
材とが加熱化での混合によりボール状に固まってしま
う。このため、全体が嵩ばって大きくなり、取り扱いが
面倒で、しかも廃棄のための土地面積を広く必要として
いた。
【0006】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、プラスチック等の医療廃棄物から発生する有毒
ガスを確実に除去できると共に、嵩ばる原因となる吸着
材を使用することなく、その減菌処理及び減容化が可能
な医療廃棄物の処理方法を提供することを目的とする。
又、本発明は処理によって発生したガスの無臭化を行な
うことが可能な処理方法を提供することを目的とする。
更に、本発明はこれらの処理方法に好適に実施すること
ができる処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の処理方
法は、医療廃棄物を攪拌しながら200〜300°Cに
加熱して溶融状態とする加熱処理と、この溶融状態の医
療廃棄物をインゴットケースに投入して固形化する固形
化処理と、前記加熱処理によって医療廃棄物から生じた
ガスからタール分を除去するタール除去処理と、タール
除去後のガスを冷却する冷却処理と、この冷却処理後の
ガスを酸性溶液及びアルカリ性溶液に逐次通過させて中
和する中和処理とを備えていることを特徴としている。
【0008】本発明の処理対象となる医療廃棄物は注射
液のシリンジや人口肛門、使い捨ておむつ等の排泄物収
納袋、その他の医療に用いた廃棄物であり、プラスチッ
クを主体とする。これらの医療廃棄物は感染性の菌が付
着していると共に、そのままでは嵩ばった状態となって
いる。上記構成における加熱処理はこの医療廃棄物を確
実に減菌するため、衛生上、安全となる。又、この加熱
によって溶融状態となった医療廃棄物はインゴットケー
ス内で固形化されるため、嵩ばらずコンパクトな形態と
なり、廃棄等の後処理が容易となる。
【0009】医療廃棄物の加熱により発生した有害物質
含有のガスは先ずタール分が除去されて周囲への付着性
がなくなる。そして、このガスを冷却した後、酸性液及
びアルカリ液に逐次、通過させる。このとき、アルカリ
性の有毒物質が酸性液で補捉されるため、除去されると
共に、酸性の有毒物質がアルカリ性溶液で補捉される。
このため、酸性、アルカリ性の有毒物質を確実に除去で
きる。
【0010】本発明の別の処理方法は、医療廃棄物を攪
拌しながら200〜300°Cに加熱して溶融状態とす
る加熱処理と、この溶融状態の医療廃棄物をインゴット
ケースに投入して固形化する固形化処理と、前記加熱処
理によって医療廃棄物から生じた有毒物質含有のガスを
冷却してタール分を除去する冷却処理と、この冷却処理
後のガスを酸性溶液及びアルカリ性溶液に逐次通過させ
て中和する中和処理とを備えていることを特徴としてい
る。この方法では、ガスの冷却時にタール分を同時に除
去でき、かかる方法はタール分が比較的少なく発生する
医療廃棄物に好適に適用できる。本発明では、有毒物質
の除去の後、ガスを脱臭処理する工程を加えることがで
き、これによりガスを無臭化した後に、大気へ放出する
ことができる。
【0011】本発明の処理装置は、医療廃棄物を攪拌し
ながら200〜300°Cに加熱して溶融状態とする加
熱槽と、この溶融状態の医療廃棄物を加熱槽からインゴ
ットケースに収容して固形化する固形化部と、前記加熱
槽での加熱により生じたガスからタール分を除去するタ
ール除去器と、タール除去後のタールを冷却する冷却器
と、この冷却器からのガスを酸性溶液及びアルカリ性溶
液に逐次通過させて中和する中和槽とを備えていること
を特徴としている。医療廃棄物を攪拌しながら200〜
300°Cに加熱して溶融状態とする加熱槽と、この溶
融状態の医療廃棄物を加熱槽からインゴットケースに収
容して固形化する固形化部と、前記加熱槽での加熱によ
り生じた有毒物質含有のガスを冷却してタール分を除去
する冷却器と、この冷却器からのガスを酸性溶液及びア
ルカリ性溶液に逐次通過させて中和する中和処理とを備
えていることを特徴としている。
【0012】この装置において、加熱槽は上述した医療
廃棄物の減菌を行ない、固形化部は溶融状態の医療廃棄
物をコンパクトな形態にして固形物とする。又、タール
除去器は加熱により生じた有害物質含有のガスからター
ル分を除去し、冷却器は有毒物質含有のガスの冷却を行
ない、中和槽はガス内の酸性有毒物質、アルカリ性有毒
物質の双方を確実に除去する。このため、上述した処理
方法に好適に実施することができる。
【0013】本発明の別の処理装置は、医療廃棄物を攪
拌しながら200〜300°Cに加熱して溶融状態とす
る加熱槽と、この溶融状態の医療廃棄物をインゴットケ
ースに投入して固形化する固形化部と、前記加熱槽での
加熱により生じた有毒物質含有のガスを冷却してタール
分を除去する冷却器と、この冷却器からのガスを酸性溶
液及びアルカリ性溶液に逐次通過させて中和する中和槽
とを備えていることを特徴としている。これらの何れの
装置においては、脱臭器を中和槽に連結することによ
り、大気放出以前にガスを無臭化することができる。
【0014】
【実施例】図1及び図2図は本発明の一実施例の全体構
成を示し、加熱槽1と、タール除去器2と、冷却器3
と、酸液槽4及びアルカリ液槽5からなる中和槽6と、
脱臭器7とを備えている。又、加熱槽1の下部には固形
化部8が設けられている。加熱槽1はプラスチックを主
体とした医療廃棄物を加熱して溶融すると共に、減菌処
理をするものであり、固形化部8は溶融した医療廃棄物
を固形化してコンパクトにするものである。図3は加熱
槽1の内部構成を示し、側面の投入路9を除く全体が壁
体10に覆われた密閉構造となっている。この壁体10
における側面部分の内面には、耐火レンガ(図示省略)
が設けられ、加熱時の外部への伝熱が防止されている。
この加熱槽1は第1の加熱板11が中間部分に設けられ
て仕切られることにより、上槽12及び下槽13の2段
に区切られている。上述した第1の加熱板11は上槽1
2内に投入された医療廃棄物を加熱する。これに対し、
下槽13の底部には第2の加熱板14が設けられ、下槽
13内でも医療廃棄物の加熱が行なわれる。
【0015】かかる加熱槽1の中央部分には回転軸15
が上下方向に貫通している。回転軸15はその上端部が
加熱槽1の上方に抜き出され、この抜き出し端部にプー
リ16が取り付けられている。そして、このプーリ16
が加熱槽1の外側に設けられたモータ17に(図1及び
図2参照)にベルトを介して連結されており、これによ
り回転軸15はモータ17の駆動により回転する。この
回転軸15における上槽12及び下槽13の底部に接近
した部位には弓形状等に成形された攪拌羽根18、19
が取り付けられており、回転軸15の回転により攪拌羽
根18、19が各槽12、13内の医療廃棄物を攪拌す
る。
【0016】上述した第1及び第2の加熱板11、14
にはロッド状のヒータ(図示省略)が複数埋設されてお
り、ヒータへの通電により各加熱板11、14は各槽1
2、13内の医療廃棄物を200〜300°Cに加熱す
る。この加熱は攪拌羽根18、19の攪拌と共に行なわ
れ、これにより医療廃棄物は均一に混合されながら加熱
されて減菌が行なわれると共に、医療廃棄物に使用され
ているプラスチック、ゴム等の熱可塑性物質が溶融状態
となる。この場合、医療廃棄物に使用されている注射針
等の金属は溶融しないが、200〜300°Cの高温に
接することにより減菌され、この減菌状態で固形化部8
内で熱可塑性物質と共に固まるため、その投棄が可能と
なる。医療廃棄物はこのような加熱により減菌され、溶
融状態となると共に、医療廃棄物の分解に基づいたガス
が発生する。このガスには有毒物質が含有されており、
上槽12の上面に形成されたガス抜き管20(図1参
照)からタール除去器2に導き出される。
【0017】図3において、21は第2の加熱板14の
下面と接触する断熱板であり、加熱槽1下部の固形化部
8への伝熱を防止する。この断熱板21及び第2の加熱
板14には連通穴22が同一線上に形成されており、下
槽13内で溶融した医療廃棄物が固形化部8に落下す
る。又、第1の加熱板11にも上槽12と下槽13とを
連通する連通穴23が部分的に形成されており、医療廃
棄物が上槽12から下槽13に落下するようになってい
る。
【0018】このような加熱槽1に対し、医療廃棄物は
側面の投入路9からその上槽12内に供給される。この
投入路9は図1及び図2に示すように、ホッパー25に
連通している。このホッパー25は側面部分に開閉蓋2
5aを有し、この開閉蓋25aから医療廃棄物がホッパ
ー25内に投入される。又、ホッパー25内には流体圧
シリンダ(図示省略)に連結されて投入路9方向に進退
する押す出し部材26が設けられており、この押し出し
26の進出により医療廃棄物の加熱槽1への送り出しが
行なわれる。尚、図形化部8には、図2に示すように、
監視窓29が長手方向に適宜間隔をおいて開口されてお
り、内部のインゴットケース27の監視が可能となって
いる。
【0019】固形化部8は加熱槽1における下槽13の
連通穴22から溶融状態の医療廃棄物が落下する。この
固形化部8内にはインゴットケース27が順次、連通穴
22下方に供給されて医療廃棄物を受け取る状態とな
る。そして、医療廃棄物により満杯となったインゴット
ケース27は固形化部8から搬出され、自然冷却され
る。これにより、医療廃棄物がインゴットケース27内
で固まり、同ケース27から取り出して廃棄される。こ
の段階では、医療廃棄物が既に減菌されているため、衛
生上安全であり、一般廃棄物と同様に廃棄することが可
能となる。このようなインゴットケース27を用いた固
形化では、同一サイズ、同一形状に定型化できるため、
梱包、荷積み等のその後の処理が画一化でき、処理が容
易となる。加えて、プラスチックを主体とした医療廃棄
物は当初は嵩ばっているが、溶融されて固形化されるた
め、体積が減じる。これにより廃棄のための土地スペー
スを広く必要とすることがなくなる。
【0020】タール除去器2はガス抜き管20を介して
加熱槽1と連結されて加熱槽1からのガスが導入される
(図1参照)。図1において、28はガス抜き管20と
ホッパー25とを連結するガス抜き補助管であり、ホッ
パー25内で生じたガスをタール除去器2に導入するた
めに設けられている。
【0021】図4はタール除去器2の内部構造を示し、
活性炭が充填された活性炭タンク31、32がガスの導
入口30の下方に配置されている。この活性炭タンク3
1、32は仕切板33により排出口34と仕切られてお
り、導入口30からのガスは、矢印で示すように活性炭
タンク31、32を通過した後、排出口34から排出さ
れ、冷却器3に導きかれる。ガスはこの活性炭タンク3
1、32を通過する際に、タール分が物理吸着により活
性炭に吸着され、タール分の除去が行なわれる。図4に
おいて、35はタール除去器2の下部に設けられたドレ
ン口である。
【0022】冷却器3はタール除去器2の排出口34と
管路36を介して連結されている(図1参照)。図5は
この冷却器3を示し、内部に水、油等の冷却媒体37が
充填されている。38はガスの導入口であり、管路36
と連結される。この導入口38の下部には大径の第1の
ガイド管39が配置されている。又、第1のガイド管3
9の周囲には小径の第2のガイド管40が放射状に複
数、配置されている。そして、これらのガイド管39、
40の下端は冷却器3の下端部に設けたドレン部41で
開口されており、これにより第1のガイド管39から第
2のガイド管40へのガスの流入が可能となっている。
一方、第1のガイド管39の上端部分と複数の第2のガ
イド管40の上端部分とは仕切板42により仕切られて
いる。これにより導入口38からのガスは第1のガイド
管39内を下方にながれてドレン部41に達し、このド
レン部41で拡散した後、第2のガイド管40内を上方
に流れ、排出口43から中和槽6に導き出される。そし
て、これらのガイド管39、40内を通過する間に確実
に冷却される。この冷却により、ガスの大気放出時の周
囲温度の上昇を防止できる。尚、ガス内に残存している
タール分はこの冷却によって露結し、ガイド管39、4
0からドレン部41に落下し、ドレン部41から排出さ
れる。このため、ガス内のタール分の確実な除去が可能
となる。そして、冷却器3で冷却されたガスは管路45
から中和槽6に導きかれる(図1参照)。
【0023】中和槽6は管路45に連結され酸液槽4、
この酸液槽4に管路46を介して連結されたアルカリ液
槽5とを備えている。図6及び図7は酸液槽4を、図8
及び図9はアルカリ液槽5を夫々示す。これらの酸液槽
4及びアルカリ液槽5は同一構造となっており、ガスが
導入される導入管51が中央部分に垂下している。この
導入管51の下端部には放出管部材52が取り付けられ
ている。放出管部材52はパイプを矩形状に組み付けこ
とにより構成されており、ガスは導入管51から放出管
部材52内に流入する。この放出管部材52には多数の
放出穴53が開口されており、この放出穴53からガス
が放出される。
【0024】酸液槽4には酸性溶液54が充填され、ア
ルカリ液槽5にはアルカリ性溶液55が充填されてお
り、放出管部材52はこれらの溶液54、55に浸漬さ
れてガスが各溶液内に放出される。56は上部が各溶液
554、55の液面上方に抜き出された排出管であり、
各溶液から気泡となって上昇したガスをその上部から取
り込み、下端のドレン部57から外部に排出する。この
ような酸液槽4及びアルカリ液槽5では、夫々の放出管
部材52から放出されたガスが各溶液54、55と接触
する。即ち、ガスが酸性溶液54内に噴出すると、ガス
中に含まれているアルカリ性の有毒物質が中和されて沈
殿或いはイオンの形態で補捉される。一方、ガスがアル
カリ性溶液55内に噴出すると、ガス中の酸性の有毒物
質が同様の形態で補捉される。又、中性の有毒物質にお
いては、いずれかの溶液54、55で補捉される。これ
により、中和槽6ではガス中の全ての有毒物質を確実に
補捉することができる。
【0025】かかる作用を行なうため酸性溶液54とし
ては、pH1〜5程度の範囲に調整したものが良く、よ
り好ましくは外気中への放散のない不揮発性を有したも
のが選択され、リン酸、硫酸等の水溶液を使用すること
ができる。アルカリ性溶液55についても同様であり、
pH12〜15程度の範囲で、しかも不揮発性を有した
ものが選択され、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム等の水溶液を使用することができる。
【0026】中和槽6のアルカリ液槽5には管路58が
連結されており、この管路58に脱臭器7が接続されて
いる。この脱臭器7は内部に活性炭等の吸着物質が充填
されている。この脱臭槽7としては、図4に示すタール
除去器2と同様の構造とすることができるため、図示を
省略する。中和槽6からのガスはこの脱臭槽7を通過す
ることにより、その悪臭成分が吸着除去される。これに
より、ガスは無臭化され、放出管59から大気中に放出
される。
【0027】以上のような構造の処理装置では、加熱槽
1で生じたガスがタール除去器2でタールが除去され、
冷却器3で冷却された後、中和槽6でアルカリ性、酸
性、中性の全ての有毒物質が除去され、その後、脱臭器
7で脱臭される。このため、毒性のない衛生的で安全で
あり、しかも清浄で無臭のガスとなって大気に放出する
ことができる。従って、医療廃棄物の加熱減菌で有毒物
質を含むガスが発生しても、環境上、問題のない形態に
変化させるため、医療廃棄物の処理を確実に行なうこと
ができる。
【0028】図10及び図11は本発明の別の実施例を
示し、前記実施例と同一の要素は同一の符号を賦して対
応させることにより、重複する説明を省略する。この実
施例はタール除去器2を取り除いたものであり、加熱槽
1と、固形化部8と、冷却器3と、酸液槽4及びアルカ
リ液槽5からなる中和槽6と、脱臭器7とを備えてい
る。
【0029】加熱槽1は図11に示すように、上槽12
及び下槽13からなる2段構造となっており、各槽1
2、13内で医療廃棄物の加熱が行なわれる。この場
合、医療廃棄物は上槽12に設けたホッパー60から直
接に投入される。この実施例では、上槽12の底部及び
側面部にヒータ61を取り付けると共に、下槽13の底
部にヒータ62を取り付けることにより、医療廃棄物を
200〜300°Cに加熱するようになっている。この
加熱槽1に対し、冷却器3が管路64を介して直接に連
結されている(図10参照)。この冷却器3は内部に
水、油等の冷却媒体37が循環しており、この冷却媒体
37に複数本の冷却管65が浸漬されている。加熱槽1
からのガスは冷却管65内を通過中に冷却されて、油分
等がタールとなって固まる。このタールは冷却器3の下
方に設けられたタール抜き部66に落下して排出され
る。尚、図示例においては、冷却器3への導入以前に、
ガスは空気管67からの外気に混合されて希釈される
が、この希釈は必ずしも必要がないものである。中和槽
6のアルカリ液槽5はその上部に管路70が連結されて
おり、この管路70に脱臭器7が接続されている。71
は管路70に挿入されたブロアモータであり、加熱槽1
で発生したガスに流動力を付与する。72はこのブロア
モータ71の上流側に設けられた圧力メータであり、ガ
スの流動圧を検出する。又、73は脱臭器7内に充填さ
れた活性炭等の脱臭剤である。
【0030】このような実施例においても、前記実施例
と同様に医療廃棄物の無菌化及び減菌化ができると共
に、発生するガスの大気放出が可能となる。特に、本実
施例ではタール除去器を不要とするため、装置が簡単と
なる利点がある。
【0031】本発明は上記実施例に限定されることな
く、種々変更が可能である。例えば、医療廃棄物を加熱
減菌する加熱槽1を2段とすることなく、1段或いは3
段以上としても良い。又、中和槽6では、アルカリ液槽
と酸液槽とを反対に連結しても良い。更に、この中和槽
6では、二酸化イオウ等の酸性悪臭物質、メルカプタ
ン、アンモニア等のアルカリ性悪臭物質のいずれもが中
和反応で除去されるところから、脱臭器7を省いてもよ
い。
【0032】
【発明の効果】以上の通り、本発明の処理方法は、医療
廃棄物を確実に減菌するため、安全性を有したものとす
ることができ、しかも、これをコンパクトな形態に固め
るため、一般廃棄物と同様な取り扱いがが可能となる。
又、減菌で生じたガスに有毒物質が含まれていても、中
和反応により除去するため、確実な除去が可能で、ガス
を大気中に放出することができる。
【0032】本発明の処理装置は、加熱による医療廃棄
物の減菌、医療廃棄物の溶融状態から固形化及び発生し
たガスの無毒化が可能なため、上述した処理に好適に実
施することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体平面図である。
【図2】本発明の一実施例の全体正面図である。
【図3】加熱槽の断面図である。
【図4】タール除去器の断面図である。
【図5】冷却器の断面図である。
【図6】酸液槽の断面図である。
【図7】酸液槽の内部の平面図である。
【図8】アルカリ液槽の断面図である。
【図9】アルカリ液槽の内部の平面図である。
【図10】本発明の別の実施例の全体構成図である。
【図11】本発明の別の実施例の加熱槽の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 加熱槽 2 タール除去器 3 冷却器 4 中和槽 5 酸液槽 6 アルカリ液槽 7 脱臭器 8 固形化部 21 インゴットケース

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療廃棄物を攪拌しながら200〜30
    0°Cに加熱して溶融状態とする加熱処理と、この溶融
    状態の医療廃棄物をインゴットケースに投入して固形化
    する固形化処理と、前記加熱処理によって医療廃棄物か
    ら生じたガスからタール分を除去するタール除去処理
    と、タール除去後のガスを冷却する冷却処理と、この冷
    却処理後のガスを酸性溶液及びアルカリ性溶液に逐次通
    過させて中和する中和処理とを備えていることを特徴と
    する医療廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 医療廃棄物を攪拌しながら200〜30
    0°Cに加熱して溶融状態とする加熱槽と、この溶融状
    態の医療廃棄物を加熱槽からインゴットケースに収容し
    て固形化する固形化部と、前記加熱槽での加熱により生
    じたガスからタール分を除去するタール除去器と、ター
    ル除去後のタールを冷却する冷却器と、この冷却器から
    のガスを酸性溶液及びアルカリ性溶液に逐次通過させて
    中和する中和槽とを備えていることを特徴とする医療廃
    棄物の処理装置。
  3. 【請求項3】 医療廃棄物を攪拌しながら200〜30
    0°Cに加熱して溶融状態とする加熱処理と、この溶融
    状態の医療廃棄物をインゴットケースに投入して固形化
    する固形化処理と、前記加熱処理によって医療廃棄物か
    ら生じた有毒物質含有のガスを冷却してタール分を除去
    する冷却処理と、この冷却処理後のガスを酸性溶液及び
    アルカリ性溶液に逐次通過させて中和する中和処理とを
    備えていることを特徴とする医療廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 医療廃棄物を攪拌しながら200〜30
    0°Cに加熱して溶融状態とする加熱槽と、この溶融状
    態の医療廃棄物をインゴットケースに投入して固形化す
    る固形化部と、前記加熱槽での加熱により生じた有毒物
    質含有のガスを冷却してタール分を除去する冷却器と、
    この冷却器からのガスを酸性溶液及びアルカリ性溶液に
    逐次通過させて中和する中和槽とを備えていることを特
    徴とする医療廃棄物の処理装置。
  5. 【請求項5】 前記中和処理されたガスから悪臭成分を
    除去する脱臭処理を中和処理後に行なうことを特徴とす
    る請求項1又は3記載の医療廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱処理を複数回繰り返すことを特
    徴とする請求項1又は3記載の医療廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記中和槽からのガスから悪臭成分を除
    去する脱臭器が中和槽に連結されていることを特徴とす
    る請求項2又は4記載の医療廃棄物の処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108516633A (zh) * 2018-05-04 2018-09-11 吉兴远(天津)环保科技有限公司 一种医疗废弃物优化设备
USD968640S1 (en) 2018-12-27 2022-11-01 Stryker Corporation Pharmaceutical waste disposal assembly

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